特許第6306836号(P6306836)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6306836
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】ハイブリッドキャパシタ用炭素材料
(51)【国際特許分類】
   H01G 11/32 20130101AFI20180326BHJP
   H01G 11/58 20130101ALI20180326BHJP
【FI】
   H01G11/32
   H01G11/58
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-177458(P2013-177458)
(22)【出願日】2013年8月29日
(65)【公開番号】特開2015-46521(P2015-46521A)
(43)【公開日】2015年3月12日
【審査請求日】2016年7月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000104607
【氏名又は名称】株式会社キャタラー
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【弁理士】
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100136423
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 道子
(72)【発明者】
【氏名】東恩納 靖之
(72)【発明者】
【氏名】久米 哲也
【審査官】 中野 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5136733(JP,B2)
【文献】 特開2001−284188(JP,A)
【文献】 特開平03−095856(JP,A)
【文献】 特開2002−043193(JP,A)
【文献】 特開2001−170482(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 11/32
H01G 11/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッドキャパシタの電極に用いられる炭素材料であって、以下の条件:
(1)不活性雰囲気下において850℃で熱処理したときの揮発分が、3質量%以上7質量%以下である;および
(2)酸性官能基量が0.1mmol/g以上である、ここで当該酸性官能基の少なくとも一部には窒素原子を含んでいる;
を満たす、炭素材料。
【請求項2】
前記酸性官能基量が0.7mmol/g以下である、請求項1に記載の炭素材料。
【請求項3】
窒素吸着法により測定されるBET比表面積が100m/g以下である、請求項1または2に記載の炭素材料。
【請求項4】
窒素吸着法により測定されるBET比表面積が1000m/g以上である、請求項1または2に記載の炭素材料。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1つに記載の炭素材料の製造方法であって、
炭素源物質と窒素含有基付与剤とを混合して前記炭素源物質の表面に窒素原子を含む酸性官能基を付与した後、熱処理して前記酸性官能基を前記炭素源物質の表面に固定化する、炭素材料の製造方法。
【請求項6】
前記窒素含有基付与剤は硝酸水溶液である、請求項に記載の炭素材料の製造方法
【請求項7】
正極と、負極と、非水電解液とを備えるハイブリッドキャパシタであって、
前記正極または前記負極は、請求項1〜の何れか1つに記載の炭素材料を備える、ハイブリッドキャパシタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素材料に関する。より詳しくは、ハイブリッドキャパシタ(例えばリチウムイオンキャパシタ)の電極に用いられる炭素材料に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオンキャパシタ等のハイブリッドキャパシタ(非対称キャパシタ)は、電気二重層キャパシタよりもエネルギー密度が高く、二次電池よりも出力密度や耐久性に優れることから、近年、携帯電子機器の電源や電力貯蔵等の用途に好適に用いられている。
かかるハイブリッドキャパシタでは、高性能化の一環として、更なる高エネルギー密度化や高出力密度化が検討されている。これに関する従来技術として、特許文献1〜4が挙げられる。例えば特許文献1には、ラクトン状カルボキシル官能基の多い炭素材料を正極に用いることで、エネルギー密度や出力密度に優れたリチウムイオンキャパシタを実現し得る旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−180437号公報
【特許文献2】特開2008−060479号公報
【特許文献3】特開2010−045341号公報
【特許文献4】特開2013−021234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本発明者らの検討によれば、上記のような従来の炭素材料を用いた場合に、高エネルギー密度化や高出力密度化の背反として、電池の耐久性や信頼性が低下することがあった。具体的には、充放電サイクルを繰り返すにつれて非水電解液が分解したり、上記ラクトン状カルボキシル官能基が炭素材料の表面から脱離して電池内でガスを発生させたりすることがあった。したがって、耐久性(例えばサイクル安定性)や信頼性を大きく低下させずに(好ましくは維持しつつ)、電池特性(例えばエネルギー密度)を向上することが求められている。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高いエネルギー密度と良好な耐久性とを兼ね備えたハイブリッドキャパシタ用の炭素材料を提供することである。また、関連する他の目的は、かかる材料を正極または負極に備えたハイブリッドキャパシタ(例えば、かかる材料を正極に備えたリチウムイオンキャパシタ)を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、炭素材料の表面に、より安定性の高い(換言すれば、非水電解液との反応性が低く、炭素材料表面からの脱離が生じ難い)表面官能基を付与することで、上記課題を解決し得ると考えた。そして、鋭意検討を重ね、本発明を完成させた。
本発明によって、ハイブリッドキャパシタの電極に用いられる炭素材料が提供される。かかる炭素材料は、以下の条件(1),(2)を何れも満たしている。
(1)不活性雰囲気下において850℃で熱処理したときの揮発分が、3質量%以上7質量%以下である。
(2)酸性官能基量が0.1mmol/g以上である。ここで、当該酸性官能基の少なくとも一部には窒素原子を含んでいる。
【0007】
酸性官能基量が0.1mmol/g以上で、且つ不活性雰囲気下における850℃の揮発分が3質量%以上である炭素材料を用いることで、酸性官能基由来の疑似容量が増加して、あるいは非水電解液に対する濡れ性が向上して、従来に比べてエネルギー密度や出力密度を向上させることができる。
また、本発明者らの検討によれば、アミド基(例えば−C(=O)−NH)、イミド基(−C(=O)−NH−C(=O)−)、−NHC(=O)O−等の窒素原子を含む酸性官能基(以下、単に「窒素含有基」ということがある。)は、ヒドロキシル基(−OH)やカルボキシル基(−C(=O)OH)等の一般的な酸性官能基に比べて、炭素材料の表面に強固に結合し得る。このため、窒素原子を含む酸性官能基を備え、且つ不活性雰囲気下における850℃の揮発分が7質量%以下である炭素材料を用いることで、当該官能基が非水電解液と反応したり、あるいは炭素材料の表面から脱離することを抑制することができる。したがって、酸性官能基量が少ない炭素材料を用いた場合と同程度の耐久性を実現することができる。
上記の通り、ここに開示される発明によれば、高エネルギー密度と良好な耐久性とを兼ね備えたハイブリッドキャパシタを実現することができる。なお、炭素材料には原料(炭素前駆体)や性状等を異にする多種多様なものがあるが、後述する実施例からも明らかなように、ここに開示される技術はあらゆる炭素材料に適用可能なものである。
【0008】
なお、本明細書において「850℃で熱処理したときの揮発分」とは、窒素雰囲気下において850℃で試料を熱処理し、焼成前後の質量から次式:揮発分(%)=〔(焼成前の質量)−(焼成後の質量)〕/(焼成前の質量)×100を用いて算出した値をいう。また、本明細書において「酸性官能基量」とは、塩基性試薬としてナトリウムエトキシド(CHONa)水溶液を用い、Boehm法(中和滴定法)に従って測定した表面官能基量をいう。また、酸性官能基中に窒素原子を含むか否かは、例えば一般的なCHN元素分析やX線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy:XPS)等によって確認することができる。
【0009】
好適な一態様では、上記酸性官能基量が0.7mmol/g以下である。本発明者らの検討によれば、炭素材料表面の酸性官能基量(典型的には窒素含有基量)が増えるほど当該官能基由来の疑似容量(静電容量)が増大、および/または、非水電解液に対する濡れ性が向上する。しかしながら、実質的には限界があり、作業性やコストの観点からは上記範囲とすることが好ましい。
また、好適な他の一態様では、ここに開示される炭素材料のBET比表面積は100m/g以下である。あるいは、当該BET比表面積は1000m/g以上であってもよい。なお、本明細書において「BET比表面積」とは、窒素(N)ガスを吸着質として用いたガス吸着法(定容量式吸着法)で測定されたガス吸着量を、BET法(例えばBET多点法)で解析した値をいう。
【0010】
上述のような性状を備えた炭素材料は、例えば、炭素源物質と窒素含有基付与剤(例えば硝酸水溶液)とを混合して反応させた後、熱処理することによって作製することができる。炭素源物質と窒素含有基付与剤とを反応させることにより、炭素源物質の表面に窒素原子を含む酸性官能基(窒素含有基)を好適に付与することができる。その後、熱処理することによって、上記付与した官能基を炭素源物質の表面に強固に定着(安定化)させることができる。これにより、上述のような特徴を備えた炭素材料を好適に作製することができる。なお、本明細書において「炭素源物質」とは、窒素含有基の付与および熱処理を行う前の炭素系(炭素質)の材料全般をいい、例えば炭素前駆体(原料)、炭化物、賦活物等を包含する用語である。
【0011】
また、本発明によれば、正極と、負極と、非水電解液とを備えるハイブリッドキャパシタ(例えばリチウムイオンキャパシタ)が提供される。かかるハイブリッドキャパシタは、正極または負極(典型的には正極)に上述のような炭素材料を備えることを特徴とする。これによって、エネルギー密度(例えば体積エネルギー密度)と耐久性(例えばサイクル特性)とを高いレベルで両立可能なハイブリッドキャパシタを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態に係る製造方法のフローチャートである。
図2】一実施形態に係る静電容量(相対値)を酸性官能基量(mmol/g)に対してプロットしたグラフである。
図3】一実施形態に係るサイクル特性試験の容量維持率(%)を850℃揮発分(%)に対してプロットしたグラフである。
図4】他の一実施形態に係る静電容量(相対値)を酸性官能基量(mmol/g)に対してプロットしたグラフである。
図5】他の一実施形態に係るサイクル特性試験の容量維持率(%)を850℃揮発分(%)に対してプロットしたグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
【0014】
ここに開示される炭素材料は、ハイブリッドキャパシタの電極(例えばリチウムイオンキャパシタの正極)形成用の炭素材料である。かかる炭素材料は、不活性雰囲気下において850℃で熱処理したときの揮発分が3質量%以上(例えば3.1質量%以上、好ましくは3.4質量%以上)であって、7質量%以下(例えば6.5質量%以下、好ましくは6.2質量%以下)である。これにより、エネルギー密度と耐久性とを高いレベルで両立することができる。なお、後述する実施例にも示すように、一般的な炭素材料(典型的には、ここに開示されるような窒素含有基の付与および熱処理を行っていない炭素材料)の当該揮発分は、通常1〜2質量%程度である。
【0015】
また、ここに開示される炭素材料は、酸性官能基の量が0.1mmol/g以上(例えば0.12mmol/g以上、好ましくは0.15mmol/g以上)であり、且つ、当該酸性官能基の少なくとも一部には窒素原子を含んでいる。これにより、従来に比べて高いエネルギー密度や出力密度を実現することができる。酸性官能基量の上限は特に限定されないが、費用対効果や作業効率の観点から、例えば0.7mmol/g以下(例えば0.6mmol/g以下、好ましくは0.56mmol/g以下)とすることが好ましい。
【0016】
ここに開示される炭素材料のBET比表面積は特に限定されないが、例えば100m/g以下(典型的には20〜100m/g、例えば30〜60m/g)とすることができる。これにより、特に体積エネルギー密度に優れたハイブリッドキャパシタを実現することができる。あるいは、炭素材料のBET比表面積は1000m/g以上(典型的には1000〜3000m/g、例えば1500〜2500m/g)とすることもできる。これにより、特に入出力密度に優れたハイブリッドキャパシタを実現することができる。
【0017】
ここに開示される炭素材料の平均粒径は特に限定されないが、例えばサブミクロン〜ミクロンオーダー(典型的には0.1〜10μm、例えば3〜10μm)とすることができる。これにより、一層優れた特性(例えば、高エネルギー密度、高出力密度、高耐久性のうち少なくとも1つ)を実現し得る。なお、本明細書において「平均粒径」とは、レーザー回折・光散乱法に基づく粒度分布測定によって得られた体積基準の粒度分布おいて、微粒子側からの累積50%に相当する粒径(D50粒径、メジアン径ともいう。)をいう。
【0018】
このような炭素材料は、例えば、炭素源物質と窒素含有基付与剤とを混合して一定時間反応させた後、高温環境下で熱処理することによって作製することができる。
図1は、一実施形態に係る炭素材料の製造方法を表すフローチャートである。図1に示す製造方法は、以下の工程:(S10)炭化工程;(S20)賦活工程;(S30)窒素含有基の付与工程;および(S40)熱処理工程;を包含する。ここに開示される製造方法は、炭素源物質(賦活物)を窒素含有基付与剤に曝した後、熱処理することによって特徴づけられる。したがって、それ以外の工程については特に限定されず、従来公知の方法と同様に行うことができる。以下、各工程について順に説明する。
【0019】
炭化工程(S10)では、例えば、ヤシ殻、石炭、コークス、ピッチ、樹脂等の炭素前駆体(原料)を炭化・活性化し、必要に応じて粉砕、篩分け等の処理を施す。上記炭化および活性化は、炭素前駆体の種類等にもよるが、例えば不活性雰囲気下において500〜1000℃で1〜10時間程度乾留(熱処理)することで行い得る。また、炭化および活性化は、同時に行ってもよく、段階的に行ってもよい。これによって炭化物を得ることができる。なお、すでに炭化・活性化済みの炭素源物質(炭化物)を購入して使用する場合には、本工程を省略することもできる。炭化工程終了後の炭化物の平均粒径は、後述する賦活工程において均質な賦活を行う観点から、例えば0.1〜5μm程度とするとよい。
【0020】
賦活工程(S20)では、上記得られた炭化物に、ガス賦活法や薬品賦活法等によって賦活処理を施す。ガス賦活は、例えば上記得られた炭化物を、水蒸気、酸素、二酸化炭素等の存在下において、500〜1000℃で1〜10時間程度乾留(熱処理)することによって行い得る。また、薬品賦活は、例えば上記得られた炭化物を、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属を含むアルカリ薬品(例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム等)と混合した後、不活性雰囲気下において500〜1000℃で1〜10時間程度乾留(熱処理)することで行い得る。このときの炭化物とアルカリ薬品との比は、例えば当量比で1:1〜1:10(典型的には1:1〜1:5)程度にするとよい。水酸化カリウムのように1価のアルカリ塩を用いる場合には、炭化物とアルカリ薬品との比を、質量比で1:1〜1:10(典型的には1:1〜1:5)程度にするとよい。これによって均質な賦活物を得ることができる。アルカリ賦活を採用した場合は、典型的には、室温環境下(例えば20〜25℃)において、上記得られた賦活物を純水や酸性溶液(例えば塩酸水溶液や硫酸水溶液)で洗浄処理し、残留するアルカリ成分等を除去する。これによって不純物の少ない良質な賦活物を得ることができる。なお、すでに賦活済みの炭素源物質(賦活物)を購入して使用する場合には、本工程を省略することもできる。
【0021】
窒素含有基の付与工程(S30)では、典型的には常温より高い温度環境下(典型的には30℃以上、例えば50℃以上、好ましくは70℃以上)において、上記得られた賦活物を窒素含有基付与剤に曝すことにより、賦活物の表面に窒素含有基を付与する。
窒素含有基付与剤は、少なくとも窒素原子を有するものであればよく、含窒素化合物の1種または2種以上を適宜用いることができる。また、当該窒素含有基付与剤の形態は、固体または液体であってもよく、気体(ガス)であってもよい。具体例としては、硝酸、水酸化アンモニウム、硝酸アンモニウム、アンモニアガス等の含窒素無機化合物;イミダゾール、ピリジン等の含窒素有機化合物;等が挙げられる。なかでも、反応活性の高い硝酸または硝酸塩を好ましく用いることができる。また、窒素含有基の付与方法は特に限定されず、使用する窒素含有基付与剤の形態等に応じて、従来公知の液相反応法、含窒素ガス環境下での熱処理法、含窒素化合物との共炭化法等の手法を適宜採用することができる。あるいは、賦活物の表面に従来公知の窒素プラズマ処理を施してもよい。
【0022】
好適な一態様では、窒素含有基付与剤として硝酸を用いる。また、好適な他の一態様では、液相反応法を用いる。液相反応法を用いることで、賦活物の表面により均質に窒素含有基を付与することができる。具体的な手順としては、先ず、好適な濃度の硝酸水溶液を準備する。硝酸水溶液中の硝酸濃度は、窒素含有基を付与する炭素源物質(ここでは賦活物)の種類等にもよるが、凡そ1〜10mol/L(例えば2〜6mol/L)に調製するとよい。次に、上記得られた賦活物を硝酸水溶液中に浸漬させて、常温より高い温度(典型的には30℃以上、例えば30〜110℃、好ましくは50〜100℃)で一定時間保持する。硝酸水溶液中における賦活物の割合は、当該賦活物の表面に窒素含有基を均質に付与する観点から、例えば硝酸水溶液と賦活物の合計を100質量%としたときに、0.1〜20質量%以下(例えば5〜20質量%)とするとよい。また、上記温度で保持する時間(反応時間)は、温度等にもよるが、例えば10分〜10時間程度(典型的には30分〜5時間)とすることができる。かかる態様によれば、硝酸水溶液の濃度および保持時間によって酸性官能基(窒素含有基)の付与量を調整することができ、炭素源物質の表面に最適な量の官能基を安定的に付与することができる。また、当該官能基の付与を比較的短い時間で、および/または、少ないエネルギーで安定的に行うことができるため、作業効率やコスト、信頼性の観点から好ましい。窒素含有基付与後の炭素源物質は、典型的には、室温環境下(例えば20〜25℃)において、純水や酸性溶液(例えば塩酸水溶液や硫酸水溶液)を用いて、弱酸性〜中性(例えばpH≒5〜7)になるまで洗浄する。これによって不純物の少ない良質な炭素源物質を得ることができる。
【0023】
熱処理工程(S40)では、窒素含有基付与後の炭素材料を高温環境下で熱処理する。これにより、付与した酸性官能基(窒素含有基)を炭素源物質の表面に固定化することができる。熱処理の温度は、窒素含有基を安定的に炭素源物質の表面に固定化する観点から、典型的には300℃以上(例えば400℃以上、特には450℃以上)とすることが好ましい。また、熱処理の上限温度は、窒素含有基を炭素源物質の表面に好適に残存させる観点から、典型的には700℃以下(例えば600℃以下、特には550℃以下)とするとよい。また、熱処理時間は、例えば1〜24時間(典型的には5〜20時間)とするとよい。
【0024】
なお、ここでは賦活(S20)後に窒素含有基の付与(S30)および熱処理(S40)を行う製造方法を示したが、窒素含有基の付与および熱処理は、例えば賦活前に行うこともできる。すなわち、窒素含有基の付与および熱処理処理は、炭素材料の製造工程の何れかの段階において行えばよい。
【0025】
ここに開示される発明によれば、上述のような炭素材料を電極(典型的には正極)に備えたハイブリッドキャパシタが提供される。かかるハイブリッドキャパシタは、従来の炭素材料を用いたものに比べて表面官能基由来の疑似容量が増加し、静電容量(例えば体積エネルギー密度)の向上したものであり得る。また、複数回繰り返しても静電容量の減少が少なく、長期間に渡って高性能を発揮し得る耐久性(例えばサイクル特性)の高いものである。したがって、このような特徴を活かして、高エネルギー密度や高耐久性が要求される用途で好ましく用いることができる。
【0026】
以下、好適な一態様として、ここに開示される炭素材料を正極に備えるハイブリッドキャパシタ(例えばリチウムイオンキャパシタ)を例に、本発明を具体的に説明する。なお、当該ハイブリッドキャパシタの形状、構成材料、製造プロセス等は、ここに開示される炭素材料を正極に使用すること以外、従来と同様でよい。
ここに開示されるハイブリッドキャパシタは、正極と負極と非水電解液とを備えている。かかるハイブリッドキャパシタは、例えば、上記炭素材料を使用して従来公知の手法で正極を作製した後、当該正極と負極と非水電解液とをケースに収容することで構築し得る。なお、リチウムイオンキャパシタでは、正極、負極および非水電解液に加えて、更にプレドープ用の金属リチウム箔を含み得る。
【0027】
ここに開示されるハイブリッドキャパシタの正極は、少なくとも上述のような炭素材料を備えている。かかる正極は、典型的には、正極集電体と、当該正極集電体上に形成された正極活物質層であって、正極活物質としての上記炭素材料と導電材とバインダとを含む正極活物質層を備えている。正極集電体としては、導電性の良好な金属(例えばアルミニウムやステンレス鋼)からなる導電性部材を好適に採用し得る。導電材としては、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラックやケッチェンブラック)等の易黒鉛化炭素材料を好適に採用し得る。バインダとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やポリフッ化ビニリデン(PVdF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリエチレンオキサイド(PEO)等のポリマー材料を好適に採用し得る。
【0028】
ここに開示されるハイブリッドキャパシタの負極は、典型的には、負極集電体と、当該負極集電体上に形成された負極活物質層であって、負極活物質と導電材とバインダとを含む負極活物質層を備えている。負極集電体としては、導電性の良好な金属(例えば銅やステンレス鋼)からなる導電性材料を好適に採用し得る。負極活物質としては、黒鉛(グラファイト)、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)等の炭素材料;ポリアセン系有機半導体等の導電性高分子材料;チタン酸リチウム等の金属酸化物材料;等(リチウムイオンキャパシタでは黒鉛)を好適に用いることができる。導電材やバインダとしては、例えば上記正極と同様のものを適宜含ませることができる。
【0029】
また、典型的な一態様では、正極と負極の間に絶縁層としてのセパレータが配置されている。セパレータとしては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂から成る多孔質樹脂シート;不織布;等を好適に採用し得る。
【0030】
ここに開示されるハイブリッドキャパシタの非水電解液は、典型的には非水溶媒中に支持塩を含有させた形態である。あるいは、液状の非水電解質にポリマーが添加され固体状(典型的には、いわゆるゲル状)となったものでもよい。支持塩としては、LiPF、LiBF等のリチウム塩を好適に用いることができる。非水溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の非プロトン性溶媒を用いることができる。なかでも、カーボネート類、例えば、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等を好適に採用し得る。また、上記電解液には、必要に応じて各種添加剤を添加することもできる。
【0031】
なお、ここでは上述のような炭素材料を正極に用いる(正極活物質として用いる)場合を示したが、かかる炭素材料を負極に用いる(負極活物質として用いる)場合には、正極活物質として、電荷担体(例えばリチウムイオン)を吸蔵・放出可能な材料を採用する。具体的には、ポリチオフェン、ポリアニオン等の導電性高分子化合物材料;コバルト酸リチウム、酸化マンガン、酸化ルテニウム等の金属酸化物材料;等を用いることができる。
【0032】
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
【0033】
<I.炭素前駆体として石炭系コークスを用いた場合>
[炭素材料の製造]
本例では、炭素前駆体(原料)として石炭系コークス(BET比表面積:凡そ0〜10m/g)を使用した。
<炭素材料A>
上記石炭系コークスを不活性雰囲気中で860℃、1時間乾留(炭化)した後、アルカリ薬品としての水酸化カリウムを4倍当量加えて混合し、得られた混合物を不活性雰囲気下で800℃、4時間アルカリ賦活した。得られた賦活物を水に分散した後、水洗、酸洗浄を行い、アルカリ成分を除去した。ここでは、残留するカリウム(K)の濃度が5000ppm以下になるまで洗浄を行った。洗浄後の賦活物を乾燥させた後、80℃に加温した2N(2mol/L)の硝酸水溶液と1時間反応させて、当該賦活物の表面に窒素含有基を付与した。反応後、pHが凡そ5〜7になるまで水洗し、これを乾燥させた後、振動ミルで粉砕して平均粒径3μmに調整した。この粉砕物を、不活性雰囲気中で500℃、10時間熱処理して、炭素材料Aを得た。
<炭素材料B>
熱処理(500℃、10時間)を行わなかったこと以外は上記炭素材料Aと同様にして、炭素材料Bを得た。
<炭素材料C>
窒素含有基の付与を行わなかったこと以外は上記炭素材料Aに倣って、炭素材料Cを得た。すなわち、炭素材料Aと同様にして、炭化、アルカリ賦活、洗浄を行った後、振動ミルで粉砕して平均粒径3μmに調整した。この粉砕物を、反応触媒としてのロジウム(Rh)と共に3%水素雰囲気下で750℃、8時間熱処理することによって賦活物表面の酸性官能基量を減らし、炭素材料Cを得た。
上記作製した炭素材料A〜Cの製造方法について、下表1に纏める。また、炭素材料A〜Cについて以下の物性測定を行った。
【0034】
【表1】
【0035】
[酸性官能基量の測定]
炭素材料A〜Cの酸性官能基量は、Boehm法に従って測定した。具体的には、予め110℃で2時間真空乾燥した炭素材料を2g秤量し、フラスコに移した。そこへ0.1mol/Lのナトリウムエトキシド水溶液を20ml加え、回転数:2000rpmの条件で3分間遠心分離機にかけて撹拌した。次に、25℃の環境下で超音波機に20分間かけ、炭素材料と薬品とを十分に反応させた。次に、炭素材料を濾別し、濾液から5mlを採取し、0.05mol/Lの塩酸水溶液で逆滴定し、メチルオレンジを指示薬として塩酸滴定量bを測定した。また、ブランクテストとして、ナトリウムエトキシド水溶液20mlに塩酸水溶液を滴下して、上記と同様に、メチルオレンジを指示薬として塩酸滴定量aを測定した。そして、下式(1)により酸性官能基量を算出した。結果を表1に示す。
【数1】
【0036】
表1から明らかなように、硝酸処理(窒素含有基の付与)を行わず、且つ、水素雰囲気下において750℃で熱処理した炭素材料Cは、酸性官能基量が0.01mmol/gと最も少なかった。また、熱処理を行わなかった炭素材料Bでは、0.21mmol/gと最も多くの酸性官能基が残存していた。
【0037】
[揮発分の測定]
炭素材料A〜Cの揮発分は、所定量を窒素雰囲気下において850℃で熱処理し、焼成前後の質量変化を測定することで算出した。具体的には、先ず、予め110℃で2時間真空乾燥した炭素材料を1g秤量して、窒素雰囲気下で850℃、1時間焼成し、焼成後の質量を測定した。そして、下式(2)から揮発分(%)を算出した。結果を表1に示す。
【数2】
【0038】
表1から明らかなように、硝酸処理(窒素含有基の付与)を行わず、且つ、水素雰囲気下において750℃で熱処理した炭素材料Cでは、揮発分が1%と最も少なかった。
また、熱処理を行わなかった炭素材料Bは、揮発分が9%と最も多かった。これは、酸性官能基の量が多かったことと、熱処理を行わなかったために官能基が炭素材料の表面に固定化(安定化)されなかったことが原因と推察される。
【0039】
[BET比表面積測定の測定]
炭素材料A〜CのBET比表面積は、Quantachrome社製のQuadrasorbを用いて、窒素吸着法により測定した。結果を表1に示す。
表1から明らかなように、炭素材料A〜CのBET比表面積は、概ね30〜60m/gだった。
【0040】
[3極式セルの構築]
<例1>
正極活物質として上記作製した炭素材料Aを使用し、評価用セルを構築した。
具体的には、正極活物質としての炭素材料Aと、導電剤としてのカーボンブラック(CB)と、バインダとしてのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とを、これら材料の質量比率が、炭素材料A:CB:PTFE=81.8:9.1:9.1となるよう秤量し、イオン交換水で粘度を調整しながら混練して、正極活物質スラリーを調製した。このスラリーを集電体上に塗布し、乾燥後、ロールプレス機で圧縮してシート状の正極を得た。上記シート状の正極を、打ち抜き機で2cmの大きさに打ち抜いて、120℃、12時間真空乾燥させ、正極を得た。そして、この正極を用いて、グローブボックス内で3極式コインセルを構築した。具体的には、上記作製した正極を作用極に、金属リチウム箔を対極および参照極に使用し、非水電解液(ここでは、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを50:50の体積比で含む非水溶媒中に、支持塩としてのLiPFを1mol/Lの濃度で溶解させたものを用いた。)とともにセルに封入して、3極式コインセル(例1)を構築した。
<例2>
正極活物質として上記作製した炭素材料Bを用いた他は例1と同様にして、3極式コインセル(例2)を構築した。
<例3>
正極活物質として上記作製した炭素材料Cを用いた他は例1と同様にして、3極式コインセル(例3)を構築した。
【0041】
[静電容量の測定]
上記構築した例1〜3のセルに対して、25℃の温度環境下において、先ず2mA/cmの電流密度で4.8Vまで定電流(CC)充電を行い、次いで同電圧にて1時間の定電圧(CV)充電を行った後、2mA/cmの電流密度で3.0Vまで定電流(CC)放電を行った。続いて、以下のパターンで3サイクルの充放電を行い、3サイクル目のCCCV放電容量を初期の静電容量(F)とした。
(1)2mA/cmの電流密度で4.4VまでCC充電を行い、次いで同電圧にて5分間のCV充電を行う。
(2)2mA/cmの電流密度で3.0VまでCC放電を行う。
そして、初期の静電容量を炭素材料の体積で除して、炭素材料1mlあたりの静電容量(F/ml)を算出した。結果を、炭素材料の物性値と併せて表2に示す。また、静電容量を酸性官能基量に対してプロットしたグラフを図2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
表2および図2から明らかなように、酸性官能基が多いほど静電容量は高い値を示した。例えば、例1,2では、例3に比べて凡そ15〜20%静電容量が向上した。これは、酸性官能基に由来する疑似容量が増大したためと考えられる。
【0044】
[充放電サイクル試験]
例1〜3のセルについて、静電容量の測定時と同様の条件で、さらに200サイクルの充放電を繰り返した。そして、初期放電容量に対する200サイクル目の放電容量を容量維持率(%)として算出した。結果を表2に示す。また、容量維持率を850℃揮発分に対してプロットしたグラフを図3に示す。
【0045】
表2および図3から明らかなように、例2のセルでは、200サイクルの充放電後に初期容量の凡そ25%程度しか発現しなかった。これは、炭素材料表面の酸性官能基が固定化(安定化)されていなかったため、当該酸性官能基が充放電によって脱離して、非水電解液の分解やガスの発生につながったためと考えられる。一方、例1,3のセルは200サイクル後も85%の容量維持率を実現しており、耐久性に優れることがわかった。
【0046】
<II.炭素前駆体としてヤシ系活性炭を用いた場合>
[炭素材料の製造]
本例では、炭素前駆体(原料)としてヤシ系活性炭(BET比表面積:2000〜2500m/g)を使用した。
<炭素材料D>
先ず、上記ヤシ系活性炭を水蒸気賦活して、BET比表面積が2200m/gになるよう調整した。次に、得られた賦活物を80℃に加温した6N(6mol/L)の硝酸水溶液と1時間反応させて、当該賦活物の表面に窒素含有基を付与した。反応後、pHが凡そ5〜7になるまで水洗し、これを乾燥させた後、振動ミルで粉砕して平均粒径3μmに調整した。この粉砕物を、不活性雰囲気中で500℃、10時間熱処理して、炭素材料Dを得た。
<炭素材料E>
窒素含有基を付与する際に2N(2mol/L)の硝酸水溶液を用いたこと以外は上記炭素材料Dと同様にして、炭素材料Eを得た。
<炭素材料F>
熱処理(500℃、10時間)を行わなかったこと以外は上記炭素材料Eと同様にして、炭素材料Fを得た。
<炭素材料G>
熱処理(500℃、10時間)を行わなかったこと以外は上記炭素材料Dと同様にして、炭素材料Gを得た。
<炭素材料H>
熱処理条件を変更したこと以外は上記炭素材料Dに倣って、炭素材料Hを得た。すなわち、炭素材料Dと同様に水蒸気賦活を行った後、振動ミルで粉砕して平均粒径5μmに調整した。この粉砕物を、反応触媒としてのロジウム(Rh)と共に3%水素雰囲気下で750℃、8時間熱処理して、炭素材料Hを得た。
上記作製した炭素材料D〜Hの製造方法について、下表3に纏める。また、炭素材料D〜Hについて、上記I.と同様の方法によって物性測定を行った。結果を表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】
[3極式セルの構築]
<例4〜8>
正極活物質として上記作製した炭素材料Dを用いた他は例1と同様にして、3極式コインセル(例4)を構築した。
正極活物質として上記作製した炭素材料Eを用いた他は例1と同様にして、3極式コインセル(例5)を構築した。
正極活物質として上記作製した炭素材料Fを用いた他は例1と同様にして、3極式コインセル(例6)を構築した。
正極活物質として上記作製した炭素材料Gを用いた他は例1と同様にして、3極式コインセル(例7)を構築した。
正極活物質として上記作製した炭素材料Hを用いた他は例1と同様にして、3極式コインセル(例8)を構築した。
【0049】
[静電容量の測定および充放電サイクル試験]
上記構築した例1〜8のセルに対して、25℃の温度環境下で静電容量の測定を行った。具体的には、以下のパターンで3サイクルの充放電を行い、3サイクル目のCCCV放電容量を初期の静電容量(F)とした。
(1)2mA/cmの電流密度で4.25VまでCC充電を行い、次いで同電圧にて5分間のCV充電を行う。
(2)2mA/cmの電流密度で3.0VまでCC放電を行う。
そして、初期の静電容量を炭素材料の体積で除して、炭素材料1mlあたりの静電容量(F/ml)を算出した。結果を、炭素材料の物性値と併せて表4に示す。また、静電容量を酸性官能基量に対してプロットしたグラフを図4に示す。
さらに、例1〜8のセルについて、静電容量の測定時と同様の条件で、さらに200サイクルの充放電を繰り返した。そして、初期放電容量に対する200サイクル目の放電容量を容量維持率(%)として算出した。結果を表4に示す。また、容量維持率を850℃揮発分に対してプロットしたグラフを図5に示す。
【0050】
【表4】
【0051】
表4および図4,5から明らかなように、炭素前駆体としてヤシ系活性炭を用いた場合も、上記I.(石炭系コークスを用いた場合)と同様の傾向を示した。
すなわち、何れの実験例においても、以下の条件(1)(2):
(1)不活性雰囲気下において850℃で熱処理したときの揮発分が、3質量%以上7質量%以下である;
(2)酸性官能基量が0.1mmol/g以上である;
を満たす炭素材料を電極材料として用いることで、エネルギー密度と耐久性とを高いレベルで両立可能なハイブリッドキャパシタ(リチウムイオンキャパシタ)を実現できることがわかった。
また、ここに開示される炭素材料の製造方法によれば、種々の炭素前駆体(原料)あるいは炭化物、賦活物の耐久性(例えばサイクル特性)を低下させずに(維持したままで)、エネルギー密度(静電容量)を向上し得ることがわかった。
【0052】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5