(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態において、図示の同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここではその重複する説明を省略する。
【0026】
[実施の形態1]
まず、介護着衣に本発明の実施の形態の透湿性防水シートを用いる場合について、
図1乃至
図3を用いて説明する。
着衣したとき最も前側に出る上前身頃Uと、着衣したとき前側であるが、上前身頃Uの背後に重なる下前身頃Dと、上前身頃Uと下前身頃Dのシルエットラインとなる背中側に位置する後身頃BBと、また、着用する人の前に位置する前袖及び着用する人の後に位置する後袖からなり上前身頃U及び後身頃BBの袖付部分L5を縫製されてなる左袖Lと、左袖Lの前袖及び後袖とは異なる前袖及び後袖からなり、下前身頃D及び後身頃BBの袖付部分R5を縫製されてなる右袖Rと、上前身頃U及び下前身頃D及び後身頃BBに縫製された衿6によって、介護用着衣の全体の概略構成を形成している。なお、公知の寝巻と基本的に相違するものではなく、洋装としても相当する構造により構成される。
【0027】
左袖Lの前側に在る前袖及び後側に在る後袖の袖下3を接続具Pで接続する左袖接続部3aは、右袖Rの前袖及び後袖の袖下4を接続具Pで接続する右袖接続部4aとは、左袖接続部3aと右袖接続部4aが中央で線対称となり、基本的に構成を同一にしている。
ここで、脇縫部分1の上前身頃接続部1aと脇縫部分2の下前身頃接続部2aは、本来の縫製部分を縫製することなく接続している接続具Pの配設個所であり、着丈から上前身頃Uまたは下前身頃Dと後身頃BBに縫い付ける袖付部分(袖付)R5、L5を差し引いた長さが該当する。
【0028】
また、上前身頃Uと後身頃BBの袖付部分L5までの脇縫部分1を接続具Pで接続する上前身頃接続部1aと、そして、下前身頃Dと後身頃BBの袖付部分R5までの脇縫部分2を接続具Pで接続する下前身頃接続部2aは、後身頃BBと上前身頃接続部1a、後身頃BBと下前身頃接続部2aが接続具Pで接続される形態となる。
ここで、袖付部分R5と袖付部分L5は、右袖Rや左袖Lの袖を上前身頃Uと後身頃BBまたは下前身頃Dと後身頃BBに縫い付けるもので、従来の袖付方法と相違するものではない。
【0029】
ここでは、接続具Pとして、スナップボタン及び4つ穴のボタン等のボタン、対紐の使用とすることができる。本発明を実施する場合には、接着布の使用も可能である。特に、接着布は洗濯等により糸屑が接着機構部分に絡み付き、接着力が低下する可能性があるので、洗濯時には、洗濯用の接着布を接合し、糸屑が巻き付かないようにするのが望ましい。またボタン穴篝として横長の穴としてもよいし、これを後身頃BB及び上前身頃Uの長さ方向の篝穴とし、そこに5〜10cmの接着布を通して両者を接合してもよい。この種の実施の形態では接着布が疲れてきた場合には、新製品と取り換えることが容易となる。
なお、接続具Pとして、スナップボタン、4つ穴のボタン、対紐について説明したが、本発明を実施する場合には、接続具Pが環状を描くように接続してもよいし、両生地、例えば、上前身頃Uと後身頃BBの端部、
左袖Lの前袖と後袖を平行に合わせるように配設してもよい。
【0030】
本実施の形態の介護用着衣は、上前身頃U及び下前身頃D並びに後身頃BBの袖付部分L5が縫製されてなる左袖L、並びに下前身頃D及び後身頃BBの袖付部分R5が縫製されてなる右袖Rによって、後身頃BBと上前身頃U、後身頃BBと下前身頃Dが繋がれている。
また、左袖Lの袖下3の左袖接続部3aを接続具Pで接続し、また、右袖Rの袖下4の右袖接続部4aを接続具Pで接続し、そして、その接続を解除できるようにしている。したがって、左袖Lの袖下3は接続具Pで左袖接続部3aを開閉自在、また、右袖Rも同様、袖下4の右袖接続部4aは接続具Pで開閉自在、即ち、左袖接続部3aと右袖接続部4aは、左袖Lの袖下3と右袖Rの袖下4は、左袖接続部3aと右袖接続部4aで接続具Pを接続すれば左袖Lと右袖Rが筒状に接続され、接続具Pの接続を左袖Lの袖下3と右袖Rの袖下4で解くことで、左袖Lと右袖Rが前袖と後袖に分かれて逆U字状に下端が開く構造となっている。
【0031】
更に、上前身頃Uと後身頃BBの袖付部分L5までの脇縫部分1(上前身頃Uと後身頃BBの裾から袖付部分L5の下部)に相当する上前身頃接続部1aを接続具Pで接続する。下前身頃Dと後身頃BBの袖付部分R5までの脇縫部分2(下前身頃Dと後身頃BBの裾から袖付部分R5の下部)に相当する下前身頃接続部2aを接続具Pで接続し、この接続具Pの接続は、上前身頃接続部1aを構成する。同様に、下前身頃接続部2aを構成する。
勿論、上前身頃接続部1a及び/または下前身頃接続部2aの接続具Pの接続を解くことにより、上前身頃接続部1a及び/または下前身頃接続部2aが開くことになる。
【0032】
次に、本実施の形態の介護用着衣の使用について、
図1乃至
図3を用いて説明する。
本実施の形態の介護用着衣は、通常の寝巻と同様、折り畳んで移動される。介護者が着用する場合は、寝具の上に後身頃BBを拡げる。
そして、上前身頃Uを後身頃BBの裾から離し、袖付部分L5の下部までの脇縫部分1の上前身頃接続部1aを分離し、更に、左袖Lの袖下3を接続具Pで接続した左袖接続部3aを解き、後袖と前袖を分離し、上前身頃U及び前袖を肩山よりも上に挙げる。
同様に、下前身頃Dを後身頃BBの裾から離し、袖付部分R5の下部までの脇縫部分2の下前身頃接続部2aを分離し、更に、下前身頃D及び右袖Rの袖下4を接続具Pで接続した右袖接続部4aを解き、後袖と前袖を分離し、前袖を肩山よりも上に上げる。
【0033】
このように、上前身頃Uを上前身頃Uの裾から左袖Lの袖付部分L5の下部までの上前身頃接続部1a、並びに左袖Lの前袖を上に拡げる。また、下前身頃Dを下前身頃Dの裾から右袖Rの袖付部分R5の下部までの下前身頃接続部2a、並びに右袖Rの前袖を上に拡げる。
このとき、上前身頃接続部1aと左袖Lは連続して開くことができる。また、下前身頃接続部2aと右袖Rも連続して開くことができる。また、後身頃BBは何れからも引っ張られないから展開した状態を維持できる。
【0034】
そこで、後身頃BBの上に介護者を平面視で十の字になるように寝かせる。介護者を寝かせた状態で、右袖Rと左袖Lは前袖と後袖に分かれて逆U字状に開いているから、その間に介護者の右腕、左腕を入れ、袖下3と袖下4の左袖接続部3aと右袖接続部4aの接続具Pを接続状態とする。
喩え、このとき、カテーテル等の医療用チューブが何本か身体に入っていても、その通過する部位の前後の接続具Pを固定接続し、下前身頃Dを下前身頃Dの裾からの右袖Rの袖付部分R5の下部までの脇縫部分2の下前身頃接続部2aを一体に接続する。そして、上前身頃Uを上前身頃Uの裾からの左袖Lの袖付部分L5の下部までの脇縫部分1の上前身頃接続部1aを一体に接続する。
【0035】
そして、下前身頃Dを介護者の体のラインに合わせて着せ掛ける。同様に、上前身頃Uを介護者の体のラインに合わせて着せ掛ける。再度、医療用チューブの通過位置を確認し、帯、紐等の帯紐7を締めて寝巻全体の着せ掛けを完了する。
通常の介護者の場合には、これでいいのであるが、介護シーツ10、紙おむつを必要とする場合には、帯紐7を締めて寝巻全体の着せ掛けを完了する前に介護シーツ10の着せ掛けが必要となる。
【0036】
次に、
図4を用いて、介護者の介護シーツ10について、簡単に説明する。
まず、透湿性防水シート100としての介護シーツ10を介護者の腰の下に敷き、介護者の背骨上に沿って、本体11の長方形の上下の中心線G−Gを配置する。そして、本体11の片側の辺12を介護者の右側の腰の上に被せ、そして、辺13を介護者の左側の腰の上に被せ、辺15側に配設されている両面テープ(両面接着テープ)16の端部テープ17を、端部テープ18に重ねて接合する。この両面テープ16は介護者の背骨に沿って背中が浮いた部分に両面テープ16が通るようにする。更に、辺13を介護者の腰に締め付け、その状態で、両面テープ16の端部テープ18を両面テープ16の端部テープ17に接合させる。
なお、介護シーツ10のサイズは、高さ(背丈方向の長さ)Hと巾(胴体の周り方向の長さ)Wは、介護人の体形によって1種類から5種類に形成されているが、本発明を実施する場合には、何とおりとしてもよい。
【0037】
また、本体11の長方形の中心線G−G付近に、合成樹脂製のスナップボタン、接着布(マジックテープ(登録商標))12a,13aを配置し、本体11にテンションを付与できるようにするのが好ましい。これによって、脚の方向の下端開口の本体11を窄めることにより、辺14側を介護者の脚の最下点よりも上に介護シーツ10を位置させることができる。
本実施の形態の両面テープ16は、本発明を実施する場合には、紐、ボタン(スナップボタンを含む)、ゴム等で実施できる。即ち、介護者と一体に止めることができるものであればよい。また、介護者の脚側、即ち、辺14側を辺15側と同様開口を窄めてもよい。
【0038】
本発明の実施の形態では、透湿性防水シート100を介護者の介護シーツ10の事例で説明したが、特に、紙おむつとして使用する場合には、実施の形態のように、1辺、即ち、辺14に配設していた両面テープを接合した形式のもの、脚の方向の本体11の周囲を窄めることにより、辺14側を介護者の脚の最下点よりも上に
上方に位置させることができる。
本体11の長方形の図示した中心線G−Gに逆V字形にカットを入れ、辺14側に2本の両面テープ16を配設し、その両面テープ16で締めるようにするのが好ましい。または、本体11を下置用と上置用の2枚とすることもできる。
【0039】
おしぼり、化学雑巾、ペット用シート及びクリーニングシート、床の保護、つや出し等の床の清掃や、手入れに用いられる床材に対するワックス掛けをする場合の機能シート、ウエットティッシュ、お手拭き、体拭き、化粧落し等は、透湿性防水シートを所定の縦横寸法に裁断できればよい。また、枕カバーは円筒形に縫合すればよく、防護服を縫製する生地として使用する場合には、通常の裁断ができればよい。何れにせよ、裁断が容易な材料である。
同様に、防護服生地、防水シーツ、枕カバー、介護シーツ10、紙おむつ、ペット用シーツに使用される透湿性防水シートに関するものである。詳しくは、脱臭・消臭性に優れ、ペット等の排泄物を処理する透湿性防水シート及びクリーニングシート、床の保護、つや出し等の床の清掃や、手入れに用いられる床材に対するワックス掛けをする場合の機能シート、ウエットティッシュ、お手拭き、体拭き、化粧落し等に使用できる透湿性防水シート100について説明する。
【0040】
ここで、
図5乃至図7を用いて本発明の実施の形態における透湿性防水シート100の積層構造について詳述する。
図5及び
図6において、
図5の(a)は基準シートの要部全体斜視図
、(b)は不織布の要部全体斜視図である。また、
図6は本実施の形態の透湿性防水シートの断面及び斜視図による説明図、
図7は本発明の実施の形態における透湿性防水シートの製造方法のブロック図である。
【0041】
防水機能を有する透湿フィルムで形成した基準シート21は、基材孔21bの径が0.1〜0.2ミクロン以下の防水、透湿フィルムで、例えば、ポリプロピレンを主成分とする有機フィラーで構成した多孔質フィルムのプロポア(3Mの商標名)、エクセポール(三菱ケミカルの商標名)、ポーラム(株式会社トクヤマの商標名)、BREEZE TEX(オー・ジー株式会社の商標名)、ブレスレイヤー(クラボーの商標名)等のフィルムが使用できる。
基準シート21の基材21aは、水は浸透させないが、湿気は基材孔21bから通過させる特性を有する透湿性防水シートである。このため、基材孔21bが0.1〜0.2ミクロン以下の防水、透湿フィルムとしているが、本発明を実施する場合には、
基材孔21bが0.05〜0.3ミクロンの範囲内で使用が可能である。しかし、個人差による汗かき、暑がり、尿漏れ、人またはペット等の排出量等によって基材孔21bが決定される。
本実施の形態では、防水機能を有する透湿フィルムで形成した基準シート21は、市販の商品を直接使用した。
【0042】
基準シート21の片面には、片面に網状シート22を配設している。
網状シート22の材料としては、熱可塑性材料のポリアミド、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、アクリロニトリルブタジェンスチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、塩化ビニル、フェノール樹脂等が使用される。勿論、網状シート22としては、基準シート21と同一材料とすることが望ましいが、全く異なる材料とすることもできる。この場合において、網状シート22の材料には延び止めを行うガラス繊維、アラミド繊維、カーボン繊維等を混合したものの使用も可能である。
【0043】
例えば、発明者等の実験では、不織布23、網状シート22の熱可塑性樹脂の成形温度、基準シート21の成形温度は、基準シート21及び不織布23の融解温度が高く、網状シート22の融解温度を低く設定している。
基準シート21及び不織布23と、網状シート22とを一体化する場合、網状シート22と基準シート21の一部が融合し、接着し、適度な接合が得られる。
この網状シート22の縦桟A
1,A
2,・・・A
n(以下、これを『A』と記す)及び横桟B
1,B
2,・・・B
n(以下、これを『B』と記す)で形成した
図5に示す四角形の空間d
1,d
2,・・・d
n(以下、これを『d』と記す)は、伸び難い構造を形成するものであり、特に、四角形の空間dは各辺が15mm以下、好ましくは10mm以下、3mm以上であれば、全体としては、変形が少ないことが発明者らによって確認された。また、縦桟A及び横桟Bを単一の糸としてノズルから押し出すことができるので、四角形の空間dは生産コストも廉価となる。
【0044】
このソリッドからなる合成樹脂の線条体で縦桟A及び横桟Bを形成し、縦桟A及び横桟Bで交わる縦桟A及び横桟Bで囲まれた空間dを形成する網状シート22は、その網状シート22を基準として、その外周に水流絡合により交絡された不織布23が形成される。
図5(b)に示す網状シート22の縦桟A及び横桟Bは、縦桟A及び横桟Bが重なり合った状態により、自己の熱エネルギの山ができるが、その熱によって、融解に要する時間が長くなり、全体が均一に近い形状となる。
この四角形の空間dは、引っ掛かりによって単一の空間dが独立して延びることなく、水分の収容、油脂の収容、埃等の収容が可能である。
【0045】
縦桟Aは基準シート21の基材21aに形成した基材孔21bの流れ方向(製造装置の搬送方向)に並行に延びた直線方向の桟(線材)であり、また、横桟Bは後述する製造装置の搬送方向に対して直角方向に延びた直線方向の桟(線材)である。縦桟Aは所定の図示しない間隔のノズル孔から溶融合成樹脂をステンレススチールドラムの外周に自然落下させることによって基準シート21の上に縦桟A及び横桟Bを描いている。また、横桟Bは、製造装置の搬送方向に対して直角配置した直線孔のゲートを所定のタイミングで開閉することにより、横方向に長い線条を基準シート21上に描いている。当然ながら、縦桟A及び横桟Bは、ソリッド状の合成樹脂からなる。
【0046】
通常、
図8に示すように、縦桟Aと横桟Bの交点C
1,C
2,・・・C
n(以下、これを『C』と記す)は、両者の温度が所定の温度以上にあることから、融合接着されて一体となる。このとき、縦桟Aと横桟Bには、溶融樹脂の厚みが断面円または断面長円であるから、両者は立体的に接着されることになり、即ち、線で描く四角形と異なり、一方に張力を加えると、捻じれが生じ、伸び難くなる。また、四角形の空間は各辺が15mm以下であると、特定の辺方向に付与する張力が膨張収縮及び捻じれという力になるので、結果的に縦桟Aと横桟Bは膨張収縮し難くなる。
【0047】
スパンボンド法によって積層して形成した不織布23は、化学繊維、ガラス繊維、金属繊維、天然繊維等を織らずに、化学的或いは物理的方法によって結合した布地のことである。本発明で使用する不織布は、製造期間が短く、低コストである。具体的には、使用する不織布23としては、ナイロン繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリオレフィン繊維、アラミド繊維、レーヨン繊維、ガラス繊維等が使用できる。
【0048】
スパンボンド法により不織布23を積層して形成した網状シート22は、床上のほこり、髪の毛、固形ゴミ、調味料やしみ汚れ、清掃等の付着液体等の水分を吸収し、床の保護、つや出し等の床管理においても、ワックス等の薬剤の保持を行うと共に、ワックス等の薬剤の供給も均一としたものである。特に、この透湿性防水シート100は、効率の良い異物の保持、確保を行うもので、お手拭き、体拭き、化粧落し等としても使用できる。なお、この網状シート22は、その周囲に付着する通常、不織布の長繊維及び短繊維の不織布23で形成されるが、短繊維のみの使用を否定するものではない。特に、強度及びしなやかさ、水に濡れても破れ難いこと、コストが安く、大量生産に向くこと、単一素材からなること、長繊維の不織布を使用していること等で、本発明を実施する場合には、短繊維とすることもできる。
【0049】
縦桟Aと横桟Bの交点Cは、両者の温度が成形温度以上にあり、融合されて一体となる事例を説明したが、縦桟Aと横桟Bとの間を接着剤で接着してもよい。
即ち、基準シート21と網状シート22は後述する不織布23との間をホットメルト接着で接着してもよいし、一般的な低密度ポリエチレン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂を接着剤として使用してもよい。また、共重合ポリアミド樹脂、共重合ポリエステル樹脂の使用としてもよい。しかし、本発明を実施する場合には、縦桟Aと横桟Bを、同一材料、例えば、ポリプロピレンとし、押し出した初期に両者を融合させて接着させるのが最も望ましい。
【0050】
何れにせよ、基準シート21と網状シート22とは、縦桟Aと横桟Bの交点Cで、または、基準シート21と網状シート22の間で、両者を融合接着される。
因みに、本実施の形態の縦桟Aと横桟Bの交点Cは、基準シート21と網状シート22との同一材料とし、それらの温度が融点以上とすることにより一体に接合している。
【0051】
網状シート22の縦桟Aと横桟Bで形成した空間dは、空間dが伸び難い、変形し難い構造を形成するものであり、特に、四角形の空間dは各辺が15mm以下、3mm以上であれば、基準シート21の不織布の引っ掛かりによって単一の空間dが独立して延びても、全体としては、変形が少ないことが発明者らによって確認された。また、縦桟Aと横桟Bを単一の糸としてノズルから押し出す制御により、四角形の空間dが形成できるので、生産コストも廉価となる。なお、ここで、四角形の空間dの各辺が3mm以上とすることとは、基準シート2の清掃機能が維持できる間隔である。
縦桟Aと横桟Bの線の太さは、0.05〜0.1mm程度である。但し、交点Cの交点では、0.2〜0.5mm程度である。特に、四角形の空間dでも変形し難いのは、縦桟Aと横桟Bの交点Cが鼓形になっており、変形し難いものである。
【0052】
縦桟Aと横桟Bは線条体であり、縦桟A、横桟Bの線の太さは、平均0.05〜0.1mm程度であり、交点Cでも平均0.2〜0.5mm程度であり、絶対面積が狭いから網状シート22が基準シート21の働きを妨害することがない。また、網状シート22の容積が少ないから、それによって保持される熱容量が小さく、溶融接着する場合にも、基準シート21の合成樹脂繊維を変形させることがない。
本実施の形態の説明は、四角形の空間dについて説明したが、
図9に示す三角形の空間d△
1,d△
2,・・・d△
2nについても同様に形成できる。
即ち、縦桟Aは製造工程の搬送方向に延びた直線であり、横桟Bは製造工程の搬送方向に対して直角方向に延びた直線である。また、傾斜横桟E
1,E
2,・・・E
nは製造工程の搬送方向に対して135度(45度)の方向に延びた直線である。
【0053】
縦桟A及び横桟Bで囲まれた空間dを形成する網状シート22は、ポリプロピレン等のソリッドからなる合成樹脂の線条体で縦桟及び横桟を形成し、前記縦桟及び前記横桟で交わりを形成するものである。
また、網状シート22は、
図5及び
図6に示すように、スパンボンド法によって積層した不織布で形成した基準シート21と、合成樹脂のソリッドで線条体で押出して形成した縦桟A及び横桟Bからなり、縦桟A及び横桟Bの両者の交点Cをホットメルト接着で接合し、縦桟A及び横桟Bで囲まれた空間dを形成した網状シート22と、スパンボンド法によって形成した網状シート22を配置し、スパンレース法により水流絡合により網状シート22の面の縦桟A及び横桟Bの面を対応させ、前記基準シート21と網状シート22と不織布23とを網状シート22の融着によって一体化したものである。
なお、本発明を実施する場合には、積層した長不織布繊維または短不織布繊維からなる不織布で形成した
不織布23の基準シート21は、スパンボンド法に限定されるものではなく、スパンレース法で形成されたものでもよい。本発明は、その不織布23の製造方法を問うものではない。
【0054】
したがって、傾斜横桟E
1,E
2,・・・E
nは、横桟B
1と横桟B
2との間に縦桟A
1から縦桟A
2の間隔を繰り返し移動するように設定することにより、それをドラム上に描き、三角形の空間d△
1,d△
2,・・・d△
2nを形成している。
本実施の形態の網状シート22の縦桟Aと横桟Bで形成した空間dは、伸び難い構造を形成するものであり、三角形が望ましい。特に、四角形の空間dは各辺が15mm以下であれば、引っ掛かりによって単一の空間dが独立して延びても、全体としては、変形が少ないことが発明者らによって確認された。また、網状シート22の縦桟A、横桟Bを単一の糸としてノズルから押し出すことができるので、三角形または四角形の空間dは生産コストも廉価となる。しかし、本発明を実施する場合には、これら網状シート22の構成に限定されるものではない。
【0055】
スパンボンド法で形成した網状シート22の縦桟Aと横桟B、その交点Cで水流絡合法による交絡を行う前に、網状シート22が成形温度以上に温度が上昇されているから、それらは網状シート22でホットメルト接着される。
したがって、基準シート21と網状シート22、網状シート22と不織布23との間は、面で接合しているので、大きな外力を加えても、外力に対して弱いことが判明した。そこで、網状シート22の縦桟A及び横桟Bの膨張収縮を考えると同時に、基準シート21と網状シート22の面を対向させ、スパンレース法等の水流絡合の効果を必要する。
【0056】
このように、本実施の形態の透湿性防水シート100は、防水機能を有する透湿フィルムで形成した基準シート21と、ソリッドからなる合成樹脂の線条体で縦桟A及び横桟Bを形成し、縦桟A及び横桟Bで交わり、縦桟A及び横桟Bで囲まれた空間dを形成する網状シート22と、網状シート22の縦桟A及び横桟Bに水流絡合により交絡させて製造するスパンレース法で作成した不織布23と、前記基準シート21と前記網状シート22と前記スパンレース法で作成した不織布23を積層配置し、網状シート22をホットメルトで融着させて貼り合わせたものである。
なお、本実施の形態の場合にも、縦桟Aと横桟Bの線の太さは、特に、四角形の空間dでも変形し難いのは、縦桟Aと横桟Bの交点Cが鼓形になっており、変形し難い形状に要因がある。
【0057】
また、本実施の形態の透湿性防水シートは、網状シート22の縦桟A及び横桟Bに水流絡合により交絡させて製造する浸水生及び透水性のある不織布23と、基準シート21と網状シート22で実施の形態2の高吸水性樹脂25を収納することもできる。網状シート22と網状シート22と透湿性シートからなる不織布23を積層配置し、ホットメルトで融着させて貼り合わせた形態とすることができる。空間dが三次元空間となり、高吸水性樹脂25の収容空間が確実に確保できる。また、網状シート22は伸縮自在でないから、本実施の形態の透湿性防水シートが水を吸収しても、それを持ち上げる力が網状シート22に分散し、基準シート21や網状シート22を破く恐れがない。
【0058】
したがって、防水機能を有する透湿フィルムで形成した基準シート21は、水の漏洩を防止し、湿気のみを通過させ、湿気が高くなるのを防止している。また、ソリッドからなる合成樹脂の線条体で縦桟A及び横桟Bを形成した網状シート22は、縦桟A及び横桟Bで交わって高くなり、縦桟A及び横桟Bで囲まれた空間dを形成する。それよって網状シート22の縦桟A及び横桟Bに水流絡合により交絡されて製造した不織布23の水分等の保持容量が決定される。
また、基準シート21と網状シート22と不織布23を積層配置し、前記網状シート22をホットメルトで融着させることにより、縦桟Aと横桟Bの重なり合った部分が大きく変位して融着されるから、ホットメルトで融着させる前記基準シート21と不織布23が堅固に一体化され、水分量が多くても、或いは汚物量が多くても基準シートや不織布が破れることがない。
【0059】
本実施の形態では、基準シート21と網状シート22と不織布23を独立して作成し、その網状シート22を中心とするホットメルトで融着させるものであるが、最初に不織布23をベースとし、そこに網状シート22を形成し、その上に基準シート21を張り合わせる製造方法を取ることもできる。
即ち、本実施の形態の透湿性防水シートの製造方法は、防水機能を有する透湿フィルムで形成した基準シート21を本実施の形態の透湿性防水シートを製造するために供給する基準シート送給工程41と、合成樹脂の線条体で縦桟A及び横桟Bを形成し、縦桟A及び横桟Bで交わり、縦桟A及び横桟Bで囲まれた水、埃、塵を収容する空間dを形成する網状シート22に対して水流絡合により交絡させてなる不織布23の
水流絡合工程43と、基準シート21と不織布23と網状シート22を積層し、網状シート22で基準シート21及び不織布23をホットメルトで融着または接着剤で接着させた接合工程44を具備している。
【0060】
基準シート21の基準シート送給工程41で水の漏洩を防止し、湿気のみを通過させ、湿気が高くなるのを防止する防水機能を有する透湿フィルムで形成し、網状シート22の網状シート工程42でソリッドからなる合成樹脂の線条体で縦桟A及び横桟Bを形成した網状シート22に対して、水流絡合により不織布22を交絡し、即ち、水流絡合工程43で交絡し、特に、縦桟A及び横桟Bで交わって厚くなり、縦桟A及び横桟Bで囲まれた収容する空間d、即ち、水分等の保持容量を形成する。
また、合成樹脂の線条体で縦桟A及び横桟Bを形成し、縦桟A及び横桟Bで交わり、縦桟A及び横桟Bで囲まれた空間dを形成する網状シート22をその内部に配置するように水流絡合により交絡させてなる不織布23の工程では、伸び難い
網状シート22の表裏に不織布23を形成するものであるから、形状が安定する。
【0061】
そして、基準シート21の基準シート送給工程41と網状シート22の網状シート工程42と
不織布23を積層配置し、網状シート22をホットメルトで融着させ、縦桟Aと横桟Bの重なり合った部分が大きく変位して融着されるから、ホットメルトで融着させる基準シート21と不織布23が堅固に一体化され、収集した水分量が多くても、或いは収集した汚物量が多くても基準シート21や不織布23が破れることがない。また、基準シート21の
基準シート送給工程41、
網状シート22及び不織布23の工程を独立した工程とすることができ、ホットメルトによる融着、その他の接着剤による接着までの接合工程44は自由な選択ができる。
【0062】
[実施の形態2]
上記実施の形態では、網状シート22と不織布23を各々形成し、それを網状シート22のホットメルトで融着させる網状シート22によって、基準シート21と網状シート22と不織布23を一体化していた。しかし、これは、スパンレース法で網状シート22に水流絡合により交絡させ、
図10及び
図11に示すように、見掛け状は基準シート21と網状シート22の2層構造とすることができる。
図10及び
図11において、
図10(a)は基準シートの要部全体斜視図、(b)は網状シート及び不織布の
要部全体斜視図で、(c)は基準シート、網状シート及び不織布の要部全体斜視図である。図11は透湿性防水シートにおける一部断面及び斜視図による説明図、
図12は透湿性防水シートにおける高吸水性樹脂25を供給した断面の説明図である。
【0063】
例えば、網状シート22の縦桟Aと横桟Bで形成した空間dは、ステンレススチールのドラムの上面で形成し、それを剥離し、網状シート22に水流絡合法43により交絡させて、網状シート22の空間dに、不織布23の膜を形成し、その不織布23の空間dに高吸水性樹脂25を充填し、網状シート22の縦桟Aと横桟Bを加熱し、そして、そこで基準シート21を接合する。即ち、基準シート21と網状シート22と不織布23を積層配置し、前記網状シート22をホットメルトで融着させる。
このとき、高吸水性樹脂25は透湿性防水シート100の用途によって充填するか否かを決定される。
【0064】
網状シート22に対する不織布の取付けは、乾式または湿式の何れでもよいが、本実施例の透湿性防水シート100は、網状シート22の縦桟Aと横桟B、空間dを形成した後、高圧水流で繊維同士を吹き付けて剥離し、剥離した側の網状シート22の面に基準シート21を重ねて、
網状シート22と基準シート21をホットメルトで融着または接着剤で接着させた透湿性防水シートの接合方法(接合工程
44)とすることができる。発明者らの実験の結果は湿式の方が好ましかった。
なお、高吸水性樹脂25を空間dに供給する場合にも、網状シート22に基準シート21を封止する前に必要量供給する必要がある。
【0065】
結果としては、透湿性防水シート100は、網状シート22のホットメルトの融着は、基準シート21と網状シート22と水流絡合により吹き付けて交絡させた不織布23を網状シート22の反対面に配設し、それを熱板等で受け空間dを活用し、高吸水性樹脂25の収容空間dとする。特に、不織布23を網状シート22に水流絡合により交絡させているから、網状シート22に不織布23を融着することになり、堅固に不織布23、網状シート22、基準シート21を一体化できる。
このとき、
図12に示すように、網状シート22の縦桟A及び横桟Bは、重力で下面が平坦になるから、
図11に示すように、網状シート22の縦桟A及び横桟Bの表裏を反転させ、基準シート21の接合面を網状シート22の縦桟A及び横桟Bの平面とすると接合面積も大きくでき、接合力も大きくすることができる。即ち、基準シート21は網状シート22の表裏の何れでもよい。勿論、不織布23側の反対側であればよい。
【0066】
本実施の形態の透湿性防水シート100は、防水機能を有する透湿フィルムで形成した基準シート21と、ソリッドからなる合成樹脂の線条体で縦桟A及び横桟Bを形成し、縦桟A及び横桟Bで交わる縦桟A及び横桟Bで囲まれた空間dを形成、縦桟A及び横桟Bに水流絡合により交絡させてなる透水性を有し、かつ、基準シート21と網状シート22及び高吸水性樹脂25を収容する空間dを形成する不織布
23を交絡させてなる網状シート22と、網状シート22と透湿性シートからなる不織布23を交絡させた網状シート22と不織布23を積層配置し、ホットメルトで融着または接着剤で接着させたものである。
【0067】
したがって、防水特性を有する透湿フィルムである基準シート21は、湿度は出入りできるが、防水性によって水分の移動は遮断される。このため、ソリッドタイプの合成樹脂の線条体で縦桟A及び横桟Bを形成する網状シート22により、縦桟A及び横桟Bで囲まれた空間dを形成し、空間dには高吸水性樹脂25を収容し、縦桟A及び横桟Bで囲まれた空間dから高吸水性樹脂25が脱し得ないように、網状シート22の縦桟A及び横桟Bには、水流絡合により交絡させて取り付けられた不織布が縦桟A及び横桟Bで囲まれた空間の他の面の蓋機能となり、この状態で、基準シート21と網状シート22と不織布
23を積層配置し、網状シート22をホットメルトで融着または接着剤で接着させたものである。
よって、基準シート21と網状シート22と不織布23を積層配置し、網状シートをホットメルトで融着させることにより、縦桟Aと横桟Bの重なり合った部分が大きく変位して融着され、ホットメルトで融着させる基準シート21と不織布23が堅固に一体化され、水分量が多くても、或いは汚物量が多くても基準シート21や
不織布23が破れることがない。
【0068】
上記実施の形態の
透湿性防水シート100は、防水機能を有する透湿フィルムで形成した基準シート21は、水の漏洩を防止し、湿気のみを通過させ、湿気が高くなるのを防止している。また、ソリッドからなる合成樹脂の線条体で縦桟A及び横桟Bを形成した網状シート22は、縦桟A及び横桟Bで交わって高くなり、縦桟A及び横桟Bで囲まれた空間dを形成する。それよって網状シート22の縦桟A及び横桟Bに水流絡合により交絡されて製造した不織布23の水分等の保持容量が決定されている。
しかし、網状シート22の縦桟A及び横桟Bに水流絡合により交絡されて製造した不織布23の水分等の保持容量は大きくない。
そこで、水分等の保持容量を大きくするために、高吸水性樹脂25で閉じ込めておくことができる。
【0069】
即ち、上記実施の形態1の透湿性防水シート100は、防水機能を有する透湿フィルムで形成した基準シート21と、ソリッドからなる合成樹脂の線条体で縦桟A及び横桟Bを形成し、縦桟A及び横桟Bで交わり、縦桟A及び横桟Bで囲まれた空間を形成する網状シート22と、前記網状シート22の縦桟A及び横桟Bに水流絡合により交絡させて製造する浸水生及び透水性のある透水性の不織布23と、前記基準シート21と前記網状シート22で高吸水性樹脂25を収納し、前記網状シート22と前記網状シート22と透湿性のある不織布23を積層配置し、ホットメルトで融着させて貼り合わせたものである。
【0070】
したがって、上記実施の形態の透湿性防水シート100は、防水機能を有する透湿フィルムで形成した基準シート21は水漏れを防止し、湿気のみを通過させ、湿気が高くなり蒸れるのを防止している。また、ポリプロピレン等のソリッドからなる合成樹脂の線条体で縦桟A及び横桟Bを形成した網状シート22は、縦桟A及び横桟Bで交わって高くなり、縦桟A及び横桟Bで囲まれた空間dを形成する。それよって網状シート22の縦桟A及び横桟Bに水流絡合により交絡されて製造した不織布の水分等の保持容量が決定される。
縦桟A及び横桟Bで囲まれた空間dに、高吸水性樹脂25を充填してあれば、ないときに比較して水分の保持容量が多くなる。
【0071】
基準シート21と網状シート22で高吸水性樹脂25を収納しているから、網状シート22と透湿性シートからなる不織布23が水分を保持できる保持量が多くなる。即ち、高吸水性樹脂25が親水性の高いポリアクリル酸ナトリウム等が水分を吸収保持できる。
なお、高吸水性樹脂25としては、親水性が高いポリアクリル酸ナトリウム等が使用される。しかし、尿や血液等の体液の吸収に使用することから、吸収力は水に対するものより低くなり、カルボキシル基を多数持つアクリル酸の重合体は非常に親水性が高く、優れた特性を示すので、ポリアクリル酸ナトリウムが普通に使用されている。
【0072】
上記実施の形態の透湿性防水シートの製造方法は、防水機能を有する透湿フィルムで形成した基準シート21の製造または
基準シート送給工程41と、合成樹脂の線条体で縦桟A及び横桟Bを形成し、縦桟A及び横桟Bで交わり、縦桟A及び横桟Bで囲まれた空間dを形成する網状シート22の
網状シート工程42と、網状シート22の縦桟A及び横桟Bに水流絡合により交絡させて製造するスパンレースの不織布23の
水流絡合工程43と、基準シート21と網状シート22とスパンレースの不織布23を積層配置し、網状シート22をホットメルトで融着させて貼り合わる接合の接合工程44を特徴とするものである。
【0073】
上記実施の形態の透湿性防水シートの製造方法は、水の漏洩を防止し、湿気のみを通過させ、湿気が高くなるのを防止する防水機能を有する透湿フィルムで形成した基準シート21と、ソリッドからなる合成樹脂の線条体で縦桟A及び横桟Bを形成した網状シート22に対して、縦桟A及び横桟Bで交わって高くなり、縦桟A及び横桟Bで囲まれた空間dを形成する。それよって網状シート22の縦桟A及び横桟Bに水流絡合により交絡されて製造した不織布の水分等の保持容量を決定する。
そして、基準シート21と網状シート22と不織布23を積層配置し、前記網状シート22をホットメルトで融着させ、縦桟Aと横桟Bの重なり合った部分が大きく変位して融着されるから、ホットメルトで融着させる前記基準シート21と不織布23が堅固に一体化され、水分量が多くても、或いは汚物量が多くても基準シート21や不織布23が破れることがない。
【0074】
上記実施の形態の透湿性防水シート100は、防水機能を有する透湿フィルムで形成した基準シート21は水漏れを防止し、湿気のみを通過させ、湿気が高くなり蒸れるのを防止している。また、ポリプロピレン等のソリッドからなる合成樹脂の線条体で縦桟A及び横桟Bを形成した網状シート22は、縦桟A及び横桟Bで交わって高くなり、縦桟A及び横桟Bで囲まれた空間dを形成する。それよって網状シート22の縦桟A及び横桟Bに水流絡合により交絡されて製造した不織布23の水分等の保持容量が決定される。
基準シート21と網状シート22で高吸水性樹脂25を収納しているから、網状シート22と透湿性シートからなる不織布23が水分を保持できる保持量が多くなる。
また、基準シート21と網状シート22と不織布23を積層配置し、網状シート22をホットメルトで融着させることにより、縦桟Aと横桟Bの重なり合った部分が大きく変位して融着されるから、ホットメルトで融着させる基準シート21と不織布23が堅固に一体化され、水分量が多くても、或いは汚物量が多くても基準シート21や不織布23が破れることがない。
【0075】
上記実施の形態の透湿性防水シートの製造方法は、水の漏洩を防止し、湿気のみを通過させ、湿気が高くなるのを防止する防水機能を有する透湿フィルムで形成した基準シート21、ソリッドからなる合成樹脂の線条体で縦桟A及び横桟Bを形成した網状シート22に対して、縦桟A及び横桟Bで交わって高くなり、縦桟A及び横桟Bで囲まれた空間dを形成する。それよって網状シート22の縦桟A及び横桟Bに水流絡合により交絡されて製造した不織布23の水分等の保持容量を決定する。
そして、基準シート21と網状シート22と不織布23を積層配置し、網状シート22をホットメルトで融着させ、縦桟Aと横桟Bの重なり合った部分が大きく変位して融着されるから、ホットメルトで融着させる基準シート21と不織布23が堅固に一体化され、水分量が多くても、或いは汚物量が多くても基準シート21や不織布23が破れることがない。
【0076】
本発明の実施の形態の透湿性防水シートでは、例えば、発明者等の実験によれば、熱可塑性樹脂の網状シート22の融着温度を最低温度とし、基準シート21と不織布23が熱変形することを防止している。基準シート21と不織布23は熱変形しない程度に融解してもよい。
何れにせよ、機械的強度のある熱可塑性樹脂からなる網状シート22を基準シート21及び不織布23よりも溶融する温度を低くし、ホットメルトで網状シート22を基準シート21及び不織布23に融着させている。しかし、接着剤で網状シート22を基準シート21及び不織布23で接着する場合には、問題にならない。
【0077】
高吸水性樹脂25は、伸び難い材料からなる網状シート22の縦桟A及び横桟Bで形成した
図5に示す四角形の空間dに収容され、基準シート21及び不織布23の面で保持されるものである。したがって、空間dが不織布23で形成されているから、収容量を任意に設定できる。また、高吸水性樹脂25が水を吸収し、体積が大きく変化しても、空間dの不織布23が密になるだけで、その体積を大きくできるので、高吸水性樹脂25が水を吸収して、体積が大きく変化しても、それを空間d気が吸収できる。また、高吸水性樹脂25が水を吸収した状態で外力を付与したとしても、高吸水性樹脂25に直接外力が加わらないから、高吸水性樹脂25が水を流し出すことがない。
【解決手段】防水機能を有する基準シート21は水の漏洩を防止し、湿気のみを通過させ、閉じられた空間での湿度が高くなるのを防止している。また、ソリッドタイプの合成樹脂線条体で縦桟A及び横桟Bを形成した網状シート22は、縦桟A及び横桟Bで交わっている箇所の厚みが厚くなり、縦桟A及び横桟Bで囲まれた空間dを形成する。網状シート22の縦桟A及び横桟Bに水流絡合により交絡された不織布23によって保持容量が決定される。基準シート21と網状シート22と不織布23を積層し、網状シート22をホットメルトで融着することにより、縦桟Aと横桟Bの重なり合った部分が融着され、ホットメルトで融着させる基準シート21と不織布23が堅固に一体化され、水分量が多くても基準シート21や不織布23が破れることがない。