特許第6307187号(P6307187)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6307187
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20180326BHJP
【FI】
   A63F5/04 512C
   A63F5/04 512D
【請求項の数】5
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2017-32201(P2017-32201)
(22)【出願日】2017年2月23日
【審査請求日】2017年5月8日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390026620
【氏名又は名称】山佐株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105980
【弁理士】
【氏名又は名称】梁瀬 右司
(74)【代理人】
【識別番号】100178995
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 陽介
(72)【発明者】
【氏名】北沢 有央
【審査官】 森田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−226220(JP,A)
【文献】 特開2012−232056(JP,A)
【文献】 特開2005−348775(JP,A)
【文献】 特開2006−034609(JP,A)
【文献】 特開2010−136845(JP,A)
【文献】 特開2009−165527(JP,A)
【文献】 特開2007−061595(JP,A)
【文献】 特開2010−051368(JP,A)
【文献】 特開2014−073326(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定液体が容器内の一部に存在し、前記特定液体の液面が変動する水槽デバイスを備える遊技機において、
前記水槽デバイスは、給水口が前記特定液体中の液面近傍に位置するように前記容器内に設置され、前記特定液体を前記給水口から吐水口へ送り出すことによって前記特定液体を特定位置に噴出させるポンプを備え、
前記ポンプは、特定演出に際して前記特定液体の前記特定位置への噴出を行うために作動するものであり、
前記ポンプの作動は、前記特定液体の液面が変動するような演出が終了してから、または、前記遊技機の電源が投入されてから、または、前記遊技機の前面扉が閉じられてから、前記特定液体の液面が落ち着くと想定される時間が経過するまでの規定時間内では禁止されている
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記特定液体の液面が変動するような演出として、前記特定液体または特定物を前記容器内の前記特定液体が存在する領域に噴出させる特別演出があり、
前記ポンプの作動は、前記特別演出が終了してからの前記規定時間内では禁止されている
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記吐水口から前記給水口にかけての前記特定液体の流路に逆止弁が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記給水口より前記容器の底面側に開口部を形成するとともに前記給水口を取り囲むガード部材が設けられており、
前記特定液体は前記ガード部材により前記開口部から前記給水口に流入するようになっている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記水槽デバイスは、
前記容器内における位置が変化することにより所定演出を行う可動構造体と、
前記可動構造体の位置を検出する位置検出部と
をさらに備え、
前記可動構造体は前記位置検出部による検出結果に基づいて位置制御が行われるものであり、
前記可動構造体は、前記遊技機の電源の投入タイミング、または、前記遊技機の前面扉の開閉タイミングにおいて、前記位置検出部による検出結果に基づいて初期動作を行う
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定液体が容器内の一部に存在し、前記特定液体の液面が変動する水槽デバイスを備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、スロットマシンや、パチンコ遊技機などがある。この種の遊技機において、表示装置の前方に水槽デバイスを設け、水槽デバイスにより演出を行う遊技機が知られており、このような遊技機として例えば特許文献1に開示されているものがある。
【0003】
特許文献1に開示されている遊技機における水槽デバイスは、内部下側に液体を貯留し、かつ、内部上側を空気層としている水槽と、水槽内部下側に貯留されている液体を水槽内部上側の空気層の位置まで汲み上げる揚水装置と、揚水装置によって汲み上げられた液体を水槽内部上側の空気層へ向けて霧状に噴出される噴出装置とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−61595号公報(段落0123、図21など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、容器内部下側から液体が汲み上げられ、汲み上げられた液体が水槽内部上側の空気層へ向けて霧状に噴出された場合、スロットマシンの前面扉が閉じられた場合など、容器内部下側の液体の液面が変動してしまい、揚水装置の給水口付近の液体が減ってしまう。このため、容器内部下側の液体の液面が変動しているときに、揚水装置が容器内部下側に貯留されている液体を汲み上げようとしても、揚水装置は所望の液体以外の空気層の空気を取り込んでしまい、所望の演出を行うことができない虞がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、特定液体が容器内の一部に存在し、特定液体の液面が変動する水槽デバイスにおいて、所望の演出が行われない事態の発生を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、本発明にかかる遊技機は、特定液体が容器内の一部に存在し、前記特定液体の液面が変動する水槽デバイスを備える遊技機において、前記水槽デバイスは、給水口が前記特定液体中の液面近傍に位置するように前記容器内に設置され、前記特定液体を前記給水口から吐水口へ送り出すことによって前記特定液体を特定位置に噴出させるポンプを備え、前記ポンプは、特定演出に際して前記特定液体の前記特定位置への噴出を行うために作動するものであり、前記ポンプの作動は、前記特定液体の液面が変動するような演出が終了してから、または、前記遊技機の電源が投入されてから、または、前記遊技機の前面扉が閉じられてから、前記特定液体の液面が落ち着くと想定される時間が経過するまでの規定時間内では禁止されていることを特徴としている。
【0008】
この構成によると、ポンプの作動は特定液体の液面の変動が落ち着いてから行われるので、ポンプの作動時にポンプが給水口から特定液体以外の意図しない物(例えば、特定液体以外の液体、空気)を取り込むことを抑えることができる。また、特定液体の液面の変動に起因する圧力変化により給水口から吐水口にかけての流路内の特定液体の液面の位置が変化し、ポンプの作動開始からポンプによる特定液体の噴出までの時間が変化するのを防ぐことができる。つまり、ポンプの作動開始からポンプによる特定液体の噴出までの時間の一定化を図ることができる。これらにより、ポンプを用いた演出が所望の演出にならない事態の発生を防止することができる。
【0009】
また、前記特定液体の液面が変動するような演出として、前記特定液体または特定物を前記容器内の前記特定液体が存在する領域に噴出させる特別演出があり、前記ポンプの作動は、前記特別演出が終了してからの前記規定時間内では禁止されているとしてもよい。
【0010】
特定液体または特定物を容器内の特定液体が存在する領域に噴出させる特別演出では、特定液体の液面の変動が大きいことが想定される。このため、この構成によると、ポンプの作動時にポンプが給水口から特定液体以外の意図しない物(例えば、特定液体以外の液体、空気)を取り込むことを効果的に抑えることができるとともに、ポンプの作動開始からポンプによる特定液体の噴出までの時間の一定化を効果的に図ることができる。
【0011】
また、前記吐水口から前記給水口にかけての前記特定液体の流路に逆止弁が設けられているとしてもよい。
【0012】
この構成によると、ポンプの作動開始からポンプによる特定液体の噴出までの時間の一定化をより効果的に図ることができる。
【0013】
また、前記給水口より前記容器の底面側に開口部を形成するとともに前記給水口を取り囲むガード部材が設けられており、前記特定液体は前記ガード部材により前記開口部から前記給水口に流入するようになっているとしてもよい。
【0014】
この構成によると、ポンプの作動時にポンプが給水口から特定液体以外の意図しない物(例えば、特定液体以外の液体、空気)を取り込むことをより効果的に抑えることができる。
【0015】
また、前記水槽デバイスは、前記容器内における位置が変化することにより所定演出を行う可動構造体と、前記可動構造体の位置を検出する位置検出部とをさらに備え、前記可動構造体は前記位置検出部による検出結果に基づいて位置制御が行われるものであり、前記可動構造体は、前記遊技機の電源の投入タイミング、または、前記遊技機の前面扉の開閉タイミングにおいて、前記位置検出部による検出結果に基づいて初期動作を行うとしてもよい。
【0016】
この構成によると、位置検出部による検出結果に基づいて位置制御が行われる可動構造体については、電源の投入タイミングまたは前面扉の開閉タイミングにおいて必要な初期動作が実行され、必要な初期動作が行われないことによる不具合が生じることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態にかかる遊技機の一例であるスロットマシンの斜視図である。
図2図1の水槽デバイスを正面から見た概略図である。
図3図1の水槽デバイスを背面から見た概略図である。
図4】(a)は図1の水槽デバイスの容器の前面蓋の斜視図であり、(b)は図1の水槽デバイスの容器の容器本体の斜視図である。
図5図2の浮き演出ユニットを説明するための図である。
図6図2の浮き演出ユニットを説明するための図である。
図7】(a)は図2の浮き部材の平面図であり、(b)は浮き部材の正面図であり、(c)は浮き部材の右側面図であり、(d)は浮き部材の底面図であり、(e)はのA−A断面図であり、(f)は(c)のB−B断面図である。
図8図2の水槽デバイスの浮き部材と容器との配置関係を説明するための図である。
図9】(a),(b)は図2の浮き演出ユニットの浮き演出駆動部を説明するための図である。
図10】(a)は図2の水槽デバイスの上側ポンプ演出ユニットを含む一部分の正面図であり、(b)は(a)のC−C断面の概略図である。
図11図2の水槽デバイスの上側ポンプ演出ユニットの駆動部分を説明するための図である。
図12図2の水槽デバイスの上側ポンプ演出ユニットによる上側ポンプ噴出演出を説明するための図である。
図13】(a)は図2の水槽デバイスの下側ポンプ演出ユニットを含む一部分の正面図であり、(b)は(a)のD−D断面の概略図である。
図14図2の水槽デバイスの下側ポンプ演出ユニットの駆動部分を説明するための図である。
図15図2の水槽デバイスの下側ポンプ演出ユニットによる下側ポンプ噴出演出を説明するための図である。
図16図1のスロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
図17図16のメイン制御基板およびサブ制御基板の機能を示す機能ブロック図である。
図18図2の水槽デバイスの上側ポンプ演出ユニットの作動の禁止期間を説明するための図である。
図19図2の水槽デバイスの上側ポンプ演出ユニットの一変形例を示す図であり、(a)は水槽デバイスの上側ポンプ演出ユニットを含む一部分の正面図であり、(b)は(a)のE−E断面の概略図である。
図20図2の水槽デバイスの上側ポンプ演出ユニットの他の変形例を示す図であり、(a)は上側ポンプ演出ユニットの動作停止時(逆流防止状態)を示す図であり、(b)は上側ポンプ演出ユニットの動作時を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態について、図1から図18を参照して説明する。
【0019】
(構成)
本実施形態に係る遊技機の一例であるスロットマシン1は、予め設定された複数の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態において、メダルなどの遊技媒体が規定数(例えば、3枚)投入され、後述するスタートスイッチ19が操作されることを条件に一回の遊技が実行開始されるものであり、図1のように構成されている。
【0020】
筐体3の前面は、前面扉5により開閉自在に閉塞され、この前面扉5のほぼ中央高さの位置に操作板7が配設される。操作板7の上方に正面板9が配設されている。正面板9には横長矩形の表示窓11が設けられている。また、表示窓11の内側には、複数種類の図柄を予め定められた順序で可変表示する左・中・右リール13L,13M,13Rが配置されている。左・中・右リール13L,13M,13Rには、例えば、複数種類の図柄が合計20個、所定の配列でそれぞれ設けられている。
【0021】
また、各図柄には、0番から19番までのコマ番号が順に付されている。この場合、例えば、コマ番号0番から19番までの図柄が印刷されたリールテープが各リール13L,13M,13Rの周面に貼り付けられている。そして、各リール13L,13M,13Rが回転すると、コマ番号19番、18番、…、0番、19番、…の予め定められた順に複数の図柄がそれぞれ表示窓11に変動表示される。表示窓11からは、各リール13L,13M,13Rの回転が停止すると、図柄が上段、中段および下段にそれぞれ1個の合計3個ずつ覗くように設定されている。すなわち、3個すべてのリール13L,13M,13Rが停止すると、縦3列横3行に配列された合計9個の図柄が表示窓11に停止表示されるようになっている。なお、この実施形態では、入賞判定に使用される表示窓11内の入賞ラインとして、左リール13Lの下段、中リール13Mの下段、右リール13Rの下段により構成されるいわゆる下段ラインが設定されている。
【0022】
また、各リール13L,13M,13Rを独立して回転駆動できるように、各リール13L,13M,13Rそれぞれには、ステッピングモータで構成されるリールモータ14L,14M,14R(図16参照)が連結されている。なお、各リール13L,13M,13Rと各々のリールモータ14L,14M,14Rとで構成されたリールユニット(図示省略)によりスロットマシン1の表示手段が構成されている。
【0023】
更に、操作板7には、内部に貯留されているクレジットメダルから1枚ずつのメダル投入を指示するためのベットスイッチ15、クレジットメダルから1ゲーム(遊技)あたりの最大投入枚数(ここでは3枚に設定されている)のメダル投入を指示するための最大ベットスイッチ17、各リール13L,13M,13Rを回転させて各図柄の可変表示を開始させるレバー状のスタートスイッチ19、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転をそれぞれ停止させて各図柄の可変表示を停止させる左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21R(停止操作手段)、クレジットメダルを払い出すための精算スイッチ23、およびメダル投入口25が設けられている。なお、この実施形態では、1ゲームに必要なメダル投入数(規定数)は、3枚の1種類が設定されている。また、各リール13L,13M,13Rにより複数種類の図柄を可変表示する複数の可変表示列が形成されており、各ストップスイッチ21L,21M,21Rは、各リール13L,13M,13Rそれぞれに対応して設けられている。
【0024】
また、正面板9の上方のほぼ中央には、後述する液晶表示器27の表示内容と一体となって、または、独立して演出を行う水槽デバイス28が設けられている。
【0025】
水槽デバイス28には、図2に示すように、容器301と、容器301内に収容された2種類の液体320,325が設けられている。また、水槽デバイス28には、図2に示すように、前方側に浮きラインガイド330aを有するとともに浮き用位置検出センサ28aを有する浮き演出ユニット330が容器301内に設けられている。また、水槽デバイス28には、図2に示すように、上側ポンプ演出ユニット351および下側ポンプ演出ユニット353を有するポンプ演出ユニット350が容器301内に収容されている。なお、図2では、浮き演出ユニット330とポンプ演出ユニット350とは容器301の後述する前面蓋303の背後に配置されているが、図の簡略化のため浮き演出ユニット330とポンプ演出ユニット350とは実線で示している。なお、図5図6図10(a)および図13(a)についても同様である。
【0026】
浮き演出ユニット330は、図3に示すように、容器301の後述する容器本体305の背面側に設けられた浮き演出駆動部360を備えている。
【0027】
ポンプ演出ユニット350は、図3に示すように、容器301の後述する容器本体305の背面側に設けられたポンプ演出駆動部370を備え、ポンプ演出駆動部370は、上側ポンプ演出ユニット351の上側ポンプ演出駆動部371と、下側ポンプ演出ユニット353の下側ポンプ演出駆動部373とを有する。
【0028】
容器301は、図4(a)に示す略平板状をした前面蓋303と、図4(b)に斜視図を示す前方に開放された略箱状をした容器本体305とを備えており、容器本体305には、上側ポンプ演出ユニット351の後述するタービン503を嵌め込むための貫通孔307が形成されているとともに、下側ポンプ演出ユニット353の後述するタービン703を嵌め込むための貫通孔309が設けられている。容器301は、前面蓋303を、この前面蓋303の面303aと反対側の面が容器本体305の枠部分305aの面305bに当接するように、容器本体305の前方側から容器本体305に取り付けることによって組み立てられる。このようにして組み立てられた容器301は内部空間を有する。なお、前面蓋303と容器本体305とは容器301の内部空間が容器301外部から視認可能となるように例えばポリカーボネートなどの無色透明の合成樹脂により形成されている。ただし、前面蓋303と容器本体305とは容器301の内部空間が容器301外部から視認可能であれば無色透明に限定されるものではなく有色透明の材料により形成されていてもよい。
【0029】
容器301内に収容された2種類の液体320,325は互いに比重が異なっている。この比重の違いにより、比重が大きい方の液体(特定液体)320が沈殿することによって容器301内の下側に比重が大きい方の液体320の液層が形成されるとともに、容器301内の上側に比重が小さい方の液体325の液層が形成される(図2参照)。この実施形態では、比重が大きい方の液体320を有色透明な液体とし、比重が小さい方の液体325を無色透明な液体とするが、これに限定されるものではない。なお、以下では、比重が大きい方の液体320を「下層液体320」と呼び、比重が軽い方の液体325を「上層液体325」と呼ぶ。
【0030】
浮き演出ユニット330は、図5図6に示すように、浮き部材401と、一端側に第1止め部403aが形成された浮きアーム403と、第2止め部405と、紐状部材407と、滑車機構409とを備える。
【0031】
浮き部材401は容器301内の液体に対する浮力を有するとともに、容器301内の上下方向に移動可能になっている。なお、浮き部材401の構造の詳細については図7を用いて後述する。
【0032】
浮きアーム403は略棒状をしている。浮きアーム403には前後方向に貫通した孔403bが設けられているとともに、紐状部材407の一端側が取り付けられる第1止め部403aを形成する前後方向に貫通した孔が設けられている。浮きアーム403は、孔403bに容器本体403に取り付けられた丸棒部材403cを挿通することによって、容器301の容器本体305に取り付けられており、丸棒部材403cを回動の中心として回動可能になっている。また、浮きアーム403の他端側には円環状部403dが形成されている。浮きアーム403の円環状部403dには磁石でできた略円柱状のマグネット部403eが挿入されている。
【0033】
第2止め部405は、紐状部材407の他端側が取り付けられるものであり、丸棒の形状をしており、容器本体305に固定配置されている。
【0034】
紐状部材407は、その一端側が浮きアーム403の第1止め部403aに取り付けられ、その他端側が第2止め部405に取り付けられており、その材質は例えばナイロン、ポリエチレンなどである。紐状部材407はその一端側が取り付けられた第1止め部403aの動作に従って容器301内の位置が変動する。浮き部材401は、紐状部材407の一端側(第1止め部403aに取り付けられる側)と他端側(第2止め部405に取り付けられる側)との間に移動可能に接続されている。
【0035】
滑車機構409は、紐状部材407の一端側(第1止め部403aに取り付けられる側)から紐状部材407の浮き部材401が接続されている部分にかけて設けられており、紐状部材407に対する滑車機構を形成するものである。滑車機構409は、2つの丸棒部材409a,409bからなり、2つの丸棒部材409a,409bはそれぞれ容器本体305に配置されている。この実施形態では、紐状部材407の一端側の丸棒部材409aは浮き部材401側の丸棒部材409bより上側に配置されている。なお、滑車機構409は、2つの丸棒部材409a,409bで構成する代わりに、1つの丸棒部材で構成するようにしてもよく、3つ以上の丸棒部材で構成するようにしてもよい。
【0036】
続いて、浮き部材401の構造について図7を参照して説明する。なお、図7における説明で記載する「表」、「裏」は、それぞれ、浮き部材401が容器301に収容された状態において、容器301の前面蓋303側、容器本体305側を指す。また、図7における説明で記載する「上」、「下」、「右」、「左」は、それぞれ、浮き部材401が容器301に収容された状態において、容器301を正面から見て、上、下、右、左を指す。
【0037】
浮き部材401は、浮き上部431と、浮きリング部433と、浮き下表部435と、浮き下裏部437とを有する。
【0038】
浮き上部431は、正面図において上側が曲線の略半円状をし(図7(b)参照)、平面図において略楕円状をし(図7(a)参照)、右側面図において上側が曲線の略半楕円状をした(図7(c)参照)、半扁球状をしている。そして、浮き上部431は、下方向に開放している(図7(e),(f)参照)。また、浮き上部431の下部面には外側より内側が高くなった段差部431aが形成されている(図7(e),(f)参照)。
【0039】
浮きリング部433は、略楕円環状をし(図7(b),(c),(e),(f)参照)、浮き上部431と、浮き下表部435および浮き下裏部437により構成される浮き下部との間に配置されるものである。そして、浮きリング部433の外側面の上下方向の略中央に全周にわって凸部433aが形成されている(図7(e),(f)参照)。
【0040】
浮き下表部435は、浮き本体下表部435aと浮き本体下表部435aから下方に延びた紐接続表部435bとを一体形成したものである(図7(b),(c)参照)。浮き本体下表部435aは、正面図において下側が曲線の略半円状をし(図7(b)参照)、底面図において表側が曲線の半楕円形状をし(図7(d)参照)、右側面図において表側が曲線の略四半楕円形状をした(図7(c)参照)、四半扁球状をしている。そして、浮き下表部435は、上方向および裏方向に開放している(図7(e),(f)参照)。また、浮き本体下表部435aの上部面には外側より内側が低くなった段差部435cが形成され(図7(e),(f)参照)、浮き本体下表部435aの表面(浮き部材401が組み立てられた状態における外面の一部となる面)と裏面(浮き部材401が組み立てられた状態における内面の一部となる面)とを繋ぐ裏方向に向いた面(容器本体305の前面蓋303と対向する面305c(図8参照)と向きあった面)には裏面(浮き部材401が組み立てられた状態における内面の一部となる面)側が削り取られたような段差部435dが形成されている(図7(e),(f)参照)。紐接続表部435bの下部435eの裏面(後述する紐接続裏部437bと対向する側の面)には下方の厚みが薄くなるように段差部435fが形成され、その段差部435fには略円柱状をした凹部435gが形成されている(図7(e)参照)。
【0041】
浮き下裏部437は、浮き本体下裏部437aと浮き本体下表部437aから下方に延びた紐接続裏部437bとを一体形成したものである(図7(c)参照)。浮き本体下裏部437aは、正面から見た場合において下側が曲線の略半円状をし、底面図において裏側が曲線の半楕円形状をし(図7(d)参照)、右側面図において裏側が曲線の略四半楕円形状をした(図7(c)参照)、四半扁球状をしている。そして、浮き下裏部437は、上方向および表方向に開放している(図7(e),(f)参照)。また、浮き本体下裏部437aの上部面には外側より内側が低くなった段差部437cが形成され(図7(e)参照)、浮き本体下裏部437aの裏面(浮き部材401が組み立てられた状態における外面の一部となる面)と表面(浮き部材401が組み立てられた状態における内面の一部となる面)とを繋ぐ表方向に向いた面(前面蓋303の容器本体305と対向する面303b(図8参照)と向きあった面)には裏面(浮き部材401が組み立てられた状態における外面の一部となる面)側が削り取られたような段差部437dが形成されている(図7(e),(f)参照)。紐接続裏部437bの下部437eの表面(紐接続表部435bと対向する側の面)には下方の厚みが薄くなるように段差部437fが形成され、その段差部437fには表方向(紐接続表部435bの方)に延びた略円柱状をした凸部437gが形成されている(図7(c),(e),(f)参照)。
【0042】
浮き下裏部437の段差部437dが浮き下表部435の段差部435dに嵌り込み、浮き下裏部437の凸部437gの先端部分が浮き下表部435の凹部435gに嵌り込むように、浮き下裏部437が浮き下表部435に取り付けられる(図7(e),(f)参照)。また、浮きリング部433の凸部433aが浮き上部431の段差部431aに浮き上部431の下側から嵌り込むように、浮きリング部433の凸部433aが浮き下表部435の段差部435cと浮き下裏部437の段差部437cにこれらの上側から嵌り込むように、浮きリング部433が浮き上部431、浮き下表部435、浮き下裏部437に取り付けられる(図7(e),(f)参照)。このようにして組み立てられた浮き部材401には、浮き下表部435の段差部435fと、浮き下裏部437の段差部437fと、浮き下裏部437の凸部437gにより取り囲まれる、挿通孔411が形成される(図7(e)参照)。また、このようにして組み立てられた浮き部材401の球状部分では中空になっているので、浮き部材401は容器301に収容される液体に対して浮力を有している。
【0043】
紐状部材407は挿通孔411に挿通され、浮き部材401は紐状部材407に摺動可能に接続されることになる。
【0044】
浮き部材401の浮きリング部433の短径の2点間の距離(図7(a),(c)における点aと点bとの間の距離:容器301を上から見て浮き部材401の最も幅が狭い部分の距離)は、例えば、容器301を組み立てた状態における前面蓋303の容器本体305と対向する面(容器の第1内側面)303bと、容器本体305の前面蓋303と対向する面(容器の第2内側面)305cとの間の距離より、浮き部材401が容器301で上下方向に移動可能なように小さくなっており、例えば、浮き部材401が容器301で上下方向に移動可能な程度に若干小さくなっている(図8参照)。また、浮き部材401の浮きリング部433の長径の2点間の距離(図7(b),(c)における点cと点dとの間の距離:容器301を上から見て浮き部材401の最も幅が広い部分の距離)は、例えば、容器301を組み立てた状態における前面蓋303の面303bと、容器本体305の面305cとの間の距離より、浮き部材401が容器301内で回転(図8中の矢印dで示す方向の回転)するのを規制するように、大きくなっている(図8参照)。これにより、浮き部材401は、容器301内での上下方向の滑らかな移動を可能にしつつ、容器301内での過剰な回転を抑えることができる。
【0045】
水槽デバイス28では、上側ポンプ演出ユニット351(波発生手段の一例)により後述する上側ポンプ噴出演出が行われた場合、或いは、下側ポンプ演出ユニット353(波発生手段の他の例)により後述する下側ポンプ噴出演出が行われた場合には、これらの演出により発生する波は容器301の一側面(図8の面305d)から他側面(図8の面305e)に向かう方向に進行し、容器301の他側面(図8の面305e)から一側面(図8の面305d)に向かう方向に進行する。したがって、上記のように容器301内に配置された浮き部材401は、波の進行方向と直交する水平方向よりも当該波の進行方向の方に長い形状をしている(図8参照)。
【0046】
浮き演出ユニット330の浮き演出駆動部360は、図9(a),(b)に示すように、浮きモータ基部361と、収容部363と、浮き用位置検出センサ28a、浮き駆動用モータ28bと、カム365と、取付部材367と、クランクアーム369とを備える。
【0047】
浮きモータ基部361は、容器301の容器本体305に容器301の外側から取り付けられる平板状をしており、浮きモータ基部361には開口361aが形成されている。
【0048】
収容部363は、浮きモータ基部361の容器301と対向する面と反対側の面に取り付けられ、収容部363にはカム365、取付部材367およびクランクアーム369が収容されているとともに、浮き駆動用モータ28bおよび浮き用位置検出センサ28aが取り付けられている。浮き駆動用モータ28bは後述するサブ制御基板73の浮き駆動制御手段204(図17参照)に駆動制御される。また、浮き用位置検出センサ(位置検出部)28aは、浮き演出ユニット(可動構造体)330の可動部分の位置(この実施形態ではクランクアーム369の位置)を検出するものであり、検出結果に基づく検出信号を後述するサブ制御基板73の浮き駆動制御手段204(図17参照)に出力する。この浮き用位置検出センサ28aによる浮き演出ユニット330の位置検出結果に基づいて浮き演出ユニット330(この実施形態ではクランクアーム369の位置)の位置制御が浮き駆動制御手段204により行われる。浮き用位置検出センサ28aは例えばフォトセンサにより構成されている。
【0049】
カム365は、略円盤状をし、一方面側で浮き駆動用モータ28bに連結され、浮き駆動用モータ28bにより円盤状の中心を回転軸として回転させられる。
【0050】
取付部材367は、略円盤状をしており、その略円盤状の中心と略円盤状をしたカム365の中心とがずれるようにカム365に取り付けられている。これにより、取付部材365は、カム365が回転した場合に、略円盤状をした取付部材367の中心と略円盤状をしたカム365の中心との間の距離を半径とし、略円盤状をしたカム365の中心を中心とした円周上を移動する。
【0051】
クランクアーム369には一方の端部に前後方向に貫通した貫通孔369aが形成されており、クランクアーム369は、収容部363に取り付けられた丸棒部材368が貫通孔369aに挿入されることにより、収容部363に取り付けられている。クランクアーム369には略中央に前後方向に貫通した貫通孔369bが形成されており、この貫通孔369bに取付部材367が嵌め込まれる。また、クランクアーム369には平板状をした突出部369cが形成されており、この突出部369cが浮き用位置検出センサ28aの位置検出対象である。また、クランクアーム369には、貫通孔369aと反対側の端部には円環状部369dが形成されており、円環状部369dは浮きモータ基部361の開口361a内に位置するように配置される。また、クランクアーム369と浮きアーム403とは、クランクアーム369の円環状部369dと浮きアーム403の円環状部403dとが対向するように、配置されている。クランクアーム369の円環状部369dには磁石でできた略円柱状のマグネット部369eが挿入されており、マグネット部369eは浮きアーム側のマグネット部403eと対向している。マグネット部369eのマグネット部403eと対向する側の磁石の極性と、マグネット部403eのマグネット部369eと対向する側の磁石の極性とは、この実施形態では逆極性の関係にある。
【0052】
クランクアーム369の円環状部369dは、カム365に連動して取付部材367が上記した円周上を移動した場合、丸棒部材368を回動の中心として回動し、これに連動して円環状部369dに挿入されたマグネット部369eも丸棒部材368を回動の中心として回動することになる。マグネット部369eが丸棒部材368を回動の中心として時計回りに回動した場合には、マグネット部403eは丸棒部材403cを回動の中心として時計回りに回動し、これに連動して円環状部403dにマグネット部403eが挿入された浮きアーム403は丸棒部材403cを回動の中心として時計回りに回動する。一方、マグネット部369eが丸棒部材368を回動の中心として反時計回りに回動した場合には、マグネット部403eは丸棒部材403cを回動の中心として反時計回りに回動し、これに連動して円環状部403dにマグネット部403eが挿入された浮きアーム403は丸棒部材403cを回動の中心として反時計回りに回動する。なお、浮きアーム403が丸棒部材403cを回動の中心として時計回りまたは反時計回りに回動した場合には、浮きアーム403の一端側に形成された第1止め部403aが丸棒部材403cを回動の中心として時計回りまたは反時計回りに回動する。
【0053】
浮き駆動用モータ28bによりカム365が時計回りに回動させられると、取付部材367、クランクアーム369、クランクアーム369の円環状部369dに挿入されたマグネット部369e、浮きアーム403の円環状部369dに挿入されたマグネット部403eを介して、浮きアーム403の第1止め部403aが丸棒部材403cを回動の中心として時計回りに回動する。これにより、例えば図5の状態で浮きアーム403の第1止め部403aが時計回りの回動を開始した場合には第1止め部403aと丸棒部材409aとの間の距離が長くなる。このため、例えば図5の状態において第1止め部403aが丸棒部材403cを回動の中心として時計回りに回動した場合、第1止め部403aから紐状部材407を介して浮き部材401に下方向への力Nが入力される。そして、浮き部材401の浮力Fが下方向への力Nに負けることにより浮き部材401は図5に示す位置から図6に示す位置に向かって下方向に移動する(浮き部材401が沈む)。
【0054】
一方、浮き駆動用モータ28bによりカム365が反時計回りに回動させられると、取付部材367、クランクアーム369の円環状部369dを介して、浮きアーム403の第1止め部403aが丸棒部材403cを回動の中心として反時計回りに回動する。これにより、例えば図6の状態で浮きアーム403の第1止め部403aが反時計回りの回動を開始した場合には第1止め部403aと丸棒部材409aとの間の距離が短くなる。このため、例えば図6の状態において第1止め部403aが丸棒部材403cを回動の中心として反時計回りに回動した場合、浮き部材401に対する下方向への力Nの入力が解除され、浮き部材401は、その浮力Fにより、図6に示す位置から図5に示す位置に向かって上方向に移動する(浮き部材401が浮く)。
【0055】
このように、浮き駆動用モータ28bの駆動により浮き部材401を上下方向に移動させることが可能になっており、これにより、浮き部材401を上下方向に移動させる演出を行うことが可能になっている。この浮き駆動用モータ28bの駆動により浮き部材401を上下方向に移動させた演出(所定演出)を、以下では、「浮き演出」という。この浮き演出において、図5図6では下層液体320の液面は変動しないような図示になっているが、浮き部材401および浮きアーム403が動くことにより下層液体320の液面も変動することになる。
【0056】
仮に浮き部材401が紐状部材407に滑車機構409の丸棒部材409bと第2止め部405との間の一点に固定して接続されている場合に、浮きアーム403の第1止め部403aが時計回りに回動すると(例えば図5における位置から図6における位置に移動すると)、浮き部材401には第1止め部403aから紐状部材407を介して浮き部材401から滑車機構409の丸棒部材409bの方向(左下方向)への力N1が入力される。そして、浮き部材401の浮力Fの丸棒部材409bから浮き部材401の方向(右上方向)への成分が左下方向への力N1に負けることにより、浮き部材401は滑車機構409の丸棒部材409bの方に(左下方向に)に沈む。一方、この実施形態のように浮き部材401が紐状部材407に滑車機構409の丸棒部材409bと第2止め部405との間に摺動可能に接続されている場合に、浮きアーム403の第1止め部403aが時計回りに回動すると、浮き部材401には第1止め部403aから紐状部材407を介して複数方向に均等に分散した力N2が入力される。そして、浮き部材401の浮力Fが力N2の下方向の成分に負けることにより、浮き部材401と滑車機構409の丸棒部材409bとの間の距離と、浮き部材401と第2止め部405との間の距離とが等しい状態を保ったまま、浮き部材401は下方向に沈む。
【0057】
また、仮に浮き部材401が紐状部材407に滑車機構409の丸棒部材409bと第2止め部405との間の一点に固定して接続されている場合に、浮きアーム403の第1止め部403aが反時計回りに回動すると(例えば図6における位置から図5における位置に移動すると)、浮き部材401に対する下方向への力N1の入力が解除され、浮き部材401と滑車機構409の丸棒部材409bとの間の距離と、浮き部材401と第2止め部405との間の距離とが等しくなるように、浮き部材401は浮力Fにより上方向に浮き、その途中から浮力に加えて紐状部材407の第2止め部405に取り付けられた側からの力を受けて右上方向に浮く。一方、この実施形態のように浮き部材401が紐状部材407に滑車機構409の丸棒部材409bと第2止め部405との間に摺動可能に接続されている場合に、浮きアーム403の第1止め部403aが反時計回りに回動すると、浮き部材401に対する下方向への力Nの入力が解除され、浮き部材401の浮力により、浮き部材401と滑車機構409の丸棒部材409bとの間の距離と、浮き部材401と第2止め部405との間の距離とが等しい状態を保ったまま、浮き部材401は上方向に浮く。
【0058】
この実施形態のように浮き部材401を紐状部材407に摺動可能に接続することにより、浮き部材401の上下方向に滑らかに動くことができる。なお、浮き部材401は紐状部材407の一点に固定して接続されるようにしてもよい。
【0059】
続いて、ポンプ演出ユニット350の上側ポンプ演出ユニット351について図2図10から図12を参照して説明する。
【0060】
上側ポンプ演出ユニット351は、図2に示すように、スロットマシン1を正面から見た場合における容器301の右側端部に配置されている。上側ポンプ演出ユニット351は、管部501とタービン503とを備える(図10(a),(b)、図11参照)。
【0061】
管部501は、水槽デバイス28を正面から見て、上下方向に延びた略矩形筒状をした管本体部511と、管本体部511の上端から折れ曲がって容器301の左側に向かうように延びた略矩形筒状をし、先端には吐水口513aとしての開口を有する管吐水部513と、管本体部511の下側に延在した管給水部515とからなる(図10(a),(b)参照)。管給水部515には、前面蓋303側に給水口515aとしての略円形の形状をした開口が設けられている(図10(a),(b)参照)とともに、容器本体305側の容器本体305の貫通孔307に対応する位置に略円形の形状をした開口が設けられている(図10(b)参照)。
【0062】
管部501の給水口515aは、下層液体320の液面が波うっていない場合において、給水口515a全体が下層液体320中に位置し、かつ、下層液体320の液面近傍に位置するように配置されている。なお、給水口515a全体が下層液体320の液面近傍に位置するとは、例えば、上側ポンプ演出ユニット351の駆動の禁止に関連する下層液体320の液面が変動している場合に、給水口515aの全部または一部が下層液体320外に露出しまうことがあるような位置に給水口515aが位置することである。
【0063】
また、管部501の吐水口513aは、吐水口513a全体が上層液体325中に位置するように配置されている。
【0064】
タービン503は、略円盤状のマグネットタービン部521と、マグネットタービン部521の前後方向に貫通した貫通孔521bに挿通された丸棒部材523とからなる(図10(b)、図11参照)。丸棒部材523が後述する収容部531の貫通孔531aに挿入されることにより、マグネットタービン部521は容器本体305の貫通孔307内に嵌め込まれた状態で収容部531に取り付けられる。マグネットタービン部521の前面には、前方(前面蓋303側)に突出した羽部521a(この実施形態では6個の羽部521a)が形成され、隣接する羽部521aの間には前後方向に貫通した貫通孔521cが設けられており、貫通孔521cには棒状の磁石521dが挿入されている。なお、図11では図の簡略化のため、一部の貫通孔521cおよび一部の磁石521dのみ図示している。羽部521aの前面蓋303側の面の一部分は管部501の管給水部515の容器本体305側の内面に管給水部515の内側から接触している。また、管給水部515から管本体部511への流路部分以外に羽部521aがある場合、羽部521aの一部分は管給水部515の前面蓋303側の面と容器本体305側の面とをつなぐ面に接触している。
【0065】
上側ポンプ演出ユニット351の上側ポンプ演出駆動部371は、収容部531と、上側ポンプ駆動用モータ28cと、駆動マグネット部533とを有する(図10(b)、図11参照)。
【0066】
収容部531は、容器301の容器本体305に容器301の外側から取り付けら、タービン503の丸棒部材523を挿通するための前後方向に貫通した孔531aが形成されている。収容部531には、駆動マグネット部533が収容されているとともに、上側ポンプ駆動用モータ28cが取り付けられている。上側ポンプ駆動用モータ28cは後述するサブ制御基板73のポンプ駆動制御手段205(図17参照)に駆動制御される。
【0067】
駆動マグネット部533は、略円盤状をしており、上側ポンプ駆動用モータ28cに連結されている。駆動マグネット部533とマグネットタービン部521は収容部531を挟んで対向し、駆動マグネットタービン部533にはマグネットタービン部521の前後方向に貫通した貫通孔521cに対向する位置に前後方向に貫通した貫通孔533aが設けられており、貫通孔533aには棒状の磁石533bが挿入されている。なお、図11では図の簡略化のため、一部の貫通孔533aおよび一部の磁石533bのみ図示している。磁石521dの磁石533bと対向する側の磁石の極性と、磁石533bの磁石521dと対向する側の磁石の極性とは、この実施形態では逆極性の関係にある。この場合、貫通孔533aに磁石533bが挿入された駆動マグネット部533が例えば時計回りに回転した場合には、貫通孔521cに磁石521dが挿入されたマグネットタービン部521は時計回りに回転することになる。
【0068】
上側ポンプ駆動用モータ28cにより駆動マグネット部533が時計回りに回転させられた場合、マグネットタービン部521(マグネットタービン部521の羽部521a)が時計回りに回転する。給水口515aの前面側から管給水部515に回転前から入っていたまたは回転後に入ってきた下層液体320は、マグネットタービン部521の羽部521の時計回りの回転により管本体部511に送り出される。これが繰り返されることにより、下層液体320が管給水部515の給水口515a、管本体部511、管吐水部513を通って、管吐水部513の吐水口513aから吐水される。このようにして、図12に示すように、下層液体320が上層液体325中に噴出され、下層液体320の液面が変動する。なお、この上側ポンプ演出ユニット351により、下層液体320が給水口515aから入って吐水口513aから上層液体325中に噴出する演出(特定演出)を「上側ポンプ噴出演出」と呼ぶ。
【0069】
続いて、ポンプ演出ユニット350の下側ポンプ演出ユニット353について図2図13から図15を参照して説明する。
【0070】
下側ポンプ演出ユニット353は、図2に示すように、スロットマシン1を正面から見た場合における容器301の右下端部に配置されている。下側ポンプ演出ユニット353は、管部701とタービン703とを備える(図13(a),(b)、図14参照)。
【0071】
管部701は、水槽デバイス28を正面から見て、左右方向に延びた略矩形筒状をした管本体部711と、管本体部711の左端から折れ曲がって容器301の上側に向かうように延びた略矩形筒状をし、先端には吐水口713aとしての開口を有する管吐水部713と、管本体部711の右側に延在した管給水部715とからなる(図13(a),(b)参照)。管給水部715には、前面蓋303側に給水口715aとしての略円形の形状をした開口が設けられている(図13(a),(b)参照)とともに、容器本体305側の容器本体305の貫通孔309に対応する位置に略円形の形状をした開口が設けられている(図13(b)参照)。
【0072】
管部701の給水口715aは、給水口715a全体が下層液体320中に位置するように配置されている。また、管部701の吐水口713aは、吐水口713a全体が上層液体325中に位置するように配置されている。
【0073】
タービン703は、略円盤状のマグネットタービン部721と、マグネットタービン部721の前後方向に貫通した貫通孔721bに挿通された丸棒部材723とからなる(図13(b)、図14参照)。丸棒部材723が後述する収容部731の貫通孔731aに挿入されることにより、マグネットタービン部721は容器本体305の貫通孔309内に嵌め込まれた状態で収容部731に取り付けられる。マグネットタービン部721の前面には、前方(前面蓋303側に)に突出した羽部721a(この実施形態では6個の羽部721a)が形成されて、隣接する羽部721aの間には前後方向に貫通した貫通孔721cが設けられており、貫通孔721cには棒状の磁石721dが挿入されている。なお、図14では図の簡略化のため、一部の貫通孔721cおよび一部の磁石721dのみ図示している。羽部721aの一部分は管部701の管給水部715の容器本体305側の内面に管給水部715の内側から当接している。また、管給水部715から管本体部711への流路部分以外に羽部721aがある場合、羽部721aの一部分は管給水部715の前面蓋303側の面と容器本体305側の面とをつなぐ面に接触している。
【0074】
下側ポンプ演出ユニット353の下側ポンプ演出駆動部373は、収容部731と、下側ポンプ駆動用モータ28dと、駆動マグネット部733とを有する(図13(b)、図14参照)。
【0075】
収容部731は、容器301の容器本体305に容器301の外側から取り付けら、タービン703の丸棒部材723を挿通するための前後方向に貫通した孔731aが形成されている。収容部731には、駆動マグネット部733が収容されているとともに、下側ポンプ駆動用モータ28dが取り付けられている。下側ポンプ駆動用モータ28dは後述するサブ制御基板73のポンプ駆動制御手段205(図17参照)に駆動制御される。
【0076】
駆動マグネット部733は、略円盤状をしており、下側ポンプ駆動用モータ28dに連結されている。駆動マグネット部733とマグネットタービン部721は収容部731を挟んで対向し、駆動マグネットタービン部533にはマグネットタービン部521の前後方向に貫通した貫通孔721cに対向する位置に前後方向に貫通した貫通孔733aが設けられており、貫通孔733aには棒状の磁石733bが挿入されている。なお、図14では図の簡略化のため、一部の貫通孔733aおよび一部の磁石733bのみ図示している。磁石721dの磁石733bと対向する側の磁石の極性と、磁石733bの磁石721dと対向する側の磁石の極性とは、この実施形態では逆極性の関係にある。この場合、貫通孔733aに磁石733bが挿入された駆動マグネット部733が例えば時計回りに回転した場合には、貫通孔721cに磁石721dが挿入されたマグネットタービン部721は時計回りに回転することになる。
【0077】
下側ポンプ駆動用モータ28dにより駆動マグネット部733が時計回りに回転させられた場合、マグネットタービン部721(マグネットタービン部721の羽部721a)が時計回りに回転する。給水口715aの前面側から管給水部715に回転前から入っていたまたは回転後に入ってきた下層液体320は、マグネットタービン部721の羽部721の時計回りの回転により管本体部711に送り出される。これが繰り返されることにより、下層液体320が管給水部715の給水口715a、管本体部711、管吐水部713を通って、管吐水部713の吐水口713aから吐水される。このようにして、図15に示すように、下層液体320が下層液体320中に噴出され、下層液体320の液面が変動する。なお、この下側ポンプ演出ユニット353により、下層液体320が給水口715aから入って吐水口713aから下層液体320中に噴出する演出(特別演出)を「下側ポンプ噴出演出」と呼ぶ。
【0078】
図1の説明に戻る。スロットマシン1の前方側から視認される表示領域を有する液晶表示器27が、水槽デバイス28の後方側に配置されている。液晶表示器27の表示領域のうちの下側の第1表示領域の表示内容がスロットマシン1の前方側から水槽デバイス28の容器301内の下層側の液体(比重が大きい液体:下層液体320)を介して視認可能なように、かつ、その表示領域のうちの上側の第2表示領域の表示内容がスロットマシン1の前方側から水槽デバイス28の容器301内の上層側の液体(比重が小さい液体:上層液体325)を介して視認可能なようになっている。この液晶表示器27は、動画などを表示して遊技者に当選や入賞などを告知したり、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様を報知したりする演出を行ったり、スロットマシン1にエラーが発生した場合にエラーの発生を報知するためのものである。ただし、液晶表示器27の表示領域における第1表示領域および第2表示領域の位置は、下層液体320の液面が波うった場合には変化することになる。
【0079】
また、液晶表示器27のすぐ上方には、各種の入賞図柄が表示された説明パネル29が設けられ、液晶表示器27および説明パネル29の左右には、音楽や音声などによる演出を行うためのスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。また、説明パネル29およびスピーカ31L,31Rの上辺には中央ランプ部33Mが配設され、その左右には左・右ランプ部33L,33Rがそれぞれ配設されている。各ランプ部33M,33L,33Rには、それぞれ発光ダイオードなどの光源が配設されている。これらのランプ部33M,33L,33Rは一体的に形成され、遊技者に当選や入賞を告知するなどの演出を行うための上部ランプ部33を構成している。
【0080】
また、操作板7の下方には、装飾画などが表示された下部パネル35が設けられ、この下部パネル35の左右には、それぞれ複数の光源が例えば2列に並んで配置された下部ランプ部37L,37Rが設けられている。また、下部パネル35の下方には、メダルのメダル払出口39や、このメダル払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け41が設けられている。また、正面板9の右下隅には、3つのリールに対する入賞ラインの位置を示す図形(図示省略)が描かれ、正面板9の左下隅にはクレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器45が配設されている。このクレジット表示器45は、例えば2個の7セグメントLEDで構成され、2桁の貯留枚数(最大で50枚)が表示可能になっている。
【0081】
また、クレジット表示器45の下方には、入賞時のメダルの払出枚数を表示するためのペイアウト表示器46が配設される。このペイアウト表示器46は、クレジット表示器45と同様、2個の7セグメントLEDで構成されている。なお、ペイアウト表示器46は、エラー情報の表示に兼用される。
【0082】
また、正面板9の表示窓11の下方には、左ストップスイッチ21L,中ストップスイッチ21M,右ストップスイッチ21Rを操作する順番や、役抽選の結果など、メイン制御基板63(図16図17参照)の制御に関する情報を報知(表示)するための報知用表示器60が配設されている。報知用表示器60は、例えば2個の7セグメントLEDを備えている。したがって、両7セグメントLEDそれぞれが有する各セグメントの点灯態様を変化させることによって、例えば、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序や操作タイミングなどの操作様態を報知できるように構成されている。
【0083】
また、各リール13L,13M,13Rを支持する支持枠体が、筐体3内の後壁に固定されている。筐体3内の支持枠体の下方には、メダルをメダル払出口39に排出するためのホッパーユニット43(図16参照)が配設されている。また、メダル投入口25付近の裏面側には、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して正規のメダルのみをホッパーユニット43に導くメダルセレクタ48(図16参照)が配設されている。また、スロットマシン1の正面から見てホッパーユニット43の左側には、操作ボックス49(図16参照)が筐体3内の左側壁に固定されている。この操作ボックス49には、電源のON、OFFを切り換える電源スイッチ50(図16参照)が設けられるとともに、設定変更処理用のキーシリンダからなる変更処理開始スイッチ56(図16参照)、設定変更時の設定値の切り換えを行うのに用いられるリセットスイッチ52(図16参照)が設けられている。なお、リセットスイッチ52は、エラーが発生した際のエラー解除や、許容状態滞在比率を表示するためのスイッチとしても用いられる。
【0084】
図16の投入センサ53が、筐体3内部のメダル投入口25近傍であってメダルセレクタ48部分に設けられ、メダル投入口25に投入されたメダルを1枚ずつ検出する。払出センサ54が、ホッパーユニット43の出口に設けられ、メダル払出口39に払い出されるメダルを1枚ずつ検出する。
【0085】
図16の左・中・右位置センサ55L,55M,55Rは、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出するもので、例えば左・中・右リール13L,13M,13Rにそれぞれ設けられた突起部を検出するフォトインタラプタからなり、左・中・右リール13L,13M,13Rが回転すると、一周ごとに突起部を検出してその検出信号をメイン制御基板63に出力する。この実施形態では、例えば左・中・右位置センサ55L,55M,55Rが上記突起部を検出したときに、それぞれコマ番号19番の図柄が表示窓11の中段に位置するように構成されている。
【0086】
図16のホッパーモータ57は、ホッパーユニット43に配設されて、その駆動によりメダルをメダル払出口39に向けて払い出す。
【0087】
図16の許容状態報知ランプ80は、スロットマシン1の状態が、AT遊技を許容する状態(AT許容状態)であることを報知するためのもので、例えば、LEDランプで形成されている。この実施形態では、AT許容状態のときは許容状態報知ランプ80が点灯され、AT非許容状態のときは消灯される。なお、許容状態報知ランプ80として、遊技者からも確認できるように、例えば、ペイアウト表示器46のドット部分を用いてもよく、クレジット表示器45のドット部分を用いてもよく、報知用表示器60のドット部分を用いてもよく、別のランプ部材を用いてもよい。
【0088】
図16の扉センサ(扉開閉検知用センサ)85は、筐体3に配設され、前面扉5が開状態にあるか、閉状態にあるかを検知するものであり、検知信号をメイン制御基板63に出力する。扉センサ85は、例えば、接触センサにより構成されている。接触センサは、前面扉5が閉じている場合に前面扉5の背面と接触センサの前面とが近接することによりオン状態(ON状態)となり、前面扉5が開放するに従って前面扉5の背面が接触センサの前面から離間してオフ状態(OFF状態)となり、前面扉5の開閉を検知することができる。なお、扉センサ85は、接触センサに限定されるものではなく、光センサや磁気センサなど、前面扉5の開閉を検知することができるようなものであればよい。
【0089】
また、スロットマシン1には、図16に示すように、遊技の進行に関する制御を行うメインCPU61が実装されたメイン制御基板63と、メイン制御基板63から送信された情報に基づき遊技の進行に合わせた演出の制御を行うサブCPU71が実装されたサブ制御基板73とが別々に設けられ、メイン制御基板63からサブ制御基板73に対して一方向に各種のデータが送信される。なお、メイン制御基板63は、外部から不正にアクセスすることができないように、基板ケース内に厳重に封印されている。また、基板ケースには、不正に解放されたことを確実に視認することができるように、種々の対策が講じられている。
【0090】
また、図16に示すように、メイン制御基板63のRAM65は、メインCPU61内部の記憶容量であり、スロットマシン1の遊技状態などの遊技に関するデータを一時的に記憶するものである。また、図16に示すように、メイン制御基板63のROM67は、メインCPU61内部の記憶容量であり、図17に示す予め設定されたデータである役抽選テーブル671、停止テーブル672などを含むスロットマシン1用のプログラム(遊技機用プログラム)を格納する。
【0091】
メイン制御基板63のメインCPU61は、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM67に記憶された遊技機用プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を行う。このメインCPU61は、役抽選結果に関するデータ、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19などの遊技者により操作される操作器具の操作に関するデータなどの種々のデータを、所定のコマンド形式でサブ制御基板73(サブCPU71)に送信する。
【0092】
サブ制御基板73のメモリ75は、各種データを一時的に記憶するRAM部と、演出用の各種プログラムなどを記憶するROM部とを備えている。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、タイマ割込などの割込機能を有し、サブCPU71は、メインCPU61から送信されるスロットマシン1に関する各種のデータ(役抽選手段103による役抽選処理における役抽選結果、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19などの操作器具が操作されたか、などに関するデータ)に基づいてメモリ75に格納されたプログラムを実行し、遊技者に対する遊技に関連する演出の内容を決定する。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、決定された演出の内容に基づいて、サブ制御基板73が有するI/Oポートを介して、液晶表示器27、水槽デバイス28、スピーカ31L,31Rなどの演出機器の制御を行う。
【0093】
(メイン制御基板)
次に、メイン制御基板63について、図17を参照して詳細に説明する。図17に示すように、メイン制御基板63は、ROM67に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を備えている。
【0094】
(1)遊技制御手段100
図17の遊技制御手段100は、予め設定された複数の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態においてスロットマシン1の遊技を制御するものである。具体的には、遊技制御手段100は、通常遊技状態において一般的な遊技を実行し、これらの遊技状態よりも遊技者に有利な予め定められた1または複数のボーナス役の入賞により移行するボーナス遊技状態においてボーナス遊技を実行する。ボーナス遊技状態は、入賞したボーナス役の種類に応じた終了条件(たとえば、終了条件はAT非許容状態中、AT許容状態中のいずれでも払出枚数が規定数の200枚を超えること)が定められており、遊技制御手段100は、その種類に応じた終了条件が成立したときにボーナス遊技状態を終了する。
【0095】
また、ボーナス遊技状態での遊技であるボーナス遊技とは異なる遊技者に有利な遊技として、後述する役抽選手段103の役抽選により、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順によって遊技者に付与する有利度の異なる1又は複数の当選役グループ(以下、「押し順ベル」と記載する。)の当選となったときに、当選した押し順ベルに対応する有利な各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順(押し順)を特定可能に報知するAT遊技(特殊遊技)がある。技制御手段100は、AT許容状態、かつ、AT期間(特殊遊技継続期間)中の遊技において、役抽選手段103の役抽選により押し順ベルの当選となった場合はAT遊技を行う。
【0096】
遊技制御手段100は、AT遊技を許容しないAT非許容状態(特殊遊技非許容状態)、および、AT遊技を許容するAT許容状態(特殊遊技許容状態)のいずれか1つにスロットマシン1の状態を設定する。スロットマシン1をAT非許容状態からAT許容状態へ移行するか否かの抽選(AT許容移行抽選)を行う契機役としてのAT許容役グループ(役抽選手段103による役抽選の対象となる当選役グループのうちの予め定められた1または複数の当選役グループ)に当選し、AT許容役グループに当選して行われるAT許容移行抽選によりスロットマシン1をAT非許容状態からAT許容状態へ移行することが決定された場合、遊技制御手段100はスロットマシン1をAT許容状態に設定するとともに、AT遊技を実行する権利のゲーム数を例えば予め決められたゲーム数に決定する。また、遊技制御手段100は、AT遊技を実行する権利のゲームが0になるというAT許容状態の終了条件が成立した場合、スロットマシン1をAT許容状態からAT非許容状態に設定する。
【0097】
(2)設定制御手段101
図17の設定制御手段101は、払出率の異なる複数の設定値(設定1〜設定6)から一の設定値を設定するものである。この設定値は、後述するテーブル選択手段102により選択される役抽選テーブル671を選択するためのものであり、ROM67に格納された複数の役抽選テーブル671のそれぞれに各設定値のいずれかが対応付けられている。そして、設定制御手段101は、電源投入時(電源スイッチ50をONにした時)に変更処理開始スイッチ56のON、OFF状態を判定し、変更処理開始スイッチ56がONの状態で電源が投入されると、所定の設定変更処理を開始する。そして、上記設定変更処理が開始されると、スロットマシン1を設置するパチンコホールの管理者が、この設定値を変更することが可能になる。このときにリセットスイッチ52が用いられ、設定変更処理が開始された後に、リセットスイッチ52が押される度に、設定値が1ずつ増加して変更できるようになっている。なお、設定6のときにリセットスイッチ52が押されると、設定1に戻る。
【0098】
(3)テーブル選択手段102
図17のテーブル選択手段102は、設定制御手段101により設定される設定値(設定1〜設定6)に基づき、図17に示す複数の役抽選テーブル671から1つの抽選テーブルを選択するものである。
【0099】
(4)役抽選手段103
図17の役抽選手段103は、スタートスイッチ19が操作されて遊技を開始するタイミングで、予め設定された複数の当選役グループのうちのいずれの当選役グループに当選したか否かを、遊技開始に基づいて抽選値を生成して当該抽選値により決定する役抽選を行うものである。また、役抽選手段103は、AT非許容状態である場合において、役抽選によりAT許容役グループ(複数の当選役グループのうちの予め定められた1または複数の当選役グループ)に当選したときには、役抽選に用いられる抽選値と同じ抽選値を用いて、スロットマシン1をAT非許容状態からAT許容状態へ移行するか否かの抽選(AT許容移行抽選)を行う。
【0100】
なお、役の種類として、ボーナス役と、再遊技役と、小役とが予め設定されている。ボーナス役は、ボーナス遊技状態への移行役である。再遊技役は、入賞すると、新たなメダルを投入することなく当該入賞遊技と同じ賭数で次遊技行うことができる役である。小役は、入賞すると所定の配当(払出数)が得られる役である。また、当選役グループの種類として、1または複数のボーナス役により構成される当選役グループ、1または複数の再遊技役で構成される当選役グループ、1または複数の小役により構成される当選役グループなどが予め設定されている。
【0101】
(5)扉開閉検出手段104
図17の扉開閉検出手段104は、図16の扉センサ85から入力される検知信号に基づいて前面扉5が開いているか、閉じているかを検出する。
【0102】
(6)停止制御手段105
図17の停止制御手段105は、遊技者による各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様と役抽選手段103の役抽選結果とに基づき、停止テーブル672を用いて各リール13L,13M,13Rの停止制御を行うものである。
【0103】
(7)報知表示制御手段106
図17の報知表示制御手段106は、報知用表示器60での報知が報知態様決定手段107で決定された報知態様となるように制御するものである。
【0104】
(8)報知態様決定手段107
図17の報知態様決定手段107は、役抽選手段103の役抽選結果やスロットマシン1の状態(AT非許容状態、AT許容状態にAT準備中、AT許容状態におけるAT期間中)などに基づいて、報知用表示器60での報知態様を決定するものである。報知態様決定手段107が決定した報知態様については、コマンド作成手段108によりその種類を特定可能なコマンドが作成され、サブ制御基板73に送信される。例えば、AT期間中に押し順ベルに内部当選した場合は、その種類に応じて設定された有利な押し順を報知するという報知態様に決定する。
【0105】
(9)コマンド作成手段108
図17のコマンド作成手段108は、一般遊技状態およびボーナス遊技状態などの遊技状態、スロットマシン1のAT非許容状態/AT許容状態に関する情報、役抽選手段103におけるボーナス役や押し順ベルなどの役抽選結果に関する情報、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19などの遊技者により操作される操作器具の操作に関する情報、扉開閉検出手段104の検出結果に基づく前面扉5の開閉に関する情報(前面扉5が開けられたこと、前面扉5が閉じられたこと)などの種々の情報をサブ制御基板73(サブCPU71)に送信するためのコマンドを生成するものである。そして、コマンド作成手段108により生成されたコマンドは、後述するようにコマンド送信手段113によりサブ制御基板73に送信される。サブ制御基板73では、メイン制御基板63から送られてきたコマンドに基づき、実行する演出を選択する。換言すれば、サブ制御基板73において実行される演出内容を指示するコマンドがコマンド作成手段108により作成される。
【0106】
また、コマンド作成手段108は、スロットマシン1の状態および役抽選手段103の役抽選結果に基づいて、報知用表示器60の報知態様に対応するコマンドを作成する。例えば、役抽選手段103の役抽選結果(当選役グループの識別番号)を構成する役の種類を特定可能なコマンドを作成するとともに、報知用表示器60の報知態様の種類を特定可能なコマンドを作成する。
【0107】
(10)リール検出手段109
図17のリール検出手段109は、左・中・右位置センサ55L,55M,55Rの検出信号と、左・中・右リール13L,13M,13Rを駆動する各リールモータ14L,14M,14Rへの供給パルス数とに基づき、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出するものである。この場合、リール検出手段109は、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転中および回転停止時に、所定の基準位置(この実施形態では例えば、表示窓11の下段)に位置する図柄に対応するコマ番号をそれぞれ検出する。
【0108】
(11)図柄判定手段110
図17の図柄判定手段110は、各リール13L,13M,13Rそれぞれの回転位置に基づき、停止制御手段105により停止制御されて停止した各リール13L,13M,13Rの図柄の表示態様が、予め定められた表示態様であるかどうかの判定を行うものであり、リール13L,13M,13Rが停止したときの図柄の表示結果が所定の入賞態様であるかどうかを判定する。
【0109】
(12)払出制御手段111
図17の払出制御手段111は、図柄判定手段110による判定結果に基づき、遊技者に所定の特典(利益)を付与するものであり、図柄判定手段110により、いずれかの役に入賞したと判定されたときに、メダルの払い出しのある入賞であれば、クレジットメダルの貯留枚数が上限値(この実施形態では例えば50枚)に達した後は、ホッパーユニット43を動作させ、入賞した役に対応した払出数だけメダルを払い出して遊技者に利益を付与する。また、払出制御手段111は、クレジットメダルの貯留枚数が上限値に達するまでは、メダルの払い出しとして、ホッパーユニット43の動作に代えて上記払出数だけクレジットメダルを増加させる。さらに、払出制御手段111は、図柄判定手段110により再遊技役に入賞したと判定されたときに、規定数(3枚)のメダルが投入されたものとして次遊技の入賞ラインを有効とする。
【0110】
(13)メダル制御手段112
図17のメダル制御手段112は、メダルセレクタ48の動作を制御することにより、メダル受入可と受入不可とを切換えるものである。
【0111】
(14)コマンド送信手段113
図17のコマンド送信手段113は、メイン制御基板63からサブ制御基板73へ、コマンド作成手段108により作成された種々の情報を含むコマンドを一方通行で送信するものである。この場合、一般遊技状態およびボーナス遊技状態などの遊技状態、スロットマシン1のAT非許容状態/AT許容状態に関する情報、役抽選手段103におけるボーナス役や押し順ベルなどの役抽選結果、前面扉5の開閉に関する情報(前面扉5が開けられたこと、前面扉5が閉じられたこと)、図柄判定手段110による図柄判定結果、各リール13L,13M,13Rの回転・停止状態、払出制御手段111によるメダルの払出状態などのスロットマシン1の状態を表す情報を含むコマンドをサブ制御基板73へ送信する。
【0112】
また、コマンド送信手段113は、投入センサ53による投入メダルの検出状態、ベットスイッチ15および最大ベットスイッチ17の操作状態などを表すデータを含むコマンドをサブ制御基板73に送信する。また、コマンド送信手段113は、スタートスイッチ19およびストップスイッチ21L,21M,21Rなどの各種スイッチが遊技者により操作されたことを示すデータを含むコマンドをサブ制御基板73に送信する。
【0113】
(サブ制御基板)
次に、サブ制御基板73について詳細に説明する。図17のサブ制御基板73は、メイン制御基板63から送信されたコマンドを受信し、メイン制御基板63の動作や状態に応じた演出を行うものである。サブ制御基板73は、メモリ75(図16参照)に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を備えている。
【0114】
(1)コマンド受信手段200
図17のコマンド受信手段200は、メイン制御基板63により送信された種々の情報を含むコマンドを受信するものである。コマンド受信手段200は、メイン制御基板63から送信されるコマンドを受信すれば、コマンドの種類に応じてサブ制御基板73が備える各機能に通知を行う。
【0115】
(2)演出内容決定手段201
図17の演出内容決定手段201は、コマンド受信手段200により受信されたコマンドに応じて、演出の内容を決定するためのものである。具体的には、遊技の進行、スロットマシン1のAT非許容状態/AT許容状態に関する情報、ボーナス役や押し順ベルなどの役抽選結果などに対応して予め設定された演出パターンから、液晶表示器27に表示される動画を決定したり、水槽デバイス28の浮き演出ユニット330による浮き演出の実行を決定したり、上側ポンプ演出ユニット351による上側ポンプ噴出演出の実行を決定したり、下側ポンプ演出ユニット353による下側ポンプ噴出演出の実行を決定したり、スピーカ31L,31Rから流れる音楽や音声を決定したり、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rの光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの演出を決定したりする。また、演出内容決定手段201は、報知用表示器60の報知態様(例えば、AT期間中に押し順ベルに内部当選した場合は、その種類に応じて設定された有利な押し順を報知するという報知態様)に対応する報知演出を実行する演出内容に決定する。
【0116】
例えば、演出内容決定手段201は、AT期間中に押し順ベルに内部当選した場合は、その種類に応じて設定された有利な押し順を液晶表示器27に表示するという演出内容に決定する。また、演出内容決定手段201は、例えば、遊技者がメダルの払い出しを受けやすくなるなど遊技者が遊技媒体の払い出しを受けることができる期待度が高いチャンス状態にスロットマシン1がなった場合(例えば、役抽選結果が1または複数のボーナス役を構成役とする1または複数の当選役グループに内部当選したことを示す場合、AT非許容状態/AT許容状態に関する情報がスロットマシン1をAT非許容状態からAT許容状態に移行することが決定されたことを示す場合など)、遊技者がメダルの払い出しを受けやすくなる可能性があるなど遊技者が遊技媒体の払い出しを受けることができる期待度が高い可能性があるチャンス状態にスロットマシン1がなった場合(例えば、役抽選結果がボーナスに同時に当選している可能性がある当選役グループに内部当選した場合、役抽選結果がAT許容移行抽選が行われるAT許容役グループに内部当選した場合など)、チャンス示唆演出として浮き演出の実行を決定する。なお、浮き演出を、スロットマシン1に設定されている設定値を示唆する示唆演出、プレミア演出などに用いてもよい。また、演出内容決定手段201は、上側ポンプ演出の実行条件を満たした場合(例えば、役抽選結果が上側ポンプ噴出演出用に予め定められた1または複数の当選役グループに当選したことを示す場合)、上側ポンプ演出の実行を決定する。また、演出内容決定手段201は、下側ポンプ演出の実行条件を満たした場合(例えば、役抽選結果が下側ポンプ噴出演出用に予め定められた1または複数の当選役グループに当選したことを示す場合)、下側ポンプ演出の実行を決定する。
【0117】
そして、演出内容決定手段201は、決定した演出内容に関するデータを含む信号を表示制御手段202、音声制御手段203、浮き駆動制御手段204およびポンプ駆動制御手段205に送信する。
【0118】
(3)表示制御手段202
図17の表示制御手段202は、演出内容決定手段201から送信された信号に含まれるデータに基づいて、液晶表示器27に動画(画像)を表示したり、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rなどの光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの制御を行うものである。
【0119】
(4)音声制御手段203
図17の音声制御手段203は、演出内容決定手段201から送信された信号に含まれるデータに基づいて、スピーカ31L,31Rから音楽を流したり、音声を出力したりするなど制御を行うものである。
【0120】
(5)浮き駆動制御手段204
図17の浮き駆動制御手段204は、演出内容決定手段201から送信された信号に含まれるデータに基づいて、チャンス示唆演出としての浮き演出ユニット330による浮き演出を実行する場合に、浮き駆動用モータ28bの駆動制御を行うものであり、この駆動制御により浮き部材401が上下方向に移動する浮き演出が実行される。この浮き演出は例えば浮き演出実行後の所定期間行われる。また、浮き駆動制御手段204は、電源投入タイミング(例えば、電断後の電源投入タイミング)に、浮き演出ユニット330を初期位置にセットするなどの浮き演出ユニット330の初期動作(イニシャライズ動作)のために浮き駆動用モータ28bの駆動制御を行うものである。また、浮き駆動制御手段204は、前面扉5が開いたタイミングや閉じたタイミングに、浮き演出ユニット330の初期動作(イニシャライズ動作)のために浮き駆動用モータ28bの駆動制御を行うものである。この浮き演出時の駆動制御、各初期動作(イニシャライズ動作)時の駆動制御は、浮き用位置検出センサ28aによる位置検出結果を用いて浮き演出ユニット330(この実施形態では、浮き演出ユニット330のクランクアーム369)の位置制御を行いながら実施される。
【0121】
(6)ポンプ駆動制御手段205
図17のポンプ駆動制御手段205は、演出内容決定手段201から送信された信号に含まれるデータに基づいて、上側ポンプ演出ユニット351による上側ポンプ噴出演出を実行する場合に、上側ポンプ駆動用モータ28cの駆動制御を行うものであり、この駆動制御により下層液体320が上層液体325中へ噴出される上側ポンプ演出が実行される。この上側ポンプ噴出演出は例えば上側ポンプ噴出演出実行後の所定期間行われる。また、ポンプ駆動制御手段205は、演出内容決定手段201から送信された信号に含まれるデータに基づいて、下側ポンプ演出ユニット353による下側ポンプ噴出演出を実行する場合に、下側ポンプ駆動用モータ28dの駆動制御を行うものであり、この駆動制御により下層液体320が下層液体320中へ噴出される下側ポンプ演出が実行される。この下側ポンプ噴出演出は例えば下側ポンプ噴出演出実行後の所定期間行われる。
【0122】
ポンプ駆動制御手段205による上側ポンプ演出ユニット(ポンプ)351の作動は、図18に示すように、
(1)電源投入(例えば、電断後の電源投入)されてから予め定められた時間が経過するまでの規定時間内
(2)スロットマシン1の前面扉5が閉じられてから予め定められた時間が経過するまでの規定時間内、
(3)下側ポンプ噴出演出が終了してから予め定められた時間が経過するまでの規定時間内、
(4)上側ポンプ噴出演出が終了してから予め定められた時間が経過するまでの規定時間内
(5)浮き演出が終了してから予め定められた時間が経過するまでの規定時間内
(6)下側ポンプ噴出演出の開始から下側ポンプ噴出演出の終了までの時間
(7)浮き演出の開始から浮き演出の終了までの時間
では禁止されている。図18における前面扉5が開けられてから前面扉5が閉じられるまでは遊技が行われない期間(遊技不実行期間)であり、上記の禁止期間および遊技不実行期間以外の期間ではポンプ駆動制御手段205による上側ポンプ演出ユニット(ポンプ)351の作動は許可されている。
【0123】
このため、ポンプ駆動制御手段205は、電源投入されたタイミングからの経過時間をタイマにより計時し、タイマのカウント値に基づいて電源投入後の規定時間内では上側ポンプ駆動用モータ28cを駆動しないようになっている。また、ポンプ駆動制御手段205は、前面扉5が閉じられたタイミングからの経過時間をタイマにより計時し、タイマのカウント値に基づいて前面扉5が閉じられた後の規定時間内では上側ポンプ駆動用モータ28cを駆動しないようになっている。また、ポンプ駆動制御手段205は、下側ポンプ噴出演出が開始したタイミングから下側ポンプ噴出演出が終了したタイミングまでの時間内では上側ポンプ駆動用モータ28cを駆動しないようになっているとともに、下側ポンプ噴出演出が終了したタイミングからの経過時間をタイマにより計時し、タイマのカウント値に基づいて下側ポンプ噴出演出終了後の規定時間内では上側ポンプ駆動用モータ28cを駆動しないようになっている。また、ポンプ駆動制御手段205は、上側ポンプ噴出演出が終了したタイミングからの経過時間をタイマにより計時し、タイマのカウント値に基づいて上側ポンプ噴出演出終了後の規定時間内では上側ポンプ駆動用モータ28cを駆動しないようになっている。また、ポンプ駆動制御手段205は、浮き演出が開始したタイミングから浮き演出が終了したタイミングまでの時間内では上側ポンプ駆動用モータ28cを駆動しないようになっているとともに、浮き演出が終了したタイミングからの経過時間をタイマにより計時し、タイマのカウント値に基づいて浮き演出終了後の規定時間内では上側ポンプ駆動用モータ28cを駆動しないようになっている。
【0124】
なお、上記の予め定められた時間は例えば次のようにして設定される。(1)電源投入されてから下層液体320の液面が変動しなくなるまでの実測の時間の平均値、(2)前面扉5が閉じられてから下層液体320の液面が変動しなくなるまでの実測の時間の平均値、(3)下側ポンプ噴出演出が終了してから下層液体320の液面が変動しなくなるまでの実測の時間の平均値、(4)上側ポンプ噴出演出が終了してから下層液体320の液面が変動しなくなるまでの実測の時間の平均値、(5)浮き演出が終了してから下層液体320の液面が変動しなくなるまでの実測の時間の平均値、を求める。そして、実測の時間の平均値が最も長いものを選び、選んだ実測の時間の平均値に所定のマージンを加えた時間を上記の予め定められた時間とする。
【0125】
なお、ポンプ駆動制御手段205による上側ポンプ演出ユニット351の作動の禁止期間を、(1)電源投入(例えば、電断後の電源投入)後、(2)スロットマシン1の前面扉5が閉じられた後、(3)下側ポンプ噴出演出の終了後、(4)上側ポンプ噴出演出の終了後、(5)浮き演出の終了後のそれぞれで同じ時間幅に設定している。しかしながら、これに限定されるものではなく、ポンプ駆動制御手段205による上側ポンプ演出ユニット351の作動の禁止期間を、(1)電源投入(例えば、電断後の電源投入)後、(2)スロットマシン1の前面扉5が閉じられた後、(3)下側ポンプ噴出演出の終了後、(4)上側ポンプ噴出演出の終了後、(5)浮き演出の終了後のそれぞれで、個別に時間幅を設定するようにしてもよい。この場合、液面の変動が落ち着くまでの時間が短いものについては、早期に上側ポンプ演出ユニット351の作動が許可されるようになる。
【0126】
上記した実施形態では、浮き部材401は、第1止め部403aと第2止め部405との2方向で支持されているため、浮き駆動用モータ28bの動力により第1止め部403aが動作することにより浮き部材401を上下方向に移動させるチャンス示唆演出以外での浮き部材401の過剰な動きを防止することができ、意図しない浮き部材401の動きに起因する遊技者によるチャンス示唆の誤認を減らすことができる。
【0127】
また、浮き部材401は紐状部材407に摺動可能に接続されているので、浮き部材401の上下方向の移動が滑らかになり、遊技者にチャンス示唆をより明確に伝達することができる。
【0128】
また、浮き部材401は例えば上側ポンプ演出ユニット351や下側ポンプ演出ユニット353が発生させる波の進行方向と直交する水平方向よりも当該波の進行方向の方に長い形状をしている。このため、浮き演出に加えて遊技の興趣の更なる向上のために例えば上側ポンプ噴出演出や下側ポンプ噴出演出を行うスロットマシン1において、例えば浮き部材401が上側ポンプ噴出演出や下側ポンプ噴出演出による波を受けた場合であっても、浮き部材401はその波を受け流し易くなるので、波の影響による浮き部材401の過剰な動きをより防止することができる。
【0129】
また、浮き部材401の浮きリング部433の短径の2点間の距離は、前面蓋303の容器本体305の面303bと、容器本体305の面305cとの距離より小さくなっており、浮き部材401の浮きリング部433の長径の2点間の距離は、前面蓋303の容器本体305の面303bと、容器本体305の面305cとの距離より大きくなっている。これにより、浮き部材401は、容器301内での上下方向の滑らかな移動を可能にしつつ、容器301内での過剰な回転を抑えることができる。
【0130】
また、紐状部材407の一端側(第1止め部403aに取り付けられる部分)から当該紐状部材407の浮き部材401が接続されている部分にかけて当該紐状部材407に対する滑車機構409が設けられている。この実施形態の滑車機構409は丸棒部材409a,409bで構成されており、各丸棒部材409a,409bは、浮き駆動用モータ28bに比べてかなり小さいサイズで、かつ、円柱状の形状により作ることができる。各丸棒部材409a,409bは、サイズが小さい円柱状をしているので、小さなスペースにも配置することが可能であり、他の部品の配置による配置箇所の制約を受けにくい。そして、配置箇所の制約を受けにくい丸棒部材409a,409bの配置箇所を調整することにより、紐状部材407の一端が取り付けられる第1止め部403aを有する浮きアーム403および浮きアーム403の駆動用の浮き駆動用モータ28bはそれらを配置することが可能なスペースのうちの任意のスペースに配置することが可能になる。このため、紐状部材407の一端側が取り付けられた第1止め部403aの配置箇所の自由度が向上し、これにより、第1止め部403aの動作の動力源となる浮き演出駆動部360の設置箇所の自由度が向上する。
【0131】
また、上側ポンプ演出ユニット351の作動は、上側ポンプ演出ユニット351による上側ポンプ噴出演出以外の下層液体320の液面が変動するような演出(この実施形態では、下側ポンプ噴出演出、浮き演出)の期間中、下層液体320の液面が変動するような演出(この実施形態では、下側ポンプ噴出演出、上側ポンプ噴出演出、浮き演出)が終了してから、または、スロットマシン1の電源が投入されてから、または、スロットマシン1の前面扉5が閉じられてから、予め定められた時間が経過するまでの規定時間内では禁止されている。このため、上側ポンプ演出ユニット351の作動は下層液体320の液面の変動が落ち着いてから行われるので、上側ポンプ演出ユニット351の作動時に上側ポンプ演出ユニット351が給水口515aから下層液体320以外の意図しない上層液体325を取り込むことを抑えることができる。また、下層液体320の液面の変動に起因する圧力変化により上側ポンプ演出ユニット351の給水口515aから吐水口513aにかけての流路内の下層液体320の液面の位置が変化し、上側ポンプ演出ユニット351の作動開始から上側ポンプ演出ユニット351による下層液体320の噴出までの時間が変化するのを防ぐことができる。つまり、上側ポンプ演出ユニット351の作動開始から上側ポンプ演出ユニット351による下層液体320の噴出までの時間の一定化を図ることができる。これらにより、上側ポンプ演出ユニット351による上側ポンプ噴出演出が所望の演出にならない事態の発生を防止することができる。
【0132】
このことについて、下側ポンプ噴出演出および上側ポンプ噴出演出を例に挙げて説明する。
【0133】
図15に示す下側ポンプ噴出演出では、下側ポンプ演出ユニット353の管部701の吐水口713aから上方向に向かって下層液体320が噴出され、吐水口713aの上方の部分とその付近の下層液体320の液面は大きく盛り上がり、それ以外の部分の下層液体320の液面が下がる。これにより、上側ポンプ演出ユニット351の給水口515aの全部または一部が管部501外の下層液体320から露出して管部501外の上層液体325中にあるようになる。また、上側ポンプ演出ユニット351の給水口515a付近の管部501外の下層液体320の液面が下がることにより、上側ポンプ演出ユニット351の管部501内にかかる下層液体320の圧力が下がり、これにより、管部501内の下層液体320の液面が例えば図2の下層液体320の液面が変動していない場合に比べて下がる。例えば、この状態で下側ポンプ演出ユニット353が下側ポンプ噴出演出を終了し、続いて上側ポンプ演出ユニット351が上側ポンプ噴出演出のために作動すると、給水口515aの全部または一部が管部501外の下層液体320から露出して管部501外の上層液体325中にあるので、上側ポンプ演出ユニット351が意図しない上層液体325を取り込んでしまう。また、管部501内の下層液体320の液面が下がっているので、例えば図2の下層液体320の液面が変動していない場合に比べて上側ポンプ演出ユニット351が作動してから下層液体320が吐水口513aから噴出されるまでの時間がかかってしまう。
【0134】
また、図12に示す上側ポンプ噴出演出が終了し、図12のように下層液体320の液面が上側ポンプ演出ユニット351の給水口515aの付近で高くなっている場合、上側ポンプ演出ユニット351の給水口515a付近の管部501外の下層液体320の液面が上がっていることにより、上側ポンプ演出ユニット351の管部501内にかかる下層液体320の圧力が上がり、これにより、管部501内の下層液体320の液面が例えば図2の下層液体320の液面が変動していない場合に比べて上がる。例えば、この状態で上側ポンプ演出ユニット351が上側ポンプ噴出演出のために作動すると、管部501内の下層液体320の液面が上がっているので、例えば図2の下層液体320の液面が変動していない場合に比べて上側ポンプ演出ユニット351が作動してから下層液体320が吐水口513aから噴出されるまでの時間が短くなってしまう。なお、図12に示す上側ポンプ噴出演出が終了し、下層液体320の液面が上側ポンプ演出ユニット351の給水口515aの付近で低くなっている場合は、図15の場合と同様に、例えば図2の下層液体320の液面が変動していない場合に比べて上側ポンプ演出ユニット351が作動してから下層液体320が吐水口513aから噴出されるまでの時間が長くなってしまったり、上側ポンプ演出ユニット351が意図しない上層液体325を取り込んでしまったりする。
【0135】
このように、上側ポンプ噴出演出時における下層液体320の液面の位置が変わることによって上側ポンプ演出ユニット351が作動してから下層液体320が吐水口513aから噴出されるまでの時間が変わってしまう。これにより、例えば、水槽デバイス28の後方に配置された液晶表示器27の表示による演出と上側ポンプ演出ユニット351による上側ポンプ噴出演出とが連携するような演出の場合、上側ポンプ演出ユニット351の演出タイミングと液晶表示器27の表示による演出タイミングとが合わなくなってしまう。
【0136】
一方、下側ポンプ噴出演出や上側ポンプ噴出演出が終了してから時間が経過して下層液体320の液面が落ち着くと、図2のように上側ポンプ演出ユニット351の給水口515a全体が管部501外の下層液体320中に位置するようになる。また、上側ポンプ演出ユニット351の給水口515a付近の管部501外の下層液体320の液面が落ち着いた状態では、上側ポンプ演出ユニット351の管部501内にかかる下層液体320の圧力が一定に保たれ、これにより管部501内の下層液体320内の下層液体320の液面は一定に保たれる。例えば、この状態で上側ポンプ演出ユニット351が作動すると、給水口515a全体が管部501外の下層液体320中に位置するので、作動時に上側ポンプ演出ユニット351が意図しない上層液体325を取り込むことが防がれる。また、管部501内の下層液体320の液面は一定に保たれているので上側ポンプ演出ユニット351が作動してから下層液体320が吐水口513aから噴出されるまでの時間が一定となる。
【0137】
このように、上側ポンプ噴出演出時における下層液体320の液面の位置が一定になることで上側ポンプ演出ユニット351が作動してから下層液体320が吐水口513aから噴出されるまでの時間が一定になる。これにより、例えば、水槽デバイス28の後方に配置された液晶表示器27の表示による演出と上側ポンプ演出ユニット351による上側ポンプ噴出演出とが連携するような演出の場合、上側ポンプ演出ユニット351の演出タイミングと液晶表示器27の表示による演出タイミングとを合わせることが容易になる。
【0138】
また、下層液体320を容器301内の下層液体320が存在する領域に噴出させる下側ポンプ噴出演出(特別演出)では、下層液体320の液面の変動が大きいことが想定される。このため、下側ポンプ噴出演出が終了してから予め定められた時間が経過するまでの規定時間内で、上側ポンプ演出ユニット351による上側ポンプ噴出演出を禁止することにより、給水口515aからの下層液体320以外の意図しない上層液体325の取り込みを効果的に抑えることができるとともに、上側ポンプ演出ユニット351の作動開始から上側ポンプ演出ユニット351による下層液体320の噴出までの時間の一定化を図ることができる。
【0139】
また、浮き用位置検出センサ28aによる検出結果に基づいて位置制御が行われる浮き演出ユニット330については、電源の投入タイミングまたは前面扉の開閉タイミングにおいて必要な初期動作(イニシャライズ動作)が実行され、必要な初期動作(イニシャライズ動作)が行われないことによる不具合が生じることを防止することができる。
【0140】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0141】
例えば、上層液体325を空気などの気体に置き換え、上側ポンプ演出ユニット351は上側ポンプ噴出演出において下層液体320を給水口515aから取り込んで吐水口513aから空気などの気体中に噴出するようにしてもよい。
【0142】
また、下側ポンプ演出ユニット353の吸水口715aの配置箇所を下層液体320中から上層液体325中に置き換え、下側ポンプ演出ユニット353は下側ポンプ噴出演出において上層液体325を給水口715aから取り込んで吐水口713aから下層液体320中に噴出するようにしてもよい。また、上層液体325を空気などの気体に置き換え、下側ポンプ演出ユニット353の吸水口715aの配置箇所を下層液体320中から空気などの気体中に置き換え、下側ポンプ演出ユニット353は下側ポンプ噴出演出において空気などの気体を給水口715aから取り込んで吐水口713aから下層液体320中に噴出するようにしてもよい。
【0143】
また、上記した実施形態では、上側ポンプ演出ユニット351の作動の禁止期間として、上記の(1)〜(7)の全てであるとしているが、これに限定されるものではない。例えば、上側ポンプ噴出開始時の意図しない上層液体325の取り込みを防止したり、上側ポンプ噴出開始から下層液体320が噴出されるまでの時間を一定にしたりしたい場面を踏まえて禁止期間を上記の(1)〜(7)の全部または一部としてもよく、例えば禁止期間を上記の(1)〜(5)としてもよい。
【0144】
また、上側ポンプ演出ユニット351を図19(a),(b)に示す上側ポンプ演出ユニット351Aに置き換えてもよく、上側ポンプ演出ユニット351Aは上記した実施形態における上側ポンプ演出ユニット351にガード部材800を設けた構成となっている。
【0145】
ガード部材800は、水槽デバイス28を正面から見て逆U字状をしている(図19(a)参照)。そして、水槽デバイス28を正面から見て、ガード部材800の一端側は給水口515aより左側かつ給水口515aより下側にあり、その他端側は給水口515aより右側かつ給水口515aより下側にあり、ガード部材800が給水口515aと重なり合わず給水口515aより左側、上側、右側に位置するように配置されている(図19(a)参照)。
【0146】
また、ガード部材800は、水槽デバイス28を正面から見てガード部材800と管部501とが重なり合う領域の全てにおいて、管部501の管給水部515の前方側から管給水部515に当接し、水槽デバイス28を正面から見て容器301の前面蓋303とガード部材800とが重なり合う領域の全てにおいて、容器301の前面蓋303の後方側から前面蓋303に当接するように配置されている(図19(b)参照)。
【0147】
ガード部材800は、ガード部材800は給水口515aの下側を除いて給水口515aを取り囲み、管部501の管給水部515と容器301の前面蓋303と一体となって給水口515aより容器301の底面側に開口部800aを形成している。下層液体320はガード部材800により開口部800aから給水口515aに流入するようになっている。
【0148】
上記した図19(a),(b)の上側ポンプ演出ユニット351Aによると、給水口515aからの下層液体320以外の意図しない上層液体325の取り込みをより効果的に抑えることができる。
【0149】
なお、水槽デバイス28を正面から見て、ガード部材800の一端側および多端側は給水口515aの最も容器301の天面側の部分よりも容器301の底面側に位置するようにガード部材を変形してもよい。
【0150】
また、上側ポンプ演出ユニット351を図20(a),(b)に示す上側ポンプ演出ユニット351Bに置き換えてもよく、上側ポンプ演出ユニット351Bは上記した実施形態における上側ポンプ演出ユニット351の管部501を逆止弁付の管部501Bに置き換えた構成となっている。
【0151】
逆止弁付の管部501Bは、逆止弁管部811と、管上部812と、管下部813とを備える。管部501Bを正面から見て(水槽デバイス28を正面から見て)、逆止弁管部811は、上下方向に延びた内側が略円形の略矩形筒状をしている。また、管部501Bを正面から見て、管上部812は、逆止弁管部811の上側から逆止弁管部811内に嵌め込まれる上下方向に延びた内側が略円形の略矩形筒状をした筒状部821と、筒状部821の上端から折れ曲がって容器301の左側に向かうように延びた略矩形筒状をし、先端に吐水口822aとしての開口を有する管吐水部822とからなる。また、管部501Bを正面から見て、管下部813は、逆止弁管部811の下側から逆止弁管部811内に嵌め込まれる上下方向に延びた内側が略円形の略矩形筒状をした筒状部831と、筒状部831の下側に延在した管給水部832とからなる。管給水部832は上記した実施形態の管部501の管給水部515と略同じ形状をしており、前面蓋303側に給水口(不図示)としての略円形の形状をした開口が設けられているとともに、容器本体305側の容器本体305の貫通孔307に対応する位置に略円形の形状をした開口(不図示)が設けられている。
【0152】
管部501Bを上から見て(水槽デバイス28を上から見て)、逆止弁管部811の内側の形と、管上部812の筒状部821の外側の形とは同じになっている。また、管部501Bを上から見て、逆止弁管部811の内側の形と、管下部813の筒状部831の外側の形とは同じになっている。
【0153】
また、逆止弁付の管部501Bは、管下部813と管上部812との間の逆止弁管部811内に入れられた略球状をした球体840を備えている。球体840の半径は、管下部813の筒状部831の内側形状の円の半径より大きい。また、球体840は、逆止弁管部811の内側と球体840との間に隙間が生じる大きさになっている。
【0154】
上側ポンプ演出ユニット351Bが、図20(a)の状態において、上側ポンプ噴出演出を開始すると、マグネットタービン部521が時計回りに回転して羽部521aにより上方に持ち上げられた下層液体320により球体840には上方向に力が加えられて、球体840は図20(b)のように浮き上がり、不図示の給水口から吐水口822aにかけての流路が開通する。そして、上側ポンプ噴出演出の開始前から管部501Bに入っていたまたは上側ポンプ噴出演出後に給水口から管部501Bに入った下層液体320が、管下部813、逆止弁管部811、管上部812を通って、吐水口822aから噴出される。
【0155】
上側ポンプ演出ユニット351Bが、図20(b)の状態において、上側ポンプ噴出演出を終了すると、上側ポンプ噴出演出の終了時に管部501Bに入っていた下層液体320は吐水口822a側から不図示の給水口側に逆流しようとするが、球体840には重力と逆流による力が働き、図20(a)のように球体840は管下部813の上端部にまで沈み、吐水口822aから不図示の給水口にかけての逆流の経路が球体840により速やかに塞がれる。この図20(a)の状態が上側ポンプ演出ユニット351Bによる次回の上側ポンプ噴出演出まで継続する。図20(a)の状態では、吐水口822aから不図示の給水口にかけての逆流の経路が速やかになくなるため、下層液体320が管部501B内部では管上部812の吐水口822a付近にまで残る。また、球体840が管部501Bの逆止弁管部811内の下層液体320に沈んで管下部813の上端部に位置しているので、管部501B外の下層液体320の液面の変動により管部501B内の下層液体320が影響を受けて液面が変動しにくく、管部501B内部における下層液体320と上層液体325との境界と、吐水口822aとの位置関係は逆止弁を設けない場合と比べてより一定になる。
【0156】
上記した図20(a),(b)の上側ポンプ演出ユニット351Bでは、上側ポンプ噴出演出終了後、吐水口822aから不図示の給水口にかけての逆流の経路が球体840により速やかに塞がれる。また、球体840が管部501Bの逆止弁管部811内の下層液体320に沈んで管下部813の上端部に位置することによって、管部501B内の下層液体320が管部501B外の下層液体320の液面の変動の影響を受けて管部501B内の下層液体320の液面が変動することが防がれる。このため、下層液体320が管部501B内部では管上部812の吐水口822a付近にまで存在し、管部501B内部における下層液体320と上層液体325との境界と、吐水口822aとの位置関係は逆止弁を設けない場合と比べてより一定になる。従って、上側ポンプ噴出演出の開始から下層液体320の吐水口822aからの噴出までの時間が逆止弁を設けない場合と比べてより一定になる。
【0157】
また、上記した実施形態では、上側ポンプ演出ユニット351の作動を禁止する下層液体320の液面が変動するような演出として、下側ポンプ噴出演出、上側ポンプ噴出演出および浮き演出を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、遊技者に水槽デバイス28を触らせるような演出、浮き演出ユニット330以外の容器301内に可動構造体が収容された演出ユニットによる演出などであってもよい。なお、容器301内に可動構造体が収容された演出ユニットが位置検出手段による位置検出結果に基づいて位置制御が行われるものである場合には、電源投入タイミング(例えば、電断後の電源投入タイミング)に、前面扉5が開いたタイミングや閉じたタイミングに、位置検出手段による位置検出結果に基づいて位置制御を行いながら初期動作(イニシャライズ動作)を行うようにしてもよい。
【0158】
また、上記した各実施形態では、本発明の遊技機としてスロットマシン1を例に挙げて説明したが、スロットマシンとパチンコ機とを組み合わせたパロットと称される遊技機に本発明を適用してもよく、このような遊技機に本発明を適用する場合、遊技用価値としての遊技球(パチンコ玉)を採用すればよい。さらに、本発明の遊技機を、コンピュータプログラムが実行されることによるビデオゲームに適用してもよい。また、本発明の表示手段を、液晶ディスプレイやCRTなどの画像表示装置を用いて、この画像表示装置に複数の図柄を順次表示させることにより構成してもよい。また、可変表示列の数は2列以上であればよく、遊技の態様に応じて適宜最適な数の可変表示列を構成すればよい。
【0159】
また、上記した実施形態で説明した内容および上記した変形例の内容を適宜組み合わせてもよい。
【0160】
そして、特定液体が容器内の一部に存在し、前記特定液体の液面が変動する水槽デバイスを備える遊技機に本発明を広く適用することができる。
【符号の説明】
【0161】
1…スロットマシン(遊技機)
27…液晶表示器
28…水槽デバイス
28a…浮き用位置検出センサ
28b…浮き駆動用モータ
28c…上側ポンプ駆動用モータ
28d…下側ポンプ駆動用モータ
301…容器
320…下層液体
325…上層液体
330…浮き演出ユニット
351…上側ポンプ演出ユニット
353…下側ポンプ演出ユニット
401…浮き部材
403…浮きアーム
403a…第1止め部
405…第2止め部
407…紐状部材
【要約】
【課題】特定液体が容器内の一部に存在し、特定液体の液面が変動する水槽デバイスにおいて、所望の演出が行われない事態の発生を防止することを目的とする。
【解決手段】下層液体320が容器301内の一部に存在し、下層液体320の液面が変動する水槽デバイス28は、給水口515aが下層液体320中の液面近傍に位置するように容器301内に設置され、下層液体320を給水口515aから吐水口513aへ送り出すことによって下層液体320を上層液体325中に噴出させる上側ポンプ演出ユニット351を備え、上側ポンプ演出ユニット351は特定演出に際して下層液体320の上層液体325中への噴出を行うために作動し、この作動は、上側ポンプ噴出演出や下側ポンプ噴出演出の終了後または電源投入後または前面扉5が閉じられた後の規定時間内では禁止されている。
【選択図】図18
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