特許第6307247号(P6307247)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6307247-交通信号制御装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6307247
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】交通信号制御装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/095 20060101AFI20180326BHJP
【FI】
   G08G1/095 C
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-233779(P2013-233779)
(22)【出願日】2013年11月12日
(65)【公開番号】特開2015-95073(P2015-95073A)
(43)【公開日】2015年5月18日
【審査請求日】2016年10月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001292
【氏名又は名称】株式会社京三製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 幸彦
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼島 俊一郎
【審査官】 岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−073913(JP,A)
【文献】 特開2007−148539(JP,A)
【文献】 特開2010−224631(JP,A)
【文献】 特開2012−138538(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/095
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の内部背面部分に取り付けられた回路基板と、
前記筐体の背面部分において、前記回路基板より下側に配置された灯器開閉ユニットと、
前記回路基板の前面側に開閉自在に取り付けられ、信号灯器の設定を行うとともに前記信号灯器の点灯時間が表示される表示部を備えた操作部パネルと
を有し
前記操作部パネルが閉じられた状態で、前記灯器開閉ユニットの灯器モニタが視認可能であり、
前記操作部パネルが閉じられた状態で、前記灯器開閉ユニットの前面を覆わないように形成され、
前記操作部パネルの下側近傍領域に、前記信号灯器の点灯順を示した現示階梯銘板を備え、
前記操作部パネルが閉じられた状態で、前記現示階梯銘板の下に前記灯器モニタが並んで配置されている
ことを特徴とする交通信号制御装置。
【請求項2】
前記灯器開閉ユニットは、複数横方向に隣り合って並んで配置されることを特徴とする請求項1に記載の交通信号制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交差点の近傍等に設置される交通信号制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
道路の交差点等には交通の安全・円滑の為に交通信号機が設定されている。そして、交通信号機を制御するために交通信号制御装置(交通信号制御機ともいう)がその近傍に設置されている。この交通信号制御装置の保守管理等の作業では、短時間でかつ的確な作業が求められる。
【0003】
そのような技術として、例えば、交通信号制御機が動作中において、人が内部にアクセスして誤操作等を行うことを防止する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−26594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、交通信号制御装置には信号灯器の点灯、滅灯を切り替えるスイッチユニット(灯器開閉ユニット)が実装されている。このユニットには信号灯器(青・黄・赤)の点灯状態を示す灯器モニタが実装されているが、従来の制御機では操作部パネルの奥に灯器開閉ユニットが実装されているため、操作部パネルを開けなければ灯器モニタを確認することができないという課題があった。
【0006】
操作部パネルには信号灯器(青・黄・赤)の点灯時間が表示される表示部が設けられているが、灯器開閉ユニットの灯器モニタと同時に見ることが困難であり、信号灯器の切替タイミングがわかりづらいという課題があった。
【0007】
本発明は、以上のような状況に鑑みなされたものであって、上記課題を解決する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の交通信号制御装置は、筐体の内部背面部分に取り付けられた回路基板と、前記筐体の背面部分において、前記回路基板より下側に配置された灯器開閉ユニットと、前記回路基板の前面側に開閉自在に取り付けられ、信号灯器の設定を行うとともに前記信号灯器の点灯時間が表示される表示部を備えた操作部パネルとを有し、前記操作部パネルが閉じられた状態で、前記灯器開閉ユニットの灯器モニタが視認可能であり、前記操作部パネルが閉じられた状態で、前記灯器開閉ユニットの前面を覆わないように形成され前記操作パネルの下側近傍領域に、前記信号灯器の点灯順を示した現示階梯銘板を備え、前記操作パネルが閉じられた状態で、前記現示階梯銘板の下に前記灯器モニタが並んで配置され
また、前記灯器開閉ユニットは、複数横方向に隣り合って並んで配置されてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、交通信号制御機の操作性を向上させる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る、交通信号制御機の内部構造を示した正面図である。
図2】本実施形態に係る、操作部パネルを除いた状態の交通信号制御機の内部構造を示した正面図である。
図3】本実施形態に係る、図1の領域A1を拡大して示した図である。
図4】本実施形態に係る、図2の領域A2を拡大して示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明を実施するための形態(以下、単に「実施形態」という)を、図面を参照して具体的に説明する。
【0012】
図1は本実施形態に係る交通信号制御機10の内部構造を示した正面図である。また、図2は、図1の交通信号制御機10の図から操作部パネル40を取り除いた状態を示した正面図である。なお、図2では、操作部パネル40について便宜的に破線で開いた状態を示している。図3は、図1の領域A1を拡大して示した図である。図4は、図2の領域A2を拡大して示した図である。
【0013】
交通信号制御機10は、筐体11の奥側の背面部分にマザーボード12が取り付けられている。ここでは、上下方向の略中央付近にマザーボード12が配置されている。
【0014】
マザーボード12の上側部分にはインタフェイス基板13が取り付けられている。インタフェイス基板13は、車両感知器などを接続するための所定の端子を有する基板である。
【0015】
インタフェイス基板13の下側には、灯器開閉ユニット30及び制御電源ユニット37が取り付けられている。ここでは、所定の奥行きを持った縦長の第1〜第4の灯器開閉ユニット31〜34が横方向に並んで配置されている。第1〜第4の灯器開閉ユニット31〜34を区別しないときは、灯器開閉ユニット30と称する。制御電源ユニット37は灯器開閉ユニット30と同様の所定の奥行きを持った縦長の形状を有している。
【0016】
灯器開閉ユニット30は、信号灯器のオン/オフを行う半導体リレーユニットである。灯器開閉ユニット30は、上側に設けられた灯色モニタ35と、灯色モニタ35の下側に設けられた灯器接続用端子台36とを備える。灯色モニタ35は、どの信号灯器を点灯させているかをLEDモニタで表示させる。灯器接続用端子台36は、信号灯器を接続するインタフェイスである。
【0017】
灯器開閉ユニット30及び制御電源ユニット37の下側には、つまり、筐体の下側付近には、主電源開閉器21、灯器開閉器22、中継端子台23及び入出力端子台24が並んで配置されている。中継端子台23及び入出力端子台24の下側の領域は、信号機設置工事等の際に用いられる作業スペースであり、迅速・円滑な設置工事のために必要とされる。
【0018】
灯器開閉器22は、接続している信号灯器を全て点灯・消灯するスイッチである。中継端子台23は内部配線用の端子である。入出力端子台24は外部配線用の端子である。
【0019】
操作部パネル40は、開閉自在のパネルであって、制御部41と表示部42と現示階梯銘板43とを備える。
【0020】
制御部41は信号灯器の表示時間の設定等を行うためのボタンであり、操作部パネル40の上側の領域に横方向に複数並んで設けられている。表示部42は、青信号、黄信号、赤信号の表示時間などをデジタル表示するもので、制御部41の上に設けられている。
【0021】
操作部パネル40の下側外縁近傍には、現示階梯銘板43が取り付けられている。現示階梯銘板43は、信号灯器の点灯順を示している。
【0022】
ここで、第1〜第4の灯器開閉ユニット31〜34は、横一列に実装されているが、操作部パネル40の縦方向の長さを灯器開閉ユニット30の上端までとなっており、操作部パネル40を閉じた状態でも灯器開閉ユニット30の前面が見えるようになっている。特に、灯色モニタ35が操作部パネル40を閉じた状態であっても、視認可能になっている。つまり、操作部パネル40を開かなくとも、メンテナンス等を行う操作者は灯色モニタ35の表示状態を確認できる。つまり、信号灯器の点灯状態(灯色モニタ35)と点灯時間(表示部42)が同時に確認可能となる。また、灯色モニタ35の直ぐ上に、現示階梯銘板43が取り付けられているので、灯色モニタ35と現示階梯銘板43とを同時に確認できる。
【0023】
その結果、操作者は、操作部パネル40の開閉がほとんど不要になり、交通信号制御機10の設置工事および保守・メンテナンスの効率が改善され、作業時間の短縮が可能となる。特に、交通信号制御機10のメンテナンス等は、交通流の安全・円滑の観点から、短時間で確実に行う必要がある。そのため、交通信号制御機10により、より安全な交通流の確保が可能となる。
【0024】
以上、本発明を実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。たとえば、操作部パネル40の下側に操作部パネル40とは別に灯器開閉ユニット30の前面を覆う所定のパネルが設けられてもよい。そのパネルを開き操作部パネル40は閉じた状態で操作することで、上記の実施形態と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0025】
10 交通信号制御機
11 筐体
12 マザーボード
13 インタフェイス基板
21 主電源開閉器
22 灯器開閉器
23 中継端子台
24 入出力端子台
30 灯器開閉ユニット
31 第1の灯器開閉ユニット
32 第2の灯器開閉ユニット
33 第3の灯器開閉ユニット
34 第4の灯器開閉ユニット
35 灯色モニタ
36 灯器接続用端子台
37 制御電源ユニット
40 操作部パネル
41 制御部
42 表示部
43 現示階梯銘板
図1
図2
図3
図4