(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6307488
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】装着可能な表示装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20180326BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20180326BHJP
F21V 5/04 20060101ALI20180326BHJP
F21V 7/22 20180101ALI20180326BHJP
F21V 9/14 20060101ALI20180326BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20180326BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20180326BHJP
G02B 27/02 20060101ALI20180326BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20180326BHJP
【FI】
F21S2/00 461
F21S2/00 459
F21V8/00 310
F21V8/00 330
F21V5/04 350
F21V5/04 650
F21V7/22 240
F21V9/14
G02F1/13357
G02F1/13 505
G02B27/02 Z
F21Y115:10
【請求項の数】18
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-230565(P2015-230565)
(22)【出願日】2015年11月26日
(65)【公開番号】特開2016-213175(P2016-213175A)
(43)【公開日】2016年12月15日
【審査請求日】2015年11月27日
(31)【優先権主張番号】62/156,388
(32)【優先日】2015年5月4日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507111368
【氏名又は名称】立景光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(72)【発明者】
【氏名】陳冠宇
(72)【発明者】
【氏名】李悦榮
【審査官】
竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−328336(JP,A)
【文献】
特開2009−117348(JP,A)
【文献】
特開2012−163662(JP,A)
【文献】
特開2013−109508(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 5/04
F21V 7/22
F21V 8/00
F21V 9/14
G02B 27/02
G02F 1/13
G02F 1/13357
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着可能な表示装置であって、
正面を有する反射光変調器と、
前記光変調器の前記正面に配置される導光板であって、互いに反対側にある第1の主要な表面及び第2の主要な表面、並びに、該第1の主要な表面及び該第2の主要な表面に接続される光入射面を有し、該光入射面において受け取った光を、変調のために前記第1の主要な表面を通じて前記光変調器に向かって方向付けるように構成されている、導光板と、
異なる色の複数の単色光源であって、前記異なる色の光を順次放射するように動作可能である、複数の単色光源と、
前記導光板の前記光入射面に隣接して配置される光学アセンブリであって、前記単色光源に隣接して配置される入光窓を有し、前記単色光源のそれぞれが放射する前記光を前記光入射面にわたって均質化及び分布させるように構成されている、光学アセンブリと、を備え、
前記単色光源によって放射される異なる色の光は、前記光学アセンブリの前記入光窓に入り、前記光学アセンブリによって、前記導光板の前記光入射面にわたって均質化及び分布され、その後、変調のために、前記導光板によって、前記第1の主要な表面を通じて前記光変調器に向かって方向付けられることを特徴とする、
装着可能な表示装置。
【請求項2】
前記光学アセンブリは、複数の反射側壁によって境界を定められる内部を有する光結合ロッドを含み、前記各単色光源からの前記光は、前記光結合ロッドを通って伝搬しながら内部反射される、請求項1に記載の装着可能な表示装置。
【請求項3】
前記光の入射が前記導光板の第1の面において提供され、前記光結合ロッドは、前記第1の面に隣接する前記導光板の第2の面に沿って概ね延び、前記光結合ロッドは、前記入光窓、出光窓、及び、軸に沿って延びる細長い部分を有し、前記入光窓は、前記細長い部分の端に画定され、前記出光窓は、前記細長い部分の、前記軸に沿って前記入光窓から離れた位置にある側が開口している、請求項2に記載の装着可能な表示装置。
【請求項4】
前記細長い部分は第1の軸に沿って延び、前記光結合ロッドは、光を前記出光窓に向かって方向付ける転換部分を更に含み、該転換部分は、前記第1の軸に対して約40度〜約50度の角度で傾いた第2の軸に沿って延びる、請求項3に記載の装着可能な表示装置。
【請求項5】
前記入光窓及び前記出光窓は、それぞれ異なる形状の断面を有する、請求項3に記載の装着可能な表示装置。
【請求項6】
前記光学アセンブリは、前記光入射面に沿って配置される導光部材を含む、請求項1に記載の装着可能な表示装置。
【請求項7】
前記導光部材は、互いに反対側にある第3の主要な表面及び第4の主要な表面、並びに、光を前記第3の主要な表面に向かって方向付けし直すように構成されている複数の光構造部を有し、前記第3の主要な表面は、前記導光板の前記光入射面に向かう向きである、請求項6に記載の装着可能な表示装置。
【請求項8】
前記光構造部は、前記導光部材の前記第4の主要な表面に形成される複数の溝を含み、該溝のそれぞれは、前記第4の主要な表面に直交する基準軸、並びに、該基準軸の2つの側において延びる第1の側壁及び第2の側壁を有し、前記第1の側壁と前記基準軸との間に画定される第1の角度が約30度〜約65度であり、前記第2の側壁と前記基準軸との間に画定される第2の角度が約0度〜約30度である、請求項7に記載の装着可能な表示装置。
【請求項9】
前記導光部材は、入光面が設けられる第1の端、及び、該第1の端とは反対側にある第2の端を有し、前記導光部材は前記第2の端に向かってテーパ状になる形状を有する、請求項6に記載の装着可能な表示装置。
【請求項10】
前記光学アセンブリは、光結合ロッド、導光部材、及び、前記光結合ロッドと前記導光部材との間に配置される拡散シートを含み、前記入光窓は、前記光結合ロッドの端に設けられ、前記各単色光源から放射される前記光は、前記光結合ロッド、前記拡散シート及び前記導光部材を通って順次進み、前記導光部材は、前記光を、前記導光板の前記光入射面に向かって方向付ける、請求項1に記載の装着可能な表示装置。
【請求項11】
前記光学アセンブリは、前記導光部材と前記光入射面との間に配置される反射偏光子を更に含む、請求項10に記載の装着可能な表示装置。
【請求項12】
前記導光板は、前記光入射面が設けられる第1の面、及び、該第1の面に隣接する第2の面を有し、前記導光部材は前記導光板の前記第1の面に沿って概ね延び、前記光結合ロッドは前記導光板の前記第2の面に沿って概ね延びる、請求項10に記載の装着可能な表示装置。
【請求項13】
前記導光板は、前記光入射面が設けられる第1の面、並びに、該第1の面に隣接する、互いに反対側にある第2の面及び第3の面を有し、異なる色の前記単色光源は、前記導光板の前記第2の面に配置され、前記装着可能な表示装置は、前記導光板の前記第3の面に配置される異なる色の複数の第2の単色光源をさらに含む、請求項1に記載の装着可能な表示装置。
【請求項14】
前記光学アセンブリは、第1の光結合ロッド及び第2の光結合ロッド、導光部材、並びに、該導光部材と前記第1の光結合ロッド及び前記第2の光結合ロッドとの間にそれぞれ介装される第1の拡散シート及び第2の拡散シートを含み、前記入光窓は、前記第1の光結合ロッドの端に設けられ、前記第2の光結合ロッドは、その端に設けられ、前記第2の単色光源に隣接する第2の入光窓を有し、前記各単色光源から放射される光は前記第1の光結合ロッド及び前記第1の拡散シートを通って進み、前記導光部材によって前記導光板の前記光入射面に向かって方向付けし直され、前記各第2の単色光源から放射される光は前記第2の光結合ロッド及び前記第2の拡散シートを通って進み、前記導光部材によって前記導光板の前記光入射面に向かって方向付けし直される、請求項13に記載の装着可能な表示装置。
【請求項15】
前記導光部材は前記導光板の前記第1の面に沿って延び、前記第1の光結合ロッド及び前記第2の光結合ロッドは前記導光板の前記第2の面及び前記第3の面に沿ってそれぞれ延びる、請求項14に記載の装着可能な表示装置。
【請求項16】
前記導光部材は、互いに反対側にある第3の主要な表面及び第4の主要な表面、並びに、光を前記第3の主要な表面に向かって方向付けし直すように構成されている複数の光構造部を有し、前記第3の主要な表面は前記導光板の前記光入射面に向かう向きである、請求項14に記載の装着可能な表示装置。
【請求項17】
前記光構造部は、前記導光部材の前記第4の主要な表面に形成される複数の溝を含み、該溝のそれぞれは、前記第4の主要な表面に直交する基準軸、並びに、該基準軸の2つの側において延びる第1の側壁及び第2の側壁を有し、前記第1の側壁と前記基準軸との間に画定される第1の角度、及び、前記第2の側壁と前記基準軸との間に画定される第2の角度はそれぞれ約30度〜約65度である、請求項16に記載の装着可能な表示装置。
【請求項18】
前記光学アセンブリは、光結合ロッド、フレネルレンズ、及び、前記光結合ロッドと前記フレネルレンズとの間に介装される拡散シートを含み、前記入光窓は、前記光結合ロッドの端に設けられ、前記各単色光源から放射される光は、前記光入射面を通って前記導光板に入る前に、前記光結合ロッド、前記拡散シート及び前記フレネルレンズを通って順次進む、請求項1に記載の装着可能な表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装着可能な表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
頭部装着型システムにおいて用いられるようなマイクロディスプレイは概して、液晶パネル、及び、光を液晶パネルに対して照射する照明デバイスを含む。液晶パネルは、入射光を変調させて画像を生成することができ、この画像が次いで、ユーザの目に表示されるように光学系を通じて転送される。
【0003】
1つの公知の手法によると、マイクロディスプレイは、液晶パネルに設けられるカラーフィルタを照明する白色光を使用することによってカラー画像を形成することができる。
しかし、この手法は、ピクセルあたり少なくとも3つのカラーフィルタ付きサブピクセルを必要とするため、概してサイズが少なくとも3倍大きい。その結果、カラーフィルタを使用するマイクロディスプレイは概して、より大きい光学系を必要とし、カラーフィルタ付きサブピクセル間の電気的な相互作用に起因して乏しい色の質を表示する。
【0004】
別の公知の手法は、改善された表示性能を提供するとともにマイクロディスプレイのサイズを低減するために、フィールドシーケンシャルカラーディスプレイ技法を使用する。フィールドシーケンシャルカラーディスプレイによると、赤、緑及び青の原色に基づいて、カラー画像がカラーフィールドに分割される。各カラーフィールドはマイクロディスプレイによって個々にイメージングされるため、対応する色の光源がオンにされる。これらのカラーフィールドが立て続けに表示されると、ユーザはフルカラー画像を認識することができる。
フィールドシーケンシャルカラーディスプレイの1つの問題は、空間的に個別の複数の光源の(すなわち異なる色の)使用を必要とするため、照明光が均一に分布されない可能性があり、光変調器を照明する各色の光の空間分布が、対応する光源の異なる位置のために異なる可能性があることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−328336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、少なくとも上記の課題に対処することができる改良された装着可能な表示装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願は、寸法が低減され、光変調器を照明するために異なる色の複数の点状の単色光源を使用することができる装着可能な表示装置を記載する。
【0008】
1つの実施形態では、装着可能な表示装置は、正面を有する反射光変調器、光変調器の正面に配置される導光板、異なる色の複数の単色光源、及び、光学アセンブリを含む。導光板は、互いに反対側にある第1の主要な表面及び第2の主要な表面、並びに、第1の主要な表面及び第2の主要な表面にそれぞれ接続される光入射面を有し、導光板は、光入射面において受け取った光を、変調のために第1の主要な表面を通じて光変調器に向かって方向付けるように構成されている。単色光源は、異なる色の光を順次放射するように動作可能である。光学アセンブリは、導光板の光入射面に隣接して配置され、単色光源のそれぞれが放射する光を光入射面にわたって均質化及び分布させるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】装着可能な表示装置の一実施形態を示す簡略概略図である。
【
図2】装着可能な表示装置に実装されるイメージング部分の例示的な構成を示す簡略概略図である。
【
図3】
図2に示されているイメージング部分の構造を示す分解図である。
【
図4】
図2に示されているイメージング部分において使用される光結合ロッドを示す概略図である。
【
図5】光結合ロッドの入光窓の断面を示す概略図である。
【
図6】光結合ロッドの出光窓の例示的な断面を示す概略図である。
【
図7】光結合ロッドの出光窓の例示的な断面を示す概略図である。
【
図8】
図2に示されているイメージング部分において使用される導光部材を示す概略図である。
【
図9】2セットの単色光源が導光板の2つの対向する面にそれぞれ設けられるイメージング部分の変形実施形態を示す概略図である。
【
図10】
図9に示されているイメージング部分において使用される導光部材を示す概略図である。
【
図11】複数の単色光源から放射された光を装着可能な表示装置のイメージング部分における導光板の光入射面に送達する光学アセンブリの他の実施形態を示す簡略概略図である。
【
図12】複数の単色光源から放射された光を装着可能な表示装置のイメージング部分における導光板の光入射面に送達する光学アセンブリの他の実施形態を示す簡略概略図である。
【
図13】複数の単色光源から放射された光を装着可能な表示装置のイメージング部分における導光板の光入射面に送達する光学アセンブリの他の実施形態を示す簡略概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、ニアアイディスプレイのための頭部装着型システム等の持ち運び可能なシステムにおいて実装することができる装着可能な表示装置100の一実施形態を示す簡略概略図である。
装着可能な表示装置100は、イメージング部分102及び光モジュール104を含むことができる。イメージング部分102は、受信したデータに基づいて画像光L2を生成することができ、光モジュール104は、画像光の光線を集め、ユーザの目に表示するために均一な照明で映像PIを形成することができる。例えば、光モジュール104は、映写レンズ、対物レンズ、ビームスプリッタ、プリズム、反射素子等を含むことができる。
【0011】
図2は、装着可能な表示装置100におけるイメージング部分102の例示的な構成を示す簡略概略図であり、
図3は、
図2に示されているイメージング部分102の構造を示す分解図である。
図2及び
図3を参照する。イメージング部分102は、複数の単色光源112A、112B及び112Cのセット、反射式光変調器114、導光板116、偏光子118、及び、単色光源112A、112B及び112Cから放射された光を導光板116に搬送する光学アセンブリ120を含む。
【0012】
単色光源112A、112B及び112Cのそれぞれは、異なる色の照明光を放射することができる。1つの実施形態では、単色光源112A、112B及び112Cは、例示的な赤色、緑色及び青色の発光ダイオードであり得る。しかし、単色光源112A、112B及び112Cは他の色の単色光源を含んでもよい。
1つの実施形態では、フィールドシーケンシャルカラーディスプレイを適用することができ、単色光源112A、112B及び112Cは、異なる色(例えば赤色、緑色及び青色)の光を順次放射するように動作可能とすることができる。単色光源112A、112B及び112Cのそれぞれが放射する単色光を使用して、個々のカラー画像を形成するように光変調器114を照明することができる。単色光源112A、112B及び112Cが立て続けに作動されると、これらのカラー画像の表示を、観察者がフルカラー画像として認識することができる。
【0013】
図2及び
図3を参照する。光変調器114は正面114F及び後面114Bを有する。1つの実施形態では、光変調器114は、シリコン基板106と透明基板108との間に挟まれる液晶105を含むことができる反射型液晶素子(LCOS)パネルとすることができる。
シリコン基板106は、駆動回路、及び、駆動回路に電気的に接続される画素電極のアレイを有して形成することができる。光変調器114は、受信した画像データに従って、レンダリング画像を搬送する画像光L2を形成するように、正面114Fで受信した照明光L1の偏光状態を変調させ、次に、画像光L2を表示するために正面114Fに向かって反射させることができる。1つの実施形態では、光変調器114は、装着可能なデバイスに特に好適なマイクロディスプレイであり得る。
【0014】
導光板116は、ガラス、又は、アクリル樹脂等の透明樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等、特に低複屈折材料から作ることができる。導光板116は、互いに反対側にある2つの主要な表面122及び124、並びに、2つの主要な表面122及び124にそれぞれ接続される光入射面126を有する平面的なガイドである。
光入射面126は、導光板116の面116Aに沿って延び、面116Aに隣接する、導光板116の2つの反対側にある面116B及び116C間に境界を定められる。導光板116は、光変調器114と偏光子118との間の位置において光変調器114の正面114Fに配置され、2つの主要な表面122及び124は光変調器114及び偏光子118にそれぞれ向けられる。
導光板116は、光入射面126において照明光L1を受信し、照明光L1を光変調器114に対して平行な平面に伝搬させ、照明光L1を、変調のために主要な表面122を通じて光変調器114に向かって方向付けし直すことができる。さらに、導光板116は、光変調器114から出力された画像光L2を主要な表面122において受信し、画像光L2を、主要な表面124を通じて偏光子118に向かって送ることができる。
【0015】
偏光子118は、反射式とすることができ、すなわち、1つの偏光状態(例えばp偏光部分)を有する変調された画像光L2の部分を送り、別の偏光状態(例えばs偏光部分)を有する画像光の部分を反射させることができる。
代替的には、偏光子118は、吸収式とすることができ、すなわち、1つの偏光状態(例えばp偏光部分)を有する変調された画像光の部分を送り、他の偏光状態(例えばs偏光部分)を有する画像光の部分を吸収することができる。偏光子118を出る光の部分は、
図1に示されている光モジュール104に向かって進むことができる。
【0016】
図2及び
図3を参照する。光学アセンブリ120は、導光板116の光入射面126に隣接して配置される。光学アセンブリ120は、単色光源112A、112B及び112Cのそれぞれが放射する単色光を均質化し、均質化した光を、導光板116の光入射面126にわたって照明光L1として分布させることができる。1つの実施形態では、光学アセンブリ120は、光結合ロッド130、導光部材132、光結合ロッド130と導光部材132との間に配置される拡散シート134、及び、導光部材132と導光板116の光入射面126との間に配置される偏光子136を含むことができる。
【0017】
図2及び
図3と併せて、
図4は、光結合ロッド130のみを示す概略図である。
図2〜
図4を参照する。
光結合ロッド130は、導光板116の光入射面126が位置付けられる面116Aに隣接する、導光板116の面116Bに沿って概ね延びることができる。光結合ロッド130は、入光窓138、細長い部分140、転換部分142及び出光窓144を有することができる。光結合ロッド130の内部は、複数の反射側壁を有するため、単色光源112A、112B及び112Cのいずれかからの光は、光結合ロッド130を通って伝搬しながら内部反射されることができる。
【0018】
光結合ロッド130の入光窓138は、細長い部分140の端に画定され、単色光源112A、112B及び112Cに隣接して位置付けられる。入光窓138の断面は任意の所望の形状を有することができる。
図5は、入光窓138が例示的に矩形の断面を有する1つの実施形態を示している。しかし、入光窓138は矩形の断面に限定されず、他の断面形状が好適であり得る。
【0019】
光結合ロッド130の細長い部分140は、概ね軸X1に沿って延び、入光窓138とは反対の側において転換部分142に接続される。転換部分142は、光を、細長い部分140の側面に配置される出光窓144に向かって方向付けるように、細長い部分140の軸X1に対して角度Cで傾いた軸X2に沿って延びることができる。1つの実施形態では、転換部分142の角度Cは、約40度〜約50度の間、例えば約45度である。
【0020】
光結合ロッド130の出光窓144は、転換部分142に接続され、細長い部分140の、軸X1に沿って入光窓138から離れた位置にある側が開口している。
図3及び
図4に示されているように、出光窓144は、光結合ロッド130からの光の伝搬を導光部材132に向かって誘導するように細長い部分140から横に突出することができる。
出光窓144の断面は、入光窓138の断面と同様であるか又は異なる形状を有することができる。例えば、
図6は、出光窓144の断面が矩形の形状を有する実施形態を示しており、
図7は、出光窓144の断面が入光窓138の断面とは異なる多角形形状(例えば八角形)を有する別の実施形態を示している。
【0021】
図2及び
図3と併せて、
図8は、導光部材132のみを示す概略図である。
図2、
図3及び
図8を参照する。
導光部材132は、導光板116の2つの反対側にある面116B及び116C間に導光板116の光入射面126に沿って配置することができる。導光部材132は、1.52〜2.2の屈折率を有することができる。導光部材132を作るのに好適な材料の例としては、限定されないが、ガラス、又は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂及びポリメチルメタクリレート(PMMA)等の透明樹脂が挙げられる。
導光部材132は、互いに反対側にある2つの主要な表面146及び148、並びに、導光部材132の端132Aにおいて2つの主要な表面146及び148にそれぞれ接続される入光面150を有することができる。導光部材132は、主要な表面146が導光板116の光入射面126に向かって向けられてその付近に位置決めされ、入光面150が光結合ロッド130の出光窓144に向かって向けられてその付近に位置決めされるように配置される。
【0022】
図3及び
図8を参照する。導光部材132は、導光部材132のその端132Aから端132Bまで延びる長さに沿って分布する複数の光構造部154を更に含む。光構造部154は、その主要な表面146に向かって導光部材132を通って進む光を反射させて方向付けし直すように構成されている。
1つの実施形態では、光構造部154は、導光部材132の主要な表面148に形成される溝156とすることができる。溝156のそれぞれは、溝156の下端156Cにおいて互いに交差する2つの傾斜した側壁156A及び156Bによって画定されるV字状の形状を有することができる。各溝156は、主要な表面148の平面に対して直交するとともに溝156の下端156Cを通る軸として画定される基準軸Yを有することができる。2つの側壁156A及び156Bは、実質的に平面的であり、2つの方向Z1及びZ2に沿ってそれぞれ基準軸Yの2つの側に延び、側壁156Aは入光面150に向かう向きであり、側壁156Bは、入光面150とは反対の導光部材132の他方の端132Bに向かう向きである。
【0023】
溝156のそれぞれは非対称な形状を有する。すなわち、側壁156Aと基準軸Yとの間の角度A1(0に等しくない)は、側壁156Bと基準軸Yとの間の角度A2(0に等しくない)とは異なる。より具体的には、側壁156Aと基準軸Yとの間の角度A1は、約30度〜約65度の範囲とすることができ、より好ましくは40度〜50度である。側壁156Bと基準軸Yとの間の角度A2は、角度A1よりも小さく、約0度〜約30度の範囲とすることができ、より好ましくは0度〜15度である。
【0024】
さらに、2つの側壁156Aと156Bとの間でとった各溝156の最大幅Wは、0.1マイクロメートルに少なくとも等しく、2つの隣り合う溝156間の溝の周期Pは100マイクロメートル未満である。より好ましくは、各溝156の最大幅Wは、1マイクロメートル〜100マイクロメートルとすることができ、周期Pは1マイクロメートル〜100マイクロメートルとすることができ、周期Pは最大幅Wよりも大きい。溝の周期Pは、導光部材132の端132Aから端132Bまで一定であるか又は変わり得る。
【0025】
図8を参照する。誘電体層又は金属層から構成される多層フィルムコーティング158を、溝156の側壁156A及び156Bに塗布することができる。多層フィルムコーティング158を構成する層の例としては、TiO2、Ta2O5、Ti3O5、Al2O3、SiO2、MgO等が挙げられる。さらに、多層フィルムコーティング158の各層の厚さは、5ナノメートル〜5000ナノメートルとすることができる。多層フィルムコーティング158は、導光部材132を通って進む光が側壁156A及び156Bで反射するときに偏光選択を促すことができる。
【0026】
特定の実施形態では、導光部材132は、入光面150が位置付けられる端132Aとは反対の端132Bに向かってテーパ状になる形状も有することができる。すなわち、2つの反対側にある主要な表面146と148との間に画定される導光部材132の厚さは、端132A付近よりも端132B付近で小さい。テーパ状の形状は、入光面150から離れた導光部材132の端部領域における光の伝搬を促すことができる。
【0027】
本明細書において記載されるような導光部材132は、入光面150において光を受け取り、(矢印Rで概略的に示されているように)光を、主要な表面146を通って導光板116の光入射面126に向かって進むように方向付けし直すことができる。光の損失を防止するために、少なくとも1つの反射側壁160Aを有するカバー160が導光部材132を包囲することができ、反射側壁160Aは、導光部材132の主要な表面148に隣接して配置される。
【0028】
図2及び
図3を再び参照する。拡散シート134は、光結合ロッド130の出光窓144と導光部材132の入光面150との間に介装される。拡散シート134は、角度の均質化を加えることができ、これによって、導光部材132に入る光の角度の色の依存を低減することができる。
【0029】
図3を参照する。偏光子136は、導光部材132の第1の主要な表面146と導光板116の光入射面126との間に配置される。1つの実施形態では、偏光子136は反射偏光子であり得る。単色光源112A、112B及び112Cのいずれかが放射する光は、ランダムに偏光された光とすることができ、偏光子136は、導光部材132の主要な表面146を出る光を、光入射面126を通って進んで導光板116に入る前に、s偏光状態の照明光L1に変換することができる。
【0030】
図3に示されているように、動作中に、単色光源112A、112B及び112Cのそれぞれから放射される光は、光結合ロッド130、拡散シート134、導光部材132、偏光子136を通って順次進み、次に光入射面126を通って導光板116に入る光路Eに沿って伝搬することができる。
光路Eでは、光結合ロッド130は、単色光源112A、112B及び112Cが形成する別個の点状の光源から放射される光を空間的に均質化することができ、拡散シート134は、これらの光源から放射される光の角度の均質化を加えることができる。次に、導光部材132が、均質化された光を、導光板116の光入射面126に沿って照明光L1として均一に分布させることができる。したがって、光学アセンブリ120は、単色光源112A、112B及び112Cのそれぞれが出力した光が、単色光源112A、112B及び112Cの位置に従って変わらない均一な分布に従って導光板116に送達されることを確実にすることができる。
【0031】
イメージング部分102の上述した実施形態は、導光板116の面116Bに配置される複数の単色光源112A、112B及び112Cの1つのセットを提供するが、複数の単色光源の別のセットを導光板116の他の面116Cに加え、光入射面126において送達される光の明るさを増大させることが可能である。
図9は、単色光源の2つのセットが導光板116の2つの面116B及び116Cにそれぞれ設けられる、イメージング部分102’の変形実施形態を示す概略図である。
図9を参照する。前述したような導光板116の面116Bに配置される単色光源112A、112B及び112Cに加えて、イメージング部分102’は、導光板116の反対の面116Cに複数の単色光源162A、162B及び162Cの別のセットを更に含む。
前述した単色光源112A、112B及び112Cに関連付けられる光結合器130に加えて、イメージング部分102’の光学アセンブリ120’は、付加的な単色光源162A、162B及び162Cに関連する、導光板116の面116Cに沿って配置される別の光結合ロッド164を含む。さらに、光学アセンブリ120’は、前述した(
図3に示されている)導光部材132に取って代わる導光部材132’も含み、導光部材132’は、2つの光結合ロッド130及び164と協働するように構成されている。
【0032】
加えられた光結合ロッド164は、導光板116の面116Bに配置される単色光源112A、112B及び112Cに関連する、前述した光結合ロッド130と構成が同様とすることができる。光結合ロッド130と同様に、光結合ロッド164は、入光窓168、細長い部分170、転換部分172及び出光窓174を有することができる。単色光源162A、162B及び162Cは、光結合ロッド164の入光窓168に隣接して配置され、光結合ロッド164の出光窓174は、導光部材132’の端132Bに向かう向きである。前述したものと同様に、拡散シート176を、光結合ロッド164の出光窓174と導光部材132’の端132Bにある入光面150との間に介装させることができる。
【0033】
図9と併せて、
図10は、光学アセンブリ120’の導光部材132’を示す概略図である。
図9及び
図10を参照する。
導光部材132’は、互いに反対側にある2つの主要な表面146及び148、並びに、導光部材132’の2つの反対側にある端132A及び132Bにそれぞれ画定されるとともに2つの主要な表面146及び148にそれぞれ接続される2つの入光面150を有する。導光部材132’は、主要な表面146が導光板116の光入射面126付近に位置決めされ、2つの入光面150が光結合ロッド130の出光窓144及び光結合ロッド164の出光窓174付近にそれぞれ位置決めされるように、配置される。
【0034】
図10を参照する。導光部材132’は、導光部材132’のその端132Aから端132Bまで延びる長さに沿って分布する複数の光構造部180を更に含む。光構造部180は、導光部材132’にその2つの端132A及び132Bにおいて入る光を、光の反射によって主要な表面146に向かって方向付けし直すように構成されている。
1つの実施形態では、光構造部180は、導光部材132’の主要な表面148に形成される溝182とすることができる。溝182のそれぞれは、溝182の下端182Cにおいて互いに交差する2つの傾斜した側壁182A及び182Bによって画定されるV字状の形状を有することができる。各溝182は、主要な表面148の平面に対して直交するとともに溝182の下端182Cを通る軸として画定される基準軸Yを有することができる。2つの側壁182A及び182Bは、実質的に平面的であり、2つの方向Z1及びZ2に沿って基準軸Yの2つの側においてそれぞれ延びる。
【0035】
溝182のそれぞれは対称な形状を有し、すなわち、側壁182Aと基準軸Yとの間の角度B1(0に等しくない)は、側壁182Bと基準軸Yとの間の角度B2(0に等しくない)に実質的に等しい。角度B1及びB2のそれぞれは、約30度〜約65度の範囲とすることができ、より好ましくは40度〜50度である。
【0036】
さらに、2つの側壁182Aと182Bとの間でとった各溝182の最大幅Wは、0.1マイクロメートルに少なくとも等しく、2つの隣り合う溝182間の溝の周期Pは100マイクロメートル未満である。より好ましくは、各溝182の最大幅Wは、1マイクロメートル〜100マイクロメートルとすることができ、周期Pは1マイクロメートル〜100マイクロメートルとすることができ、溝の周期Pは最大幅Wよりも大きい。溝の周期Pは、導光部材132’の端132Aから端132Bまで一定であり得る。
【0037】
前述したように、導光部材132’は、溝182の側壁182A及び182Bに堆積される誘電体層又は金属層から構成される多層フィルムコーティング158を有することができる。多層フィルムコーティング158を構成する層の例としては、TiO
2、Ta
2O
5、Ti
3O
5、Al
2O
3、SiO
2、MgO等が挙げられる。さらに、多層フィルムコーティング158の各層の厚さは、5ナノメートル〜5000ナノメートルとすることができる。
【0038】
光学アセンブリ120’によって、単色光源112A、112B及び112Cのそれぞれから放射された光は、光結合ロッド130及び拡散シート134を通って進み、導光部材132によって導光板116の光入射面126に向かって方向付けし直される。同様に、単色光源162A、162B及び162Cのそれぞれから放射された光は、光結合ロッド164及び拡散シート176を通って進み、導光部材132’によって導光板116の光入射面126に向かって方向付けし直される。したがって、導光板116の光入射面126に送達される照明光は、均一で増大した明るさを有することができる。
【0039】
上述した光学アセンブリ120及び120’は導光部材に関連する光結合ロッドを使用するが、単色光源から放射される光を導光板116の光入射面126に均一に送達する、光学アセンブリの他の構成が可能である。光学アセンブリの幾つかの他の例が
図11〜
図13に示されている。
【0040】
図11は、単色光源112A、112B及び112Cから放射される光を導光板116の光入射面126に送達する光学アセンブリ220の別の実施形態を示す概略図である。
光学アセンブリ220は、組みレンズ222、フライアイレンズアレイ224及びフレネルレンズ226を含むことができる。光学アセンブリ220の上述した構成要素は全て、光入射面126が位置付けられる導光板116の面116Aに配置することができる。単色光源112A、112B及び112Cのそれぞれから放射される光は、光入射面126を通って導光板116に入る前に、組みレンズ222、フライアイレンズアレイ224及びフレネルレンズ226を通って順次進むことができる。
【0041】
図12は、単色光源112A、112B及び112Cから放射される光を導光板116の光入射面126に送達する光学アセンブリ320の別の実施形態を示す概略図である。光学アセンブリ320は、光結合ロッド322、フレネルレンズ324、及び、光結合ロッド322とフレネルレンズ324との間に介装される拡散シート326を含むことができる。
光学アセンブリ320の前述した構成要素は全て、光入射面126が位置付けられる導光板116の面116Aに配置することができる。単色光源112A、112B及び112Cのそれぞれから放射される光は、光入射面126を通って導光板116に入る前に、光結合ロッド322、拡散シート326及びフレネルレンズ324を通って順次進むことができる。
【0042】
図13は、単色光源112A、112B及び112Cから放射される光を導光板116の光入射面126に送達する光学アセンブリ420のまた別の実施形態を示す概略図である。
光学アセンブリ420は、導光部材422及び複数のダイクロイックミラー424を含むことができる。導光部材422は、前述した導光部材132と同様の構造を例示的に有することができる。導光部材422は、導光部材422の入光面432がダイクロイックミラー424に面し、入光面432に隣接する導光部材422の主要な表面434が導光板116の光入射面126に面するように、配置することができる。ダイクロイックミラー424は、単色光源112A、112B及び112Cから放射される光を導光部材422の入光面432に向かって方向付けることができ、導光部材422は次に、導光板116の光入射面126にわたって光を分布させることができる。
【0043】
本明細書において記載される構造の利点は、鮮やかな色、高コントラスト及び高解像度を呈することができる装着可能な表示装置を提供する能力を含む。さらに、本明細書において記載される装着可能な表示装置は、異なる色の複数の空間的に個別の単色光源から放射される光を均一に分布させることができる光学アセンブリを含むため、光変調器は、各色の光によって均一な明度で照明されることができる。
【0044】
装着可能な表示装置の実施形態の具現化を、特定の実施形態の文脈において記載した。これらの実施形態は、例示的であり、限定的ではないことが意図される。多くの変形形態、変更形態、付加及び改良が可能である。これら並びに他の変形形態、変更形態、付加及び改良が、以下の特許請求の範囲において規定される発明の範囲内に含まれる。