(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記可撓性構造は、前記可撓性構造に狭開口部を形成する1つ以上の溝穴を備え、前記溝穴によって前記狭開口部と交差する前記可撓性構造の面内応力を減少させて前記可撓性構造を湾曲させた、請求項1に記載のデバイス。
前記可撓性構造は、中心を有する面を備え、前記溝穴は、前記面の前記中心から外側の方向に延びて配置され、前記湾曲は、三次元様式で前記中心に向かって内側に向けられた、請求項2に記載のデバイス。
前記固定構造の少なくとも1つが、前記溝穴のうちの1つに近接して配置される少なくとも2つの前記接触領域を介して、前記溝穴のうちの1つを跨ぐように、前記可撓性構造と結合され、少なくとも1つの前記固定構造によって、チップ間の拘束を保持し、前記可撓性構造の湾曲が緩和されるのを防止する、請求項3に記載のデバイス。
前記接触領域が、導電性材料を含む結合パッドを含み、前記結合パッドを介して前記可撓性構造と前記固定構造とが結合される、請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載のデバイス。
前記可撓性構造と前記固定構造との少なくとも一部が、前記デバイス中の埋戻し材を介して分離され、前記埋戻し材が、前記可撓性構造と前記固定構造との間で熱を放散することが可能な熱伝導性材料を含む、請求項8に記載のデバイス。
前記デバイスが、光の視覚認知を可能にするためにヒトの眼の中に移植可能であると共に、前記可撓性構造の変形によって前記デバイスをヒトの眼球の形状と合致させ移植を可能にする、請求項10に記載のデバイス。
前記可撓性構造は、画素ユニットの配列を備え、前記画素ユニットの各々は、光を感知するセンサー、光の視覚認知のための神経細胞への刺激を伝達する電極、及び前記光からの前記刺激を誘導して前記電極を駆動させる処理回路を備える、請求項11に記載のデバイス。
複数の前記非平面集積回路デバイスを前記結合パッドを介して接続し、前記非平面集積回路デバイスのそれぞれの前記処理操作を行うことが可能である、請求項8に記載のデバイス。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】可撓性チップの非平面組立品の例示的な実施形態を示す模式図。
【
図1B】可撓性チップの非平面組立品の例示的な実施形態を示す模式図。
【
図1C】可撓性チップの非平面組立品の例示的な実施形態を示す模式図。
【
図1D】可撓性チップの非平面組立品の例示的な実施形態を示す模式図。
【
図2A】本明細書に記載の実施形態に係る応力薄膜が堆積した可撓性構造の断面を示すブロック図。
【
図2B】本明細書に記載の実施形態に係る波状様式に変形された非平面デバイスを示す模式図。
【
図3A】本明細書に記載の実施形態に係る溝穴に基づく例示的な非平面チップを示す模式図。
【
図3B】本明細書に記載の実施形態に係る溝穴に基づく例示的な非平面チップを示す模式図。
【
図3C】本明細書に記載の実施形態に係る溝穴に基づく例示的な非平面チップを示す模式図。
【
図4A】
可撓性部材を用いて組み立てられた薄チップの例示的な実施形態を示す模式図。
【
図4B】
可撓性部材を用いて組み立てられた薄チップの例示的な実施形態を示す模式図。
【
図5A】非平面可撓性デバイスの組立処理の例示的な手順を示すブロック図。
【
図5B】非平面可撓性デバイスの組立処理の例示的な手順を示すブロック図。
【
図5C】非平面可撓性デバイスの組立処理の例示的な手順を示すブロック図。
【
図5D】非平面可撓性デバイスの組立処理の例示的な手順を示すブロック図。
【
図5E】非平面可撓性デバイスの組立処理の例示的な手順を示すブロック図。
【
図5F】非平面可撓性デバイスの組立処理の例示的な手順を示すブロック図。
【
図6A】相互に拘束された非平面チップの例示的な実施形態を示す模式図。
【
図6B】相互に拘束された非平面チップの例示的な実施形態を示す模式図。
【
図7A】結合パッドを有する組立品の例示的な上面図及び断面図を示す模式図。
【
図7B】結合パッドを有する組立品の例示的な上面図及び断面図を示す模式図。
【
図8A】本明細書に記載の一実施形態における、薄いダイス/ウエハーの湾曲積層物を組み立てるための例示的な手順を示すブロック図。
【
図8B】本明細書に記載の一実施形態における、薄いダイス/ウエハーの湾曲積層物を組み立てるための例示的な手順を示すブロック図。
【
図8C】本明細書に記載の一実施形態における、薄いダイス/ウエハーの湾曲積層物を組み立てるための例示的な手順を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は例を挙げて説明されるが、添付の図面の図に限定されるものではない。当該図面において、同様の符号は同様の要素を示す。
網膜チップ組立処理又は(集積)半導体チップの非平面(例、準球状)曲面パッチ及び組立方法が、本明細書に記載される。以下の明細書中、多くの具体的な詳細が本発明の実施形態の説明を通して記載され提供される。しかし、これらの具体的な詳細が記載されていなくても本発明の実施形態を実施し得ることは、当業者には明らかであろう。その他の事実としては、周知の構成要素、構造及び技術は、本明細書を理解し
易くするため、詳細には示されない。
【0015】
本明細書中、「一実施形態」又は「実施形態」という記載は、当該実施形態に関連して記載された特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に包含され得ることを意味する。本明細書中様々なところに記載される「一実施形態において」という語句は、必ずしも全て同一の実施形態に言及している必要はない。
【0016】
一実施形態において、集積能動デバイス、トランジスタ回路、トランスデューサー、又はマイクロシステムが非平面の表面を有することの利点は、これらのデバイスやサブシステム間の相互作用・相互接続、あるいは1つの外部システム又は複数の外部システムとの相互作用・相互接続の配置を変更
できることにある。非平面の形状又は配置を有する集積デバイスによって、新規の計算アーキテクチャが可能となり得る
。例えば、
球状の配置は、表面の計算
機要素間、或いは可撓性チップの回路間の相互
接続、
通信、並びに球状内
に位置する要素間の通信/相互
接続を最適化する
ための、いわば「円卓会議」のような、3D(三次元)の配置をとることが可能となる。それによって、
例えば、よく見られるブレイン・マシン・インターフェース(BMI)の準球状面のような、電子工学又は光工学と生物学的な神経系とを結び付ける新規
な方法
を適用することが一般に可能となる
【0017】
例えば、人工網膜の場合、ヒトの眼球の裏の人工補てつデバイスと網膜との間のインターフェースは、曲率半径
が約12.5mmの準球状面である。眼球を通じて相互接続することの複雑さを最小限にするためには、接している微小電極と電気回路を共に網膜神経の表面にごく近接するように配置することが望ましい。本開示によって、通常
は曲げることができないような(rigid)半導体電子機器を非平面(本明細書では、準球状の)形状に形成する方法が示される。
【0018】
図1A〜1Dは、可撓性チップの非平面組立品の例示的な実施形態を示す模式図である。
図1Aの組立品100Aは、眼球中の網膜の形状に合致する準球状の形状の人工網膜の人工補てつデバイスを示し、当該デバイスは網膜神経の表面にごく近接するように位置決めすることができ得る。このような形状の合致によって、必要とされる神経の電気励起閾値を低下させ、デバイス(例、電極を介する)と網膜神経との間のインターフェースの精度を高め得る。
【0019】
一実施形態において、組立品100Aは、光センサー、電極、駆動回路等を有する可撓性チップ103を備え得る。可撓性チップ103は、機械的に拘束されて、固定構造101を介して所望の形状又は変形に湾曲され得る。例えば、固定構造101は、所望の湾曲に成形又は変形された可撓性高分子材料を含み得る。可撓性チップ103は、固定構造101に結合又は固定されて、所望の形状に湾曲され
、湾曲状態が保持される。
【0020】
次に
図1Bを検討すると、組立品100Bは、
複数の多層の可撓性チップ
(multi-layers of flexible chips)を備える、比較的球状の形状の組立品であり得る。例えば、可撓性チップ107及び109は、変形されて、チップ107及び109の表面要素間の
通信を促進し得る。チップ107及び109は、互いに対向するように位置決め又は構成されて、光ビーム、配線又はその他の適用可能な接続のいずれかを用いて、
通信路(例、
通信路111)を確立し得る。ある実施形態において、同一方向に面する異なる湾曲チップ(例、
固定構造105及び
可撓性チップ107)間
は、シリコン貫通ビアに
よって連結され得る。シリコン貫通ビアは、その薄シリコン基板を通じて、薄ICチップの(例えば、
表側から)
裏側へ、薄ICチップのいくつかのパッドを
連結する。その結果、多重チップを共に積層し結合することができる。多重チップ(例えば、固定構造
(又は相互に拘束された可撓性チップ)105、及び可撓性チップ107)は、これらのチップ間の相互の拘束に基づき、組立品100B中で湾曲
状態が保持される。
【0021】
組立品100B
を非平面
に配置
することによって、
三次元的な配置に基づくチップ間相互の接続
或いは非平面(non−pla
nar)形状
という三次元的な構造上の特徴に基づく
他の適用可能な計算アーキテクチャ
を実現し得る。例えば、球状組立品における
球状の配置は、球状組立品の表面の計算
機要素間、
或いは可撓性チップの回路
間の相互
接続、
通信、並びに球状組立品内部に位置する要素
間の
通信/相互
接続を最適化するための、
いわば「円卓会議場」のような、3D(三次元)
の配置
をとることが可能となる。
【0022】
次に
図1Cを検討すると、非平面の人工網膜組立品は、補助網膜の形で眼球113に移植され得る。人工網膜は、眼球113の網膜121と密接に接触している可撓性チップ117を備え得る。可撓性チップ117は、固定構造115と結合して湾曲されたままとし、眼球113の形状に合致させ得る。一実施形態において、固定構造115と可撓性チップ117の両方が、光を通す透明な材料を含み得る。
【0023】
あるいは、
図1Dにおいて、非平面の人工網膜組立品は、エピ網膜の形で眼球113に移植され得る。人工網膜は、眼球113の内部から網膜121に密接に接触している可撓性チップ119を備え得る。また、人工網膜は
、可撓性チップ119を
機械的に拘束して眼球113の形状に合致するよう湾曲
状態が保持されるための、固定構造123を備え得る。非平面の人工網膜組立品は、所望の様々な構成又は形状に応じて変形されるように、可撓性を備え得る。
【0024】
図2Aは、応力薄膜が堆積した可撓性構造(又はデバイス)の断面図を示す構成図である。一実施形態において、構造200Aは、バリア層203と高分子層210との間に挟まれた薄いデバイス層205を備え得る。デバイス層205は、デバイスの腐食及び/又は生体組織への害を防ぐためにバリア層203と生体適合性の高分子層210とで覆われた、医療用インプラントを目的とする、薄いMOS(金属酸化膜半導体)ダイスに基づき得る。構造200Aは、応力膜層207からの応力又は伸縮力に応じてカールする(又は、曲がる、変形する)のに十分な薄さであり得る。
【0025】
ある実施形態において、応力薄膜(例えば、応力膜層207)は、薄構造又は薄チップの片側又は両側に堆積して、チップに対して所望の変形(例えば、ある程度の曲げを伴う)を達成し得る。例えば、応力薄膜を事前圧縮又は事前伸長して、異なる方向に曲げ力を付与し得る。任意には、応力薄膜は、加工処理中に(例えば、フォトリソグラフィー処理やエッチング処理によって環状形状又は縦縞状に)パターン成形されて、薄構造に対して様々な湾曲形状(例えば、波状様式に、又はその他の適用可能な形状に)を作成することができる。構造200Aは、接着剤211を介して付着する厚いキャリアウエハー(又は、ハンドルウエハー)209から切り離される際に、カールし得る。
【0026】
図2Bは、本明細書に記載の実施形態に係る波状様式に変形された非平面デバイスを示す模式図である。例えば、非平面(non−pla
nar)集積回路デバイス200Bは、波状様式に湾曲された可撓性
デバイス213を備え得る。応力膜215及び217は、
薄構造である可撓性デバイス213の両側に(例えば、パターンマスクを介して)形成されて、特定の(又は、事前に指定された)パターン(例えば、縦縞、ジグザグ、又はその他の適用可能なパターン等)を形成し、波状様式等の所望の変形に
可撓性デバイス213を湾曲し得る。一実施形態において、応力膜215は、事前圧縮又は圧縮され得る。あるいは、応力膜は事前伸長され得る。応力膜215及び217によって、大きな残留薄膜応力等の、変位拘束又は変位力を与えて、所望の変形に可撓性
デバイス213を湾曲させ得る。非平面デバイスは、指定されたパターンで形成された、事前圧縮膜、事前伸長膜、又は圧縮膜の組み合わせを備え
ることができ、指定されたパターンに応じた応力分布を呈したデバイスの所望の変形を達成し得る。
【0027】
一実施形態によれば、所望の変形は、チップ曲げ湾曲を含み得る。例えば、可撓性チップが平面状の円盤から非平面状の球状パッチに変形される場合、可撓性チップの外円の円周に必要な減少を算出することができる。一実施形態において、曲げられている基板からの変位がウエハーの厚さ(例、デバイス層205の厚さ)よりも大幅に小さい場合、(比較的厚い基板上の)残留膜応力を有する堆積薄膜によって引き起こされるチップ曲げ湾曲の概算は、「ストーニー方程式」(又は、近似式)に基づき得る。薄チップ上の応力がより大きいために、近似式を介して変位を大きく見積もり過ぎないように、数値法を、チップ曲げ湾曲を算出するために用い得る。これにより、変位を、二次元の拘束に起因して、基板の厚さよりも容易に大きくすることができる。
【0028】
図3A〜3Cは、本明細書に記載の実施形態に係る溝穴に基づく例示的な非平面チップを示す模式図である。例えば、模式
図300Aは、薄ダイス又は薄ウエハーの薄チップ305、及び端部307に応力を緩和する丸角を有する拡張溝穴301を含み得る。薄チップ305が変形されると、溝穴301の2つの側が接触し又は接近し得る。薄チップ305は、キャリア基板から切り離されると、加工処理中にキャリア基板上で圧縮応力を付与され湾曲され得る。
【0029】
一実施形態において、薄チップ305は、余分な周界が除去された、扇/くさび形状で、円形チップの中心から外側に向かう方向に(直線路で、あるいは湾曲路、らせん状路、ジグザグ路又はその他適用可能な路で)延びる、いくつかの(1つ以上の)放射状の溝穴を有する、円形チップを備え得る。放射状の溝穴は、薄チップ305の周界から延び、薄チップ305の中心に到達する前に(又は、中心から離れて)、溝穴301の端部307等の溝穴の端部(例、幅約1μmの微細端部)で終結し得る。一実施形態において、溝穴の端部は、薄チップ内に位置して、例えば、微細加工処理の分解能限界及び/又はチップの変形によって引き起こされる溝穴の端部の応力拡大係数の増加を調整し得る。溝穴の端部を囲む(例、溝穴301の端部307を囲む)角は、関連するチップが変形され又は曲げられた場合、丸状になり、鋭角に関連する応力集中を減少させ、丸状になった溝穴の角に応力を分散させ得る。
【0030】
溝穴は、薄チップ305の溝穴301のようなチップの狭い経路領域の一部(例えば、切欠き、縦方向の開口部、又は狭開口部)を、微細加工処理時の深堀反応性イオンエッチング等を通じて、除去する(又は、切断する、スリットを入れる)ことによって形成され得る。溝穴によって、チップの変形応力(例えば、正接面内応力)を減少させることができ、チップが変形し得る許容度を高めることができる。一実施形態において、溝穴は、溝穴と交差する回路要素間でのチップ内の直接的な連絡を遮断し得る。(後述するような、拘束
のための可撓性部材(Flex)又はその他の拘束チップへの結合パッドを介しての)このようなジャンパー、あるいは、溝穴の周りのより長い母線及びデータバスは、電力線、基線及び信号線の分配を必要とし得る。
【0031】
図3Bは、溝穴と応力膜で加工され、準球状パッチに曲げられ又は湾曲され、加工中に使用されたキャリアウエハーから切り離された後も湾曲
状態が保持される、積層薄円盤チップ構造を示す。固定構造は、チップ構造中の溝穴を跨ぐように結合して、チップの湾曲が緩和して元の平面形状に戻ることを防ぎ得る。応力膜が更に曲げ力を与え、チップの拘束を促進し、所望の変形のままとし得る。1つ以上の溝穴を有する薄構造上の応力薄膜は、曲げ効果を非常に高めることができるが、大きな曲げ(例えば、30ミクロン厚の網膜チップを曲げる際の70〜90ミクロンのエッジ変位)は、二次元的な拘束に結び付き得る。変形度は、例えば、
ミクロン単位のエッジ変位で測定され得る。その結果、所望の大きな湾曲を得るためには、大きな応力(例えば、外部からの曲げ)を有する比較的厚い膜が必要となり得る。
【0032】
図3Cは、平面チップを湾曲させる例示的な機構を示す。直径「d」の平面状の円盤(例、平面チップを含む)を曲率半径「R」309に曲げた場合、円盤の半径の中心から直径線の終点まで延びる角度311は2θである(2R*θ=d)。円盤の元の円周は、S=π*d=2πR*θである;しかしながら、円盤が球形状パッチに変形される場合、変形後の円周313は、S'=2πR*Sin(θ)となるべきである。θ>0の場合θ>Sin(θ)であるため、円盤は曲げに対して平面状正接圧縮応力を受けるであろう。半径rがR以下の場合、円周2πr*[θ−Sin(θ)]を超過するためである。円盤が球形状に変形される場合に溝穴の2つのエッジが接触するように、溝穴によって適切な量でこのような超過が除去される。平面チップからある超過材料を除去して湾曲非平面形状にするこのような原理は、本明細書に記載の実施形態に適用可能となり得るものもある。
【0033】
図4A及び
図4Bは、
可撓性部材を用いて組み立てられた薄チップの例示的な実施形態を示す模式図である。模式
図400Aは、固定構造401と薄チップ403を備え得る。一実施形態において、固定構造401は、丸いリング状に成形された
可撓性部材(例えば、「ケーブル」から形成される)であり得る。
可撓性部材は、透明又は半透明で、変形可能及び/又は成型可能な高分子(例、ポリアミド)を含み得る。ある実施形態において、
可撓性部材は、必要とされる所望の変形に応じて、全体として又は別の適用可能な形状に成形され得る。薄チップ403は、大きく変形させるためにスリットを有する薄ウエハー/ダイスに基づき得る。一実施形態において、薄チップ403は、4つのスリット(又は、溝穴)(例えば、溝穴405)を有する可撓性材料を備え、チップの可撓性を高めて大きく変形させ得る。固定構造401は、可撓性薄チップ403に結合して、チップを曲げ状態に保ち得る。薄チップ上に形成される溝穴の数及び/又はパターン(例えば、2、12、又はその他の適用可能な溝穴の数)は、チップの所望の変形によって変更し得る。
【0034】
次に
図4Bを検討すると、組立品400Bは、例えば、結合パッド407を介して、固定構造401と結合する湾曲薄チップ403を備え得る。固定構造401(又は、
可撓性部材)からの機械的な拘束によって、薄チップ403を、緩和して元の平面状態に戻ることなく湾曲
状態が保
持され得る。固定構造401は、適切な厚さ(例えば、
約10μm)の金属ワイヤーと金属結合パッドを備え得る。薄チップ403は、固定構造401の対応する金属結合パッドと結合する、(相対的位置の)整合結合パッドを備え得る。金属は、気圧力下、(通常、150℃乃至450℃の範囲内で制御された)昇温内で、薄膜結合(例えば、金(Au)と金(Au))を形成し得る。薄膜結合は、データ通信や電力分配のための電気的接続としても用いられ得る。
【0035】
図5A〜5Fは、非平面可撓性デバイスの組立(又は、接合)処理の例示的な手順を示すブロック図である。例えば、非平面可撓性デバイスは、整合パッドを介して可撓性デバイスと結合する湾曲薄ウエハー/ダイスに基づいて加工又は製造され得る。
図5Aの手順500Aでは、一実施形態において、ホルダー501は、
可撓性部材又は固定構造を収容する、凹形状(例えば、凹部503)を有するクリアなホルダーを備え得る。凹部503は、成型又は成形可能な
可撓性部材(例、高分子)を収容し得る。
【0036】
図5Bの手順500Bでは、
可撓性部材507は、凹部503中で細工され得る。一実施形態において、加圧ユニット505とホルダーユニット501は、圧力/熱が付与された状態で接触して、
可撓性部材507を湾曲形状に形成し得る。加圧ユニット505とホルダーユニット501は、曲率半径が共通又は一致する整合面を有して成形され得る。
可撓性部材507は、球状面を有する加圧ユニット505(例えば、上部ユニット)と整合する球状凹部を有するホルダーユニット501(例えば、下部ユニット)との間に挟まれ得る。一実施形態において、
可撓性部材507は、(対応する領域の表面の吸引孔、及びホルダー501の内部の吸引経路による)吸引によって、又は(例えば、静電チャックを用いた)静電力によって保持される、高分子系リングを備え得る。
図5Cの手順500Cでは、加圧ユニット505を動かして、ホルダーユニット501から分離し、
可撓性部材507を変形した(又は、成型した)まま所定の位置に(例えば、凹部503に)残し得る。ある実施形態において、
可撓性部材と結合する薄チップは、
可撓性部材を成型する必要なく、
可撓性部材と薄チップとの間の相互の拘束に基づいて変形され得る。
【0037】
次に
図5Dを検討すると、手順500Dでは、加圧ユニット517とホルダーユニット501を一直線に配置した後、加圧ユニット517とホルダーユニット501を接触させて、薄チップ(又は、ウエハー)509と
可撓性部材507を結合し得る。例えば、薄チップ509は、特定の領域(例、結合領域511)で
可撓性部材507と結合又は接合し得る。薄チップ509は、金属系パッドを備え得る。それに対応して、
可撓性部材507は、整合パッドを備え得る。一実施形態において、加圧ユニット517を、(例えば、三次元回転運動を介して)ホルダーユニット501と一直線に配置して、薄チップ509のパッドを、
可撓性部材507の対応する整合パッドに接触させることができ得る。加圧ユニット517とホルダーユニット501の少なくとも一方は、一直線に配置することができるようにクリアであり得る。
図5Bの加圧ユニット505と、加圧ユニット517は、非平面デバイス用の1つの共通の組立装置における異なった湾曲に湾曲された面を有する、複数の加圧ユニットの一部であり得る。
【0038】
一実施形態において、熱と圧力とを、薄チップ509と
可撓性部材507との間に付与して結合し、例えば、金属パッドと対応する整合パッドとをはんだ付けし得る。薄チップは、例えば、吸引又は静電気力を介して、加圧ユニット(例えば、上部加圧機)505に保持され得る。加圧ユニット517は、薄チップ509のパッドと
可撓性部材507の整合パッドとを一直線に配置した後、ホルダーユニット501に対して加圧し得る。
【0039】
ある実施形態において、
可撓性部材507は、クリアな下部ホルダー(例えば、ホルダー501)を用いて作成し得る。多層チップは、加圧ユニットとホルダーユニット501との間に付与された圧力と熱とを介して結合し得る。ホルダーユニット501は、種々のチップデザインに応じて、
可撓性部材又は可撓性チップ(例えば、
可撓性部材507)を変形させる種々の形状又は型の凹部と関連付けられ得る。結合が完了すると、
図5Eの手順500Eにおいて、加圧ユニット505が、ホルダーユニット501から離脱し、非平面形状の
可撓性部材507と結合する薄チップ509を切り離し得る。結合パッドは、結合圧力/熱の冷却時に硬化して、分離チップ/ウエハーを湾曲形状又は非平面形状に接着(又は、結合)し得る。一実施形態において、
可撓性部材507と結合する薄チップ509は、手順500Eの後、(例えば、腐食から保護するために)バリア層及び/又は高分子層で
パッシベート(すなわちコーティング)され
、保護膜が形成され得る。
可撓性部材507(例えば、相互に拘束され湾曲されたままとされる分離チップ)と薄チップ509との間の空隙を、熱伝導性の誘電性材料で埋戻して、放熱性を向上させ得る。
【0040】
図5Fは、薄チップ509と
可撓性部材507との間の結合パッドの拡大図を示す。例えば、薄チップ509のパッド513は、
可撓性部材507の整合パッド515と結合(又は、はんだ付け)され得る。パッド513と整合パッド515は、同一の又は異なる導電性材料(例えば、金)を含み得る。非平面デバイスの結合接点(例えば、整合パッド515と結合するパッド513)は、窒化ケイ素、ダイアモンド状炭素、又はその他の適用可能な材料からなる
硬くて膜厚の薄いパッシベーション層で、被覆又はコーティング(例えば、蒸着コーティング又は真空コーティング)されることで絶縁性を有し、デバイスの結合接点が露出するのを防
ぐ絶縁保護膜となり得る。一実施形態において、結合接点によって、湾曲チップの異なる部分間に、機械的な接合による拘束及び/又は任意の電気的接続を与え得る。
【0041】
図6A及び
図6Bは、相互に拘束された非平面チップの例示的な実施形態を示す模式図である。例えば、
図6Aの模式
図600Aは、湾曲チップの組立品の相互の拘束に関するオフセットスリットと整合結合パッドを有する2つの薄ウエハー/ダイスを示し得る。一実施形態において、第一薄チップ601と第二薄チップ607は各々、整合金属結合パッドを有する4つの放射状の溝穴を備え得る。薄チップは、角度をもって位置合わせされる溝穴を有して組み立てられ得る。例えば、溝穴605は、例えば、組み立てられた湾曲薄チップにおいて角度45度で、溝穴603と交差し得る。
【0042】
次に
図6Bを検討すると、組立品600Bは、相互の拘束を介して湾曲された、第一薄チップ601と第二薄チップ607とを備え得る。組み立てられた湾曲薄チップ(例えば、第一薄チップ601と第二薄チップ607)は、結合位置(例えば、結合パッド領域)で互いに相互の拘束が付与されるため、緩和して元の平らな又は平面状態に戻り得ない。一実施形態において、結合パッドは、薄チップの溝穴の各々を跨ぐように対をなし、溝穴を跨ぐようにチップの部分同士を接着し得る。
【0043】
図7A及び
図7Bは、結合パッドを有する組立品の例示的な上面図及び断面図を示す模式図である。例えば、
図7Aは、準球状の形状に湾曲された2つの薄チップの積層物(例えば、第一薄チップ601上に第二薄チップ607)の非平面3Dパッケージングの上面図を示す。積層チップ間の隣接した溝穴は、第二薄チップ607の溝穴605及び第一薄チップ601の溝穴603のように、角度(例えば、45度)をもって位置合わせされ得る。結合パッドは、溝穴603を跨ぐパッド701及びパッド703のように、溝穴の両側に位置決めされ得る。
【0044】
図7Bは、結合パッド部位と結合する薄膜の断面図(例えば、拡大比不問)を示す。例えば、第二薄チップ607と第一薄チップ601とを、パッドの結合(例えば、パッド703と整合パッド705との間の結合)を介して湾曲させたままにし得る。あるいは、又は任意に、薄チップは接着剤を介して結合し、非平面形状にさせたままにし得る。
【0045】
一実施形態において、多重チップが積層する非平面組立品の隣接するチップ間の埋戻し材層(例えば、埋戻し材707)によって、チップ間の放熱が促進し得る。埋戻し材層は、熱伝導性の誘電性材料を含み、操作において組立構造(又は、非平面チップ)の昇温を制御し得る。例えば、非平面組立品内に組み込まれた高速処理回路から発生する熱は、結合パッドと埋戻し材層の両方を通過して、非平面組立品の冷却を促進し得る。一実施形態において、埋戻し材層は、非平面(non−pla
nar)組立品中の空隙の熱絶縁を減少させ又は取り除き得る。または、非平面組立品を、液体(例えば、シリコンオイル)に浸漬して空隙を満たし、冷却効果を得られ得る。
【0046】
積層物は、二層に限定されず、あるいは、丸形状に限定されない。千鳥足状の溝穴を有する多重チップの非平面3D積層物を形成することができる。電力、信号及びデータは、層の間を飛び越えて溝穴を横切り、積層片と隣接片との間に電力と信号とを分配することができる。能動デバイスは曲げ応力下にあるため、N型MOSトランジスタにおける縦方向と横方向の両方への引張応力
による相互コンダクタンスの増加、及びP型トランジスタの場合の
相互コンダクタンスの増加又は減少
のような、応力
によって誘起される効果は、システム設計において考慮されあらかじめ補正され得る。
【0047】
図8A〜8Cは、本明細書中の一実施形態における薄ダイス/ウエハー又は基板の湾曲積層物を組み立てるための例示的な手順を示すブロック図である。例えば、
図8Aの手順800Aでは、2つの薄チップである第一薄チップ807と第二薄チップ809が、組立装置に保持され得る。一実施形態において、組立装置は、加圧ユニット803(例えば、上部ユニット)、ホルダーユニット805(例えば、下部ユニット)、及び制御ユニット801を備え得る。加圧ユニット803及び/又はホルダーユニット805は、並進及び/又は回転運動を含む三次元様式で動作し、例えば、制御ユニット801によって制御され得る。
【0048】
一実施形態において、第一薄チップ807と第二薄チップ809は、吸引、静電気又はその他の手段のいずれかで、加圧ユニット803とホルダーユニット805とによって、別個に保持され得る。例えば、加圧ユニット803又はホルダーユニット805は、吸引経路の小孔又は開口部であるリングを有する吸引チャックを備え、吸着力を与えて薄チップを保持し得る。加圧ユニット803とホルダーユニット805とは、整合面で結着し、保持される薄チップを変形し得る。一実施形態において、第一薄チップ807は、加圧ユニット803によって保持される場合、加圧ユニット803の第一湾曲面811上で変形され得る。第二薄チップ809は、ホルダーユニット805によって保持される場合、ホルダーユニット805の第二湾曲面813上で変形され得る。第一薄チップ807及び/又は第二薄チップ809は、チップの可撓性を高めて変形させる(又は、湾曲させる、曲げる)、溝穴を備え得る。第一湾曲面811と第二湾曲面813は、共通の湾曲を有して互いに整合し得る。
【0049】
図8Bの手順800Bでは、ホルダーが一直線に配置された後、接触し得る。例えば、ホルダーユニット805は、クリア又は透明であり、
第一薄チップ807と第二薄チップ809を介して、加圧ユニット803と一直線に配置させ得る。一実施形態において、ホルダー間を一直線に配置することは、第一薄チップ807と第二薄チップ809との間の対応する結合パッドを整合することに基づき(例えば、マスクに基づき)得る。
【0050】
加圧ユニット803は、三次元回転で回転して、保持されたチップを一直線に配置し得る。一実施形態において、加圧ユニット803は拘束されて、一次元並進で(例えば、ホルダーユニット805に向かって又は離間して)動作し、ホルダーの表面(例えば、第一湾曲面811と第二湾曲面813)を互いに整合させ得る。ある実施形態において、ホルダーの表面は、共通する曲率中心(又は、球の中心)で整合し得る。
【0051】
加圧ユニット803とホルダーユニット805が接触するにつれて、熱と圧力とが付与されて、金属薄層結合部位の特定の領域(例えば、結合領域819)で、第一薄チップ807と第二薄チップ809とを結合し得る。金属薄層結合部位は、薄チップ間に整合パッドと一直線に配置されたパッドを備え得る。一実施形態において、パッドが、制御された昇温範囲で共に溶融し得る。例えば、約100〜180℃(摂氏)の熱が、スズ/鉛系パッドに用いられ得る。あるいは、約350〜450℃の熱が、金合金製パッドに必要とされ得る。
【0052】
図8Cの手順800Cでは、加圧ユニット803が、保持する第一
薄チップ807を切り離し、加圧ユニット803をホルダーユニット805から分離し得る。第二
薄チップ809と結合する第一
薄チップ807を備える非平面組立品は、達成されたチップ間の結合から与えられる相互の拘束を介して、湾曲
状態が保持され得る。
【0053】
上記明細書では、本発明について、その具体的で例示的な実施形態を参照して説明した。以下の特許請求の範囲に記載の本発明の上位の範囲から逸脱しない範囲において、本発明に種々の改変を行うことができることは明らかである。本発明は、具体的な、形態、図面、縮尺及び開示された詳細情報に限定されるものではない。従って、本明細書及び図面は、制限的な意味というよりはむしろ、説明的な意味として見なされるべきである。