【実施例】
【0034】
実施例において反応粗製物、精製物の測定は次の分析機器を用いて行なった。
【0035】
GC測定:GC−2014(島津製作所社製)およびクロマトパックC−R8A(島津製作所社製)
GC測定用GCカラム:ジーエルサイエンス社製TC−WAX(長さ30m、内径0.53mm、液層膜厚1.50マイクロメータ)、ジーエルサイエンス社製TC−1(長さ30m、内径0.53mm、液層膜厚1.50マイクロメータ)
GC/MS測定:5977A(Agilent社製)
GC/MS測定用GCカラム:ジーエルサイエンス社製TC−1701(長さ30m、内径0.25mm、液層膜厚0.25マイクロメータ)
NMR測定:ECX−400A(JEOL RESONANCE社製)。
【0036】
実施例1:(Z)−8−トリデセナールの調製
(1)8−トリデシニルテトラヒドロピラニルエーテルの調製
200mL四径フラスコに、1−ヘキシン(2.26g,27.5mmol)および乾燥テトラヒドロフラン(55mL)を仕込み、窒素雰囲気下−65°Cで冷却撹拌した。ここに、系内を−60°C以下に保ったままn−ブチルリチウム(ヘキサン中1.55M,17.6mL,27.3mmol)を20分滴下し、2時間かけて−20°Cまで昇温させながら撹拌した。再び系内を−65°Cまで冷却し、7−ブロモヘプチルテトラヒドロピラニルエーテル(5.08g,18.2mmol)の乾燥テトラヒドロフラン、乾燥1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(各10mL)混合溶液を20分滴下した。反応の経過を観察しながら徐々に昇温した後、室温にて5日間撹拌した。反応液に20%塩化アンモニウム水溶液(30mL)を加えてクエンチし、室温にて30分撹拌した。有機層を分離後、水層をヘキサン(20mL×2)にて抽出した。得られた有機層を合わせて水(20mL×1)および飽和食塩水(30mL×1)にて順次洗浄した後に無水硫酸ナトリウムにて乾燥、減圧濃縮した。得られた粗精製物(6.65g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(65g、ヘキサン/酢酸エチル=100:1→40:1)にて精製し、8−トリデシニルテトラヒドロピラニルエーテル(4.04g,収率79.2%,純度99.3%)を得た。
【0037】
(2)8−トリデシン−1−オールの調製
200mL二径ナスフラスコに、8−トリデシニルテトラヒドロピラニルエーテル(4.04g,14.4mmol)およびメタノール(75mL)を仕込み、これに氷水浴下p−トルエンスルホン酸一水和物(0.14g,0.72mmol)を加えて室温にて2.5時間撹拌した。GCにて原料消失を確認後、反応液に炭酸水素ナトリウム(1.0g)を加えてクエンチした。これをろ過して不溶物をメタノールにて洗浄し、ろ液と洗液を合わせ、減圧濃縮して溶媒を除去して残渣を得た。この残渣に酢酸エチルおよび水(各20mL)を加えて溶解した後に有機層を分離し、水層を酢酸エチル(10mL×2)にて抽出した。得られた有機層を合わせて水および飽和食塩水(各10mL×1)にて順次洗浄した後に無水硫酸ナトリウムにて乾燥、減圧濃縮した。得られた粗精製物(3.42g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(35g、ヘキサン/酢酸エチル=40:1→4:1)にて精製し、8−トリデシン−1−オール(2.72g,収率96.1%,純度99.6%)を得た。
【0038】
(3)(Z)−8−トリデセノールの調製
200mL三径フラスコに、8−トリデシン−1−オール(2.72g,13.9mmol)、シクロヘキセン(140mL)およびリンドラー触媒(0.14g)を仕込み、系内を窒素置換した後に水素雰囲気下として室温にて1時間撹拌した。GCにて原料消失を確認後、系内を窒素置換して30分撹拌した。これをろ過して不溶物をヘキサンにて洗浄し、ろ液と洗液を合わせて減圧濃縮して(Z)−8−トリデセノールの粗精製物(2.76g)を得た。
【0039】
(4)(Z)−8−トリデセナールの調製
200mL二径ナスフラスコに、(Z)−8−トリデセノールの粗精製物(1.51g,純度97.3%,7.41mmol相当)、乾燥ジメチルスルホキシド(80mL)および2−ヨードキシ安息香酸(3.20g,11.4mmol)を仕込み、室温にて3時間撹拌した。GCにて原料消失を確認後、系内にエーテルおよび水(各50mL)を加えて20分撹拌した。これをろ過した後に有機層を分離し、得られた水層をエーテル(50mL×2)にて抽出した。有機層を合わせて、水、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水(各50mL×1)にて順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムによる乾燥、減圧濃縮を経て粗精製物(1.69g)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20g、ヘキサン/酢酸エチル=20:1→7:1)およびクーゲルロールにて順次精製し、(Z)−8−トリデセナール(本発明品1、1.38g,収率92.6%,純度98.7%)を得た。
【0040】
(Z)−8−トリデセナールの物性データ
1H−NMR(400MHz、CDCl3):δ(ppm)0.88−0.92(m、3H)、1.26−1.38(m、10H)、1.58−1.78(m、2H)、1.95−2.05(m、4H)、2.42(dt、2H、J=1.6、7.2Hz)、5.28−5.40(m、2H)、9.76(t、1H、J=1.6Hz)
13C−NMR(100MHz、CDCl3):13.97、22.02、22.31、26.89、27.04、28.94、29.03、29.48、31.91、43.86、129.54、130.05、202.88
MS(m/z): 196(M
+、1)、178(27)、152(4)、149(9)、135(21)、121(37)、111(29)、98(49)、81(61)、67(60)、55(100)、41(47)、29(13)
【0041】
実施例2:(Z)−7−トリデセナールの調製
(1)7−トリデシニルテトラヒドロピラニルエーテルの調製
200mL四径フラスコに、1−ヘプチン(7.25g,75.4mmol)および乾燥テトラヒドロフラン(62mL)を仕込み、窒素雰囲気下−65°Cで冷却撹拌した。ここに、系内を−60°C以下に保ったままn−ブチルリチウム(ヘキサン中1.55M,48.6mL,75.3mmol)を30分滴下し、2時間かけて−20°Cまで昇温させながら撹拌した。再び系内を−65°Cまで冷却し、6−ブロモヘキシルテトラヒドロピラニルエーテル(10.03g,36.9mmol)の乾燥1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(62mL)溶液を30分滴下した。反応の経過を観察しながら1時間かけて室温まで昇温した後、さらに1.5時間撹拌した。GCにて原料の消失を確認後、氷水冷下にて反応液に20%塩化アンモニウム水溶液(50mL)をゆっくりと加えてクエンチし、室温にて30分撹拌した。有機層を分離後、水層をヘキサン(50mL×2)にて抽出した。得られた有機層を合わせて水および飽和食塩水(各50mL×1)にて順次洗浄した後に無水硫酸ナトリウムにて乾燥、減圧濃縮して7−トリデシニルテトラヒドロピラニルエーテルの粗精製物(10.84g,純度94.3%)を得た。
【0042】
(2)7−トリデシン−1−オールの調製
200mL二径ナスフラスコに、7−トリデシニルテトラヒドロピラニルエーテルの粗精製物(10.84g)およびメタノール(120mL)を仕込み、これにp−トルエンスルホン酸一水和物(0.35g,1.84mmol)を加えて室温にて3時間撹拌した後、反応液に炭酸水素ナトリウム(5.0g)を加えてクエンチした。これをろ過して不溶物をメタノールにて洗浄し、ろ液と洗液を合わせて減圧濃縮して溶媒を除去して残渣を得た。この残渣に酢酸エチルおよび水(各50mL)を加えて溶解した後に有機層を分離し、水層を酢酸エチル(25mL×2)にて抽出した。得られた有機層を合わせて水および飽和食塩水(各10mL×1)にて順次洗浄した後に無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧濃縮して粗精製物(8.80g)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(150g、ヘキサン/酢酸エチル=40:1→4:1)にて精製し、7−トリデシン−1−オール(6.84g,収率94.5%,純度99.1%)を得た。
【0043】
(3)(Z)−7−トリデセノールの調製
200mL三径フラスコに、7−トリデシン−1−オール(3.02g,15.3mmol)、シクロヘキセン(150mL)およびリンドラー触媒(0.15g)を仕込み、系内を窒素置換した後に水素雰囲気下として室温にて2時間撹拌した。GCにて原料消失を確認後、系内を窒素置換して30分撹拌した。これをろ過して不溶物をヘキサンにて洗浄し、ろ液と洗液を合わせて減圧濃縮して(Z)−7−トリデセノールの粗精製物(3.22g,純度95.3%)を得た。
【0044】
(4)(Z)−7−トリデセナールの調製
200mL二径ナスフラスコに、(Z)−7−トリデセノールの粗精製物(1.45g,純度95.3%,6.97mmol相当)、乾燥ジメチルスルホキシド(70mL)および2−ヨードキシ安息香酸(2.93g,10.5mmol)を仕込み、室温にて3時間撹拌した。GCにて原料消失を確認後、系内に水およびエーテル(各50mL)を加えて30分撹拌した。不溶物をろ過した後に有機層を分離し、得られた水層をエーテル(50mL×1)にて抽出した。有機層を合わせて、水、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水(各50mL×1)にて順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムによる乾燥、減圧濃縮を経て粗精製物(1.87g)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(40g、ヘキサン/酢酸エチル=100:1→40:1)およびクーゲルロールにて順次精製し、(Z)−7−トリデセナール(本発明品2、1.25g,収率96.2%,純度98.2%)を得た。
【0045】
(Z)−7−トリデセナールの物性データ
1H−NMR(400MHz、CDCl3):δ(ppm)0.88(t、3H、J=7.2Hz)、1.21−1.41(m、10H)、1.57−1.68(m、2H)、1.92−2.07(m、4H)、2.42(dt、2H、J=1.6、7.2Hz)、5.27−5.41(m、2H)、9.76(t、1H、J=1.6Hz)
13C−NMR(100MHz、CDCl3):14.05、21.98、22.55、26.92、27.17、28.76、29.40、29.43、31.50、43.87、129.32、130.30、202.83
MS(m/z): 196(M
+、1)、178(25)、152(5)、149(9)、135(26)、121(55)、111(33)、98(53)、81(65)、67(72)、55(100)、41(59)、29(20)
【0046】
実施例3:(Z)−9−トリデセナールの調製
(1)9−トリデシニルテトラヒドロピラニルエーテルの調製
300mL四径フラスコに、1−ペンチン(4.81g,71.9mmol)および乾燥テトラヒドロフラン(85mL)を仕込み、窒素雰囲気下−65°Cで冷却撹拌した。ここに、系内を−60°C以下に保ったままn−ブチルリチウム(ヘキサン中1.55M,44.0mL,68.2mmol)を50分滴下し、2時間かけて−20°Cまで昇温させながら撹拌した。ここに、系内を−20°C以下に保ったまま8−ブロモオクチルテトラヒドロピラニルエーテル(10.03g,純度95.5%,32.7mmol)の乾燥1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(41mL)溶液を50分滴下した。これを室温まで昇温させて6時間撹拌した。GCにて原料の消失を確認後、氷水冷下にて反応液に20%塩化アンモニウム水溶液(70mL)をゆっくりと加えてクエンチし、室温にて終夜撹拌した。有機層を分離後、水層をヘキサン(50mL×2)にて抽出した。得られた有機層を合わせて水および飽和食塩水(各各50mL×1)にて順次洗浄した後に無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧濃縮して9−トリデシニルテトラヒドロピラニルエーテルの粗精製物(9.89g,純度88.9%)を得た。
【0047】
(2)9−トリデシン−1−オールの調製
200mL二径ナスフラスコに、9−トリデシニルテトラヒドロピラニルエーテルの粗精製物(9.89g)および、メタノール(110mL)を仕込み、これにp−トルエンスルホン酸一水和物(0.31g,1.64mmol)を加えて室温にて2時間撹拌した後、反応液に炭酸水素ナトリウム(3.0g)を加えてクエンチした。これをろ過して不溶物をメタノールにて洗浄し、ろ液と洗液を合わせて減圧濃縮して溶媒を除去し、残渣を得た。この残渣に酢酸エチルおよび水(各40mL)を加えて溶解した後に有機層を分離し、水層を酢酸エチル(20mL×2)にて抽出した。得られた有機層を合わせて飽和食塩水(10mL×2)にて洗浄した後に無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧濃縮して粗精製物(7.45g)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(75g、ヘキサン/酢酸エチル=10:1→4:1)にて精製し、9−トリデシン−1−オール(5.93g,収率92.4%,純度98.4%)を得た。
【0048】
(3)(Z)−9−トリデセノールの調製
100mL二径ナスフラスコに、9−トリデシン−1−オール(1.50g,7.52mmol)、シクロヘキセン(40mL)およびリンドラー触媒(75mg)を仕込み、系内を窒素置換した後に水素雰囲気下として室温にて1.5時間撹拌した。GCにて原料消失を確認後、系内を窒素置換して30分撹拌した。これをろ過して不溶物をヘキサンにて洗浄し、ろ液と洗液を合わせて減圧濃縮して(Z)−9−トリデセノールの粗精製物(1.57g)を得た。
【0049】
(4)(Z)−9−トリデセナールの調製
200mL二径ナスフラスコに、(Z)−9−トリデセノールの粗精製物(1.57g)、乾燥ジメチルスルホキシド(80mL)および2−ヨードキシ安息香酸(2.76g,9.8mmol)を仕込み、室温にて5時間撹拌した後、氷冷した水およびエーテル(各20mL)を加えて30分撹拌した。これをろ過して不溶物を除去した後に有機層を分離し、得られた水層をエーテル(20mL×1)にて抽出した。有機層を合わせて、水、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、5%炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水(各20mL×1)にて順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムによる乾燥、減圧濃縮を経て粗精製物(1.88g)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(15g、ヘキサン/酢酸エチル=100:1→60:1)およびクーゲルロールにて順次精製し、(Z)−9−トリデセナール(本発明品3、1.14g,収率76.0%,純度99.5%)を得た。
【0050】
(Z)−9−トリデセナールの物性データ
1H−NMR(400MHz、CDCl3):δ(ppm)0.90(t、3H、J=7.2Hz)、1.26−1.41(m、10H)、1.58−1.67(m、2H)、1.92−2.07(m、4H)、2.42(dt、2H、J=1.6、7.2Hz)、5.30−5.40(m、2H)、9.76(t、1H、J=1.6Hz)
13C−NMR(100MHz、CDCl3):13.80、22.06、22.87、27.13、29.03、29.12、29.23、29.28、29.63、43.90、129.75、129.90、202.94
MS(m/z): 196(M
+、1)、178(22)、152(4)、149(8)、135(17)、121(33)、111(25)、98(48)、81(61)、67(62)、55(100)、41(57)、29(13)
【0051】
実施例4:(E)−8−トリデセナールの調製
(1)(E)−8−トリデセニルテトラヒドロピラニルエーテルの調製
ドライアイス−アセトン浴で−60°C以下に冷却した100mL三径フラスコに、アンモニア溶液(15mL)を仕込み、これにリチウム(213.7mg,30.8mmol)を少量ずつ加えた。系内が濃青色になったことを確認後、実施例1で調製した、8−トリデシニルテトラヒドロピラニルエーテル(414.4mg,純度91.9%,1.36mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(4mL)溶液を10分滴下し、同温にて2時間撹拌した。反応液にエタノールおよび飽和塩化アンモニウム水溶液(各10mL)を−40°C以下にて注意深く加えた後、ゆっくりと室温まで昇温させた(終夜撹拌)。有機層を分離後、水層をエーテル(10 mL×2)にて抽出した。得られた有機層を合わせて水および飽和食塩水(各10mL×1)にて順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムによる乾燥後、減圧濃縮して(E)−8−トリデセニルテトラヒドロピラニルエーテルの粗精製物(421.6mg)を得た。
【0052】
(2)(E)−8−トリデセノールの調製
50mLナスフラスコに、(E)−8−トリデセニルテトラヒドロピラニルエーテルの粗精製物(421.6mg)およびメタノール(8mL)を仕込み、これにp−トルエンスルホン酸(17.3mg)を加えて室温にて3時間撹拌した後、反応液に炭酸水素ナトリウム(53.4mg)を加えてクエンチした。これをろ過して不溶物をメタノールにて洗浄し、ろ液と洗液を合わせて減圧濃縮して残渣を得た。この残渣に酢酸エチル(10mL)および水(20mL)を加えて残渣を溶解した後に有機層を分離し、水層を酢酸エチル(10mL×2)にて抽出した。得られた有機層を合わせて飽和食塩水(10mL×1)にて洗浄した後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮して(E)−8−トリデセノールの粗精製物(315.8mg)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(15g,ヘキサン/酢酸エチル=20:1→4:1)にて一度精製した後、混合物(150mg)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g,ヘキサン/酢酸エチル=20:1→7:1)にて再精製し、(E)−8−トリデセノール(114.4 mg,収率42.4%,純度99.9%)を得た。
【0053】
(3)(E)−8−トリデセナールの調製
30mL二径ナスフラスコに、(E)−8−トリデセノール(114.4mg)、乾燥ジメチルスルホキシド(6mL)および2−ヨードキシ安息香酸(0.238g,0.85mmol)を仕込み、室温にて4時間撹拌した後、氷冷した水およびエーテル(各5mL)を加えてさらに30分撹拌した。これをろ過して不溶物を除去した後に有機層を分離し、水層をエーテル(10mL×1)にて抽出した。有機層を合わせ、水、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、5%炭酸水素ナトリウム水溶液および食塩水(各10mL×1)にて順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮して(E)−8−トリデセナールの粗精製物(120.5mg)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g,ヘキサン/酢酸エチル=100:1→60:1)およびクーゲルロールにて順次精製し、(E)−8−トリデセナール(本発明品4、98.3mg,収率86.9%,純度99.8%)を得た。
【0054】
(E)−8−トリデセナールの物性データ
1H−NMR(400MHz、CDCl3):δ(ppm)0.88(t、3H、J=7.2Hz)、1.25−1.39(m、10H)、1.57−1.67(m、2H)、1.92−2.03(m、4H)、2.41(dt、2H、J=1.6、7.2Hz)、5.31−5.43(m、2H)、9.76(t、1H、J=1.6Hz)
13C−NMR(100MHz、CDCl3):13.94、22.02、22.16、28.78、28.98、29.34、31.78、32.25、32.45、43.88、130.02、130.55、202.93
MS(m/z): 196(M
+、1)、178(20)、152(3)、149(6)、135(16)、121(30)、111(23)、98(39)、81(53)、67(54)、55(100)、41(43)、29(11)
【0055】
実施例5:(E)−7−トリデセナールの調製
(1)(E)−7−トリデセノールの調製
ドライアイス−アセトン浴で−65°C以下に冷却した、100mL四径フラスコにアンモニア溶液(50mL)を仕込み、これに同温下にてリチウム(0.76g,110mmol)を少量ずつ加えた。系内が濃青色になったことを確認後、同温下にて実施例2で得られた7−トリデシン−1−オール(1.00g,5.09mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(12mL)溶液を滴下して1.5時間撹拌した。反応の進行が遅かったため、−30°Cまで徐々に昇温させながら3時間撹拌した。反応液にエタノールおよび飽和塩化アンモニウム水溶液(各20mL)を−40°C以下にて注意深く加えてクエンチし、徐々に室温まで昇温させた(終夜撹拌)。これに酢酸エチル(20mL)を加え室温にて30分撹拌した後に有機層を分離し、水層を酢酸エチル(20mL×1)にて抽出した。有機層を合わせて水および飽和食塩水(各20mL×1)にて順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウム乾燥し、減圧濃縮した。濃縮物に水分が残存していたため、これに酢酸エチル(20mL)を加えた後に飽和食塩水洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、減圧濃縮して(E)−7−トリデセノールの粗精製物(1.07g)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(30g,ヘキサン/酢酸エチル=20:1→10:1)にて精製し、(E)−7−トリデセノール(0.15g,収率14.9%,純度99.9%)を得た。
【0056】
(2)(E)−7−トリデセナールの調製
50mLナスフラスコに、(E)−7−トリデセノール(0.102g,0.515mmol)、乾燥ジメチルスルホキシド(3mL)および2−ヨードキシ安息香酸(0.224g,0.799mmol)を仕込み、室温にて6時間撹拌した。原料がほぼ消失したことをGCにて確認した後、水およびエーテル(各2mL)を加えて30分撹拌した。不溶物をセライトろ過した後に有機層を分離し、得られた水層をエーテル(5mL×1)にて抽出した。有機層を合わせて水、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、5%炭酸水素ナトリウム水溶液および食塩水(各5mL×1)にて順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムによる乾燥した後、減圧濃縮して(E)−7−トリデセナールの粗精製物(0.130g)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2g,ヘキサン/エーテル=1:0→100:1)およびクーゲルロールにて順次精製し、(E)−7−トリデセナール(本発明品5、82.9mg,収率82.0%,純度99.4%)を得た。
【0057】
(E)−7−トリデセナールの物性データ
1H−NMR(400MHz、CDCl3):δ(ppm)0.88(t、3H、J=7.2Hz)、1.05−1.41(m、10H)、1.57−1.68(m、2H)、1.92−2.03(m、4H)、2.42(dt、2H、J=1.6、7.2Hz)、5.30−5.42(m、2H)、9.76(t、1H、J=1.6Hz)
13C−NMR(100MHz、CDCl3):14.08、21.94、22.53、28.60、29.29、31.38、32.31、32.55、43.88、129.80、130.80、202.92
MS(m/z): 196(M
+、2)、178(30)、152(6)、149(9)、135(21)、121(45)、111(44)、98(65)、81(65)、69(76)、55(100)、41(61)、29(21)
【0058】
実施例6:(E)−9−トリデセナールの調製
(1)(E)−9−トリデセノールの調製
ドライアイス−アセトニトリル浴で−35°C以下に冷却した、100mL四径フラスコにアンモニア溶液(50mL)を仕込み、これに同温下にてリチウムを少量加えた。さらに、ドライアイス−アセトン浴で−60°C以下に冷却してリチウム(0.76g,110mmol)を少量ずつ加えた。全量加えた後、−35°Cまで昇温して、実施例3で得られた9−トリデシン−1−オール(1.11g,5.45mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(12mL)溶液を1時間滴下し、同温下にて4時間撹拌した。反応の進行が遅かったため、室温まで徐々に昇温させながら18時間撹拌した。この反応液を−40°C以下に冷却し、エタノールおよび飽和塩化アンモニウム水溶液(各10mL)を注意深く加えてクエンチし、徐々に室温まで昇温させた。これにヘキサン(10mL)を加え室温にて30分撹拌した後に有機層を分離し、水層をエーテル(10mL×1)にて抽出した。有機層を合わせて水および飽和食塩水(各20mL×1)にて順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウム乾燥し、減圧濃縮して(E)−9−トリデセノールの粗精製物(1.22g)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(35g,ヘキサン/酢酸エチル=20:1→15:1)にて精製し、(E)−9−トリデセノール(0.46g,収率42.3%,純度87.8%)を得た。
【0059】
(2)(E)−9−トリデセナールの調製
10mLナスフラスコに、(E)−9−トリデセノール(99.0mg,0.499mmol)、乾燥ジメチルスルホキシド(3mL)および2−ヨードキシ安息香酸(0.219g,0.782mmol)を仕込み、室温にて5時間撹拌した。原料がほぼ消失したことをGCにて確認した後、水およびエーテル(各2mL)を加えて30分撹拌した。不溶物をセライトろ過した後に有機層を分離し、得られた水層をエーテル(2mL×1)にて抽出した。有機層を合わせて水、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、5%炭酸水素ナトリウム水溶液および食塩水(各2mL×1)にて順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムによる乾燥、減圧濃縮して(E)−9−トリデセナールの粗精製物(0.139g)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3g,ヘキサン/エーテル=1:0→100:1)およびクーゲルロールにて順次精製し、(E)−9−トリデセナール(本発明品6、71.4mg,収率72.9%,純度87.0%)を得た。
【0060】
(E)−9−トリデセナールの物性データ
1H−NMR(400MHz、CDCl3):δ(ppm)0.88(t、3H、J=7.2Hz)、1.25−1.41(m、10H)、1.55−1.67(m、2H)、1.90−2.05(m、4H)、2.41(dt、2H、J=1.6、7.2Hz)、5.35−5.40(m、2H)、9.76(t、1H、J=1.6Hz)
13C−NMR(100MHz、CDCl3):13.63、22.05、22.71、28.87、29.10、29.18、29.51、32.52、34.68、43.89、130.23、130.38、202.97
MS(m/z): 196(M
+、2)、178(21)、152(5)、149(7)、135(17)、121(29)、111(24)、98(40)、81(57)、67(57)、55(100)、41(52)、29(10)
【0061】
実施例7:香気評価
実施例1〜6で得られた(Z)−8−トリデセナール(本発明品1)、(Z)−7−トリデセナール(本発明品2)、(Z)−9−トリデセナール(本発明品3)、(E)−8−トリデセナール(本発明品4)、(E)−7−トリデセナール(本発明品5)および(E)−9−トリデセナールの調製(本発明品6)のそれぞれ10ppmエタノール溶液について、訓練されたパネラーにより香気評価を行った。香気評価は30mlサンプル瓶に前記10ppmエタノール溶液を用意し、瓶口の香気およびその溶液を含浸させたにおい紙により行った。5名の平均的な香気評価を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
実施例8:オレンジ様香料の香気評価
オレンジ様の調合香料組成物として、表2に示す成分(質量部)により比較品1を調合した。また、本発明品1〜6を様々な濃度に希釈したエタノール溶液を調合したオレンジ様の調合香料組成物の調合割合(質量部)を表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】
本発明品1〜6を様々な濃度添加したオレンジ様の調合香料組成物について、比較品1をコントロール品としてよく訓練された10名のパネラーにより香気の官能評価を行った。香気評点は、比較品1をコントロール品として、1:コントロールと変化なし、2:コントロールと比べややピール感あり、3:コントロールと比べピール感ワックス様あり、4:コントロールと比べて強いピール感ワックス様あり、5:コントロールと比べ脂肪感が強すぎるため香気のバランスが悪い、として採点した。そのパネラー10名の平均点を表3に示す。
【0066】
【表3】
【0067】
表3に示した通り、本発明品1〜6が、比較品1のオレンジ様調合香料組成物に対し1ppt〜100ppm配合されることにより、柑橘特有のピール感およびワックス様の香気が付与され、良好なオレンジ様香気が強調されているとの評価であった。香料組成物中に本発明品1〜6が、僅か1ppt存在するだけでも香気にピール感が付与されるという結果であった。一方、0.1pptの添加では比較品1の無添加品と大差なく、0.1%の添加では脂肪感が強すぎるため、良好ではなかった。
【0068】
実施例9:レモン様香料の香気評価
レモン様の調合香料組成物として、表4に示す成分(質量部)により比較品2を調合した。また、本発明品1〜5または6の0.1%エタノール溶液0.1質量部を調合して新規のレモン様調合香料組成物を調製した。この調合割合(質量部)を表4に示す。
【0069】
【表4】
【0070】
比較品2および本発明品1〜5または6を調合した表4に示すレモン様調合香料組成物について、専門パネラー10人により比較した。その結果、専門パネラー10人の全員が、本発明品1〜5または6を調合したレモン様調合香料組成物は比較品2と比較して、すべてにおいて柑橘特有のピール感およびワックス様の香気が付与され、良好なレモン様香気が強調されているとの評価であった。
【0071】
実施例10:グレープフルーツ様香料の香気評価
グレープフルーツ様の調合香料組成物として、表5に示す成分(質量部)により比較品3を調合した。また、本発明品1〜5または6の0.1%エタノール溶液0.1質量部を調合して新規のグレープフルーツ様調合香料組成物を調製した。この調合割合(質量部)を表5に示す。
【0072】
【表5】
【0073】
比較品3および本発明品1〜5または6を調合した表5に示すグレープフルーツ様調合香料組成物について、専門パネラー10人により比較した。その結果、専門パネラー10人の全員が、本発明品1〜5または6を調合したグレープフルーツ様調合香料組成物は比較品3と比較して、すべてにおいて柑橘特有のピール感およびワックス様の香気が付与され、良好なグレープフルーツ様香気が強調されているとの評価であった。
【0074】
実施例11:ライム様香料の香気評価
ライム様の調合香料組成物として、表6に示す成分(質量部)により比較品4を調合した。また、本発明品1〜5または6の0.1%エタノール溶液0.1質量部を調合して新規のライム様調合香料組成物を調製した。この調合割合(質量部)を表6に示す。
【0075】
【表6】
【0076】
比較品4および本発明品1〜5または6を調合した表6に示すライム様調合香料組成物について、専門パネラー10人により比較した。その結果、専門パネラー10人の全員が、本発明品1〜5または6を調合したライム様調合香料組成物は比較品4と比較して、すべてにおいて柑橘特有のピール感およびワックス様の香気が付与され、良好なライム様香気が強調されているとの評価であった。
【0077】
実施例12:パイナップル様香料の香気評価
パイナップル様の調合香料組成物として、表7に示す成分(質量部)により比較品5を調合した。また、本発明品2、3、5または6の0.1%エタノール溶液0.1質量部を調合して新規のパイナップル様調合香料組成物を調製した。この調合割合(質量部)を表7に示す。
【0078】
【表7】
【0079】
比較品5および本発明品2、3、5または6を調合した表7に示すパイナップル様調合香料組成物について、専門パネラー10人により比較した。その結果、専門パネラー10人の全員が、本発明品2、3、5または6を調合したパイナップル様調合香料組成物は比較品5と比較して、すべてにおいて良好なパイナップル様香気が強調されているとの評価であった。
【0080】
実施例13:本発明品を複数用いたオレンジ様香料の香気評価
オレンジ様の調合香料組成物として、表8に示す成分(質量部)により比較品1を調合した。また、本発明品1〜6の0.1%エタノール溶液を様々な組み合わせで調合したオレンジ様の調合香料組成物を調製し、本発明品7〜11とした。これらの調合割合(質量部)を表8に示す。
【0081】
【表8】
【0082】
表8に示す、比較品1および本発明品7〜11のオレンジ様調合香料組成物について、専門パネラー10人により比較した。その結果、専門パネラー10人の全員が、本発明品7〜11は比較品2と比較して、すべてにおいて柑橘特有のピール感およびワックス様の香気が付与され、良好なオレンジ様香気が強調されているとの評価であった。
【0083】
実施例14:オレンジ果汁飲料の風味評価
比較品1および実施例1〜6の様々な濃度配合することにより得られたオレンジ様調合香料組成物を下記処方の飲料基材に添加しオレンジ果汁飲料を調製した。
【0084】
オレンジ果汁飲料配合処方 (質量部)
果糖ぶどう糖液糖 300
クエン酸(結晶) 1.5
ビタミンC 0.05
本発明品添加品または比較品1 2
バレンシアオレンジ果汁 1000
水にて全量を2000とする。
【0085】
オレンジ果汁飲料に添加したオレンジ様の調合香料組成物は、比較品1および本発明品1〜6を実施例8で示す様々な濃度にて添加したオレンジ様の調合香料組成物を対象とした。
【0086】
実施例8で示す、本発明品1〜6を様々な濃度にて比較品1に添加したオレンジ様の調合香料組成物について、比較品1をコントロール品としてよく訓練された10名のパネラーにより香気の官能評価を行った。風味評点は、比較品1をコントロール品として、1:コントロールと変化なし、2:コントロールと比べややピール感あり、3:コントロールと比べピール感ワックス様あり、4:コントロールと比べて強いピール感ワックス様あり、5:コントロールと比べ脂肪感が強すぎるため風味のバランスが悪い、として採点した。そのパネラー10名の平均点を表9に示す。
【0087】
【表9】
【0088】
表9に示した通り、本発明品1〜6が、比較品1のオレンジ様調合香料組成物に対し0.001ppt〜100ppb配合されることにより、柑橘特有のピール感およびワックス様の香気が付与され、良好なオレンジ様風味が強調されているとの評価であった。オレンジ果汁飲料中に本発明品1〜6が、僅か0.001ppt存在するだけでも香気にピール感が付与されるという結果であった。一方、0.0001pptの添加では比較品1を飲料に添加したものと大差なく、1ppmの添加では脂肪感が強すぎるため、良好ではなかった。
【0089】
実施例15:キャンディーの風味評価
実施例9で得られた、比較品2および本発明品1〜5または6を調合した表4に示すレモン様調合香料組成物を下記処方のキャンディー基材に添加し、常法によりキャンディーを調製した。
【0090】
キャンディー配合処方 (質量部)
グラニュー糖 48
水飴(75%) 32
水 20
ゼラチン 2
硬化ヤシ油(融点34℃) 9
全脂加糖練乳 5
クエン酸(結晶) 0.5
着色料 0.06
本発明品添加品または比較品2 0.2
濃縮オレンジ果汁 2
できあがり生地量 約100
【0091】
これらのキャンディーを、専門パネラー10人により官能評価を行った。その結果、専門パネラー10人全員が、本発明品1〜5または6を調合したレモン様調合香料組成物を添加したキャンディーは、比較品2を添加したキャンディーに比べて、柑橘特有のピール感が付与されていると評価した。
【0092】
実施例16:スポンジケーキの風味評価
実施例10で得られた、比較品3および本発明品1〜5または6を調合した表5に示すグレープフルーツ様調合香料組成物を下記処方のスポンジケーキ生地に添加し、常法によりスポンジケーキを調製した。
【0093】
スポンジケーキ配合処方 (質量部)
薄力粉 1000
ベーキングパウダー 30
砂糖 1300
全卵 1600
牛乳 400
無塩バター 30
バニラオイル 1
本発明品添加品または比較品3 1
合計 4362
【0094】
これらのスポンジケーキを、専門パネラー10人により官能評価を行った。その結果、専門パネラー10人全員が、本発明品1〜5または6を調合したグレープフルーツ様調合香料組成物を添加したスポンジケーキは、比較品3を添加したスポンジケーキに比べて、柑橘特有のピール感が付与されていると評価した。
【0095】
実施例17:シャーベットの風味評価
実施例11で得られた、比較品4および本発明品1〜5または6を調合した表6に示すライム様調合香料組成物を下記処方のシャーベットに添加し、常法によりシャーベットを調製した。
【0096】
シャーベット配合処方 (質量部)
砂糖 10
水飴(75%) 6
果糖ぶどう糖液糖(75%) 5
クエン酸(結晶) 0.1
1/5ライム果汁 10
本発明品添加品または比較品4 0.2
水にて合計量を100とする
【0097】
これらのシャーベットを、専門パネラー10人により官能評価を行った。その結果、専門パネラー10人全員が、本発明品1〜5または6を調合したライム様調合香料組成物を添加したシャーベットは比較品4を添加したシャーベットに比べて、柑橘特有のピール感が付与されていると評価した。
【0098】
実施例18:ゼリーの風味評価
実施例12で得られた、比較品5および本発明品2、3、5または6を調合した表7に示すパイナップル様調合香料組成物を下記処方のゼリーに添加し、常法によりゼリーを調製した。
【0099】
ゼリー配合処方 (質量部)
グラニュー糖 60
ソルビトール 12
1/5パイナップル果汁 5
寒天 1
クエン酸(結晶) 0.3
着色料 0.03
本発明品添加品または比較品5 0.2
水にて合計量を 100とする
【0100】
これらのゼリーを、専門パネラー10人により官能評価を行った。その結果、専門パネラー10人全員が、本発明品1〜5または6を調合したパイナップル様調合香料組成物を添加したゼリーは比較品5を添加したゼリーに比べて、パイナップルの果肉感が増強されていると評価した。
【0101】
実施例19:本発明品を複数用いたオレンジ果汁飲料の風味評価
実施例13で得られたオレンジ様の調合香料組成物である、本発明品7〜11および比較品1それぞれを、実施例14に示す処方の飲料基材に添加しオレンジ果汁飲料を調製した。
【0102】
これらのオレンジ果汁飲料を、専門パネラー10人により官能評価を行った。その結果、専門パネラー10人全員が、本発明品7〜11を添加したオレンジ果汁飲料は、比較品1を添加したオレンジ果汁飲料に比べて、柑橘特有のピール感が付与されていると評価した。