特許第6306822号(P6306822)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6306822画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6306822
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20180326BHJP
   H04N 7/173 20110101ALI20180326BHJP
【FI】
   H04N7/18 U
   H04N7/173 610Z
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-29487(P2013-29487)
(22)【出願日】2013年2月18日
(65)【公開番号】特開2014-158244(P2014-158244A)
(43)【公開日】2014年8月28日
【審査請求日】2015年7月10日
【審判番号】不服2016-18834(P2016-18834/J1)
【審判請求日】2016年12月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102728
【氏名又は名称】株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大塚 紘史
(72)【発明者】
【氏名】盛合 智紀
【合議体】
【審判長】 篠原 功一
【審判官】 清水 正一
【審判官】 樫本 剛
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−11017(JP,A)
【文献】 特開2011−205517(JP,A)
【文献】 特開2012−205134(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
H04N 7/173
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影部によって撮影された画像の入力を受け付ける受付部と、
前記入力される画像に含まれる検出対象を検出し、該検出対象に対応する領域情報を検出する検出部と、
前記検出部により検出された検出対象の画像上の位置、および前記領域情報に基づいて、前記検出対象の画像上の位置を基準にオフセット分を変位させた位置を中心として、前記画像上に所定の領域を設定する設定部と、
前記設定部により設定された所定の領域内を閲覧可能とし、前記入力される画像から前記所定の領域内を除外した残余の領域を閲覧不可能とした表示画像を生成する生成部と、
を備え、
前記設定部は、前記画像中における前記検出対象の縦横の長さと予め設定された前記検出対象の縦横の長さに応じて、または前記撮影部における前記検出対象を撮影した角度に応じて前記オフセット分を修正する、
画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置であって、
前記検出対象は、前記撮影部が撮影した空間において、前記表示画像中で閲覧可能とされる物体の付近に設置された物体であり、
前記設定部は、前記検出対象の画像上の位置と、予め設定されている前記検出対象の位置と前記所定の領域との位置関係に関する情報とに基づいて、前記所定の領域を設定する、
画像処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像処理装置であって、
前記生成部は、前記入力される画像の全ての領域を閲覧不可能とする情報を含む閲覧不可能化データと、前記所定の領域に対応したデータであって、前記閲覧不可能化データの一部の情報を無効化する無効化データとを合成し、該合成したデータと前記入力される画像とを合成することで、前記入力される画像から前記所定の領域内を除外した残余の領域を閲覧不可能とした表示画像を生成する、
画像処理装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、
前記入力される画像における座標の指定を受け付ける座標指定受付部と、
前記座標指定受付部が受け付けた座標を基準として前記所定の領域を設定する第2の設定部と、
更に備える画像処理装置。
【請求項5】
画像処理装置が、
撮影部によって撮影された画像の入力を受け付け、
前記入力される画像に含まれる検出対象を検出し、
前記検出された検出対象の画像上の位置に基づいてオフセット分を変位させた位置を中心として、前記画像上に所定の領域を設定し、
前記設定された所定の領域内を閲覧可能とし、前記入力される画像から前記所定の領域内を除外した残余の領域を閲覧不可能とした表示画像を生成し、
更に、前記オフセット分は、前記画像中における前記検出対象の縦横の長さと予め設定された前記検出対象の縦横の長さに応じて、または前記撮影部における前記検出対象を撮影した角度に応じて修正する、
画像処理方法。
【請求項6】
画像処理装置に、
撮影部によって撮影された画像の入力を受け付けさせ、
前記入力される画像に含まれる検出対象を検出させ、
前記検出された検出対象の画像上の位置に基づいてオフセット分を変位させた位置を中心として、前記画像上に所定の領域を設定させ、
前記設定された所定の領域内を閲覧可能とし、前記入力される画像から前記所定の領域内を除外した残余の領域を閲覧不可能とした表示画像を生成させ、
更に、前記オフセット分は、前記画像中における前記検出対象の縦横の長さと予め設定された前記検出対象の縦横の長さに応じて、または前記撮影部における前記検出対象を撮影した角度に応じて修正させる、
画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ電話やビデオチャットツールの普及に伴い、遠隔地間で映像を共有する機会が増加している。遠隔地間で映像を共有するシステムとしては、例えば、カメラによる監視システム、テレビ会議・遠隔サポートなどの遠隔映像共有システム、テレプレゼンスロボットによる遠隔コミュニケーションシステムなどが挙げられる。これらのシステムにおいて、カメラによって撮影された原画像をそのまま閲覧させたのでは、リモート端末等で映像が録画され、秘密にすべき情報が漏えいする可能性があることに配慮する必要がある。秘密にすべき情報としては、例えば、施設内の設備の配置、ラックの位置、施設内で働く人の個人情報などが挙げられる。これらのシステムでは、閲覧者に表示すべきでない領域を、画像認識やRFID(Radio Frequency Identification)などを利用して認識していた。
【0003】
また、これに関連し、カメラにより撮影された画像と予めメモリに記憶した識別情報とを比較し、画像認識手段により不都合な対象物があると識別された場合に、撮影画像中の不都合な対象物の部分をマスクする画像処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−153252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の装置を含めて、従来の遠隔地間で映像を共有するシステムでは、画像認識の精度やRFIDの設置不備等により、表示すべきでない領域を表示してしまうことがあった。
【0006】
本発明は、係る事情を考慮してなされたものであり、原画像における表示すべきでない領域を、より確実に隠蔽することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、撮影部によって撮影された画像の入力を受け付ける受付部と、前記入力される画像に含まれる検出対象を検出し、該検出対象に対応する領域情報を検出する検出部と、前記検出部により検出された検出対象の画像上の位置、および前記領域情報に基づいて、前記検出対象の画像上の位置を基準にオフセット分を変位させた位置を中心として、前記画像上に所定の領域を設定する設定部と、前記設定部により設定された所定の領域内を閲覧可能とし、前記入力される画像から前記所定の領域内を除外した残余の領域を閲覧不可能とした表示画像を生成する生成部と、を備え、前記設定部は、前記画像中における前記検出対象の縦横の長さと予め設定された前記検出対象の縦横の長さに応じて、または前記撮影部における前記検出対象を撮影した角度に応じて前記オフセット分を修正する、画像処理装置である。
【0008】
また、本発明の他の態様は、画像処理装置が、撮影部によって撮影された画像の入力を受け付け、前記入力される画像に含まれる検出対象を検出し、前記検出された検出対象の画像上の位置に基づいてオフセット分を変位させた位置を中心として、前記画像上に所定の領域を設定し、前記設定された所定の領域内を閲覧可能とし、前記入力される画像から前記所定の領域内を除外した残余の領域を閲覧不可能とした表示画像を生成し、更に、前記オフセット分は、前記画像中における前記検出対象の縦横の長さと予め設定された前記検出対象の縦横の長さに応じて、または前記撮影部における前記検出対象を撮影した角度に応じて修正する、画像処理方法である。
【0009】
また、本発明の他の態様は、画像処理装置に、撮影部によって撮影された画像の入力を受け付けさせ、前記入力される画像に含まれる検出対象を検出させ、前記検出された検出対象の画像上の位置に基づいてオフセット分を変位させた位置を中心として、前記画像上に所定の領域を設定させ、前記設定された所定の領域内を閲覧可能とし、前記入力される画像から前記所定の領域内を除外した残余の領域を閲覧不可能とした表示画像を生成させ、更に、前記オフセット分は、前記画像中における前記検出対象の縦横の長さと予め設定された前記検出対象の縦横の長さに応じて、または前記撮影部における前記検出対象を撮影した角度に応じて修正させる、画像処理プログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、原画像における表示すべきでない領域を、より確実に隠蔽することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態に係る遠隔監視システムのシステム構成例である。
図2】施設10内にタグ10Aが貼り付け又は描画された様子を示す図である。
図3】第1実施形態の遠隔監視システムが利用される様子を模式的に示す図である。
図4】本実施形態の遠隔監視システムにおいて実行される全体的な処理の流れを示すフローチャートの一例である。
図5】タグ情報61として格納されるデータの一例である。
図6】タグ10Aと窓枠WDとの位置関係を示す図である。
図7】表示許可情報62としてタグデータベース60に格納されるデータの一例である。
図8】第1実施形態の画像処理装置5により実行される処理の流れを示すフローチャートの一例である。
図9】ベースマスクBMの模式図と、ベースマスクBMのデータ構造を示す図である。
図10】窓マスクWMの模式図と、窓マスクWMのデータ構造を示す図である。
図11】窓マスクWMの設定方法を説明するための図である。
図12】マスクデータMDの模式図と、マスクデータMDのデータ構造を示す図である。
図13】リモート端末3の表示部32において、タグ10Aを基準に設定された窓枠WD内のみ原画像が表示され、窓枠WD外については黒一色の画像が表示される様子を示す図である。
図14】リモート端末3の表示部32において、複数のタグ10A(1)〜10A(3)を基準に設定された窓枠WD(1)〜WD(3)内のみ原画像が表示され、原画像から複数の窓枠WDWD(1)〜WD(3)内の領域を除外した残余の領域について黒一色の画像が表示される様子を示す図である。
図15】第2実施形態に係る遠隔監視システムのシステム構成例である。
図16】始点タグと終点タグの2つのタグで窓枠WDの範囲を決定する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照し、本発明の画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラムの実施形態について説明する。なお、以下の説明では、本発明の画像処理装置等が、遠隔監視システムの一部として用いられることを前提とするが、本発明の画像処理装置等は、これに限らず、種々の用途に使用することができる。
【0013】
<第1実施形態>
以下、第1実施形態に係る遠隔監視システムについて説明する。図1は、第1実施形態に係る遠隔監視システムのシステム構成例である。第1実施形態に係る遠隔監視システムは、カメラ1と、現地端末2と、リモート端末3と、画像処理装置5と、を備える。現地端末2、リモート端末3、および画像処理装置5は、ネットワーク9を介して互いに接続される。ネットワーク9は、例えば、Wi−Fi網などの無線通信網や光通信網などの有線通信網を含む。
【0014】
[施設10内の構成]
カメラ1は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮影素子を利用したカメラである。カメラ1は、例えば施設10内を移動可能なロボットや車両などに搭載される。施設10は、例えば、データセンターや工場、プラント、会議室など、第三者に秘匿する必要のある箇所や人物が含まれる任意の施設である。ロボットや車両などは、例えば施設10内の作業者によって操縦される。また、カメラ1は、施設10内の任意の場所に固設されても構わないし、屋外を撮影するものであっても構わない。
【0015】
現地端末2は、通信線を介して或いは無線により、カメラ1と接続される。現地端末2は、例えば施設10内に設置され、施設10内の作業者によって操作される。現地端末2は、画像取得部21と、画像送信部22と、音声送受信部23とを備える。以下、「設置され」とは、ノートパソコンのような可搬型の端末が置かれることを含むものとする。
【0016】
画像取得部21は、カメラ1から、カメラ1が撮影した画像を取得する。画像は、NTSC(National Television System Committee)などのアナログ方式によって取得されてもよいし、A/D変換されたデジタルデータとして取得されてもよい。
【0017】
画像送信部22は、画像取得部21が取得したカメラ1の撮影画像を、ネットワーク9を介して画像処理装置3に送信する。ネットワーク9を介した画像の送信手法としては、ストリーミングやプログレッシブダウンロードなどの手法が用いられてもよいし、FTP(File Transfer Protocol)などのプロトコルを用いて動画ファイルとして送信する手法が用いられてもよい。なお、施設10内に画像処理装置5が設置される場合もあり、この場合、現地端末2と画像処理装置5は統合されて同じハードウェアにより実現される可能性がある。係る場合において、画像の送信は不要な処理となる。
【0018】
また、音声送受信部23は、図示しないマイクに入力された音声を、ネットワーク9を介してリモート端末3に送信すると共に、リモート端末3からネットワーク9を介して受信した音声を、図示しないスピーカに出力させる。これによって、画像送信部22およびリモート端末3の音声送受信部33は、現地端末2を操作する作業者と、リモート端末3を操作する閲覧者との間で会話を行わせることができる。
【0019】
[リモート端末3の構成]
リモート端末3は、表示画像受信部31と、表示部32と、音声送受信部33と、ログイン情報入力受付部34とを備える。
【0020】
表示画像受信部31は、現地端末2から画像処理装置5に送信され、画像処理装置5によってマスク処理された画像(表示画像)を、画像処理装置5から受信する。
【0021】
表示部32は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)やブラウン管ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどの表示装置である。表示部32は、表示画像受信部31が受信した表示画像を表示する。表示画像を見るのは、例えば、前述した施設10内の故障個所等を遠隔地から監視する閲覧者である。閲覧者は、例えば、施設10内に設置された設備の保守専門家であるが、施設10内の全ての設備を見る権限を有していない立場の者である。画像処理装置5は、この閲覧者に対して施設10内の特定の箇所(後述する窓枠WD内の領域)だけを見せ、特定の箇所以外を見せないために、特定の箇所以外をマスクする処理を行って、表示画像を生成する。
【0022】
音声送受信部33は、前述したように、現地端末2を操作する作業者と、リモート端末3を操作する閲覧者との間で会話を行わせる。
【0023】
ログイン情報入力受付部34は、閲覧者による、閲覧者自身の識別情報であるユーザIDなどの入力を受け付ける。ログイン情報入力受付部34が入力を受け付けた閲覧者のユーザIDは、画像処理装置5に送信される。ログイン情報入力受付部34は、例えば、キーボードやマウス、並びにこれらのドライバなどを含む。
【0024】
[画像処理装置の構成]
画像処理装置5は、例えば、タグ情報設定受付部51と、ログイン受付部52と、画像受信部53と、タグ検出部54と、表示可否判定部55と、マスクデータ生成部56と、表示画像生成部57と、表示画像送信部58とを備える。
【0025】
また、画像処理装置5は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、RAM(Random Access Memory)などの記憶装置上に、タグ情報61および表示許可情報62などを含むタグデータベース60を格納している。タグ情報61および表示許可情報62は、それぞれタグIDに対応付けられた情報となっている。
【0026】
ここで、施設10内の設備における任意の箇所には、カメラ1の撮影画像を解析することによって認識可能なタグ(マーク)が、貼り付け又は描画されている。タグは、画像認識が容易な色彩や模様、例えば、画像におけるコントラストが鮮明な白黒の模様などが付されている。図2は、施設10内にタグ10Aが貼り付け又は描画された様子を示す図である。
【0027】
各タグには、それぞれ便宜的に識別子(タグID)が設定されている。タグ情報設定受付部51は、画像処理装置5の操作者による操作を受け付け、タグIDとタグの形状などとの対応付けを設定する。タグ情報設定受付部51は、例えば、キーボードやマウス、並びにこれらのドライバなどを含む。
【0028】
ログイン受付部52は、ログイン情報入力受付部34が受け付けた閲覧者のユーザ情報を、リモート端末3から受信し、ユーザIDとして表示可否判定部55に出力する。
【0029】
画像受信部53は、現地端末2の画像送信部22から、カメラ1が撮影した画像(原画像)を受信する。タグ検出部54は、例えば、カメラ1が撮影した画像の1フレーム毎に、画像中に含まれるタグを検出し、検出したタグのタグIDを表示可否判定部55に出力する。
【0030】
表示可否判定部55は、リモート端末3に対してユーザIDを入力した閲覧者に、当該タグIDに対応付けられた窓枠WD内における原画像の表示を許可するか否かを決定する。
【0031】
マスクデータ生成部56は、現地端末1から受信した原画像のうち、表示可否判定部55により表示が許可された窓枠WD内のみを表示し、それ以外の部分を表示しないためのマスクデータMDを生成する。
【0032】
表示画像生成部57は、画像受信部53が受信した原画像と、マスクデータ生成部56が生成したマスクデータMDを合成し、リモート端末3に送信する表示画像を生成する。
【0033】
表示画像送信部58は、表示画像生成部57が生成した表示画像を、ネットワーク9を介してリモート端末3に送信する。画像の送信手法としては、現地端末2から画像処理装置5への送信手法と同様、ストリーミングやプログレッシブダウンロードなどの手法が用いられてもよいし、FTPなどのプロトコルを用いて動画ファイルとして送信する手法が用いられてもよい。
【0034】
図3は、第1実施形態の遠隔監視システムが利用される様子を模式的に示す図である。図3に示すように、現地端末2を操作する作業者U1と、リモート端末3を操作する閲覧者U2は、互いに会話を行いながら、カメラ1の撮影位置を調整したり、ログインの指示を行ったりすることができる。また、リモート端末3の表示部32には、画像処理装置5から送られて来た表示画像が表示される。
【0035】
[フローチャートなど]
以下、上記説明した各機能部の処理について、フローチャートなどを用いて、より詳細に説明する。
【0036】
図4は、本実施形態の遠隔監視システムにおいて実行される全体的な処理の流れを示すフローチャートの一例である。
【0037】
まず、事前準備として、タグ情報設定受付部51が、タグ情報61および表示許可情報62の設定を受け付ける(ステップS100)。また、事前準備には、施設10内における所望の箇所にタグを貼り付け又は描画することが含まれてもよい。
【0038】
図5は、タグ情報61として格納されるデータの一例である。画像処理装置5の操作者は、タグのサイズ、形状(模様)、窓枠形状、窓枠サイズ、中心位置オフセット、表示期間などの情報と、タグIDが対応付けられた情報を、タグ情報61としてタグデータベース60に格納させる。
【0039】
タグ情報61に含まれるタグのサイズは、カメラ1が試験的にタグを撮影したときの画像上のサイズであってもよいし、タグの実際のサイズであってもよい。タグ情報61に含まれるタグの形状(模様)は、例えば、カメラ1が試験的にタグを撮影したときの画像データであってもよいし、タグがコンピュータグラフィックとして生成される場合、当該グラフィックデータであってもよい。
【0040】
タグ情報61における窓枠とは、タグの位置に対応付けられた、表示を許可する領域を意味する。図6は、タグ10Aと窓枠WDとの位置関係を示す図である。図6に示すように、窓枠WDは、タグの(例えば中心の)位置から「中心位置オフセット」分だけ変位した位置を中心とし、窓枠形状、および窓枠サイズに応じた領域に設定される。また、タグ情報における表示期間は、タグに対応付けられた窓枠を表示する期間を示す。
【0041】
また、表示許可情報62は、ユーザIDに対応するユーザに、対応する窓枠WD内の領域の表示を許可するタグのタグIDを対応付けた情報である。図7は、表示許可情報62としてタグデータベース60に格納されるデータの一例である。画像処理装置5の操作者は、各ユーザIDについて、対応する窓枠WD内の領域の表示を許可するタグIDを、表示許可情報62としてタグデータベース60に格納する。例えば、ユーザIDが「User001」であるユーザに対しては、タグIDが「Tag001」であるタグに対応する窓枠WD内の領域の表示が許可される。
【0042】
事前準備が完了すると、カメラ1の撮影した画像を取得し、閲覧者に限定的な表示画像を提供する処理が行われる(ステップS200)。ステップS200の処理の詳細については、図8を用いて説明する。
【0043】
そして、事後処理として、閲覧者のログアウト、当該ユーザIDに関する設定情報の削除、タグの除去などが行われる(ステップS300)。
【0044】
図8は、本実施形態の画像処理装置5により実行される処理の流れを示すフローチャートの一例である。図8のフローチャートは、図7におけるステップS200の処理を詳細に説明するものである。
【0045】
まず、画像受信部53が、カメラ1の撮影画像(原画像)の受信を開始する(ステップS202)。画像受信部53は、原画像のサイズから、以下に説明するベースマスク、窓マスク、マスクデータの縦横サイズ{mask_size_py}[ピクセル]および{mask_size_px}[ピクセル]を取得しておく。
【0046】
次に、ログイン受付部52が、リモート端末3を用いた閲覧者のログインを受け付ける(ステップS204)。なお、ステップS202とステップS204の処理は順序が逆であってもよい。このように、本実施形態で説明するフローチャートの処理は、処理の順序に特段の意義を有さない場合、任意に順序を入れ替えて構わない。
【0047】
閲覧者は、ログインを行った後、例えば、閲覧したい原画像を選択する操作を、リモート端末3に対して行う。また、閲覧者が、予め指定されたURLを入力することにより、閲覧したい画面が、直接リモート端末3に読み込まれてもよい。
【0048】
次に、タグ検出部54が、原画像の例えば1フレーム毎に、原画像中のタグを検出する(ステップS206)。タグ検出部54は、例えば、公知のパターンマッチングなどの手法を用いて、画像に含まれるタグの形状(模様)と、タグ情報61として格納された形状(模様)とを比較することにより、タグの検出を行う。タグ検出部54は、検出したタグのタグIDおよび位置(例えば、画像におけるタグの中心の座標)を出力する。
【0049】
次に、マスクデータ生成部56が、原画像のサイズに応じたベースマスクBMを生成する(ステップS208)。ベースマスクBMは、例えば、原画像のサイズに対応した数の画素のそれぞれに対して、三原色の輝度値に対応した属性値が付与された構造のデータである。
【0050】
図9は、ベースマスクBMの模式図と、ベースマスクBMのデータ構造を示す図である。図9(A)は、ベースマスクBMの模式図であり、図9(B)は、ベースマスクBMのデータ構造を示す図である。図9に示すように、ベースマスクBMは、画像処理装置5が扱う画像がカラー画像であり、三原色の輝度値[R、G、B]の輝度値の最大値がそれぞれ+255であれば、三原色の輝度値[R、G、B]のそれぞれについて属性値[―255]が全ての画素p1〜pnに対して付与されたデータである。なお、ベースマスクBMは、画像処理装置5が扱う画像が白黒画像であり、各画素の輝度値の最大値が+255であれば、全ての画素に対して、属性値[−255]が付与されたデータである。
【0051】
次に、表示可否判定部55は、ログインした閲覧者に、ステップS206において検出されたタグIDに対応付けられた窓枠WD内における原画像の表示を許可するか否かを決定する(ステップS210)。具体的には、表示可否判定部55は、タグ検出部54が出力したタグのタグIDと、ログイン受付部52が出力したユーザIDとの組み合わせが表示許可情報62に含まれ、且つ現在の日時がタグ情報61における当該タグIDの表示可能期間内であるか否かを判定する。表示可否判定部55は、上記条件を満たす場合に、ユーザIDを入力した閲覧者に、当該タグIDに対応付けられた窓枠WD内における原画像の表示を許可する。
【0052】
次に、マスクデータ生成部56が、表示可否判定部55によって表示が許可された窓枠について、窓マスクWMを生成する(ステップS212)。窓マスクWMは、図6で説明したように、許可されたタグIDに係るタグの位置から「中心位置オフセット」分だけ変位した位置を中心とし、窓枠形状、および窓枠サイズに応じた領域に設定される。なお、ステップS206において検出されたタグが複数存在する場合、複数の窓マスクWMが生成される場合もあり得る。
【0053】
図10は、窓マスクWMの模式図と、窓マスクWMのデータ構造を示す図である。図10(A)は、窓マスクWMの模式図であり、図10(B)は、窓マスクWMのデータ構造を示す図である。図10に示すように、窓マスクWMは、画像処理装置5が扱う画像がカラー画像であれば、三原色の輝度値[R、G、B]のそれぞれについて属性値[NA(データなし)]が窓枠外の画素(例えば、p1、pn)に対して付与され、三原色の輝度値[R、G、B]のそれぞれについて属性値[0]が窓枠WD内の画素(例えば、pk)に対して付与されたデータである。なお、窓マスクWMは、画像処理装置5が扱う画像が白黒画像であれば、例えば属性値[NA]が窓枠外の画素に対して付与され、例えば属性値[0]が窓枠WD内の画素に対して付与されたデータである。
【0054】
また、図11は、窓マスクWMの設定方法を説明するための図である。ここでは、タグ検出部54により検出されたタグの位置を(tag_posi_px,tag_posi_py)、タグ検出部54により検出されたタグIDを用いてタグ情報61から得られた窓枠の縦横サイズをそれぞれ{window_size_py},{window_size_px}、中心位置オフセットを縦横それぞれ{offset_py},{offset_px}とする。また、窓枠形状は四角であるものとする。
【0055】
ここで、設定値{window_size_py}、{window_size_px}、{offset_py},{offset_px}は、対象物を撮影した角度や対象物との距離に応じて修正されることが好ましい。マスクデータ生成部56は、好ましくは、原画像におけるタグの縦横の長さと、タグ情報61に含まれるタグのサイズに基づき、アフィン変換や台形補正などの処理を行って上記設定値を修正する。すなわち、マスクデータ生成部56は、原画像におけるタグのサイズが基準よりも小さければ小さいほど、窓マスクWMを小さく設定し、大きければ大きいほど、窓マスクWMを大きく設定してよい。また、マスクデータ生成部56は、原画像におけるタグの縦横の長さ比がタグ情報61に含まれるタグのサイズと異なっていれば、異なる程度に応じて設定値{window_size_py}と{window_size_px}の比率を修正してよい。
【0056】
図11において、窓枠WDの左端線のx座標は、{tag_posi_px+offset_px-1/2(window_size_px)}で表され、窓枠WDの右端線のx座標は、{tag_posi_px+offset_px+1/2(window_size_px)}で表される。また、窓枠WDの上端線のy座標は、{tag_posi_py+offset_py-1/2(window_size_py)}で表され、窓枠WDの右端線のy座標は、{tag_posi_py+offset_py+1/2(window_size_py)}で表される。
【0057】
従って、マスクデータ生成部56は、x座標が{tag_posi_px+offset_px-1/2(window_size_px)}以上、{tag_posi_px+offset_px+1/2(window_size_px)}以下であり、且つ、y座標が{tag_posi_py+offset_py-1/2(window_size_py)}以上、{tag_posi_py+offset_py+1/2(window_size_py)}以下であれば、窓枠WD内の画素であると判定する。マスクデータ生成部56は、例えば、全ての画素について上記の条件を満たすか否かを判定し、窓枠WD内の画素であるか、窓枠外の画素であるかをそれぞれ決定する。これによって、窓マスクWMが設定される。
【0058】
図8に戻り、フローチャートの説明を行う。マスクデータ生成部56は、ベースマスクBMと窓マスクWMを合成してマスクデータMDを生成する(ステップS214)。
【0059】
図12は、マスクデータMDの模式図と、マスクデータMDのデータ構造を示す図である。図11(A)は、マスクデータMDの模式図であり、図11(B)は、マスクデータMDのデータ構造を示す図である。図11に示すように、マスクデータ生成部56は、例えば、ベースマスクBMの各画素に対して、窓マスクMDにおける対応する画素(座標が同じ画素)に属性値[0,0,0]が付与されていれば属性値を[0,0,0]に置換し、対応する画素の属性値が[NA,NA,NA]であれば属性値[―255,−255,−255]のまま維持することにより、マスクデータMDを生成する。これによって、窓枠WD内の画素に対しては三原色の輝度値パラメータ[0,0,0]が与えられ、窓枠外の画素に対しては[―255,−255,−255]が与えられたマスクデータMDが生成される。
【0060】
なお、係る手法はあくまで一例であり、マスクデータ生成部56は、窓マスクWMにおいて、窓枠WD内の画素に対して、三原色の輝度値[R、G、B]=[255,255,255]のような属性値を与えてもよい。この場合、マスクデータ生成部56は、ベースマスクBMの各画素の属性値と、窓マスクWMの対応する画素の属性値とを加算してマスクデータMDを生成する。
【0061】
図8に戻り、フローチャートの説明を行う。表示画像生成部57は、原画像とマスクデータMDを合成して表示画像を生成する(ステップS216)。表示画像生成部57は、原画像の各画素について、三原色の輝度値にマスクデータの対応する画素の属性値をそれぞれ加算し、負の値については0に補正することによって、表示画像の各画素の三原色の輝度値を算出する。原画像の各画素の三原色の輝度値を[Rgk(k=1〜n),Ggk、Bgk]、マスクデータの各画素の属性値を[Rmk,Gmk,Bmk]とすると、表示画像の各画素の輝度値[Rk,Gk,Bk]は、次式(1)により算出される。
【0062】
[Rk,Gk,Bk]=[max(Rgk+Rmk,0),max(Ggk+Gmk,0),max(Bgk+Bmk,0)] ‥(1)
【0063】
そして、表示画像送信部58が、生成された表示画像を、リモート端末3に送信する(ステップS218)。
【0064】
係る処理の結果、リモート端末3の表示部32には、タグを基準に設定された窓枠WD内のみ原画像が表示され、窓枠WD外については黒一色の画像(三原色の輝度値が全て0であるため)が表示される。図13は、リモート端末3の表示部32において、タグ10Aを基準に設定された窓枠WD内のみ原画像が表示され、原画像から窓枠WD内の領域を除外した残余の領域について黒一色の画像が表示される様子を示す図である。
【0065】
なお、複数のタグが画像中に含まれる場合、複数の窓枠WDが設定される場合もあり得る。この場合、複数の窓枠WD内で原画像が表示され、原画像から複数の窓枠WD内の領域を除外した残余の領域について黒一色の画像が表示される。図14は、リモート端末3の表示部32において、複数のタグ10A(1)〜10A(3)を基準に設定された窓枠WD(1)〜WD(3)内のみ原画像が表示され、原画像から複数の窓枠WDWD(1)〜WD(3)内の領域を除外した残余の領域について黒一色の画像が表示される様子を示す図である。
【0066】
[まとめ]
第1実施形態の画像処理装置5によれば、現地端末2から受信した原画像のうち、タグの位置(座標)を基準として設定される窓枠WD内の領域を、原画像が閲覧可能な領域とし、原画像から窓枠WD内の領域を除外した残余の領域を、原画像が閲覧不可能な領域とした表示画像を生成するため、原画像における表示すべきでない領域を、より確実に隠蔽することができる。
【0067】
本実施形態の画像処理装置5は、原画像における閲覧者に表示すべきでない領域を特定するのではなく、表示が許可される領域を特定する情報(タグ)を予め画像に埋め込んでおき、この情報から閲覧可能な領域を決定する。この結果、リモート端末3において表示される表示画像は、タグが認識されない状態では、原画像が全く見えない状態となっている。そして、表示画像は、タグが検知された場合のみ、タグに紐づけられた情報(窓枠WDの形状やサイズ、表示期間など)に基づき、明示的に指定された窓枠WD内の領域のみが閲覧可能な画像となる。この結果、画像処理装置5は、誤って表示すべきでない領域を表示してしまうこと可能性を低減することができ、セキュリティ性を向上させることができる。
【0068】
また、本実施形態の画像処理装置5は、タグやユーザIDに対して、窓枠WDの形状やサイズ、表示期間などの情報を対応付けることで、簡易かつ高信頼度で、表示領域の設定・変更を実現することが出来る。例えば、画像処理装置5は、異なる閲覧者に対して異なる領域を閲覧させようとする場合、ユーザIDに対応付けられた情報を変更するだけで、閲覧させる領域を変更することができる。また、画像処理装置5は、タグに対応付けられた表示期間を設定することで、指定した期間以外は表示しないということを、簡易に実現することができる。
【0069】
<第2実施形態>
以下、第2実施形態に係る遠隔監視システムについて説明する。第1実施形態では、窓枠WDを設定する基準となる位置は、施設10内の設備に貼り付け又は描画されたタグの位置であるものとした。これに対し、第2実施形態では、カメラ1によって撮像された画像を見ている画像処理装置5の操作者が(現地端末2の操作者でもよい)、画像における特定の位置にマーキングを行い、この特定の位置を基準として窓枠WDが設定される。
【0070】
図15は、第2実施形態に係る遠隔監視システムのシステム構成例である。第2実施形態における現地端末2およびリモート端末3については、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0071】
第2実施形態に係る画像処理装置5は、第1実施形態に係る画像処理装置5と比較すると、仮想タグ設定部70を新たに備え、タグ検出部54に代えて仮想タグ検出部71を備える。
【0072】
仮想タグ設定部70は、原画像において、例えば画像処理装置5の操作者がマウスでクリックまたはタッチした位置(マーキングされた位置)を検知する。仮想タグ設定部70は、マーキングされた位置を中心とした基準領域内の画像を、予め定められた種々のパラメータを有するタグIDのいずれかに対応付けて、タグの形状(模様)としてタグデータベース60に格納する。基準領域は、マーキングされた位置を中心とし、任意の大きさを有する矩形や円などの領域である。以下、このように形状(模様)がタグデータベース60に登録されたタグを、仮想タグと称する。
【0073】
仮想タグ検出部71は、特徴点トラッキング処理などを行い、仮想タグ設定部70により設定された仮想タグを、原画像から抽出する。仮想タグ検出部71は、例えば、仮想タグ内のヒストグラム特徴量を算出し、原画像のフレーム毎に、複数の領域についてヒストグラム特徴量を算出し、最もヒストグラム特徴量が近い領域を、仮想タグとして検出する。
【0074】
以下、第2実施形態に係る画像処理装置5は、「タグ」を「仮想タグ」に置き換えて、第1実施形態に係る画像処理装置5と同様の処理を行う。この結果、マーキングされた位置を中心とした仮想タグがトラッキングされ、マーキングされた位置を基準として窓枠WDが設定される。従って、第2実施形態に係る画像処理装置5は、第1実施例に係る画像処理装置5と同様に、原画像における表示すべきでない領域を、より確実に隠蔽することができる。
【0075】
<ハードウェア構成等>
前述した各実施形態における現地端末2、リモート端末3、および画像処理装置5は、内部にコンピュータシステムを有している。「コンピュータシステム」は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等のメモリ装置、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、記憶媒体を装着可能なドライブ装置、周辺機器等のハードウェアを含むものである。
【0076】
そして、前述した現地端末2の画像取得部21、画像送信部22、音声送受信部23、リモート端末3の表示画像受信部31、表示部32、音声送受信部33、ログイン情報入力受付部34、および画像処理装置5のタグ情報設定受付部51、ログイン受付部52、画像受信部53、タグ検出部54、表示可否判定部55、マスクデータ生成部56、表示画像生成部57、表示画像送信部58等の動作の過程は、例えば、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータシステムが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。なお、上記各機能部の処理が、全てプログラムを実行することによって行われる必要は無く、一部の機能部は、IC(Integrated Circuit)やLSI(Large Scale Integration)、ネットワークカードなどのハードウェアによって実現されてもよい。
【0077】
「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるHDD等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0078】
また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、更に、前述した機能を、コンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0079】
なお、上記各実施形態におけるマスクデータ生成部56および表示画像生成部57が、「生成部」の一例であり、窓枠WD内の領域が、「所定の領域」の一例である。
【0080】
<その他の実施形態>
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、置換、他の構成要素の追加などを行うことができる。
【0081】
例えば、第1実施形態と第2実施形態は、排他的な関係に無く、画像処理装置5は、原画像から検出されたタグを基準として窓枠WDを設定する機能と、原画像においてマーキングされた位置を基準として窓枠WDを設定する機能の双方を有してもよい。
【0082】
また、窓枠WDの設定方法は、上記実施形態の方法に限らない。例えば、窓枠WDの形状が円である場合、窓枠WDの範囲は、始点タグと終点タグの2つのタグで決定することができる。図16は、始点タグと終点タグの2つのタグで窓枠WDの範囲を決定する様子を示す図である。図16に示すように、始点タグは、例えば円である窓枠WDの中心点に貼り付け又は描画される。また、終点タグは、例えば円である窓枠WDの円周上の任意の点に貼り付け又は描画される。こうすれば、窓枠サイズや中心位置オフセットなどの情報を、予めタグデータベース60に格納しておく必要が無くなる。
【0083】
また、上記実施形態では、窓枠WD外の領域は、黒一色に表示されるものとしたが、これに代えて、窓枠WD外の領域は、モザイク表示、または黒以外の一色で表示されるなど、原画像が閲覧不可能なものであれば、如何なる表示態様で表示されてもよい。
【0084】
また、本発明の画像処理装置5は、遠隔地から特定の施設を監視するという場面に限らず、画像における特定の部分を隠蔽する必要性が発生する、種々の場面に利用することができる。
【符号の説明】
【0085】
1 カメラ
2 現地端末
21 画像取得部
22 画像送信部
23 音声送受信部
3 リモート端末
31 表示画像受信部
32 表示部
33 音声送受信部
34 ログイン情報入力受付部
5 画像処理装置
51 タグ情報設定受付部
52 ログイン受付部
53 画像受信部
54 タグ検出部
55 表示可否判定部
56 マスクデータ生成部
57 表示画像生成部
58 表示画像送信部
60 タグデータベース
61 タグ情報
62 表示許可情報
70 仮想タグ設定部
71 仮想タグ
9 ネットワーク
BM ベースマスク
WM 窓マスク
MD マスクデータ
WD 窓枠
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16