特許第6307575号(P6307575)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6307575スクリーンシャッターを含むスクリーン野球システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6307575
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】スクリーンシャッターを含むスクリーン野球システム
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/00 20060101AFI20180326BHJP
   A63B 69/40 20060101ALI20180326BHJP
【FI】
   A63B69/00 505F
   A63B69/00 A
   A63B69/40 Z
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-212119(P2016-212119)
(22)【出願日】2016年10月28日
(65)【公開番号】特開2018-38776(P2018-38776A)
(43)【公開日】2018年3月15日
【審査請求日】2016年10月28日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0115037
(32)【優先日】2016年9月7日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516325327
【氏名又は名称】リアルヤグ ゾーン カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Realyagu Zone Co.,Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】イ、スン ジン
(72)【発明者】
【氏名】クォン、ハン ジョ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒョン ゴン
【審査官】 砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第6082350(US,A)
【文献】 登録実用新案第3003341(JP,U)
【文献】 実開昭55−10655(JP,U)
【文献】 米国特許第5195744(US,A)
【文献】 特許第5965089(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/00−69/40
A63F 9/24
A63F 13/00−13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像部(220);
野球ボールを吐出するピッチングマシン(390);
前記映像部(220)から投射された映像が再生され、前記ピッチングマシン(390)から吐出された野球ボールが通過するスクリーンホール(251)を備えたスクリーン(250);
制御部を通じて前記ピッチングマシン(390)に野球ボール吐出信号を印加する吐出信号装置(210);及び
前記ピッチングマシン(390)と、前記スクリーン(250)との間に備えられ、前記スクリーンホール(251)を閉鎖する安全スクリーン(358)を含み、前記吐出信号装置(210)から印加される野球ボール吐出信号に連動して作動する、スクリーンシャッター(350)を含み、
前記制御部が前記ピッチングマシン(390)に野球ボール吐出信号を印加した後に野球ボール吐出を感知しない場合、前記映像部(220)が前記スクリーン(250)に第1の警告映像を投射し、前記スクリーンシャッター(350)が開放状態であることをさらに感知した場合、前記映像部(220)が、前記スクリーン(250)に前記第1の警告映像と相違する第2の警告映像を投射する、スクリーン野球システム。
【請求項2】
前記スクリーンシャッター(350)は、閉鎖状態と開放状態のいずれか一つの状態作動し、閉鎖状態で前記安全スクリーン(358)が、前記スクリーンホール(251)を閉鎖し、前記制御部により、前記スクリーンシャッター(350)が閉鎖状態と開放状態のいずれか一つの状態作動する、請求項1に記載のスクリーン野球システム。
【請求項3】
前記吐出信号装置(210)から前記制御部に野球ボール吐出信号を印加した場合、前記制御部は、前記スクリーンシャッター(350)を開放状態作動させ、前記ピッチングマシン(390)を作動させて野球ボールを吐出させる、請求項2に記載のスクリーン野球システム。
【請求項4】
前記スクリーンシャッター(350)は、開放状態作動した後、予め設定された所定の時間が経過すると、自動的に閉鎖状態作動する、請求項3に記載のスクリーン野球システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記ピッチングマシン(390)の野球ボールが吐出されたかどうかを感知することができ、前記制御部が前記ピッチングマシン(390)に野球ボール吐出信号を印加した後に野球ボールの吐出を感知できない場合、前記制御部は、前記スクリーンシャッター(350)を閉鎖状態作動させる、請求項3に記載のスクリーン野球システム。
【請求項6】
前記スクリーンシャッター(350)は、
フレーム(351);
前記安全スクリーン(358)が巻き取られ、前記フレーム(351)の内側に位置する回転軸(352、353);
前記安全スクリーン(358)が固定されるタイミングベルト(357);
前記回転軸(352、353)の一端に同軸に締結され、前記タイミングベルト(357)が巻き取られたプーリー(354,355);
前記フレーム(351)を固定させる据置部(359);及び
前記プーリー(354,355)のいずれか一つ以上を駆動させる一つ以上の駆動部(356)を含み、前記駆動部(356)のいずれか一つ以上が作動され、前記プーリー(354,355)中、前記いずれか一つ以上が回転することにより、前記安全スクリーン(358)が、前記スクリーンホール(251)を開放又は閉鎖する、請求項1に記載のスクリーン野球システム。
【請求項7】
前記プーリー(354,355)中、前記いずれか一つ以上が予め設定された角度だけ回転することにより前記スクリーンシャッター(350)が閉鎖状態から開放状態に作動し、この開放状態で前記ピッチングマシン(390)が野球ボールの吐出を完了すると、前記駆動部(356)が前記プーリー(354,355)中、前記いずれか一つ以上を前記予め設定された角度だけ逆方向に回転させることにより、前記スクリーンシャッター(350)が閉鎖状態に作動する、請求項6に記載のスクリーン野球システム。
【請求項8】
前記駆動部(356)が前記プーリー(354,355)中、前記いずれか一つ以上を前記予め設定された角度だけ回転させることにより、前記スクリーンシャッター(350)開放状態作動し、その後、予め設定された所定の時間が経過すると、前記スクリーンシャッター(350)が自動的に閉鎖状態作動する、請求項7に記載のスクリーン野球システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン野球システムに関し、安全事故防止のためにスクリーンシャッターを含むスクリーン野球システムに関する。
【背景技術】
【0002】
「スクリーン野球(screen baseball)」は、映像が投射されるスクリーン及びスクリーンの背面に位置するピッチングマシンを利用し、ユーザーが投射される映像を見ながら、実際の野球ゲームと類似に進行される野球ゲームを意味する。
【0003】
図1及び図2を参照し、従来技術によるスクリーン野球システムを説明する。
スクリーン野球システムのスペースは、安全エリア(100)、ゲームエリア(200)及びピッチングエリア(300)に区分することができる。
【0004】
安全エリア(100)は、セーフティネット(120)等によりゲームエリア(200)と区別され、保護されたエリアである。セーフティネット(120)には、ゲームエリア(200)への出入のための出入ドア(125)が具備される。
【0005】
ゲームエリア(200)には、吐出信号装置(210)、映像部(220)、センサー(230)及びスクリーン(250)などが位置する。
吐出信号装置(210)は、ユーザーが野球ボール吐出信号を制御部(図示せず)に印加するための構成である。ペダルのような形状であることができる。ユーザーが吐出信号装置(210)を踏むと野球ボールが吐出される。
【0006】
映像部(220)は、制御部から映像情報の印加を受け、スクリーン(250)に映像を投射する。投射される映像の例示が図2で示される。
センサー(230)は、ユーザーがバッティングした野球ボールの位置と速度をセンシングする。
【0007】
スクリーン(250)の中間にはスクリーンホール(251)が位置する。ピッチングマシン(390)から吐出された野球ボールはスクリーンホール(251)を介してゲームエリア(200)のユーザーに向けて高速で移動し、ユーザーがこれを打撃(バッティング)することによりゲームが行われる。
【0008】
ピッチングエリア(300)は、スクリーン(250)によりゲームエリア(200)と区分される。ピッチングマシン(390)が、ここに位置して野球ボールを吐出する。
スクリーン野球ゲームが進行される間、ピッチングマシン(390)の故障やジャミング(jamming)、野球ボールの未補充などの多様な理由により、ユーザーが吐出信号装置(210)を踏んで野球ボール吐出信号を印加したにもかかわらず、野球ボールが吐出されない場合が発生する。この場合、ユーザーは野球ボールが引き続いて吐出されないと思ってゲームエリア(200)内で自由に移動する場合がしばしばあるが、ピッチングマシン(390)から突然野球ボールが吐出されて事故が発生し得る。図3及び図4を参照し、従来のスクリーン野球システムでの事故予防の方法を具体的に説明する。
【0009】
制御部にゲーム開始信号が印加されてスクリーン野球ゲームが開始された状態で(S310)、ユーザーが吐出信号装置(210)を踏んで制御部に野球ボール吐出信号を印加する(S320)。制御部は、野球ボールを吐出するようにピッチングマシン(390)を動作させるが(S330)、ピッチングマシン(390)が、野球ボールを正常に吐出するかどうかをセンサーなどを通じて感知し、野球ボールの吐出が感知されない場合、映像部(220)がスクリーン(250)に警告映像を投射する(S340)。
【0010】
投射される警告映像の一例が図4で示される。いつでもピッチングマシン(390)から野球ボールが吐出することがあるから注意するよう呼びかけている映像である。警告音声等が別途のスピーカー(図示せず)から出力されてもよい。
【0011】
このような従来技術によると、事故防止のための警告映像のみをスクリーン(250)に投射するに止まるため、ユーザーがこれを認知しないか、または無視してゲームエリア(200)内で移動を続けると、事故が発生する可能性が依然として残る。
【0012】
一方、これに関連した従来技術を検討すると、次の通りである。
特許文献6は、プーリーを利用して野球ボールが吐出される場合にのみ開放される吐出防止スクリーンを備えたピッチングマシンを開示する。ピッチングマシンは、一般に時速100km以上に野球ボールが吐出されるが、プーリーの原理を利用するため、野球ボールが吐出されることを十分に防止することができない。
【0013】
特許文献7は、ピッチングマシンの野球ボール吐出口に正確に付着する安全金網を開示する。これは、バッティングされた野球ボールからピッチングマシンを保護する構成であり、野球ボールからユーザーを保護する構成ではない。
【0014】
特許文献8は、T字型スクリーンホールを備えたスクリーン野球装置を開示する。やはり、ピッチングマシンの誤作動により誤って吐出された野球ボールは、依然としてユーザーに向けて移動することができるため、安全事故予防の効果がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】韓国登録特許10−1543371号公報
【特許文献2】韓国登録特許10−1546666号公報
【特許文献3】韓国登録特許10−1572525号公報
【特許文献4】韓国登録特許10−1572526号公報
【特許文献5】韓国登録特許10−1573912号公報
【特許文献6】米国登録特許7413521号公報
【特許文献7】米国登録特許8747259号公報
【特許文献8】米国登録特許6513512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、前記のような課題を解決しようとする。
具体的には、スクリーン野球で発生し得る事故をより効果的に防止するための構成を提供しようとする。
【0017】
単に警告映像を投射するだけでは危険な状況でユーザーが移動することを防止することができないため、危険な状況で野球ボールが吐出されることを根本的に防止し、事故を根本的に防止するシステムを提供しようとする。
【0018】
特に、いずれか一つの部品の誤作動が発生しても、他の事故防止システムが作動され、二重、三重以上の事故予防が可能なシステムを提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記のような課題を解決するために、本発明は、野球ボールを吐出するピッチングマシン(390);前記ピッチングマシン(390)から吐出された野球ボールが通過するスクリーンホール(251)を備えたスクリーン(250);及び前記ピッチングマシン(390)と、前記スクリーン(250)との間に備えられ、前記スクリーンホール(251)を閉鎖する安全スクリーン(358)を含む、スクリーンシャッター(350)を含む、スクリーン野球システムを提供する。
【0020】
また、前記スクリーン野球システムは、制御部を通じて前記ピッチングマシン(390)に野球ボール吐出信号を印加する吐出信号装置(210)をさらに含み、前記スクリーンシャッター(350)は、前記吐出信号装置(210)から印加される野球ボール吐出信号に連動して作動することが望ましい。
【0021】
また、前記スクリーンシャッター(350)は、閉鎖状態と開放状態のいずれか一つの状態作動し、閉鎖状態で、前記安全スクリーン(358)が、前記スクリーンホール(251)を閉鎖し、前記制御部により、前記スクリーンシャッター(350)が閉鎖状態と開放状態のいずれか一つの状態作動することが望ましい。
【0022】
また、前記吐出信号装置(210)から前記制御部に野球ボール吐出信号を印加した場合、前記制御部は、前記スクリーンシャッター(350)を開放状態作動させ、前記ピッチングマシン(390)を作動させて野球ボールを吐出することが望ましい。
【0023】
また、前記スクリーンシャッター(350)は、開放状態作動した後、予め設定された所定の時間が経過すると、自動的に閉鎖状態作動することが望ましい。
また、前記制御部は、前記ピッチングマシン(390)の野球ボール吐出如何を感知することもでき、この場合、前記制御部が前記ピッチングマシン(390)に野球ボール吐出信号を印加した後に、野球ボールの吐出を感知できない場合、前記制御部は、前記スクリーンシャッター(350)を閉鎖状態作動させることが望ましい。
【0024】
また、前記スクリーン野球システムは、前記スクリーン(250)に映像を投射する映像部(220)をさらに含み、前記制御部が前記ピッチングマシン(390)に野球ボール吐出信号を印加した後に、野球ボールの吐出を感知しない場合、前記映像部(220)が前記スクリーン(250)に第1の警告映像を投射することが望ましい。
【0025】
また、前記制御部は、前記スクリーンシャッター(350)が閉鎖状態及び開放状態のうち、いずれの状態であるかを感知することができ、前記制御部が前記ピッチングマシン(390)に野球ボール吐出信号を印加した後に、野球ボールの吐出を感知できず、前記スクリーンシャッター(350)が開放状態であることを感知した場合、前記映像部(220)が前記スクリーン(250)に第2の警告映像を投射することが望ましい。
【0026】
また、前記スクリーンシャッター(350)は、フレーム(351);前記安全スクリーン(358)が巻き取られ、前記フレーム(351)の内側に位置する回転軸(352、353);前記安全スクリーン(358)が固定されるタイミングベルト(357);前記回転軸(352、353)の一端に同軸に締結され、前記タイミングベルト(357)が巻き取られたプーリー(354,355);前記フレーム(351)を固定させる据置部(359);及び前記プーリー(354,355)のいずれか一つ以上を駆動させる一つ以上の駆動部(356)を含み、前記駆動部(356)のいずれか一つ以上が作動され、前記プーリー(354,355)の前記いずれか一つ以上が回転することにより、前記安全スクリーン(358)が、前記スクリーンホール(251)を開放又は閉鎖することが望ましい。
【0027】
また、前記駆動部(356)が前記プーリー(354,355)の前記いずれか一つ以上を予め設定された角度だけ回させることにより、前記スクリーンシャッター(350)開放状態作動し、その後、予め設定された所定の時間が経過すると、前記スクリーンシャッター(350)が自動的に閉鎖状態作動することが望ましい。
【発明の効果】
【0028】
本発明により、スクリーン野球ゲーム中で発生し得る事故を根本的に予防することができる。ユーザーが警告映像を認知しないか、または無視した場合でも、事故が予防される。
【0029】
具体的には、ピッチングマシンの故障やジャミング、野球ボールの未補充などの多様な理由により、ユーザーが吐出信号装置を踏んで野球ボールの吐出信号を印加したにもかかわらず、野球ボールが吐出しない危険な状況の場合、ユーザーに向けて野球ボール突然吐出されることを根本的に防止することができ、事故を根本的に予防することができる。即ち、このような危険な状況でユーザーがゲームエリア内で自由に移動しても、事故を予防することができる。
【0030】
このような事故予防は、スクリーンシャッターにより可能であるが、スクリーンシャッター中の一部が誤作動する場合もあり得るところ、多数個の駆動部を具備させてスクリーンシャッターを作動するようにし、二重の警告映像を準備することにより、複合的に事故を予防することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】従来技術によるスクリーン野球システムを説明するための概略図である。
図2】従来技術によるスクリーン野球システムを説明するための写真である。
図3】従来技術によるスクリーン野球システムにおいて事故防止方法を説明するためのフローチャートである。
図4】従来技術によるスクリーン野球システムにおいて事故予防のために投射される警告画像を示す。
図5】本発明に係るスクリーン野球システムを説明するための概略図である。
図6】本発明に係るスクリーン野球システムを説明するための断面図である。
図7】本発明に係るスクリーン野球システムのスクリーンシャッターを説明するための斜視図である。
図8】本発明に係るスクリーン野球システムにおいて事故防止方法を説明するためのフローチャートである。
図9a】本発明に係るスクリーン野球システムにおいて事故防止方法のために投射される第1の警告映像を示す。
図9b】本発明に係るスクリーン野球システムにおいて事故防止方法のために投射される第2の警告映像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照し、本発明についてより詳しく説明する。
スクリーン野球システムの説明図5及び図6を参照し、本発明に係るスクリーン野球システムを説明する。
【0033】
本発明に係るスクリーン野球システムは、従来技術によるスクリーン野球システムと比較し、ピッチングエリア(300)にスクリーンシャッター(350)が備えられるという点が異なる。
【0034】
具体的には、本発明に係るスクリーン野球システムのスペースも安全エリア(100)、ゲームエリア(200)及びピッチングエリア(300)に区分される。制御部(図示せず)などのための他のエリアもさらに含められることはもちろんである。
【0035】
制御部は、スクリーン野球ゲームの開始、進行、中止などを行う。具体的な機能は以下の通りである。
センサー(230)でセンシングされた野球ボールの位置及び速度などを利用してユーザーの打撃結果を演算し、野球ゲームを進める。
−映像部(220)が、ゲーム映像、第1の警告映像、第2の警告映像などを投射するようにする。
−吐出信号装置(210)から野球ボール吐出信号の印加を受け、ピッチングマシン(390)を動作させる(ここで、野球ボール吐出信号は、吐出信号装置(210)から直接印加されることもでき、吐出信号装置(210)から制御部を経て印加されることができる)。
−ピッチングマシン(390)で実際に野球ボールが吐出されたかどうかを感知(カメラセンサーなどを利用することができる)。
−スクリーンシャッター(350)を閉鎖状態または開放状態作動させる。
−スクリーンシャッター(350)が実際に閉鎖状態または開放状態であるかどうかを感知する。
【0036】
一方、従来技術のように、安全エリア(100)は、セーフティネット(120)等によりゲームエリア(200)と区別され、保護されたエリアである。ユーザーが待機し、ゲームの進行のためのユーザー端末(110)が位置する。ユーザーは、ユーザー端末(110)を利用してゲーム開始、ゲーム中止、情報の確認など、多様な作業を行うことができる。
【0037】
ユーザーが安全エリア(100)からゲームエリア(200)に進入しようとする場合、セーフティネット(120)に備えられた出入ドア(125)を通過しなければならない。出入ドア(125)は、安全事故予防のためにゲーム中は閉じた状態を維持しなければならない。
【0038】
ゲームエリア(200)は、野球ボールが吐出され、ユーザーがバッティングしてゲームが進行されるエリアである。吐出された野球ボールとバッティングされた野球ボールが高速で移動するエリアであるため、安全事故が発生し得るエリアである。これにより、ここに進入するユーザーは、ヘルメットなどの安全装備を身に着けなければならない。
【0039】
ゲームエリア(200)には、吐出信号装置(210)、映像部(220)、センサー(230)及びスクリーン(250)などが位置する。傾斜面がある野球ボールを収集部(205)が備えられ、バッティングされた野球ボールがピッチングエリア(300)に手動または自動で移送することもできる。
【0040】
吐出信号装置(210)は、ユーザーが野球ボール吐出信号を制御部に印加するための構成である。ユーザーが吐出信号装置(210)を踏んで後述するスクリーンシャッター(350)が開放状態である場合、野球ボールゲームエリア(200)に吐出される。
【0041】
映像部(220)は、制御部から映像情報の印加を受け、スクリーン(250)に映像を投射する。また、後述する第1の警告映像及び第2の警告映像をスクリーン(250)に投射することができる。
【0042】
センサー(230)は、ユーザーがバッティングした野球ボールの位置と速度をセンシングして制御部に提供する。カメラのセンサー(または、方法においてラインセンサー、ビジョンセンサーなどを利用)野球ボールの位置と速度をセンシングすることができる任意のセンサーであっても構わない。制御部は、センサー(230)でセンシングされた値を使用して打撃の結果を演算し、これを再び映像部(220)に伝送することにより、スクリーン野球ゲームが全般的に進行される。従来技術であるところ、詳細な説明は省略する。
【0043】
スクリーン(250)の中間にはスクリーンホール(251)が位置する。ピッチングマシン(390)から吐出された野球ボールはスクリーンシャッター(350)及びスクリーンホール(251)を通過してゲームエリア(200)のユーザーに向けて移動する。
【0044】
ピッチングエリア(300)は、スクリーン(250)によりゲームエリア(200)と区分される。
ピッチングエリア(300)には、スクリーンシャッター(350)とピッチングマシン(390)が位置する。
【0045】
スクリーンシャッター(350)は、ピッチングマシン(390)とスクリーン(250)との間に位置し、閉鎖状態で安全スクリーン(358)がスクリーンホール(251)を閉鎖することができるように位置する。スクリーンシャッター(350)については以下に詳しく説明する。
【0046】
ピッチングマシン(390)は、野球ボールを吐出する。野球ボールを吐出することができる任意のピッチングマシンであっても構わない。
スクリーンシャッターの説明図7図9a及び図9bをさらに参照し、本発明に係るスクリーンシャッター(350)を詳しく説明する。
【0047】
スクリーンシャッター(350)は、フレーム(351)、第1の回転軸(352)、第2の回転軸(353)、第1のプーリー(354)、第2のプーリー(355)、駆動部(356)、タイミングベルト(357)、安全スクリーン(358)及び据置部(359)を含む。
【0048】
第1の回転軸(352)及び第2の回転軸(353)は、フレーム(351)の内側において安全スクリーン(358)を巻き取るように両側面に位置する。
第1のプーリー(354)及び第2のプーリー(355)は、第1の回転軸(352)及び第2の回転軸(353)のそれぞれの一端に同軸に締結され、タイミングベルト(357)が、これに巻き取られる。
【0049】
これにより、タイミングベルト(357)は、第1のプーリー(354)及び第2のプーリー(355)のいずれか一つ以上の回転により移動する。タイミングベルト(357)には、安全スクリーン(358)が固定されている。
【0050】
安全スクリーン(358)は、スクリーンホール(251)を閉鎖する構成であり、高速で吐出される野球ボールを安全に閉鎖することができる材質で構成される。タイミングベルト(357)の移動により安全スクリーン(358)が移動するが、第1の回転軸(352)及び第2の回転軸(353)のいずれか一つ以上に巻き取られることができる。
【0051】
据置部(359)は、スクリーンシャッター(350)をしっかりと固定させる。
このため、据置部(359)がスクリーンホール(251)の背面に位置し、地面に固定された別途の固定部材に固定されるか、またはピッチングマシン(390)のフレーム自体に固定することができる。
【0052】
駆動部(356)は、第1のプーリー(354)及び第2のプーリー(355)のいずれか一つ以上を駆動させる。図7では、第1のプーリー(354)を駆動させることができるようにその下側に位置したもので示されるが、第2のプーリー(355)の下側に位置してこれを作動させても構わない。
【0053】
好ましくは、駆動部(356)が多数個備えられ得る。即ち、いずれか一つ以上の駆動部の誤動作の際、他の一つの駆動部が作動するようにすることにより、駆動部の誤動作による安全事故をさらに予防することができる。
【0054】
スクリーンシャッター(350)は、閉鎖状態と開放状態のいずれか一つの状態に維持され、制御部により自動的にまたは手動で他の状態作動することができる。
閉鎖状態は、安全スクリーン(358)がスクリーンホール(251)を完全に閉鎖した状態である。この場合、ピッチングマシン(390)で野球ボールが吐出しても安全スクリーン(358)で塞がってゲームエリア(200)に達しない。これにより、スクリーン野球システムにおける安全事故を根本的に予防する。
【0055】
開放状態は、安全スクリーン(358)がスクリーンホール(251)を閉鎖しないため、野球ボールがスクリーンホール(251)を介してゲームエリア(200)に達することができる状態である。
【0056】
スクリーンシャッター(350)は、普段は閉鎖状態を維持することが望ましい。即ち、野球ボールを吐出する必要がある場合にのみ、開放状態作動されることが望ましい。このため、ユーザーが吐出信号装置(210)を通じて野球ボール吐出信号を制御部に印加した場合、これに連動してスクリーンシャッター(350)が開放状態作動される。
【0057】
一旦、ボールが吐出された後には、再び閉鎖状態に復帰しなければならない。即ち、開放状態作動した後、予め設定された所定の時間が経過すると、自動的に閉鎖状態作動することが望ましい。
【0058】
このため、プーリー(354,355)中、駆動部(356)により作動されたいずれか一つ以上が予め設定された角度だけ回転した場合、駆動部(356)が作動したプーリーを前記予め設定された角度だけ逆方向または順方向に回転させる構成を採用することができる。
【0059】
予め設定された所定の時間が経過しなくても、制御部がピッチングマシン(390)の誤作動を感知した場合は、直ちにスクリーンシャッター(350)を閉鎖状態作動させなければならない。即ち、制御部がピッチングマシン(390)に野球ボール吐出信号を印加した後に野球ボール吐出を感知しない場合は、スクリーンシャッター(350)をすぐに閉じた状態作動させなければならない。
【0060】
ピッチングマシン(390)の誤作動を感知した制御部は、スクリーンシャッター(350)の作動とは別途に、映像部(220)を介して第1の警告映像を投射することにより、ユーザーに事故の危険性をさらに警告することが望ましい。第1の警告映像の例示が図9aで示される。
【0061】
一方、ピッチングマシン(390)の誤作動と共に、スクリーンシャッター(350)も誤作動する場合、すなわち、制御部がピッチングマシン(390)に野球ボール吐出信号を印加した後に野球ボール吐出を感知できなかったが、スクリーンシャッター(350)も閉鎖状態作動されず、依然として開放状態であることを感知した場合が、事故の危険性が最も高い場合である。
【0062】
この場合、多数の駆動部(356)中、予備として備えられた駆動部(356)を作動させて、再度スクリーンシャッター(350)の閉鎖状態の作動を試み、スクリーン野球ゲームルームの管理者にもエラーメッセージを伝送する一方、ゲームエリア(200)にいるユーザーにも強力な警告映像を投射しなければならない。即ち、この場合、制御部は、映像部(220)がスクリーン(250)に第2の警告映像を投射するようにするが、第2の警告映像は、前述した第1の警告映像より高いレベルで警告をする映像である。第2の警告映像の例示が、図9bで示される。
【0063】
事故予防方法の説明図8図9a及び図9bをさらに参照し、本発明に係るスクリーン野球システムでの事故防止方法を説明する。
制御部に、ゲーム開始信号が印加されてスクリーン野球ゲームが始まる(S810)。スクリーンシャッター(350)は、閉鎖状態で引き続き維持されなければならない(S820)。
【0064】
ユーザーが吐出信号装置(210)を踏んで制御部に野球ボール吐出信号を印加する(S830)。
制御部は、スクリーンシャッター(350)を開放状態作動させ、野球ボールを吐出するようにピッチングマシン(390)を動作させる(S850)
次に、制御部は、ピッチングマシン(390)が、野球ボールを正常に吐出するかどうかを感知する(S860)。
【0065】
ピッチングマシン(390)が、野球ボールを正常に吐出した場合、制御部がスクリーンシャッター(350)に、別途の信号を印加して閉鎖状態作動させたり、または予め設定された所定の時間が経過し、自動的にスクリーンシャッター(350)が閉鎖状態作動することもできる(S870)。
【0066】
ピッチングマシン(390)が、野球ボールを正常に吐出できない場合、事故の可能性が増加するところ、予め設定された所定の時間が経過する前であっても、制御部は、スクリーンシャッター(350)を閉鎖状態作動させ、映像部(220)を通じてスクリーン(250)に第1の警告映像(図9a)を投射させる(S871)。
【0067】
制御部は、スクリーンシャッター(350)が閉鎖状態作動されるかどうかを確認する(S880)。正常に作動された場合、スクリーンシャッター(350)の閉鎖状態を引き続き維持し、(S890)吐出信号装置(210)による次の信号を待機する。
【0068】
スクリーンシャッター(350)が正常に作動しない場合は、事故の危険性が高い場合である。S860段階でピッチングマシン(390)の誤作動が確認されるとともに、スクリーンシャッター(350)が誤作動の場合は、当然、事故の危険性が最も高い場合であり、ピッチングマシン(390)が正常に作動した後、スクリーンシャッター(350)が誤作動した場合でも、次のピッチングマシン(390)の誤作動時に事故の危険性が高くなることは同様である。
【0069】
この場合、予備として備えられた駆動部(356)を作動させ、再度スクリーンシャッター(350)の閉鎖状態の作動を試み、スクリーン野球ゲームルームの管理者にもエラーメッセージを伝送する一方、ゲームエリア(200)にあるユーザーにも強力な第2の警告映像(図9b)を投射する(S891)。
【0070】
一方、本発明の権利範囲は野球以外の他のスクリーンスポーツ種目のうち、スクリーンホールを通過し、ボールが吐出される種目にも影響を与えることができるものである。例えば、ソフトボール、クリケット、テニスなど一種のピッチングマシンから吐出されたボールがスクリーンホールを通過し、高速でユーザーに吐出されることを防止するためにも、本発明の権利範囲が影響を与えることができるだろう。
【0071】
前記では、本発明の好適な実施例を参照して説明したが、当業界において通常の知識を有する者であれば、以下の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び範囲を逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正及び変更させることができることを理解することができるだろう。また、多様な実施例のいずれか一つ以上が組み合わせられる場合も、本発明の範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0072】
100:安全エリア
110:ユーザー端末
120:セーフティネット
125:出入ドア
200:ゲームエリア
205:野球ボール収集部
210:吐出信号装置
220:映像部
230:センサー
250:スクリーン
251:スクリーンホール
300:ピッチングエリア
350:スクリーンシャッター
351:フレーム
352:第1の回転軸
353:第2の回転軸
354:第1のプーリー
355:第2のプーリー
356:駆動部
357:タイミングベルト
358:安全スクリーン
359:据置部
390:ピッチングマシン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b