(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
コンパクトパウダーの形態における固体のメーキャップおよび/またはケア化粧品組成物を得るための中間体組成物であって、前記化粧品組成物は、生理学的に許容できる媒体中に、少なくとも
- 1種の粉体相、
- 糖類のエステルおよびエーテルから選択され、25℃で8未満のHLBを有する非イオン性界面活性剤を含む1種の乳化系、
- 1種の親水性ゲル化剤、および
- 組成物の総重量に対して10重量%以上の含有量で存在する、皮膚用の保湿剤、瘢痕化剤および抗加齢剤、ならびにそれらの混合物から選択される1種の親水性活性剤
を含み、化粧品組成物の総重量に対して水2重量%未満を含み、
前記中間体組成物は、中間体組成物の総重量に対して40重量%から60重量%を範囲とする含有量で存在する水性相および中間体組成物の総重量に対して40重量%から60重量%を範囲とする含有量で存在する非揮発性相を含み、
前記非揮発性相は、前記化粧品組成物の水以外の成分を含む、中間体組成物。
前記粉体相が充填剤、ならびに真珠光沢剤、顔料および反射性粒子ならびにそれらの混合物から選択される着色剤を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0054】
粉体相
粉体相は充填剤および着色剤を含む。
【0055】
本発明による固体組成物は、有利には、その総重量に対して35重量%以上、特に40重量%以上、さらに特に45重量%から90重量%、およびさらにより良好には50重量%から70重量%を範囲とする粉体相の含有量を有する。
【0056】
充填剤
「充填剤」という用語は、不溶性であり、組成物の媒体中に分散される形態である、任意の形態の無色または白色の固体粒子を意味すると理解されるべきである。鉱物または有機性質のこれらの充填剤は、組成物に柔性を与え、メーキャップ結果につや消し効果および均一性を与える。
【0057】
本発明による組成物中に使用される充填剤は、層状、球形または球状の形態、繊維、またはこれらの定義されている形態の中間の任意形態であってよい。
【0058】
本発明による充填剤は表面被覆されていても、またはされていなくてもよく、特にそれらは、シリコーン、アミノ酸、フルオロ誘導体、または組成物中の充填剤の分散および相容性を促進する任意の他の物質で表面処理することができる。
【0059】
本発明による組成物中に使用することができる鉱物充填剤の中で、挙げることができるのは、タルク、マイカ、シリカ、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、トリメチルシロキシシリケート、カオリン、ベントン、炭酸カルシウム、炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素、中空シリカ微小球(Maprecosからのシリカビーズ)、ガラスまたはセラミックのマイクロカプセル、シリカ系充填剤、例えばAerosil 200またはAerosil 300; 旭硝子によって販売されているSunsphere L-33およびSunsphere H-51; 旭化成によって販売されているChemicelen; シリカのおよび二酸化チタンのコンポジット、例えば日本板硝子によって販売されているTSGシリーズ、パーライト粉末およびフッ素金雲母、ならびにそれらの混合物である。
【0060】
使用することができる有機充填剤の中で、挙げることができるのは、ポリアミド粉末(AtochemからのNylon(登録商標) Orgasol)、ポリ-β-アラニン粉末およびポリエチレン粉末、ポリテトラフルオロエチレン粉末(Teflon(登録商標))、ラウロイルリシン、スターチ、テトラフルオロエチレンポリマー粉末、例えばExpancel(登録商標) (Nobel Industrie)などの(アルキル)アクリレートを含む中空ポリマー微小球、8個から22個の炭素原子および好ましくは12個から18個の炭素原子を含有する有機カルボン酸から誘導される金属石鹸、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛またはミリスチン酸マグネシウム、Polypore(登録商標) L200 (Chemdal Corporation)、シリコーン樹脂マイクロビーズ(例えば東芝からのTospearl(登録商標))、ポリウレタン粉末、特に、トリメチロールヘキシルラクトンを含むコポリマー、例えばToshiki社によってPlastic Powder D-400(登録商標)またはPlastic Powder D-800(登録商標)の名称で販売されているヘキサメチレンジイソシアネート/トリメチロールヘキシルラクトンポリマーを含む架橋ポリウレタンの粉末、Micro Powders社によってMicro Care 350(登録商標)の名称で販売されている製品などのカルナバマイクロワックス、Micro Powders社によってMicroEase 114S(登録商標)の名称で販売されている製品などの合成マイクロワックス、Micro Powders社によってMicro Care 300(登録商標)および310(登録商標)の名称で販売されているものなどカルナバワックスおよびポリエチレンワックスの混合物から形成されるマイクロワックス、Micro Powders社によってMicro Care 325(登録商標)の名称で販売されている製品などカルナバワックスの混合物および合成ワックスの混合物から形成されるマイクロワックス、Micro Powders社によってMicropoly 200(登録商標)、220(登録商標)、220L(登録商標)および250S(登録商標)の名称で販売されているものなどのポリエチレンマイクロワックス; 合成または天然、鉱物または有機由来の繊維である。それらは短いまたは長い、個々または組織化されていてよく、例えば編まれていてよく、中空または中実であってよい。それらは任意の形状を有することができ、とりわけ、予想される特定の適用に依存して円形または多角形(四角形、六角形または八角形の)の横断面を有することができる。特に、それらの端は、傷を予防するために鈍化および/または研磨されている。繊維は、1μmから10mm、好ましくは0.1mmから5mmおよびさらにより良好な0.3mmから3mmを範囲とする長さを有する。それらの横断面には、2nmから500μmを範囲とする、好ましくは100nmから100μmを範囲とする、およびさらにより良好には1μmから50μmの直径を有する円が含められ得る。本発明による組成物中に使用することができる繊維として、挙げることができるのは、ポリアミド(Nylon(登録商標))繊維などの非剛性繊維、またはポリイミドアミド繊維などの剛性繊維、例えばRhodia社によってKermel(登録商標)およびKermel Tech(登録商標)の名称で販売されているもの、またはとりわけDuPont de Nemours社によってKevlar(登録商標)の名称で販売されているポリ(p-フェニレンテレフタルアミド)(またはアラミド)繊維、
ならびにそれらの混合物である。
【0061】
本発明の文脈において好ましく使用されるこうした充填剤の代表として、挙げることができるのは、とりわけタルク、スターチ、フッ素金雲母、ケイ酸アルミニウムマグネシウムなどの粘土、または中空ポリマー微小球である。
【0062】
充填剤は、組成物中に、組成物の総重量に対して5重量%から60重量%および好ましくは10重量%から25重量%を範囲とする含有量で存在してよい。上述されている通り、本発明による組成物は、好ましくは、その粉体相中に着色剤も含む。
【0063】
着色剤
本発明による着色剤または染料は、好ましくは、顔料、真珠光沢剤および反射性粒子、ならびにそれらの混合物から選択される。
【0064】
顔料
「顔料」という用語は、生理的媒体中で不溶性であり、組成物を着色すると意図される、任意の形状の白色または着色鉱物または有機粒子を意味すると理解されるべきである。
【0065】
顔料は白色または着色されていてよく、鉱物および/または有機であってよい。
【0066】
挙げることができる鉱物顔料の中に、二酸化チタン、任意選択により表面処理されていてもよい酸化ジルコニウムまたは酸化セリウム、およびさらに酸化亜鉛、酸化鉄(黒色、黄色または赤色)または酸化クロム、マンガンバイオレット、群青、クロム水和物およびフェリックブルー、ならびに金属粉末、例えばアルミニウム粉末および銅粉末がある。
【0067】
有機顔料は、下記の材料ならびにそれらの混合物から選択することができる。
- コチニールカルミン、
- アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、キサンテン染料、ピレン染料、キノリン染料、トリフェニルメタン染料およびフルオラン染料の有機顔料。
【0068】
有機顔料の中で、挙げることができるのは、とりわけ以下の名称で知られているD&C認定顔料である。D&C Blue4号、D&C Brown 1号、D&C Green 5号、D&C Green 6号、D&C Orange 4号、D&C Orange 5号、D&C Orange 10号、D&C Orange 11号、D&C Red 6号、D&C Red 7号、D&C Red 17号、D&C Red 21号、D&C Red 22号、D&C Red 27号、D&C Red 28号、D&C Red 30号、D&C Red 31号、D&C Red 33号、D&C Red 34号、D&C Red 36号、D&C Violet 2号、D&C Yellow 7号、D&C Yellow 8号、D&C Yellow 10号、D&C Yellow 11号、FD&C Blue1号、FD&C Green 3号、FD&C Red 40号、FD&C Yellow 5号、FD&C Yellow 6号。
【0069】
前に挙げられている有機染料のそれぞれに対応する化学的材料が、The Cosmetic、Toiletries and Fragrance Associationによって出版されているInternational Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook、1997版、371から386頁および524から528頁に挙げられており、この内容を参照により本特許出願に援用する。
【0070】
本発明による組成物は、組成物の総重量に対して0重量%から60重量%を範囲とする、好ましくは5重量%から40重量%を範囲とする、および優先的に組成物の総重量に対して10重量%から30重量%を範囲とする顔料の含有量を含むことができる。
【0071】
真珠光沢剤
「真珠光沢剤」という用語は、とりわけ特定の軟体動物によってそれらの殻中で産生されるかまたは代わりに合成される、玉虫色であってよいか、または玉虫色でなくてもよく、光学干渉を介する色彩効果を有する、任意の形態の着色粒子を意味すると理解されるべきである。
【0072】
挙げることができる真珠光沢剤の例には、酸化鉄で被覆されているチタンマイカ、オキシ塩化ビスマスで被覆されているマイカ、酸化クロムで被覆されているチタンマイカなどの真珠光沢顔料、およびオキシ塩化ビスマスに基づく真珠光沢顔料も含められる。それらは、表面に金属酸化物および/または有機染料の少なくとも2つの連続層が重ねられているマイカ粒子であってよい。
【0073】
真珠光沢剤は、さらに特に、黄、ピンク、赤、青銅、橙、茶、金および/もしくは銅の色または色合いを有することができる。
【0074】
干渉顔料として第1組成物中に導入することができる真珠光沢剤の例示として、挙げることができるのはとりわけ、とりわけEngelhard社によってBrilliant gold 212G (Timica)、Gold 222C (Cloisonne)、Sparkle gold (Timica)、gold 4504 (Chromalite)およびMonarch gold 233X (Cloisonne)の名称で販売されている金色の真珠光沢剤; とりわけMerck社によってBronze fine (17384) (Colorona)およびBronze (17353) (Colorona)の名称で、ならびにEngelhard社によってSuper Bronze (Cloisonne)の名称で販売されている青銅色の真珠光沢剤; とりわけEngelhard社によって Orange 363C (Cloisonne)および Orange MCR 101 (Cosmica)の名称で、ならびにMerck社によってPassion orange (Colorona)およびMatte orange (17449) (Microna)の名称で販売されている橙色の真珠光沢剤; とりわけEngelhard社によってNu-antique 銅 340XB (Cloisonne)および Brown CL4509 (Chromalite)の名称で販売されている茶色の真珠光沢剤; とりわけEngelhard社によって銅 340A (Timica)の名称で販売されている、銅の色合いを有する真珠光沢剤; とりわけMerck社によってSienna fine (17386) (Colorona)の名称で販売されている、赤の色合いを有する真珠光沢剤;とりわけEngelhard社によって Yellow (4502) (Chromalite)の名称で販売されている、黄の色合いを有する真珠光沢剤; とりわけEngelhard社によってSunstone G012 (Gemtone)の名称で販売されている、金の色合いを有する赤色の真珠光沢剤; とりわけEngelhard社によって淡褐色 オパール G005 (Gemtone)の名称で販売されているピンク色の真珠光沢剤; とりわけEngelhard社によってNu antique bronze 240 AB (Timica)の名称で販売されている、金の色合いを有する黒色の真珠光沢剤、とりわけMerck社によってMatte blue (17433) (Microna)の名称で販売されている青色の真珠光沢剤、とりわけMerck社によってXirona銀の名称で販売されている、銀の色合いを有する白色の真珠光沢剤、およびとりわけMerck社によってIndian summer (Xirona)の名称で販売されている、黄金色-緑色ピンク色-橙色の真珠光沢剤、ならびにそれらの混合物である。
【0075】
真珠光沢剤の例としてさらに、挙げることができるのは、酸化チタンで被覆されているボロシリケート基材を含む粒子もである。
【0076】
酸化チタンで被覆されているガラス基材を有する粒子は、とりわけ、Metashine MC1080RYの名称でToyal社によって販売されている。
【0077】
最終的に、さらに挙げることができる真珠光沢剤の例には、ポリエチレンテレフタレートフレーク、とりわけMeadowbrook Inventions社によってSilver 1P 0.004X0.004の名称で販売されているもの(銀フレーク)が含められる。
【0078】
本発明による組成物は、組成物の総重量に対して、真珠光沢剤0%から60重量%、例えば2重量%から40重量%およびさらにより良好には5重量%から20重量%を含むことができる。特に、それらは、組成物の総重量に対して1重量%以上の含有量を含むことができる。
【0079】
反射性粒子
「反射性粒子」という用語は、サイズ、構造、とりわけそれらが作製されている層の厚さ、ならびにそれらの物理的および化学的性質ならびに表面状態が、それらが入射光を反射することを可能にする粒子を示す。この反射は、適切な場合、組成物または混合物の表面で、メーキャップされるべき担持体にそれを適用する時に、裸眼に可視である過度な明るさの点、即ちきらめくように見えることによってそれらの環境と対照的である、より発光性の点を創出するのに充分な強度を有することができる。
【0080】
反射性粒子を選択することで、それらが組み合わせられる着色剤によって発生させる着色効果を有意に変えず、さらに特に色収率の点からこの効果を最適化することができる。それらは、さらに特に、黄、ピンク、赤、青銅、橙、茶、金および/または銅の色または色合いを有することができる。
【0081】
これらの粒子は様々な形態を有することができ、とりわけ、プレートレットまたは球形の形態、特に球状の形態であってよい。
【0082】
それらの形態に関係なく、反射性粒子は多層構造を有しても、または有していなくてもよく、多層構造の場合、例えば均一な厚さの少なくとも1つの層、とりわけ反射材料を有しても、または有していなくてもよい。
【0083】
反射性粒子が多層構造を有していない場合、それらは、例えば金属酸化物、とりわけ合成的に得られる酸化チタンまたは酸化鉄で構成することができる。
【0084】
反射性粒子が多層構造を有する場合、それらは、例えば天然または合成の基材、とりわけ反射材料、とりわけ少なくとも1種の金属または金属性材料の少なくとも1つの層で少なくとも部分的に被覆されている合成基材を含むことができる。基材は、単材料、複材料、有機および/または鉱物の基材であってよい。
【0085】
さらに特に、それは、ガラス、セラミックス、黒鉛、金属酸化物、アルミナ、シリカ、シリケート、とりわけアルミノシリケートおよびボロシリケート、および合成マイカ、ならびにそれらの混合物から選択することができるが、この一覧は限定されるものではない。
【0086】
反射性材料は、金属または金属性材料の層を含むことができる。
【0087】
反射性粒子は、とりわけ特開平09-188830号公報、特開平10-158450号公報、特開平10-158541号公報、特開平7-258460号公報および特開平5-017710号公報の文書中に記載されている。
【0088】
金属の層で被覆されている鉱物基材を含む反射性粒子の一例として再び、挙げることができるのは、銀被覆ボロシリケート基材を含む粒子もである。
【0089】
プレートレットの形態における銀被覆ガラス基材を有する粒子は、Microglass Metashine REFSX 2025 PSの名称でToyal社によって販売されている。ニッケル/クロム/モリブデン合金で被覆されているガラス基材を有する粒子は、Crystal Star GF 550およびGF 2525の名称でこの同じ会社によって販売されている。
【0090】
銀、アルミニウム、鉄、クロム、ニッケル、モリブデン、金、銅、亜鉛、スズ、マンガン、鋼、青銅またはチタンなどの金属基材を含む粒子も使用することができ、前記基材は、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化セリウム、酸化クロムまたは酸化ケイ素、およびそれらの混合物などの少なくとも1種の金属酸化物の少なくとも1つの層で被覆されている。
【0091】
挙げることができる例には、Visionaireの名称でEckart社によって販売されている、SiO2で被覆されているアルミニウム粉末、青銅粉末または銅粉末が含められる。
【0092】
好ましくは、粉体相は、
有機顔料、例えば
- CTFAの「米国食品医薬品局によって認定されているColor Additives - Batch」の項において列挙されている通りの米国食品医薬品局による顔料認定D&C; 挙げることができるのは、とりわけBlue 1および4、Brown 1、Ext. Violet 2、Ext. Yellow 7、Green 3、5、6および8、Orange 4、5、10および11、Red 4、6、7、17、21、22、27、28、30、36および40、Violet 2、Yellow 5、6、7、8、10および11である
など、
鉱物顔料、例えば
- 酸化鉄、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄または酸化クロム、
- フェリックブルー、マンガンバイオレット、群青、ピンクもしくはバイオレット、クロム水和物、水酸化クロムまたはオキシ塩化ビスマス、
など
真珠光沢剤、例えば
- 酸化チタンで被覆されているマイカ、酸化チタンおよび酸化鉄で被覆されているマイカ、およびラウロイルリシンなどのアミノ酸で被覆されているマイカ、
- ポリエチレンテレフタレートフレーク、
- セリサイト、
- ならびにそれらの混合物
など
反射性粒子、例えば
- 金属層で被覆されているボロシリケート基材を含む粒子
など
から選択される少なくとも1種の化合物を含む。
【0093】
水性相
本発明による射出成形プロセスにおいて使用される中間体組成物は、組成物の総重量に対して40重量%から60重量%の割合で水性相を含む。
【0094】
この水性相は、引き続いて、ユーザーによって適用されるべき前記組成物中で少なくとも一部除去され、該組成物は最終的に、組成物の総重量に対して水3重量%未満、または水2重量%未満だけ含むか、あるいは代わりに水がない。水のこの除去は、任意の適当な手段によって実行することができる。それはとりわけ変形例として、または追加として、真空下に置くこと、炉乾燥させること、換気、凍結乾燥もしくは加熱することによって、または代わりにマイクロ波または赤外線放射によって実行することができる。好ましい一実施形態によると、この水除去ステップは、カップ中に存在する前記中間体組成物を真空下に置くためのシステムを介する吸引によって、および換気炉内にて例えば50℃で前記中間体組成物を、前記組成物の重量がもう変化しなくなるまで乾燥させるステップ中でも行われる。
【0095】
本発明による組成物は、したがって、射出成形ステップ中に除去されない水の含有量に対応する、残留と呼ばれることがある水性相を一般に含む。
【0096】
この水性相は、存在する場合、本発明に従って必要とされる粉状ガレヌス形態と相容性である量で使用される。
【0097】
水性相は、脱塩水、または代わりにヤグルマギク水などの花の水、および/またはVittel水、Lucas水もしくはLa Roche Posay水などの鉱物水、および/または湧水であってよい。
【0098】
親水性ゲル化剤
本発明による組成物は、1種または複数の親水性ゲル化剤を含む。
【0099】
本特許出願の目的のために、「親水性ゲル化剤」という用語は、本発明による組成物の水性相をゲル化できる化合物を意味する。さらに特に、これらの親水性ゲル化剤の機能は、中間体組成物の水性相を構造化することで、水が前記組成物から除去された時点の構造化組成物を維持することである。このゲル化剤は、中間体組成物の水性相とともに、または粉体相とともに導入することができる。このゲル化剤は、有利には、中間体組成物の水性相中で可溶性である。
【0100】
本発明に従って使用することができるゲル化剤は、とりわけ、特定の濃度C
*を超えると、10Paに少なくとも等しい流動閾値τcによる振動レオロジー(μ=1Hz)によって特徴づけられるゲルを水中に形成するその能力によって特徴づけることができる。この濃度C
*は、考察中のゲル化するポリマーの性質に従って広く変動し得る。
【0101】
ゲル化剤は、組成物の剛性係数G
*(1Hz、25℃)を10000Pa以上の値、およびとりわけ10000Paから100000Paを範囲とする値に調整するのに充分である量で組成物中に存在してよい。
【0102】
組成物のこれらのパラメータを測定するための方法は、例えば、特許出願EP 1 534 218において「rheological characterization」という題の段落に記載されている。
【0103】
ステアリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛またはステアリン酸マグネシウムなど、アルカリ金属、アルカリ土類金属または遷移金属の塩は、本発明の意味内においては親水性ゲル化剤として考察されないと理解される。具体的に、こうした化合物は何よりもまず充填剤として、および特に粉体相を圧粉化するための薬剤としての働きをする。
【0104】
増粘性充填剤
増粘性充填剤は、水性相ゲル化剤としてこの機能を実行する。こうした充填剤は、好ましくは、水および/または中空において鉱物または有機の微小球を膨張できる粘土を含む。
【0105】
本発明による組成物中に存在する粘土は、水中で膨張できる粘土であり、この粘土は水中で膨張し、水和後にコロイド状分散を形成する。
【0106】
粘土は、それ自体すでによく知られている生成物であり、これは例えば、出版物Mineralogie des argiles [Mineralogy of Clays]、S. Caillere、S. Henin、M. Rautureau、第2版、1982、Massonに記載されている。
【0107】
粘土は、有利には、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、ナトリウム、カリウムおよびリチウムのカチオン、ならびにそれらの混合物から選択されるカチオンを含有するシリケートである。
【0108】
挙げることができるこうした生成物の例には、モンモリロナイト、ヘクトライト、ベントナイト、バイデライトおよびサポナイトなどのスメクタイト族、ならびにさらにバーミキュライト、ステベンス石およびクロライトの族の粘土が含められる。
【0109】
これらの粘土は、天然または合成由来であってよい。皮膚と化粧上適合および許容される粘土が好ましくは使用される。
【0110】
本発明の特に好ましい一実施形態によると、水中で膨張できる使用粘土は、モンモリロナイト、ヘクトライト、ベントナイト、バイデライトおよびサポナイト、ならびにさらに特にヘクトライトおよびベントナイトから選択される。
【0111】
本発明に従って使用することができる、水中で膨張できる粘土として、挙げることができるのは、合成ヘクトライト(ラポナイトとしても知られている)、例えばLaporte社によってLaponite XLG、Laponite RDおよびLaponite RDSの名称で販売されている製品(これらの製品は、ケイ酸マグネシウムナトリウムおよび特にケイ酸リチウムマグネシウムナトリウムである);ベントナイト、例えばBentone HCの名称でRheox社によって販売されている製品;とりわけ水和されているケイ酸アルミニウムマグネシウム、例えばVanderbilt社によってVeegum Ultraの名称で販売されている製品、またはケイ酸カルシウムおよびとりわけ該会社によってMicro-cel Cの名称で販売されている合成形態における製品である。
【0112】
好ましくは、増粘性充填剤が親水性ゲル化剤として使用される場合、粘土など、少なくとも1種の特有の追加充填剤が、組成物の前記粉体相中に提供される。
【0113】
粘土は、組成物の総重量に対して0.5重量%から5重量%、およびさらにより良好な1重量%から3重量%を範囲とする含有量で組成物中に存在してよい。
【0114】
ポリマー性親水性増粘剤
さらに特に、このゲル化剤は、以下のポリマー性増粘剤から選択することができる。
- アクリル酸もしくはメタクリル酸のホモポリマーもしくはコポリマー、またはそれらの塩およびエステル、ならびに特にVersicol FまたはVersicol Kの名称でAllied Colloid社によって、Ultrahold 8の名称でCiba-Geigy社によって販売されている製品、ならびにSynthalen K型のポリアクリル酸、およびポリアクリル酸の塩、とりわけナトリウム塩(INCI名アクリル酸ナトリウムコポリマーに対応する)、およびさらに特にLuvigel EMの名称で該会社によって販売されている架橋ポリアクリル酸ナトリウム(INCI名アクリル酸ナトリウムコポリマー(および)カプリル酸トリグリセリド/カプリン酸トリグリセリドに対応する)
- Retenの名称でHercules社によって、そのナトリウム塩の形態において販売されている、アクリル酸のおよびアクリルアミドのコポリマー、Darvan 7号の名称でVanderbilt社によって販売されているポリメタクリル酸ナトリウム、ならびにHydagen Fの名称でHenkel社によって販売されているポリヒドロキシカルボン酸のナトリウム塩
- ポリアクリル酸/アクリル酸アルキルコポリマー、好ましくは修飾または非修飾カルボキシビニルポリマー; 本発明に従って最も特に好ましいコポリマーは、Lubrizol社によって Pemulen TR1、Pemulen TR2、Carbopol 1382およびCarbopol ETD 2020、ならびにまたさらに優先的にPemulen TR-2の商品名で販売されている製品などのアクリレート/C
10〜C
30-アルキルアクリレートコポリマー(INCI名:アクリレート/C
10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー)である、
- Clariant社によって販売されているAMPS(アンモニア水で部分的に中和され、高架橋されているポリアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸)
- SEPPIC社によって販売されている製品SepigelまたはSimulgelなどのAMPS/アクリルアミドコポリマー、とりわけINCI名ポリアクリルアミド(および)C13-14イソパラフィン(および)ラウレス-7のコポリマー
- Clariant社によって販売されているAristoflex HMSなどの型のポリオキシエチレン化AMPS/メタクリル酸アルキルコポリマー(架橋または非架橋)、
- ならびにそれらの混合物。
【0115】
挙げることができるポリマー性増粘剤の他の例には、
- アニオン性、カチオン性、両性または非イオン性のキチンまたはキトサンポリマー、
- ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースから選択される、アルキルセルロース以外のセルロースポリマー、ならびにさらに四級化セルロース誘導体、
- ビニルポリマー、例えばポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテルのおよびリンゴ酸無水物のコポリマー、酢酸ビニルのおよびクロトン酸のコポリマー、ビニルピロリドンのおよび酢酸ビニルのコポリマー; ビニルピロリドンのおよびカプロラクタムのコポリマー; ポリビニルアルコール、
- 天然由来の、任意選択により修飾されているポリマー、
コンニャクガム、ジェランガム、ローカストビーンガム、コロハガム、カラヤガム、トラガカントガム、アラビアゴム、アカシアガム、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアー、メチルカルボン酸ナトリウム基で修飾されているヒドロキシプロピルグアー(Jaguar XC97-1、Rhodia)、ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムグアークロリド、およびキサンタン誘導体などのガラクトマンナンおよびそれらの誘導体、
- アルギネートおよびカラギーナン、
- グリコアミノグリカン、ヒアルロン酸およびそれらの誘導体、
- デオキシリボ核酸、
- ヒアルロン酸および硫酸コンドロイチンなどのムコ多糖類、ならびにそれらの混合物
が含められる。
【0116】
特に好ましい一実施形態によると、ゲル化剤は会合性ポリマーから選択される。
【0117】
本発明の目的のためには、「会合性ポリマー」という用語は、その構造内に少なくとも1つの脂肪鎖および少なくとも1つの親水性部分を含む任意の両親媒性ポリマーを意味する。本発明に従った会合性ポリマーは、アニオン性、カチオン性、非イオン性または両性であってよい。
【0118】
会合性のアニオン性ポリマー
挙げることができる会合性のアニオン性ポリマーの中に、少なくとも1つの親水性単位および少なくとも1つの脂肪鎖アリルエーテル単位を含むもの、さらに特に親水性単位が不飽和エチレン性アニオン性モノマーによって、有利にはビニルカルボン酸によって、および最も特にはアクリル酸またはメタクリル酸またはそれらの混合物によって形成され、ならびに脂肪鎖アリルエーテル単位が下記の式(I)のモノマーに対応するものであり、
CH
2=C(R')CH
2OB
nR (I)
式中、R'はHまたはCH
3を示し、Bはエチレンオキシ基を示し、nはゼロであるか、または1から100を範囲とする整数を示し、Rは、8個から30個の炭素原子、好ましくは10個から24個およびまたさらに特に12個から18個の炭素原子を含むアルキル基、アリールアルキル基、アリール基、アルキルアリール基およびシクロアルキル基から選択される炭化水素系基を示す。
【0119】
この型のアニオン性両親媒性ポリマーは、特許EP-0 216 479に記載されており、乳化重合プロセスに従って調製される。
【0120】
さらに挙げることができる会合性のアニオン性ポリマーの中に、Performa V 1608の名称でNewphase Technologies社によって販売されている製品(マレイン酸無水物/C
30〜C
38α-オレフィン/イソプロピルマレエートコポリマー)などのマレイン酸無水物/C
30〜C
38α-オレフィン/アルキルマレエートターポリマーがある。
【0121】
会合性のアニオン性ポリマーの中で、好ましい一実施形態によると、それらのモノマーの中で、α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸ならびにα,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸のおよびオキシアルキレン化脂肪アルコールのエステルを含むコポリマーを使用することが可能である。
【0122】
優先的に、これらの化合物は、モノマーとして、α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸のおよびC
1〜C
4アルコールのエステルも含む。
【0123】
挙げることができるこの型の化合物の例には、メタクリル酸/アクリル酸エチル/オキシアルキレン化メタクリル酸ステアリル(20 OE単位を含む)ターポリマーまたはAculyn 28 (メタクリル酸/アクリル酸エチル/オキシエチレン化メタクリル酸ベヘニル(25 OE)ターポリマー)である、Rohm & Haas社によって販売されているAculyn 22(登録商標)が含められる。
【0124】
さらに挙げることができる会合性のアニオン性ポリマーの例には、不飽和オレフィン性カルボン酸型の少なくとも1つの親水性単位、および不飽和カルボン酸の(C
10〜C
30)アルキルエステルなどの型を除く少なくとも1つの疎水性単位を含むアニオン性ポリマーが含められる。挙げることができる例には、米国特許第3 915 921号および同4 509 949号に従って記載および調製されるアニオン性ポリマーが含められる。
【0125】
カチオン性の会合性ポリマー
挙げることができるカチオン性会合性ポリマーには、アミン側基を保有する四級化セルロース誘導体およびポリアクリレートが含められる。
【0126】
四級化セルロース誘導体は、特に、
- 少なくとも8個の炭素原子を含むアルキル基、アリールアルキル基あるいはアルキルアリール基など少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で修飾されている四級化セルロース、またはそれらの混合物、
- 少なくとも8個の炭素原子を含むアルキル基、アリールアルキル基またはアルキルアリール基など少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で修飾されている四級化ヒドロキシエチルセルロース、またはそれらの混合物
である。
【0127】
四級化または非四級化アミン側基を保有するポリアクリレートは、例えばステアレス-20 (ポリオキシエチレン化(20)ステアリルアルコール)などの型の疎水基を含有する。
【0128】
上記の四級化セルロースまたはヒドロキシエチルセルロースによって保有されるアルキル基は、好ましくは、8個から30個の炭素原子を含む。アリール基は、好ましくは、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基またはアントリル基を示す。
【0129】
示唆することができる、C
8〜C
30脂肪鎖を含有する四級化アルキルヒドロキシエチルセルロースの例には、Amerchol社によって販売されている製品Quatrisoft LM 200、Quatrisoft LM-X 529-18-A、Quatrisoft LM-X 529-18B (C
12アルキル)およびQuatrisoft LM-X 529-8 (C
18アルキル)、ならびにCroda社によって販売されている製品Crodacel QM、Crodacel QL (C
12アルキル)およびCrodacel QS (C
18アルキル)が含められる。
【0130】
挙げることができるアミノ側鎖を保有するポリアクリレートの例は、National Starch社からのポリマー8781-121Bまたは9492-103である。
【0131】
非イオン性の会合性ポリマー
非イオン性の会合性ポリマーは、
- 少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で修飾されているセルロース、例えば、Aqualon社によって販売されているNatrosol Plus Grade 330 CS (C
16アルキル)など、とりわけC
8〜C
22のアルキル基、アリールアルキル基およびアルキルアリール基など少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で修飾されているヒドロキシエチルセルロース、
- アルキルフェニルポリアルキレングリコールエーテル基で修飾されているセルロース、例えばAmerchol社によって販売されている製品Amercell Polymer HM-1500 (ノニルフェニルポリエチレングリコール(15)エーテル)など、
- アルキル鎖などの少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で修飾されている、ヒドロキシプロピルグアーなどのグアー、
- ビニルピロリドンのおよび脂肪鎖疎水性モノマーのコポリマー、
- C
1〜C
6アルキルメタクリレートまたはアクリレートのおよび少なくとも1つの脂肪鎖を含む両親媒性モノマーのコポリマー、
- 親水性メタクリレートまたはアクリレートのおよび少なくとも1つの脂肪鎖を含む疎水性モノマーのコポリマー、例えばメタクリル酸ポリエチレングリコール/メタクリル酸ラウリルコポリマー、
- 会合性ポリウレタン
から選択することができる。
【0132】
会合性ポリウレタンは、通常ポリオキシエチレン性質の親水性ブロック(ポリウレタンは、ポリウレタンポリエーテルと称されることもある)、ならびに脂肪族配列単独ならびに/または脂環式および/もしくは芳香族の配列であってよい疎水性のブロックの両方を鎖中に含む非イオン性ブロックコポリマーである。
【0133】
特に、これらのポリマーは、親水性ブロックによって分離されている、6個から30個の炭素原子を含有する少なくとも2つの炭化水素系親油性鎖を含み、炭化水素系鎖は、場合によりペンダント鎖または親水性ブロック末端の鎖である。特に、1つまたは複数のペンダント鎖が含められることが可能である。加えて、該ポリマーは、親水性ブロックの一方の末端または両方の末端に炭化水素系鎖を含むことができる。
【0134】
会合性ポリウレタンは、トリブロックまたはマルチブロックの形態におけるブロックポリマーであってよい。疎水性ブロックは、したがって、鎖の各末端にあってよいか(例えば、親水性中心ブロックを含有するトリブロックコポリマー)、または末端および鎖中の両方に分配されていてよい(例えば、マルチブロックコポリマー)。これらのポリマーは、グラフトポリマーまたはスターポリマーであってもよい。好ましくは、会合性ポリウレタンは、親水性ブロックが50個から1000個のオキシエチレン基を含むポリオキシエチレン鎖であるトリブロックコポリマーである。一般に、会合性ポリウレタンは親水性ブロック間にウレタン結合を含み、そこから名称が由来する。
【0135】
好ましい一実施形態によると、ポリウレタンポリエーテル型の非イオン性会合性ポリマーは、ゲル化剤として使用される。本発明において使用することができないポリウレタンポリエーテルの例として、挙げることができるのは、Servo Delden社からのポリマーC
16-OE
120-C
16 (名称SER AD FX1100、ウレタン機能を含有し、1300の重量平均分子量を有する分子である)であり、OEはオキシエチレン単位である。
【0136】
Rheox社によって販売されている尿素官能基を保有するRheolate 205、またはRheolate 208もしくは204、または代わりにINCI名ステアレス-100/PEG-136/HDIの、ElementisによるRheolate FX 1100も、会合性ポリウレタンポリマーとして使用することができる。これらの会合性ポリウレタンは純粋な形態で販売されている。水中に20%の固体含有量で販売されているC
20アルキル鎖およびウレタン結合を含有するRohm & Haasからの製品DW 1206Bも使用することができる。
【0137】
とりわけ水中または水性-アルコール性媒体中のこれらのポリマーの溶液または分散液を使用することも可能である。挙げることができるこうしたポリマーの例には、Servo Delden社からのSER AD FX1010、SER AD FX1035およびSER AD 1070、ならびにRheox社によって販売されているRheolate 255、Rheolate 278およびRheolate 244が含められる。Rohm & Haas社からの製品Aculyn 46、DW 1206FおよびDW 1206J、およびAcrysol RM 184またはAcrysol 44も、または代わりにBorchers社からのBorchigel LW 44、ならびにそれらの混合物を使用することも可能である。
【0138】
好ましい一実施形態によると、親水性ゲル化剤は、
- 任意選択により修飾されていてもよいヒドロキシプロピルグアー、特に、メチルカルボン酸ナトリウム基で修飾されているヒドロキシプロピルグアー(Jaguar XC97-1、Rhodia)、またはヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムグアークロリド、
- ビニルポリマー、例えばポリビニルアルコールなど、
- (メタ)アクリル酸から誘導されるアニオン性会合性ポリマー、例えばAculyn 22の名称でRohm & Haasによって販売されている、メタクリル酸およびステアレス-20メタクリレートから得られる非架橋コポリマーなど、
- ポリウレタンポリエーテル型の非イオン性会合性ポリマー、例えばRheolate FX 1100の名称でElementisによって販売されている、ステアレス-100/PEG-136/HDIコポリマーなど、
から選択される。
【0139】
好ましい一実施形態によると、親水性ゲル化剤は、
- 任意選択により修飾されていてもよいヒドロキシプロピルグアー、特に、メチルカルボン酸ナトリウム基で修飾されているヒドロキシプロピルグアー(Jaguar XC97-1、Rhodia)またはヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムグアークロリド、
- (メタ)アクリル酸から誘導されるアニオン性会合性ポリマー、例えばAculyn 22の名称でRohm & Haasによって販売されている、メタクリル酸およびステアレス-20メタクリレートから得られる非架橋コポリマーなど、
- ポリウレタンポリエーテル型の非イオン性会合性ポリマー、例えばRheolate FX 1100の名称でElementisによって販売されている、ステアレス-100/PEG-136/HDIコポリマーなど
から選択される。
【0140】
両性の会合性ポリマー
本発明の会合性の両性ポリマーの中で、挙げることができるのは、
1) 式(IVa)または(IVb)の少なくとも1つのモノマー、
【0142】
(式中、R
4およびR
5は、同一または異なってよく、水素原子またはメチル基を表し、
R
6、R
7およびR
8は、同一または異なってよく、1個から30個の炭素原子を含有する直鎖または分岐のアルキル基を表し、
Zは、NH基または酸素原子を表し、
nは、2から5の整数であり、
A
-は、メトサルフェートアニオンまたは塩化物もしくは臭化物などのハロゲン化物など、鉱酸または有機酸から誘導されるアニオンを示す)
【0144】
(式中、R
9およびR
10は、同一または異なってよく、水素原子またはメチル基を表し、
Z
1は、OH基またはNHC(CH
3)
2CH
2SO
3H基を表す)
3) 式(VI)の少なくとも1つのモノマー、
【0146】
(式中、R
9およびR
10は、同一または異なってよく、水素原子またはメチル基を表し、Xは、酸素原子または窒素原子を示し、R
11は、1個から30個の炭素原子を含有する直鎖または分岐のアルキル基を示す)
4) 任意選択により少なくとも1つの架橋剤または分岐剤、8個から30個の炭素原子を含有する少なくとも1つの脂肪鎖を含む式(IVa)、(IVb)または(VI)のモノマーの少なくとも1つ、および式(IVa)、(IVb)、(V)および(VI)のモノマーの前記化合物は、例えばC
1〜C
4ハロゲン化アルキルまたはC
1〜C
4硫酸ジアルキルで場合により四級化されている、
の共重合によって得ることができる、架橋または非架橋の分岐または非分岐の両性ポリマーである。
【0147】
本発明の式(IVa)および(IVb)のモノマーは、好ましくは、
- メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、
- メタクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、
- メタクリル酸ジメチルアミノプロピル、アクリル酸ジメチルアミノプロピル、
- 例えばC
1〜C
4ハロゲン化アルキルまたはC
1〜C
4硫酸ジアルキルで任意選択により四級化されていてもよい、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドまたはジメチルアミノプロピルアクリルアミド
によって形成される基から選択される。
【0148】
さらに特に、式(IVa)のモノマーは、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドおよびメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドから選択される。
【0149】
本発明の式(V)の化合物は、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2-メチルクロトン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸および2-メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸によって形成される基から選択される。さらに特に、式(V)のモノマーはアクリル酸である。
【0150】
本発明の式(VI)のモノマーは、好ましくは、C
12〜C
22およびさらに特にC
16〜C
18アルキルアクリレートまたはメタクリレートによって形成される基から選択される。
【0151】
架橋剤または分岐剤は、好ましくは、N,N'-メチレンビスアクリルアミド、トリアリルメチルアンモニウムクロリド、メタクリル酸アリル、n-メチロールアクリルアミド、ジメタクリル酸ポリエチレングリコール、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸ジエチレングリコール、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレートおよびアリルスクロースから選択される。
【0152】
本発明によるポリマーは、非イオン性モノマーおよび特にC
1〜C
4アルキルアクリレートまたはメタクリレートなどの他のモノマーも含有することができる。
【0153】
これらの両性ポリマー中のカチオン電荷/アニオン電荷の数の比は、好ましくは約1に等しい。
【0154】
会合性の両性ポリマーの重量平均分子量は、500超、好ましくは10000から10000000の間、およびさらにより優先的には100000から8000000の間の重量平均分子量を表す。
【0155】
好ましくは、本発明の会合性の両性ポリマーは、式(IVa)または(IVb)の化合物1mol%から99mol%、より優先的には20mol%から95mol%、およびまたさらに優先的には25mol%から75mol%を含有する。それらは、好ましくは、式(V)の化合物1mol%から80mol%、より優先的には5mol%から80mol%、およびまたさらに優先的には25mol%から75mol%も含有する。式(VI)の化合物の含有量は、好ましくは0.1mol%から70mol%の間、より優先的には1mol%から50mol%の間、およびまたさらに優先的には1mol%から10mol%の間である。架橋剤または分岐剤は、それが存在する場合、好ましくは0.0001mol%から1mol%の間、およびまたさらに優先的には0.0001mol%から0.1mol%の間である。
【0156】
好ましくは、式(IVa)または(IVb)の化合物と式(V)の化合物との間のモル比は、20/80から95/5、およびより優先的に25/75から75/25の範囲である。
【0157】
本発明による会合性の両性ポリマーは、例えば国際公開98/44012号に記載されている。
【0158】
本発明に従って特に好ましい両性ポリマーは、アクリル酸/アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/メタクリル酸ステアリルコポリマーから選択される。
【0159】
好ましい一実施形態によると、親水性ゲル化剤は、
- 粘土、
- 天然由来の、任意選択により修飾されていてもよいポリマー、例えばキサンタンガムなど、
- AMPS/アクリルアミドコポリマー、例えばSepigelなどのINCI名ポリアクリルアミド(および)C13〜14イソパラフィンラウレス-7のコポリマーなど、
- ポリウレタンポリエーテル型の非イオン性会合性ポリマー、例えばINCI名ステアレス-100/PEG-136/HDIのコポリマーなど、
およびそれらの混合物
から選択される。
【0160】
親水性ゲル化剤は、組成物の総重量に対して0.1重量%以上の固体含有量で、本発明による組成物中に存在してよい。特に、親水性ゲル化剤は、組成物の総重量に対して0.5重量%から5重量%、および好ましくは1重量%から3重量%を範囲とする固体含有量で本発明による組成物中に存在してよい。
【0161】
親水性活性剤
本発明による組成物は、組成物の総重量に対して10重量%以上および好ましくは厳密には10重量%超の含有量であるのが好ましい少なくとも1種の親水性活性剤も含むことができる。この活性剤は、皮膚用の保湿剤、瘢痕化剤および/または抗加齢剤から選択することができる。本発明の目的のためには、水それ自体は活性剤として考察されないと理解される。言い換えると、親水性活性剤は水以外である。
【0162】
本発明による組成物で作製される沈積物は、良好なレベルの湿性または乾燥の磨耗性を有しているので、これは、皮膚上における活性剤の残留を確実にし、したがって皮膚上におけるケア効力(加湿、瘢痕化および/または抗加齢の効果)を改善する。
【0163】
保湿剤
好ましい第1の実施形態によると、該組成物は、少なくとも1つの保湿剤(保水剤としても知られている)も含む。
【0164】
とりわけ挙げることができる保湿剤または保水剤には、ソルビトール、好ましくはC
2〜C
8およびより好ましくはC
3〜C
6の多価アルコール、好ましくはグリセロール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールおよびジグリセロールなど、ならびにそれらの混合物、グリセロールおよびその誘導体、モノ、ジまたはトリプロピレングリコール(C
1〜C
4)アルキルエーテル、モノ、ジまたはトリエチレングリコール(C
1〜C
4)アルキルエーテルなどのグリコールエーテル(とりわけ3個から16個の炭素原子を含有する)、尿素およびその誘導体、とりわけNational Starchによって販売されているHydrovance(登録商標) (2-ヒドロキシエチル尿素)、乳酸、ヒアルロン酸、AHA、BHA、ピドロ酸ナトリウム、キシリトール、セリン、乳酸ナトリウム、エクトインおよびその誘導体、キトサンおよびその誘導体、コラーゲン、プランクトン、Moist 24(登録商標)の名称でSederma社によって販売されているイムペラタ・シリンドラ(Imperata cylindra)の抽出物、アクリル酸ホモポリマー、例えばNOF CorporationからのLipidure-HM(登録商標)、ベータ-グルカンおよび特にMibelle-AG-Biochemistryからのカルボキシメチルベータ-グルカンナトリウム; NestleによってNutraLipids(登録商標)の名称で販売されているパッションフラワー油、アンズ油、コーン油および米糠油の混合物; 国際公開02/051 828号に記載されているものなどのC-グリコシド誘導体、および特にChimexによってMexoryl SBB(登録商標)の商品名で製造されている製品など、水/プロピレングリコール混合物(60/40重量%)中に活性材料30重量%を含有する溶液の形態におけるC-β-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン; Nestleによって販売されているジャコウバラの油; VincienceによってAlgualane Zinc(登録商標)の名称で販売されている、亜鉛で濃縮された微細藻類プロフィリジウム・クルエンタム(Prophyridium cruentum)の抽出物; Engelhard Lyon社によってMarine Filling Spheresの名称で販売されている、海産物由来(アテロコラーゲン)の、コラーゲンのおよび硫酸コンドロイチンの球体; Engelhard Lyon社によって販売されているものなどのヒアルロン酸球体; ならびにアルギニンが含められる。
【0165】
好ましくは使用される保湿剤は、グリセロール、尿素およびその誘導体、とりわけNational Starchによって販売されているHydrovance(登録商標)、ヒアルロン酸、AHA、BHA、アクリル酸ホモポリマー、例えばNOF CorporationからのLipidure-HM(登録商標)、ベータ-グルカンおよび特にMibelle-AG-Biochemistryからのカルボキシメチルベータ-グルカンナトリウム; NestleによってNutraLipids(登録商標)の名称で販売されているパッションフラワー油、アンズ油、コーン油および米糠油の混合物; 国際公開02/051 828号に記載されているものなどのC-グリコシド誘導体、および特にChimexによってMexoryl SBB(登録商標)商品名で製造されている製品など、水/プロピレングリコール混合物(60/40重量%)中の活性材料30重量%を含有する溶液の形態におけるC-β-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン; Nestleによって販売されているジャコウバラの油;VincienceによってAlgualane Zinc(登録商標) の名称で販売されている、亜鉛で濃縮された微細藻類プロフィリジウム・クルエンタムの抽出物; Engelhard Lyon社によってMarine Filling Spheresの名称で販売されている、海産物由来(アテロコラーゲン)の、コラーゲンのおよび硫酸コンドロイチンの球体; Engelhard Lyon社によって販売されているものなどのヒアルロン酸球体; ならびにアルギニンから選択される。
【0166】
加えて、本発明による組成物は、エタノールまたはイソプロパノールなど、2個から6個の炭素原子を含有するモノアルコールを含むことができる。
【0167】
瘢痕化剤
活性剤は瘢痕化剤から選択することもできる。
【0168】
とりわけ挙げることができる瘢痕化剤の例には、
アラントイン、尿素、特定のアミノ酸、例えばヒドロキシプロリン、アルギニン、およびセリン、および白色ユリの抽出物も(例えばIndenaからのPhytelene Lys 37EG 16295)、酵母抽出物、例えばLaboratoires Serobiologiques (Cognis)からの瘢痕化剤LS LO/7225B、タマヌ油、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)の抽出物、例えばArch ChemicalからのBiodynes(登録商標) TRF(登録商標)、カラスムギ抽出物、キトサンおよび誘導体、例えばグルタミン酸キトサン、ニンジン抽出物、アルテミア抽出物、例えばVincienceからのGP4G(登録商標)、アセキサム酸ナトリウム、ラバンジン抽出物、プロポリス抽出物、キシメニン(ximeninic)酸およびその塩、ローズヒップ油、マリゴールド抽出物、例えばAlban MullerからのSouci Ami(登録商標) Liposolible、ツクシ抽出物、クエンピ抽出物、例えばCosmetochemからのHerbasol(登録商標)シトロン、ヘリフリサム抽出物、コモンヤロー(common yarrow)抽出物、葉酸、ベータ-グルカン誘導体、シアバターおよびその精製画分、修飾エキソポリサッカライドおよびアルキルスルホンポリアミノ糖類
が含められる。
【0169】
抗加齢剤
活性剤は、抗加齢剤、即ちとりわけ皮膚障壁上において再構造化効果を有する薬剤、抗糖化剤、細胞のエネルギー代謝を刺激する活性剤、およびそれらの混合物から選択することもできる。
【0170】
皮膚障壁上において再構造化効果を有する薬剤は、SedermaからのVenuceane(登録商標)などサーマス・サーモフィラス(Thermus thermophilus)の抽出物、Active OrganicsからのActigen Y(登録商標)などワイルドヤム(Dioscorea villosa)の根茎の抽出物、プランクトン抽出物、例えばSecmaからのOmega Plankton(登録商標)、酵母抽出物、例えばColeticaからのRelipidium(登録商標)、SilabからのRecoverine(登録商標)などのクリ抽出物、GattefosseからのGatuline Zen(登録商標)などのヒマラヤスギの芽の抽出物、スフィンゴシン、例えばPhytosphingosine(登録商標) SLCの名称でDegussa社によって販売されているサリチロイルスフィンゴシン、キシリトール、ポリキシリチル(polyxylityl)グリコシドおよびキシリタン(xylitan)の混合物、例えばSEPPICからのAquaxyl(登録商標)、ソラナセア(Solanacea)植物の抽出物、例えばColeticaからのLipidessence(登録商標)、ならびにそれらの混合物から選択することができる。
【0171】
挙げることができるのは、とりわけセラミド、スフィンゴイド系化合物、グリコスフィンゴリピド、リン脂質、コレステロールおよびその誘導体、フィトステロール、必須脂肪酸、ジアシルグリセロール、4-クロマノンおよびクロモン誘導体、ならびにそれらの混合物もである。
【0172】
皮膚障壁機能に再構造化効果を有する好ましい薬剤として、挙げられるのは、サーマス・サーモフィラスの抽出物、ワイルドヤム(Dioscorea villosa)の根茎の抽出物、酵母抽出物、クリ抽出物、ヒマラヤスギの芽の抽出物、およびそれらの混合物である。
【0173】
「抗糖化剤」という用語は、皮膚タンパク質、特にコラーゲンなどの皮膚タンパク質の糖化を予防および/または低減する化合物を意味する。
【0174】
抗糖化剤の例には、ブルーベリー(バクシニウム・アングスティフォリウム(Vaccinium angustifolium)またはバクシニウム・ミルティルス(Vaccinium myrtillus))の抽出物などのツツジ科(Ericaceae)族の植物の抽出物、例えばBlueberry Herbasol Extract PGの名称でCosmetochem社によって販売されている製品、エルゴチオネインおよびその誘導体、ヒドロキシスチルベンならびにレスベラトロールおよび3,3',5,5'-テトラヒドロキシスチルベン(これらの抗糖化剤は、特許出願FR 2 802 425、同FR 2 810 548、同FR 2 796 278および同FR 2 802 420にそれぞれ記載されている)などその誘導体、ジヒドロキシスチルベンおよびその誘導体、Amadorine(登録商標)の名称でSolabia社によって販売されている製品などのアルギニンのおよびリシンのポリペプチド、塩酸カルチニン(ExsymolによってAlistin(登録商標)の名称で販売されている)、ヒマワリ(Helianthus annuus)の抽出物、例えばSilabからのAntiglyskin(登録商標)、Vin blanc deshydrate 2Fの名称でGivaudan社によって販売されているマルトデキストリン担持体上の粉末白色ワインの抽出物などのワイン抽出物、チオクト酸(またはアルファ-リポ酸)、クマコケモモのおよび海産グリコーゲン(marine glycogen)の抽出物の混合物、例えばLaboratoires SerobiologiquesからのAglycal LS 8777(登録商標)、および紅茶の抽出物、例えばSedermaからのKombuchka(登録商標)、ならびにそれらの混合物が含められる。
【0175】
細胞のエネルギー代謝を刺激するための活性剤は、例えば、ビオチン、SedermaからのPhosphovital(登録商標)などのサッカロマイセス・セレビシエの抽出物、ピロリドンカルボン酸のナトリウム塩、マンガン塩、亜鉛塩およびマグネシウム塩の混合物、例えばSolabiaからのPhysiogenyl(登録商標)、SEPPICからのSepitonic M3(登録商標)などグルコン酸亜鉛、グルコン酸銅およびグルコン酸マグネシウムの混合物、ならびにそれらの混合物から選択することができる。
【0176】
本発明による中間体組成物は水を含むので、この水それ自体が、特に組成物のおよび/または活性剤の安定性の問題もなく特に組成物中への親水性活性剤の導入に役立つ。これは、特にスキンケアの文脈において特に興味深い。具体的に、従来技術において知られているアイシャドウ、ブラッシャーおよびファンデーションパウダーの組成物は、それらが固体または液体であってもまれに水を含み、それらがいくらかでも含有しているならば、それらは一般に時間の経過により不安定である(即ち、それらは相分離または浸出を受ける)。
【0177】
好ましくは、該組成物は、保湿剤、瘢痕化剤および抗加齢剤から選択される少なくとも1種の親水性活性剤を含む。
【0178】
好ましくは、活性剤は、好ましくはC
2〜C
8のおよびより好ましくはC
3〜C
6の多価アルコール、好ましくはグリセロール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセロールおよびそれらの混合物など、ヒアルロン酸、AHA、BHA、セリン、コラーゲン、C-グリコシド誘導体および特に水/プロピレングリコール混合物(60/40wt%)中の活性材料30重量%を含有する溶液の形態におけるC-β-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン; 海産物由来(アテロコラーゲン)のコラーゲンのおよび硫酸コンドロイチンの球体、ヒアルロン酸球体; セラミド、好ましくはセラミドVなどから選択される。
【0179】
好ましくは、該組成物の活性材料含有量は、組成物の総重量に対して10重量%から50重量%、好ましくは12重量%から45重量%、さらにより良好には15重量%から40重量%、さらにより良好には20重量%から35重量%、およびまたさらにより良好には25重量%から30重量%の範囲である。
【0180】
脂肪相
本発明による化粧品組成物は、有利には、少なくとも1種の脂肪相をバインダーとして含む。
【0181】
この脂肪相は、好ましくは液体である。それは好ましくは少なくとも1種の油、好ましくは炭化水素系油を含む。
【0182】
「油」という用語は、室温(25℃)および大気圧(760mmHg)で液体である水不混和性の非水性化合物を意味する。
【0183】
この脂肪相は、特に、少なくとも1種の非揮発性油および/または1種の揮発性油を含む。好ましくは、この脂肪相は、少なくとも1種の非揮発性油、好ましくは炭素水素系油を含む。好ましくは、本発明による組成物には揮発性油がない。
【0184】
前記組成物中の油の含有量は、組成物の総重量に対して0.5重量%から30重量%、特に5重量%から20重量%、およびさらにより良好には8重量%から15重量%の範囲であってよい。
【0185】
非揮発性油
「非揮発性油」という用語は、皮膚またはケラチン繊維上に室温および室圧で残存する油を意味する。より正確には、非揮発性油は、厳密には0.01mg/cm
2/min未満の蒸発速度を有する。
【0186】
この非揮発性油は、炭素水素系油、シリコーン油またはフルオロ油であってよい。それは好ましくは炭素水素系油である。
【0187】
とりわけ挙げることができる非揮発性油には、
- 動物由来の炭素水素系油、
- オレイン酸フィトステアリル、イソステアリン酸フィトステアリルおよびグルタミン酸ラウロイル/オクチルドデシル/フィトステアリルなどのフィトステアリルエステルなどの植物由来の炭素水素系油; 特に脂肪酸がC
4からC
36およびとりわけC
18からC
36を範囲とする鎖長を有することができるグリセロールの脂肪酸エステルから形成されるトリグリセリド、これらの油は場合により直鎖または分岐、および飽和または不飽和である; これらの油は、とりわけヘプタン酸またはオクタン酸のトリグリセリド、シア油、アルファルファ油、ポピー油、カボチャ油、キビ油、オオムギ油、キノア油、ライムギ油、キャンドルナッツ油、パッションフラワー油、シアバター油、アロエ油、スイートアーモンド油、モモ核油、落花生油、アルガン油、アボカド油、バオバブ油、ルリジサ油、ブロッコリー油、キンセンカ油、カメリナ油、ニンジン油、ベニバナ油、麻油、ナタネ油、綿実油、やし油、髄種子油、コムギ胚芽油、ホホバ油、ユリ油、マカダミア油、コーン油、メドウフォーム油、セイヨウオトギリソウ油、モノイオイル、ヘーゼルナッツ油、アンズ仁油、クルミ油、オリーブ油、月見草油、パーム油、クロフサスグリ種油、キーウィ種子油、ブドウ種子油、ピスタチオ油、カボチャ油、キノア油、ジャコウバラ油、ゴマ油、大豆油、ひまわり油、ヒマシ油およびスイカ油、ならびにそれらの混合物、または代わりにStearineries Dubois社によって販売されているもの、もしくはMiglyol 810(登録商標)、812(登録商標)および818(登録商標)の名称でDynamit Nobel社によって販売されているものなど、カプリル酸/カプリン酸のトリグリセリドであってよい、
- 10個から40個の炭素原子を含有する合成エーテル、
- 合成のエステル、例えば式R
1COOR
2の油、式中、R
1は1個から40個の炭素原子を含有する少なくとも1つの直鎖または分岐の脂肪酸残基を表し、R
2は1個から40個の炭素原子を含有するとりわけ分岐である炭化水素系鎖を表し、ただしR
1+R
2≧10という条件である。該エステルは、とりわけアルコールの脂肪酸エステル、例えばオクタン酸セトステアリル、イソプロピルアルコールエステル、例えばミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルチミン酸エチル、2-エチルヘキシルパルミテート、ステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソステアリル、ステアリン酸オクチルなど、ヒドロキシル化エステル、例えば乳酸イソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、アジピン酸ジイソプロピル、ヘプタノエート、およびとりわけヘプタン酸イソステアリル、オクタン酸、デカン酸またはリシノール酸アルコールまたはポリアルコール、例えばジオクタン酸プロピレングリコール、オクタン酸セチル、オクタン酸トリデシル、2-エチルヘキシル4-ジヘプタノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、安息香酸アルキル、ジヘプタン酸ポリエチレングリコール、プロピレングリコール2-ジエチルヘキサノエート、およびそれらの混合物、C
12〜C
15アルコールベンゾエート、ラウリン酸ヘキシル、ネオペンタン酸エステル、例えばネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、イソノナン酸エステル、例えばイソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸オクチル、ヒドロキシル化エステル、例えば乳酸イソステアリルおよびマレイン酸ジイソステアリルから選択することができる、
- ポリオールエステルおよびペンタエリスリトールエステル、例えばジペンタエリスリトールテトラヒドロキシステアレート/テトライソステアレート、
- ジオール二量体のおよび二酸二量体のエステル、
- ジオール二量体のおよび二酸二量体のコポリマーならびにそれらのエステル、例えばジリノレイルジオール二量体/ジリノール二量体コポリマー、およびそれらのエステルなど、
- ポリオールのおよび二酸二量体のコポリマー、ならびにそれらのエステル、
- 12個から26個の炭素原子を含有する分岐および/または不飽和炭素系鎖を有する、室温で液体である脂肪アルコール、例えば2-オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2-ヘキシルデカノール、2-ブチルオクタノールおよび2-ウンデシルペンタデカノール、
- C
12〜C
22高級脂肪酸、例えばオレイン酸、リノール酸およびリノレン酸、ならびにそれらの混合物など、
- 2つのアルキル鎖が場合により同一または異なっている炭酸ジアルキル、例えば炭酸ジカプリリルなど、
- 約400g/molおよび約10000g/molの間、特に約650g/molから約10000g/mol、特に約750g/molから約7500g/molおよびさらに特に約1000g/molから約5000g/molを範囲とするモル質量を有する油; 挙げることができるのは、とりわけ、単独でまたは混合物として、(i) 親油性のポリマー、例えばポリブチレン、ポリイソブチレン、例えば水素化されたポリデセンおよび水素化ポリデセン、ビニルピロリドンコポリマー、例えばビニルピロリドン/1-ヘキサデセンコポリマーなど、およびポリビニルピロリドン(PVP)コポリマー、例えばC
3〜C
22などのC
2〜C
30アルケンのコポリマーなど、ならびにそれらの組合せなど; (ii) 35から70を範囲とする合計炭素数を含有する直鎖脂肪酸エステル、例えばペンタエリスリチルテトラペラルゴネート; (iii) ヒドロキシル化エステル、例えばポリグリセリル-2トリイソステアレートなど; (iv) 芳香族のエステル、例えばトリメリト酸トリデシルなど; (v) 脂肪アルコールのまたは分岐C
24〜C
28脂肪酸のエステル、例えば米国特許第6 491 927号に記載されているものおよびペンタエリスリトールエステル、ならびにとりわけクエン酸トリイソアラキジル、テトライソノナン酸ペンタエリスリチル、トリイソステアリン酸グリセリル、グリセリル2-トリデシルテトラデカノエート、ペンタエリスリチルテトライソステアレート、ポリ(2-グリセリル)テトライソステアレートまたはペンタエリスリチル2-テトラデシルテトラデカノエートなど; (vi) ジオール二量体エステルおよびポリエステル、例えばジオール二量体のおよび脂肪酸のエステル、ならびにジオール二量体のおよび二酸のエステルなどである
が含められる。
【0188】
好ましくは、本発明による組成物は、植物由来の非揮発性油、ポリオールエステルおよび特別な合成エステルを含む。好ましくは、動物由来のこの非揮発性油は、カプリル酸/カプリン酸のトリグリセリドである。好ましくは、このポリオールエステルは、ジペンタエリスリチルテトラヒドロキシステアレート/テトライソステアレートである。好ましくは、この特別な合成エステルは、ステアリルオクチルドデシルステアレートである。
【0189】
以下でみられる通り、粉体相のためのバインダーとして働く非揮発性油の他に、好ましくは異なる非揮発性油が、本発明による少なくとも1種のオルガノポリシロキサンエラストマーのための溶媒として働くことがある。好ましい一実施形態によると、粉体相のためのバインダーとして働く少なくとも1種の非揮発性油は炭素水素系であり、一方、適切な場合、前記オルガノポリシロキサンエラストマーを含有する少なくとも1種の非揮発性油はシリコーン油である。
【0190】
揮発性油
「揮発性油」という用語は、皮膚との接触にて1時間未満に室温および大気圧で蒸発することができる油(または非水性媒体)を意味する。揮発性油は、室温で液体である化粧品用揮発性油である。より具体的には、揮発性油は、上下限を含めて0.01mg/cm
2/minから200mg/cm
2/minの間の蒸発速度を有する。
【0191】
蒸発速度を測定するため、試験されるべき油または油混合物15gを、25℃の温度に温度調節され、50%の相対湿度に湿度測定法で調節された約0.3m
3の大きいチャンバ内にある天秤上に置かれている直径7cmの結晶皿内に置く。該液体は、前記油または前記混合物を含有する結晶皿の上で垂直位置に置かれているファン(Papst-Motoren、基準8550N、2700rpmで回転する)の手段によって換気を提供しながら、それを撹拌することなく自由に蒸発させておき、ブレードは結晶皿の底から20cm離れて結晶皿の方に向けられている。結晶皿中に残留している油の質量は一定の間隔で測定される。蒸発速度は、1単位面積(cm
2)当たりおよび時間(分)の1単位当たりに蒸発する油がmgで表される。
【0192】
この揮発性油は、炭素水素系油、シリコーン油またはフルオロ油であってよい。それは好ましくは炭素水素系油である。
【0193】
「炭素水素系油」という用語は、主に水素原子および炭素原子を含有する油を意味する。
【0194】
「シリコーン油」という用語は、少なくとも1個のケイ素原子を含有し、とりわけSi-O基を含有する油を意味する。一実施形態によると、前記組成物は、組成物の総重量に対して非揮発性シリコーン油10重量%未満、さらにより良好には5重量%未満を含むか、それどころかシリコーン油がない。
【0195】
「フルオロ油」という用語は、少なくとも1個のフッ素原子を含む油を意味する。
【0196】
該油は、例えばヒドロキシル基または酸基の形態において、酸素原子、窒素原子、硫黄原子および/またはリン原子を任意選択により含む。
【0197】
揮発性油は、8個から16個の炭素原子を含有する炭素水素系油、およびとりわけC
8〜C
16分岐アルカン(イソパラフィンとしても知られている)、例えばイソドデカン、イソデカンおよびイソヘキサデカンから選択することができる。
【0198】
揮発性炭素水素系油は、7個から17個の炭素原子、特に9個から15個の炭素原子、およびさらに特に11個から13個の炭素原子を含有する直鎖揮発性アルカンであってもよい。挙げることができるのは、とりわけn-ノナデカン、n-デカン、n-ウンデカン、n-ドデカン、n-トリデカン、n-テトラデカン、n-ペンタデカンおよびn-ヘキサデカン、ならびにそれらの混合物である。
【0199】
オルガノポリシロキサンエラストマー
本発明による組成物は、オルガノポリシロキサンエラストマーを含むことができる。このエラストマーは脂肪相ゲル化剤として働くことができる。
【0200】
これらの特別なエラストマーは、本発明に従ってさらに必要とされる粉体相と組み合わされる場合、それらを含む組成物から皮膚上に形成される沈積物のための柔性特性および快適特性(沈積物の柔軟さ)を得ることを可能にする。
【0201】
「オルガノポリシロキサンエラストマー」という用語は、粘弾性およびとりわけスポンジまたは柔軟な球体の一貫性を有する柔軟な変形可能なオルガノポリシロキサンを意味する。弾力性のその係数は、この材料が変形に耐え、制限された伸展性および収縮性を有するものである。この材料は、伸展後にその原形を回復できる。
【0202】
このオルガノポリシロキサンは、好ましくは架橋されている。好ましくは、このエラストマーは非環式である。好ましい一実施形態によると、INCI名ジメチコン/ビニルジメチコンコポリマーを有するオルガノポリシロキサンエラストマーが使用される。
【0203】
有利な組成物は、好ましくは非揮発性である少なくとも1種の炭素水素系油および/またはシリコーン油中で運ばれる少なくとも1種のオルガノポリシロキサンエラストマーを含むことができる。好ましくは、前記組成物は、INCI名ジメチコンを有する少なくとも1種の非揮発性シリコーン油中で運ばれる少なくとも1種のオルガノポリシロキサンエラストマーを含む。
【0204】
非乳化オルガノポリシロキサンエラストマー
したがって、オルガノポリシロキサンエラストマーは、ケイ素に結合されている少なくとも1個の水素を含有するジオルガノポリシロキサンの、およびケイ素に結合されているエチレン性不飽和基を含有するジオルガノポリシロキサンの、とりわけ白金触媒の存在下における架橋付加反応によって; またはヒドロキシル末端基を含有するジオルガノポリシロキサンと、ケイ素に結合されている少なくとも1個の水素を含有するジオルガノポリシロキサンとの間の、とりわけ有機スズの存在下における脱水素架橋縮合反応によって; またはヒドロキシル末端基を含有するジオルガノポリシロキサンの、および加水分解性オルガノポリシランの架橋縮合反応によって;またはオルガノポリシロキサンの、とりわけオルガノペルオキシド触媒の存在下における熱架橋によって; またはガンマ線、紫外線もしくは電子ビームなどの高エネルギー放射線を介するオルガノポリシロキサンの架橋によって得ることができる。
【0205】
好ましくは、オルガノポリシロキサンエラストマーは、(A) それぞれがケイ素に結合されている少なくとも2個の水素を含有するジオルガノポリシロキサンの、および(B) ケイ素に結合されている少なくとも2つのエチレン性不飽和基を含有するジオルガノポリシロキサンの、とりわけ白金触媒の存在下(C)における架橋付加反応によって得られる。
【0206】
特に、オルガノポリシロキサンエラストマーは、ジメチルポリシロキサンとジメチルビニルシロキシ末端基との、およびメチルヒドロゲノポリシロキサンとトリメチルシロキシ末端基との、白金触媒の存在下における反応によって得ることができる。
【0207】
化合物(A)は、オルガノポリシロキサンエラストマーの形成のための塩基化合物であり、架橋は、触媒(C)の存在下において化合物(A)と化合物(B)との付加反応によって実行される。
【0208】
化合物(A)は、特に、それぞれの分子において異なるケイ素原子に結合されている少なくとも2個の水素原子を含有するオルガノポリシロキサンである。
【0209】
化合物(A)は、任意の分子構造、とりわけ直鎖または分岐鎖構造または環構造を有することができる。
【0210】
化合物(A)は、25℃で、1センチストークスから50000センチストークスを範囲とする、とりわけ化合物(B)と相溶性であるような粘度を有することができる。
【0211】
化合物(A)のケイ素原子に結合されている有機基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチルなどのアルキル基; 2-フェニルエチル、2-フェニルプロピルまたは3,3,3-トリフルオロプロピルなどの置換アルキル基; フェニル、トリル、キシリルなどのアリール基; フェニルエチルなどの置換アリール基; およびエポキシ基、カルボン酸エステル基またはメルカプト基など、置換されている一価の炭化水素系基であってよい。
【0212】
化合物(A)は、したがって、トリメチルシロキシ末端基を含有するメチルヒドロゲノポリシロキサン、トリメチルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン-メチルヒドロゲノシロキサンコポリマー、およびジメチルシロキサン-メチルヒドロゲノシロキサン環式コポリマーから選択することができる。
【0213】
化合物(B)は、有利には、少なくとも2つの低級アルケニル基(例えばC
2〜C
4)を含有するジオルガノポリシロキサンであり、低級アルケニル基は、ビニル基、アリル基およびプロペニル基から選択することができる。これらの低級アルケニル基は、オルガノポリシロキサン分子の任意の位置に位置することができるが、好ましくは、オルガノポリシロキサン分子の末端に位置される。オルガノポリシロキサン(B)は、分岐鎖、直鎖、環式またはネットワークの構造を有することができるが、直鎖構造が好ましい。化合物(B)は、液体状態からガム状態を範囲とする粘度を有することができる。好ましくは、化合物(B)は、25℃で少なくとも100センチストークスの粘度を有する。
【0214】
上述されているアルケニル基の他に、化合物(B)中においてケイ素原子に結合されている他の有機基は、メチル、エチル、プロピル、ブチルまたはオクチルなどのアルキル基; 2-フェニルエチル、2-フェニルプロピルまたは3,3,3-トリフルオロプロピルなどの置換アルキル基; フェニル、トリルまたはキシリルなどのアリール基; フェニルエチルなどの置換アリール基; およびエポキシ基、カルボン酸エステル基またはメルカプト基など、置換されている一価の炭化水素系基であってよい。
【0215】
オルガノポリシロキサン(B)は、メチルビニルポリシロキサン、メチルビニルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端基を含有するジメチルポリシロキサン、ジメチルビニルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン-メチルフェニルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン-ジフェニルシロキサン-メチルビニルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン-メチルビニルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン-メチルフェニルシロキサン-メチルビニルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端基を含有するメチル(3,3,3-トリフルオロプロピル)ポリシロキサン、およびジメチルビニルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン-メチル(3,3,3-トリフルオロプロピル)シロキサンコポリマーから選択することができる。
【0216】
特に、オルガノポリシロキサンエラストマーは、白金触媒の存在下で、ジメチルビニルシロキシ末端基を含有するジメチルポリシロキサンの、およびトリメチルシロキシ末端基を含有するメチルヒドロゲノポリシロキサンの反応によって得ることができる。
【0217】
有利には、化合物(B)中の1分子当たりのエチレン性基の数の、および化合物(A)中の1分子当たりのケイ素原子に結合されている水素原子の数の合計は少なくとも5である。
【0218】
化合物(A)は、化合物(A)中のケイ素原子に結合されている水素原子の合計量と、化合物(B)中の全てのエチレン性不飽和基の合計量との間の分子比が1.5/1から20/1の範囲である量で添加することが有利である。
【0219】
化合物(C)は架橋反応のための触媒であり、とりわけクロロ白金酸、クロロ白金酸-オレフィン錯体、クロロ白金酸-アルケニルシロキサン錯体、クロロ白金酸-ジケトン錯体、担持体上の白金黒および白金である。
【0220】
触媒(C)は、好ましくは、清浄白金金属として、化合物(A)および(B)の合計量の1000重量部当たり0.1重量部から1000重量部、およびさらにより良好には1重量部から100重量部の量で添加される。
【0221】
エラストマーは、有利には非乳化エラストマーである。
【0222】
「非乳化」という用語は、任意の親水性鎖を含有していない、および特に任意のポリオキシアルキレン単位(とりわけポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレン)または任意のポリグリセリル単位を含有していないオルガノポリシロキサンエラストマーを定義する。
【0223】
オルガノポリシロキサンエラストマー粒子は、好ましくは、少なくとも1種の炭素水素系油および/または1種のシリコーン油中に含められるエラストマー性オルガノポリシロキサンから形成されるゲルの形態で運ばれる。これらのゲル中おいて、オルガノポリシロキサン粒子は、球状のまたは非球状の粒子であってよい。
【0224】
使用することができる球状の非乳化エラストマーには、例えばDC 9040、DC 9041、DC 9509、DC 9505の名称でDow Corning社によって販売されているものが含められる。
【0225】
挙げることができるのは、KSG-6、KSG-15、KSG-16、KSG-18、KSG-41、KSG-42、KSG-43およびKSG-44の名称で信越社によって; Gransil SR 5CYC Gel、Gransil SR DMF 10 GelおよびGransil SR DC556 Gelの名称でGransil RPS from Grant Industries社によって; 1229-02-167、1229-02-168およびSFE 839の名称でGeneral Electric社によって販売されているものもである。
【0226】
特別な一実施形態によると、エラストマーは、環式シリコーン油との混合物として使用することができる。挙げることができる一例は、架橋オルガノポリシロキサン/シクロペンタシロキサン混合物または架橋オルガノポリシロキサン/シクロヘキサシロキサン混合物、例えばGrant Industries社からのGransil RPS D5またはGransil RPS D6である。
【0227】
乳化オルガノポリシロキサンエラストマー
「乳化オルガノポリシロキサンエラストマー」という用語は、ポリオキシアルキレン化オルガノポリシロキサンエラストマーおよびポリグリセロール化シリコーンエラストマーなど、少なくとも1つの親水性鎖を含むオルガノポリシロキサンエラストマーを意味する。
【0228】
乳化オルガノポリシロキサンエラストマーは、ポリオキシアルキレン化オルガノポリシロキサンエラストマーから選択することができる。
【0229】
ポリオキシアルキレン化オルガノポリシロキサンエラストマーは、ケイ素に結合されている少なくとも1個の水素を含有するジオルガノポリシロキサンの、および少なくとも2つのエチレン性不飽和基を含有するポリオキシアルキレンの架橋付加反応によって得ることができる架橋オルガノポリシロキサンエラストマーである。
【0230】
好ましくは、オルガノポリシロキサンエラストマーは、ケイ素にそれぞれ結合されている少なくとも2個の水素を含有するジオルガノポリシロキサンの架橋付加反応(A1)、および少なくとも2つのエチレン性不飽和基を含有するポリオキシアルキレンの架橋付加反応(B1)によって、とりわけ白金触媒の存在下(C1)において、例えば米国特許第5 236 986号および米国特許第5 412 004号に記載されている通りに得られる。
【0231】
特に、オルガノポリシロキサンは、ポリオキシアルキレン(とりわけポリオキシエチレンおよび/またはポリオキシプロピレン)とジメチルビニルシロキシ末端基との、およびメチルヒドロゲノポリシロキサンとトリメチルシロキシ末端基との、白金触媒の存在下における反応によって得ることができる。
【0232】
化合物(A1)のケイ素原子に結合されている有機基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、デシル、ドデシル(またはラウリル)、ミリスチル、セチルまたはステアリルなど、1個から18個の炭素原子を含有するアルキル基; 2-フェニルエチル、2-フェニルプロピルまたは3,3,3-トリフルオロプロピルなどの置換アルキル基; フェニルエチルなどのアリール基; およびエポキシ基、カルボン酸エステル基またはメルカプト基など、置換されている一価の炭化水素系基であってよい。
【0233】
化合物(A1)は、したがって、トリメチルシロキシ末端基を含有するメチルヒドロゲノポリシロキサン、トリメチルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン-メチルヒドロゲノシロキサンコポリマー、ジメチルシロキサン-メチルヒドロゲノシロキサン環式コポリマー、トリメチルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン-メチルヒドロゲノシロキサン-ラウリルメチルシロキサンコポリマーから選択することができる。
【0234】
化合物(C1)は架橋反応のための触媒であり、とりわけクロロ白金酸、クロロ白金酸-オレフィン錯体、クロロ白金酸-アルケニルシロキサン錯体、クロロ白金酸-ジケトン錯体、担持体上の白金黒および白金である。
【0235】
有利には、ポリオキシアルキレン化オルガノポリシロキサンエラストマーは、ジビニル化合物、特に、ポリシロキサンのSi-H結合と反応する少なくとも2つのビニル基を含有するポリオキシアルキレンから形成することができる。
【0236】
ポリオキシアルキレン化エラストマーは、とりわけ米国特許第5 236 986号、米国特許第5 412 004号、米国特許第5 837 793号および米国特許第5 811 487号に記載されており、これらの内容を参照により組み込む。
【0237】
使用することができるポリオキシアルキレン化オルガノポリシロキサンエラストマーには、KSG-21、KSG-20、KSG-30、KSG-31、KSG-32、KSG-33、KSG-210、KSG-310、KSG-320、KSG-330およびKSG-340の名称で信越社によって、およびDC9010およびDC9011の名称でDow Corning社によって販売されているものが含められる。
【0238】
乳化オルガノポリシロキサンエラストマーは、ポリグリセロール化オルガノポリシロキサンエラストマーから選択することもできる。
【0239】
本発明によるポリグリセロール化オルガノポリシロキサンエラストマーは、とりわけ白金触媒の存在下における、ケイ素に結合されている少なくとも1個の水素を含有するジオルガノポリシロキサンの、およびエチレン性不飽和基を含有するポリグリセロール化化合物の架橋付加反応によって得ることができるオルガノポリシロキサンエラストマーである。
【0240】
好ましくは、オルガノポリシロキサンエラストマーは、とりわけ白金触媒の存在下(C2)における、ケイ素にそれぞれ結合されている少なくとも2個の水素を含有するジオルガノポリシロキサンの架橋付加反応(A2)、および少なくとも2つのエチレン性不飽和基を含有するグリセロール化化合物の架橋付加反応(B2)によって得られる。
【0241】
特に、オルガノポリシロキサンは、白金触媒の存在下における、ポリグリセロール化化合物とジメチルビニルシロキシ末端基との、およびメチルヒドロゲノポリシロキサンとトリメチルシロキシ末端基との反応によって得ることができる。
【0242】
化合物(A2)はオルガノポリシロキサンエラストマーの形成のための塩基試薬であり、架橋は、触媒(C2)の存在下における化合物(A2)と化合物(B2)との付加反応によって実行される。
【0243】
化合物(A2)は、特に、それぞれの分子中において異なるケイ素原子に結合されている少なくとも2個の水素原子を含有するオルガノポリシロキサンである。
【0244】
化合物(A2)は、任意の分子構造、とりわけ直鎖もしくは分岐鎖の構造または環構造を有することができる。
【0245】
化合物(A2)は、25℃で、1センチストークスから50000センチストークスを範囲とする粘度、とりわけ化合物(B2)と相溶性であるような粘度を有することができる。
【0246】
化合物(A2)中においてケイ素原子に結合されている有機基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、デシル、ドデシル(またはラウリル)、ミリスチル、セチルまたはステアリルなどの1個から18個の炭素原子を含有するアルキル基; 2-フェニルエチル、2-フェニルプロピルまたは3,3,3-トリフルオロプロピルなどの置換アルキル基; フェニル、トリルまたはキシリルなどのアリール基; フェニルエチルなどの置換アリール基; およびエポキシ基、カルボン酸エステル基またはメルカプト基などの置換されている一価の炭化水素系基であってよい。好ましくは、前記有機基は、メチル基、フェニル基およびラウリル基から選択される。
【0247】
化合物(A2)は、したがって、トリメチルシロキシ末端基を含有するメチルヒドロゲノポリシロキサン、トリメチルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン-メチルヒドロゲノシロキサンコポリマー、ジメチルシロキサン-メチルヒドロゲノシロキサン環式コポリマー、およびトリメチルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン-メチルヒドロゲノシロキサン-ラウリルメチルシロキサンコポリマーから選択することができる。
【0248】
化合物(B2)は、下記の式(B')に対応するポリグリセロール化化合物であってよく、
C
mH
2m-1-O-[Gly]
n- C
mH
2m-1 (B')
式中、mは、2から6を範囲とする整数であり、nは、2から200を範囲とし、好ましくは2から100を範囲とし、好ましくは2から50を範囲とし、好ましくは2から20を範囲とし、好ましくは2から10を範囲とし、優先的には2から5を範囲とする整数であり、特にnは3に等しく、Glyは、
-CH
2-CH(OH)-CH
2-O-または-CH
2-CH(CH
2OH)-O-
を示す。
【0249】
有利には、化合物(B2)中における1分子当たりのエチレン性基の数の、および化合物(A2)中における1分子当たりのケイ素原子に結合されている水素原子の数の合計は、少なくとも4である。
【0250】
化合物(A2)は、化合物(A2)中におけるケイ素原子に結合されている水素原子の合計量と、化合物(B2)中における全てのエチレン性不飽和基の合計量との間の分子比が1/1から20/1の範囲内である量で添加されるのが有利である。
【0251】
化合物(C2)は架橋反応のための触媒であり、とりわけクロロ白金酸、クロロ白金酸-オレフィン錯体、クロロ白金酸-アルケニルシロキサン錯体、クロロ白金酸-ジケトン錯体、担持体上の白金黒および白金である。
【0252】
触媒(C2)は、好ましくは、清浄白金金属として、化合物(A2)および(B2)の合計量の1000重量部当たり0.1重量部から1000重量部、およびさらにより良好には1重量部から100重量部の量で添加される。
【0253】
ポリグリセロール化オルガノポリシロキサンエラストマーは、少なくとも1種の炭素水素系油および/または1種のシリコーン油中におけるゲル形態で運ばれる。これらのゲルにおいて、ポリグリセロール化エラストマーは、しばしば非球状粒子の形態である。
【0254】
使用することができるポリグリセロール化オルガノポリシロキサンエラストマーには、KSG-710、KSG-810、KSG-820、KSG-830およびKSG-840の名称で信越社によって販売されているものが含められる。
【0255】
有利には、本発明に従って考慮中のオルガノポリシロキサンエラストマーは、球状の非乳化オルガノポリシロキサンエラストマー、ポリグリセロール化オルガノポリシロキサンエラストマーおよびポリオキシアルキレン化オルガノポリシロキサンエラストマーから選択される。
【0256】
有利には、本発明に従って考慮中のオルガノポリシロキサンエラストマーは、球状の非乳化オルガノポリシロキサンエラストマーから選択される。
【0257】
好ましくは、オルガノポリシロキサンエラストマーは、例えばアイシャドウ組成物の場合、および特に無水組成物の場合には非乳化である。
【0258】
好ましくは、本発明による乳化系は、乳化オルガノポリシロキサンエラストマーを全く含まない。
【0259】
いっそう好ましくは、該組成物は、粉末形態における少なくとも1種のオルガノポリシロキサンエラストマーと組み合わされる、非揮発性油中で運ばれるオルガノポリシロキサンエラストマーを含む。こうした組合せは、前記非揮発性油内のエラストマー固体の百分率を増加させること、その粘度をより良好に制御すること、および必要ならば着色剤などの他の化合物および特に真珠光沢剤のための空隙を作製するために前記組成物中に組み込まれるべき含有量を制限することを可能にし得る。
【0260】
粉末形態におけるこうした非乳化エラストマーは、とりわけ、DC 9506またはDC 9701の名称でDow Corning社によって販売されているものを含む。
【0261】
好ましくは、該組成物は、DC 9041の名称でDow Corning社によって、KSG-16の名称で信越社によって、およびDC 9701の名称でDow Corning社によって販売されている製品、ならびにそれらの混合物から選択されるオルガノポリシロキサンエラストマーを含む。またさらに優先的に、該組成物は、DC 9041の名称でDow Corning社によって、およびKSG-16の名称で信越社によって販売されている製品から選択される少なくとも1種のオルガノポリシロキサンエラストマーを、DC 9701の名称でDow Corning社によって販売されているオルガノポリシロキサンエラストマーと組み合わせて含む。
【0262】
有利には、本発明による組成物は、少なくとも1種のオルガノポリシロキサンエラストマーを単独でまたは混合物として、組成物の総重量に対して0.2重量%から8重量%、好ましくは0.5重量%から6重量%、およびいっそう好ましくは1.5重量%から3重量%を範囲とし、より優先的には2重量%から3重量%を範囲とし、例えば約2重量%の固体含有量で含む。
【0263】
オルガノポリシロキサンエラストマーは、粉体相に対するオルガノポリシロキサンエラストマーの質量割合が0.05から0.35の間、好ましくは0.10から0.20、およびいっそう好ましくは0.10から0.12である比で存在してよい。
【0264】
乳化系
本発明による組成物は、1種または複数の界面活性剤を含む乳化系を含む。これらの界面活性剤は、組成物の総重量に対して0.1重量%から20重量%、有利には0.5重量%から15重量%を範囲とし、好ましくは組成物の総重量に対して1重量%から10重量%、および特に1.5重量%から5重量%を範囲とする含有量で存在してよい。
【0265】
水中油型エマルジョンを得るために適切に選択される乳化界面活性剤が、一般に使用される。特に、25℃でGriffinの意味内における8以上のHLBバランス(親水性-親油性バランス)を有する乳化界面活性剤を使用することができる。
【0266】
Griffin HLB値は、J. Soc. Cosm. Chem. 1954 (5巻)、249〜256頁に定義されている。
【0267】
これらの界面活性剤は、非イオン性、アニオン性、カチオン性および両性の界面活性剤、ならびにそれらの混合物から選択することができる。界面活性剤の乳化特性および機能の定義についてはKirk-Othmer's Encyclopedia of Chemical Technology、22巻、333〜432頁、第3版、1979、Wileyに、特にアニオン性、両性および非イオン性の界面活性剤についてはこの文献の347〜377頁に参照されている。
【0268】
本発明による組成物中に優先的に使用される界面活性剤は、下記から選択される。
a) 上に記述されている通り25℃で8未満のHLBを有する非イオン性界面活性剤、例えば、
- 糖類のエステルおよびエーテル、例えばステアリン酸スクロース、ヤシ脂肪酸スクロース、ステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、イソステアリン酸メチルグルコース、(ポリ)パルミトステアリン酸スクロース、ラウリン酸スクロース、パルミチン酸スクロース、トリベヘン酸スクロース、オレイン酸スクロース、ジステアリン酸スクロース、ポリラウリン酸スクロース、ラウリン酸スクロースおよびヘキサエルカ酸スクロース、ならびにそれらの混合物など、例えばICI社によって販売されているArlatone 2121(登録商標)またはUniqema社からのSpan 65V、
- とりわけC
8〜C
24のおよび好ましくはC
16〜C
22、ならびにポリオール、とりわけグリセロールまたはソルビトールの脂肪酸エステル、例えば、Tegin M(登録商標)の名称でGoldschmidt社によって販売されているステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、イソステアリン酸ポリグリセリル、モノステアリン酸ポリグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール、ポリグリセリル-10ペンタステアレート、モノオレイン酸グリセリル、ラウリン酸グリセリル、例えばHuls社による製品Imwitor 312(登録商標)など、(ジ)ラウリン酸ジエチレングリコール、ペンタオレイン酸デカグリセリル、ペンタジイソステアリン酸デカグリセリル、カプリン酸/カプリル酸グリセリル、ポリグリセリル-2(イソ)ステアレートおよび(ポリ)リシノリエートなど、
- オキシアルキレン化アルコール、特に、1個から15個のオキシエチレン単位および/またはオキシプロピレン単位を含むことができるオキシエチレン化および/またはオキシプロピレン化アルコール、特にエトキシ化C
8〜C
24および好ましくはC
12〜C
18脂肪アルコール、例えば2個のオキシエチレン単位でエトキシ化されているステアリルアルコール(CTFA名:ステアレス-2)など、例えばUniqema社によって販売されているBrij 72、またはオキシエチレン化オレイルアルコールなど、
- 脂肪アルコール、例えばセチルステアリルアルコールなど、
- 例えば3個から20個のオキシアルキレン単位を含有するオキシエチレン化および/またはオキシプロピレン化シリコーン化合物、ならびにとりわけオキシエチレン化および/またはオキシプロピレン化ジメチコン。上記されている通り、乳化と称され、適切な場合に非揮発性油中で運ばれるポリオキシアルキレン化またはポリグリセロール化オルガノポリシロキサンエラストマーが使用される場合、それは同時に、本発明による組成物のための界面活性剤およびオルガノポリシロキサンエラストマーであってよいことが留意されるべきである、
- Q2-3225C(登録商標)の名称でDow Corning社によって販売されているシクロメチコン/ジメチコンコポリオールの混合物。
b) アニオン性界面活性剤、例えば
- C
16〜C
30脂肪酸の塩、とりわけアミン塩、例えばステアリン酸トリエタノールアミンまたは2-アミノ-2-メチルプロパン-1,3-ジオールステアレートなど、
- ポリオキシエチレン化脂肪酸塩、とりわけアミン化塩またはアルカリ金属の塩、およびそれらの混合物、
- リン酸エステルおよびそれらの塩、例えばDEAオレス-10ホスフェート(Croda社からのCrodafos N 10N)またはモノカリウムモノセチルホスフェート(Uniqema社からのAmphisol K from GivaudanまたはArlatone MAP 160K)など、
- スルホサクシネート、例えばPEG-5クエン酸ラウリルスルホコハク酸二ナトリウム(Disodium PEG-5 citrate lauryl sulfosuccinate)およびリシノールアミドMEAスルホコハク酸二ナトリウム(Disodium ricinoleamido MEA sulfosuccinate)など、
- 硫酸アルキルエーテル、例えばラウリルエーテル硫酸ナトリウムなど、
- イセチオン酸塩、
- アシルグルタメート、例えば水素化タロウグルタミン酸二ナトリウム(味の素社によって販売されているAmisoft HS-21 R(登録商標)、およびその混合物など。
c) カチオン性界面活性剤、その中で挙げることができるのは、とりわけ
- アルキルイミダゾリジニウム、例えばイソステアリルエチルイミドニウムエトスルフェートなど、
- アンモニウム塩、例えば、N,N,N-トリメチル-1-ドコサンアミニウムクロリド(またはベヘントリモニウムクロリド)などの(C
12〜30アルキル)トリ(C
1〜4アルキル)アンモニウムハライドなど
である。
d) 両性界面活性剤、例えば、N-アルキルアミノアセテートおよびココアンホ二酢酸二ナトリウムなどのN-アシルアミノ酸、および酸化ステアラミンなどの酸化アミン、または代わりにシリコーン界面活性剤、例えばPecosil PS 100(登録商標)の名称でPhoenix Chemical社によって販売されている製品などのリン酸ジメチコンコポリオール、
ならびにそれらの混合物。
【0269】
好ましくは、乳化系は、糖類エステル、好ましくはステアリン酸ソルビタン、およびポリオキシアルキレン化またはポリグリセロール化シリコーン化合物、好ましくはPEG-10ジメチコン、ならびにそれらの混合物から選択される、25℃で8未満の少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を含む。
【0270】
好ましくは、本発明において使用される乳化系は、乳化オルガノポリシロキサンエラストマー以外である。好ましくは、本発明による組成物は、乳化オルガノポリシロキサンエラストマー以外の乳化系と、非乳化オルガノポリシロキサンエラストマーとを組み合わせる。
【0271】
本発明による組成物は、乳化系を、前記組成物の総重量に対して0.5重量%から10重量%、好ましくは1重量%から5重量%、およびいっそう好ましくは1.5重量%から3重量%を範囲とする含有量で含むことができる。
【0272】
ステアリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛またはステアリン酸マグネシウムなど、アルカリ金属、アルカリ土類金属または遷移金属の塩は、本発明の意味内では、乳化系を形成するとして考察されないことが理解される。具体的には、こうした化合物は何よりもまず充填剤として、および特に粉体相を圧粉化するための薬剤として働きをする。
【0273】
キレート剤
特に有利な一実施形態によると、該組成物はキレート剤を含むことができる。こうしたキレート剤は、特に論文「Chelating agents」Kirk Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、5巻、708〜739頁、2003に出版において定義および記載されている。
【0274】
その論文に挙げられている通り、この薬剤は、ポリホスフェート、アミノカルボン酸、1,3-ジケトン、ヒドロキシカルボン酸、ポリアミン、アミノアルコール、複素環芳香族塩基、アミノフェノール、シッフ塩基、テトラピロール、硫黄化合物、合成の大環状化合物、ポリマーおよびホスホン酸から選択することができる。
【0275】
好ましくは、この薬剤はアミノカルボン酸から選択され、好ましくはEDTAである。
【0276】
これらの薬剤は、本発明による中間体メーキャップおよび/またはケア組成物中の水の実質的存在に伴う静電結合を低減するのに特に有用である。これをするため、捕捉剤のまたは錯化剤、例えばEDTA四ナトリウムの添加は、遊離イオン、およびより具体的にはとりわけ真珠光沢剤および充填剤中に存在するCa
2+(鉱物充填剤)型のカチオンを錯体化することを可能にする。その結果として、EDTAがこれらのイオンを錯体化すると、水のイオン強度は減少する。
【0277】
アジュバント
該組成物は、保存剤、紫外線スクリーニング剤、増粘剤および香料など、化粧品中に通常使用される他の成分(アジュバント)を含むことができる。
【0278】
言うまでもなく、当業者は、本発明による組成物に本来伴う有利な特性が予想される添加によって悪く影響されないように、または実質的に悪く影響されないように、本発明による組成物に添加される任意選択のアジュバントを入念に選択する。
【0279】
アセンブリ
別の態様によると、本発明は、
i) 閉じ部材によって閉じられている、1つまたは複数の区画に区切ってある容器、ならびに
ii) 前記区画の内部に置かれている本発明によるメーキャップおよび/またはケア組成物
を含む化粧品アセンブリにも関する。
【0280】
容器は、例えば、瓶または箱の形態であってよい。
【0281】
閉じ部材は、蓋または剥ぎ取りカバーの形態であってよい。特に、この閉じ部材は、前記メーキャップおよび/もしくはケア組成物を収容する容器に対して並動することによって、または軸回転することによって移動できるように取り付けられるキャップを含むことができる。
【実施例】
【0282】
本発明によるコンパクトパウダー形態の2つの固体化粧品組成物を以下の通りに調製し、次いで皮膚の加湿の観点から試験した。
【0283】
【表1】
【0284】
【表2】
【0285】
調製プロセス
下記の手順を、本発明による組成物を調製するのに使用した。
【0286】
1-相1の調製
相1の化合物および相1の顔料をステンレス-鋼るつぼ内で秤量し、次いでシュレッダーを使用し、最初に1回15秒間1500rpmで、および次いで3回1分間3000rpmで製粉する。
【0287】
適切な場合、存在してよい真珠光沢剤を、第2のるつぼ内で秤量し、相1に添加し、該調製物を次いで、シュレッダー(R5またはR5プラス)内にて2回15秒間1500rpmで製粉する。
【0288】
2-相2の組込み
相2の化合物を250mlのビーカー中で秤量し、次いで水浴上にて75℃で加熱する。相2が融解したら、デフロキュレーター(Turbotest 33/300 PH - Rayneri、Group VMI)を使用して、ボルテックスが形成するまで(約300rpm)それを撹拌し、次いで撹拌しながらシュレッダーの蓋を介して1回1分間1500rpmで添加することで相1を調製する。
【0289】
2'-相 2'の調製
適切な場合、デフロキュレーターで事前に混合された相2'の化合物を小さいステンレス鋼るつぼ内で秤量し、調製物の残部に添加し、次いでシュレッダー内にて、最初に1回1分間1500rpmで、および次いで2回2分間3000rpmで、および最終的に1回1分間3000rpmで製粉する。
【0290】
3-調製の仕上げ
得られた粉末を次いで、前記少なくとも1種の親水性活性剤を特に含む相3を、前に分散しておいた脱塩水中に希釈する。水の量は、株式会社南陽によって販売されているPilote Back Injection機に適当な粘度を得るため、組成物の総重量に対して40%重量から60%重量の間である。このBack Injection機は、カップの底部を介してスラリーとしても知られている「粉末-水」混合物を得ること、および同時に吸引によって希釈水の一部を抜くことを可能にする。生成物射出の全体にわたって、射出金型を真空下に置くことで、吸引によって抜かれ、真空トラップに回収される水の除去を可能にする。真空下に置くことは、したがって、カップの充填および均質化を促進する。
【0291】
バック射出した部分を次いで、それらの重量がもはや変化しなくなるまで換気炉内に50℃で置く。生成物を次いで乾燥のまま考察する。
【0292】
加湿を評価するプロトコール
測定原理
測定を、SEI-M-0211-Combi-06コルネオメーターを使用する機器による方法を介して実行する。この機械は皮膚の電気インピーダンスを測定し、表示される値がより低いほど皮膚がより加湿されている。これをするため、本発明による組成物を0.3mg/cm
2の速度で、非常に乾燥している皮膚を有する16人のパネルの前腕の内面に適用した。処置した領域の加湿度を、コルネオメーターを使用して測定し、T0および異なる時間間隔、2時間後および4時間後に、素肌と比較した。
【0293】
結果
本発明に従って適用されたパウダーで得られた結果は、皮膚の加湿が有意であることを示している。組成物の適用4時間後、処置領域の加湿の14%を上回る有意な増加がさらに観察される。
【0294】
比較の目的で、未処置皮膚の加湿の程度は、この時間の間で有意に変動しない。
【0295】
本発明による組成物は、したがって、皮膚の加湿を改善することを可能にし、この効果は適用4時間後でさえ有意なままである。
【0296】
本発明の文脈において、化合物または化合物のファミリーのために与えられている重量百分率は、常に、当該の化合物の固体の重量として表されると理解される。
【0297】
本願の全体にわたって、「1を含む」または「1を含める」という用語は、別段の指定がない限り、「少なくとも1つを含むこと」または「少なくとも1つを含めること」を意味すると理解されるべきである。