(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
遊技機に用いられる遊技盤には、遊技者に与える視覚的効果を高めるためにデザイン性に優れる多彩な表現を可能とする加飾技術が求められる。しかしながら、従来技術の遊技盤では、耐久性や生産性を確保しつつデザイン性を更に高める観点から改善の余地があった。
【0007】
具体的には、上記した従来技術の遊技盤は、基板の前面若しくは背面、即ち基板の何れか一方の面のみに、印刷シートや絵柄層を設けているので、デザイン表現が平面的になり、立体的な視覚的効果を発揮することが難しかった。
【0008】
また、特許文献1に開示された従来技術の遊技盤のように、合成樹脂製の基板の背面に印刷フィルム等を取り付ける方法では、基板の前面が遊技球によって傷つけられ、印刷された図柄や装飾が見難くなるという問題点があった。
【0009】
また、特許文献2に開示された従来技術のように、遊技盤の前面に熱転写を利用して図柄を形成する方法によっても、遊技盤表面の耐久性は十分ではなかった。即ち、繰り返し衝突する流下遊技球によって、表面のハードコート層が削り取られ、遊技盤の美観が損なわれるという問題点があった。
【0010】
また、熱転写方式においては、転写フィルムが非常に薄いのでしわになり易く、製造工程において、その取り扱いが難しかった。そのため、転写面に気泡等が生じ易く、不良発生率が高いという問題点がある。また、熱転写方式は、ベースフィルムに所定形態のハードコート層や絵柄層が形成された転写フィルムを予め用意する必要があるので、小ロット生産に適さないという問題点もある。また更に、熱転写方式は、オフセット印刷に比べて、印刷層の鮮やかさが劣る。
【0011】
また、従来の木製合板を用いた遊技盤のように、遊技盤を構成する基板の前面に合成樹脂製の印刷シートを接着することも考えられる。しかし、従来技術の印刷方法や接合方法では、合成樹脂製の印刷シートと合成樹脂製の基板との接合強度が弱く、印刷層の剥がれや、印刷シートの剥離等が発生してしまう。特に、印刷シートを貼付した後の遊技盤の切削加工性が悪く、切削加工によって加工部付近の印刷シートが剥離してしまうという問題点があった。
【0012】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、耐久性及び生産性に優れ、鮮やかな立体的デザイン表現が可能な遊技盤及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の遊技盤は、合成樹脂製の基板と、前記基板の前面に接着される印刷シートと、を備え、前記印刷シートは、遊技盤の前面に露出する透明な樹脂シートと、前記樹脂シートの背面に形成される補強接着層と、前記補強接着層の背面に形成される印刷層と、前記印刷層の背面に形成される透過剤層と、前記透過剤層の背面に形成されて前記基板と前記印刷シートとを接合する接着層と、を有し、前記印刷層と前記透過剤層との間には、箔押層が形成されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の遊技盤は、透光性を有する合成樹脂製の基板と、前記基板の前面に接着される印刷シートと、を備え、前記印刷シートは、遊技盤の前面に露出する透明な樹脂シートと、前記樹脂シートの背面に形成される補強接着層と、前記補強接着層の背面に形成される印刷層と、前記印刷層の背面に形成される透過剤層と、前記透過剤層の背面に形成されて前記基板と前記印刷シートとを接合する接着層と、を有し、前記基板の背面には、加飾層が形成されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の遊技盤の製造方法は、透明な樹脂シートを準備し、該樹脂シートの一主面に補強接着層を形成する工程と、前記補強接着層の上に印刷層を形成する工程と、前記印刷層の上に箔押層を形成する工程と、前記箔押層の上に透過剤層を形成する工程と、前記透過剤層の上に接着層を形成する工程と、前記接着層が形成された前記樹脂シートを乾燥させる工程と、を有する印刷シート形成工程と、合成樹脂製の基板を準備し、該基板の前面に前記接着層と同じ原料からなる接着剤を塗布する工程と、を有する基板準備工程と、前記印刷シート形成工程で形成された印刷シートの前記接着層と前記接着剤が塗布された前記基板の前面とを対向させて、前記印刷シートを前記基板の前面に接着する接着工程と、を具備することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の遊技盤の製造方法は、透明な樹脂シートを準備し、該樹脂シートの一主面に補強接着層を形成する工程と、前記補強接着層の上に印刷層を形成する工程と、前記印刷層の上に透過剤層を形成する工程と、前記透過剤層の上に接着層を形成する工程と、前記接着層が形成された前記樹脂シートを乾燥させる工程と、を有する印刷シート形成工程と、透光性を有する合成樹脂製の基板を準備し、該基板の前面に前記接着層と同じ原料からなる接着剤を塗布する工程と、を有する基板準備工程と、前記印刷シート形成工程で形成された印刷シートの前記接着層と前記接着剤が塗布された前記基板の前面とを対向させて、前記印刷シートを前記基板の前面に接着する接着工程と、前記基板の背面に加飾層を形成する加飾層形成工程と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の遊技盤によれば、基板の前面に接着される印刷シートは、印刷層と透過剤層との間に形成される箔押層を有する。これにより、金属的な光沢を有する上品で深みのある多彩なデザイン表現が可能となり、遊技盤の美観を高めることができる。
【0018】
また、本発明の遊技盤は、透光性を有する合成樹脂製の基板と、前記基板の前面に形成される印刷シートと、前記基板の背面に形成される加飾層と、を有する。そのため、遊技盤の前方からは、印刷シートに形成される印刷層を視認できると共に、透光性を有する基板を透過して印刷層の奥に距離を隔てて重なるように基板背面の加飾層を視認することができる。これにより、観察する角度によって基板前面の印刷層と基板背面の加飾層との重なりが変化する立体的で奥行きのあるデザイン表現が可能となる。
【0019】
また、印刷シートは、遊技盤の前面に露出する透明な樹脂シートを有し、該樹脂シートよりも背面側に印刷層が形成される。これにより、印刷層に表された図柄を遊技盤の前方から鮮明に視認することができると共に、印刷層が遊技球によって削り取られることなく、鮮明な図柄を維持することができる。
【0020】
また、印刷シートには、樹脂シートと印刷層との間に補強接着層が形成される。これにより、樹脂シートと印刷層との接着強度を高め、印刷層の剥離を防止することができる。
また、印刷シートには、印刷層の背面に透過剤層が形成される。これにより、印刷シートの透過性を高め、印刷層の色彩を鮮やかに表現することができる。
【0021】
また、印刷シートの樹脂シートの主原料として、酢酸酪酸セルロース(CAB:Cellulose Accetate Butylate)を採用しても良い。これにより、遊技球との衝突や摩擦に対して優れた耐久性を発揮し、遊技盤表面の傷つきや曇りを防止することができる。その結果、長期に亘って美しい盤面を維持することができる。
【0022】
また、酢酸酪酸セルロースを主原料とする樹脂シートは、優れた被削性を有するので、印刷シートと基板とが接着された後に遊技盤を切削加工することができる。その結果、印刷シートの形状が簡略化されると共に部品点数を削減することができ、印刷シートの貼り付け作業が容易になり、遊技盤の生産効率を向上させることができる。
【0023】
また、本発明によれば、印刷シートに接着層を形成した後に乾燥させ、基板に前記接着層と同じ原料からなる接着剤を塗布した後、前記印刷シートと前記基板とを接着している。これにより、印刷シートと基板との接着強度を確保し、印刷シートが基板から剥離してしまうことを防止できる。その結果、切削加工時の不良発生を防止できると共に、製品の耐久性を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態に係る遊技盤及びその製造方法を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る遊技盤1の概略構成を示す斜視図である。
【0026】
遊技盤1は、パチンコ等の弾球遊技機(図示せず)に用いられ、遊技球(図示せず)が流下する遊技領域40を形成する台板(背面板)であり、
図1に示すように、略方形板状の形態を成している。遊技盤1の前面1a(
図1において上方を向く表面)は、遊技機に取り付けられた際に遊技者側を向く表面であり、遊技盤1の前方に取り付けられる図示しないガラス板と対向し、該ガラス板との間隙に遊技領域40を形成する。
【0027】
遊技盤1には、図柄表示装置、各種表示ランプ、各種入賞口、各種入球装置、装飾部品等を取り付けるための部品取付孔41aないし41dや、その他図示しない取付孔等が形成されている。また、遊技盤1の前面1aには、図示しない障害釘が打ち込まれる。
【0028】
図2は、遊技盤1の概略構成を示す断面略図である。
図2において、紙面左側が遊技機の前面側である。
図2に示すように、遊技盤1は、合成樹脂製の基板20と、その前面20aに接着される前面加飾層としての印刷シート10と、を有する。
【0029】
印刷シート10は、遊技盤1の前面1aを構成する樹脂シート11と、樹脂シート11の背面に形成される補強接着層12と、補強接着層12の背面に形成される印刷層13と、印刷層13の背面に形成される箔押層14と、箔押層14の背面に形成される透過剤層15と、透過剤層15の背面に形成される接着層16と、を有する。
【0030】
樹脂シート11は、合成樹脂製の透明なシート材(フィルム材)であり、遊技盤1の前面1aに露出し、その背面側に形成される印刷層13等を保護するものである。樹脂シート11としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、酢酸セルロース等、各種合成樹脂製のシート材を採用し得る。特に、酢酸酪酸セルロース(CAB)製のシート材(以下、適宜「CABシート」と言う。)が適しており、本実施形態では、樹脂シート11として、CABシートを採用している。
【0031】
CABシートは、耐衝撃性に優れているので、樹脂シート11としてCABシートを採用することにより、繰り返し衝突する遊技球によって印刷層13が損傷してしまうことを防止できる。
【0032】
また、CABシートは、耐摩耗性に優れているので、遊技球が衝突しても該表面、即ち遊技盤1の前面1aとなる表面に、傷や曇りが発生し難い。そのため、長期に亘って樹脂シート11の透明性を確保することができ、印刷層13の図柄や、遊技盤1の背面の装飾表示や装飾照明等を鮮明に視認できる状態を維持することができる。
【0033】
また、CABシートは、耐衝撃性に併せて被削性も優れている。そのため、部品取付孔41a(
図1参照)等を切削加工する際や障害釘を打ち込む際に、バリの発生や、樹脂シート11の剥離、折れ、割れ、曇り等の不具合が発生することを防止できる。これにより、不良率を低減できると共に、作業効率を向上させることができる。
【0034】
また、CABシートは、透明性に優れ光沢があるので、印刷の深みや高級感を醸し出すことができる。また更に、CABシートは、植物由来の原料を使用して生産できるので、環境面においても優れている。
【0035】
樹脂シート11の背面には、補強接着層12が形成されている。補強接着層12は、透明な接着剤で形成される層であり、樹脂シート11と印刷層13との接着強度を高めるものである。これにより、樹脂シート11と印刷層13との剥離を防止することができる。
【0036】
補強接着層12の背面には、遊技盤1を装飾するための様々な模様や色彩、文字等の図柄を印刷して形成される印刷層13が設けられる。また、必要に応じて、透光性を有するインクを用いて印刷層13を形成しても良い。これにより、遊技盤1を透過する光を利用した多彩なデザイン表現が可能となる。
【0037】
印刷層13の背面には、箔押層14が形成される。箔押層14は、熱転写によって形成される金属(金属箔)や各種顔料(塗料、インク)からなる層である。ここで、箔押層14は、必ずしも印刷シート10の全面に形成される必要はなく、例えば、印刷層13に形成される図柄の輪郭部分等、加飾が必要な部分にのみ形成される。
【0038】
このように箔押層14を形成することにより、例えば、印刷層に描かれる図柄の輪郭等を際立たせることができ、金属的な光沢を有する豪華で深みのある多彩なデザイン表現が可能となる。これにより、遊技盤1の美観を高めることができる。
【0039】
箔押層14の背面及び箔押層14が形成されていない部分の印刷層13の背面には、透過剤層15が形成される。透過剤層15は、透明なインクによって形成される層である。透過剤層15を形成することにより、印刷層13との積層境界面における散乱光を減らして、印刷シート10の透明性を高めることができる。これにより、印刷層13の図柄を鮮明に美しく表現できる。
【0040】
透過剤層15の背面には、接着層16が形成される。接着層16は、透明な接着剤によって形成される層であり、印刷シート10と基板20とを接着するものである。特に、本実施形態では、後述する接合方法により、優れた接着強度を発揮し、印刷シート10の剥離を防止することができる。
【0041】
基板20は、合成樹脂製の透明な板状体である。前述の通り、基板20の前面20aに印刷シート10が接着されている。基板20の材質としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)(いわゆるアクリル樹脂)、ポリカーボネイト(PC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)等の合成樹脂材料を用いることができる。本実施形態では、基板20の材質として、アクリル樹脂を用いている。アクリル樹脂は、透明性が高いので、遊技盤1の背面に配置される装飾用照明等から発せられる様々な色調の光を鮮やかに透過することができる。また、アクリル樹脂は、耐衝撃性に優れているので、遊技球の衝突に耐えることができると共に、生産時の取り扱いも容易である。また更に、優れた被削性を有するので、切削加工も容易に行うことができる。
【0042】
次に、
図3及び
図4を参照して、実施形態を変形した例について詳細に説明する。なお、
図3及び
図4において、既に説明した実施形態と同一若しくは同様の作用、効果を奏する構成要素については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0043】
図3は、実施形態を変形した遊技盤101の概略構成を示す断面図である。
図3において、紙面左側が遊技機の前面側である。
図3に示すように、遊技盤101は、基板20の前面20aに前面加飾層としての印刷シート10を有し、更に、基板20の背面20bに背面加飾層としての印刷シート30を有する。
【0044】
前面加飾層を形成する印刷シート10の構成については、前述の遊技盤1(
図2参照)と同様である。
背面加飾層を形成する印刷シート30についても、印刷シート10と同等の構成を有する。即ち、印刷シート30は、印刷シート10の樹脂シート11、補強接着層12、印刷層13、箔押層14及び透過剤層15に各々相当する樹脂シート31、補強接着層32、印刷層33、箔押層34及び透過剤層35を有する。
【0045】
詳しくは、印刷シート30は、樹脂シート31と、樹脂シート31の背面に形成される補強接着層32と、補強接着層32の背面に形成される印刷層33と、印刷層33の背面に形成される箔押層34と、箔押層14の背面に形成される透過剤層35と、を有する。そして、印刷シート30は、樹脂シート31の前面に形成される接着層36を有する。つまり、印刷シート30は、樹脂シート31側が基板20の背面20bに接着される。
【0046】
樹脂シート31は、合成樹脂製の透明なシート材(フィルム材)である。樹脂シート31としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、酢酸セルロース等、各種合成樹脂製のシート材を採用し得る。本実施形態では、透明性が高く被削性に優れるCABシートを採用している。
【0047】
樹脂シート31の背面には、補強接着層32が形成されている。補強接着層32は、透明な接着剤で形成される層であり、樹脂シート31と印刷層33との接着強度を高めるものである。これにより、樹脂シート31と印刷層33との剥離を防止することができる。
【0048】
補強接着層32の背面には、遊技盤101の背面101bを装飾するための様々な模様や色彩、文字等の図柄を印刷して形成される印刷層33が設けられる。また、必要に応じて、透光性を有するインクを用いて印刷層33を形成しても良い。これにより、遊技盤101を透過する光を利用した多彩なデザイン表現が可能となる。
【0049】
印刷層33の背面には、箔押層34が形成される。箔押層34は、熱転写によって形成される金属(金属箔)や各種顔料からなる層である。箔押層14は、必ずしも印刷シート30の全面に形成される必要はなく、加飾が必要な部分にのみ形成される。箔押層34を形成することにより、遊技盤101の美観を更に高めることができる。
【0050】
箔押層34の背面及び箔押層34が形成されていない部分の印刷層33の背面には、透過剤層35が形成される。透過剤層35は、透明なインクによって形成される層である。透過剤層15を形成することにより、印刷層33との積層境界面における散乱光を減らして、印刷シート30の透明性を高めることができる。これにより、印刷層33の図柄を鮮明に美しく表現できる。
【0051】
樹脂シート31の前面には、接着層36が形成される。接着層36は、透明な接着剤によって形成される層であり、印刷シート30と基板20とを接着するものである。特に、本実施形態では、後述する接合方法により、優れた接着強度を発揮し、印刷シート30の剥離を防止することができる。
【0052】
このように、基板20の前面20a側に印刷シート10があるので、遊技盤101の前方(前面101a側)からは、印刷シート10に形成される印刷層13及びその奥の箔押層14を視認することができる。更に、基板20の背面20b側に印刷シート30を有するので、透光性を有する基板20を透過して、印刷層13及び箔押層14の奥に距離を隔てて重なるように、印刷シート30の印刷層33及びその奥の箔押層34を視認することができる。これにより、前面101a側の印刷層13及び箔押層14と、背面101b側の印刷層33及び箔押層34と、の重なりが観察する角度によって変化する立体的で奥行きのあるデザイン表現が可能となる。
【0053】
また、遊技盤101の背面101b、即ち印刷シート30の背面に凹凸形状等を設けて、光の散乱や屈折を利用した視覚的効果を発揮させることも可能である。本実施形態では、印刷シート30の樹脂シート31側を前面側(基板20に接着される側)にしているので、印刷シート30の背面に凹凸形状等の加飾を容易に形成することできる。なお、樹脂シート31の向きはこれに限定されるものではなく、印刷シート30を裏返して、樹脂シート31側を背面側にしても良い。
【0054】
図4は、他の実施形態に係る遊技盤201の概略構成を示す断面図である。
図4において、紙面左側が遊技機の前面側である。
図4に示すように、遊技盤201は、箔押層14(
図3参照)及び箔押層34(
図3参照)を形成しない例を示したものである。
【0055】
具体的には、基板20の前面20aに接着される印刷シート210では、印刷層13の背面に透過剤層15が形成され、印刷層13と透過剤層15との間に箔押層14が形成されない。また、基板20の背面20bに接着される印刷シート230では、印刷層33の背面に透過剤層35が形成され、印刷層33と透過剤層35との間に箔押層34が形成されない。このように、箔押層14及び箔押層34の少なくとも一方を形成しないこととしても良い。
【0056】
以上説明の実施形態では、
図3及び
図4を参照して、背面加飾層として印刷シート30、230を利用する例を示した。しかしながら、遊技盤101、201の背面101b、102b側は、遊技球の衝突がないので、背面加飾層としては、前例に限定されず、その他種々の加飾方法を採用することができる。
【0057】
例えば、印刷シート30を接着する方法に代えて、基板20の背面20bに直接図柄等を印刷することによって背面加飾層となる印刷層を形成しても良い。また、光を散乱させるための凹凸形状等が形成された印刷シート等を基板20の背面20bに接着しても良い。この種の印刷シートとしては、例えば、紫外線硬化樹脂からなるインクを用い、紫外線照射によって印刷表面に独特の凹凸形状(しわ)を形成させた、いわゆる縮み印刷シート等を利用しても良い。また、熱転写によって基板20の背面20bに絵柄層を形成しても良い。
【0058】
次に、
図5ないし
図8を参照して、遊技盤1の製造工程について詳細に説明する。
図5は、遊技盤1の製造工程を示すフローチャートである。
図5に示すように、遊技盤1の製造工程は、印刷シート10を形成する印刷シート形成工程A(S10〜S17)と、合成樹脂製の基板20を準備する基板準備工程B(S20〜S22)と、印刷シート10と基板20とを接合する接着工程C(S40)と、を具備する。
【0059】
図6(A)は、印刷シート形成工程Aの樹脂シート11を準備し(S10)、補強接着層12を形成する工程S11、同図(B)は、印刷層13を形成する工程S12及び粗面化処理する工程S13、同図(C)は、箔押層14を形成する工程S14、同図(D)は、透過剤層15を形成する工程S15、同図(E)は、接着層16Aを形成する工程S16及び印刷シート10を乾燥させる工程S17を示す断面図である。なお、
図6(A)ないし(E)において、紙面下方が、遊技機に取り付けた際に前面側となる方向である。
【0060】
先ず、
図5及び
図6(A)に示すように、透明な樹脂シート11を準備し(S10)、その一主面、即ち遊技機に取り付けた際に背面側となる表面11bに、補強接着層12を形成する(S11)。補強接着層12は、透明な接着剤を用いて、スクリーン印刷によって形成される。これにより、均一な厚みで、効率的に、補強接着層12を形成することができる。
【0061】
そして、
図5及び
図6(B)に示すように、補強接着層12の上(表面12b)に、オフセット印刷によって、印刷層13を形成する(S12)。このように、補強接着層12を形成した後に、印刷層13を形成することにより、印刷層13の剥離強度を高めることができる。そして、印刷層13の剥離を防止することにより、基板20の材質として合成樹脂材料を採用し、その前面20a(
図2参照)に印刷シート10を接着するという構成が可能となる。また、オフセット印刷で印刷層13を形成しているので、美しい印刷面を高速度に形成でき、小ロットの生産にも適している。
【0062】
次に、印刷層13の上、即ち背面側となる表面13bを、低温プラズマ照射(CP:Cold Plasma)により粗面化する(S13)。これにより、印刷層13の表面13bを改質して濡れ性を向上させ、印刷層13と、後の工程でその上に形成される箔押層14及び透過剤層15との接着強度を向上させて、印刷層13の剥離強度を高めることができる。
【0063】
次に、
図5及び
図6(C)に示すように、印刷層13の粗面化された表面13bの上に箔押層14を形成する(S14)。箔押層14は、金属箔若しくはその他の顔料等からなり、熱転写(ホットスタンプ)によって形成される。具体的には、蒸着等によって金属箔等が形成された転写フィルムを印刷層13の表面13bに当てて加熱押圧することによって金属箔等を転写して箔押層14を形成する。箔押層14を形成することにより、金属的な光沢で豪華な印象を与える表現によって印刷層13の図柄を際立たせることができる。
【0064】
次に、
図5及び
図6(D)に示すように、箔押層14の表面14b(及び箔押層14が形成されていない印刷層13の粗面化された表面13b)の上に透過剤層15を形成する(S15)。透過剤層15の原料となる透過剤は、透明なインクであり、透過剤層15は、スクリーン印刷によって当該インクを塗布することにより形成される。透過剤層15を形成することにより、印刷層13の色彩を鮮明にすることができる。
【0065】
次に、
図5及び
図6(E)に示すように、透過剤層15の上(表面15b)に、スクリーン印刷によって接着剤を塗布し、接着層16Aを形成する(S16)。スクリーン印刷によって接着層16Aを形成することにより、接着層16Aを均一な厚みで効率良く形成することができ、美しい仕上がりと高い接着強度を確保することができる。
【0066】
そして、接着層16Aが形成された後の印刷シート10を、熱風コンベア式乾燥炉で乾燥させる(S17)。これにより、印刷層13や接着層16A等が乾燥して固定されるので、接着層16Aの剥がれ落ちや、印刷層13等の剥離を防止することができ、後の工程における印刷シート10の取り扱いが容易になる。その結果、製品の品質を維持しつつ、後の工程の作業効率を高めることができる。また、完成後の印刷シート10と基板20との接着強度や、印刷層13の剥離強度を高めることができる。
【0067】
ここで、前述の乾燥させる工程(S17)は、具体的には、60〜70℃の温度条件の下、2〜3分間の乾燥を行う。乾燥温度が70℃を超えると、樹脂シート11等の変形等が発生し、品質が劣化する。他方、乾燥温度が60℃より低いと、乾燥が不十分となり、十分な接合強度が得られなくなってしまう。また、乾燥時間を3分間よりも長くすると、樹脂シート等の品質が劣化すると共に、生産性が低下し、乾燥時間を2分間よりも短くすると、不完全な乾燥により接合強度が低下してしまう。
【0068】
図7(A)は、遊技盤1の基板準備工程Bの基板20を準備し(S20)、粗面化処理する工程S21、同図(B)は、接着剤16Bを塗布する工程S22を示す断面図である。なお、
図7(A)及び(B)において、紙面上方が、遊技機に取り付けた際に前面側となる方向である。
【0069】
図5及び
図7(A)に示すように、合成樹脂製の基板20を準備し(S20)、その前面20a、即ち遊技機に取り付けた際に前面側となる表面を、低温プラズマ照射(CP)により粗面化する。これにより、基板20の前面20aを改質して濡れ性を向上させ、印刷シート10(
図6参照)との接着性を高めることができる。
【0070】
次に、
図5及び
図7(B)に示すように、基板20の粗面化された前面20aの上に、接着剤16Bを塗布する。ここで、接着剤16Bは、印刷シート10の接着層16A(
図6(E)参照)を形成する接着剤と同種類の接着剤である。接着層16Aと接着剤16Bとを同じ原料からなる接着剤で構成することにより、基板20と印刷シート10との接着強度を更に高めることができる。
【0071】
また、接着剤16Bは、ロールコータによって塗布される。具体的には、基板20を、一方のローラ表面に接着剤が供給される一対のローラの間を通過させることにより、基板20の一方の表面である前面20aに接着剤16Bが塗布される。これにより、均一な厚みで高速度に接着剤16Bを塗布することができる。
【0072】
図8は、遊技盤1の接着工程C(S40)を説明する断面図である。なお、
図8において、紙面上方が、遊技機に取り付けた際に前面側となる方向である。
図5及び
図8に示すように、印刷シート10を、基板20の接着剤16Bが塗布された前面20aに配置する。その際、印刷シート10の接着層16Aが、基板20の接着剤16Bが塗布された前面20aに対向するようにする。
【0073】
そして、基板20と印刷シート10とを加圧して接着する(S40)。これにより、接着層16Aと接着剤16Bとが一体的に固着し、接着層16が形成され、基板20と印刷シート10とが強固に接着される。
【0074】
以上の工程により、合成樹脂製の基板20の前面20aに印刷シート10が接着された、遊技盤1の素材としての板状体が完成する(S50)。なお、遊技盤1の背面1bに背面加飾層を形成する場合には、前面加飾層の完成(S41)の後に、背面1bに背面加飾層を形成する背面加飾層形成工程(例えば、
図9ないし
図12を参照して後述する印刷シート形成工程D、基板準備工程E、接着工程F)を行う。
そして、遊技盤1の素材が完成(S50)した後に、遊技盤1に部品取付孔41a(
図1参照)等を、NC(数値制御)ルータマシン等を用いて切削加工する(S51)。
【0075】
ここで、前述の通り、本実形態に係る遊技盤1は、被削性に優れる酢酸酪酸セルロース製の樹脂シート11を有する印刷シート10が、被削性に優れるアクリル樹脂製の基板20に、接着層16によって高強度に接合されている。また、印刷層13の剥離を防止するため補強接着層12を有し、更には、印刷層13及び基板20には、接合強度を高めるための粗面化処理(S13、S21)が施されている。
【0076】
これらにより、遊技盤1は、基板20と印刷シート10とが接着された状態においても優れた被削性を有し、その結果、バリの発生や、印刷層13の剥離等を発生させずに遊技盤1の切削加工を行うことができる。
【0077】
このように、基板20と印刷シート10とを接着した後に、部品取付孔41a等を切削形成することにより、装飾部品等の部品点数を削減し、組み立て作業工程を減らすことができる。
【0078】
即ち、接着後の切削ができない場合には、予め基板20に部品取付孔41a等を加工しておき、その形状に合わせた複雑な形状の印刷シート10を準備する必要がある。或いは、印刷シート10を複数のシート部品に分割したり、印刷シート10に代わる複数の装飾体を準備して取り付けたりする必要がある。
【0079】
これに対して、本実施形態に係る遊技盤1では、略方形状の印刷シート10を1枚準備して基板20に接着し、接合された基板20と印刷シート10とを容易に所定形状に切削することができる。これにより、遊技盤1の生産コストを低減することができる。
【0080】
そして次に、遊技盤1の前面1a(
図2参照)に障害釘を打ち付け、その他の装飾部品等を取り付けた後(S52)、遊技盤1は、遊技機に組み付けられる。釘打ち等の工程においても、本実施形態に係る遊技盤1は、優れた加工特性を発揮し、印刷シート10の剥離や変形等の品質不良の発生が少ない。
【0081】
次に、
図9ないし
図12を参照して、背面101bに背面加飾層としての印刷シート30が設けられる遊技盤101(
図3参照)の製造工程について詳細に説明する。
図9は、遊技盤101の製造工程を示すフローチャートである。
【0082】
図9に示すように、遊技盤101の製造工程は、前面1a用の印刷シート10を形成する印刷シート形成工程A(S10〜S17)と、合成樹脂製の基板20を準備する基板準備工程B(S20〜S22)と、印刷シート10と基板20とを接合する接着工程C(S40)と、背面1b用の印刷シート30を形成する印刷シート形成工程D(S30〜S37)と、基板20の背面20bを処理する基板準備工程E(S45〜S46)と、印刷シート30と基板20とを接合する接着工程F(S47)と、を具備する。
【0083】
印刷シート形成工程A(S10〜S17)、基板準備工程B(S20〜S22)及び接着工程C(S40)は、
図5ないし
図8を参照して既に説明した遊技盤1の製造工程と同様である。遊技盤101の製造では、前面加飾層が完成(S41)した基板20の背面20bに、背面加飾層を形成する背面加飾層形成工程(印刷シート形成工程D、基板準備工程E、接着工程F)を行う。
【0084】
図10(A)は、印刷シート形成工程Dの樹脂シート31を準備し(S30)、補強接着層32を形成する工程S31、同図(B)は、印刷層33を形成する工程S32及び粗面化処理する工程S33、同図(C)は、箔押層34を形成する工程S34、同図(D)は、透過剤層35を形成する工程S35、同図(E)は、接着層36Aを形成する工程S36及び印刷シート30を乾燥させる工程S37を示す断面図である。なお、
図10(A)ないし(E)において、紙面下方が、遊技機に取り付けた際に前面側となる方向である。
【0085】
先ず、
図9及び
図10(A)に示すように、透明な樹脂シート31を準備し(S30)、その一主面、即ち遊技機に取り付けた際に背面側となる表面31bに、補強接着層32を形成する(S31)。補強接着層32は、透明な接着剤を用いて、スクリーン印刷によって形成される。これにより、均一な厚みの補強接着層32を効率良く形成することができる。
【0086】
そして、
図9及び
図10(B)に示すように、補強接着層32の上(表面32b)に、オフセット印刷によって、印刷層33を形成する(S32)。このように、補強接着層32を形成した後に、印刷層33を形成することにより、印刷層13の剥離強度を高めることができる。また、オフセット印刷で印刷層33を形成しているので、美しい印刷面を高速度に形成でき、小ロットの生産にも適している。
【0087】
次に、印刷層33の上、即ち背面側となる表面33bを、低温プラズマ照射(CP)により粗面化する(S33)。これにより、印刷層33の表面33bを改質して濡れ性を向上させ、印刷層33と、後の工程でその上に形成される箔押層34及び透過剤層35との接着強度を向上させて、印刷層33の剥離強度を高めることができる。
【0088】
次に、
図9及び
図10(C)に示すように、印刷層33の粗面化された表面33bの上に箔押層34を形成する(S34)。箔押層34は、金属箔若しくはその他の顔料等からなり、熱転写(ホットスタンプ)によって形成される。箔押層34を形成することにより、金属的な光沢によって印刷層33の図柄を際立たせることができる。
【0089】
次に、
図9及び
図10(D)に示すように、箔押層34の表面34b(及び箔押層34が形成されていない印刷層33の粗面化された表面33b)の上に透過剤層35を形成する(S35)。透過剤層35の原料となる透過剤は、透明なインクであり、透過剤層35は、スクリーン印刷によって当該インクを塗布することにより形成される。透過剤層35を形成することにより、印刷層33の色彩を鮮明にすることができる。
【0090】
次に、
図9及び
図10(E)に示すように、樹脂シート31の下(表面31a)に、スクリーン印刷によって接着剤を塗布し、接着層36Aを形成する(S36)。スクリーン印刷によって接着層36Aを形成することにより、接着層36Aを均一な厚みで効率良く形成することができ、美しい仕上がりと高い接着強度を確保することができる。
【0091】
そして、接着層36Aが形成された後の印刷シート30を、熱風コンベア式乾燥炉で乾燥させる(S37)。これにより、印刷層33や接着層36A等が乾燥して固定されるので、接着層36Aの剥がれ落ちや、印刷層33等の剥離を防止することができ、後の工程における印刷シート30の取り扱いが容易になる。その結果、製品の品質を維持しつつ、後の工程の作業効率を高めることができる。また、完成後の印刷シート30と基板20との接着強度や、印刷層33の剥離強度を高めることができる。
【0092】
ここで、前述の印刷シート30を乾燥させる工程(S37)は、既に説明した印刷シート10(
図6参照)を乾燥させる工程(S17)と同等の条件で行われる。具体的には、60〜70℃の温度条件の下、2〜3分間の乾燥が行われる。
【0093】
図11(A)は、遊技盤101の基板準備工程Eにおける基板20の背面20bを粗面化処理する工程S45、同図(B)は、接着剤36Bを塗布する工程S46を示す断面図である。なお、
図11(A)及び(B)において、紙面下方が、遊技機に取り付けた際に前面側となる方向である。
【0094】
図9及び
図11(A)に示すように、接着工程Cで前面20aに印刷シート10が接着され(S40)前面加飾層が完成(S41)した基板20を準備し、その背面20b、即ち遊技機に取り付けた際に背面側となる表面を、低温プラズマ照射(CP)により粗面化する。これにより、基板20の背面20bを改質して濡れ性を向上させ、印刷シート30(
図10参照)との接着性を高めることができる。
【0095】
次に、
図9及び
図11(B)に示すように、基板20の粗面化された背面20bの上に、接着剤36Bを塗布する。ここで、接着剤36Bは、印刷シート30の接着層36A(
図10(E)参照)を形成する接着剤と同種類の接着剤である。接着層36Aと接着剤36Bとを同じ原料からなる接着剤で構成することにより、基板20と印刷シート30との接着強度を更に高めることができる。
【0096】
また、接着剤36Bは、ロールコータによって塗布される。具体的には、基板20を、一方のローラ表面に接着剤が供給される一対のローラの間を通過させることにより、基板20の一方の表面である背面20bに接着剤36Bが塗布される。これにより、均一な厚みで高速度に接着剤36Bを塗布することができる。
【0097】
図12は、遊技盤101の接着工程F(S47)を説明する断面図である。なお、
図12において、紙面下方が、遊技機に取り付けた際に前面側となる方向である。
図9及び
図12に示すように、印刷シート30を、基板20の接着剤36Bが塗布された背面20bに配置する。その際、印刷シート30の接着層36Aが、基板20の接着剤36Bが塗布された背面20bに対向するようにする。
【0098】
そして、基板20と印刷シート30とを加圧して接着する(S47)。これにより、接着層36Aと接着剤36Bとが一体的に固着し、接着層36が形成され、基板20と印刷シート30とが強固に接着される。
【0099】
以上の工程により、合成樹脂製の基板20の前面20aに印刷シート10が接着され、背面20bに印刷シート30が接着された、遊技盤101の素材としての板状体が完成する(S50)。
【0100】
そして、
図9に示すように、遊技盤101の素材に、部品取付孔41a(
図1参照)等を切削加工し(S51)、前面101aに障害釘を打ち付け、その他の装飾部品等を取り付ける(S52)。
【0101】
ここで、前述の通り、印刷シート30の樹脂シート31についても、被削性に優れるCABシートを採用している。また、印刷シート30は、印刷層33の剥離を防止するため補強接着層32を有し、更には、印刷層33及び基板20には、接合強度を高めるための粗面化処理(S33、S45)が施されている。
【0102】
これらにより、遊技盤101は、基板20に印刷シート10及び印刷シート30が接着された状態においても優れた被削性を有する。これにより、略方形状の印刷シート10及び印刷シート30を夫々1枚準備して基板20に接着し、印刷シート10、30が接着された基板20を容易に切削することができる。これにより、遊技盤1の生産コストを低減することができる。
【0103】
なお、以上の説明では、前面加飾層を完成させた後(S41)、背面加飾層を形成する背面加飾層形成工程(印刷シート形成工程D、基板準備工程E、接着工程F)を実行する例を示したが、前面加飾層と背面加飾層を形成する順番はこれに限定されない。基板20の背面20bに背面加飾層を形成した後に、前面20aに印刷シート10を接着して前面加飾層を形成しても良い。
【0104】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更実施が可能である。