特許第6307024号(P6307024)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6307024入力及び出力構造を有するウェアラブル・デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6307024
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】入力及び出力構造を有するウェアラブル・デバイス
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/64 20060101AFI20180326BHJP
   H04R 1/10 20060101ALI20180326BHJP
   H04R 1/00 20060101ALI20180326BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20180326BHJP
【FI】
   H04N5/64 511A
   H04R1/10 104A
   H04R1/00 318Z
   H04N5/225
【請求項の数】31
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2014-553447(P2014-553447)
(86)(22)【出願日】2013年1月18日
(65)【公表番号】特表2015-510713(P2015-510713A)
(43)【公表日】2015年4月9日
(86)【国際出願番号】US2013022124
(87)【国際公開番号】WO2013109874
(87)【国際公開日】20130725
【審査請求日】2016年1月15日
(31)【優先権主張番号】13/353,445
(32)【優先日】2012年1月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】オルソン、マージ・イザベル
(72)【発明者】
【氏名】ハインリッヒ、ミッチェル・ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】スラン、セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ブリン、セルゲイ
【審査官】 大室 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−169742(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0113867(US,A1)
【文献】 特開2010−226680(JP,A)
【文献】 特開2009−171505(JP,A)
【文献】 特開2001−330794(JP,A)
【文献】 特開2009−118135(JP,A)
【文献】 特表2009−527134(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/066446(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0194029(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B27/00−27/64
H04N 5/222−5/257
H04N 5/64−5/655
H04R 1/00−1/14
H04R 1/42−1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスであって、
ユーザーの頭部に装着されるように構成されたバンドであり、このバンドは、中央部分と、中央部分の反対側から延伸する第1及び第2のテンプル部分とを含み、その中央部分はユーザーの顔の一部に接触するように構成され、かつ、そのテンプル部分は、ユーザーのそのそれぞれの耳の近傍でユーザーの頭部の部分に接触するように構成されているバンドと、
操作ユニットであり、その操作ユニットは、
ユーザーの眼に画像を伝達可能であるディスプレイ要素と、
前記バンドの第1のテンプル部分に取り付けられたアーム部分を有し、縦軸を規定するハウジングであり、このハウジングは、このハウジングのディスプレイ端を規定して前記ディスプレイ要素を支持するエルボー部分も含むことにより、前記ディスプレイ要素が、前記縦軸に関して角度付けられたディスプレイ軸に沿って延伸して、前記ディスプレイ要素をユーザーの眼の上に配置可能とするハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、前記ディスプレイ要素でユーザーの眼へ呈示可能な画像を生成するように構成された画像生成手段とを含んでなる操作ユニットとを備える電子デバイス。
【請求項2】
請求項1のデバイスにおいて、前記ディスプレイ要素は概ね透明なプリズムであり、このプリズムは、ユーザーが前記ディスプレイ要素を通じて視認するように前記プリズムにユーザーへ呈示可能な画像を結合させるように構成されているデバイス。
【請求項3】
請求項1のデバイスにおいて、前記操作ユニットは、前記ハウジングに取り付けられて、ユーザーから機能に関連した入力を受け取るように構成された入力デバイスを更に含み、その機能は前記ディスプレイ要素に呈示可能な情報に関連しているデバイス。
【請求項4】
請求項3のデバイスにおいて、前記操作ユニットの前記ハウジングは外壁を規定し、前記入力デバイスは、前記外壁に隣接して前記ハウジング内に配置されたタッチ検知回路を含み、このタッチ検知回路は前記外壁を通じてユーザーからタッチ入力を受け取るように構成されているデバイス。
【請求項5】
請求項4のデバイスにおいて、前記タッチ検知回路は前記外壁の一部の背後に配置され
、前記外壁の外側面は、前記タッチ検知回路の上に横になる領域内で前記外側面内に規定されたテクスチャーを含むデバイス。
【請求項6】
請求項1のデバイスにおいて、前記ディスプレイ軸は前記縦軸に関して約80°と110°との間において角度付けられているデバイス。
【請求項7】
請求項1のデバイスにおいて、前記アーム部分と前記エルボー部分とは、前記ディスプレイ軸に実質的に平行な回転軸の周りで互いに回転可能に取り付けられた個別の要素であり、前記ディスプレイ要素は、前記アーム部分に関して前記エルボー部分の回転により、ユーザーの頭部の額領域へ向かって、かつそこから離間するように調節可能であるデバイス。
【請求項8】
請求項7のデバイスにおいて、前記回転軸は、それがユーザーの眼の焦点中心に整合するように配置可能であるデバイス。
【請求項9】
請求項8のデバイスにおいて、前記ディスプレイ要素は、平面視認表面を含み、ユーザーの眼の前記焦点中心についての前記ディスプレイ要素の回転は、前記平面視認表面が、前記ディスプレイ要素の調整の範囲を通じて前記平面視認表面から前記焦点中心へ延伸する線に対して実質的に垂直に留まるデバイス。
【請求項10】
請求項1のデバイスにおいて、前記ハウジングの前記アーム部分は第1のトラック要素を含み、これは、前記バンドの第1及び第2のテンプル部分に含められた第2のトラック要素に摺動可能に取り付けられるように構成され、第1と第2のトラック要素のと間の摺動係合は、ユーザーの眼へ向かって、かつ、そこから離間する前記ディスプレイ要素の調節を可能とするように構成されているデバイス。
【請求項11】
請求項1のデバイスにおいて、前記バンドの内部キャビティ内に配置された少なくとも一つの電子要素を更に含み、この少なくとも一つの電子要素は前記操作ユニットの前記画像生成手段に電気的に接続されているデバイス。
【請求項12】
請求項1のデバイスにおいて、第1と第2のテンプル部分の各々は、それぞれ、第1の端部と第2の端部とを規定し、前記バンドは可撓性構造からなることにより、第1の端部と第2の端部とが互いに向かうように、かつ互いから離間するように移動可能であり、ユーザーの頭部の各部分に対して第1及び第2のテンプル部分の固定力を与えるデバイス。
【請求項13】
請求項1のデバイスにおいて、前記バンドは、より剛で弾力的な可撓構造部材の周りに配置された可撓外部部分を含むデバイス。
【請求項14】
請求項1のデバイスにおいて、前記バンドは弾力性可撓構造シェルを含み、これは、柔軟な内側部材を少なくとも部分的に囲み、前記柔軟な内側部材は、ユーザーの顔及びユーザーの頭部に接触するように構成されたバンドの部分を規定する内表面を含み、前記弾力性可撓構造シェルは、前記柔軟な部材の前記内表面と反対側の前記バンドの側面に配置されているデバイス。
【請求項15】
請求項1のデバイスにおいて、前記中央部分が接触するように構成された顔の部分は、その額に向かって配置されたユーザーの前額部の一部であるデバイス。
【請求項16】
請求項1のデバイスにおいて、前記バンドの前記中央部分は、そこから懸荷されているノーズピースを更に含み、前記中央部分が接触するように構成されたユーザーの顔の部分は、ユーザーの鼻の一部であって、前記ノーズピースはそのような接触をなすデバイス。
【請求項17】
請求項1のデバイスにおいて、レンズを有するカメラを更に含み、このカメラは前記操作ユニットへ取り付けられて、前記カメラのレンズが、前記ハウジングの前記エルボー部分内で前記ハウジング上に露呈して、前記縦軸と実質的に平行に指向されているデバイス。
【請求項18】
請求項17のデバイスにおいて、前記操作ユニットは、ユーザーから入力を受け取って前記デバイスに前記カメラを用いて画像を撮るように指示するように構成されたボタンを含むデバイス。
【請求項19】
請求項18のデバイスにおいて、前記ボタンは前記ハウジングに配置されて、前記ボタンとの接触を含む前記ハウジングへのピンチング動作を適用することによって、ユーザーにより起動されるように構成されているデバイス。
【請求項20】
請求項1のデバイスにおいて、レンズを有するカメラを更に含み、このカメラは前記バンドに取り付けられて、前記カメラの前記レンズが前記バンド上に露呈して、前記縦軸と実質的に平行に指向されているデバイス。
【請求項21】
請求項1のデバイスにおいて、それぞれのレンズを有する複数のカメラを更に含み、それらのカメラは、前記バンドの長さに亘って延伸する前記カメラの配列で前記バンドに取り付けられるデバイス。
【請求項22】
請求項1のデバイスにおいて、ユーザーの耳の一方の一部と接触して、そこへ前記デバイスの音声出力を伝達するように構成された音声出力デバイスを更に含み、前記音声出力デバイスは前記バンドの前記テンプル部分の一方に取り付けられたデバイス。
【請求項23】
請求項1のデバイスにおいて、前記バンドは前記中央部分の反対側で第1及び第2のテンプル部分の端部において、第1と第2とのテンプル部分の間に接続された可撓保持部材を更に含むデバイス。
【請求項24】
請求項23のデバイスにおいて、前記可撓保持部材は、内部キャビティを規定し、その中には導電性接続部が配置され、その導電性接続部はバッテリに接続するように構成され、前記導電性接続部は更に、前記バッテリから前記画像生成手段へ電流を供給するように構成されているデバイス。
【請求項25】
電子デバイスであって、
ユーザーの頭部に装着されるように構成されたバンドであり、このバンドは、中央部分と、この中央部分の反対側側面から前記中央部分のそれぞれの端部へ延出する第1及び第2のテンプル部分とを含み、前記中央部分は、ユーザーの顔の一部へ接触するように構成され、前記テンプル部分は、ユーザーのそれぞれの耳の近傍でユーザーの頭部の部分に接触するように構成され、そのバンドは、第1のテンプル部分の端部へ取り付けられた電子部品ハウジングを更に含み、かつ、ユーザーのそれぞれの耳の少なくとも一部の周りに延出するように構成された部分を有し、前記電子部品ハウジングはその中に電子要素を包含するバンドと、
操作ユニットとを備え、その操作ユニットは、ユーザーの眼に画像を伝達可能であるディスプレイ要素と、前記バンドの第1のテンプル部分に取り付けられて、縦軸を規定するハウジングであり、そのハウジングは、前記ハウジングのディスプレイ端部を規定し、ディスプレイ要素を支持するエルボー部分も含み、前記ディスプレイ要素は、前記縦軸に関して角度付けられているディスプレイ軸に沿って延伸することにより、前記ディスプレイ要素はユーザーの眼の上に配置可能であるハウジングと、前記ハウジング内に配置されて、前記ディスプレイ要素にユーザーの眼へ呈示可能な画像を生成するように構成された画像生成手段とを含み、その画像生成手段は、前記バンドの前記電子要素に電気的に接続されるデバイス。
【請求項26】
請求項25のデバイスにおいて、前記電子要素はバッテリに接続するように構成された導電性接続部を含み、その導電性接続部は更に、前記バッテリから前記画像生成手段へ電流を供給するように構成されているデバイス。
【請求項27】
請求項25のデバイスにおいて、前記操作ユニットは、前記ハウジングに取り付けられた入力デバイスを更に含み、その入力デバイスは、前記バンドの少なくとも一つの前記電子要素にも電気的に接続されているデバイス。
【請求項28】
請求項25のデバイスにおいて、前記操作ユニットは、ユーザーのそれぞれの耳の第1の側に配置されていることにより、耳の第1の側に位置する点において質量中心を有し、前記電子部品ハウジングは、ユーザーの同一の耳の少なくとも一部の周りに延伸するように構成され、前記電子部品ハウジングは、ユーザーの耳の第2の側に位置する点において質量中心を有するように構成されているデバイス。
【請求項29】
請求項28のデバイスにおいて、前記電子部品ハウジングは更に、ユーザーにより装着されたときに、前記デバイスの全体的な重量が、ユーザーの顔の部分とユーザーの耳とに分散されて、前記全体的な重量の大きな部分が耳に加わるように構成されているデバイス。
【請求項30】
請求項25のデバイスにおいて、前記電子要素は、前記デバイスに関連した機能を実行するように構成された電子回路を含むデバイス。
【請求項31】
電子デバイスであって、
ユーザーの頭部に装着されるように構成されたバンドであり、このバンドは、中央部分と、中央部分の反対側から延伸する第1及び第2のテンプル部分とを含み、その中央部分はユーザーの顔の一部に接触するように構成され、かつ、そのテンプル部分は、ユーザーのそのそれぞれの耳の近傍でユーザーの頭部の部分に接触するように構成されているバンドと、
操作ユニットであり、その操作ユニットは、
ユーザーの眼に画像を伝達可能であるディスプレイ要素と、
前記バンドに取り付けられたアーム部分を有し、縦軸及び外壁を規定するハウジングであり、このハウジングは、このハウジングのディスプレイ端を規定して前記ディスプレイ要素を支持するエルボー部分も含むことにより、前記ディスプレイ要素が、前記縦軸に関して角度付けられたディスプレイ軸に沿って延伸して、前記ディスプレイ要素をユーザーの眼の上に配置可能とするハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、前記ディスプレイ要素でユーザーの眼へ呈示可能な画像を生成するように構成された画像生成手段と、
前記外壁に隣接して前記ハウジング内に配置されたタッチ検知回路であり、このタッチ検知回路は、前記外壁を通じてユーザーからタッチ入力を受け取るように構成され、前記タッチ入力は前記ディスプレイ要素に呈示可能な情報に関係した機能に関連しているタッチ検知回路とを含んでなる操作ユニットとを備えるデバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景】
【0001】
この出願は米国特許出願番号第13/353,445号(2012年1月19日出願)の継続出願であり、その開示事項は参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
個人用ビデオ又は画像ディスプレイは、単独のユーザーによる視聴のために源から受信される画像を表示するのに用いられるデバイスである。そのようなデバイスは、ユーザーの頭部に装着された頭部装着ディスプレイの形態とすることができ、ユーザーの眼の上に又はその前方に一つ以上の画像源を含むことができる。頭部装着ディスプレイは、ユーザー若しくは着用者の各々の眼に隣接かつ関連して配置された画像源を含むことができ、単独の二次元画像として視認可能な同じ画像を呈示するように構成することができる。或いは、或るこのようなデバイスは、異なる立体的な画像を呈示するように構成することができ、これは観察者により、単独の三次元画像として解釈される。ユーザーに呈示される画像の形式に関係なく、そのようなデバイスは通常は明かりを消されている。即ち、これらはスクリーン又はそれに含まれた他の画像源の外側の着用者の視覚を殆ど完全に妨げて、ユーザーは、デバイスのディスプレイ・システムにより呈示された画像以外は何も見ることができない。
【0003】
他の個人用画像ディスプレイには、ヘッドアップ・ディスプレイと称されるものがあり、これは画像が透明ディスプレイの上、内部、若しくは透明ディスプレイを通じて表示され、これは表示された画像を周囲環境の視野の上に重ね合わせる。これらはそれらの周囲と同時にディスプレイにより呈示された画像をユーザーに見せることを可能とする。しかしながら、そのようなデバイスには、限定された機能性のみならず、それらの着用者に対する適合性及び快適性を含めて、多くの制約がある。
【0004】
頭部装着及びヘッドアップ・ディスプレイの両方は、ビデオ源へ接続して、これはビデオ信号を受信して、これをデバイスが読み込んで、ユーザーに呈示する画像に変換することができる。ビデオ源は、携帯用デバイス、例えばビデオ・プレーヤー、携帯用メディア・プレーヤー又はコンピュータなどから受信することができる。或るこのようなディスプレイ・デバイスは、音声信号を受信するようにも構成されており、これは通常には相関するヘッドフォンによってユーザーへ配信される。しかしながら、これらの種のディスプレイの機能性は、ディスプレイが単に外部源から情報を受信して、これを限定された形態で着用者に呈示するという受動的な行為に制約されている。従って、ディスプレイを含むウェアラブル・デバイスの更なる進歩が必要とされている。
簡単な概要
【0005】
本開示事項の態様は、ユーザーの頭部に着用されるように構成されたバンドを含む電子デバイスに関する。そのバンドは、中央部分と、この中央部分の対向側面から延伸する第1及び第2のテンプル部分とを有する。その中央部分はユーザーの顔の一部に接触するように構成されており、テンプル部分はユーザーのそれぞれの耳の近傍でユーザーの頭部の部分へ接触するように構成されている。このデバイスは更に、ディスプレイ要素を有する操作ユニットと、バンドの第1のテンプル部分へ取り付けられて、縦軸を規定するアーム部分を有するハウジングとを含む。このハウジングは、ハウジングのディスプレイ端部を規定するエルボー部分も含み、これはディスプレイ要素を支持して、ディスプレイ要素が、縦軸に関して角度付けられたディスプレイ軸に沿って延伸して、ディスプレイ要素がユーザーの眼の上に配置可能にされている。操作ユニットは、画像生成手段も有し、これはハウジング内に配置されて、ディスプレイ要素上でユーザーに呈示可能な画像を生成するように構成されている。ディスプレイ要素は、このディスプレイ要素によってその上でユーザーに見せるように、ユーザーに対して呈示可能な画像を組み合わせるように構成された概ね透明なプリズムとすることができる。
【0006】
操作ユニットは入力デバイスを更に含むことができ、これは、ハウジングへ取り付けられて、ディスプレイ要素に呈示可能な情報に関係した機能に関連した入力をユーザーから受け取るように構成されている。一例においては、操作ユニットのハウジングは外壁を規定することができ、入力デバイスは、外壁に隣接してハウジング内に配置されたタッチ感知回路を含むことができ、このタッチ感知回路は外壁を通じてユーザーからタッチ入力を受けるように構成されている。このような例においては、タッチ感知回路を外壁の一部の後に配置することができ、外壁の外面は、タッチ感知回路の上に乗る領域内で外面に規定された構造を含むことができる。
【0007】
ディスプレイ軸は縦軸に関して約80°と110°との間に角度付けることができる。更に、一例においては、アーム部分及びエルボー部分が、ディスプレイ軸に実質的に平行な回転軸に関して互いに回転可能に取り付けられた個別の要素とすることができ、ディスプレイ要素は、アーム部分に対するエルボー部分の回転により、ユーザーの頭部の額領域に対して進退するように調節可能である。そのような例においては、回転軸はユーザーの眼の焦点中心に整列するように配置可能にすることができる。ディスプレイ要素は平面視認表面を含むことができ、ユーザーの眼の焦点中心についてのディスプレイ要素の回転は、ディスプレイ要素の調節の範囲を通じて焦点中心に対して、平面視認表面がそこから延出する線に対して実質的に垂線に留まることができる。
【0008】
ハウジングのアーム部分は、第1のトラック要素を含むことができ、これは、バンドの第1と第2のテンプル部分の一方に含められた第2のトラック要素に摺動的に取り付けられるように構成されている。このような例においては、第1と第2とのトラック要素の間の摺動可能な係合は、ユーザーの眼に対して進退するように、ディスプレイ要素の調整を可能とするように構成することができる。
【0009】
少なくとも一つの電子要素は、バンドの内部キャビティ内に配置することができる。一つの例においては、少なくとも一つの電子要素は、操作ユニットの画像生成手段に電気的に接続することができる。
【0010】
第1と第2のテンプル部分の各々は、バンドが可撓な構造である実施形態においては、第1の端部と第2の端部とをそれぞれ規定することができる。そのような実施形態においては、第1の端部及び第2の端部は互いに対して進退するように移動可能とすることができ、ユーザーの頭部の各部分に対して第1及び第2のテンプル部分の固定力を与える。一つの例においては、バンドは、より堅固な弾力的可撓構造部材の周りに配置された柔軟な外側部分を含むことができる。他の例においては、バンドは、弾力的可撓構造シェルを含むことができ、これは柔軟な内部部材を少なくとも部分的に囲む。柔軟な内部部材は、ユーザーの顔及びユーザーの頭部との接触のために構成されたバンドの部分を規定する内面を含むことができる。構造シェルは、柔軟部材の内面の反対側でバンドの側面に配置することができる。
【0011】
中央部分が接触するように構成された顔の部分は、ユーザーの額に向かって配置されたユーザーの上額の部分とすることができる。或いは、バンドの中央部分が、それに従属する鼻に当接する部分を更に含む実施形態においては、中央部分が接触するように構成されたユーザーの顔の部分は、ユーザーの鼻の一部とすることができ、鼻に当接する部分は、そのような接触をなすことができる。
【0012】
デバイスは、レンズを有するカメラを更に含むことができる。そのカメラは、操作ユニットに取り付けて、カメラのレンズをハウジングのエルボー部分内でハウジングに露出させて、縦軸に対して実質的に平行に指向させるようにすることができる。操作ユニットは、ボタンを更に含むことができ、このボタンは、ユーザーから入力を受け取って、このデバイスはカメラを用いて画像を撮るように指向させるように構成されている。このボタンは、ハウジング上に位置させて、ボタンとの接触を含むピンチング動作をハウジングに適用することにより、ユーザーによって起動するように構成することができる。カメラは代替的にバンドへ取り付けて、カメラのレンズをその上に露出させて、縦軸に対して実質的に平行に指向させることができる。デバイスは、それぞれのレンズを有する複数のカメラを更に含むことができ、それらのカメラは、バンドの長さに亘って延伸する配列としてバンドに取り付けられる。
【0013】
デバイスは、ユーザーの耳の一方の一部との接触のために構成されたバンドのテンプル部分の一方に取り付けられた音声出力デバイスを更に含むことができる。この出力は、デバイスの音声出力を耳へ送達するように更に構成することができる。
【0014】
バンドは、可撓保持部材を更に含むことができ、これは中央部分の反対側のその端部において第1と第2とのテンプル部分の間に接続されている。可撓保持部材は、内部キャビティを規定することができ、これは、その中に配置された導電性接続部を有する。導電性接続部はバッテリに接続するように構成して、電流をバッテリから画像生成手段へ供給するようにすることができる。
【0015】
本開示事項の他の態様は、ユーザーの頭部に着用されるように構成されたバンドを含む電子デバイスに関する。このバンドは、中央部分と、その各端部に対して中央部分の対向側から延出する第1及び第2のテンプル部分とを含む。
中央部分はユーザーの顔の一部へ接触するように構成され、かつ、テンプル部分はユーザーの各耳の近傍でユーザーの頭部の部分へ接触するように構成されている。バンドは、第1のテンプル部分の端部へ取り付けられた電子ハウジングを更に含み、これはユーザーのそれぞれの耳の少なくとも一部の周りに延伸するように構成された部分を有する。この電子ハウジングは、その中に電子要素を包含する。このデバイスは、ディスプレイ要素を含む操作ユニットを更に含む。その操作ユニットはハウジングも含み、そのハウジングは、バンドの第1のテンプル部分へ取り付けられて縦軸を規定するアーム部分を有する。このハウジングは、エルボー部分も有し、これはハウジングのディスプレイ端部を規定して、ディスプレイ要素を支持し、ディスプレイ要素が、縦軸に対して角度付けられたディスプレイ軸に沿って延伸し、ディスプレイ要素がユーザーの眼の上に位置可能なようにされている。操作ユニットは、ハウジング内に配置された画像生成手段も含み、これはディスプレイ要素上でユーザーに対して呈示可能な画像を生成するように構成されている。この画像生成手段はバンドの電子要素に電気的に接続されている。操作ユニットは、ハウジングへ取り付けられた入力デバイスを更に含み、これはバンドの少なくとも一つの電子要素に接続されている。
【0016】
電子要素は、導電性接続部を含むことができ、これはバッテリに接続して電流をバッテリから画像生成手段へ供給するように構成されている。これに加えて又はこれに代えて、電子要素は、デバイスと関連した機能を実行するように構成された電子回路を含むことができる。
【0017】
操作ユニットはユーザーのそれぞれの耳の第1の側面に配置して、耳の第1の側面に置かれた点に質量中心を有するようにすることができ、ここで電子ハウジングはユーザーの同じ耳の少なくとも一部の周りに延出するように構成されており、電子ハウジングはユーザーの耳の第2の側面に置かれた点に質量中心を有するように構成されている。電子ハウジングは更に、ユーザーにより着用されたときに、デバイスの全体的重量が、ユーザーの顔の部分とユーザーの耳との間に分散されて、全体的重量のより大きな部分が耳に加わるように構成することができる。
【0018】
本開示事項の他の態様は、ユーザーの頭部に着用されるように構成されたバンドを含む電子デバイスに関する。そのバンドは、中央部分と、中央部分の対向する側面から延出する第1及び第2のテンプル部分とを含む。この中央部分はユーザーの顔の一部に接触するように構成されており、かつ、テンプル部分はユーザーのそれぞれの耳の近傍でユーザーの頭部の部分へ接触するように構成されている。このデバイスは、ディスプレイ要素及びハウジングを有する操作ユニットも含む。ハウジングは、バンドに取り付けられて縦軸及び外壁を規定するアーム部分を有する。ハウジングは、エルボー部分も含み、これはハウジングのディスプレイ端部を規定して、ディスプレイ要素を支持することにより、ディスプレイ要素は、縦軸に対して角度付けられたディスプレイ軸に沿って延出するようにされ、かつ、ディスプレイ要素はユーザーの眼の上に配置可能にされている。これに加えて又はこれに代えて、電子要素は、デバイスに関連した機能を実行するように構成された電子回路を含むことができる。画像生成手段はハウジング内に配置されて、ディスプレイ要素にユーザーに対して呈示可能な画像を生成するように構成されている。見苦しくない画像を出すために設定される。タッチ感知回路が、外壁に隣接してハウジング内に配置されている。このタッチ感知回路は外壁を通じてユーザーからタッチ入力を受け取るように構成されており、この入力は、ディスプレイ要素に呈示可能な情報に対して関連する機能に関係している。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、データを受信、送信、及び表示するための例示的なシステムを示す。
【0020】
図2図2は、図1のシステムの代替的な図を示す。
【0021】
図3A図3Aは、データを受信、送信、及び表示するための例示的なシステムを示す。
【0022】
図3B図3Bは、データを受信、送信、及び表示するための例示的なシステムを示す。
【0023】
図4図4は、データを受信、送信、及び表示するための例示的なシステムを示す。
【0024】
図5図5は、本開示事項の実施形態によるウェアラブル・コンピュータ・デバイスを示す。
【0025】
図6図6は、ユーザーの頭部に着用されている図7のアセンブリを示す。
【0026】
図7図7A乃至7Cは、図5のデバイスをその例示的な調整形態で示す。
【0027】
図8図8A及び8Bは、図7A乃至7Cのデバイスの態様を図解する概略図である。
【0028】
図9図9は、本開示事項の他の実施形態によるウェアラブル・コンピュータ・デバイスの代替的な実施形態例を示す。
【0029】
図10図10は、図9のデバイスの分解図を示す。
【0030】
図11図11は、本開示事項の他の実施形態によるウェアラブル・コンピュータ・デバイスの代替的実施形態を示す。
【0031】
図12図12は、本開示事項の他の実施形態によるウェアラブル・コンピュータ・デバイスの代替的実施形態を示す。
【0032】
図13図13は、本開示事項の他の実施形態によるウェアラブル・コンピュータ・デバイスの代替的実施形態を示す。
【詳細な説明】
【0033】
本開示事項の実施形態は、図面を参照してここに説明される。図1は、データを受信、送信、及び表示するための例示的システム100を図解する。システム100は、ウェアラブル・コンピュータ・デバイスの形態で示されている。図1にはウェアラブル・コンピュータ・デバイスの一例として頭部装着式デバイス102が例示されているが、これに加えて若しくはこれに代えて、他の形式のウェアラブル・コンピュータ・デバイスを使用することができる。図1に図示されるように、頭部装着式デバイス102は、レンズ・フレーム104、106及び中央フレーム支持体108を含むフレーム要素と、レンズ要素110、112と、延伸側部アーム114、116とから成る。中央フレーム支持体108及び延伸側部アーム114、116は、それぞれ、頭部装着式デバイス102をユーザーの鼻と耳を介してユーザーの顔に固定するように構成されている。
【0034】
フレーム要素104、106、及び108と延伸側部アーム114、116との各々は、プラスチック及び/又は金属のソリッド構造に形成されることがあり、或いは、同様な材料の中空構造に形成されて、配線及び構成要素相互を頭部装着式デバイス102に内部的に経由させるようにすることもある。他の材料が同様に可能である場合がある。
【0035】
レンズ要素110、112の各々の一つ以上は、投影像又はグラフィックを適切に表示することができる任意の材料から形成し得る。レンズ要素110、112の各々は、ユーザーがレンズ要素を通じて見ることができるように、充分に透明にすることもある。レンズ要素のこれらの二つの特徴を組み合わせることは、拡張された現実性、又はレンズ要素を通じてユーザーにより知覚される現実世界の光景の上に、投影された画像又はグラフィックが重ね合わせられた頭部表示を促進し得る。
【0036】
延伸側部アーム114、116は、各々を突出部とすることができ、これはそれぞれレンズ・フレーム104、106から離間して延伸して、ユーザーの耳の後ろに配置されて、頭部装着型デバイス102をユーザーに固定し得る。延伸側部アーム114、116は、ユーザーの頭部の後部分の周りに延伸することにより、頭部装着型デバイス102をユーザーに更に固定し得る。
これに加えて若しくはこれに代えて、例えば、システム100は、頭部装着型ヘルメット構造に接続し得るか、又はその中へ取り付けられ得る。他の可能性が同様に存在する。
【0037】
システム100は、搭載・コンピュータ・システム118、ビデオ・カメラ120、センサ122、及び指操作可能なタッチパッド124も含み得る。搭載・コンピュータ・システム118は、頭部装着型デバイス102の延伸側部アーム114に配置されて示されているが、搭載・コンピュータ・システム118は頭部装着型デバイス102の他の部分に設けられ得るか、又は頭部装着型デバイス102から離間して配置し得る(例えば、搭載・コンピュータ・システム118は頭部装着型デバイス102に有線又は無線接続することができる)。搭載・コンピュータ・システム118は、例えば、プロセッサ及びメモリを含み得る。搭載・コンピュータ・システム118は、ビデオ・カメラ120及び指操作可能なタッチパッド124から(並びに、おそらくは他の感覚デバイス、ユーザ・インタフェース又は両方から)からデータを受信して解析して、レンズ要素110及び112による出力のために画像を生成するように構成し得る。
【0038】
ビデオ・カメラ120は、頭部装着型デバイス102の延伸側部アーム114に配置されて示されているが、ビデオ・カメラ120は、頭部装着型デバイス102の他の部分に設けられる場合がある。ビデオ・カメラ120は、様々な解像度又は異なるフレーム率において画像を撮るように構成し得る。小さな形状因子、例えば携帯電話又はウェブカメラで使用されるそれらのものを有する多くのビデオ・カメラは、例えば、システム100の一例に組み込み得る。
【0039】
更に、図1は一つのビデオ・カメラ120を例示しているが、より多くのビデオ・カメラが使用されることもあり、その各々は同じ視野を撮るか又は異なる視野を撮るように構成し得る。例えば、ビデオ・カメラ120は、ユーザーによって認識される現実世界の視野の少なくとも一部を撮るように、前方へ向けられる。次いで、ビデオ・カメラ120により撮られた前方向き画像は、コンピュータ生成された画像がユーザーによって認識される現実の視野と相互作用するように見える拡張現実を生成するのに用いられ得る。
【0040】
センサ122は、頭部装着型デバイス102の延伸側部アーム116上に示されているが、このセンサ122は頭部装着型デバイス102の他の部分に配置し得る。例えば、センサ122は一つ以上のジャイロスコープ又は加速度計を含み得る。他の感知デバイスをセンサ122に含め得るか加えることができ、或いは、他の感知機能をセンサ122により実行し得る。
【0041】
指操作可能なタッチパッド124は、頭部装着型デバイス102の延伸側部アーム114上に示されている。しかしながら、この指操作可能なタッチパッド124は、頭部装着型デバイス102の他の部分に配置し得る。また、一つよりも多くの指操作可能なタッチパッドが、頭部装着型デバイス102に存在する場合がある。指操作可能なタッチパッド124は、ユーザーによってコマンドを入力するのに用いられ得る。指操作可能なタッチパッド124は、他の可能性のうち、容量性感知、抵抗感知、又は表面音響波処理を介して指の位置と移動との少なくとも一方を検知し得る。指操作可能なタッチパッド124は、パッド表面に対して平行な方向又は平面で、パッド面に対して垂線方向で、或いはそれらの両方で、指移動を感知することができる場合があり、かつ、指へ加えられた圧力のレベルを検知することができる場合もある。指操作可能タッチパッド124は、一つ以上の半透明な若しくは透明な絶縁層と、一つ以上の半透明な若しくは透明な導電層とから形成し得る。指操作可能タッチパッド124の縁は、高くされた、窪められた、又は粗くされた20表面を有するように形成されることがあり、ユーザーの指が指操作可能なタッチパッド124の縁又は他の領域に達したときに、ユーザーに触覚フィードバックを与える。一つよりも多くの指操作可能タッチパッドが存在するならば、各々の指操作可能なタッチパッドは独立して操作されて、異なる機能を提供し得る。
【0042】
図2は、図1に示されたシスステムの代替的な概観を図解する。図2に示されているように、レンズ要素110、112はディスプレイ要素として働き得る。頭部装着型デバイス102は、延伸側部アーム116の内表面に結合して、レンズ要素112の内面に表示130を投影するように構成された第1のプロジェクター128を含み得る。これに加えて若しくはこれに代えて、第2のプロジェクター132は、延伸側部アーム114の内表面に結合されて、レンズ要素110の内面に表示130を投影するように構成され得る。
【0043】
レンズ要素110、112は、光投影システムのコンバイナとして働くことがあり、プロジェクター128、132からそれらに投影された光を反射するコーティングを含み得る。或る実施形態においては、反射コーティングが使われないこともある(例えば、プロジェクター128、132が走査レーザー・デバイスであるとき)。
【0044】
他の実施形態においては、他の形式のディスプレイ要素も使用し得る。例えば、レンズ要素110、112自体は、以下を含み得る。即ち、透明な又は半透明なマトリックス・ディスプレイ、例えばエレクトロルミネセント・ディスプレイ又は液晶ディスプレイ、画像をユーザーの眼に伝達するための一つ以上の導波管、又はユーザーに対して眼の近傍に合焦する画像を伝達する能力がある他の光学的要素である。対応するディスプレイ・ドライバは、そのようなマトリックス・ディスプレイを駆動するために、フレーム要素104、106内に配置し得る。これに代えて又はこれに加えて、レーザー又はLED源及び走査システムは、ユーザーの一つ以上の眼の網膜に、ラスター・ディスプレイを直接に描くのに用いることができる。他の可能性も存在する。
【0045】
図3Aは、データを受信して、送信して、表示するために例示的なシステム200を図解する。このシステム200は、ウェアラブル・コンピュータ・デバイス202の形態で示されている。ウェアラブル・コンピュータ・デバイス202は、図1及び2に関して説明されるようなフレーム要素及び側部アームを含み得る。ウェアラブル・コンピュータ・デバイス202は、搭載・コンピュータ・システム204とビデオ・カメラ206とを更に含むことがあり、これらは図1及び2に関して説明したようなものである。ビデオ・カメラ206は、ウェアラブル・コンピュータ・デバイス202のフレームに取り付けられて示されているが、ビデオ・カメラ206は、同様に他の位置に取り付けられることもある。
【0046】
図3Aに示すように、ウェアラブル・コンピュータ・デバイス202は、デバイスへ結合し得る単独のディスプレイ208を含み得る。このディスプレイ208はウェアラブル・コンピュータ・デバイス202のレンズ要素の一方、例えば図1及び2に関して説明したレンズ要素から形成されることがあり、物理的世界のユーザーの視野にコンピュータで生成されたグラフィックスを重ね合わせるように構成し得る。ディスプレイ208は、はウェアラブル・コンピュータ・デバイス202のレンズの中心に設けられるように示されているが、ディスプレイ208は他の位置に設けられることもある。このディスプレイ208は、光導波路210を介してディスプレイ208に結合されたコンピュータ・システム204を介して制御可能である。
【0047】
図3Bは、データを受信して、送信して、及び表示するための例示的システム220を図解する。このシステム220は、ウェアラブル・コンピュータ・デバイス222の形態で示されている。ウェアラブル・コンピュータ・デバイス222は、側部アーム223、中心フレーム支持体224、及び鼻が当接する部分225を有するブリッジ部分を含み得る。図3Bに示される例においては、中心フレーム支持体224は、側部アーム223へ接続されている。ウェアラブル・コンピュータ・デバイス222は、レンズ要素を包含するレンズ・フレームを含まない。ウェアラブル・コンピュータ・デバイス222は、搭載コンピュータ・システム226とビデオ・カメラ228、例えば図1及び2に関して説明されたようなものを更に含み得る。
【0048】
ウェアラブル・コンピュータ・デバイス222は、側部アーム223又は中心フレーム支持体224の一方に結合し得る単独のレンズ要素230を含み得る。このレンズ要素230はディスプレイ、例えば図1及び2に関して説明したディスプレイを含むことがあり、コンピュータで生成されたグラフィックスを物理的世界のユーザーの視野の上に重ね合わせるように構成し得る。一つの例においては、単独のレンズ要素230は、延伸側部アーム223の内側(即ち、ユーザーにより装着されたとき、ユーザーの頭部の一部へ晒される側)に結合し得る。単独のレンズ要素230は、ウェアラブル・コンピュータ・デバイス222がユーザーにより装着されるときに、ユーザーの眼に対して前方又は近傍に配置し得る。例えば、単独のレンズ要素230は、図3Bに示すように、中心フレーム・支持体224の下に配置し得る。
【0049】
図4は、例示的コンピュータ・ネットワーク基盤の概略図を図解する。システム300においては、デバイス310は通信リンク320(例えば、有線又は無線接続)を用いて遠隔デバイス330と通信する。このデバイス310は、データを受信して、このデータに対応若しくは関連する情報を表示することができる任意の種類のデバイスとし得る。例えば、デバイス310は、ヘッドアップ・ディスプレイ・システム、例えば図1乃至図3Bを参照して説明した頭部装着デバイス102、200、又は220とし得る。
【0050】
このように、デバイス310は、プロセッサ314及びディスプレイ316からなるディスプレイ・システム312を含み得る。ディスプレイ310は、例えば、光学的透視(see−through)ディスプレイ、光学的周囲視(see−around)ディスプレイ、又はビデオ透視ディスプレイとし得る。プロセッサ314は遠隔デバイス330からデータを受信して、このデータをディスプレイ316に表示するように構成し得る。プロセッサ314は任意の形式のプロセッサ、例えば、マイクロプロセッサ又はデジタル信号プロセッサなどとし得る。
【0051】
デバイス310は、搭載データ記憶装置、例えばプロセッサ314に結合されたメモリ318を更に含み得る。このメモリ318は、例えば、プロセッサ314によりアクセスされて実行することができるソフトウェアを記憶し得る。
【0052】
遠隔デバイス330は、任意の形式のコンピュータ・デバイス又は送信機器である場合があり、これはラップトップ・コンピュータ、携帯電話又はタブレット・コンピュータ・デバイス、その他を含み、これはデータをデバイス310へ送信するように構成されている。遠隔デバイス330及びデバイス310は、通信リンク320を有効にするためのハードウェア、例えばプロセッサ、送信機、受信機、アンテナ、その他を包含し得る。
【0053】
図4において、通信リンク320は無線接続として図解されているが、有線接続も使用し得る。例えば、通信リンク320は有線シリアル・バス、例えば汎用シリアル・バス又はパラレル・バスとし得る。有線接続は、同様に専用接続とし得る。通信リンク320は、例えば、ブルートゥース(商標名)無線接続、IEEE 802.11(任意のIEEE 802.11改訂版を含む)に記載された通信プロトコル、セルラー技術(例えばGSM、CDMA、UMTS、EVDO、WiMAX、LTE)又はZigBee(商標名)技術を(他の可能性の中で用いる無線接続とする場合もある。遠隔デバイス330はインターネットを介してアクセス可能な場合があり、特定のウェブ・サービス(例えば、ソーシャル・ネットワーキング、写真共有、アドレス帳など)と関連したコンピュータ・クラスタを含み得る。
【0054】
図5-15(それは図1-4の中で使われる同じ番号付け体系を踏襲していない)は、図1-4を参照して上述した様々なシステムを実装することができる装着型デバイスの実施形態を図解する。図5は、(図6に示すように)ユーザーの頭部に装着できるデバイス410の実施形態を示す。以下に更に詳細に記載するように、デバイス410は、ユーザーの頭部にデバイス410の望ましい適合を提供するバンド412を含む。デバイス410はブーム414を更に含み、これはバンド412の一部からディスプレイ要素454を含むその自由端416へ延出する。ブーム414はバンド412へ取り付けられて、デバイス410がユーザーにより適切に装着されたときに、ブーム414のディスプレイ454は、ユーザーの眼に近接して位置することができ、その上に呈示されてユーザーにより視認可能な画像を形成する。このように、ブーム414は、デバイス410のユニットとして構成され、これはデバイス410の少なくとも一つの操作を実行し、即ち、ユーザーに画像を呈示する。付加的な操作もブーム414によって実行することができ、タッチ型入力410の形態で入力デバイスも含むことができ、これは、ユーザーにアクセス可能であり、ユーザーからタッチ入力を受け取って、デバイス・アセンブリ410の制御機能又はデバイス・アセンブリ410に接続若しくは通信する他の電子デバイスの機能を実行する。
【0055】
バンド412は図5においては統一的構成を有するものとして示されており、これは一般に、中央部分430の対向側から離間して延伸するアーム440A、440Bを有する中央部分430を含む。図6は、バンド412をユーザーの頭部に装着することができる一つの位置の例を示す。図示のように、バンド412は、ユーザーの顔の上に配置された中央部分430を有するユーザーの頭部に適合するように構成することができる。具体的には、図6はユーザーの額に接触する中央部分430を示し、例えば、額の一部に沿って延伸することにより、それに接触している。一般に、ユーザーの顔は、ユーザーの顎から額の頂部まで垂直に規定されて、かつ、耳から耳まで水平に規定された領域における任意の部分を考慮することができる。図5及び図6の実施形態において、中央部分430が接触する額の部分は、中央部分430の寸法及び形状と特定のユーザーの頭部の形状に従い変化する。一つの実施形態において、中央部分430は額と充分な接触をなして、バンド412の他の特徴によって達成されるユーザーの頭部における適合に依存して、その上の中央部分430の位置を維持する。バンド412は、少なくとも、そのような接触のために望ましい領域において、高摩擦材料、例えばラバーから製造することができるか、さもなければそれによって被覆することができる。実施形態において、中央部分430は、人間の額の一般に丸い形状に適合するようにアーチ型形状である。バンド412は可撓性材料から構成することができ、中央部分430を異なる個々の額又は頭部形状に応じて屈曲させる。
【0056】
アーム440A、440Bは、ユーザーのそれぞれのテンプルに沿って、又は、それぞれの耳の領域において、ユーザーの頭部と接触するように構成することができる。アーム440A、440Bは、中央部分430の反対側にそれぞれの自由端444を含む。デバイス・アセンブリ410を装着するとき、自由端444はユーザーの耳の近傍に位置するように配置することができる。耳部分446は、アーム440A、440Bの自由端444に取り付けるか又は一体的に形成することができる。図5に示すように、耳部分446は図に示すようなアーチ型又は屈曲形態を含むことができ、これはユーザーの耳の後方の部分の後ろへ曲がる。眼鏡と同様に、耳部分446の特定の形状は、それらが曲がる量、それらが延伸する耳の周りの距離及び接触の量を含めて様々な方式で変化でき、いくらかでも耳の外側に実際に維持される。アーム440は、一人のユーザーのための適切な適合又は異なるユーザーのための選択を達成するために、中央部分430に関して適切な位置の耳部分を構築することができる。従って、アーム440の形状は、それに応じて、中央部分430の寸法及び形状に依存することができる。例えば、アーム440は中央部分430から実質的に後方へ、それに対して実質的に垂直に延伸することができ、実質的に真っ直ぐにすることができる。他の実施形態においては、アーム440は中央部分430に関して内側へ、外側へ、上方へ、又は、下方に角度付けることができ、更に任意の方向(又は複数の方向)へ曲げることができ、望ましい適合又は審美的な資質が達成される。
【0057】
上述のように、イヤピース446はバンドアーム440により一体的に形成することができるか、アーム440により予め組み立てることができる個別の要素とすることができる。これに代えて、幾つかの異なるイヤピースを設けることができ、これは適合性又はユーザーの嗜好によってアーム440の端部444に取り外し可能に取り付けることができる。そのような構成においては、イヤピース446はバンド412の残り部分とは異なる材料又は材料の組合せで製造することができる。更なる実施形態においては、イヤピース446は実質的にアームに沿って延出することができるか、又は、下方ではなく、内方へ、それらが耳の最上部領域で耳の上に置かれるが、耳の周りには引っ掛けられない位置へ延出することができる。そのような実施形態においては、イヤピース446又はアーム440は、ユーザーの頭部の側面に対して圧力を及ぼし、この圧力により発生した摩擦を用いてユーザーの頭部にフレーム412を少なくとも部分的に保持するように構成することができる。
【0058】
バンド412は、弾力性可撓性材料又は材料の組合せから形成することができる。そのような構造は、互いに外側へ可撓的に離間して、異なる寸法の頭部を収容することができる端部444を含むアームを可能とする。更に、この構造は、静止若しくは非可撓状態(例えば装着されていないとき)において、バンド412が、バンド412が装着されることが意図されている小さな寸法の頭部(頭部の寸法の所定の範囲内)を収容するために必要なものよりも若干小さいように構成することができる。これは、装着されるとき、バンド412による或る程度の可撓性を必要として、その小型の静止状態に復帰しようとする傾向に起因して、ユーザーの頭部に対して力を加えるバンド412をもたらす。そのような力は、イヤピース446により提供される更なる保持の有無にかかわらず、ユーザーの頭部にバンド412を保持するのを付助することができる。
中央部分430と同様に、アーム440の少なくとも一部、例えばユーザーの頭部との接触をなすその領域は、ラバー又は他の高摩擦材料で形成できるか、さもなければ被覆することができる。これらの接触領域におけるラバーその他の使用は、より均一に接触を広げることによって、ユーザーに対する快適性を増加させることもできる。このような構造は、ユーザーの頭部との少なくとも三点の接触を達成し、これは装着したときに、アセンブリ410の安定性の望ましいレベルを与えることができる。バンド412は更に、更なる接点、例えば中央部分430内の二つの接点又はユーザーの頭部に沿った連続接触を提供するように構成することができる。この種の適合性は、ユーザーの頭部の特定の形状から生じることもある。
【0059】
上述の特性を達成するバンド412のための適当な材料は、様々なプラスチックを含み、これは望ましい接触領域内でラバー、例えば熱可塑性エラストマー(「TPE」)材料で外側被覆、同時成型、又は挿入成型することができるか、或いは任意の比較的に硬いプラスチックで全体的に覆うことができる。更に、ラバー又はTPEは、金属、例えばばね鋼又はその種の他のものの上に成型することができるか、組み立てることができる。そのような実施形態においては、高降伏力金属、例えば、ばね鋼は、バンド412の望ましい形の可塑性(又は恒久的)変形を防ぐのに用いることができる。同様に、イヤピース446はプラスチック又は金属から製造することができ、増大した摩擦又は快適性のためにラバー又はTPE要素で少なくとも部分的に被覆若しくは覆うことができる。
【0060】
上述したバンドの変形例においては、中央部分430とアーム440A及び440Bとは、一緒に取り付けることができる個別の要素とすることができる。
一つの実施形態において、アーム440A,440Bは、構造を保管又は輸送のために曲げられることをかのうとするために、ヒンジにより中央部分430へ取り付けることができる。そのようなヒンジは、ばね留めにして、中央部分430又はアーム440A,440B内の代わりにヒンジ内で屈曲を可能とすることができる。
【0061】
図示の実施形態において、ブーム414は、アーム部分476においてバンド412から延伸ハウジング452を含み、アーム部分476は細長くすることができ、バンド412からエルボー部分450へ離間して延出し、これはディスプレイ454をアーム476に対する角度において支持する(アームは細長い形状を有して、それを通じる縦軸を規定するように示されている)。図示のように、ディスプレイ454(これもまた細長くされて、一般にディスプレイ軸を規定する)はアーム部分476に対して約80°から約110°の範囲とすることができる角度で延出することができる。実施形態においては、ディスプレイ454はアーム部分476に対して約90°で角度付けられる。エルボー部分450は、図に示すように、曲げることができるか、又は、鋭い隅によって形成された屈曲を含むことができるか、或いは、ディスプレイ454が近傍のアーム部分476から直接に外側へ所望の角度で突出するように構成することができる。実施形態においては、ディスプレイ454に関係した画像源及びその関連回路は、ハウジング452内にそのエルボー部分450で支持することができる。タッチ型入力はアーム部分476内に配置することができ、ディスプレイ454がユーザーの眼の上に位置するとき、アーム部分476は、その眼に隣接するユーザーのこめかみに亘って延出する位置に配置することができる。
【0062】
図示の実施形態においては、ディスプレイ454は概ね透明なプリズムの形態であり、これはユーザーの視覚に、ハウジング452内に配置された電子表示部品により生成された画像を重ね合わせるか又は組み合わせるように構成されている。そのようなプリズムは、受け入れ側458における投影画像を受け取って、ディスプレイ454の視認側460を見るユーザーに対して視認可能な画像を形成するように構築することができる。これは、特定の形状又は材料特性でディスプレイ454を構成することによってなすことができる。図5の実施形態においては、ディスプレイ454の受け入れ側458は、ハウジング452に隣接若しくはハウジング452内にあり、ハウジング452の内側の電子部品は、望ましいビデオ画像をプリズム454の受け入れ側458へ投影するように構成されたビデオ・プロジェクターを含むことができる。そのようなプロジェクターは、プリズム454の適切な領域に画像を合焦させるために、必要とあれば、LCD、CRT、及びOLEDディスプレイとレンズなどの画像源を含むことができる。ディスプレイ454に関連した電子部品は、プロジェクターに、それにより受信されたビデオ信号に基づいて望ましい画像を生成させる制御回路も含むことができる。他の形式のディスプレイ及び画像源は、上述したものであり、かつ、ブーム414に取り込むこともできる。更に、ディスプレイは、例えば、透明な基板からなるビデオ・スクリーンの形態にすることができる。そのような例においては、画像生成手段は、ディスプレイ全体が透明でないように、スクリーンの背後に直接に配置されたLCDディスプレイ、CRTディスプレイ等のための回路とすることができる。そのような実施形態においては、ブームのハウジングは、ディスプレイ及び画像生成手段の背後に延出させて、画像生成手段を囲むことができる。
【0063】
ディスプレイ454の受容面458は、プリズム454の視認面460に対して垂直にして、透明なプリズムを、投影された画像をデバイスの着用者を囲む環境の視覚と組み合わせるために使用することができる。これはユーザーが、
周囲の環境とプリズム454に投影された画像との両方を見ることを可能にする。プリズム454及びディスプレイ電子部品は、不透明若しくは透明な画像、又はそれらの組み合わせを呈示して、様々な望ましい画像の組合せを達成するように構成することができる。
【0064】
ブーム414は、バンド412に対して、ユーザーの眼から離間した距離においてディスプレイ450を適切に位置させるように取り付けられる。図5の実施形態に示すように、装着されるとき、アーム部分476はユーザーの頭部のこめかみ上に位置するように構成されている。そのような位置では、アーム部分476は、バンド412の対応するアーム440A又は440Bに隣接して配置される。従って、ブーム414は、ブーム414のアーム部分476とバンド412の対応するアーム440A又は440Bとの間の位置において、バンド412に取り付けることができる。一例において、アーム部分476は、アーム部分476の縦軸に沿って、バンド412へ取り付けて、バンド412から離間するように延出させることができ、その縦軸は取り付けの位置においてアーム440A又は440Bの位置に対する接線である。アーム部分476は、従って、アームの中央部分430に沿ってユーザーの額へ接触するように内側へ曲がるにつれて、かつ、アーム部分476が連続的に前方へ延伸して、その縦軸に沿って延伸するにつれて、バンド412から分岐する。これは、アーム440A又は440Bの側面におけるユーザーの眼の上に少なくともディスプレイ454の概ね適切な位置決めを可能とし、アーム440A又は440Bの側面にはブーム414が所定の角度で取り付けられ、この角度ではエルボー部分450がディスプレイ454をハウジング452のアーム476に対して位置させる。
【0065】
ブーム414は、幾つかの異なる構造の何れか一つを用いて、バンド412へ取り付けることができる。一つの実施形態において、ブーム414はその間の収束点でバンド412と共に一体的に形成することができる。類似した例においては、ブーム414のハウジング452の一部分(例えば、装着されたときに、ユーザーの頭部に隣接して位置するその内側部分)は、バンド412と共に一体的に形成することができる。そのような例においては、次いでハウジング452の残りの部分は、ねじ、スナップ式嵌合又は圧入構造、接着剤、超音波溶接等を用いて、それらを組み立てることができる。他の実施形態においては、ブーム414はバンド412へ、その相互係合位置に配置されたねじ又は他のファスナー又はスナップ式嵌合、又は圧入構造を用いて取り付けることができる。更なる構造が可能であり、これは、ブーム414とバンド412との間の或る程度の調整を可能とする。例えば、摺動継ぎ手は、ブーム414をバンド412へ取り付けるのに用いることができる。そのような摺動継ぎ手は、トラック若しくはガイドとして働く要素及びこのトラック若しくはガイドに係合する他の要素内で、蟻継ぎ又は類似した継ぎ手の形態とすることができる。回転継ぎ手も可能であり、上述したねじ又はスナップ式嵌合構造を用いて実装することができる。他の取り付け構造は、本開示事項の更なる実施形態を参照して以下に説明する。
【0066】
図5の実施形態は、装着されたとき、ブーム414がバンド412に取り付けられて、それがユーザーの左眼の上に位置するように示されているが、他の類似した実施形態も可能であり、ここではブーム414の鏡像がバンドの反対側へ取り付けられて、それをユーザーの右眼の上に位置できるようにできることにも留意されたい。デバイス・アセンブリ410の応用又は個々のユーザーの嗜好に依存して、ブーム414をユーザーの頭部の特定の側に位置させることが望ましいこともある。例えば、右利きの人は、ブーム414をその頭部の右側に有するようにして、タッチ型入力470との相互作用をより容易にすることを好むであろう。他の例では、或る人は利き眼の上にディスプレイ454を有するようにして、ディスプレイ454に呈示された要素との相互干渉をより容易にするか、或いは、非利き眼の上にして、他の活動に携わっているときに、ディスプレイ454に呈示される要素から離れてその人の焦点を移動させることをより容易にすることを好むであろう。
【0067】
図5及び図6に示すように、ブーム414は、バンド412に取り付けることができるか、さもなければバンド412と共に形成することができ、ユーザーの頭部に装着されたときの位置にあるときに、ブーム414がバンド412の下に位置させるようにする。この構成は、ディスプレイ454とバンドの中央部分430とについて望ましい相対的位置に起因して、有利なものとなる。
特に、ユーザーの額の上の位置にある中央部分430により、ディスプレイ454が中央部分430の垂直下方に位置して、ユーザーの視線の少なくとも一部となるようにすることが望ましいこともある。従って、実施形態においては、この位置決めは、ブーム414をバンド412に取り付けて、ブーム414をバンド412の垂直下方にして、バンド412又はブーム414の任意の相互作用要素を除外することにより達成される。他の配置も可能であり、例えば、ブーム414をバンド412へ重なり合う方式で取り付け、ブーム414を取り付け位置においてバンド412の外側に位置させるようにする。そのような配置においては、ブーム414は、必要に応じて下方へ曲がることができ、ディスプレイ454をユーザーの眼に対して適切に位置させる。この配置は、何れかの眼の上でディスプレイ454に「弾く」ように装着されるアセンブリ410を与えるように用いることもでき、ブーム414は、ユーザーの頭部におけるバンド412の向きとは無関係にバンド412の下方へ位置するように適切に回転する。
【0068】
上述のように、ブーム414はバンド412に関して調節可能にすることができるので、ユーザーはその頭部に楽な位置でバンド412を装着することができ、次いで、ディスプレイ454を望ましい若しくは適切な機能的位置に置くように調節をなすことができる。例えば、ユーザーは、その視線(垂直と水平との両方)に直接にディスプレイを位置させることを望むこともあれば、ディスプレイ454をユーザーの視線の上方、下方、又は外側に有するようにすることを望むこともある。そのような位置決めは、ユーザーがデバイス410をどのように使用するかに従って変化することがあり、或る用途のために急速な調節を役立つようにする。他の実施形態において、そのような調節はブーム414そのものの範囲内でなすことができ、ブーム414とバンド412との間の固定的なアタッチメントを可能とする一方で、同様な調節を更に可能とする。
【0069】
図5-7の実施形態においては、ハウジング452はディスプレイ・ハウジング475とアーム・ハウジング476とに分けられている。図示のように、ディスプレイ・ハウジング475はエルボー部分450を規定し、それに装着されたディスプレイ454を有する。アーム・ハウジング476はブーム414のアーム部分を実質的に規定し、タッチ型入力470を含むことができ、これは個別の要素にできるか、上述のように、ハウジング452の操作表面474とすることができる。一つの実施形態においては、ハウジング452のディスプレイ部分475及びアーム部分476は、柔軟な外層(図示せず)によって覆うことができる。この外層は、例えば、ラバー材から形成することができ、二つのハウジング部分の間の任意の継ぎ手を覆って、ブーム414に見栄えの良い均一な外観を与えることができる。ディスプレイ部分475とアーム部分476との間の回転継ぎ手を使用することができ、これはピンのような個別の要素によって、又は、一体的に形成された機構(例えば一緒にスナップ留めすることができるポストと嵌合穴)によって、形成することができる。更に、アーマチュア・ワイヤ又は玉継ぎ手を、ディスプレイ部分475とアーム部分476との間に組み立てることができ、更なる軸に沿って調節を可能とする。そのような継ぎ手も柔軟な外層によって覆うことができる。
【0070】
この実施形態においては、ディスプレイ・ハウジング475は、アーム・ハウジング476に回転可能に取り付けることができる。次いでブーム414を、本明細書に説明した任意の構造により、バンド412へ取り付けることができる。ディスプレイ・ハウジング475の回転は、ユーザーの眼に対するディスプレイ454の位置のための調節の付加的な若しくは代替的な形態を実施することができる。図7Bに示すように、ディスプレイ・ハウジング475は、アーム・ハウジング476に対して上方へ回転することができる。更に、図7Cに示すように、ディスプレイ・ハウジング475は、アーム・ハウジング476に対して下方に回転することができる。一つの実施形態においては、ディスプレイ・ハウジング475とアーム・ハウジング476との間の回転の点484は、ユーザーの眼の焦点中心の近傍に位置させることができる。これは、上述したように、寸法を変えるバンドにおける予め定められた非調節可能な取り付け構造に基づいて接近させることができるか、又は前後ろに調節可能な取り付け構造、例えば上述したもの及び図9について以下に説明するものによってなすことができる。
【0071】
図8A及びBに示すように、ディスプレイ454の特定の構造、例えば特定のディスプレイ構成(或る種のプリズムの使用を含む)においては、視認表面460がディスプレイ454内の画像位置からの線に対してユーザーの眼の焦点中心へ垂直にあるように、ディスプレイ454の方向を正しい位置に置くことは有益である。ディスプレイ・ハウジング475の回転を可能とすることにより、即ち、ディスプレイ454をアーム・ハウジング476に関して回転させると、ディスプレイ454は、異なる顔の構造とディスプレイ454又はバンド412の水平又は垂直位置についての異なる嗜好とを有するユーザーにより視認するための最適角度に位置させることができる。図8Aは、ユーザーの眼490の水平中心492より上の位置におけるディスプレイ554を示す。
ディスプレイ454は回転するか、さもなければ、ユーザーの顔(図8Aのページの内外)に対して横方向に延出する軸484に関して回転し、表面460は、表面460とユーザーの眼490の焦点中心496との間に延伸する線494に対して垂直になる。図8Aに示す図は単なる例であり、異なるユーザーは、その眼の焦点中心の異なる位置を持つことができることに留意されたい。図8Bは、ユーザーの眼の水平中心492の近傍で垂直に位置したディスプレイ454であって、上述のように、ユーザーによる最適視認のためにそれに応じて回転したディスプレイを示す。
【0072】
上述したように、タッチ型入力470の形態における入力デバイスも望ましくはブーム414に含まれる。タッチ型入力470は、タッチパッド又はトラックパッド型デバイスとすることができ、これは、指の位置と移動との少なくとも一方を、幾つかある他の可能性のうち、容量検知、抵抗検知、又は表面音響波処理を介して検知するように構成されている。タッチ型入力470は更に、その表面に対して平行又は平坦な方向、表面に対して垂線方向、又はそれらの両方における指の移動を検知する能力があると共に、加えられた圧力のレベルを検知する能力がある場合もある。タッチ型入力470は、一つ以上の絶縁、又は誘電層を有して形成することができ、その層は不透明、半透明、又は透明にすることができ、一つ以上の導電層の内層は、不透明、透明、又は半透明にすることができる。
【0073】
実施形態においては、タッチ型入力470の外層は、ハウジング452の外壁453の一部とすることができる。これは、タッチ型入力470のハウジング452へのシームレスか均一な組み込みを提供することができる。
ハウジングはタッチ型入力470の内層及び任意の電気的構造、例えば制御回路、それに関連したものを包含するために内部キャビティを規定することができる。タッチ型入力470の外層は、全体的な壁453、又はその一つ以上のタッチ表面470の形態における選択された操作領域472を含むことができ、これはタッチ型入力470の寸法、形状、及び位置によって決定付けられる。ハウジングの一部分がタッチ型入力470の外層として用いられるのであれば、ハウジング452はプラスチックのような誘電体から製造することができる。代替的な実施形態においては、タッチ型入力はハウジング452の開口に装着された個別の要素とすることができ、そのハウジングは、壁453から離間したそれ自身の誘電外層を含み、ラップトップ・コンピュータにおけるタッチパッドと同様な方式で、壁453を通じる窓若しくは開口内の操作可能領域を規定する。
【0074】
図示の実施形態においては、タッチ型入力470はアーム部分476に配置されて、ユーザーの頭部の側部の一部の上に横たわる垂直面を規定する。従って、タッチ型入力470は、アセンブリ410が装着されているとき、アセンブリ410のユーザーには見えない場合がある。ユーザーがタッチ型入力470の任意の操作可能な領域472を確認するのを付助するために、ハウジング476は、高くされたか、窪められたか、又は粗くされた表面により提供されたテクスチャーを有するように形成することができるので、ユーザーの指がタッチ表面472に接触したときにユーザーへ触覚フィードバックを与える。このようなテクスチャーは、操作可能な領域472の境界を定めることができ、操作可能な領域472を通じて一貫性があるか、又は操作可能な領域472の水平及び垂直の長さに沿って変化させて、操作可能な領域472に接触している指の位置により、ユーザーにフィードバックを与えることができる。
【0075】
タッチ型入力470は、壁453又は、ハウジング452の他の部分、例えばその上部又は底面に更なる操作可能な領域472を含むこともできる。これは、容量センサ層を位置決め、例えば、選択されたハウジング表面の下にすることにより達成できる。他の実施形態においては、例えば、更なるタッチ型入力をブーム413の異なる位置、例えばエルボー部分450に設けることができる。タッチ型入力470の各々は、独立して操作することができ、異なる機能を提供することができる。更に、ハウジング452は、更なる入力構造、例えば、ボタン474を含むことができ、これは、係止若しくは休止特徴の実施、又はオン状態とオフ状態との間でユーザーにブーム414への電力の切り換えを可能にすることを含めて、ブーム414のための更なる機能性を提供できる。
【0076】
タッチ型入力470、又は他の形式の入力は、制御機能を提供するために使用することができ、これは、ブーム414により、例えば、搭載CPU又は関連する装着可能な構造又はその内部に実装されたCPUにより、或いは遠隔デバイス(例えばスマートフォン又はラップトップ・コンピュータ)により、実行される。一つの実施形態においては、制御機能に関連した情報は、ユーザーによりディスプレイ454上に視認可能である。一つの例においては、制御機能は、メニュー項目の選択である。そのような例においては、オプションのリストによるメニューは、ディスプレイ454に呈示することができる。ユーザーはカーソルを動かすことができるか、又はタッチ型入力470に沿って指の予め定められた動きによって強調されたオプションを通じてスクロールすることができるか、及び異なる動作によって選択を確認することができ、選択の承認がディスプレイによって示される。メニュー項目選択の例は、遠隔してリンクされたスマートフォンにおける着信に答えるか拒否するか、或いはディスプレイに呈示されたマップのスクロール又はズームインである。
【0077】
更なる入力構造をブーム414に含めることができる。これは、図5に示すように、カメラ426及びセンサ428を含むことができる。カメラは、写真を撮るか、又はユーザーの判断でビデオを録画するのに用いることができる。カメラは、ユーザーの環境のユーザーの視界の画像を得るためにデバイスにより用いられることもでき、拡張現実機能を実施する際に使用される。センサ428は、例えば、カメラ426に関連したファームウェア又はソフトウェアにより使用することができる光センサとすることができる。図5に示すように、カメラ及びセンサは、ハウジング452内に含めることができ、このハウジングは、エルボー部分450内に配置されて、ディスプレイ454の視認表面460と実質的に直交する方向に対面する。そのような構成においては、カメラ426はユーザーの視線に沿った方向に面して配置され、センサ428はカメラ426の視野の範囲内で光を検知するために配置される。カメラ426及びセンサ428についての他の場所も可能である。一つの例においては、カメラ又は複数のカメラは、バンド412内に配置することができる。そのような構成は、中央部分430の近傍、例えば、デバイス410が装着されたときに、ユーザーの眼の間に位置するように構成された位置に配置された単独のカメラを含むことができる。他の構成においては、カメラをバンド412に配置して、デバイス410が装着されているときに、各々のカメラをユーザーのそれぞれの眼に整列させるようにすることができる。更に他の構成においては、一連のカメラをバンド412の長さに沿って規則的な間隔で離間、例えば中央部分430を横切るようにすることができる。そのような構成においては、センサ428がカメラ426の間に散在させることができる。同様に、センサは、説明した任意の他の場所において、そこに配置された何れかのカメラの近傍に配置することができる。
【0078】
一つの実施形態において、ボタン474はユーザーからの入力を受信して、デバイス410に、カメラ426又はデバイス410の複数のカメラの一つを用いて画像を撮るように指示するように構成することができる。一つの実施形態においては、デバイス410内の制御回路又はソフトウェアは、ユーザーに、複数のカメラの一つ又は複数のカメラを選択させることを可能にすることができ、そのカメラにより、ボタン474を用いる入力を受け取る前に、画像を撮り、即ち「写真を撮り」、選択されたカメラを用いて画像を実際に撮る。ボタン474は、ハウジング452の上面467に沿って、ブーム414に配置することができる。そのような位置決めは、ユーザーがハウジング452を把持することを可能とし、例えば、上面467から反対側に位置するユーザーの親指を用いると共に、ユーザーの人差し指でボタン474をピンチング動作へ押す。この動作は、従来のカメラ(例えば自動露出又はSLRカメラ)においてシャッターを起動するのに用いられる動作、又は人々によってそのような動作を模倣するのに用いられる動作と同様とすることができ、ボタン474の使用は、ユーザーに対して、より直観的に、カメラ474により写真を撮らせる。更に、上述のピンチング動作へ押されるボタン474の位置決めは、ボタン474のより安定な起動をもたらし、ボタン474が押されたとき、ユーザーの親指はブーム414のための支持を与える。このような安定性は、ボタン474を低起動圧力に構成することにより更に向上させることができ、ボタンへ加えられる力を画像撮影の間にブーム414を移動させないように充分に低くする。
【0079】
上述のように、ハウジング452はタッチ型入力470のために回路のような電子回路を包含することができる。更にハウジング452はディスプレイ454、カメラ426又はセンサ428に関連した画像源のための制御回路、或いは一つ以上の回路基板を含むことができ、その回路基板は、ディスプレイ454、タッチ型入力470を制御するか、又はブーム414のための他の機能を実行するプロセッサを含むことができる。ハウジング452は、電源、例えば他の回路へ電力を供給するバッテリを更に含むことができる。更に、ハウジング452は、メモリ、マイクロプロセッサ又は通信デバイス、例えば携帯電話、短範囲無線(例えばブルートゥース)又は遠隔デバイスへの接続のためのWiFi回路を含むことができる。更に、そのような回路は、イヤピース446の少なくとも一つなどにおいてバンド414に、例えばその内部のキャビティ内に含めることができる。図7に示すように、装着されている間、イヤピース446はユーザーの耳の後又はその上に配置するように構成することができる。イヤピース446は更に、デバイス・アセンブリ410の位置を固定するのを付助するように、ユーザーの頭部の一部と接触するように構成することができる。イヤピース446は、例えばAAA、AA、又は9ボルト形式バッテリなどの様々な形態のバッテリ又は複数のバッテリを含むように構成することができる。バッテリはリチウム−イオン又はニッケル−カドミウム電池のような充電式バッテリとすることもでき、ユーザーにより取り外し可能とすることもでき、恒久的又は半恒久的とすることができる。イヤピース446は、ポート(図示せず)を更に含み、このポートは、デバイス・アセンブリ410を電源へ接続して、バッテリをそこから取り外すことなく再充電するか、上述のように、デバイス410をそれらと通信する遠隔デバイスへ接続するか、或いは、デバイス410のメモリに含まれたソフトウェアを更新又はインストールするために使用することができる。
【0080】
イヤピース446はブーム414のそれにバランシング・ウェイトを与えるように構成及び配置することができる。ブーム414はユーザーの耳の前方に配置され、これはその重量の一部がユーザーの額の上で支持されるようにすることができる。イヤピース446の形態でユーザーの耳の後に重力を加える(又は、重量をユーザーの耳の後にずらす)ことにより、耳は、その周りでブーム414の重量がイヤピース446のそれに対して均衡をなす支柱になる。これはユーザーの額における若干の重量を除去することができ、より快適で、おそらくはより安全な嵌合を与え、ユーザーの額への中央部分430の下向きの潜在的な滑りを低減させる。イヤピース446内の部品、例えばバッテリ又は様々な制御回路は、デバイス・アセンブリ410のために望ましい重量分散に寄与するように配置することができる。例えば、より重い部品、例えばバッテリは、アーム440Aにおけるブームへ向かって又はそれから離間して置いて、重量分散を調節することができる。一つの実施形態においては、重量の大部分はユーザーの耳によって支えることができるが、若干の重量を依然として額によって支えることができ、デバイスに安心感を与えて、ディスプレイ454のための望ましい位置を維持するために中央部分430を額における望ましい位置に保つことができる。一つの実施形態においては、デバイス・アセンブリの重量の55%と90%との間をユーザーの耳によって支持することができる。
【0081】
商業的な設定では、デバイス410に類似する幾つかの異なるデバイスは、頭部の寸法の異なる範囲、例えば「小」、「中」、及び「大」に適合するように構成されたそれぞれのバンド412を有して利用可能になることができる。
同様に、様々な寸法の範囲内の左眼ブーム位置及び右眼ブーム位置についての変更例も利用可能とすることができる。更なる実施形態もまた可能であり、ここでは様々なブーム及びバンドが交換可能であり、個々に販売することができる。デバイスの更なる変更例が利用可能であり、ここではバンドが異なる嵌合スタイル(例えばイヤピースの有無又は形状の変化)又は色で提供される。
【0082】
この例においては、単独のブーム414は、バンド412から延出して示されている。或いは、二つのブームを含めることができ、一方はバンド412の各々のアーム440A及び440Bへ取り付けられて、ユーザーの各々の眼に対応する。更なる代替例として、単独のディスプレイ545は、両眼によって視認可能な画像を表示するためにユーザーの両眼に亘って延伸するように構成されたプリズム又は他の構造と共に使用することができる。
【0083】
図9に示される実施形態においては、デバイス510は、柔軟な内部部分538と弾力的な外部部分548とを含むバンド512を有している。この構成は、図10の分解図に更に図解されている。内部部分538は、ユーザーの頭部に接触することを目的とするバンド512の任意の部分を含むことができる。
図示される特定の実施形態においては、内部部分538は、バンド512の全内面539を規定することができ、内部分の柔軟な材料が、ユーザーの頭部に接触がなされるバンド512の領域に無関係に、ユーザーの頭部に接触することを確実にする。内部部分538は、バンドの一般的な形状を保持することができる一方、ユーザーの頭部でバンド512の嵌合の快適性を強化するために或程度の柔軟性を与えることができる任意の材料から製造することができる。
許容できる材料は、様々な発泡材料、例えば発泡ラバー、ネオプレン、天然又は合成革、及び様々な織物を含む。一つの実施形態において、内部部分530は、射出成形又は成型TPEから製造される。内部部分530の材料の柔軟性は、材料のデュロメーターで測定することができる。一例として、内部部分438は、50と70との間のデュロメーターを有するTPEから製造することができる。内部部分538はそれを通じる中空通路を有するか、或いは、内面59の反対側内に形成されたチャンネルを有して形成することもできる。そのような通路又はチャンネルは、ブーム514に関連した任意の配線に経路付けるように用いることができる。例えば、一つの実施形態においては、バッテリ(図示せず)は、ブーム514の内部部品に接続されてそれらに電力を供給するバンド512のイヤピース546の一方に収容することができる。この接続は、内部部分538を通じるチャンネル又は中空通路を通じて経路付けされた有線結線によりなすことができる。
【0084】
バンド512の外部部分548は、弾力性可撓材料、例えば金属又はプラスチックから製造することができる。一般に、そのような材料の性質は、外部部分548がバンド512についての望ましい形状を保つことができ、一方、或る程度の可撓性を可能として、バンド512はユーザーの頭部に嵌合するように延伸して、バンド512を保持するのを付助するように快適な圧力をそこに加えるようなものでなければならない。或る実施形態においては、外部部分548は、ユーザーの頭部に装着されることを可能とする範囲内で弾性的に変形可能であり、かつ、ユーザーがバンド548の形状の調節を可能とする弾力的変形範囲を上回って可塑変形可能である。他の実施形態においては、外部部分548は、ユーザーが恒久的にバンド512の形状を変えることが充分にできない高い閾値まで、外部部分548は弾力的に変形可能である。外部部分548のための許容できる材料は、金属、例えばアルミニウム、ニッケル、チタン(グレード5チタンを含む)、様々な鋼(ばね鋼、ステンレス鋼等を含む)又はこれらとその他の材料を含む合金を含む。外部部分548の厚みは、使用される材料に従い、望ましい可撓性特性を与えるように調整することができる。
【0085】
図9に示すように、内部部分538は外部部分548により形成されたチャンネル549内に少なくとも部分的に嵌合するプロファイルが有することができる。ここに示した例においては、内部部分538が、内部表面539の反対側のチャンネル549の比較的に狭い部分に沿ってチャンネル549内に嵌合するように寸法付けることができる。次いで内部部分538は外部部分548を越えて内側に延出することができ、そのような部分に沿って比較的に広くなり、これは内面539を含むことができる。チャンネル549はその中におけるバンド512の任意の配線も受け入れるか、そのような配線を支持するように内部部分に形成された部分的に開放したチャンネルを閉止するように構成することができる。
【0086】
更に、図9に示される実施形態において、イヤピース546は内部部分538と一体的に形成することができ、外部部分548の端部544を越えて延出することができる。これらの実施形態においては、内部部分538は、イヤピース546を形成するその部分内で、内部支持を含むことができる。そのような内部支持は、バッテリ又はデバイス510に関連した他の電子回路を包含できる電子ハウジングを含むことができる。内部支持は、弾性部材、例えば、ばね要素(図示せず)も含むことができ、着用者の頭部に対してバンド512の屈曲及び保持圧を提供するのを付助する。そのようなばね要素は、可塑的に変形することができ、ユーザーにイヤピース546の調整を可能とする。アーマチュア・ワイヤの長さは、そのような特性を提供するのに用いることができる。イヤピース546内の任意の内部支持は、内部部分538の領域へ延出することができ、これは外部部分548内でそれについての更なる支持を与える。
【0087】
図9は、ブーム514の例を示し、これは一般的形態においてユーザーの右眼上に嵌合する構成にあり、ユーザーの左眼上で使用するように構成された図5のそれにおける形態の鏡像である。図5-図7の実施形態と同様に、図10Aの実施形態は、ユーザーの左眼の上に装着することができるバージョンの鏡映若しくは逆にすることができる。
【0088】
図9に示される実施形態においては、バンド512のアタッチメント特性532は、アーム540Aの長さに沿って延伸するトラック536を含む。ブーム514とバンド512との間のアタッチメントは、バンド512とブーム514との間の相対位置の間の調節を可能とするように構成することができる。ブーム514はねじ566を含むアタッチメント機構562を含み、、ねじ566のシャンクはトラック536内で嵌合して、ねじ566のヘッドがアタッチメント機構532のボディに沿って外側へ延出する。そのような構成においては、ブーム514がねじ566を用いてアタッチメント機構532へ取り付けることができ、ブーム514は、ねじ566をトラック536内で摺動させることにより、バンド512に対して前方及び後方へ移動させることができる。このような調節は、例えば深く窪んだ眼又は比較的に額に接近して位置した眼を有するユーザーについて、例えば、異なる眼の位置を補償することによって、様々な形態の「アイ・リリーフ」を提供することができる。更に、アタッチメント532の前方及び後方調節能力によって与えられたアイ・リリーフは、比較的に長いまつげを有するユーザーのまつげを含めて、ユーザーのまつげをあけてディスプレイ554を位置させることを可能とすることができる。次いでねじ566は、ハウジング552へ締めることができ、ブーム514の位置をバンド512に対して固定する。ハウジング552は、アタッチメント部分532に対するブーム514の或る程度の回転を可能とするように構成することができ、ブーム514の回転位置は、ねじ566をハウジング552へ締めることにより固定することもできる。この取り付けは、ハウジング552とアタッチメント構成532との間に位置したばね(図示せず)等を採用することもでき、ブーム514はそこから離間するように偏倚される。これは、ねじ566を締めることにより調節されるブーム514及びひいてはディスプレイ554の側方位置を可能とすることができ、これはハウジング552をアタッチメント構成532へ近接させて引くことができる。何れの構成においても、ブーム514は、それがハウジング552から外れるまで、ねじ566を緩めることによってバンド512から分解することができるようにすることができる。他の実施形態においては、ねじ566はその端部にストッパー若しくは類似した構造を有し、これはハウジング552内にあって、ねじ566が外れないように、ひいてはブーム514がバンド512から分離しないようにすることができる。トラック536は、導電構造、例えば露呈されたワイヤ区画、或いは、そこに部分的に埋設されて、ブーム514のハウジング552に位置する更なる導電構造に整列することができるトレースを含むことができ、バンド512内の電子要素とブーム514内の電子部品(画像源又はタッチ型入力570を含む)との間の接続を可能とする。他の実施形態においては、外部ワイヤ(図示せず)はバンド512から外方へ延出して、ブーム514におけるアウトレットへ差し込むことができ、それらの間で望ましい電気接続を達成する。バンド512は更なるワイヤを含むことができ、これは少なくともその一部分を通じて伸び、互いに遠隔して位置し得るそのような部品を更に接続する。
【0089】
図11はデバイス610の代替的実施形態を示し、ここではバンド612がその中央部分630に取り付けられたノーズブリッジ620を含み、着用者の額ではなく、着用者の鼻における中央部分630の支持を与える。図示の実施形態においては、ノーズブリッジ620は、中央部分630から延出する一対のブリッジ・アーム622を含む。図11に示されるデバイス・アセンブリ610の実施形態に見られるところでは、ブリッジ・アーム622は、中央部分630から下方向へ延出している。他の図面におけるように、図12に示されるデバイス・アセンブリ610の方向は、ユーザーの頭部が中立の直立した姿勢にあり、ユーザーにより装着されたとき、デバイス610の方向に概ね対応する。中央部分630から下方に延出するブリッジ・アーム622の説明は、そのような参照フレームについてなされ、この説明の目的のためになされる。
任意の他の相対的な参照方向に関する説明も類似した目的のためにもなされ、明示されない限りは、何ら本開示事項に関して制限することを目的としない。
【0090】
ブリッジ・アーム622はその上にそれぞれのパッド624を含むことができ、これは着用者の鼻の部分に静止させるように配置することができる。パッド624は、快適さのためにアーム622よりも柔らかい材料から製造することができる。更に、パッド624が製造される材料は、可撓にすることができるか、又はユーザーの鼻の表面に沿った滑りを防ぐ質感を持たせることができる。ブリッジ・アーム622は、可撓にすることができ、快適な適合性及び又はユーザーの鼻に対する把持を更に与える。更に、ブリッジ・アーム622は、屈曲可能に変形可能であり、かつ、再位置決め可能であることにより、パッド624の位置をユーザーに最も適合するように変えることができる。これは中央部分630に対して、一緒に近接するか、より遠く離れるか、又は前後への移動を含むことができ、それは中央部分630の高さ、従って、ユーザーの眼に対するブーム614及びそのディスプレイ654の位置を調節することができる。ディスプレイ及びそれの他の構造の更なる調節は、上述した実施形態におけるそれらと同様にすることができ、これは構造がブーム614をバンド612へ取り付けることから解る。他の実施形態においては、図示の実施形態と比較して、構造がアームと同様であり、パッドは中央部分630と一体的に形成することができ、かつ、ノーズブリッジ620のより大きな又は小さな領域がユーザーの鼻と接触するように構成することができる。この形式のデバイス610は、重量分散構成(図5-7に関して上述したもの)を可能とし、ここでは、更なる重量をユーザーの耳の前方側に分散させることができる。一つの例においては、このような形態においては、デバイス610の重量の約60%まで、ノーズブリッジ620との接触を通じて、着用者の鼻で支持することができる。
【0091】
更なる構成要素を本明細書に説明した様々なデバイス・アセンブリに含ませることができる。これらの構成要素は、更なる入力、制御回路ボード、アンテナ等を含むことができる。これらの更なる構成要素がそのようなデバイス・アセンブリに若しくはその内部に配置される様々な位置は、予め定められた重量分散を可能とするように選択することもできる。更なる構成要素の幾つかの例は、図12及び図13に示されている。図12におけるデバイス710の実施形態は、着用者の頭部の周囲に完全に巻き付くバンド612を含む。そのような実施形態においては、巻き付け部分684は、バンド612又はバンドの一部(例えば図9及び図10に示される内部部分538)と一体的に形成することができる。或いは、巻き付け部分684は、個別の構造とすることができ、これは、それ自身でバンド412に取り外し可能に組み立てることができるイヤピース(例えば図5におけるイヤピース446)の代わりに、バンド612に組み立てることができる。巻き付け部分684は、着用者の頭部の後方に接触する安全な嵌合が、そこにデバイス610を適所にある状態に保つ(例えば多くの運動を必要とする活動の間)ことを付助するために構成することができる。或いは、デバイス610が操作上の位置に装着されているとき、巻き付け部分684は比較的に緩い嵌合とすることができ、ユーザーにユーザーの頭部からデバイス610を取り外して、デバイスをユーザーの首の周りに装着し続けることを可能とする。巻き付け部分684は、デバイス610及び内部接続に電流を供給する一つ以上のバッテリと、そのような電流を伝える配線とを収納するように構成することができる。一つの例においては、巻き付け部分684は一つ以上の可撓性バッテリ構造を収納することができ、巻き付け部分684を曲げるか若しくは撓めることを可能にして、例えばユーザーの頭部又は首に順応させる。
【0092】
図14は、イヤホーン790がバンド712に一体的にされたデバイス710の実施形態を示す。図示の実施形態において、イヤピース970はワイヤ792によりイヤピース746の端部へ接続されている。この配置は、イヤピース746を本明細書に説明された他のイヤピース(例えば図5におけるイヤピース446)と交換することを可能とし、ユーザーは、イヤホーン790の有無に拘わらずデバイス710を選択的に利用することができる。イヤホーン790は、デバイス710に着用者へオーディオを呈示することを可能とし、これは例えば、ディスプレイ754に呈示されている情報に関連付けることができる。一例として、デバイス710は、ディスプレイ745におけるリストに呈示された項目から選択をなすように、ユーザーへ音声要請を与えることができる。イヤホーン790は、デバイス710を通じて音楽等を再生することを可能とする。そのような音楽はデバイス710の内部メモリに記憶させることができるか、或いはスマートフォン又はコンピュータなどの他の接続されたデバイスのメモリに記憶させることができ、或いはインターネット上でデバイス710へストリームすることができる。更に、イヤホーン790は、ブルートゥース(商標名)等を介して電話から送信された電話呼び出しから音声を呈示することができる。
【0093】
本明細書における説明は特定の実施形態を参照してなされたが、これらの実施形態は単に本開示事項の原理及び応用の単なる例示であることを理解されたい。従って、多数の変更例を例示的な実施形態に対してなし得るのであり、他の配置構成も添付の特許請求の範囲に規定された本開示事項の要旨及び目的から逸脱することなく考え出し得ることを理解されたい。
産業上の利用可能性
【0094】
本願は頭部装着型ディスプレイに関し、これはユーザーの眼の少なくとも一方の上方又前方に配置された画像源によりユーザーへ画像を呈示するように構成されたものを含む。
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