(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6307166
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】容器カバーロック機構および容器
(51)【国際特許分類】
B65D 90/00 20060101AFI20180326BHJP
A44B 99/00 20100101ALI20180326BHJP
【FI】
B65D90/00 Z
A44B99/00 611M
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-546511(P2016-546511)
(86)(22)【出願日】2015年1月13日
(65)【公表番号】特表2017-503729(P2017-503729A)
(43)【公表日】2017年2月2日
(86)【国際出願番号】CN2015070575
(87)【国際公開番号】WO2015104002
(87)【国際公開日】20150716
【審査請求日】2016年9月9日
(31)【優先権主張番号】201410014687.4
(32)【優先日】2014年1月13日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516190770
【氏名又は名称】上海鴻研物流技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】簡 ▲園▼力
(72)【発明者】
【氏名】▲ゴン▼ ▲凱▼
【審査官】
宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−163872(JP,A)
【文献】
特開平05−016941(JP,A)
【文献】
特開2012−140133(JP,A)
【文献】
実開昭63−117725(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 88/00−90/66
B65D 6/00−13/02
A44B 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、側板と、カバーとを備える容器に用いられる容器カバーロック機構であって、
バックルと、リセット部材と、前記カバーの辺縁に設けられる凹みおよび開口と、前記側板に設けられるロック穴とを備え、
前記バックルは、バックル本体と前記バックル本体から延出したロックタングとによって構成され、
前記リセット部材は、前記バックルをロック位置に保持可能なものであり、
前記凹みは、前記バックル本体を収納するためのものであり、
前記バックルおよび前記カバーの辺縁における凹みには、2対の位置制限構造が設けられており、
前記容器カバーロック機構によって前記カバーと前記側板とをロッキングさせた場合、前記バックルおよび前記カバーにおける1対の位置制限構造は、前記バックルの位置を制限するように係合状態となっており、前記ロックタングは、前記カバーの辺縁における前記開口を通過して前記側板における前記ロック穴に係合されており、
前記容器カバーロック機構がロック解除状態となった場合、前記バックルおよび前記カバーにおける別対の位置制限構造は、前記バックルの位置を制限するように係合状態となっており、前記ロックタングは、前記側板における前記ロック穴から脱離するようになっており、
前記バックルには、バックル凹みが設けられており、
前記カバーの辺縁には、補助凹みが設けられており、
前記補助凹みと前記バックル凹みとは、手の指を収納するとともに手の指で付勢する着力点とするためのものであることを特徴とする容器カバーロック機構。
【請求項2】
前記2対の位置制限構造は、前記バックルを前記カバーの辺縁における凹みに移動させる過程において、前記2対の位置制限構造がともに係合解除状態となって、前記カバーに対して前記バックルを容易に着脱可能な第3の位置が存在するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の容器カバーロック機構。
【請求項3】
前記バックルおよび前記カバーの辺縁には、1対の補助位置制限構造が設けられており、
前記バックルが前記カバーの辺縁における凹みに移動する過程において、前記補助位置制限構造が常に係合状態に保持されることによって、前記バックルが前記脱離位置に移動したときに誤動作で前記カバーから容易に分離することが防止されることを特徴とする請求項2に記載の容器カバーロック機構。
【請求項4】
前記リセット部材は、バネであり、
前記カバーの辺縁における凹みには、開口溝が設けられており、
前記バックルには、底部凹みが設けられており、
前記バネは、前記開口溝と前記底部凹みとによって形成される空間内に実装されており、
前記底部凹みのうち、前記バネが収納される部分の長さは、前記バネの自然長よりも小さくなることを特徴とする請求項1に記載の容器カバーロック機構。
【請求項5】
前記2対の位置制限構造は、前記バックルに設けられる2つのアンダーカットと、前記カバーの辺縁における凹みに対応して設けられる2つの引掛部とによって構成され、
そのうちの1つのアンダーカットとそれと対応する1つの引掛部とによって、1対の位置制限構造が構成されることを特徴とする請求項1に記載の容器カバーロック機構。
【請求項6】
前記2対の位置制限構造は、前記バックルに設けられる2つのピン穴と、前記カバーの辺縁における凹みに対応して設けられる2つの位置制限ピンとによって構成され、
そのうちの1つのピン穴とそれと対応する1つの位置制限ピンとによって、1対の位置制限構造が構成されることを特徴とする請求項1に記載の容器カバーロック機構。
【請求項7】
前記1対の補助位置制限構造は、前記バックルに設けられる補助引掛フックと、前記カバーの辺縁における凹みに設けられる補助引掛溝とによって構成され、
前記バックルが前記カバーの辺縁における凹みに移動する過程において、前記補助引掛フックと前記補助引掛溝とが係合状態に保持されるとともに、前記補助引掛フックが前記補助引掛溝に沿って摺動することを特徴とする請求項3に記載の容器カバーロック機構。
【請求項8】
前記ロックタングは、斜面を有することを特徴とする請求項1に記載の容器カバーロック機構。
【請求項9】
ベースと、側板と、カバーとを備える容器であって、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の容器カバーロック機構をさらに備えることを特徴とする容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に関し、具体的には容器カバーを容器の筐体にロッキングさせるロック機構に関する。
【背景技術】
【0002】
大型の容器は、一般的に4つの側板と1つの底板とを備え、液体またはばら荷を運送するための大型容器は、その内部に積み込まれた貨物を保護をするためのカバーをさらに備える。カバーの周囲には、エッジガードが設けられ、これらのエッジガードは、容器の4つの側板の外側に近接し、容器の内部における貨物が側板に対して大きな作用力を与える場合、カバーのエッジガードは、側板を変形しすぎないようにある程度保護することができる。また、容器内の液体またはばら荷が上方へ波動する場合、カバーは、液体またはばら荷を収納するライナーバッグの起伏を良好に制限することができ、ライナーバッグを損害されないように保護することもできる。これによって、カバーが使用時に筐体に確実に接続されることが要求される。また、このような大型の容器の4つの側板は順番に折り畳まれることが多いので、容器が使用されないときの占用空間を減少させることができ、製品の取り扱い、貯蔵のコストを低下させることができる。そして、カバーが折り畳まれた容器に被覆されると、筐体と接続される機構もできるだけ相対的に高い高度を増加しないようにしなければならない。
【0003】
従来、一種の筐体とカバーとのロック機構が開示され、このロック機構は、ハンドル付きの横ラッチを備え、カバーの上部辺縁には、当該横ラッチを収納するための凹みが設けられている。凹みの側部には、1つの孔が設けられており、横ラッチは、この孔を通過して容器の側板におけるロック穴に挿入される。カバーが使用状態にある場合、横ラッチによってカバーが筐体から上方へ移動することを制限するとともに、凹みにおける突出リブによって横ラッチにおけるハンドルの横方向移動を制限することによって、カバーを確実にロッキングさせることができる。このような設計は、基本的なカバーと筐体との接続を満足していたが、横ラッチはリセット構造を有しないので、カバーを筐体に放置しかつ横ラッチが張り出し状態にある場合、横ラッチは筐体の側板に直接押圧されることによって損害される恐れがある。そして、ハンドルを使用してカバーを引き上げる場合、カバーの重量が全てハンドルに付加されるので、ハンドルが損害されやすくなる。
【0004】
従来の別種のバックルは、1組のプラスチック製ラッチによってカバーに固定されるとともに、当該ラッチを中心として一定の角度回転することができ、筐体の側板には、1つの溝を有するとともに金属でターニングされたインサートが設けられており、カバーが筐体に被覆される場合、金属制インサートがカバーに予め設置される貫通孔を通過して溝をカバーの上面に露出させ、その後、バックルを金属製インサートにおける溝に回転させれば、カバーと筐体とをロッキングさせることができる。ところで、このような実施方式でも、バックルがロック解除状態にあるとともにカバーを取り外す必要があるときに、バックルそのものは把持部材としてカバーの全部の重量を受けるので、バックルが損害されやすくなり、そして、プラスチック製ラッチを使用して接続することによって、バックルの脱着が不便となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、着脱が容易であり、操作の安定性および信頼性が高く、使用寿命が長い容器カバーロック機構および容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、ベースと、側板と、カバーとを備える容器に用いられる容器カバーロック機構であって、バックルと、リセット部材と、カバーの辺縁に設けられる凹みおよび開口と、前記側板に設けられるロック穴とを備え、バックルは、バックル本体とバックル本体から延出したロックタングとによって構成され、リセット部材は、バックルをロック位置に保持可能なものであり、凹みは、バックル本体を収納するためのものであり、バックルおよびカバーの辺縁における凹みには、2対の位置制限構造が設けられており、容器カバーロック機構によってカバーと側板とをロッキングさせた場合、バックルおよびカバーにおける1対の位置制限構造は、バックルの位置を制限するように係合状態となっており、ロックタングは、カバーの辺縁における開口を通過して側板におけるロック穴に係合されており、容器カバーロック機構がロック解除状態となった場合、バックルおよびカバーにおける別対の位置制限構造は、バックルの位置を制限するように係合状態となっており、ロックタングは、側板におけるロック穴から脱離するようになって
おり、バックルには、バックル凹みが設けられており、カバーの辺縁には、補助凹みが設けられており、補助凹みとバックル凹みとは、手の指を収納するとともに手の指で付勢する着力点とするためのものである容器カバーロック機構を提供する。
【0007】
好ましくは、2対の位置制限構造は、バックルをカバーの辺縁における凹みに移動させる過程において、2対の位置制限構造がともに係合解除状態となって、カバーに対してバックルを容易に着脱可能な第3の位置が存在するように設けられている。
好ましくは、バックルおよびカバーの辺縁には、1対の補助位置制限構造が設けられており、バックルがカバーの辺縁における凹みに移動する過程において、補助位置制限構造が常に係合状態に保持されることによって、バックルが脱離位置に移動したときに誤動作でカバーから容易に分離することが防止される。
【0008】
好ましくは、リセット部材は、バネであり、カバーの辺縁における凹みには、開口溝が設けられており、バックルには、底部凹みが設けられており、バネは、開口溝と底部凹みとによって形成される空間内に実装されており、当該底部凹みのうち、バネが収納される部分の長さは、バネの自然長よりも小さくなる。
好ましくは、2対の位置制限構造は、バックルに設けられる2つのアンダーカットと、カバーの辺縁における凹みに対応して設けられる2つの引掛部とによって構成され、そのうちの1つのアンダーカットとそれと対応する1つの引掛部とによって、1対の位置制限構造が構成される。
【0009】
また、1つの実施例では、上記アンダーカットは、左側アンダーカットおよび右側アンダーカットからなり、上記引掛部は、左側引掛部および右側引掛部からなり、左側アンダーカットは、凹みの左側壁に設けられ、右側アンダーカットは、凹み内の略中間位置に設けられるとともにバネを収納するための開口溝と接続され、開口は、凹みの右側壁に設けられ、補助引掛溝は、凹みの長さ方向に沿う側壁に設けられる溝であり、補助凹みは、凹みの左側に設けられ、カバーが側板および小扉に被覆される場合、溝と凹みおよび補助凹みとが係合し、かつ開口とロック穴とが位置合わせされる。バックルの一端にカバーの辺縁における凹み内の左側アンダーカットと係合可能な左側引掛部が設けられ、バックルの側辺に補助引掛溝に沿って摺動可能な補助引掛フックが設けられ、前記バックルには、下方へ開口する底部凹みが設けられており、当該底部凹みは、カバーの辺縁における凹み内の開口溝およびバネを収納するためのものであり、かつ底部凹みの一方側に右側アンダーカットと係合可能な右側引掛部が設けられる。
【0010】
好ましくは、ロックタングは、斜面を有する。
好ましくは、2対の位置制限構造は、バックルに設けられる2つのピン穴と、カバーの辺縁における凹みに対応して設けられる2つの位置制限ピンとによって構成され、そのうちの1つのピン穴とそれと対応する1つの位置制限ピンとによって、1対の位置制限構造が構成される。
【0012】
好ましくは、1対の補助位置制限構造は、バックルに設けられる補助引掛フックと、カバーの辺縁における凹みに設けられる補助引掛溝とによって構成され、バックルがカバーの辺縁における凹みに移動する過程において、補助引掛フックと補助引掛溝とが係合状態に保持されるとともに、補助引掛フックが補助引掛溝に沿って摺動する。
【0013】
好ましくは、バックルは、プラスチックによって製造される。
好ましくは、2つのアンダーカット間の距離は、2つの引掛部間の距離よりも大きくなる。
好ましくは、2つのピン穴間の距離は、2つの位置制限ピン間の距離よりも小さくなる。
【0014】
本発明は、ベースと、側板と、カバーとを備える容器であって、上記の容器カバーロック機構をさらに備える容器をさらに提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の容器カバーロック機構は、2対の位置制限構造および1対の約束構造が合理的に設けられることによって、容器カバーロック機構の着脱がより容易になり、操作の安定性を保証することができる。また、カバーの辺縁に補助凹みが設けられているため、ロックを解除してカバーを取り外す操作がより簡単で省力化し、かつカバーを引き上げるときにバックルが負う重量を減少させることができ、バックルの信頼性を向上させ、使用寿命を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1の実施例に係る容器カバーロック機構における容器の構造を示す斜視図である。
【
図2】
図1におけるF部分の構造を示す分解斜視図である。
【
図3】
図2におけるカバーの辺縁の構造を示す部分拡大図である。
【
図4】
図2におけるバックルをある視角からみた構造を示す斜視図である。
【
図5】
図2におけるバックルを別の視角からみた構造を示す斜視図である。
【
図6】本発明の第1の実施例に係る容器カバーロック機構がロック状態にあるときの断面図である。
【
図7】本発明の第1の実施例に係る容器カバーロック機構がロック解除状態にあるときの断面図である。
【
図8】本発明の第1の実施例に係る容器カバーロック機構を取り外すことを示す断面図である。
【
図9】本発明の第2の実施例に係る容器カバーロック機構におけるカバーの辺縁の構造を示す斜視図である。
【
図10】本発明の第2の実施例に係る容器カバーロック機構におけるバックルをある視角からみた構造を示す斜視図である。
【
図11】本発明の第2の実施例に係る容器カバーロック機構におけるバックルを別の視角からみた構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の目的、特徴および利点をより明確に理解できるように、本発明の好ましい実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、図示する実施例は、本発明の技術方案の実質的精神を説明するためのものに過ぎなく、本発明の範囲を限定するものではないと理解すべきである。
【0018】
図1は、本発明に係る容器カバーロック機構を備える容器の構造を示す斜視図である。
図1に示すように、当該容器は、カバー1と、側板2と、ベース3と、小扉4とを備える。カバー1が筐体に被覆されると、各々の側板2の外側がカバー1の周囲のエッジガード5によって囲まれ、筐体全体の強度が向上される。
図1では、ロック機構は、カバー1と側板2とがロッキングされた状態となっており、本発明の容器カバーロック機構について、後に詳細に説明する。
【0019】
図2は、
図1におけるF部分の構造を示す分解斜視図であり、
図3は
図2におけるカバー1の辺縁の構造を示す部分拡大図である。
図2および
図3に示すように、容器カバーロック機構は、バックル6と、バネ7と、カバー1の辺縁に設けられる凹み8と、開口11と、開口溝12と、右側アンダーカット13と、補助引掛溝14と、左側アンダーカット16と、補助凹み15と、側板2および小扉4に設けられる溝9およびロック穴10とを備える。そのうち、左側アンダーカット16は、凹み8の左側壁に設けられ、右側アンダーカット13は、凹み8内の略中間位置に設けられるとともにバネを収納するための開口溝12と接続され、開口11は、凹み8の右側壁に設けられ、補助引掛溝14は、凹み8の長さ方向に沿う側壁に設けられる溝であり、補助凹み15は、凹み8の左側に設けられ、カバー1が側板および小扉に被覆される場合、溝9と凹み8および補助凹み15とが係合し、かつ開口11とロック穴10とが位置合わせされる。
【0020】
図4および
図5は、
図2におけるバックル6を異なる視角からみた構造を示す斜視図である。
図4および
図5に示すように、バックル6は、その一端に斜面611を有するロックタング61が設けられるとともに、他端にカバーの辺縁における凹み内の左側アンダーカット16と係合可能な左側引掛部63が設けられ、側辺に補助引掛溝14に沿って摺動可能な補助引掛フック64が設けられており、下方へ開口する底部凹み65は、カバーの辺縁における凹み内の開口溝12およびバネ7を収納するためのものであり、かつ、底部凹み65の一方側に右側アンダーカット13と係合可能な右側引掛部66が設けられ、バックル6に設けられる上方へ開口するバックル凹み62およびカバーの辺縁における補助凹み15は共に手の指を収納するとともに指に対して着力点を提供するためのものである。
【0021】
図1〜
図5に示すように、バックル6をカバー1に実装した後、バックル6の補助引掛フック64がカバー1における補助引掛溝14と係合し、バネ7が開口溝12に位置し、バックル6の底部凹み65が開口溝12を囲むとともにバネ7を収納し、バネ7の復元力によってバックル6のロックタング61が開口11を通過するとともにバックル6の右側引掛部66とカバ1における右側アンダーカット13との係合を保持させる。次に、バックル6が実装されたカバー1を下方へ押圧して側板に実装する過程において、ロックタング61は、その斜面611が側板におけるロック穴10の上部101によって押圧されることによって左側へ移動するが、カバーが側板2および小扉4に被覆され、すなわち、カバーの辺縁における凹み構造が側板および小扉における溝構造と係合される場合、ロックタング61は、ロック穴の上部101によって押圧されなくなり、かつバネの復元力によって側板2におけるロック穴10に右方向に押し込まれる。この場合、右側引掛部66が右側アンダーカット13と係合され、容器カバーロック機構はカバー1と側板2とをロッキングさせた状態となる。
【0022】
図6は、本発明の容器カバーロック機構がロック状態にある時の断面図であり、
図6〜
図8においてバネ7の一部の構造を省略し、かつ側板および小扉の具体的な構造の図示も省略している。
図6に示すように、右側引掛部66が右側アンダーカット13と係合されると、バックル6の底部凹み65の長さaが、バネ7の自然長l
0よりも小さく、圧縮されたバネ7の復元力によってバックル6のロックタング61が側板2のロック穴10に押し込まれ、ロック機構がロック状態に保持される。運送過程において、カバー1が容器内の液体によって上方へ衝突されると、側板2はロックタング2を下方へ押圧し、かつ右側引掛部66と右側アンダーカット13とが係合されることによって、ロック機構は脱離することなくロック状態に保持される。
【0023】
図7は、本発明の容器カバーロック機構がロック解除状態にあるときの断面図である。ロックを解除する必要がある場合、親指および食指を補助凹み15およびバックル凹み62にそれぞれ挿入させて、バックル6を
図7に示す位置に左側へ引っ張らせる。バックル6を引っ張って並進運動する過程において、補助引掛フック64は補助引掛溝14との係合を保持するとともに補助引掛溝14に沿って摺動する。バックル6が
図7に示す位置にある場合、左側アンダーカット16と左側引掛部63とが係合され、ロックタング61は、ロック穴10から退出するが、そのヘッド部がカバーにおける開口11から脱出しない。この場合、補助凹み15および凹み8にそれぞれ位置する親指および食指によって上方へ付勢して、カバー1の一方側を上方に向かって容器の側板から脱離させるが、バックル6はカバー1から分離しがたくなる。補助凹み15を設けることによって、カバーの自重を克服するために引っ張り力を付加する着力点を増加して、カバーの重力を補助凹み15および左側アンダーカット16と左側引掛部63との係合によって受けるため、バックルは単独にカバーの自重を受けることによって損害されやすいというリスクを避けることができ、バックルの信頼性を向上させ、その使用寿命を増加させることができる。
【0024】
カバー1が容器の側板から分離した後、バックル6を取り外す必要がない場合、手の指を離れて、バネ7の復元力によってロックタング61を開口11に押し込ませ、かつ右側引掛部66を右側アンダーカット63と係合させることによって、バックル6をカバー1に安定的に保持させることができる。
【0025】
図8は、本発明の容器カバーロック機構を取り外すときの断面図である。バックルをカバーに実装した後、バックル6がロック位置またはロック解除位置にあるにも係らず、補助引掛フック64と補助引掛溝14とが常に係合されることによって、バックル6全体が使用過程において安定的に操作することができる。右側アンダーカット13と左側アンダーカット16との間の距離bは、右側引掛部66と左側引掛部63との間の距離cよりも大きいので、バックル6を取り外す必要があるときに、バックル6を
図8に示す位置、すなわち右側引掛部66と右側アンダーカット13とが係合しないとともに、左側アンダーカット16と左側引掛部63とも係合しない第3の位置に移動させ、その後、バックルの左側を上方へ引き上げ、または工具を使用してこじあけることによって、補助引掛フック64と補助引掛溝14との係合を解除させ、かつロックタング61を抜き出させて、バックル6をカバー1から取り外すことができる。
【0026】
図9は、本発明の第2の実施例に係る容器カバーロック機構のカバー辺縁の構造を示す斜視図であり、
図10および
図11は、本発明の第2の実施例に係る容器カバーロック機構におけるバックルを異なる視角からみた構造を示す斜視図である。本実施例では、第1の実施例と比べて、カバー1の辺縁における凹み8には、左側アンダーカット16および右側アンダーカット13の代わりに左側突出ピン18および右側突出ピン17が設けられており、かつバックル6′には、左側引掛部63および右側引掛部66の代わりに左側ピン穴68および右側ピン穴67が設けられるという点で異なっている。ロック機構がロック状態にある場合、右側突出ピン17が右側ピン穴67に挿入されている。一方、ロック機構がロック解除状態にある場合、左側突出ピン18が左側ピン穴68に挿入されている。左側ピン穴68と右側ピン穴67との間の距離は、左側突出ピン18の端面と右側突出ピン17の端面との間の距離よりも小さいので、カバーへのバックルの着脱が容易になる。本実施例の動作原理は、対応する機能を実現するための構造や形式のみがやや異なる以外に第1の実施例と基本的に同様である。1つの変形例では、バックルに左側突出ピンおよび右側突出ピンが設けられ、カバーの辺縁における凹みに左側ピン穴および右側ピン穴が対応して設けられるようにしてもよい。
【0027】
本発明の容器カバーロック機構は、左右の2対の引掛部とアンダーカット(またはピンとピン穴など)の構造および1対の補助引掛部と補助引掛溝の構造が合理的に設けられることによって、ロック機構の着脱がより容易になり、かつ操作の安定性を保証することができる。また、本発明は、カバーの辺縁に補助凹みが設けられているため、ロックを解除してカバーを取り外す操作がより簡単で省力化し、かつカバーを引き上げるときにバックルが負う重量を減少させることができ、バックルの信頼性を向上させ、使用寿命を増加させることができる。
【0028】
以上、本発明の好ましい実施例を詳細に説明したが、本分野の一般的な技術者は、本発明の上記内容を閲読した後、本発明に対して各種の変更または修正を実施することができると理解すべきであり、このような等価な変更または修正も本願の請求の範囲に含まれるべきである。