(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記シフトレバーガイド又は前記シフトレバープレートに設けられ、前記シフトレバーガイドと前記シフトレバープレートとが組付けられた際に変形されることで前記シフトレバーガイド又は前記シフトレバープレートを押圧して前記シフトレバーガイドと前記シフトレバープレートとによる前記支持軸の挟持力を増加させる押圧部を備えた請求項1〜請求項3の何れか1項記載のシフト装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、シフト部材を適切に傾動可能に支持できるシフト装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載のシフト装置は、支持軸が設けられ、傾動されることでシフト位置が変更されるシフト部材と、前記シフト部材が傾動可能に貫通されて前記シフト部材によって移動されないカバーと、前記シフト部材が前記カバーより前記支持軸側において傾動可能に貫通され、前記カバーに比し強度を高くされたシフトレバーガイドと、前記シフトレバーガイドとの間で前記支持軸を挟持することで前記シフト部材が傾動可能に支持され、前記シフト部材から荷重が作用される前記シフトレバーガイドを係止するシフトレバープレートと、前記シフトレバーガイドの前記シフトレバープレートへの組付方向に対する交差方向に延伸され、前記シフトレバーガイド及び前記シフトレバープレートに貫通されて前記シフトレバーガイドが前記シフトレバープレートに組付けられる組付部材と、を備えている。
【0007】
請求項2に記載のシフト装置は、支持軸が設けられ、傾動されることでシフト位置が変更されるシフト部材と、前記シフト部材が傾動可能に貫通されて前記シフト部材によって移動されないカバーと、前記シフト部材が前記カバーより前記支持軸側において傾動可能に貫通され、前記カバーに比し強度を高くされたシフトレバーガイドと、前記シフトレバーガイドとの間で前記支持軸を挟持することで前記シフト部材が傾動可能に支持され、前記シフト部材から荷重が作用される前記シフトレバーガイドを係止するシフトレバープレートと、を備え、前記シフトレバーガイド及び前記シフトレバープレートのうちの強度が高い方が前記支持軸を前記シフト部材の傾動方向両側において支持する。
【0008】
請求項3に記載のシフト装置は、支持軸が設けられ、傾動されることでシフト位置が変更されるシフト部材と、前記シフト部材が傾動可能に貫通されて前記シフト部材によって移動されないカバーと、前記シフト部材が前記カバーより前記支持軸側において傾動可能に貫通され、前記カバーに比し強度を高くされたシフトレバーガイドと、前記シフトレバーガイドとの間で前記支持軸を挟持することで前記シフト部材が傾動可能に支持され、前記シフト部材から荷重が作用される前記シフトレバーガイドを係止するシフトレバープレートと、を備え、前記シフトレバーガイド及び前記シフトレバープレートのうちの強度が高い方が支持する前記支持軸の中心角を前記シフトレバーガイド及び前記シフトレバープレートのうちの強度が低い方が支持する前記支持軸の中心角に比し大きくしている。
【0009】
請求項4に記載のシフト装置は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のシフト装置において、前記シフトレバーガイド又は前記シフトレバープレートに設けられ、前記シフトレバーガイドと前記シフトレバープレートとが組付けられた際に変形されることで前記シフトレバーガイド又は前記シフトレバープレートを押圧して前記シフトレバーガイドと前記シフトレバープレートとによる前記支持軸の挟持力を増加させる押圧部を備えている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1〜請求項3に記載のシフト装置では、シフト部材に支持軸が設けられており、シフト部材が傾動されることで、シフト位置が変更される。また、シフト部材がカバーに傾動可能に貫通されると共に、シフト部材がカバーより支持軸側においてシフトレバーガイドに傾動可能に貫通されており、シフトレバーガイドとシフトレバープレートとの間で支持軸が挟持されることで、シフト部材が傾動可能に支持されている。
【0011】
ここで、シフトレバーガイドがカバーに比し強度を高くされているため、シフトレバーガイドによる支持軸の挟持剛性が高くされている。さらに、シフト部材から荷重が作用されるシフトレバーガイドをシフトレバープレートが係止する。これにより、シフトレバーガイドとシフトレバープレートとの間で支持軸を適切に挟持でき、シフト部材を適切に傾動可能に支持できる。
【0012】
請求項2に記載のシフト装置では、シフトレバーガイド及びシフトレバープレートのうちの強度が高い方が支持軸をシフト部材の傾動方向両側において支持する。このため、支持軸のシフト部材傾動方向両側への移動を効果的に制限でき、シフト部材を一層適切に傾動可能に支持できる。
【0013】
請求項3に記載のシフト装置では、シフトレバーガイド及びシフトレバープレートのうちの強度が高い方が支持する支持軸の中心角が、シフトレバーガイド及びシフトレバープレートのうちの強度が低い方が支持する支持軸の中心角に比し、大きくされている。このため、支持軸の移動を効果的に制限でき、シフトレバーガイドとシフトレバープレートとの間で支持軸を一層適切に挟持できる。
【0014】
請求項4に記載のシフト装置では、シフトレバーガイドとシフトレバープレートとが組付けられた際に、シフトレバーガイド又はシフトレバープレートに設けられた押圧部が変形されることで、シフトレバーガイド又はシフトレバープレートが押圧されて、シフトレバーガイドとシフトレバープレートとによる支持軸の挟持力が増加される。このため、シフトレバーガイドとシフトレバープレートとの間で支持軸を一層適切に挟持できる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図3には、本発明の実施の形態に係るシフト装置としてのシフトレバー装置10が後方から見た後面図にて示されており、
図4には、シフトレバー装置10が左方から見た側面図にて示されている。さらに、
図5には、シフトレバー装置10が左斜め後方から見た分解斜視図にて示されている。なお、図面では、シフトレバー装置10の前方を矢印FRで示し、シフトレバー装置10の右方を矢印RHで示し、シフトレバー装置10の上方を矢印UPで示す。
【0017】
本実施の形態に係るシフトレバー装置10は、車両(自動車)に適用されており、シフトレバー装置10は、所謂フロア式のものにされて、車室の床部(フロア)に設置されている。シフトレバー装置10は、前方、右方及び上方を、それぞれ車両前方、車両右方及び車両上方へ向けられている。
【0018】
図3〜
図5に示す如く、シフトレバー装置10には、係止部材(収容部材)としての樹脂製で略直方体形箱状のシフトレバープレート12(ハウジング)が設けられており、シフトレバープレート12が車室内に固定されることで、シフトレバー装置10が車室の床部に設置されている。シフトレバープレート12は、上端及び下端を除き内部が前側に開放されると共に、上下方向中間部及び下端を除き内部が後側に開放されている。
【0019】
図1にも示す如く、シフトレバープレート12の上端には、前後方向中間部において、第1受部としての長尺矩形板状の上板14が設けられており、上板14は、シフトレバープレート12の左壁と右壁との間に掛渡されている。上板14の後面は、第1受面としての平面状の上受面14Aにされており、上受面14Aは、左右方向に平行に配置されると共に、前方へ向かうに従い下方へ向かう方向に傾斜されている。
【0020】
シフトレバープレート12の上下方向中間部には、後端において、第2受部としての長尺矩形板状の下板16が設けられており、下板16は、シフトレバープレート12の左壁と右壁との間に掛渡されている。下板16の上面は、第2受面としての平面状の下受面16Aを構成しており、下受面16Aは、上下方向に垂直に配置されている。
【0021】
シフトレバープレート12の左壁及び右壁には、それぞれ、下板16の前側において、第3受部としての受突起18が設けられており、受突起18は、シフトレバープレート12の左右方向内側に突出されると共に、下板16と一体にされている。受突起18の後側部分の上面は、下板16の上面と面一にされて、下板16の上面と共に下受面16Aを構成している。
【0022】
受突起18の下受面16Aより前側の上面は、第3受面としての平面状の後受面18Aにされており、後受面18Aは、左右方向に平行に配置されると共に、前方へ向かうに従い上方へ向かう方向に傾斜されて、上板14の上受面14Aに垂直に配置されている。
【0023】
受突起18の後受面18Aより前側の上面は、第4受面としての平面状の前受面18Bにされており、前受面18Bは、左右方向に平行に配置されると共に、前方へ向かうに従い下方へ向かう方向に傾斜されて、上板14の上受面14Aに平行に配置されている。
【0024】
受突起18には、支持孔を構成する下支持孔20が形成されており、下支持孔20は、シフトレバープレート12の左右方向内側に開放されると共に、受突起18の後受面18Aから後斜め上方に開放されている。下支持孔20の下側かつ前側の部分は、半円柱状の軸支孔20Aにされており、下支持孔20の上側かつ後側の部分は、矩形柱状の挿入孔20Bにされている。軸支孔20Aの円周面の直径寸法と挿入孔20Bの一対の側面間の幅寸法とは同一にされて、軸支孔20Aの円周面と挿入孔20Bの一対の側面とは滑らかに連絡されており、挿入孔20Bの一対の側面は、上板14の上受面14A及び受突起18の前受面18Bに平行に配置されている。
【0025】
シフトレバープレート12の左壁及び右壁は、上板14と受突起18との間の部分において、第4受部としての横受部22にされている。横受部22のシフトレバープレート12左右方向内側の面は、第5受面としての平面状の横受面22Aにされており、横受面22Aは、左右方向に垂直に配置されている。横受部22の上部及び下部には、それぞれ略円柱状の挿通孔24が貫通形成されており、挿通孔24は、左右方向に平行に配置されている。
【0026】
シフトレバープレート12内の上側かつ後側の部分には、強度部材(案内部材)としての略箱状のシフトレバーガイド26が組付けられており、シフトレバーガイド26は、シフトレバープレート12と同一の樹脂製にされている。シフトレバーガイド26は、略箱状にされており、シフトレバーガイド26内は、前斜め下方に開放されている。
【0027】
シフトレバーガイド26の上側かつ後側の部分には、略平板状の上壁28が設けられており、上壁28は、後方へ向かうに従い下方へ向かう方向に傾斜されている。上壁28の左側部分には、規制手段としての所定形状のガイド孔30が貫通形成されている。
【0028】
シフトレバーガイド26の上側かつ前側の部分には、第1当部としての略平板状の上側壁32が設けられており、上側壁32は、左右方向に平行に配置されると共に、前方へ向かうに従い下方へ向かう方向に傾斜されている。上側壁32の前面は、第1当面としての平面状の上当面32Aにされており、上当面32Aは、シフトレバープレート12の上受面14Aに平行に配置されて、上受面14Aに面当接(面接触)されている。
【0029】
シフトレバーガイド26の後端には、第2当部としての略平板状の下側壁34が設けられており、下側壁34は、前後方向に略垂直に配置されている。下側壁34の下面は、第2当面としての平面状の下当面34Aを構成しており、下側壁34の下当面34Aは、シフトレバープレート12の下板16の下受面16Aに平行に配置されて、当該下受面16Aに面当接(面接触)されている。
【0030】
シフトレバーガイド26の左端及び右端には、第3当部としての略平板状の横側壁36が設けられており、横側壁36は、左右方向に垂直に配置されて、シフトレバーガイド26左右方向内側の面がシフトレバープレート12の受突起18のシフトレバープレート12左右方向内側の面と面一にされている。一対の横側壁36間の左右方向距離は、上側壁32と下側壁34との間の上壁28に沿った最短距離に比し、短くされている。
【0031】
横側壁36の後側部分の下面は、下側壁34の下面と面一にされて、下側壁34の下面と共に下当面34Aを構成しており、横側壁36の下当面34Aは、シフトレバープレート12の下板16及び受突起18の下受面16Aに平行に配置されて、当該下受面16Aに面当接(面接触)されている。
【0032】
横側壁36の下当面34Aより前側の下面は、第3当面としての平面状の後当面36Aにされており、後当面36Aは、シフトレバープレート12の後受面18Aに平行に配置されて、後受面18Aに面当接(面接触)されている。
【0033】
横側壁36の後当面36Aより前側の下面は、第4当面としての平面状の前当面36Bにされており、前当面36Bは、シフトレバープレート12の前受面18Bに平行に配置されて、前受面18Bに面当接(面接触)されている。
【0034】
横側壁36には、支持孔を構成する上支持孔38が貫通形成されており、上支持孔38は、横側壁36の後当面36Aから前斜め下方に開放されている。上支持孔38は、シフトレバープレート12の下支持孔20に連通されており、上支持孔38の周面は、下支持孔20の軸支孔20Aの円周面と同一の円周面にされている。また、シフトレバーガイド26の上支持孔38周囲部分は、シフトレバープレート12の下支持孔20周囲部分に比し、強度が低くされている。
【0035】
横側壁36のシフトレバーガイド26左右方向外側の面は、第5当面としての平面状の横当面36Cにされており、横当面36Cは、シフトレバープレート12の横受面22Aに平行に配置されて、横受面22Aに面当接(面接触)されている。
【0036】
横側壁36の上部及び下部には、それぞれ略円柱状の組付孔40が貫通形成されており、組付孔40は、左右方向に平行に配置されている。
【0037】
シフトレバープレート12の横受部22上部の挿通孔24及び横側壁36上部の組付孔40と横受部22下部の挿通孔24及び横側壁36下部の組付孔40とには、それぞれ組付部材としての長尺略円柱状のピン42が圧入かつ貫通されており、ピン42は、挿通孔24内及び組付孔40内に固定されている。ピン42の一端(左端)は、円板状の頭部42Aが形成されて拡径されると共に、ピン42の他端(右端)には、略円環板状のプッシュナット44が固定されており、頭部42Aとプッシュナット44との間にシフトレバープレート12及びシフトレバーガイド26が挟持されることで、シフトレバープレート12にシフトレバーガイド26が組付けられている。
【0038】
図1に示す如く、組付孔40の周面には、前側かつ下側の部分において、押圧部としての柱状の第1リブ46(潰しリブ)が一体に突出形成されており、第1リブ46は、組付孔40の軸方向(左右方向)に平行に配置されている。第1リブ46は、ピン42によって潰れ(圧縮)変形されており、シフトレバーガイド26は、第1リブ46の弾性力(形状復元力)によってシフトレバープレート12の後受面18A及びシフトレバーガイド26の後当面36Aに垂直な下側の方向へ付勢(押圧)されている。
【0039】
組付孔40の周面には、後側かつ下側の部分において、押圧部としての柱状の第2リブ48(潰しリブ)が一体に突出形成されており、第2リブ48は、組付孔40の軸方向(左右方向)に平行に配置されている。第2リブ48は、ピン42によって潰れ(圧縮)変形されており、シフトレバーガイド26は、第2リブ48の弾性力(形状復元力)によってシフトレバープレート12の前受面18B及びシフトレバーガイド26の前当面36Bに垂直な下側の方向へ付勢(押圧)されている。
【0040】
図5に示す如く、シフトレバープレート12及びシフトレバーガイド26の内部には、レバーサブアッセンブリ50(シフトユニット)が組付けられている。
【0041】
レバーサブアッセンブリ50には、シフト部材としての長尺棒状のシフトレバー52が設けられており、シフトレバー52は、シフトレバーガイド26のガイド孔30に貫通されて、シフトレバーガイド26の上側へ延出されている。シフトレバー52の上端には、把持部としてのノブ(図示省略)が固定されており、ノブは、車両の乗員(運転者)が把持可能にされている。
【0042】
シフトレバー52の軸方向中間部には、円軸状の回転軸54が一体に設けられており、回転軸54は、シフトレバー52の前側と後側とに分離されて、シフトレバー52の前側と後側とに突出されている。
【0043】
シフトレバー52は、支持部材としての支持体56に支持されている。支持体56の左側部分には、略矩形筒状の支持筒56Aが設けられており、支持筒56A内には、シフトレバー52が挿通されている。
【0044】
支持筒56Aの前壁と後壁とには、シフトレバー52の回転軸54が回転自在に支持されており、シフトレバー52は、支持体56(支持筒56A)に回転軸54を中心として左右方向(セレクト方向)へ傾動(回動)可能に支持されると共に、支持体56(支持筒56A)と一体に前後かつ上下の方向(シフト方向)へ傾動(回動)可能にされている。
【0045】
図2に詳細に示す如く、支持体56には、支持軸としての円軸状の傾動軸58が一体に設けられており、傾動軸58は、支持体56の右側と左側とに分離されて、支持体56の右側と左側とに突出されている。
【0046】
左側の傾動軸58及び右側の傾動軸58には、それぞれ軸支部材としてのブッシュ60が取付けられており、ブッシュ60は、柔軟性を有する樹脂(例えば熱可塑性ポリエステルエラストマーであるハイトレル(登録商標))により製造されている。ブッシュ60には、軸支部としての円筒状のブッシュ筒60Aが設けられており、ブッシュ筒60A内には、傾動軸58が回転可能に嵌入(弱圧入)されている。ブッシュ60の支持体56側の端部には、円環板状のフランジ60Bが同軸上に設けられており、フランジ60Bは、ブッシュ筒60Aの全周外側に突出されている。
【0047】
傾動軸58及びブッシュ60のブッシュ筒60Aは、シフトレバープレート12の下支持孔20及びシフトレバーガイド26の上支持孔38に挿入されており、ブッシュ60のフランジ60Bは、シフトレバープレート12の受突起18及びシフトレバーガイド26の横側壁36と支持体56との間に挟持(弱圧入)されている。傾動軸58及びブッシュ筒60Aは、下支持孔20の軸支孔20Aの円周面と上支持孔38の円周面との間に挟持(弱圧入)されて回転可能に支持されており、シフトレバー52は、支持体56(支持筒56A)と一体に傾動軸58を中心として前後かつ上下の方向(シフト方向)へ傾動(回動)可能に支持されている。
【0048】
シフトレバー52は、乗員によって、上端のノブを把持された状態で、シフトレバーガイド26のガイド孔30に案内されつつ、前後かつ上下の方向及び左右方向へ傾動操作されることで、シフトレバー52のシフト位置(例えば前側かつ上側から後側かつ下側に向かう順に「P」シフト位置(パーキング位置)、「R」シフト位置(リバース位置)、「N」シフト位置(ニュートラル位置)及び「D」シフト位置(ドライブ位置))が変更可能にされている。
【0049】
シフトレバー52は、ガイド孔30の周面によって傾動を規制(係止)可能にされている。シフトレバー52が「P」シフト位置に配置される際には、シフトレバー52の前斜め上方への傾動がガイド孔30の前縁の周面によって規制される。さらに、シフトレバー52が「D」シフト位置に配置される際には、シフトレバー52の後斜め下方への傾動がガイド孔30の後縁の周面によって規制される。また、シフトレバー52の左方への傾動はガイド孔30の左側の周面によって規制されると共に、シフトレバー52の右方への傾動はガイド孔30の右側の周面によって規制される。
【0050】
シフトレバープレート12にレバーサブアッセンブリ50を組付ける際には、シフトレバープレート12にシフトレバーガイド26を組付ける前に、シフトレバープレート12に前側からレバーサブアッセンブリ50を挿入する。この場合には、レバーサブアッセンブリ50のシフトレバー52をシフトレバープレート12の上板14と受突起18との間に貫通させてシフトレバープレート12の後斜め上方に延出させた状態で、
図6に示す如く、レバーサブアッセンブリ50における支持体56の傾動軸58及びブッシュ60のブッシュ筒60Aを、シフトレバープレート12における受突起18の前受面18Bの上側から受突起18の後受面18Aの上側へ通過させて、受突起18の下支持孔20に挿入する。
【0051】
図1に示す如く、シフトレバープレート12及びシフトレバーガイド26の車室側には、貫通部材としての樹脂製で板状のカバー62が設けられており、カバー62は、シフトレバーガイド26に比し強度が低くされている。カバー62は、シフトレバープレート12及びシフトレバーガイド26の車室側を被覆しており、カバー62は、シフトレバー装置10の車室側における意匠面を構成している。
【0052】
カバー62には、通過孔64が貫通形成されており、通過孔64には、シフトレバー52が貫通されている。通過孔64は、シフトレバーガイド26のガイド孔30の拡大相似形状にされており、シフトレバー52は、通過孔64の周面に当接されない状態で通過孔64を通過されて、前後かつ上下の方向及び左右方向へ傾動可能にされている。なお、カバー62の車室側の面には、通過孔64の側方において、シフトレバー52が配置されるシフト位置が表示されている。
【0053】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0054】
以上の構成のシフトレバー装置10では、シフトレバー52が、回転軸54を中心として左右方向へ傾動可能にされると共に、支持体56の傾動軸58を中心として前後かつ上下の方向へ傾動可能にされている。これにより、シフトレバー52が、上端のノブを把持されて、シフトレバーガイド26のガイド孔30に案内されると共に、カバー62の通過孔64を通過されつつ、傾動操作されることで、シフトレバー52のシフト位置が変更される。
【0055】
また、支持体56の傾動軸58が、ブッシュ60のブッシュ筒60Aを介して、シフトレバープレート12の下支持孔20(軸支孔20A)の円周面とシフトレバーガイド26の上支持孔38の円周面との間に挟持されることで、シフトレバー52が支持体56と一体に傾動軸58を中心として前後かつ上下の方向へ傾動可能に支持されている。
【0056】
さらに、「P」シフト位置に配置されたシフトレバー52の前斜め上方への傾動がガイド孔30の前縁の周面によって規制される際には、シフトレバー52の前斜め上方への傾動力によってシフトレバーガイド26に前側への回動荷重が作用される。しかも、「D」シフト位置に配置されたシフトレバー52の後斜め下方への傾動がガイド孔30の後縁の周面によって規制される際には、シフトレバー52の後斜め下方への傾動力によってシフトレバーガイド26に後側への回動荷重が作用される。また、シフトレバー52の左方への傾動がガイド孔30の左側の周面によって規制される際には、シフトレバー52の左方への傾動力によってシフトレバーガイド26に左側への回動荷重が作用されると共に、シフトレバー52の右方への傾動がガイド孔30の右側の周面によって規制される際には、シフトレバー52の右方への傾動力によってシフトレバーガイド26に右側への回動荷重が作用される。
【0057】
ここで、シフトレバーガイド26がカバー62に比し強度を高くされている。このため、シフトレバーガイド26の上支持孔38の円周面による傾動軸58の挟持剛性が高くされている。
【0058】
また、「P」シフト位置に配置されたシフトレバー52の前斜め上方への傾動がガイド孔30の前縁の周面によって規制されて、シフトレバーガイド26に前側への回動荷重(特に高荷重)が作用された際には、シフトレバーガイド26の上当面32Aがシフトレバープレート12の上受面14Aに面当接されると共に、シフトレバーガイド26の前当面36Bがシフトレバープレート12の前受面18Bに面当接されることで、前側への回動荷重が作用されたシフトレバーガイド26が係止されると共に、シフトレバーガイド26の上支持孔38部分の変形が抑制される。
【0059】
さらに、「D」シフト位置に配置されたシフトレバー52の後斜め下方への傾動がガイド孔30の後縁の周面によって規制されて、シフトレバーガイド26に後側への回動荷重(特に高荷重)が作用された際には、シフトレバーガイド26の上当面32Aがシフトレバープレート12の上受面14Aに面当接されると共に、シフトレバーガイド26の下当面34Aがシフトレバープレート12の下受面16Aに面当接されることで、後側への回動荷重が作用されたシフトレバーガイド26が係止されると共に、シフトレバーガイド26の上支持孔38部分の変形が抑制される。
【0060】
しかも、シフトレバー52の左方への傾動がガイド孔30の左側の周面によって規制されて、シフトレバーガイド26に左側への回動荷重(特に高荷重)が作用された際、及び、シフトレバー52の右方への傾動がガイド孔30の右側の周面によって規制されて、シフトレバーガイド26に右側への回動荷重(特に高荷重)が作用された際には、シフトレバーガイド26の横当面36Cがシフトレバープレート12の横受面22Aに面当接されることで、左側及び右側への回動荷重が作用されたシフトレバーガイド26が係止されると共に、シフトレバーガイド26の上支持孔38部分の変形が抑制される。
【0061】
これにより、シフトレバープレート12の下支持孔20の周面とシフトレバーガイド26の上支持孔38の周面との間に傾動軸58を適切に挟持でき、シフトレバー52を適切に傾動軸58を中心として傾動可能に支持できる。しかもこのため、シフトレバー52からシフトレバーガイド26に高荷重が作用された際でも、下支持孔20の周面と上支持孔38の周面との間への傾動軸58の挟持が解除されてレバーサブアッセンブリ50がシフトレバープレート12及びシフトレバーガイド26から脱落することを抑制又は防止できる。
【0062】
さらに、シフトレバープレート12の下支持孔20周囲部分がシフトレバーガイド26の上支持孔38周囲部分に比し強度を高くされており、シフトレバープレート12の受突起18が傾動軸58をシフトレバー52の傾動軸58を中心とした傾動方向(前後かつ上下の方向)両側において支持している。特に、シフトレバー52に最も大きな荷重が作用されると想定されるシフト位置である「D」シフト位置に配置されたシフトレバー52の傾動軸58を中心とした傾動方向において、下支持孔20が面対称に配置されて、受突起18が傾動軸58を高剛性で支持している。このため、シフトレバー52の傾動軸58を中心とした傾動方向両側への傾動軸58の移動を効果的に制限でき、下支持孔20の周面と上支持孔38の周面との間で傾動軸58を一層適切に挟持できて、シフトレバー52を一層適切に傾動軸58を中心として傾動可能に支持できる。
2を一層適切に傾動軸58を中心として傾動可能に支持できる。
【0063】
しかも、シフトレバープレート12の下支持孔20は、半円柱状の軸支孔20Aが設けられるのみならず、矩形柱状の挿入孔20Bが設けられて、大きくされており、強度が高い方の下支持孔20の周面が支持可能な傾動軸58の中心角(本実施の形態では略270°)が、強度が低い方の上支持孔38の周面が支持可能な傾動軸58の中心角(本実施の形態では略90°)に比し、大きくされている。このため、シフトレバー52の傾動軸58を中心とした傾動方向両側への傾動軸58の移動を一層効果的に制限でき、下支持孔20の周面と上支持孔38の周面との間で傾動軸58を一層適切に挟持できて、シフトレバー52を一層適切に傾動軸58を中心として傾動可能に支持できる。
【0064】
さらに、シフトレバーガイド26では、一対の横側壁36間の左右方向距離が上側壁32と下側壁34との間の上壁28に沿った最短距離に比し短くされており、シフトレバープレート12の横受部22(挿通孔24)とシフトレバーガイド26の横側壁36(組付孔40)とにピン42が貫通(圧入)されて、シフトレバープレート12にシフトレバーガイド26が組付けられている。このため、シフトレバープレート12の上壁及び後壁とシフトレバーガイド26の上側壁32及び下側壁34とにピン42が貫通されてシフトレバープレート12にシフトレバーガイド26が組付けられる場合に比し、ピン42の長さを短くできて、シフトレバープレート12にシフトレバーガイド26を強固に組付けることができる。しかも、シフトレバープレート12にシフトレバーガイド26がネジによって組付けられる場合に比し、シフトレバープレート12に対するシフトレバーガイド26のガタツキを抑制できる。このため、下支持孔20の周面と上支持孔38の周面との間で傾動軸58を一層適切に挟持できて、シフトレバー52を一層適切に傾動軸58を中心として傾動可能に支持できる。
【0065】
また、下支持孔20の円周面及び上支持孔38の円周面と傾動軸58との間にブッシュ60のブッシュ筒60Aが挟持(弱圧入)されている。このため、傾動軸58のガタツキを抑制でき、下支持孔20の周面と上支持孔38の周面との間で傾動軸58を一層適切に挟持できて、シフトレバー52を一層適切に傾動軸58を中心として傾動可能に支持できる。
【0066】
さらに、シフトレバーガイド26の組付孔40周面の第1リブ46がピン42によって潰れ変形されることで、第1リブ46の弾性力によって、シフトレバーガイド26の後当面36Aがシフトレバープレート12の後受面18Aに面当接される圧力が増加されると共に、下支持孔20の円周面と上支持孔38の円周面との間での傾動軸58の挟持力が増加される。しかも、シフトレバーガイド26の組付孔40周面の第2リブ48がピン42によって潰れ変形されることで、第2リブ48の弾性力によって、シフトレバーガイド26の前当面36Bがシフトレバープレート12の前受面18Bに面当接される圧力が増加される。このため、傾動軸58のガタツキを一層抑制でき、下支持孔20の円周面と上支持孔38の円周面との間で傾動軸58を一層適切に挟持できて、シフトレバー52を一層適切に傾動軸58を中心として傾動可能に支持できる。
【0067】
また、シフトレバー52を収容するシフトレバープレート12とシフトレバー52の傾動をガイド孔30によって案内するシフトレバーガイド26とによって傾動軸58が支持されて、シフトレバー52が傾動軸58を中心として傾動可能に支持されている。このため、傾動軸58を支持するための部品を別途設ける必要がなく、部品点数を低減できる。
【0068】
なお、本実施の形態では、シフトレバープレート12の下支持孔20周囲部分がシフトレバーガイド26の上支持孔38周囲部分に比し強度を高くされたが、シフトレバーガイド26の上支持孔38周囲部分がシフトレバープレート12の下支持孔20周囲部分に比し強度を低くされてもよい。この場合、下支持孔20の形状を本実施の形態の上支持孔38の形状にすると共に、上支持孔38の形状を本実施の形態の下支持孔20の形状にしてもよい。
【0069】
さらに、本実施の形態では、第1リブ46及び第2リブ48をシフトレバーガイド26(組付孔40の周面)に設けたが、第1リブ46及び第2リブ48の少なくとも一方をシフトレバープレート12(例えば挿通孔24の周面)に設けてもよい。
【0070】
また、本実施の形態では、シフトレバー装置10をフロア式のものにして車室の床部に設置したが、シフトレバー装置10を車両のステアリングコラムやインストルメントパネルに設置してもよい。