(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
エンジン出力軸の回転を、第1のベルト・プーリー式伝達機構を介してリール回転用主軸に伝達し、前記リール回転用主軸の回転を、第2のベルト・プーリー式伝達機構を介して、リール式の刈取りユニットのリール軸に伝達するベルト駆動型のリール式芝刈機であって、
前記第1のベルト・プーリー式伝達機構のプーリー出力回転を前記リール回転用主軸に伝達するギヤボックスを有し、当該ギヤボックスは、
前記プーリー出力回転を、回転方向が同一のまま、第1の減速比で減速して前記リール回転用主軸に伝達可能な第1の伝達用歯車列と、
前記プーリー出力回転を、前記回転方向を逆回転させて、第2の減速比で減速して前記リール回転用主軸に伝達可能な第2の伝達用歯車列と、
前記プーリー出力回転の伝達経路を、前記第1の伝達用歯車列および前記第2の伝達用歯車列のいずれか一方に切り替える切替機構と、
を備えており、
前記ギヤボックスは、芝刈機本体フレームに設けたギヤボックス取付け部に対して、第1の位置から第2の位置に移動可能に支持され、
前記第1の位置は、前記ギヤボックスが、前記プーリー出力回転を前記リール回転用主軸に伝達可能な位置であり、
前記第2の位置は、前記ギヤボックスが前記第1のベルト・プーリー式伝達機構および前記リール回転用主軸から切り離されて、当該ギヤボックスと前記リール回転用主軸の軸端との間に、前記第2のベルト・プーリー式伝達機構のベルトを取り出し可能な隙間が形成される位置であることを特徴とするベルト駆動型のリール式芝刈機。
前記ギヤボックスは、前記第2の伝達用歯車列の代わりに、前記プーリー出力回転を、前記回転方向が同一のまま、前記第1の減速比よりも小さく減速可能な第3の減速比で減速して前記リール回転用主軸に伝達可能な第3の伝達用歯車列を有し、
前記切替機構は、前記プーリー出力回転の伝達経路を、前記第1の伝達用歯車列および前記第3の伝達用歯車列のいずれか一方に切り替える請求項1に記載のベルト駆動型のリール式芝刈機。
【背景技術】
【0002】
例えば、リール式乗用芝刈機においては、エンジン搭載位置から前後に離れた位置にある複数台のリール式の刈取りユニットに動力を伝達する必要がある。このために、エンジン出力軸の回転を、ベルト・プーリー式伝達機構を介してリール回転用主軸に伝達した後に、このリール回転用主軸から更に、ベルト・プーリー式伝達機構を介して前後に離れた位置にある各刈取りユニットのリール軸に伝達している。
【0003】
このようなベルト駆動型のリール式芝刈機では、油圧駆動式の場合のように油圧の切替によって回転方向を正逆に切り替えることができず、各リール式の刈取りユニットの回転方向はエンジン出力軸の回転方向と同一になる。また、刈取りユニットの回転数もエンジン出力軸の回転数に応じて増減する。
【0004】
刈取りユニットのリールの研磨作業においては、リールに研磨剤を塗布しながらリールを逆回転させる必要がある。研磨作業における刈取りユニットの回転速度は、刈取り作業の回転速度の10分の1程度である。従来のベルト駆動型のリール式芝刈機では、エンジン出力軸の回転方向と同一方向にのみリールが回転する。したがって、リールを研磨するために、リールを逆回転させるためのラッピングマシンを当該リールに取り付けている。
【0005】
また、芝刈り作業においては、所定のエンジン回転数での走行速度の状態において、刈取りユニットのリールも対応する回転速度で回転して芝の刈取りが行われる。ここで、刈取りユニットでは、複数枚の螺旋状のリール刃を備えたリールを回転させ、直線状の固定刃との間に芝を挟み込んで切断することによって、芝を刈り取っていく。一つのリール刃が芝生の刈り込みを開始してから、次のリール刃による刈り込みが開始されるまでの間に、機体が前進する距離を「刈取りピッチ」と呼ぶ。リールによる刈取りピッチが広すぎると判断した場合には、エンジン回転数を維持したまま走行速度を落とすことで、刈取りピッチを狭くしている。例えば、乗用芝刈機においては車速の変速機構がHSTにより構成され、HSTの前進用の走行変速ペダルを操作して走行速度を落とすことで、刈取りピッチを狭くしている。
【0006】
ここで、特許文献1に記載の歩行型芝刈機においては、エンジンからの動力を分岐してドラム式車輪とリールカッターに伝達し、走行速度と刈取りピッチを独立して変更できるように、エンジンからリールカッターへ回転力を伝達する歯車式の動力伝達経路に、変速機構を配置している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
エンジン出力軸の回転を、前後あるは左右のリール式の刈取りユニットに伝達するためのベルト・プーリー式伝達機構を備えたベルト駆動型のリール式芝刈機において、エンジ
ン出力回転を逆回転させて前後あるいは左右の刈取りユニットに伝達可能な機構は提案されていない。
【0009】
このため、この種の芝刈機における各刈取りユニットのリールの研磨作業においては、リールを逆回転させるために、ラッピングマシンの取付け、取外し作業が必要であり、研磨作業の効率が悪いという問題がある。また、ラッピングマシンは電動であり、電力供給施設の無い場合で研磨作業を行うことができないという制約がある。さらに、左右あるいは前後の刈取りユニットの研磨作業を行う場合には、各刈取りユニットにラッピングマシンを取り付ける必要があるので、ラッピングマシンの所有台数が少ない場合等においては作業効率が低下する等の問題がある。
【0010】
一方、エンジン出力軸の回転を、前後あるいは左右のリール式の刈取りユニットに伝達するためのベルト・プーリー式伝達機構を備えたベルト駆動型のリール式芝刈機において、エンジン出力回転の回転速度を高低に切り替えて各刈取りユニットに伝達可能な機構も提案されていない。このために、刈取りピッチを狭くしたい場合には、走行速度を落として調整する必要があるので、芝の刈取り作業の効率が低下する。また、走行速度の調整は車速変速機構、例えば、HSTの走行変速ペダルなどの操作部材の操作量を調整することにより行われる。操作量を一定に維持できないと、刈取りピッチを一定の状態に保持できない。
【0011】
本発明の課題は、リール式の刈取りユニットを逆回転させることのできるベルト駆動型のリール式芝刈機を提供することにある。
【0012】
また、本発明の課題は、エンジン出力回転数を切り替えることなく、リール式の刈取りユニットの回転速度を高低に切り替え可能にしたベルト駆動型のリール式芝刈機を提供することにある。
【0013】
さらに、本発明の課題は、必要に応じて、リール式の刈取りユニットの正逆回転切替機構と回転速度切替機構とを選択的に取り付け可能なベルト駆動型のリール式芝刈機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、本発明は、エンジン出力軸の回転を、第1のベルト・プーリー式伝達機構を介してリール回転用主軸に伝達し、前記リール回転用主軸の回転を、第2のベルト・プーリー式伝達機構を介して、リール式の刈取りユニットのリール軸に伝達するベルト駆動型のリール式芝刈機であって、前記第1のベルト・プーリー式伝達機構のプーリー出力回転を前記リール回転用主軸に伝達するギヤボックスを有している。当該ギヤボックスは、前記プーリー出力回転を、回転方向が同一のまま、第1の減速比で減速して前記リール回転用主軸に伝達可能な第1の伝達用歯車列と、前記プーリー出力回転を、逆回転させて、第2の減速比で減速して前記リール回転用主軸に伝達可能な第2の伝達用歯車列と、前記プーリー出力回転の伝達経路を、前記第1の伝達用歯車列および前記第2の伝達用歯車列のいずれか一方に切り替える切替機構とを備えて
おり、前記ギヤボックスは、芝刈機本体フレームに設けたギヤボックス取付け部に対して、第1の位置から第2の位置に移動可能に支持され、前記第1の位置は、前記ギヤボックスが、前記プーリー出力回転を前記リール回転用主軸に伝達可能な位置であり、前記第2の位置は、前記ギヤボックスが前記第1のベルト・プーリー式伝達機構および前記リール回転用主軸から切り離されて、当該ギヤボックスと前記リール回転用主軸の軸端との間に、前記第2のベルト・プーリー式伝達機構のベルトを取り出し可能な隙間が形成される位置である。
【0015】
本発明において、ギヤボックスの切替機構によってプーリー出力回転の伝達経路を第1の伝達用歯車列に切り替えると、プーリー出力回転が、回転方向が同一のまま第1の減速比で減速されて刈取りユニットの側に伝達される。これにより、刈取りに適した高速で刈取りユニットのリールを正回転させて、芝の刈取り作業を行うことができる。切替機構によってプーリー出力回転の伝達経路を第2の伝達用歯車列に切り替えると、プーリー出力回転が、回転方向が逆回転されて第2の減速比で減速されて刈取りユニットの側に伝達される。これにより、研磨に適した低速で刈取りユニットのリールを逆回転させて、リール
の研磨作業を行うことができる。
【0016】
よって、リールの研磨作業に当って、ベルト・プーリー式伝達機構のベルトを緩めて伝達経路を切り離す作業、および、リールを逆回転させるためにラッピングマシンを取り付ける作業が不要となる。このため、リールの研磨作業を芝刈機のみで実施することができ、設備、場所を選ぶことなく効率良く行うことができる。
また、ベルト駆動型のリール式芝刈機においては、ベルト・プーリー式伝達機構の構成要素であるベルトが摩耗するので、他の構成部品に比べて、その交換作業の頻度が高い。ベルトの交換作業、保守点検作業等を簡単に行うことができるようにするために、本発明において、前記ギヤボックスは、芝刈機本体フレームに設けたギヤボックス取付け部に対して、第1の位置から第2の位置に移動可能に支持されている。前記第1の位置は、前記ギヤボックスが、前記プーリー出力回転を前記リール回転用主軸に伝達可能な位置である。これに対して、前記第2の位置は、前記ギヤボックスが前記第1のベルト・プーリー式伝達機構および前記リール回転用主軸から切り離されて、当該ギヤボックスと前記リール回転用主軸の軸端との間に、前記第1、第2のベルト・プーリー式伝達機構のベルトを取り出し可能な隙間が形成される位置である。このようにすれば、ベルト交換時等において、ギヤボックスをギヤボックス取付け部から取り外すことなく、第1の位置から第2の位置に移動させるだけでよい。よっ
て、効率良く、ベルト交換、保守点検作業を行うことができる。
【0017】
本発明のベルト駆動型のリール式芝刈機において、前記ギヤボックスとして、前記第2の伝達用歯車列の代わりに、前記プーリー出力回転を、前記回転方向が同一のまま、前記第1の減速比よりも小さく減速可能な第3の減速比で減速して前記リール回転用主軸に伝達可能な第3の伝達用歯車列を備えたものを用いることができる。この場合には、前記切替機構は、前記プーリー出力回転の伝達経路を、前記第1の伝達用歯車列および前記第3の伝達用歯車列のいずれか一方に切り替えるように構成される。
【0018】
このようにすれば、ギヤボックスの切替機構によってプーリー出力回転の伝達経路を第1の伝達用歯車列に切り替えると、プーリー出力回転が、回転方向が同一のまま第1の減速比で減速されて刈取りユニットの側に伝達される。これにより、第1の減速比によって規定される「標準速」で刈取りユニットのリールを正回転させて、標準の刈取りピッチで芝の刈取り作業を行うことができる。切替機構によってプーリー出力回転の伝達経路を第3の伝達用歯車列に切り替えると、プーリー出力回転が、回転方向は同一であるが、第1減速比による減速の場合に比べて小さく減速されて刈取りユニットの側に伝達される。これにより、「標準速」よりも「高速」となる第3の減速比によって規定される速度で刈取りユニットのリールを正回転させることができる。これにより、走行速度を維持したまま、標準の刈取りピッチよりも狭い刈取りピッチで芝の刈取り作業を行うことができる。
【0019】
よって、走行速度を変更することなく、広狭の刈取りピッチで芝の刈取り作業を行うことができる。例えば、刈取りピッチを狭めるために走行速度を落とす必要がないので、芝の刈取り作業の作業効率を上げることができる。また、刈取りピッチを調整するために、HSTなどの車速変速機構の走行変速ペダル等の操作部材の踏込み量を調節して、走行速度を増減して刈取りピッチを変える場合とは異なり、刈込みピッチを一定の状態に維持できる。
【0020】
ここで、必要に応じて、正逆回転切替用のギヤボックスおよび正回転速度切替用のギヤボックスのいずれか一方を取り付けるようにすることもできる。この場合には、これらの双方のギヤボックスを、芝刈機本体フレームに設けた共通のギヤボックス取付け部に対して着脱可能に取り付けることができるようにすればよい。
【0023】
この場合、前記ギヤボックスは、第2の位置において、前記ギヤボックス取付け部から取り外し可能となっていることが望ましい。
【0024】
ここで、ギヤボックスをスライドさせて第1の位置から第2の位置に移動可能にするためには、前記ギヤボックス取付け部に、前記リール回転用主軸と平行なスライド方向に延びる状態で前記芝刈機本体フレームに取り付けたガイド軸を配置し、前記ギヤボックスを、前記第1の位置から前記第2の位置までの間を、前記ガイド軸に沿ってスライド可能にすればよい。また、前記ギヤボックスに、前記ガイド軸がスライド可能な状態で前記スライド方向に貫通して延びるガイド用軸穴と、前記第1のベルト・プーリー式伝達機構の出力側プーリー軸が前記スライド方向に沿って前記第1の位置の側から挿入される入力側軸穴と、前記リール回転用主軸の軸端部が、前記スライド方向に沿って前記第1の位置の側から挿入される出力側軸穴とを配置すればよい。
【0025】
このようにすれば、ギヤボックスをスライドさせることにより、ギヤボックスを、第1のベルト・プーリー式伝達機構およびリール回転用主軸に対して連結可能な位置および連結が解除された位置に切り替えることができる。また、ギヤボックスを第2の位置までスライドさせた後に、ガイド軸をギヤボックス取付け部から取り外すことにより、ギヤボックスを機体フレームから取り外すことが可能である。よって、ギヤボックスの着脱あるいは交換作業を簡単に行うことができる。
【0026】
本発明は、前後に離れた位置に刈取りユニットが搭載されているベルト駆動型のリール式乗用芝刈機に用いることができる。例えば、ベルト駆動型のリール式乗用芝刈機は、前輪および後輪と、前記前輪の前方に位置する左右のリール式の刈取りユニットと、前記前輪の後方に位置する中央のリール式の刈取りユニットと、前記エンジン出力軸の回転を前記前輪に伝達する動力伝達機構とを備えている。
【0027】
なお、本発明における「ベルト・プーリー式伝達機構」は、歯付きベルトおよびスプロケットからなる伝達機構も含む広い意味で用いており、このような伝達機構を排除するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したベルト駆動型のリール式芝刈機の実施の形態を説明する。以下の実施の形態は、本発明を、機体前方に配置した左右の刈取りユニットおよび機体中央下部に配置した中央刈取りユニットを備えたベルト駆動型のリール式乗
用芝刈機に適用したものである。本発明は、3個を超える数の刈取りユニットを備えたベルト駆動型のリール式芝刈機、単一の刈取りユニットを備えたベルト駆動型のリール式芝刈機、乗用芝刈機以外のベルト駆動型のリール式芝刈機にも適用可能である。
【0030】
(全体構成)
図1(a)、(b)および(c)は本実施の形態に係る乗用のベルト駆動型のリール式芝刈機を示す平面図、左側面図および正面図である。ベルト駆動型のリール式乗用芝刈機1(以下、単に「芝刈機1」という。)は、走行機体2と、この走行機体2の前側の左右に搭載されているリール式の左刈取りユニット3L、右刈取りユニット3Rおよび走行機体2の中央下部に搭載されているリール式の中央刈取りユニット4とを有している。走行機体2は、機体フレーム5と、その前側に取り付けた左右の駆動輪6L、6Rおよび、その後側の中央に取り付けた操舵輪7とを備えている。
【0031】
機体フレーム5の前側の部位には、フロントカバー8で覆われた状態でエンジン9が搭載されている。フロントカバー8、左右のフェンダー10L、10R等のカバーによって、エンジン9の出力回転を左右の駆動輪6L、6Rに伝達する動力伝達機構(図示せず)、および、左刈取りユニット3L、右刈取りユニット3R、中央刈取りユニット4等に伝達する後述の動力伝達機構等も覆われている。本例では、駆動輪6L、6Rを駆動するための走行系の駆動機構として油圧駆動機構が採用され、その車速変速機構として一般的なHSTが搭載されている。機体フレーム5におけるフロントカバー8の後側の部位は、操舵用のハンドル11、アクセルレバー12、クラッチレバー(カッター回転レバー)13、スタータースイッチ14、チョークノブ15、カッター昇降レバー16等の操作部材が配置された操作部となっており、その後側には座席17が配置されている。座席の後側の機体フレーム5の後端部には、燃料タンク18および油圧オイルタンク19が搭載されている。また、座席17の右前側には、車速の変速機構の操作部材、本例では、HSTの変速操作部材である前進走行変速ペダル20Fおよび後進走行変速ペダル20Rが配置されている。
【0032】
中央刈取りユニット4は、機体フレーム5の下側における駆動輪6L、6Rの後側の部位に搭載されている。中央刈取りユニット4は、その機体前側の部位に配置した前ローラー21と、その機体後側の部位に配置した後ローラー22を備え、これらの間にはリール式の刈刃23が配置されている。リール式の刈刃23は、リール軸(中央リール軸)24を中心として回転するリール25(回転刃)と、固定刃26から構成される。刈刃23による刈り高さは、前ローラー21あるいは後ローラー22、または双方の高さ位置を調整することによって設定される。刈刃23の後側には着脱可能な状態で、刈り取られた芝を回収するためのバケット27が取り付けられている。
【0033】
走行機体2の前方に位置する左刈取りユニット3L、右刈取りユニット3Rは、機体幅方向に延びる左右のリフトアーム31L、31Rの外側端部に、揺動可能に取り付けられている。左右のリフトアーム31L、31Rの内側端部は、機体フレーム5の前端部の中央部位から前方に水平に延びる左右のフロントアーム32L、32Rの前端部に、揺動可能な状態で支持されている。
【0034】
左刈取りユニット3Lおよび右刈取りユニット3Rは左右対称な構造のユニットであり、基本構成は中央刈取りユニット4と同様である。左刈取りユニット3Lは、その機体前側の部位に配置した前ローラー33と、機体後側の部位に配置した後ローラー34を備え、これらの間にはリール式の刈刃35が配置されている。リール式の刈刃35は、リール軸36を中心として回転するリール37と、固定刃38から構成される。刈刃35による刈り高さは、前ローラー33あるいは後ローラー34、または双方の高さ位置を調整することによって設定される。刈刃35の前側には、着脱可能な状態で、刈り取られた芝を回
収するためのバケット39が取り付けられている。他方の右刈取りユニット3Rも同様であるので、その説明を省略する。なお、左右のリール軸を区別するために、以後の説明においては、左刈取りユニット3Lのリール軸を左リール軸36Lと呼び、右刈取りユニット3Rのリール軸を右リール軸36Rと呼ぶ。
【0035】
(動力伝達機構)
図2は、エンジン9の出力を各駆動部分に伝達するための動力伝達機構を取出して示す説明図である。
図2(a)はエンジンおよび動力伝達機構を機体左側から見た場合の説明図であり、
図2(b)は当該部分を前方から見た場合の説明図であり、
図2(c)は当該部分を上方から見た場合の説明図である。
【0036】
エンジン9は例えば多気筒のガソリンエンジンであり、機体フレーム5の前側の部位に横置き状態に搭載され、そのエンジン出力軸41が機体幅方向に水平に延びている。エンジン出力軸41の回転は、機体下方に延びる第1のベルト・プーリー式伝達機構42、およびギヤボックス43を介して、リール回転用主軸44に伝達される。また、リール回転用主軸44の回転は、機体前方に延びる左右一対の前側ベルト・プーリー式伝達機構45L、45R(第2のベルト・プーリー式伝達機構)を介して、左刈取りユニット3L、右刈取りユニット3Rの左リール軸36L、右リール軸36Rに伝達され、機体後方に延びる後側ベルト・プーリー式伝達機構46(第2のベルト・プーリー式伝達機構)を介して中央刈取りユニット4の中央リール軸24に伝達される。
【0037】
本例では、エンジン9と左側の駆動輪6Lの間に、第1のベルト・プーリー式伝達機構42およびギヤボックス43が配置されている。リール回転用主軸44は、機体フレーム5におけるエンジン出力軸41のほぼ真下の位置において、機体幅方向に水平に延びている。また、機体フレーム5に取り付けた軸受け47a、47bによって、その軸線回りに回転自在の状態で支持されている。
【0038】
第1のベルト・プーリー式伝達機構42は、エンジン出力軸41の左側の軸端部に同軸に固定したエンジン側プーリー51、出力側プーリー軸52の軸端部に同軸に固定したギヤボックス側入力プーリー53、および、これらエンジン側プーリー51とギヤボックス側入力プーリー53の間に架け渡された2本のVベルト54を備えている。出力側プーリー軸52には、第1のベルト・プーリー式伝達機構42を介して伝達されるプーリー出力回転が伝達され、ここからギヤボックス43内の歯車式の動力伝達経路に回転が入力される。
【0039】
リール回転用主軸44から前側の左リール軸36L、右リール軸36Rに回転を伝達する左右一対の前側ベルト・プーリー式伝達機構45L、45Rは左右対称な構成となっている。左側の前側ベルト・プーリー式伝達機構45Lは、リール回転用主軸44の左側の軸端部に同軸に固定した左主軸側プーリー55L、左リール軸36Lの内側の軸端部に同軸に固定した左リール軸側プーリー56L、および、これら左主軸側プーリー55Lと左リール軸側プーリー56Lの間に架け渡した左Vベルト57Lを備えている。右側の前側ベルト・プーリー式伝達機構45Rも同一構成であり、リール回転用主軸44の右側の軸端部に同軸に固定した右主軸側プーリー55R、右リール軸36Rの内側の軸端部に同軸に固定した右リール軸側プーリー56R、および、これら右主軸側プーリー55Rと右リール軸側プーリー56Rの間に架け渡した右Vベルト57Rを備えている。
【0040】
ここで、
図2(a)に示すように、クラッチレバー13を上方に起立させた切り位置13Aから後方に倒した入り位置13Bに引くことにより、エンジン出力回転がリール回転用主軸44の側に伝達される。すなわち、エンジン出力軸41とギヤボックス43の間の動力伝達経路を構成している第1のベルト・プーリー式伝達機構42には、クラッチレバ
ー13の操作によって前後方向に旋回可能なテンションローラー58が配置されている。クラッチレバー13を入り位置13Bに引くと、テンションローラー58は、リンク機構59を介して、図に示すように、Vベルト54を押し付けた位置に旋回する。これにより、Vベルト54は所定の張架状態に保持され、エンジン回転の伝達が可能になる。
【0041】
(ギヤボックス)
図3(a)はギヤボックス43の左側面図であり、
図3(b)はその右側面図であり、
図3(c)は
図3(a)のA−A線に沿って切断した場合の断面図であり、
図3(d)は
図3(a)のB−B線に沿って切断した場合の断面図である。
【0042】
ギヤボックス43は、先に述べたように、第1のベルト・プーリー式伝達機構42のプーリー出力回転を、リール回転用主軸44に伝達する歯車式の伝達機構である。本例のギヤボックス43は正逆回転切替用のギヤボックスであり、プーリー出力回転を、回転方向が同一のまま、第1の減速比で減速してリール回転用主軸44に伝達可能な第1の伝達用歯車列61と、プーリー出力回転を、回転方向を逆回転させて、第2の減速比で減速してリール回転用主軸44に伝達可能な第2の伝達用歯車列62と、プーリー出力回転の伝達経路を、第1の伝達用歯車列61および第2の伝達用歯車列62のいずれか一方に切り替える切替機構63とを備えている。
【0043】
図3を参照して詳細に説明すると、ギヤボックス43のケース64の内部には、ギヤボックス入力軸である入力側歯車65、スライド式伝達歯車66、逆回転用伝達歯車67および出力側歯車68が、それぞれ、平行な軸線回りに回転自在の状態で支持されている。
【0044】
入力側歯車65は歯幅の大きな歯車であり、その中心部分には中心軸穴65aが形成されている。中心軸穴65aの一端はケース64の右側板部分に開けた入力側軸穴64aに同軸に連通している。出力側プーリー軸52の左側の軸端部は、入力側軸穴64aを介して中心軸穴65aに挿入され、入力側歯車65に連結固定される。
【0045】
スライド式伝達歯車66は、ケース64内において回転自在に支持された回転円筒69の外周面に、スプライン結合等によって、一体回転すると共に軸線方向にスライド可能な状態で支持されている。スライド式伝達歯車66には、入力側歯車65に常時かみ合っている大径歯車66aと、入力側歯車65にはかみ合っていない小径歯車66bとが一体形成されている。スライド式伝達歯車66は、
図3(d)に示すように、シフトフォーク70に係合している。
【0046】
シフトフォーク70をケース64に取り付けたプランジャ71によって、図において実線で示す位置に固定すると、これに連結されているスライド式伝達歯車66も実線で示す正回転用スライド位置66Fに保持される。シフトフォーク70は、ケース64の左側面から突出しているノブ70aを備え、ノブ70aを引き出すと、シフトフォーク70はプランジャ71によって左側にシフトした位置に位置決めされ、これに連結されているスライド式伝達歯車66は、
図3(c)、(d)において想像線で示す逆回転用スライド位置66Rに位置決めされる。
【0047】
ギヤボックス出力軸である出力側歯車68は、回転円筒68aの外周面における機体右側に正回転用小径歯車68bが形成され、機体左側に逆回転用大径歯車68cがそれぞれ一体形成されている。回転円筒68aの両端部は、ケース64の左右の側面に露出しており、その内部に形成されている出力側軸穴68dが左右に開口している。出力側軸穴68dには、機体右側から、リール回転用主軸44の左側の軸端部44aが挿入され、不図示のキーを装着して一体回転するように出力側歯車68に連結固定される。また、ケース左側面の側から、
図3(c)において想像線で示すように、円盤状の蓋72を被せ、その中
心部に形成したボルト穴を通して固定用ボルト73がリール回転用主軸44の軸端部にねじ込み固定される。
【0048】
出力側歯車68の正回転用小径歯車68bは、正回転用スライド位置66Fに位置するスライド式伝達歯車66の大径歯車66aにかみ合い可能である。したがって、スライド式伝達歯車66を正回転用スライド位置66Fに位置決めすると、出力側プーリー軸52と一体回転する入力側歯車65の回転は、1枚のスライド式伝達歯車66の大径歯車66aを介して、出力側歯車68の小径歯車68bに伝達され、ここに連結されているリール回転用主軸44に伝達される。
【0049】
よって、これらの歯車65、66a、68bによって、プーリー出力回転を、回転方向が同一のまま、第1の減速比で減速してリール回転用主軸44に伝達する第1の伝達用歯車列61が構成される。この第1の伝達用歯車列61を構成する各歯車の歯数を調整することにより所望の減速比で伝達回転を減速することができる。本例では、正回転時には、各刈取りユニットのリールを高速回転できるように歯車列の減速比が第1の減速比に設定されている。
【0050】
次に、スライド式伝達歯車66および出力側歯車68の双方に隣接配置されている逆回転用伝達歯車67は、大径歯車67aと、この右側に同軸状態に隣接配置した小径歯車67bとを備えている。これらの大径歯車67a、小径歯車67bは、ケース64に回転自在の状態で取り付けられている共通の回転軸である回転円筒67cの外周面にスプライン結合されており、これら3部材は一体となって回転する。大径歯車67aは、逆回転用スライド位置66Rに位置するスライド式伝達歯車66の小径歯車66bにかみ合い可能であり、小径歯車67bは出力側歯車68の大径歯車68cに常時かみ合っている。
【0051】
したがって、スライド式伝達歯車66を逆回転用スライド位置66Rに位置決めすると、出力側プーリー軸52と一体回転する入力側歯車65の回転は、スライド式伝達歯車66の小径歯車66bおよび逆回転用伝達歯車67の2枚の歯車を介して、回転方向が逆回転に切り替わった状態で、出力側歯車68の大径歯車68cに伝達され、ここに連結されているリール回転用主軸44に伝達される。
【0052】
よって、これらの歯車65、66b、67a、67b、68cによって、プーリー出力回転を、回転方向を逆回転させて、第2の減速比で減速してリール回転用主軸44に伝達可能な第2の伝達用歯車列62が構成される。逆回転は刈取りユニットの研磨動作において行われるので、逆回転時に刈取りユニットのリールが低速回転するように、歯車列の減速比を設定してある。
【0053】
また、スライド式伝達歯車66、シフトフォーク70によって、プーリー出力回転の伝達経路を、第1の伝達用歯車列61および第2の伝達用歯車列62のいずれか一方に切り替える切替機構63が構成される。
【0054】
(ギヤボックス取付け部)
次に、上記構成のギヤボックス43が取り付けられている機体フレーム5の側のギヤボックス取付け部について説明する。本例のギヤボックス43は、機体フレーム5に設けたギヤボックス取付け部に対して、機体幅方向に沿って右側の第1の位置から左側の第2の位置までの間を移動可能である。第1の位置は、ギヤボックス43がプーリー出力回転をリール回転用主軸44に伝達可能な位置であり、第2の位置は、ギヤボックス43が第1のベルト・プーリー式伝達機構42およびリール回転用主軸44から切り離された位置である。
【0055】
また、第2の位置は、ギヤボックス43とリール回転用主軸44の軸端との間に、左側の前側ベルト・プーリー式伝達機構45Lの左Vベルト57L、および、第1のベルト・プーリー式伝達機構42の2本のVベルト54を取り出し可能な隙間が形成される位置である。なお、後側ベルト・プーリー式伝達機構46については、ギヤボックス43などの障害物が存在しないので、そのリール回転用主軸44に取り付けられているプーリーからVベルト48を簡単に取り外すことができる。また、後側ベルト・プーリー式伝達機構46のVベルト48を取り外すと、右側の前側ベルト・プーリー式伝達機構45Rの右Vベルト57Rも簡単に外すことが出来る。
【0056】
図2、
図3および
図4を参照して、ギヤボックス43を取り付ける機体フレーム5のギヤボックス取付け部を説明する。
図4(a)はギヤボックス取付け部80においてギヤボックス43を第1の位置に取り付けた状態を機体後方側から見た場合の説明図であり、
図4(b)は、ギヤボックス43を第2の位置までスライドさせた状態を機体後方側から見た場合の説明図である。なお、
図4(b)においては、機体の一部を省略して、ギヤボックス43と、リール回転用主軸44および出力側プーリー軸52のそれぞれの軸端面との位置関係を示してある。
【0057】
まず、ギヤボックス取付け部80は、
図2、
図4に示すように、リール回転用主軸44と平行な機体幅方向に水平に延びる2本の円柱状のガイド軸81、82を備えている。これらのガイド軸81、82のそれぞれの両端部は、ボルト等によって、取り外し可能な状態で、機体フレーム5の側に設けた機体幅方向において一定の間隔で対峙するブラケット83、84の間に架け渡されている。
【0058】
これに対して、
図2、
図3から分かるように、ギヤボックス43のケース64における機体後方を向く端面には、取付け用ブラケット85が垂直に突出している。この取付け用ブラケット85の上下の先端部には、機体幅方向に貫通して延びるガイド用軸穴86、87が形成されている。ガイド用軸穴86、87には、互いに平行な2本のガイド軸81、82がスライド可能に貫通して延びている。
【0059】
ギヤボックス43を
図2(b)、
図4(a)に示す第1の位置43Aに位置決めした状態では、ギヤボックス43の中心軸穴65aおよび出力側軸穴68dに、それぞれ、出力側プーリー軸52の左側の軸端部およびリール回転用主軸44の左側の軸端部44aが挿入され、それぞれ、入力側歯車65および出力側歯車68に連結固定可能である。これに対して、ギヤボックス43の機体幅方向の外側に面する左側面の側から、リール回転用主軸44の軸端部44aを固定している固定用ボルト73等の部品を外すと、ギヤボックス43を第1の位置43Aから、2本のガイド軸81、82に沿って、機体幅方向の外側(左側)にスライドさせることが可能になる。
【0060】
図4(b)に示すように、ギヤボックス43を機体幅方向の外側の第2の位置43Bまでスライドさせると、ギヤボックス43の中心軸穴65a、出力側軸穴68dから、出力側プーリー軸52およびリール回転用主軸44の軸端部が引き出された状態が形成される。この状態において、リール回転用主軸44の軸端面44bと、ギヤボックス43の右側面との間には、Vベルト取り外しのための隙間88が形成される。同様に、出力側プーリー軸52の軸端面52aとギヤボックス43の右側面との間にも、Vベルト取り外しのための隙間89が形成される。これらの隙間88、89を利用して、前側ベルト・プーリー式伝達機構45LのVベルト57L、および、第1のベルト・プーリー式伝達機構42の2本のVベルト54を取り外すことができる。また、ギヤボックス43を第2の位置43Bまでスライドさせた後に、2本のガイド軸81、82を機体フレーム5のブラケット83、84から取り外すことにより、ギヤボックス43を機体フレーム5から取り外すことが可能である。
【0061】
(正回転速度切替用のギヤボックス)
上記の例では、正逆回転切替用のギヤボックス43をエンジン回転出力の伝達経路に取り付けて、刈取りユニットの研磨作業において刈取りユニットを逆回転させることができるようにしている。
【0062】
一方、芝の刈取り作業において、広い刈取りピッチで刈取りを行う作業と、刈取りユニットをより高速で回転させて狭い刈取りピッチで刈取りを行う作業とを必要に応じて切り替えて行いたい場合がある。このような場合に対処できるように、上記の正逆回転用切替用のギヤボックス43の代わりに、ギヤボックス取付け部80に、正回転速度切替用のギヤボックスを取り付け可能にすることが望ましい。
【0063】
図5(a)は正回転速度切替用のギヤボックスの一例を示す左側面図であり、
図5(b)はそのC−C線で切断した部分を示す断面図である。正回転速度切替用のギヤボックス90は、プーリー出力回転を、回転方向が同一のまま、第1の減速比で減速してリール回転用主軸44に伝達可能な伝達用歯車列91と、プーリー出力回転を、回転方向が同一のまま、第1の減速比よりも小さく減速可能な第3の減速比で減速してリール回転用主軸44に伝達可能な伝達用歯車列92と、プーリー出力回転の伝達経路を、伝達用歯車列91、92のいずれか一方に切り替える切替機構93とを備えている。
【0064】
図5を参照して詳しく説明すると、ギヤボックス90のケース94の内部には、入力側歯車95、スライド式伝達歯車96および出力側歯車97が回転自在の状態で配置されている。入力側歯車95はその左側の端に小径歯車95aが形成され、その右側の端に大径歯車95bが形成されている。スライド式伝達歯車96は、図において実線で示す標準速回転位置96Aから想像線で示す右側の高速回転位置96Bまでの間をスライド可能である。スライド式伝達歯車96のスライドは、
図3(d)に示すシフトフォークと同様な構造のシフトフォーク(図示せず)が装着されており、その操作用のノブ98がケース94の左側面に位置している。出力側歯車97は、歯幅の広い歯車であり、スライド式伝達歯車96のスライド位置に拘わらず、常に、その大径歯車96aとかみ合っている。
【0065】
スライド式伝達歯車96を標準速回転位置96Aにスライドすると、その大径歯車96aを介して、入力側歯車95の小径歯車95aから出力側歯車97に回転が伝達される。歯数の少ない小径歯車95aの側から歯数の多い大径歯車96aを介して回転速度が大きく減速されて出力側歯車97に伝達される。よって、リール回転用主軸44(
図1参照)が低速回転し、したがって、刈取りユニットも標準速で回転しながら芝の刈取り作業が行われる。
【0066】
これに対して、スライド式伝達歯車96を高速回転位置96Bにスライドすると、その大径歯車96aと入力側の小径歯車95aとのかみ合いが解除され、代わりに、小径歯車96bと入力側の大径歯車95bとがかみ合い状態になる。よって、入力側の歯数の多い大径歯車95bから歯数の少ない小径歯車96bを介して、回転速度が大きく減速されることなく、出力側歯車97に伝達される。この結果、刈取りユニットを標準速よりも速い高速で回転しながら芝の刈取り作業が行われる。
【0067】
ここで、この構成のギヤボックス90は、前述の例のギヤボックス43と共通のギヤボックス取付け部80に取り付けることができるようにしてある。すなわち、ギヤボックス90には、ギヤボックス43と同一間隔の位置に、入力側軸穴101、出力側軸穴102が形成されており、それぞれに、出力側プーリー軸52およびリール回転用主軸44の軸端部44aを挿入して連結固定が可能となっている。
【0068】
また、ギヤボックス90のケース94には取付け用ブラケット103が形成され、ここには、ギヤボックス43の場合と同一間隔で2個のガイド用軸穴104、105が形成されている。したがって、ギヤボックス90は、機体フレーム5のギヤボックス取付け部80に対して、ギヤボックス43の場合と同様に取り付けることができる。また、同様に、スライドさせて取り外すこともできる。
【符号の説明】
【0069】
1 芝刈機、2 走行機体、3L 左刈取りユニット、3R 右刈取りユニット、4 中央刈取りユニット、5 機体フレーム、6L 駆動輪、6R 駆動輪、7 操舵輪、8 フロントカバー、9 エンジン、10L,10R フェンダー、11 ハンドル、12 アクセルレバー、13 クラッチレバー、13A 切り位置、13B 入り位置、14 スタータースイッチ、15 チョークノブ、16 カッター昇降レバー、17 座席、18 燃料タンク、19 油圧オイルタンク、20F 前進走行変速ペダル、20R 後進走行変速ペダル、21 前ローラー、22 後ローラー、23 刈刃、24 リール軸、25 リール、26 固定刃、27 バケット、31L,31R リフトアーム、32L,32R フロントアーム、33 前ローラー、34 後ローラー、35 刈刃、36 リール軸、37 リール、38 固定刃、39 バケット、41 エンジン出力軸、42
第1のベルト・プーリー式伝達機構、43 ギヤボックス、43A 第1の位置、43B 第2の位置、44 リール回転用主軸、44a 軸端部、44b 軸端面、45L,45R 前側ベルト・プーリー式伝達機構、46 後側ベルト・プーリー式伝達機構、47a,47b 軸受け、51 エンジン側プーリー、52 出力側プーリー軸、52a 軸端面、53 ギヤボックス側プーリー、54 Vベルト、55L 左主軸側プーリー、55R 右主軸側プーリー、56L 左リール軸側プーリー、56R 右リール軸側プーリー、57L 左Vベルト、57R 右Vベルト、58 テンションローラー、59 リンク機構、61 第1の伝達用歯車列、62 第2の伝達用歯車列、63 切替機構、64 ケース、64a 入力側軸穴、65 入力側歯車、65a 中心軸穴、66 スライド式伝達歯車、66F 正回転用スライド位置、66R 逆回転用スライド位置、66a
大径歯車、66b 小径歯車、67 逆回転用伝達歯車、67a 大径歯車、67b 小径歯車、67c 回転円筒、68 出力側歯車、68a 回転円筒、68b 正回転用小径歯車、68c 逆回転用大径歯車、68d 出力側軸穴、69 回転円筒、70 シフトフォーク、70a ノブ、71 プランジャ、72 蓋、73 固定用ボルト、80
ギヤボックス取付け部、81,82 ガイド軸、83,84 ブラケット、85 取付け用ブラケット、86,87 ガイド用軸穴、88,89 隙間、90 ギヤボックス、91 伝達用歯車列、92 伝達用歯車列、93 切替機構、94 ケース、95 入力側歯車、95a 小径歯車、95b 大径歯車、96 スライド式伝達歯車、96A 標準速回転位置、96B 高速回転位置、97 出力側歯車、98 ノブ、101 入力側軸穴、102 出力側軸穴、103 取付け用ブラケット、104,105 ガイド用軸穴