(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明に係る具体的態様は、複数の開口部を有する電極を用いた液晶表示装置における表示部の輪郭形状の乱れを生じにくくすることが可能な技術を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係る一態様の液晶表示装置は、(a)対向配置される第1基板及び第2基板と、(b)前記第1基板に設けられた第1電極と、(c)前記第2基板に設けられた第2電極と、(d)前記第1基板と前記第2基板の間に配置された液晶層を含み、(e)前記第1電極と前記第2電極とが重なる領域において表示部が画定されており、(f)前記第1電極と前記第2電極の少なくとも一方は、平面視において、少なくとも前記表示部内に配置される複数の第1開口部と複数の第2開口部とを有しており、(g)前記複数の第1開口部の各々は、平面視において、互いに異なる方向に延在する2つの枝部をそれぞれの一端で結合した形状を有しており、
前記2つの枝部の各々の延在方向のなす角度は、0°より大きく180°より小さく、(h)前記複数の第2開口部の各々は、平面視において、前記複数の第1開口部の各々と略同一形状を有しており、かつ前記複数の第1開口部の各々とは異なる向きで配置されており、(i)前記複数の第1開口部と前記複数の第2開口部は、平面視において、少なくとも一つの方向に沿って
1つずつ交互に配置されている、液晶表示装置である。
【0007】
(2)本発明に係る他の態様の液晶表示装置は、(a)対向配置される第1基板及び第2基板と、(b)前記第1基板に設けられた第1電極と、(c)前記第2基板に設けられた第2電極と、(d)前記第1基板と前記第2基板の間に配置された液晶層を含み、(e)前記第1電極と前記第2電極とが重なる領域において表示部が画定されており、(f)前記第1電極と前記第2電極の少なくとも一方は、平面視において、少なくとも前記表示部内に配置される複数の第1開口部
、複数の第2開口部
、複数の第3開口部及び複数の第4開口部を有しており、(g)前記複数の第1開口部の各々は、平面視において、互いに異なる方向に延在する3つの枝部をそれぞれの一端で結合した形状を有しており、(h)前記複数の第2開口部
、前記複数の第3開口部及び前記複数の第4開口部の各々は、平面視において、前記複数の第1開口部の各々と略同一形状を有しており、
(i)前記複数の第1開口部
、前記複数の第2開口部、前記複数の第3開口部及び前記複数の第4開口部の各々
は、互いに異なる向きで配置されており、
(j)前記複数の第1開口部
、前記複数の第2開口部
、前記複数の第3開口部及び前記複数の第4開口部の4種のうち少なくとも3種の各開口部は、平面視において、少なくとも一つの方向に沿って
1つずつ交互に配置されている、液晶表示装置である。
【0008】
上記(1)または(2)に係る構成によれば、複数の開口部を有する電極を用いた液晶表示装置における表示部の輪郭形状の乱れを生じにくくすることが可能となる。
【0009】
(3)上記(1)の液晶表示装置においては、前記2つの枝部の長さが略等しいことも好ましい。
【0010】
(4)上記(2)の液晶表示装置においては、前記3つの枝部のうちの2つの枝部の長さが略等しく、かつ当該2つの枝部よりも他の1つの枝部のほうが相対的に長い、ことも好ましい。
【0011】
上記(1)〜(4)の液晶表示装置において、前記表示部は、表示対象の文字又は図案を直接的に形作るセグメント表示型の表示部であることも好ましい。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1は、一実施形態の液晶表示装置の基本構造を示す断面図である。この液晶表示装置は、対向配置された第1基板11および第2基板12と、第1基板11に設けられた第1電極13と、第2基板12に設けられた第2電極14と、第1基板11と第2基板12の間に配置された液晶層17を基本構成として備える。例えば、本実施形態の液晶表示装置は、電極同士の重なり合う領域が表示したい文字や図案を形作るように構成され、基本的に予め定めた文字等のみを表示可能であり、概ね、有効表示領域内における面積比で50%以下程度の領域が文字等の表示に寄与するものであるセグメント表示型の液晶表示装置である。なお、液晶表示装置は、複数の画素がマトリクス状に配列されたドットマトリクス表示型であってもよいし、セグメント表示型とドットマトリクス型が混合したものであってもよい。
【0015】
第1基板11および第2基板12は、それぞれ例えばガラス基板、プラスチック基板等の透明基板である。図示のように、第1基板11と第2基板12は、所定の間隙(例えば4μm程度)を設けて貼り合わされている。
【0016】
第1電極13は、第1基板11の一面側に設けられている。同様に、第2電極14は、第2基板12の一面側に設けられている。第1電極13および第2電極14は、それぞれ例えばインジウム錫酸化物(ITO)などの透明導電膜を適宜パターニングすることによって構成されている。また、第1電極13には複数の開口部(スリット)18が設けられている。
【0017】
第1配向膜15は、第1基板11の一面側に第1電極13を覆うようにして設けられている。第2配向膜16は、第2基板12の一面側に第2電極14を覆うようにして設けられている。これらの第1配向膜15、第2配向膜16としては、液晶層17の配向状態を垂直配向に規制する垂直配向膜が用いられている。各配向膜15、16にはラビング処理等の一軸配向処理は施されていない。
【0018】
液晶層17は、第1基板11と第2基板12の間に設けられている。本実施形態においては、誘電率異方性Δεが負の液晶材料を用いて液晶層17が構成される。液晶材料の屈折率異方性Δnは、例えば0.09程度である。液晶層17に図示された太線は、液晶層17における液晶分子の配向方向を模式的に示したものである。本実施形態の液晶層17は、電圧無印加時における液晶分子の配向方向が第1基板11および第2基板12の各基板面に対して垂直となる垂直配向に設定されている。
【0019】
第1偏光板21は、第1基板11の外側に配置されている。同様に、第2偏光板22は、第2基板12の外側に配置されている。第1偏光板21と第2偏光板22は、各々の吸収軸が互いに略直交するように配置されている。また、各偏光板と各基板との間には適宜Cプレート等の光学補償板が配置されてもよい。例えば本実施形態では、第1基板11と第1偏光板21の間、第2基板12と第2偏光板22の間のそれぞれに光学補償板23、24が配置されている。
【0020】
図2(A)は、表示部の第1実施形態を示す平面図であり、
図2(B)は、
図2(A)に示す表示部のa部の部分拡大図である。
図2(A)に示す一例の表示部は、英文字「A」を表示するためのものであり、第1電極11と第2電極12の重なる領域によって英文字「A」の形状が画定されている(以下においても同様)。図示のように、表示部の内部には複数の開口部18がX方向およびY方向のそれぞれに沿ってマトリクス状に配置されている。
【0021】
図2(B)に示すように、第1実施形態の各開口部18は、X方向に伸びた枝部とY方向に伸びた枝部を互いの一端側で結合して構成されており、L字形状または逆L字形状を有している。説明の便宜上、ここではL字形状の開口部を「開口部18a」と呼び、逆L字形状の開口部を「開口部18b」と呼ぶ。
【0022】
表示部内には、L字形状に配置された複数の開口部18aがY方向に沿って一列に並んでおり、かつ逆L字状に配置された複数の開口部18bもY方向に沿って一列に並んでいる。そして、複数の開口部18aからなる列と複数の開口部18bからなる列は、X方向(図示の左右方向)に沿って1列ずつ交互に配置されている。また、X方向において隣り合う開口部18aと開口部18bのそれぞれにおけるX方向に沿った枝部は、Y方向の位置をほぼ同じにして、全体として直線状に配置されている。さらに、Y方向において隣り合う開口部18a同士、開口部18b同士のそれぞれにおけるY方向に沿った枝部は、X方向の位置をほぼ同じにして、全体として直線状に配置されている。
【0023】
また、1つの開口部18aの2つの枝部と、他の1つの開口部18aのX方向に沿った1つの枝部と、1つの開口部18bのY方向に沿った1つの枝部によって囲まれた領域19aは、それぞれ図示のように略矩形状である。また、1つの開口部18bの2つの枝部と、他の1つの開口部18bのX方向に沿った1つの枝部と、1つの開口部18aのY方向に沿った1つの枝部によって囲まれた領域19bは、それぞれ図示のように略矩形状である。さらに、本例では領域19aと領域19bとがほぼ同形状、同面積となっている。
【0024】
ここで、第1実施形態における表示部および各開口部のサイズの一例について説明する。表示部は、例えば縦の長さを約3.2mm、横の長さを約2.8mmとすることができる。また、各開口部18a、各開口部18bは、各枝部の長さを0.075mm、枝部の幅を0.01mmとすることができる。さらに、各開口部18a、各開口部18bの配置ピッチについては、X方向とY方向をともに0.085mmピッチとすることができる。後述する他の実施形態においても同様である。
【0025】
図3(A)は、表示部の比較例1を示す平面図であり、
図3(B)は、
図3(A)に示す表示部のb部の部分拡大図である。
図3(B)に示すように、比較例1の表示部内には、L字形状の複数の開口部18cのみがマトリクス状に配置されている。詳細には、複数の開口部18cは、X方向およびY方向のそれぞれに沿って規則的に並んでいる。また、X方向において隣り合う開口部18c同士のX方向に沿った枝部は、Y方向の位置をほぼ同じにして、全体として直線状に配置されている。同様に、Y方向において隣り合う開口部18c同士のY方向に沿った枝部は、X方向の位置をほぼ同じにして、全体として直線状に配置されている。
【0026】
第1実施形態と比較例1のそれぞれにおける表示部のエッジ30を比べると、特に右側に配置された斜め線のエッジ30におけるパターン欠け部31の数が大きく異なることが分かる。具体的には、第1実施形態の表示部のエッジ30においては
図2(B)に示す範囲でパターン欠け部31が1つしか存在しないのに対し、比較例1の表示部のエッジ30においては
図3(B)に示す範囲でパターン欠け部31が4つ存在することが分かる。これは、第1実施形態においては同一形状で向きの異なるL字形状の各開口部18aと逆L字形状の各開口部18bとをX方向において交互に配置したことで、比較例1の場合に比べてパターン欠け部31の発生する箇所が分散されることによるものである。
【0027】
図4(A)は、表示部の第2実施形態を示す平面図であり、
図4(B)は、
図4(A)に示す表示部のc部の部分拡大図である。第1実施形態との違いは各開口部18a、18bの配置状態である。具体的には、表示部内において、L字形状の各開口部18aはX方向に沿って一行に並んでおり、かつ逆L字形状の各開口部18bもX方向に沿って一行に並んでいる。そして、複数の開口部18aからなる行と複数の開口部18bからなる行は、Y方向(図示の上下方向)に沿って1行ずつ交互に配置されている。また、Y方向において隣り合う開口部18aと開口部18bのそれぞれにおけるY方向に沿った枝部は、X方向の位置をほぼ同じにして、全体として直線状に配置されている。さらに、X方向において隣り合う開口部18a同士、開口部18b同士のそれぞれにおけるX方向に沿った枝部は、Y方向の位置をほぼ同じにして、全体として直線状に配置されている。
【0028】
また、1つの開口部18aの2つの枝部と、他の1つの開口部18aのY方向に沿った1つの枝部と、1つの開口部18bのX方向に沿った1つの枝部によって囲まれた領域19cは、それぞれ図示のように略矩形状である。また、1つの開口部18bの2つの枝部と、他の1つの開口部18bのY方向に沿った1つの枝部と、1つの開口部18aのX方向に沿った1つの枝部によって囲まれた領域19dは、それぞれ図示のように略矩形状である。さらに、本例では領域19cと領域19dとがほぼ同形状、同面積となっている。
【0029】
このような第2実施形態によっても第1実施形態と同様に、表示部のエッジ30におけるパターン欠け部31の発生を少なくする効果が得られる。
【0030】
図5(A)は、表示部の第3実施形態を示す平面図であり、
図5(B)は、
図5(A)に示す表示部のd部の部分拡大図である。
図5(B)に示すように、第3実施形態の各開口部18は、X方向に伸びた枝部とY方向に伸びた枝部を互いの一端側で結合して構成されており、それぞれが同一形状であってそれぞれの向きを変えて配置された4種の開口部を有する。具体的には、各開口部18には、L字形状、時計回りに90°回転した逆L字形状、時計回りに180°回転した逆L字形状、時計回りに270°回転した逆L字形状の4種の開口部が含まれる。ここで説明の便宜上、L字形状の開口部を「開口部18a」と呼び、これを90°回転した逆L字形状の開口部を「開口部18b」と呼び、180°回転した開口部を「開口部18d」と呼び、270°回転した開口部を「開口部18e」と呼ぶ。
【0031】
表示部内において、各開口部18aと各開口部18bは、X方向に沿って一行に並んでおり、かつ両者が1つずつ交互に配置されている。同様に、表示部内において、各開口部18dと各開口部18eは、X方向に沿って一行に並んでおり、かつ両者が1つずつ交互に配置されている。そして、各開口部18a、18bからなる行と各開口部18d、18eからなる行は、Y方向(図示の上下方向)に沿って1行ずつ交互に配置されている。
【0032】
別の観点からみると、表示部内において、各開口部18aと各開口部18eは、Y方向に沿って一列に並んでおり、かつ両者が1つずつ交互に配置されている。同様に、表示部内において、各開口部18bと各開口部18dは、Y方向に沿って一列に並んでおり、かつ両者が1つずつ交互に配置されている。そして、各開口部18a、18eからなる列と各開口部18b、18dからなる列は、X方向(図示の左右方向)に沿って1列ずつ交互に配置されている。
【0033】
また、各開口部18aは、Y方向に沿った枝部のX方向の位置をほぼ同じにして、全体として直線状に配置されている。また、各開口部18aは、X方向に沿った枝部のY方向の位置をほぼ同じにして、全体として直線状に配置されている。これらは、各開口部18b、各開口部18d、各開口部18eにおいても同様である。また、第3実施形態においても、いずれか1つの開口部の2つの枝部と、他の1つの開口部のX方向に沿った1つの枝部と、1つの開口部のY方向に沿った1つの枝部によって囲まれた領域は、それぞれ図示のように略矩形状であり、互いにほぼ同形状、同面積となっている。
【0034】
このような第3実施形態によっても第1実施形態と同様に、表示部のエッジ30におけるパターン欠け部31の発生を少なくする効果が得られる。
【0035】
図6(A)は、表示部の第4実施形態を示す平面図であり、
図6(B)は、
図6(A)に示す表示部のe部の部分拡大図である。図示のように、表示部の内部には複数の開口部18がX方向およびY方向のそれぞれに沿ってマトリクス状に配置されている。具体的には
図6(B)に示すように、第4実施形態の各開口部18は、X方向に伸びた相対的に長い枝部とY方向に伸びた相対的に短い2つの枝部を互いの一端側で結合して構成されており、全体としてT字形状または逆T字形状を有している。説明の便宜上、ここではT字形状の開口部を「開口部18f」と呼び、逆T字形状の開口部を「開口部18g」と呼ぶ。
【0036】
表示部内には、T字状に配置された複数の開口部18fがY方向に沿って一列に並んでおり、かつ逆T字状に配置された複数の開口部18gもY方向に沿って一列に並んでいる。そして、複数の開口部18fからなる列と複数の開口部18gからなる列は、X方向(図示の左右方向)に沿って1列ずつ交互に配置されている。また、X方向において隣り合う開口部18f同士のX方向に沿った枝部は、Y方向の位置をほぼ同じにして、全体として直線状に配置されている。同様に、X方向において隣り合う開口部18g同士のX方向に沿った枝部は、Y方向の位置をほぼ同じにして、全体として直線状に配置されている。さらに、Y方向において隣り合う開口部18f同士、開口部18g同士のそれぞれにおけるY方向に沿った枝部は、X方向の位置をほぼ同じにして、全体として直線状に配置されている。
【0037】
また、一対の開口部18fと開口部18gのそれぞれのX方向に沿った短い枝部の1つとY方向に沿った長い枝部の一部によって囲まれた領域19fは、それぞれ図示のように略矩形状である。また、2つの開口部18fと2つの開口部18gのそれぞれのX方向に沿った短い枝部の1つずつとY方向に沿った長い枝部の1つずつの各一部によって囲まれた領域19gは、それぞれ図示のように略矩形状である。さらに、本例では領域19fと領域19gとがほぼ同形状、同面積となっている。
【0038】
ここで、第4実施形態における表示部および各開口部のサイズの一例について説明する。表示部は、例えば縦の長さを約3.2mm、横の長さを約2.8mmとすることができる。また、各開口部18fと各開口部18gのそれぞれの2つの短い枝部の長さを0.13mmとし、1つの長い枝部の長さを0.14mmとすることができる。さらに、各開口部18f、18gの配置ピッチについては、X方向とY方向をともに0.16mmピッチとすることができる。後述する他の実施形態においても同様である。
【0039】
図7(A)は、表示部の比較例2を示す平面図であり、
図7(B)は、
図7(A)に示す表示部のf部の部分拡大図である。
図7(B)に示すように、比較例2の表示部内には、T字形状の複数の開口部18hのみがマトリクス状に配置されている。詳細には、複数の開口部18hは、X方向およびY方向のそれぞれに沿って一列に並んでいる。また、X方向において隣り合う開口部18h同士のX方向に沿った各枝部は、Y方向の位置をほぼ同じにして、全体として直線状に配置されている。同様に、Y方向において隣り合う開口部18h同士のY方向に沿った枝部は、X方向の位置をほぼ同じにして、全体として直線状に配置されている。
【0040】
第4実施形態と比較例2のそれぞれにおける表示部のエッジ30を比べると、特に内側の左右にそれぞれ配置された斜め線のエッジ30におけるパターン欠け部31の数が大きく異なることが分かる。具体的には、第4実施形態の表示部のエッジ30においては
図6(B)に示す範囲でパターン欠け部31が2つしか存在しないのに対し、比較例2の表示部のエッジ30においては
図7(B)に示す範囲でパターン欠け部31が4つ存在することが分かる。これは、第4実施形態においてはT字形状の各開口部18fと逆L字形状の各開口部18gをX方向において交互に配置したことで、比較例2の場合に比べてパターン欠け部31の発生する箇所が分散されることによるものである。これに対して比較例2では、各開口部と表示部エッジが斜交してパターン欠け部31を生じる確率が上記した比較例1と比べて2倍になるのでパターン欠け部31が増加する傾向が高まる。
【0041】
図8(A)は、表示部の第5実施形態を示す平面図であり、
図8(B)は、
図8(A)に示す表示部のg部の部分拡大図である。
図8(B)に示すように、第5実施形態の各開口部18は、T字形状、時計回りに90°回転したT字形状、時計回りに180°回転したT字形状、時計回りに270°回転したT字形状の4種の開口部を有する。説明の便宜上、T字形状の開口部を「開口部18f」と呼び、これを90°回転した開口部を「開口部18i」と呼び、180°回転した開口部を「開口部18g」と呼び、270°回転した開口部を「開口部18j」と呼ぶ。
【0042】
具体的には、表示部内において、各開口部18f、各開口部18g、各開口部18i、各開口部18jは、それぞれY方向に沿って一列に並んでいる。そして、X方向においては、各開口部18fからなる列、各開口部18gからなる列、各開口部18jからなる列、各開口部18iからなる列の順に繰り返し配置されている。また、X方向において隣り合う開口部18f同士のX方向に沿った枝部はY方向の位置をほぼ同じにして全体として直線状に配置され、Y方向において隣り合う開口部18f同士のY方向に沿った枝部はX方向の位置をほぼ同じにして全体として直線状に配置されている。各開口部18g、各開口部18i、各開口部18jについても同様である。
【0043】
また、一対の開口部18fと開口部18gのそれぞれのX方向に沿った短い枝部の1つとY方向に沿った長い枝部の一部によって囲まれた領域19fは、それぞれ図示のように略矩形状である。また、2つの開口部18fと2つの開口部18gのそれぞれのX方向に沿った短い枝部の1つずつとY方向に沿った長い枝部の1つずつの各一部によって囲まれた領域19gは、それぞれ図示のように略矩形状である。さらに、本例では領域19fと領域19gとがほぼ同形状、同面積となっている。同様に、いずれか2つの開口部、またはいずれか4つの開口部の各枝部によって囲まれた領域はそれぞれ図示のように略矩形状であり、上記した領域19f、19gとほぼ同形状、同面積となっている。
【0044】
このような第5実施形態によっても第1実施形態と同様に、表示部のエッジ30におけるパターン欠け部31の発生を少なくする効果が得られる。
【0045】
図9(A)は、表示部の第6実施形態を示す平面図であり、
図9(B)は、
図9(A)に示す表示部のh部の部分拡大図である。第6実施形態は、上記した第5実施形態における各開口部18f、18g、18i、18jの配置パターンを変更したものである。詳細には、Y方向においては、各開口部18fと各開口部18iとがY方向に沿って1つずつ交互に一列に並んでおり、かつ、各開口部18gと各開口部18jとがY方向に沿って1つずつ交互に一列に並んでおり、これらの列がX方向において交互に配置されている。他方で、X方向においては、各開口部18fと各開口部18jとがX方向に沿って1つずつ交互に一列に並んでおり、かつ、各開口部18gと各開口部18iとがX方向に沿って1つずつ交互に一列に並んでおり、これらの列がY方向において交互に配置されている。
【0046】
また、X方向において隣り合う開口部18f同士のX方向に沿った枝部はY方向の位置をほぼ同じにして全体として直線状に配置され、Y方向において隣り合う開口部18f同士のY方向に沿った枝部はX方向の位置をほぼ同じにして全体として直線状に配置されている。各開口部18g、各開口部18i、各開口部18jについても同様である。この第6実施形態においても、いずれか2つの開口部、いずれか3つの開口部、またはいずれか4つの開口部の各枝部によって囲まれた領域はそれぞれ図示のように略矩形状であり、互いにほぼ同形状、同面積となっている。
【0047】
このような第6実施形態によっても第1実施形態と同様に、表示部のエッジ30におけるパターン欠け部31の発生を少なくする効果が得られる。
【0048】
なお、本発明は上述した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。例えば、上記した各実施形態ではL字形状またはT字形状の各開口部を基本形状としてこれらの向きを変えた開口部を組み合わせていたが各開口部の基本形状はこれに限定されない。具体的には、
図10(A)に示すように2つの枝部をそれぞれの長手方向のなす角度を鋭角となるように結合した形状や、
図10(B)に示すように2つの枝部のそれぞれの長手方向のなす角度を鈍角となるように結合した形状を各開口部の基本形状としてもよい。また、
図10(C)に示すように3つの枝部をそれぞれの一端で結合したY字形状を各開口部の基本形状としてもよい。
図10(D)に示すように3つの枝部をそのうちの1つの枝部の長手方向と他の2つの枝部のそれぞれの長手方向のなす角度を鋭角となるように結合した形状を各開口部の基本形状としてもよい。また、
図10(E)に示すように3つの枝部のうち、2つの枝部のそれぞれの長手方向のなす角度を直角とし、かつ、他の1つの枝部の長手方向と2つの枝部のそれぞれの長手方向とのなす角度を鈍角となるように結合した形状を各開口部の基本形状としてもよい。また、各開口部における枝部はそのエッジが屈曲していてもよいし、曲線状に形成されていてもよい。
【0049】
また、上記した実施形態ではセグメント表示型の液晶表示装置について例示していたが、本発明はドットマトリクス表示型の液晶表示装置においても適用することができる。特に、各画素の形状が矩形状ではなく屈曲したエッジを含んだ形状であるドットマトリクス表示型の液晶表示装置場合に本発明を適用することで各画素の輪郭形状の乱れを効果的に抑制することができる。