特許第6306772号(P6306772)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6306772燃料ガス特性測定システムを有する内燃エンジン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6306772
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】燃料ガス特性測定システムを有する内燃エンジン
(51)【国際特許分類】
   F02D 19/02 20060101AFI20180326BHJP
   F02D 43/00 20060101ALI20180326BHJP
   F02M 21/02 20060101ALI20180326BHJP
【FI】
   F02D19/02 F
   F02D19/02 D
   F02D43/00 301G
   F02D43/00 301E
   F02M21/02 301A
【請求項の数】22
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-87574(P2017-87574)
(22)【出願日】2017年4月26日
(65)【公開番号】特開2017-201175(P2017-201175A)
(43)【公開日】2017年11月9日
【審査請求日】2017年7月6日
(31)【優先権主張番号】PA201670286
(32)【優先日】2016年5月2日
(33)【優先権主張国】DK
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516330468
【氏名又は名称】マン ディーゼル アンド ターボ フィリアル ア マン ディーゼル アンド ターボ エスイー チュスクラン
【氏名又は名称原語表記】MAN Diesel & Turbo,filial af MAN Diesel & Turbo SE,Tyskland
(74)【代理人】
【識別番号】100101340
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 英一
(74)【代理人】
【識別番号】100205730
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 重輝
(72)【発明者】
【氏名】ステファン マイヤー
【審査官】 神山 貴行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−226621(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/080586(WO,A2)
【文献】 カナダ国特許出願公開第02326469(CA,A1)
【文献】 特開2013−096249(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D13/00−28/00
F02D41/00−45/00
F02M21/00−21/12
F02B43/00−45/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数のシリンダ(1)と、
燃料ガスの流れを所定の圧力及び温度で前記シリンダ(1)に供給するように構成された燃料ガス供給システム(30)とを備え、
前記1つ又は複数のシリンダ(1)は、それぞれが少なくとも1つの燃料吸入バルブ(31)を備える、内燃エンジンであって、
前記内燃エンジンの燃焼室とは異なる燃焼セル(40)を備え、
前記燃料ガス供給システム(30)は、前記燃料ガスの流れを同じ所定の圧力及び温度で前記燃焼セル(40)に供給するように構成され、
前記内燃エンジンは、
酸化剤ガスの流れを前記燃焼セル(40)に供給するための供給ライン(42)と、
燃焼ガスの流れを前記燃焼セル(40)から排出するための排気導管(47)と、
燃焼ガスの前記流れにおける酸素の比率を測定するためのセンサ(48)とを備えることを特徴とする内燃エンジン。
【請求項2】
前記酸化剤ガスの前記流れ中の酸素質量流量を一定に保つための構成(44、45)を備える、請求項1記載の内燃エンジン。
【請求項3】
前記酸化剤ガスの前記流れ中の酸素質量流量を制御するための構成(44、45、50)を備える、請求項1記載の内燃エンジン。
【請求項4】
前記燃焼セル(40)に供給される酸化剤ガスの流量、又は前記燃焼セル(40)に供給される酸化剤ガスの流れ中の酸素質量流量を測定又は決定するための構成(45)を備える、請求項1〜3の何れか一項に記載の内燃エンジン。
【請求項5】
前記燃焼セル(40)への酸化剤ガス流中の酸素質量流量について通知され、燃焼ガスの流れ中の酸素の比率を測定するための前記センサ(48)から信号を受信する制御ユニット(50)を更に備える、請求項1〜4の何れか一項に記載の内燃エンジン。
【請求項6】
前記制御ユニット(50)は、前記燃焼セル内での燃焼中に消費される酸素の量を決定するように構成される、請求項5記載の内燃エンジン。
【請求項7】
ノズル(49)を備える前記燃焼セル(40)が、前記供給ライン(42)に接続されており、
前記制御ユニット(50)は、酸化剤ガス流中の酸素質量流量を測定又は決定するための構成(45)からの信号、及び燃焼ガスの流れ中の酸素の比率を測定するための前記センサ(48)からの信号に基づいて、前記ノズル(49)を通じて噴射される燃料のエネルギーを決定するように構成される、請求項5又は6記載の内燃エンジン。
【請求項8】
前記制御ユニット(50)は、前記シリンダ(1)及び前記燃焼セル(40)に供給される燃料ガスの発熱量を表す値を決定するように構成される、請求項6又は7記載の内燃エンジン。
【請求項9】
ノズル(49)を備える前記燃焼セル(40)が、前記供給ライン(42)に接続されており、
制御ユニット(50)は、前記ノズル(49)を通じて噴射される燃料のエネルギーの量を計算に含めて、又は前記シリンダ(1)及び前記燃焼セル(40)に供給される燃料ガスの発熱量を表す値を計算に含めて、前記燃料吸入バルブ(31)を通じて前記1つ又は複数のシリンダ(1)内に噴射又は吸入されるエネルギーを決定するように構成される、
請求項1〜8の何れか一項に記載の内燃エンジン。
【請求項10】
前記制御ユニット(50)は、前記燃料吸入バルブ(31)を介して前記1つ又は複数のシリンダ(1)内に噴射又は吸入される燃料のエネルギーの量からエンジン負荷を決定するように構成される、請求項9記載の内燃エンジン。
【請求項11】
ノズル(49)を備える前記燃焼セル(40)が、前記供給ライン(42)に接続されており、
制御ユニット(50)は、前記ノズル(49)内のノズル穴のサイズと前記燃料吸入バルブ(31)のノズル内のノズル穴のサイズとの間の関係について通知される、請求項1〜10の何れか一項に記載の内燃エンジン。
【請求項12】
ノズル(49)を備える前記燃焼セル(40)が、前記供給ライン(42)に接続されており、
制御ユニット(50)は、較正によって、前記ノズル(49)内のノズル穴の正確なサイズ及び前記燃料吸入バルブ(31)のノズル内のノズル穴の正確なサイズについて通知される、請求項1〜11の何れか一項に記載の内燃エンジン。
【請求項13】
前記制御ユニット(50)は、前記シリンダ(1)及び前記燃焼セル(40)に供給される燃料ガスの発熱量を表す値を、エンジン負荷を計算するための補正係数として使用するように構成される、請求項9〜12の何れか一項に記載の内燃エンジン。
【請求項14】
前記酸化剤ガスは、空気と追加の窒素の混合物である、請求項1〜13の何れか一項に記載の内燃エンジン。
【請求項15】
前記酸化剤ガスは、空気の酸素含有量より低い酸素含有量を有する、請求項1〜14の何れか一項に記載の内燃エンジン。
【請求項16】
燃焼ガス流中の酸素の比率を決定するための前記センサ(48)は、ラムダ・センサ(48)を含む、請求項1〜15の何れか一項に記載の内燃エンジン。
【請求項17】
制御ユニット(50)は、燃焼ガス中の酸素の比率を決定するための前記センサ(48)からの信号に応答して、酸素質量流量又は酸化剤ガスの流量を制御するように構成される、請求項5〜16の何れか一項に記載の内燃エンジン。
【請求項18】
燃料ガスで動作する内燃エンジン内の燃料ガスの特性を決定するための方法であって、
燃料ガスを所定の圧力及び温度で前記内燃エンジンのシリンダ(1)に供給し、前記燃料ガスの流れを同じ所定の圧力及び所定の温度で燃焼セル(40)に供給するステップと、
酸化剤ガスの流れを前記燃焼セル(40)に供給するステップと、
前記燃料ガスを前記酸化剤ガスと共に前記燃焼セル(40)内で燃焼し、それにより燃焼ガスの流れを生み出すステップと、
前記燃焼ガス中の酸素の比率を測定するステップとを含み、
燃焼セル(40)は、前記内燃エンジンの燃焼室とは異なることを特徴とする方法。
【請求項19】
前記燃焼ガス中の酸素の測定された比率に応答して、酸化剤ガスの前記流れの中の酸素質量流量を決定又は制御するステップを更に含む、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記燃料ガスの発熱特性を表す値を決定するステップを更に含む、請求項18又は19記載の方法。
【請求項21】
前記内燃エンジンの燃料吸入バルブ(31)が開いている持続時間、及び前記燃料ガスの発熱特性を表す前記値に基づいてエンジン負荷を決定するステップを更に含む、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記燃焼セル(40)内で燃焼中に消費される酸素の量を決定するステップを更に含む、請求項18〜21の何れか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料ガスで動作する内燃エンジンに関する。
【背景技術】
【0002】
オットー原理又はディーゼル原理を使用する2行程エンジン、4行程エンジンなど内燃エンジンは、液体燃料又は気体燃料で動作することができる。現代のエンジンの適正動作のためには、エンジンの負荷を正確に知ることが必要とされる。この情報は、例えば噴射タイミング及び長さ、排気バルブ開タイミング及び長さ、可変ターボ過給機設定、SCR設定、EGR設定、噴射のためのガス圧力、液圧システム圧力、排気ガス・バイパス開度、冷却ファン速度、冷却液ポンプ設定など、様々なパラメータを制御するために必要とされる。これはすべてではなく、エンジン・タイプに依存する。しかし、すべての内燃エンジンにとって、適正動作のために負荷を正確に決定することが必要とされることは共通である。
【0003】
当技術分野では、クランクシャフトのトルク及び回転速度を測定すること、ならびにこの情報からエンジン負荷を導出することが知られている。また、負荷を決定するために、消費される燃料の量を測定することも知られている。しかし、これには、燃料の特性、特に発熱特性及び密度が既知であること、又はそれを正確に決定できることが必要になる。気体燃料の場合、圧力、温度の変動により、送達される燃料の密度を決定することはより困難であり、一般に、エンジン内の燃焼室に送達されるガスの組成の変動により、発熱特性を決定することはより困難である。
【0004】
気体燃料の特性を決定する1つの方法は、ガス・クロマトグラフを使用すること、及び所定の時間間隔で試料を採取することである。ガス組成を分析することにより、ガスの特性に関する必要な情報を計算することが可能である。しかし、例えばガス・クロマトグラフを用いて所定の時間間隔で試料を採取することは、コストと時間がかかり、即座の結果をもたらさず、その結果、エンジンは常に、古くなった、一般に少なくとも数分古くなった情報で動作する。実際のガス・サンプリングと測定結果の出口との間のこの遅延は、エンジンの動作の精度を低下させる。
【0005】
他の使用可能な計器は、標準的なウォッベ指数を測定又は出力する。ウォッベ指数は、燃料ガスの交換可能性の指標である。ウォッベ指数Iは、I=V/(sqrt G)として定義され、Vは、より高い発熱量であり、Gは、比重である。
【0006】
ウォッベ指数は、器具内の様々な組成の燃料ガスの燃焼エネルギー出力を比較するために使用される。2種の燃料が同一のウォッベ指数を有する場合には、所定の圧力及びバルブ設定について、エネルギー出力もまた同一になる。
【0007】
しかし、ウォッベ指数はガスの質/特性間の比較を提供するにすぎないので、ウォッベ指数はエンジン負荷を正確に決定するために必要とされる情報そのものではない。
【0008】
従って、燃料ガスで動作する内燃エンジンの制御を改善するために、燃料ガスの特性及びその状態を、エンジンに送達されるとき正確に、著しい遅延なしに決定することが求められている。
【0009】
特許文献1は、請求項1のプレアンブルに関する内燃エンジンを開示している。かかる特許文献1には、エンジンに供給されるガスの特性を決定するための計測器を有する第1のガス動作型内燃エンジンが設けられる。1つ又は複数の他の内燃エンジンは、第1のガス動作型内燃エンジンと同じ発生源からの同じガス供給で動作する。第1のエンジンの設定は、その計測器に基づくものであり、これらの設定は、他のエンジンがそのガス供給で適正に動作するように使用される。従って、単一のエンジンだけが計測器を備えることを必要とし、他の内燃エンジンは、第1のエンジンから得られる情報を使用して計測器なしで動作することができる。しかし、これは、単一のガス動作型エンジンしかない状況のための解決策を提供しない。このような状況は、海洋船舶内の大型2行程ディーゼル・エンジンにおいて、より頻繁に見受けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2005−226621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、上記の問題を克服する、又は少なくとも低減するシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述及び他の目的は、独立請求項の特徴によって達成される。更に、実装形態は、従属請求項、説明、及び図から明らかになる。
【0013】
第1の態様によれば、1つ又は複数のシリンダと、燃焼セルと、燃料ガスの流れを所定の圧力及び温度でシリンダに供給するように構成され、燃料ガスの流れを同じ所定の圧力及び温度で燃焼セルに供給するように構成された燃料ガス供給システムとを備える内燃エンジンであって、1つ又は複数のシリンダは、それぞれが少なくとも1つの吸入バルブを備え、燃焼セルは、燃料ガスの流れを燃料ガス供給システムから燃焼セル内に噴射するためのノズルを備え、内燃エンジンは、酸化剤ガスの流れを燃焼セルに供給するための供給ラインと、燃焼ガスの流れを燃焼セルから排出するための排気導管と、燃焼ガスの流れにおける酸素の比率を測定するためのセンサ構成とを備える。
【0014】
エネルギー、又は燃焼セルのノズルを通じて噴射される燃料ガスの発熱特性を表す値の直接的な尺度を、内燃エンジンのガス吸入バルブに供給される燃料ガスに当てはまる正確に同じ条件下で決定することができる。この情報は、燃料ガスの温度及び圧力を計算するための更なる補正又は他の較正なしに、エンジン制御で直接使用することができる。従って、内燃エンジンのための許容される/実行可能なガス品質の範囲を大きく拡大することができる。このシステムは、内燃エンジンそれ自体内に、又はガスバルブトレイン(ガス供給システム)内に直接一体化することができる。
【0015】
第1の態様の第1の可能な実装(implementation)によれば、エンジンは、酸化剤ガスの流れ中の酸素質量流量を一定に保つための構成を備える。
【0016】
第1の態様の第2の可能な実装によれば、エンジンは、酸化剤ガスの流れ中の酸素質量流量を制御するための構成を備える。
【0017】
第1の態様の第3の可能な実装によれば、エンジンは、燃焼セルに供給される酸化剤ガスの流量、又は燃焼セルに供給される酸化剤ガスの流れ中の酸素質量流量を測定するための構成を備える。
【0018】
第1の態様の第4の可能な実装によれば、エンジンは、燃焼セルへの酸化剤ガスの流れ中の酸素質量流量について通知され、燃焼ガスの流れ中の酸素の比率を測定するための構成から信号を受信する制御ユニットを備える。
【0019】
第1の態様の第5の可能な実装によれば、エンジンは、酸化剤ガス流中の酸素質量流量を測定するための構成からの信号、及び燃焼ガスの流れ中の酸素の比率を測定するための構成からの信号に基づいて、ノズルを通じて噴射されるエネルギーを決定するように構成された制御ユニットを備える。
【0020】
第1の態様の第6の可能な実装によれば、制御ユニットは、シリンダ及び燃焼セルに供給される燃料ガスの発熱量を表す値を決定するように構成される。
【0021】
第1の態様の第7の可能な実装によれば、エンジンは、ノズルを通じて噴射されるエネルギーの量を計算に含めて(taking into account)、又はシリンダ及び燃焼セルに供給される燃料ガスの発熱量を表す値を計算に含めて、燃料吸入バルブを通じて1つ又は複数のシリンダ内に噴射又は吸入されるエネルギーを決定するように構成された制御ユニットを備える。
【0022】
第1の態様の第8の可能な実装によれば、制御ユニットは、燃料吸入バルブを介して1つ又は複数のシリンダ内に噴射又は吸入されるエネルギーの量からエンジン負荷を決定するように構成される。
【0023】
第1の態様の第9の可能な実装によれば、制御ユニットは、ノズルのサイズと燃料吸入バルブのサイズとの間の関係について通知される。
【0024】
第1の態様の第10の可能な実装によれば、制御ユニットは、ノズルの正確なサイズ及び燃料吸入バルブの正確なサイズについて通知される。
【0025】
第1の態様の第11の可能な実装によれば、制御ユニットは、シリンダ及び燃焼セルに供給される燃料ガスの発熱量を表す値を、エンジン負荷を計算するための補正係数として使用するように構成される。
【0026】
第1の態様の第12の可能な実装によれば、酸化剤ガスは空気である。
【0027】
第1の態様の第13の可能な実装によれば、酸化剤ガスは、空気と追加の窒素の混合物である。
【0028】
第1の態様の第14の可能な実装によれば、酸化剤ガスは、周囲空気の酸素含有量より低い酸素含有量を有する。
【0029】
第1の態様の第15の可能な実装によれば、燃焼セルは、酸化触媒を備える。
【0030】
第1の態様の第16の可能な実装によれば、燃焼セルは、冷却システムを備える。
【0031】
第1の態様の第17の可能な実装によれば、燃焼ガス流中の酸素の比率を決定するための構成は、ラムダ・センサを含む。
【0032】
第1の態様の第18の可能な実装によれば、制御ユニットは、燃焼ガス中の酸素の比率を決定するための構成からの信号に応答して、酸素質量流量又は酸化剤ガスの流量を制御するように構成される。
【0033】
第1の態様の第19の可能な実装によれば、燃焼セルへの燃料ガスの流れの流量は、1つ又は複数のシリンダへの燃料ガスの流れの流量に比べて小さい。
【0034】
第1の態様の第20の可能な実装によれば、制御ユニットは、燃焼セル内での燃焼中に消費される酸素の量を決定するように構成される。
【0035】
第1の態様の第21の可能な実装によれば、燃焼セルは、既知のガス、好ましくは例えば純粋なメタンなど純粋なガスを使用して較正される、すなわちノズル・サイズが決定される。燃焼セルの必要とされる酸素消費が既知のガスを用いてわかれば、次いで、他のすべてのガスをその基準ケースからの偏差として扱うことができる。
【0036】
第1の態様の第22の可能な実装によれば、燃焼セルは、内燃エンジンの燃焼室ではない。
【0037】
第1の態様の第23の可能な実装によれば、燃焼セルは、共に実質的に安定した流量で供給され連続工程で燃焼される燃料ガス及び酸化剤ガスを燃焼するように構成された燃焼室を備える。
【0038】
第2の態様によれば、燃料ガスで動作する内燃エンジン内の燃料ガスの特性を決定するための方法が提供され、この方法は、
【0039】
燃料ガスを所定の圧力及び温度でエンジンのシリンダに供給し、燃料ガスの流れを同じ所定の圧力及び所定の温度で燃焼セルに供給するステップと、酸化剤ガスの流れを燃焼セルに供給するステップと、燃料ガスを酸化剤ガスと共に燃焼セル内で燃焼し、それにより燃焼ガスの流れを生み出すステップと、燃焼ガス中の酸素の比率を測定するステップとを含む。
【0040】
第2の態様の第1の可能な実装によれば、この方法は、好ましくは燃焼ガス中の酸素の測定された比率に応答して、酸化剤ガス流中の酸素質量流量を決定又は制御するステップを更に含む。
【0041】
第2の態様の第2の可能な実装によれば、この方法は、燃料ガスの発熱特性を表す値を決定するステップを更に含む。
【0042】
第2の態様の第3の可能な実装によれば、この方法は、エンジンの燃料吸入バルブが開いている時間、及び燃料ガスの発熱特性を表す値に基づいてエンジン負荷を決定するステップを更に含む。
【0043】
第2の態様の第4の可能な実装によれば、この方法は、前記燃焼セル内で燃焼中に消費される酸素の量を決定するステップを更に含む。
【0044】
本発明のこれら、及び他の態様は、下記の実施形態から明らかになる。
【0045】
本開示の以下の詳細部分では、本発明について、図面に示されている例示的な実施形態を参照してより詳細に述べる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】例示的な一実施形態に係る大型2行程ディーゼル・エンジンの正面立面図である。
図2図1の大型2行程ディーゼル・エンジンの側面立面図である。
図3図1に係る大型2行程ディーゼル・エンジンの概略図である。
図4】エンジンのシリンダに供給される燃料ガスの特性を決定するためのシステムの概略図である。
図5】エンジンのシリンダに供給される燃料ガスの特性を決定するための方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下の詳細な説明では、内燃エンジンについて、例示的な実施形態においてクロスヘッドを有する大型2行程低速ターボ過給機付き圧縮点火式内燃エンジンを参照して述べるが、内燃エンジンは、ターボ過給有り又は無し、排気ガス再循環有り又は無しで、2行程オットー、4行程オットー又はディーゼルなど別のタイプのものとすることができる。
【0048】
図1、2及び3は、クランクシャフト8及びクロスヘッド9を有する大型低速ターボ過給式2行程ディーゼル・エンジンを示す。図3は、大型低速ターボ過給式2行程ディーゼル・エンジンをその吸気システム及び排気システムと共に概略的に示している。この例示的な実施形態では、エンジンは、直列で6シリンダを有する。大型低速ターボ過給式2行程ディーゼル・エンジンは、典型的には、エンジン・フレーム11によって担持されるシリンダ・フレーム23によって担持される4本と14本の間のシリンダを直列で有する。このエンジンは、例えば、海洋船舶内の主エンジンとして、又は発電所で発電機を運転するための静止型エンジンとして使用されることがある。エンジンの総出力は、例えば1,000〜110,000kWに及ぶことがある。
【0049】
このエンジンは、この例示的な実施形態では、2行程ユニフロー・タイプの圧縮点火式エンジンであり、掃気ポート18がシリンダ・ライナ1の下側領域にあり、中央排気バルブ4がシリンダ・ライナ1の上部にある。掃気は、掃気受け2から個々のシリンダ1の掃気ポート18に渡される。シリンダ・ライナ1内のピストン10が掃気を圧縮し、シリンダ・カバー22内の燃料噴射バルブ31を通じて燃料が噴射され、燃焼がそれに続き、排気ガスが生成される。
【0050】
排気バルブ4が開かれたとき、排気ガスは、シリンダ1に関連付けられた排気ダクトを通じて、排気ガス受け3内に流れ、第1の排気導管19を通じて先へ、ターボ過給機5のタービン6に流れ、ターボ過給機5から、排気ガスは、第2の排気導管を通じて、エコノマイザ20を介して、出口21に、また大気中に流れ去る。タービン6は、シャフトを介して、空気入口12を介して新しい空気が供給される圧縮機7を駆動する。圧縮機7は、加圧された掃気を、掃気受け2に通じる掃気導管13に送達する。導管13内の掃気は、掃気を冷却するためのインタークーラ14を通る。
【0051】
冷却された掃気は、電気モータ17によって駆動される補助ブロワ16を介して通り、補助ブロワは、ターボ過給機5の圧縮機7が掃気受け2のために十分な圧力を送達しないとき、すなわちエンジンの低負荷又は部分負荷状態時に、掃気を加圧する。より高いエンジン負荷時には、ターボ過給機の圧縮機7は、十分に圧縮された掃気を送達し、そのとき補助ブロワ16は、逆止バルブ15を介してバイパスされる。
【0052】
エンジンは、例えば天然ガス、石炭ガス、バイオガス、埋立地ガス、メタン、エチレン、LPGなど、ガス供給システム30によって気体形態で、実質的に安定した圧力及び温度で供給される燃料ガスで動作する。しかし、ガス供給システムの詳細及び供給されるガスのタイプに応じて、温度及び圧力のわずかな変動が不可避である。更に、気体燃料の組成のわずかな変動も生じる可能性がある。
【0053】
ガス供給システムは、燃料噴射バルブ31すべてに圧力下で気体燃料を供給する。エンジンの電子制御ユニット60は、図3に破線として示されている信号ラインを介して様々なセンサから信号を受信する。様々なセンサからの信号は、例えば給気圧力及び温度、排気圧力及び温度、ならびにクランク角及び速度を含むが、この例示はすべてではなく、エンジンの構造、例えば排気ガス再循環を含むか否か、ターボ過給機を含むか否かなどに依拠し得る。電子制御ユニット60は、燃料噴射バルブ31を制御する。すなわち、電子制御ユニットは、燃料バルブ31がいつ開いているかを決定し、開時間の長さを決定する。燃料バルブの開くタイミングは、ディーゼル・エンジン(圧縮点火式エンジン)における燃焼圧力に非常に影響を及ぼし、燃料バルブの開く持続時間は、シリンダ1に吸入される燃料の量を決定し、持続時間が増大すると、シリンダ1に吸入される燃料の量が増大する。電子制御ユニット60は、すべての燃料バルブ31の開く持続時間の組合せからエンジン負荷を決定するように構成される。電子制御ユニット60は、燃料バルブ31の持続時間の長さを決定するので、電子制御ユニット60は、すべての燃料バルブ31の開時間の組み合わされた持続時間について通知されることが好ましい。
【0054】
しかし、燃料噴射バルブ31に送達される燃料ガスの温度、圧力、及び組成など、燃料ガスの特性は変動し、それによってエンジン負荷の計算における不正確を引き起こす可能性がある。エンジン負荷は内燃エンジンの動作を制御するための最も重要な制御パラメータであるため、これは問題となり得る。エンジン負荷は、例えば液圧システム内の圧力、排気バルブの開くタイミング、燃料噴射の開始のタイミング、排気ガス・バイパスの動作及びそのような排気ガス・バイパス内のバルブの開度、可変ターボ過給機の設定、SCR動作の活動化及び非活動化、燃料ガスの活動化及び非活動化ガス圧力など、内燃エンジンの動作の多数の側面に影響を及ぼす。
【0055】
従って、燃料バルブ31の開期間中に燃料バルブ31を通じて噴射されるエネルギーの量について、正確に(実質的な)遅延なく通知されることが重要である。ディーゼル油など液体燃料については、ディーゼル油の圧力、温度、及び組成による変動は無視できるものであり、従って、燃料バルブの開く総持続時間を知ることにより、ディーゼル油又は他の液体燃料で動作する内燃エンジンについてエンジン負荷を非常に正確に決定することができる。これは、残念ながら燃料ガスで動作するエンジンについては当てはまらない。なぜなら、燃料ガスの圧力、温度、及び組成の変動が無視できるものでないからである。
【0056】
燃料バルブの開く持続時間からエンジン負荷を正確に決定することができるように、このエンジンは、図4に示されているシステムを備える。
【0057】
このシステムは、エンジン負荷計算を燃料バルブの総持続時間に基づくものとし、しかし正確かつ即座の結果に到達するようにシリンダ1に供給される気体燃料の変動を調整することができるように、エンジン負荷計算を調整するために必要とされる情報を提供する。
【0058】
気体燃料供給システム30は、燃料バルブ31を通じて、シリンダ1に気体燃料を所定の温度及び圧力で供給する。また、気体燃料供給システム30は、該燃料供給システム30をノズル49に接続しバルブ43を含む気体燃料供給導管41を介して、燃焼セル40に同じ燃料ガスを同じ所定の圧力及び温度で供給する。バルブ43は、気体燃料供給導管41を閉じるために使用することができる。
【0059】
ノズル49は、該ノズル49における1つ又は複数のノズル穴を通じて燃料ガスを燃焼セル40内に噴射する。ノズル49のサイズは、例えば較正(calibration)によって正確に決定されている。較正は、当該の内燃エンジンの燃料バルブ31に対して実施することができ、又は較正を絶対較正(absolute calibration)とすることができる。ノズル49のサイズは、1つ又は複数のノズル穴の面積のサイズである。
【0060】
燃焼セル40への燃料ガスの流れは、シリンダ1への燃料ガスの流れに比べたとき、非常に小さいものである。ノズル49のサイズは、燃焼セルへの燃料ガスの流れをも小さくすることができるように、燃料バルブ31のサイズに比べたとき相対的に小さいものであることが好ましい。燃焼セル40への燃料ガスの供給は、シリンダ1に送達される燃料ガスと同じ圧力及び温度にある同じ燃料ガスであるため、ノズル49は、燃料バルブ31と同じ条件で燃料ガスを受ける。
【0061】
供給ライン42は酸化剤ガスの流れを燃焼セル40に供給する。酸化剤ガスは、例えば周囲空気、又は酸化剤ガス中の酸素含有量を未使用空気に対して低減するために窒素で希釈された周囲空気である。周囲空気を窒素で希釈すると、酸化剤ガスは周囲空気のものより低い酸素の比率を有し、これは、燃料ガスを空気と共に燃焼することに比べて、得られる燃焼温度が低くなるという利点を有する。一実施形態では、燃焼セル40は、燃焼セル40の温度を管理するための冷却手段を備える。
【0062】
燃焼セル40は、一実施形態では、燃焼工程のために酸化触媒を備える。そのような酸化触媒は、当技術分野で周知である。あるいは、燃焼セル40は、電子スパーク発生デバイスなど、単純な点火デバイスを備えることができる。
【0063】
供給ライン42は、一実施形態では、ブロワ44、ベンチュリ45、及び制御バルブ46を含む。ベンチュリ45での圧力が、燃焼セル40内への酸化剤ガスの流量を決定するために測定される。制御バルブ46の開度及びブロワ44の設定が、燃焼セル40内への酸化剤ガスの流量を制御するために調整される。
【0064】
電子制御ユニット50はシステムの動作を制御する。一実施形態では、電子制御ユニット50は、ブロワ44及び電子制御バルブ46の動作を制御する。電子制御ユニット50は、一実施形態では、ベンチュリ45における圧力センサから信号を受信する。
【0065】
燃料ガスは、燃焼セル40内のチャンバ内で酸化剤ガスと共に燃焼される。得られる燃焼ガスは、排気導管47を介して燃焼セル40から排出される。排気導管47は、燃焼ガスの流れ中の酸素の比率を測定するためのセンサ48を備える。一実施形態では、センサ48は、ラムダ・センサ48である。電子制御ユニット50は、センサ48から信号を受信する。
【0066】
燃焼セル40内の燃焼が、制御された条件で、すなわち制御された化学量論係数で行われるように、酸化剤ガスのストリームが制御される。好ましくは、化学量論係数は1と2の間で保たれる。一実施形態では、燃焼は、正確な化学量論的条件で、すなわち1の化学量論係数で行われることが好ましい。
【0067】
化学量論係数は、電子制御ユニット50によって、センサ48からの信号に応答して、それに応じてブロワ44及び/又は制御バルブ46の動作を制御することによって制御される。従って、センサ48のフィードバックを使用し、酸化剤ガスの吸入を調節する。
【0068】
制御された化学量論係数での燃焼のために必要とされる酸素質量流量が、電子制御ユニットによって、例えばベンチュリ45からの信号を用いて監視され、好ましくは連続的に監視される。
【0069】
別の実施形態では、このシステムは、制御ユニット50の制御アクションなしに酸素質量流量を一定に保つ供給ライン42内の構成と共にセットアップすることができ、この実施形態では、電子制御ユニット50は、単純に一定の酸素質量流量の値について通知され、一定の酸素質量流量及び燃焼ガス中の酸素の測定された比率から、燃焼工程で使用される酸素の質量流量を決定する。
【0070】
酸素質量流量は、ガス・ストリーム中の化学エネルギー限界の直接的な尺度である。なぜなら、所定の熱量が酸素の所定の質量について自由にされ得るからである。空気1キログラム当たり自由にされ得る熱量は、燃料ガスが炭化水素からなる(また酸化剤ガスが空気である)とき約3MJである。従って、燃焼工程で使用される酸素質量流量又は空気質量流量は、時間単位当たりノズルを通じて噴射されるエネルギーの量に直接比例する。ノズル・サイズは、一実施形態では、燃料バルブ31のサイズに対して較正されるので、ノズル49を通じて噴射されるエネルギーの正確な量を知ることから、どれだけのエネルギーが時間単位当たり燃料バルブを通じて噴射されるか正確に決定することが可能になる。次いでこれは、燃料バルブ31の開時間の持続時間を合計することによって、エンジン負荷の正確な計算を可能にする。
【0071】
一実施形態では、システムの出力信号、例えば電子制御ユニット50から電子制御ユニット60への信号は、電子制御ユニット60のエンジン負荷計算をシリンダ1に加えられた燃料ガスの実際の条件に補正する補正係数の形態にある。従って、電子制御ユニット60は、電子制御ユニット50から受信された信号を使用し、エンジン負荷計算を調整し、それによりエンジン負荷計算をより精密にすることができる。
【0072】
電子制御ユニット50から電子制御ユニット60への信号の性質は、システムがどのように動作するかに依存する。システムが燃焼セル内への空気の一定の流れ又は一定の酸素質量流で動作する場合、得られる測定された化学量論係数(例えば、ラムダ・センサ48で測定される)は、燃料バルブ31の開く持続時間に基づいてエンジン負荷の計算に適用されることを必要とする補正を決定する電子制御ユニット60のための入力信号とすることができる。
【0073】
酸化剤ガスの流れのサイズを制御し化学量論係数を一定に、例えば1に保つことによってシステムが動作する場合、電子制御ユニット60への入力信号は、ベンチュリ45における圧力センサからの信号とすることができる。この信号に基づいて、電子制御ユニット60は、エンジン負荷計算の必要とされる調整を計算する。また、例えば熱線センサ又は可動鉄片式メータを使用することなど、ベンチュリを用いる以外の方法で酸化剤ガスの質量流を測定することも実行可能である。燃焼セル40内への酸化剤ガスの流れのサイズを測定又は決定するための構成からの信号は、電子制御ユニット60に直接、又は電子制御ユニット50を介して送ることができる。
【0074】
一実施形態では、電子制御ユニット50は、燃焼セル40への燃料ガス供給の発熱量を決定するように構成され、また決定された発熱量を電子制御ユニット60に送信するように構成される。発熱量は、Mw/mmで表され得る。
【0075】
一実施形態では、電子制御ユニット60は、ノズル49内の1つ又は複数のノズル穴の面積のサイズに対する燃料バルブ31のサイズ、すなわち燃料バルブ31のノズル内のノズル穴の面積について通知される。電子制御ユニット60は、これらの2つのサイズ間の比を決定し、この比に基づいて、噴射バルブ31を通じて流れるエネルギーの正確な量を決定するように更に構成され得る。
【0076】
電子制御ユニット50及び電子制御ユニット60について別々の電子制御ユニットとして述べたが、電子制御ユニット50と電子制御ユニット60の機能をカバーする単一の電子制御ユニットをエンジンに設けることも可能である。
【0077】
一実施形態では、燃焼セル40は、既知のガス、好ましくは例えば純粋なメタンなど純粋なガスを使用して較正される、すなわちノズル・サイズが決定される。燃焼セル40の必要とされる酸素消費が既知のガスを用いてわかれば、次いで、他のすべてのガスをその基準ケースからの偏差として扱うことができる。
【0078】
図5は、システムの動作を示すフローチャートである。このフローチャートは、方法の原理を示しており、フローチャート内のボックスは、連続するステップを表していない。この方法は、燃料ガスで動作する内燃エンジン内の燃料ガスの特性を決定するために使用される。この方法は、燃料ガスを所定の圧力及び温度でエンジンのシリンダ1に供給し、燃料ガスの流れを同じ所定の圧力及び所定の温度で燃焼セル40に供給するステップを含む。
【0079】
この方法は、酸化剤ガスの流れを燃焼セル40に供給するステップと、燃料ガスを酸化剤ガスと共に燃焼セル40内で燃焼し、それにより燃焼ガスの流れを生み出すステップと、燃焼ガス中の酸素の比率を測定するステップとを更に含む。
【0080】
この方法は、燃焼セル40に供給される酸化剤ガス流中の酸素質量流量を決定又は制御するステップを含む。燃焼セル40に供給される酸化剤ガス流中の酸素質量流量の制御は、好ましくは燃焼ガス中の酸素の測定された比率に応答してのものである。
【0081】
この方法は、エンジンの燃料吸入バルブ31が開いている持続時間に基づいてエンジン負荷を計算するステップと、燃焼工程で使用される計算された酸素質量流量に基づいて、計算されたエンジン負荷を調整するステップとを含む。後者のステップは、燃焼セル40に供給される測定又は決定された酸素質量流量に関して、測定又は決定された化学量論係数に基づいて、燃焼で使用される酸素質量流量を計算するステップを含んでもよい。
【0082】
一実施形態では、この方法は、燃料ガスの発熱特性を表す値を決定するステップを含んでもよい。この方法は、一実施形態では、燃料の測定又は決定された発熱特性を計算で使用し、エンジン負荷を決定するステップを含んでもよい。
【0083】
本明細書では、本発明について様々な実施形態と共に述べた。しかし、図面、本開示、及び添付の特許請求の範囲を研究すれば、当業者なら、特許請求されている発明を実施する際に、開示されている実施形態に対する他の変形形態を理解し行うことができる。特許請求の範囲では、「備える」、「含む」という語は、他の要素又はステップを除外せず、複数であることが明記されていない構成が複数であることを除外しない。相互に異なる従属請求項内にいくつかの手段が記載されていることだけで、これらの手段の組合せを、有利にするために使用することができないことを示すことにはならない。特許請求の範囲で使用される符号は、範囲を限定するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5