特許第6307287号(P6307287)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6307287ファイル管理システム、ファイル管理方法およびファイル管理システム用のプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6307287
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】ファイル管理システム、ファイル管理方法およびファイル管理システム用のプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 12/00 20060101AFI20180326BHJP
【FI】
   G06F12/00 545B
   G06F12/00 520A
【請求項の数】10
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-13481(P2014-13481)
(22)【出願日】2014年1月28日
(65)【公開番号】特開2015-141514(P2015-141514A)
(43)【公開日】2015年8月3日
【審査請求日】2017年1月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】591275481
【氏名又は名称】株式会社アイ・オー・データ機器
(74)【代理人】
【識別番号】110000844
【氏名又は名称】特許業務法人 クレイア特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】賀来 純一
【審査官】 桜井 茂行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−148565(JP,A)
【文献】 特開2000−029756(JP,A)
【文献】 特開2007−272851(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0162419(US,A1)
【文献】 特開2008−017003(JP,A)
【文献】 特開2002−108352(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 12/00
G06F 17/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数のクライアント装置と接続されるストレージ装置と、
前記ストレージ装置の記録部に記録されたファイルデータに応じて配列した複数のマルチリンクファイルを前記ストレージ装置のフォルダに生成するリンクファイル生成部と、
前記リンクファイル生成部におけるマルチリンクファイルが選択され、前記クライアント装置からアクセスされた場合に、前記マルチリンクファイルに基づいて前記ファイルデータにアクセスさせるリンク先アクセス部と、を含み、
前記リンクファイル生成部は、前記マルチリンクファイルを、実体ファイルデータへのパスデータおよびマルチリンクファイルであることを示すシグネチャを含むように形成し、
前記リンク先アクセス部は、エミュレータを行う、ファイル管理システム。
【請求項2】
前記記録部は、
前記クライアント装置から前記ストレージ装置に記録されたファイルデータにアクセスされた場合に、前記アクセス回数に応じてアクセスランキング履歴を記録し、
前記リンクファイル生成部は、
前記アクセスランキング履歴に応じて複数のマルチリンクファイルを配列し、
前記アクセスランキング履歴の下位のリンクファイルを削除し、アクセスランキング履歴からアクセス傾向およびお勧めファイルを提示する、請求項1記載のファイル管理システム。
【請求項3】
前記リンクファイル生成部は、
前記ストレージ装置のファイルシステム処理部のレイヤで前記複数のマルチリンクファイルを生成する、請求項1または2に記載のファイル管理システム。
【請求項4】
前記リンクファイル生成部は、
前記記録部により記録された前記アクセスランキング履歴を所定の指定期間で抽出する期間抽出部と、
前記記録部により記録された前記アクセスランキング履歴を所定順位で抽出する順位抽出部と、をさらに含み、
前記期間抽出部および前記順位抽出部の少なくとも一方に従い前記マルチリンクファイルを配列する、請求項に記載のファイル管理システム。
【請求項5】
前記期間抽出部は、前記記録部に記録された前記ファイルデータのアクセスランキング履歴の変動履歴のマルチリンクファイルを前記ストレージ装置の前記フォルダに生成する、請求項に記載のファイル管理システム。
【請求項6】
前記記録部は、
所定の期間において前記ファイルデータへのアクセスが無い場合に、前記ファイルデータに応じたマルチリンクファイルを前記アクセスランキング履歴から除外する、請求項2または5に記載のファイル管理システム。
【請求項7】
前記記録部は、
前記ファイルデータへのアクセス権限がない場合でも、アクセスされた場合、アクセスランキング履歴としてカウントする、請求項1から6のいずれか1項に記載のファイル管理システム。
【請求項8】
前記記録部は、
前記アクセスランキング履歴として作成したフォルダ内のマルチリンクファイルを、当該ファイルのアクセス終了時に更新する、請求項2、5または7に記載のファイル管理システム。
【請求項9】
1または複数のクライアント装置と接続されるストレージ装置において使用されるファイル管理方法であって、
前記ストレージ装置の記録工程により記録されたファイルデータに応じて配列した複数のマルチリンクファイルを前記ストレージ装置のフォルダに生成するリンクファイル生成工程と、
前記リンクファイル生成工程におけるマルチリンクファイルが選択され、前記クライアント装置からアクセスされた場合に、前記マルチリンクファイルに基づいて前記ファイルデータにアクセスさせるリンク先アクセス工程と、を含み、
前記リンクファイル生成工程は、前記マルチリンクファイルを、実体ファイルデータへのパスデータおよびマルチリンクファイルであることを示すシグネチャを含むように形成し、
前記リンク先アクセス工程は、エミュレータを行う、ファイル管理方法。
【請求項10】
ストレージ装置および1または複数のクライアント装置において使用されるファイル管理システム用のプログラムであって、
前記ストレージ装置の記録処理により記録されたファイルデータに応じて配列した複数のマルチリンクファイルを前記ストレージ装置のフォルダに生成するリンクファイル生成処理と、
前記リンクファイル生成処理におけるマルチリンクファイルが選択され、前記クライアント装置からアクセスされた場合に、前記マルチリンクファイルに基づいて前記ファイルデータにアクセスさせるリンク先アクセス処理と、を含み、
前記リンクファイル生成処理は、前記マルチリンクファイルを、実体ファイルデータへのパスデータおよびマルチリンクファイルであることを示すシグネチャを含むように形成し、
前記リンク先アクセス処理は、エミュレータを行う、ファイル管理システム用のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストレージ装置と1または複数のクライアント装置とにおいて用いられるファイル管理システム、ファイル管理方法およびファイル管理システム用のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ストレージ装置と1または複数のクライアント装置とにおけるファイル管理システムについて種々の開発研究が開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2009−110260号公報)には、作成されたファイルを、そのファイルがユーザによって発見されやすいように、適切なフォルダに格納する検索エンジン連携ファイル共有システムについて開示されている。
【0004】
特許文献1記載の計算機システムは、クライアント計算機と、クライアント計算機にネットワークを介して接続された第1ストレージシステムと、を備える計算機システムであって、クライアント計算機は、ネットワークに接続される第1インタフェースと、第1インタフェースに接続される第1プロセッサと、第1プロセッサに接続される第1メモリと、を備え、第1ストレージシステムは、一つ以上の第1データ記憶装置と、第1データ記憶装置を制御する第1コントローラと、を備え、一つ以上の第1データ記憶装置に含まれる複数のデータ記憶領域の少なくとも一つは、複数のファイルのいずれかに対応付けられ、複数のファイルの各々は、複数のフォルダのいずれかに格納され、計算機システムは、フォルダ決定部及びファイル格納部をさらに備え、クライアント計算機は、ファイルを格納する指示を受信し、フォルダ決定部は、複数のフォルダに格納されたファイルと、指示されたファイルとの一致度に基づいて、複数のフォルダと、指示されたファイルとの関係の強さを判定し、ファイル格納部は、複数のフォルダのうち、指示されたファイルとの関係が最も強いと判定されたフォルダに、指示されたファイルを格納することを特徴とする。
【0005】
特許文献2(特開平6−202926号公報)には、ファイルのアクセス履歴を効率よく確実に管理するファイルアクセス履歴管理方式について開示されている。
【0006】
特許文献2に記載のファイルアクセス履歴管理方式は、ファイルを記憶する記憶手段と、ファイルを管理する管理手段とを備え、ネットワークに接続されて複数のクライアント装置に共通にアクセスされるファイル装置においてアクセス履歴を管理するファイルアクセス履歴管理方式であって、各々のアクセス操作毎に操作者名、操作ファイル名を含むアクセス履歴を作成する履歴作成手段と、履歴作成手段により作成されたアクセス履歴を記憶する履歴記憶手段と、履歴記憶手段に記憶されたアクセス履歴のデータ量が設定値を越えたか否かを判断する判断手段と、判断手段による判断結果がアクセス履歴のデータ量を越えたことを示す時に、予じめ設定された削除基準に基づいて、履歴記憶手段の内容を削除する履歴削除手段と、履歴記憶手段の内容を出力装置に出力する出力制御手段とを備えたものである。
【0007】
特許文献3(特開2007−293746号公報)には、有用なファイルを効率的に検索するファイル管理システムについて開示されている。
【0008】
特許文献3記載のファイル管理システムにおいては、ファイルを格納し、クライアントからの要求に応じ、ネットワークを通じてファイルを提供するファイルサーバを備えるファイル管理システムであって、ファイルサーバは、ネットワークと接続する第1インターフェイスと、第1インターフェイスと接続され、プログラムを実行する第1プロセッサと、プログラム及びプログラムが使用する情報を格納する第1メモリと、ファイルを格納する第1ストレージ装置と、を備え、第1メモリは、組織を構成する部署を記録した組織情報を格納し、第1プロセッサは、ファイルのアクセス履歴を記録し、組織情報に格納された部署ごとのアクセス履歴を集計し、アクセス数の多い部署についてファイルの有用性が高いと判定し、有用性が高いと判定されたファイルを検索するものである。
【0009】
特許文献4(特開2004−310357号公報)には、グループウェア等の共有システムの管理者が、退避・保管すべきデータファイルの選択をいちいち判別しなくてもよい手段について開示されている。
【0010】
特許文献4記載のファイル管理方法は、グループウェア等の共有システムにおけるクライアントシステムと、当該クライアントシステムのデータアクセス要求に対してデータアクセスを提供するサーバーシステムとを備え、サーバーシステムが、データアクセス要求の対象となる複数のデータアクセス対象ファイルと、複数のデータアクセス対象ファイルについて、アクセス対象ファイル識別子とアクセス実績とを関連付けてそれぞれ記憶したアクセスログファイルと、データアクセス対象ファイル毎に、アクセス対象ファイル識別子を記憶したファイル管理情報テーブルと、を備えたシステムにおいて、サーバーシステムが、クライアントシステムからデータアクセス要求を受けると、当該データアクセスを要求されたデータアクセス対象ファイルの、当該アクセス対象ファイル識別子とアクセス実績との関連付けをアクセスログファイルに記録するステップと、サーバーシステムが、アクセス実績の期間指定に応じて、アクセスログファイルから最近アクセスされたアクセス対象ファイルのアクセス対象ファイル識別子を抽出するステップと、サーバーシステムが、ファイル管理情報テーブルに記憶されているアクセス対象ファイル識別子のうち、アクセスログファイルから抽出したアクセス対象ファイル識別子と一致しないアクセス対象ファイル識別子をデータアーカイブ対象ファイルとして出力するステップと、を実行するものである。
【0011】
特許文献5(特表2007−504526号公報)には、ファイル移動履歴によるポインタ更新制御について開示されている。特許文献5のファイル移動履歴によるポインタ更新制御においては、分散データ処理システムでは、ファイル移動の履歴が維持される。ファイルへのアクセスが要求され、ファイルが検出されないとき、当該ファイルの現在位置を決定し、リクエストファイルを指示する他のファイルに含まれるリンクを更新するため移動履歴が照会される。
【0012】
特許文献5記載のファイル移動履歴によるポインタ更新制御は、データ処理システム上の特定ファイルへのアクセスを可能にする方法であって、システム上の特定ファイルの移動に関する履歴を維持するステップと、履歴によりカバーされる期間における特定ファイルに係る位置へのポインタを表す特定リンクのアクセスに応答して、履歴に基づき特定ファイルの現在位置を決定するステップと、を有することを特徴とする方法である。
【0013】
特許文献6(特開平6−187213号公報)には、ファイルアクセス操作に伴う適切なアクセス履歴のみ取得し、ファイル管理を行なうファイルアクセス履歴管理方式について開示されている。
【0014】
特許文献6記載のファイルアクセス履歴管理方式では、ファイルを記憶する記憶手段と、ファイルを管理する管理手段とを備え、ネットワークに接続されて複数のクライアント装置に共通にアクセスされるファイル装置においてアクセス履歴を管理するファイルアクセス履歴管理方式であって、ファイルの各々のアクセス毎に操作者名、操作ファイル名を含むアクセス履歴を作成する履歴作成手段と、履歴作成手段により作成されたアクセス履歴を記憶する履歴記憶手段と、履歴作成手段で作成すべきアクセス履歴の種類を指定する指定手段と、指定手段により指定された種類のアクセス履歴のみを取得して履歴記憶手段に出力する履歴出力手段と、履歴作成手段の内容を出力装置に出力する出力制御手段とを備えたものである。
【0015】
特許文献7(特開2010−176574号公報)には、1つのアイテムが複数の親フォルダを持つことのできるフォルダ階層構造を、1つのアイテムが1つの親フォルダしか持てないツリー構造に変換するための好適なしくみのデータ管理方法及び装置について開示されている。
【0016】
特許文献7に記載のデータ管理方法及び装置は、データやフォルダであるアイテムを複数のフォルダに登録することが可能なフォルダ階層構造を用いるデータ管理方法であって、フォルダに登録されているデータまたはフォルダである子アイテムと、子アイテムが登録されているフォルダである親フォルダとのペアを示す関係データを管理する関係データ管理工程と、関係データ管理工程によって管理されている関係データの各々に属性情報を付与し、管理する属性管理工程と、1つの子アイテムが複数の親フォルダに登録されている場合には、1つの子アイテムと複数の親フォルダの各々とのペアに対応する複数の関係データに付与されている属性情報に基づいて1つの子アイテムが登録されている1つの親フォルダを選択することにより、フォルダ階層構造の少なくとも一部を、1つの子アイテムが単一のフォルダに登録されているツリー構造へ変換する変換工程とを有するものである。
【0017】
【特許文献1】特開2009−110260号公報
【特許文献2】特開平06−202926号公報
【特許文献3】特開2007−293746号公報
【特許文献4】特開2004−310357号公報
【特許文献5】特表2007−504526号公報
【特許文献6】特開平06−187213号公報
【特許文献7】特開2010−176574号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
以上のように、特許文献1から7の種々のファイル管理システムにおいては、ストレージ装置にリンクファイルを生成し、クライアント装置からそのリンクファイルを経由して当該リンクファイルが指し示すファイルにアクセスする場合、以下いずれかの問題があった。
【0019】
例えば、リンクファイルがいわゆるソフトリンクの場合、当該リンクファイルのファイル形式をクライアント装置のオペレーティングシステム(以下、OSと略記する)が認識できず、クライアント装置のOSは、リンク先ファイルにアクセスできないという問題が生じていた。すなわち、ソフトリンクの場合、クライアントOSの種別に依存するという問題がある。
【0020】
また、リンクファイルがいわゆるハードリンクの場合、当該リンク先ファイルの保存されているファイルシステムと異なる種類のファイルシステムでは、当該ファイルのリンクファイルを生成できないという問題が生じていた。すなわち、ファイルシステムの種類に依存してしまうという問題がある。
【0021】
本発明の目的は、ファイルへのアクセスにおいてクライアント装置のOSおよび当該ファイルのファイルシステムの種類に依存しない独自のリンクファイルを経由してアクセスすることができるファイル管理システム、ファイル管理方法およびファイル管理システム用のプログラムを提供することである。
さらに、本発明の他の目的は、的確にランキングデータを作成し、ランクインしたファイルへのアクセスにおいてクライアント装置のOSおよび当該ファイルのファイルシステムの種類に依存しない独自のリンクファイルを経由してアクセスすることができるファイル管理システム、ファイル管理方法およびファイル管理システム用のプログラムを提供することである。
【0022】
(1)
一局面に従うファイル管理システムは、1または複数のクライアント装置と接続されるストレージ装置と、ストレージ装置の記録部に記録されたファイルデータに応じて配列した複数のマルチリンクファイルをストレージ装置のフォルダに生成するリンクファイル生成部と、リンクファイル生成部におけるマルチリンクファイルが選択され、クライアント装置からアクセスされた場合に、マルチリンクファイルに基づいてファイルデータにアクセスさせるリンク先アクセス部と、を含むものである。
【0023】
本発明にかかるファイル管理システムは、1または複数のクライアント装置と接続されるストレージ装置に含まれる。
リンクファイル生成部によりストレージ装置の記録部に記録されたファイルデータに応じて配列された複数のマルチリンクファイルがストレージ装置のフォルダに生成される。リンクファイル生成部におけるマルチリンクファイルが選択され、クライアント装置からアクセスされた場合に、リンク先アクセス部によりマルチリンクファイルに基づいてファイルデータにアクセスされる。
【0024】
ここで、マルチリンクファイルとは、いわゆるショートカット、エイリアス、シンボリックなどのソフトリンクとは、異なり、独自のリンクファイルを意味する。
すなわち、マルチリンクファイルは、OSに応じたリンクファイルではなく、クライアント装置のOSに関係なく、マルチチンクファイルが指し示すファイルデータにアクセス可能なリンクファイルであり、マルチリンクファイルは、異なるファイルシステム間でもリンクファイルが生成可能なものである。
また、マルチリンクファイルはソフトリンクのようにリンク先の実体とは異なるファイルを作成するが、その実体に読み書きが発生した場合はファイルシステムのレイヤであたかも実ファイルであるかのように振る舞わせることができるものである。したがって、いわゆるソフトリンクとハードリンクとの両方の利点を活かせるものである。
【0025】
この場合、ファイルへのアクセスにおいてクライアント装置のOSおよび当該ファイルのファイルシステムの種類に依存しない独自のリンクファイルを経由してアクセスすることができる。
【0026】
(2)
第2の発明にかかるファイル管理システムは、一局面に従うファイル管理システムにおいて、記録部は、クライアント装置からストレージ装置に記録されたファイルデータにアクセスされた場合に、アクセス回数に応じてアクセスランキング履歴を記録し、リンクファイル生成部は、アクセスランキング履歴に応じて複数のマルチリンクファイルを配列してもよい。
【0027】
この場合、記録部は、アクセス回数に応じてアクセスランキング履歴を記録し、マルチリンクファイルをアクセスランキング履歴に応じて配列することができる。その結果、クライアント装置からマルチリンクにアクセスした場合に、アクセス回数を容易に認識することができる。
【0028】
(3)
第3の発明にかかるファイル管理システムは、一局面または第2の発明にかかるファイル管理システムにおいて、リンクファイル生成部は、ストレージ装置のファイルシステム処理部のレイヤで複数のマルチリンクファイルを生成してもよい。
【0029】
この場合、リンクファイル生成部は、マルチリンクファイルをファイルシステム処理部のレイヤで生成することができる。その結果、クライアント装置からアクセスが容易となる。
【0030】
(4)
第4の発明にかかるファイル管理システムは、一局面または第2、第3の発明にかかるファイル管理システムにおいて、リンクファイル生成部は、記録部により記録されたアクセスランキング履歴を所定の指定期間で抽出する期間抽出部と、記録部により記録されたアクセスランキング履歴を所定順位で抽出する順位抽出部と、をさらに含み、期間抽出部および順位抽出部の少なくとも一方に従いマルチリンクファイルを配列してもよい。
【0031】
この場合、記録部に記録されたアクセスランキング履歴の一部を期間または順位で抽出したマルチリンクファイルを容易に生成することができる。
【0032】
(5)
第5の発明にかかるファイル管理システムは、一局面または第2、第3、第4の発明にかかるファイル管理システムにおいて、期間抽出部は、記録部に記録されたファイルデータのアクセスランキング履歴の変動履歴のマルチリンクファイルをストレージ装置のフォルダに生成してもよい。
【0033】
この場合、変動履歴のマルチリンクファイルを選択することで、変動履歴の経過を容易に確認することができる。したがって、クライアント装置からアクセス回数の多いファイルの経過、アクセス回数の少ないファイルの経過を認識することができる。
【0034】
(6)
第6の発明にかかるファイル管理システムは、一局面または第2から第5の発明にかかるファイル管理システムにおいて、記録部は、所定の期間においてファイルデータへのアクセスが無い場合に、ファイルデータに応じたマルチリンクファイルをアクセスランキング履歴から除外してもよい。
【0035】
この場合、所定の期間において、ファイルデータへのアクセスが無い場合に、マルチリンクファイルをアクセスランキング履歴から除外することができるので、不要なマルチリンクファイルを自動的に削除することができる。なお、自動的に削除するだけでなく、クライアント装置へ削除指示を行なってもよい。さらに、別途削除推薦フォルダを作成し、不要なマルチリンクファイルを当該削除推薦フォルダに移動させてもよい。
【0036】
(7)
第7の発明にかかるファイル管理システムは、一局面または第2から第6の発明にかかるファイル管理システムにおいて、記録部は、ファイルデータへのアクセス権限がない場合でも、アクセスされた場合、アクセスランキング履歴としてカウントしてもよい。
【0037】
この場合、アクセス権限がなく、アクセスが許可されなくても、カウントを行なうことにより、実際にアクセスされた回数をカウントする場合と異なり、隠れたアクセスニーズを含めてアクセスランキングを作成することができる。
【0038】
(8)
第8の発明にかかるファイル管理システムは、一局面または第2から第7の発明にかかるファイル管理システムにおいて、記録部は、アクセスランキング履歴として作成したフォルダ内のマルチリンクファイルを、当該ファイルのアクセス終了時に更新してもよい。
【0039】
この場合、記録部は、当該ファイルのアクセス終了時にアクセスランキング履歴のマルチリンクファイルを更新するため、クライアント装置からのアクセス時の処理速度を高く維持することができる。
なお、処理速度を高く維持できる場合には、当該ファイルのアクセス時に更新を行なってもよい。
【0040】
(9)
他の発明にかかるファイル管理方法は、1または複数のクライアント装置と接続されるストレージ装置において使用されるファイル管理方法であって、ストレージ装置の記録工程により記録されたファイルデータに応じて配列した複数のマルチリンクファイルをストレージ装置のフォルダに生成するリンクファイル生成工程と、リンクファイル生成工程におけるマルチリンクファイルが選択され、クライアント装置からアクセスされた場合に、マルチリンクファイルに基づいてファイルデータにアクセスさせるリンク先アクセス工程と、を含むものである。
【0041】
本発明にかかるファイル管理方法は、1または複数のクライアント装置と接続されるストレージ装置において使用される。
リンクファイル生成工程によりストレージ装置の記録工程に記録されたファイルデータに応じて配列された複数のマルチリンクファイルがストレージ装置のフォルダに生成される。リンクファイル生成工程におけるマルチリンクファイルが選択され、クライアント装置からアクセスされた場合に、リンク先アクセス工程によりマルチリンクファイルに基づいてファイルデータにアクセスされる。
【0042】
この場合、ファイルへのアクセスにおいてクライアント装置のOSおよび当該ファイルのファイルシステムの種類に依存しない独自のリンクファイルを経由してアクセスすることができる。
【0043】
(10)
さらに他の発明にかかるファイル管理システム用のプログラムは、ストレージ装置および1または複数のクライアント装置において使用されるファイル管理システム用のプログラムであって、ストレージ装置の記録処理により記録されたファイルデータに応じて配列した複数のマルチリンクファイルをストレージ装置のフォルダに生成するリンクファイル生成処理と、リンクファイル生成処理におけるマルチリンクファイルが選択され、クライアント装置からアクセスされた場合に、マルチリンクファイルに基づいてファイルデータにアクセスさせるリンク先アクセス処理と、を含むものである。
【0044】
本発明にかかるファイル管理システム用のプログラムは、1または複数のクライアント装置と接続されるストレージ装置において使用される。
リンクファイル生成処理によりストレージ装置の記録処理に記録されたファイルデータに応じて配列された複数のマルチリンクファイルがストレージ装置のフォルダに生成される。リンクファイル生成処理におけるマルチリンクファイルが選択され、クライアント装置からアクセスされた場合に、リンク先アクセス処理によりマルチリンクファイルに基づいてファイルデータにアクセスされる。
【0045】
この場合、ファイルへのアクセスにおいてクライアント装置のOSおよび当該ファイルのファイルシステムの種類に依存しない独自のリンクファイルを経由してアクセスすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】本実施の形態にかかるファイル管理システムの一例を示す模式図である。
図2】クライアント装置がリンクファイルのあるフォルダを開いた場合の一例を示すフローチャートである。
図3】クライアント装置がリンクファイルに読み書きを行った場合の一例を示すフローチャートである。
図4】統計データの一例を示す模式図である。
図5】アクセス処理部におけるアクセスランキング処理の一例を示すフローチャートである。
図6】アクセス処理部のアクセスランキング履歴のデータの一例を示す模式図である。
図7】アクセス処理部におけるアクセス傾向の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名所および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0048】
図1は、本実施の形態にかかるファイル管理システム100の一例を示す模式図である。
図1に示すように、ファイル管理システム100は、クライアント装置200およびストレージ装置300を含む。
【0049】
図1に示すクライアント装置200は、複数のクライアント装置200a,〜,200eを有する。
ストレージ装置300は、記録部310、リンクファイル生成部320、リンク先アクセス部340を含む。
【0050】
記録部310には、アクセス処理部311およびマルチリンクファイル500、ファイルデータ510が記録される。図1においては、マルチリンクファイル500内にファイルデータ510が記録されているように表示している。すなわち、後述するように実際にファイルデータ510は、記録部310内に記録されているものであり、マルチリンクファイル500内に記録されているように見せかけられる。アクセス処理部311の動作詳細については後述する。
【0051】
本実施の形態において図1に示すクライアント装置200a,〜,200eは、それぞれオペレーティングシステム(以下、OSと略記する)が異なる。
例えば、クライアント装置200aのOSは、Microsoft Windows(登録商標)であり、クライアント装置200bのOSは、Linux(登録商標)であり、クライアント装置200cのOSは、Androidであり、クライアント装置200dのOSは、BSDであり、クライアント装置200eのOSは、iOSである。
なお、その他の代表的なOSであるOSX、WINDOWS PHONE、IBMzOSなど、その他の任意のOSであってもよい。
【0052】
(リンクファイル生成部)
次いで、本発明にかかるストレージ装置300のリンクファイル生成部320の動作について説明する。
リンクファイル生成部320は、ストレージ装置300のファイルシステム処理部のレイヤで動作し、ストレージ装置300の記録部310において独自に生成されたマルチリンクファイル500が生成される。
リンクファイル生成部320は、後述するリコメンド情報作成時に必要に応じて対象のファイルパスのマルチリンクファイル500を生成する。
【0053】
当該マルチリンクファイル500は、ストレージ装置300の記録部310に記録されたファイルデータ510へのリンクデータを示すものである。
すなわち、マルチリンクファイル500は、ストレージ装置300における独自フォーマットのリンクファイルである。
【0054】
すなわち、ストレージ装置300のリンクファイル生成部320においてWindows(登録商標)が生成したショートカットと呼ばれるWindows(登録商標)独自のリンクファイルをストレージ装置300にマルチリンクファイル500として生成した場合、当該リンクファイルをUnix(登録商標)系OSのクライアント装置から読み込もうとした場合、Unix(登録商標)系OSでは当該リンクファイルをリンクファイルとして認識できないため、Unix(登録商標)系OSからは、たかだか数キロバイトの不明な形式のファイルが存在するようにしか見えないという問題が生じる。
当然ながら、逆の場合のリンクファイル生成部320においてUnix(登録商標)系OSが生成したシンボリックリンクと呼ばれるUnix(登録商標)独自のリンクファイルをストレージ装置300にマルチリンクファイル500として生成した場合、当該リンクファイルをWindows(登録商標)系OSでは、当該リンクファイルを認識できないため、Windows(登録商標)系OSからはたかだか数キロバイトの不明な形式のファイルが存在するようにしか見えないという問題が生じる。
【0055】
そのため、ストレージ装置300独自のマルチリンクファイル500を生成する。マルチリンクファイル500は、少なくとも実体ファイルデータ510へのパスデータおよびストレージ装置300専用のマルチリンクファイル500であることを示すシグネチャを含むものからなる。後述のリンク先アクセス部340は、アクセス対象のファイルデータ510の所定位置に当該シグネチャが含まれている場合に、当該ファイルを本発明におけるマルチリンクファイル500であると判定することができる。
【0056】
例えば、具体的なファイル形式とは、ファイル先頭バイトからシグネチャデータ(IODATANASMULTILINK)が記載され、その後にリンク先ファイルパス(/MNT/INTERNAL_DISK/)が含まれている場合などである。
【0057】
また、リンクファイル生成部320は、マルチリンクファイル500の専用フォーマットに従って「リンクファイル保存先ディレクトリ」に「ファイルデータ510のパス」のマルチリンクファイル500を生成する。
【0058】
以上のように、リンクファイル生成部320は、独自のマルチリンクファイル500を生成する。
【0059】
(リンク先アクセス部)
以下、リンク先アクセス部340の動作について説明を行なう。
リンク先アクセス部340は、クライアント装置200からのリクエストに対して処理を行なうものである。
例えば、図1のリンク先アクセス部340は、クライアント装置200からマルチリンクファイル500を確認する場合(フォルダを開いた場合)に、マルチリンクファイル500により示されたファイルデータ510が、マルチリンクファイル500内にあるとみせかける。したがって、クライアント装置200からは、ファイルデータ510が当該フォルダ内にあるようにみえる。
すなわち、リンク先アクセス部340は、エミュレータ的な役割を含み、いわゆるエミュレーションを行なうとともに、ファイルデータ510があたかも当該フォルダに存在するように動作する。
【0060】
図2は、クライアント装置200がマルチリンクファイル500のあるフォルダを開いた場合の一例を示すフローチャートである。
【0061】
上記で説明したように、ストレージ装置300の内部からすると、上記マルチリンクファイル500は実際のファイルデータではなく、単なるリンクファイルである。
すなわち、実際のファイルデータ510ではなく、実際のファイルデータの保存場所を示すリンク先のデータとして存在している。
しかしながら、クライアント装置200からすると、マルチリンクファイル500は、実際のファイルデータ510として存在するように見える。
【0062】
クライアント装置200が所定のフォルダ内のファイルの一覧取得をリクエストした場合、リンク先アクセス部340は、ファイルがマルチリンクファイル500であるか否かを判定する(ステップS1)。
【0063】
マルチリンクファイル500であると判定した場合(ステップS1のYes)、リンク先アクセス部340は、マルチリンクファイル500に書いてあるリンク先のファイル情報(ファイルデータ510の記録場所)を取得し、クライアント装置200に返答するレスポンス情報に当該ファイル情報を追加する(ステップS2)。
【0064】
一方、マルチリンクファイル500でないと判定した場合(ステップS1のNo)、リンク先アクセス部340は、クライアント装置200に返答するレスポンス情報にファイルデータ510そのもののデータを追加する(ステップS3)。すなわち、通常の処理を行なう。
【0065】
リンク先アクセス部340は、ステップS2の処理またはS3の処理の後、レスポンス情報をクライアント装置200へ返信する(ステップS4)。
【0066】
次いで、図3は、クライアント装置200がマルチリンクファイル500に読み書き処理を行った場合の一例を示すフローチャートである。
【0067】
本実施の形態において、クライアント装置200からストレージ装置300のマルチリンクファイル500を見た場合、対象のフォルダ内において、ファイルデータ510としてみえるように表示される。したがって、クライアント装置200から当該ファイルデータ510(実際は、マルチリンクファイル500)に対して読み書き処理を行なおうとする場合がある。
図3で説明を行なう処理は、上述の対象ファイルがマルチリンクファイル500の場合である。
【0068】
図3に示すように、クライアント装置200が、マルチリンクファイル500(クライアント装置200からは、ファイルデータ510に見える)に対して読み込み処理を行なった場合、リンク先アクセス部340は、リンク先のファイルデータ510を読み込み、クライアント装置200に返信する(ステップS11)。
なお、上述の対象ファイルがマルチリンクファイル500でない場合、リンク先アクセス部340は、そのままファイルデータ510を返信することで対応を行なうことができる。
【0069】
(アクセス処理部)
次いで、アクセスランキング履歴およびアクセス傾向を作成するアクセス処理部311について説明する。
【0070】
アクセス処理部311は、クライアント装置200からアクセスランキング履歴およびアクセス傾向を示すファイルデータ510へのアクセスが行われ、当該ファイルデータ510を閉じる毎に、統計データを更新する。
当該統計データを用いてアクセスランキング履歴が作成される。図4は、統計データの一例を示す模式図である。
【0071】
なお、上記でも説明したように、クライアント装置200からファイルデータ510へのアクセスは、実際には、クライアント装置200からマルチリンクファイル500へのアクセスを介して、ファイルデータ510へのアクセスが行われる。
【0072】
図4に示すように、当該統計データは、少なくともファイルデータ510へのアクセス回数、アクセス日時、アクセスしたユーザ名を含むものである。なお、記録部310には、多数のファイルデータ510が含まれているため、ファイルデータ510の個々の名前も含まれる。
アクセス処理部311は、バックグラウンドで、統計データを更新するとともに、統計データに基づいて定期的にアクセスランキング履歴を作成する。
【0073】
また、アクセス処理部311は、クライアント装置200からストレージ装置300内のファイルデータ510に読み書き処理が発生し、ファイルデータ510がクローズされた時点で統計データを更新する。
【0074】
なお、本実施の形態においては、アクセス処理部311は、クライアント装置200からストレージ装置300内のファイルデータ510にアクセスできない権限のアクセスがあった場合でも、統計データにカウントが行われる。
【0075】
(アクセス処理部におけるアクセスランキング履歴)
アクセス処理部311は、アクセスされたランキングから一定の抽出期間に応じてアクセスランキング履歴を作成する。当該一定の抽出期間は、ストレージ装置300のデフォルト値であってもよく、ユーザによる所定の期間の指定であってもよい。
【0076】
アクセス処理部311は、上記の指定期間に応じてアクセスランキング履歴の情報を作成し、所定の登録ユーザの専用のフォルダを作成し、上位にランクインしたファイルデータ510のマルチリンクファイル500を生成し、当該フォルダ内に配列する。
アクセス処理部311は、所定の登録ユーザごとに上記フォルダを作成し、マルチリンクファイル500の配列を繰り返し処理を行う。
【0077】
図5は、アクセス処理部311におけるアクセスランキング処理の一例を示すフローチャートであり、図6はアクセス処理部311のアクセスランキング履歴のデータの一例を示す模式図である。
【0078】
図5に示すように、アクセス処理部311は、統計データから指定された期間の範囲のアクセスデータを取得する(ステップS21)。
次いで、取得したアクセスデータから重複するファイルデータ510をカウントする(ステップS22)。
次いで、ステップS22においてカウントされた数が多い順(アクセスランキング)のファイルデータ510を決定する(ステップS23)。
最後に、ストレージ装置300に登録されているユーザの専用フォルダに対して上記で決定したファイルデータ510の順をリンクファイル生成部320に与えて、リンクファイル生成部320は、当該順に応じてマルチリンクファイル500を配列し、生成する(ステップS24)。
【0079】
例えば、図6に示すように、設計データA、企画データB、製造計画C、企画データA、販売計画A、報告書A、製造計画Aの順にマルチリンクファイル500を配列する。なお、抽出期間を限定しない場合には、企画データC、製造計画B、報告書Bの順にマルチリンクファイル500を配列してもよい。
【0080】
また、アクセス処理部311は、図5で示したアクセスランキング履歴のデータを配列で表示させるのではなく、別途のデータで作成してもよい。例えば、図6に示すアクセスランキング履歴の表をデータ化し、記録部310または所定のユーザのフォルダ内に保存させてもよい。
また、本実施の形態においては、アクセス処理部311は、所定の期間経過して、アクセスランキング履歴の所定の順位以下となり、アクセスされていないファイルデータ510をアクセスランキング履歴から除外するようにしてもよい。
【0081】
例えば、図6に示すように、アクセスランキング履歴が半月前から変化していない、または、図6のアクセスランキング履歴に表示されない状態であれば、アクセスランキング履歴を除外してもよい。
その結果、マルチリンクファイル500(ファイルデータ510)の数を削減できる。
【0082】
(アクセス処理部におけるアクセス傾向)
また、アクセス処理部311は、ユーザ指定による抽出期間においてアクセス傾向を決定する。なお、ユーザ指定に限定されず、ストレージ装置300のデフォルトの値に応じた抽出期間においてアクセス傾向を決定してもよい。
【0083】
アクセス処理部311は、バックグラウンドでアクセス傾向情報を作成し、登録ユーザの専用フォルダにアクセス傾向のファイルを作成する。
アクセス傾向のファイルは、フォルダ名が「参照元ファイル」であり、当該フォルダ名の中に「関連ファイル」のマルチリンクファイル500が収容される(複数ある可能性もある)。
【0084】
上記マルチリンクファイル500は、上述したように、アクセス傾向に応じて当該ファイルデータ510に対してリンクファイル生成部320が生成し、アクセス処理部311が参照元ファイル名と関連ファイルとして当該フォルダ内に収容する。
すなわち、上記の関連ファイルは、所定のユーザ以外のユーザが良く見ている順番のファイルである。すなわち、当該関連ファイルは、当該ユーザにとってお勧めファイルと言える。
【0085】
図7は、アクセス処理部311におけるアクセス傾向の一例を示すフローチャートである。図7に示すように、アクセス処理部311は、統計データを使ってユーザ専用フォルダにマルチリンクファイル500を配列する。
【0086】
アクセス処理部311は、統計データから参照元ファイルと同じファイル名のアクセスデータを検索する(ステップS31)。ここで、アクセスデータとは、参照元ファイルに対してアクセスしたユーザのデータである。
【0087】
次いで、ステップS31の処理において検索がヒットした場合、アクセス処理部311は、ヒットしたユーザが、当該参照元ファイルにアクセスした時間の前後数時間の間に、当該ユーザがアクセスした関連ファイルデータを統計データから検索する(ステップS32)。
なお、本実施の形態においては、前後数時間としているが、これに限定されず、前後数日であってもよく、その他任意の時間であってもよい。
【0088】
続いて、ステップS32の処理において検索がヒットした場合、アクセス処理部311は、ヒットした関連ファイルデータを関連ファイル候補に追加する(ステップS33)。
そして、アクセス処理部311は、重複していた関連ファイル候補がある場合には、カウント数を追加する(ステップS34)。
【0089】
次に、アクセス処理部311は、全てのユーザを検索し、他のユーザのヒットがないか否かを判定する(ステップS35)。なお、ステップS35の処理において他のユーザが存在する場合(ステップS35のYes)、ステップS31からステップS34までの処理を繰り返す。
【0090】
他のユーザが存在しないと判定した場合(ステップS35のNo)、アクセス処理部311は、リンクファイル生成部320に登録ユーザの専用フォルダに関連ファイル候補の上位ファイルをアクセス傾向として与え、リンクファイル生成部320はアクセス傾向を当該フォルダに生成する。
【0091】
すなわち、参照元ファイルにアクセスしていた人が、どのようなファイルデータにアクセスしているか、そのファイルデータが関連ファイルとして、順位付けられて保存されるので、容易にアクセス傾向(リコメンド情報)を認識することができる。
【0092】
アクセス処理部311は、所定のユーザが、当該ファイルにアクセスを終了、すなわち、ファイルを閉じる毎に処理を繰り返し、順位づけて表示する。
【0093】
以上のように、本発明にかかるファイル管理システム100は、マルチリンクファイル500がファイルデータ510として表示されるので、実際にファイルデータ510をコピーするのと異なり、ファイル管理システム100の容量を低減し、処理速度を高めることができる。また、ファイルデータ510へのアクセスにおいてクライアント装置200のOSの種類に依存しない独自のマルチリンクファイル500を経由してアクセスすることができる。
【0094】
また、記録部310に記録されたアクセスランキング履歴の一部を期間または順位で抽出し、配列したマルチリンクファイル500を容易に作成することができる。
【0095】
さらに、変動履歴のマルチリンクファイル500を選択することで、変動履歴の経過を容易に確認することができる。したがって、アクセス数の多いファイルデータ510と、現在利用されている、過去利用されて現在アクセスが少ないファイルデータ510等の判定を行なうことができる。
【0096】
また、リンクファイル生成部320により、ファイルデータ510のファイル名がリンクファイル名とされるので、容易にファイルの中身を認識することができる。
【0097】
さらに、所定の期間において、ファイルデータ510のアクセスが無い場合に、ファイルデータ510をアクセスランキング履歴から除外することができるので、不要なファイルに関してランキング履歴から不要なファイルを削除することができる。
【0098】
また、アクセス権限がなく、アクセスが許可されなくても、カウントを行なうことにより、実際にアクセスされた回数をカウントする場合と異なり、隠れたアクセスニーズを含めて検討することができる。
【0099】
本発明においては、ストレージ装置300が「ストレージ装置」に相当し、クライアント装置200が「1または複数のクライアント装置」に相当し、ファイルデータ510が「ファイルデータ」に相当し、記録部310が「記録部」に相当し、リンクファイル生成部320が「リンクファイル生成部」に相当し、リンク先アクセス部340が「リンク先アクセス部」に相当し、ファイル管理システム100が「ファイル管理システム」に相当し、アクセス処理部311が「期間抽出部」、「順位抽出部」に相当し、図6が「アクセスランキング履歴の変動履歴」に相当し、マルチリンクファイル500が「マルチリンクファイル」に相当する。
【0100】
本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0101】
100 ファイル管理システム
200 クライアント装置
300 ストレージ装置
310 記録部
320 リンクファイル生成部
340 リンク先アクセス部
500 マルチリンクファイル
510 ファイルデータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7