【実施例】
【0022】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されない。
【0023】
<湿式充填法>
(実施例1)
化粧料として、表1に示す処方の粉末化粧料を用意した。なお、表中の単位は質量%である。
【0024】
【表1】
【0025】
次に、コンパクトケース20(
図1参照)を用意する。コンパクトケース20は、
図9に示すような、A,B,C,Dの4区画に区分された化粧料用中皿21を備える。化粧料用中皿21は、それぞれの区分に上記の粉末化粧料を湿式充填法によって充填し、溶剤を揮発除去して厚さ2.3mmに固形化した。粉末化粧料を化粧料用中皿21に充填収容した後、化粧料用中皿21の底部を両面テープで接着して、コンパクトケース20に収容した。
【0026】
湿式充填法による粉末化粧料の硬度は、レオメーター(株式会社サン科学製「COMPAC−100」)を用い、測定条件として、針2mmφ、1mm針入速度60mm/minにて測定した結果、最終製品において0.18Nであった。
【0027】
次に、コンパクトケース20を包装容器に収納した。その際の包装容器は、
図10(a)に示すように、正面足桁部1が正面10の下端の両側に設けられ、側面足桁部2と連結されているものである。
【0028】
(比較例1)
包装容器として、
図10(b)に示すように、正面足桁部1aが3箇所に設けられていて、正面10の下端の両側に設けられておらず、側面足桁部2が無いものを用いた以外は、実施例1と同様である。
【0029】
(比較例2)
包装容器として、
図10(c)に示すように、正面足桁部1bが正面10の下端の両側に設けられておらず、側面足桁部2が無いものを用いた以外は、実施例1と同様である。
【0030】
[正立落下試験]
上記の実施例1、比較例1、比較例2で得られたコンパクトケース20を収納した包装容器を用いて、正立落下試験を行った。ここで、正立落下試験とは、包装容器の下面15を床に向けて落下させる試験のことをいう。
正立落下試験は、落下高さ20cmから下面15を床に向けて落下させ、コンパクトケース20内の粉末化粧料の各区画にヨレ又は割れが生じるまでの落下回数及び区画を記録する。結果を表2に示す。
なお、「ヨレ」とは、粉末化粧料が化粧料用中皿21からずれて隙間ができてしまう状態をいう。
【0031】
【表2】
【0032】
表2より、実施例1の包装容器では、比較例1,2の包装容器に比べて、粉末化粧料のヨレ又は割れに至る落下回数が格段に向上していることが分かる。
【0033】
<乾式充填法>
(実施例2)
化粧料として、表3に示す処方の粉末化粧料を用意した。なお、表中の単位は質量%である。
【0034】
【表3】
【0035】
次に、コンパクトケース20(
図1参照)を用意する。コンパクトケース20は、
図11に示すような、A,B,C,Dの4区画に区分された化粧料用中皿21を備える。化粧料用中皿21は、それぞれの区分に上記の粉末化粧料を乾式充填法によって充填し、厚さ3.0mmに固形化した。粉末化粧料を化粧料用中皿21に充填収容した後、化粧料用中皿21の底部を両面テープで接着して、コンパクトケース20に収容した。
【0036】
乾式充填法による粉末化粧料の硬度は、レオメーター(株式会社サン科学製「COMPAC−100」)を用い、測定条件として、針2mmφ、1mm針入速度60mm/minにて測定した結果、最終製品において0.40Nであった。
【0037】
次に、コンパクトケース20を包装容器に収納した。その際の包装容器は、正面足桁部1が正面10の下端の両側に設けられ、側面足桁部2と連結されているものである。正面足桁部1の幅が5.0mmであり、側面足桁部2の幅が5.0mmである。
【0038】
(実施例3)
包装容器として、正面足桁部1の幅が7.5mmであるものを用いた以外は、実施例2と同様である。
【0039】
(実施例4)
包装容器として、正面足桁部1の幅が15.0mmであるものを用いた以外は、実施例2と同様である。
【0040】
(実施例5)
包装容器として、正面足桁部1の下端形状が幅5.0mmの円弧形状であるものを用いた以外は、実施例2と同様である。
図4(c)に示すが如き形状である。
【0041】
(実施例6)
包装容器として、正面足桁部1の幅が5.0mmであり、円弧部を有するものを用いた以外は、実施例2と同様である。
図5(a)に示すが如き形状である。
【0042】
(比較例3)
包装容器として、正面足桁部1の幅が10.0mmであり、側面足桁部2が無いものを用いた以外は、実施例2と同様である。
【0043】
[正立落下試験]
上記の実施例2〜6、比較例3で得られたコンパクトケース20を収納した包装容器を用いて、正立落下試験を行った。結果を表4に示す。
正立落下試験は、落下高さ20cmから底面を床に向けて落下させ、コンパクトケース20内の粉末化粧料にヨレ又は割れが生じるまでの落下回数、及びヨレ又は割れが生じた箇所を記録する。
【0044】
【表4】
【0045】
表4より、実施例2〜4の結果から、正面足桁部1の幅が大きくなるほど、粉末化粧料のヨレ又は割れに至る落下回数が格段に向上していることが分かる。なお、実施例4では、120回以上の正立落下試験を行ってもヨレ又は割れが生じなかった。
また、表4より、実施例5、6の結果から、正面足桁部1に円弧形状及び円弧部を有することで、粉末化粧料のヨレ又は割れに至る落下回数が格段に向上していることが分かる。
【0046】
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の態様を開示する。
<1>少なくとも正面、背面、左側面、右側面、上面、下面からなり、粉末化粧料を充填したコンパクトケースを包装する包装容器であって、正面の下端の両側に設けられた正面足桁部と、左側面及び右側面の下端にそれぞれ設けられた側面足桁部と、背面の下端に設けられた背面足桁部とを備え、正面足桁部及び側面足桁部がそれぞれ連結されている包装容器。
【0047】
<2>粉末化粧料の硬度は、0.05N以上であって0.6N以下であり、より好ましくは0.1N以上であって0.45N以下である、前記<1>に記載の包装容器。
<3>粉末化粧料は湿式充填法によって充填されている、前記<1>又は<2>に記載の包装容器。
<4>粉末化粧料に含有する油剤量は、15質量%以上であって50質量%以下であり、より好ましく20質量%以上であって40質量%以下である、前記<3>に記載の包装容器。
<5>正面足桁部の幅は、側面足桁部の幅より大きい、前記<1>〜<4>のいずれかに記載の包装容器。
<6>連結されている正面足桁部及び側面足桁部の下端は、連結の境界を亘って形成された円弧部を有する、前記<1>〜<5>のいずれかに記載の包装容器。
<7>下に凸である円弧部を有する、前記<6>に記載の包装容器。
<8>上に凸である円弧部を有する、前記<6>又は<7>に記載の包装容器。
<9>正面足桁部及び側面足桁部の全体で下に凸である円弧部をなす、前記<6>又は<7>に記載の包装容器。
<10>正面足桁部、側面足桁部、及び背面足桁部の下端形状のうち、1つ以上が円弧形状である、前記<1>〜<5>のいずれかに記載の包装容器。
<11>正面足桁部及び側面足桁部の下端形状が円弧形状である、前記<10>に記載の包装容器。
<12>背面足桁部の下端形状が円弧形状である、前記<10>又は<11>に記載の包装容器。
<13>正面足桁部、側面足桁部、及び背面足桁部のうち、1つ以上がテーパを有する、前記<1>〜<12>のいずれかに記載の包装容器。
<14>正面足桁部及び側面足桁部の下端形状のうち、1つ以上がテーパを有する、前記<13>いずれかに記載の包装容器。
<15>正面足桁部及び側面足桁部の下端形状のいずれもテーパを有する、前記<13>〜<14>のいずれかに記載の包装容器。
<16>背面足桁部が、両側にテーパを有することで台形形状である、前記<13>〜<15>のいずれかに記載の包装容器。
<17>正面の幅が、側面の幅より大きい、前記<1>〜<16>のいずれかに記載の包装容器。
<18>正面の幅が左側面及び右側面の幅の2倍以上である、前記<17>に記載の包装容器。
<19>連結されている正面足桁部及び側面足桁部のそれぞれが、左右対称となるように配置されている、前記<1>〜<18>のいずれかに記載の包装容器。
<20>背面足桁部の高さは、正面足桁部及び側面足桁部の高さより高い、前記<1>〜<19>のいずれかに記載の包装容器。
<21>背面足桁部の高さが、正面足桁部及び側面足桁部の高さの1.0倍以上であって1.5倍以下である、前記<20>に記載の包装容器。
<22>背面足桁部が、背面より外側へ反っている、前記<1>〜<21>のいずれかに記載の包装容器。
<23>正面側から見たとき、背面足桁部と正面足桁部とが重ならない位置に設置されている、前記<1>〜<22>のいずれかに記載の包装容器。
<24>左側面及び右側面の下辺には、それぞれ下面サイドフラップが連設されている、前記<1>〜<23>のいずれかに記載の包装容器。
<25>包装容器内において、コンパクトケースが、包装容器の下面サイドフラップに先に接し、次いで下面と接している、前記<24>に記載の包装容器。
<26>包装容器の厚さが、0.2mm以上0.5mm以下である、前記<1>〜<25>のいずれかに記載の包装容器。