(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プレートの水平方向の最大長さは、前記X線束の広がりが異なる複数の撮影モードのうちの前記X線束の広がりが最小である局所撮影モードで得られる撮影視野の直径以下に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のX線撮影装置。
前記プレートの水平方向の最大長さは、前記X線束の広がりが異なる複数の撮影モードのうちの1歯または2歯撮影用の局所撮影モードで得られる撮影視野の直径以下に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のX線撮影装置。
前記プレートは、前記局所撮影モードで得られる撮影視野の直径以下の直径を持つ円板状を呈しており、水平に配置されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のX線撮影装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
スカウトショットで得られた画像において関心領域を指定する技術は、本来の撮影とは別にスカウトショットが必要になるとともに被検者がスカウトショットに要する時間を含む長い時間拘束されることになり、被検者の負担が大きい。
【0007】
特許文献1に記載の技術では、被検者の噛合によってバイトプレートに歯型が形成された後、バイトプレートが水平移動されて該バイトプレートの所望の部位を交点とする十字の光ビームが照射される。次に、バイトプレート上に撮影視野確認プレートが載置され、十字の光ビームの交点と撮影視野確認プレートの中心とが合致させられる。これにより、撮影視野に関心領域が納まっていることを確認できる。そして、被検者が再度バイトプレートを噛み、その状態で撮影が行われる。このように、特許文献1に記載の技術は、構成が複雑であるとともに撮影作業が煩雑になるため改善の余地があった。
【0008】
本発明は、前記した事情に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で撮影作業性の向上および被検者の負担の軽減を図りつつ、小さい撮影視野に関心領域を納めることが可能なX線撮影装置およびX線撮影方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明に係るX線撮影装置は、X線束を被検者の被写体に照射するX線源と、前記被写体を透過した前記X線束を検出するX線撮像手段と、前記X線源および前記X線撮像手段を支持する支持部材と、該支持部材を鉛直方向に沿う回転中心軸の周りに回転させて前記X線源および前記X線撮像手段を前記被写体の周りで旋回させる旋回手段と、CT撮影時に前記被検者が噛むプレートと、を備え、前記プレートと前記回転中心軸との水平方向の相対位置が固定されて
いて一定であり、前記プレートは、前記回転中心軸の延長線上に配置されていることを特徴とする。
【0010】
この構成では、被検者が診断の目的部位に対応する歯や部位で回転中心軸の延長線上にあるプレートを噛んだ状態において撮影するだけで、小さい撮影視野に関心領域を納めることが可能となる。また、従来のようなスカウトショットが不要になるとともに被検者が長い時間拘束されずに済むため、被検者の負担が軽減される。
すなわち、本発明によれば、簡易な構成で撮影作業性の向上および被検者の負担の軽減を図りつつ、小さい撮影視野に関心領域を納めることが可能なX線撮影装置を提供できる。
【0011】
前記X線撮影装置において、前記プレートの水平方向の最大長さは、前記X線束の広がりが異なる複数の撮影モードのうちの前記X線束の広がりが最小である局所撮影モードで得られる撮影視野の直径以下に設定されていることが好ましい。
【0012】
この構成では、X線束の広がりが最小である局所撮影モードで得られる撮影視野に関心領域を納めることができる。
【0013】
前記X線撮影装置において、前記プレートの水平方向の最大長さは、前記X線束の広がりが異なる複数の撮影モードのうちの1歯または2歯撮影用の局所撮影モードで得られる撮影視野の直径以下に設定されていることが好ましい。
【0014】
この構成では、1歯または2歯撮影用の局所撮影モードで得られる撮影視野に関心領域を納めることができる。
【0015】
前記X線撮影装置において、前記プレートは、前記局所撮影モードで得られる撮影視野の直径以下の直径を持つ円板状を呈しており、水平に配置されていることが好ましい。
【0016】
この構成では、鉛直方向(上下方向)から見てプレートの形状が撮影視野の形状と同様な円形を呈している。このため、被検者はプレートを噛みやすくなるとともに、局所撮影モードで得られる撮影視野に関心領域をより確実に納めることが可能となる。
【0017】
前記X線撮影装置において、前記プレートには、該プレートの中心位置を示す中心表示部が設けられていることが好ましい。
【0018】
この構成では、操作者が目視してプレートを患者の口腔内で位置決めする際、撮影視野の中心位置を確認することが可能となる。
【0019】
前記X線撮影装置において、前記プレートと前記回転中心軸との水平方向における位置がそれぞれ固定されていることが好ましい。
【0020】
この構成では、プレートや回転中心軸の水平面内における移動機構が不要であり、より簡易な構成を実現できるとともにコストの低減が図られる。
【0021】
前記X線撮影装置は、前記被検者の頭部を固定する頭部固定装置を備え、前記頭部固定装置は、前記頭部の固定位置が調整可能に構成されていることが好ましい。
【0022】
関心領域がどこかによって被検者がプレートを噛んだときの頭部の位置がずれることになるが、この構成では、被検者がプレートを噛んだ状態における頭部にあわせて、頭部の固定位置を調整しつつ該頭部を固定できる。これにより、より安定した撮影が可能となり、精度の高い画像を得ることができる。
【0023】
前記課題を解決するため、本発明に係るX線撮影方法は、前記X線撮影装置を用いて撮影を行うX線撮影方法であって、前記被検者が前記プレートを噛むステップと、前記被検者が前記プレートを噛んだ状態において、前記旋回手段が前記支持部材を回転させて前記X線源および前記X線撮像手段を前記被写体の周りで旋回させながら、前記X線撮像手段が前記被写体を透過した前記X線束を検出するステップと、を含むことを特徴とする。
【0024】
前記X線撮影装置は、前記被検者の頭部を固定する頭部固定装置を備え、前記頭部固定装置は、前記頭部の固定位置が調整可能に構成されており、前記X線撮影方法は、前記被検者が前記プレートを噛んだ状態における前記被検者の前記頭部にあわせて、前記頭部固定装置によって前記頭部の固定位置が調整されるとともに該頭部が固定されるステップを含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、簡易な構成で撮影作業性の向上および被検者の負担の軽減を図りつつ、小さい撮影視野に関心領域を納めることが可能なX線撮影装置およびX線撮影方法を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下に示す各図において、共通する部分には同一の参照符号を付し、重複した説明を適宜省略する。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態に係る歯科用のX線撮影装置1を示す側面図である。
図1に示すように、X線撮影装置1は、支柱部2と、支柱部2に対して鉛直方向(上下方向)に移動自在に配設されたスライド本体部3とを備えている。スライド本体部3は、鉛直方向に延伸するスライド鉛直部31と、該スライド鉛直部31の上端に基端側が取り付けられ水平方向に延伸するスライド水平部32とを有している。スライド本体部3のスライド水平部32の下面側には、アーム4が、鉛直方向に沿う回転中心軸C1の周りに回転自在に配設されている。
【0029】
X線撮影装置1は、被写体にX線束L(
図4参照、以下同様)を照射するX線源11と、被写体を透過したX線束Lを検出するX線撮像手段12と、X線源11およびX線撮像手段12を支持する支持部材であるアーム4と、アーム4を回転中心軸C1の周りに回転させる旋回手段5と、を備えている。旋回手段5は、スライド水平部32に配設されている。また、X線撮影装置1は、旋回手段5やX線源11等の各部の動作を制御する制御装置と、X線撮像手段12が取得した投影画像を処理する画像処理手段とを備えている(いずれも図示せず)。
【0030】
X線撮影装置1において、被写体は、図示しない被検者としての患者の頭部における患部周辺に相当する。撮影を行う場合、患者は、アーム4の内側において頭部固定装置6によって頭部を固定して配置される。頭部固定装置6は、支持アーム33を介して、スライド鉛直部31に固定されている。そして、X線撮影装置1は、患者の頭部が固定された状態で、アーム4を被写体の回りに回転してCT撮影を行う。
【0031】
X線源11およびX線撮像手段12は、被写体を挟んで、互いに対峙するようにアーム4に配設されている。そして、サーボモータ等を備える旋回手段5によりアーム4を旋回させて、X線源11およびX線撮像手段12を被写体の周りに回転させ、X線源11から照射されたX線束Lが被写体を透過してX線撮像手段12で検出される。
【0032】
X線源11から照射されたX線束Lの範囲(広がり)を規制するスリット13が、アーム4に配設されている。このスリット13によって絞られたX線束Lが被写体を通過してX線撮像手段12で検出される。スリット13は、X線束Lの広がりを調整可能である。スリット13を配設したことで、散乱線の量を低減させることによって画質を向上させることができる。
【0033】
X線撮影装置1は、CT撮影においてX線束Lの広がりが異なる複数種類(ここでは、大小2種類)の撮影モードを備えている。X線束Lの広がりが大きい方の撮影モードでは、直径の大きい撮影視野(以下、「FOV」ともいう)が得られる。また、X線束Lの広がりが小さい撮影モードでは、直径の小さいFOVが得られる。本実施形態では、局所撮影モードは、X線束Lの広がりが最小(ここでは大小2種類のうちの小さい方)の撮影モードである小FOV撮影モードであり、小FOV撮影モードで得られるFOVを小FOVと呼ぶ。なお、局所撮影モードは、X線束Lの広がりが異なる複数の撮影モードのうちの1歯または2歯撮影用の撮影モードとも定義され得る。
【0034】
X線撮像手段12は、受光面が矩形の平面センサからなり、例えばCMOSセンサ、CCDセンサ、CdTeセンサ、その他のイメージセンサで構成されている。
【0035】
図2は、
図1に示される頭部固定装置6の周辺を示す斜視図である。
図3(a)は、頭部固定装置6の平面図、
図3(b)は、頭部固定装置6の側面図、
図3(c)は、頭部固定装置6の正面図である。
図2、
図3に示すように、頭部固定装置6は、基部61と、本体部62と、頭部押さえ手段63と、下顎部支持手段64とを備えている。頭部固定装置6は、患者の頭部の固定位置が調整可能となるように構成されている。
【0036】
基部61の正面部には、操作パネル611が配設されている。操作者は、操作パネル611を通して、X線撮影装置1の各種動作を実行させることができる。基部61の側面部には、支持アーム33の先端部が接続されている。
【0037】
基部61には、本体部62が設けられている。本体部62は、基部61に対して上下方向A1(
図3(b)参照)に移動可能である。本体部62に設けられたレバー等の操作部材621を例えば押し上げるように操作することによって本体部62の上下動がフリーとなり、操作部材621の押し上げを解除すると本体部62が上下方向において固定されるようになっている。
【0038】
頭部押さえ手段63は、患者の左右のこめかみ部103,103(
図7参照)にそれぞれ当接する一対のパッド631,631と、一対のパッド631,631を支持するパッド支持部材632とを有している。ここで、こめかみ部は、厳密なこめかみ位置のほか、概ねこめかみ位置付近をも含む趣旨であり、前頭部における左右の部分に相当する。
【0039】
一対のパッド631,631は、患者に対して近接離反移動可能である。本実施形態では、一対のパッド631,631は、患者の左右方向に延びる軸線C2の周りで円周方向A2(
図3(b)参照)に移動可能となっている。具体的には、一対のパッド631,631を支持するパッド支持部材632が、軸線C2に沿う回動軸635の周りで回動可能に本体部62に取り付けられている。パッド支持部材632の先端側の部分のみ、回動の様子を破線で示す(
図3(b)参照)。また、レバー等の操作部材638の操作によって、パッド支持部材632の回動をフリーにしたり禁止(固定)したりすることが可能となっている。
【0040】
パッド支持部材632は、パッド631が取り付けられているパッド取付部633と、左右に配置される一対の支持板634,634とを有している。パッド取付部633の左右の端部は、一対の支持板634,634の各先端部にそれぞれ固定されている。また、一対の支持板634,634の基端部は、本体部62にそれぞれ回動可能に取り付けられている。パッド631は、柔軟性を有する介在部材637(
図3(a)参照)を介してパッド取付部633に取り付けられている。介在部材637は、例えばゴム製であり、略円柱または略円筒状を呈している。
【0041】
一対のパッド631,631は、患者に当接する当接面636をそれぞれ有している。一対の当接面636,636の各法線の間の挟角α(
図7参照)は、90度〜150度、好ましくは110度〜130度、より好ましくは約120度に設定されている。ただし、挟角αは、前記値に必ずしも限定されるものではない。
【0042】
回動軸635は、軸線C2に沿うA3方向(
図3(c)参照)にスライド可能となっている。したがって、頭部押さえ手段63の全体が、軸線C2に沿うA3方向にスライド可能となる。患者の左側の支持板634の周辺のみ、スライドの様子を破線で示す(
図3(c)参照)。また、ノブ等の操作部材622の操作によって、回動軸635のスライド移動をフリーにしたり禁止(固定)したりすることが可能となっている。
【0043】
下顎部支持手段64は、本体部62の上部に取り付けられており、患者の下顎部を支持する。下顎部支持手段64は、本体部62の上面部に設置された基体641と、基体641の患者側の端部に設けられた接触部材642とを有している。
【0044】
接触部材642は、患者の下顎部の下部の前側部分に接触する接触面643を持つ。接触面643上から外方に向けて延びる該接触面643の法線ベクトルV(
図3(b)参照)は、上下方向の成分および患者の前後方向の成分を有しているが、患者の左右方向の成分を有していない。すなわち、法線ベクトルVの患者の左右方向の成分はゼロとなっている。つまり、接触面643の左右の傾きは存在しない。ここでは、接触面643は、患者の後方に向かう方向において先端に近付くにしたがって下がるように傾斜する平面である。
【0045】
下顎部支持手段64の基体641には、上下方向に貫通する長孔644が形成されている。長孔644は、上下方向から見て患者の前後方向に長い長円を呈している。基体641の長孔644には、バイトプレート部材65が貫通している。接触部材642を備える下顎部支持手段64は、患者の前後方向A4(
図3(a)参照)に移動可能となっている。基体641の前側端部周辺のみ、移動の様子を破線で示す(
図3(a)参照)。
【0046】
バイトプレート部材65は、CT撮影時に患者が噛むプレート651と、プレート651を支持するL字状の支持棒652とを有している。バイトプレート部材65は、支持棒652の下端部が本体部62に設置されているブロック653に形成された穴部(図示せず)に挿入されることによって、本体部62に固定される。バイトプレート部材65は、ブロック653に対して着脱可能である。なお、プレート651が支持棒652に対して着脱可能に構成されてもよい。
【0047】
図1に示すように、プレート651と回転中心軸C1との水平方向の相対位置が固定されている。本実施形態では、プレート651と回転中心軸C1との水平方向における位置は、それぞれ固定されている。また、プレート651は、回転中心軸C1の延長線上に配置されている。
【0048】
図4(a)は、プレート651と小FOV14とを模式的に示す平面図、
図4(b)は、プレート651と小FOV14とを模式的に示す側面図である。
【0049】
図4に示すように、バイトプレート部材65のプレート651は、小FOV撮影モードで得られる小FOV14の直径D1以下の直径D2を持つ円板状を呈しており、水平に配置されている。ここで、水平とは、厳密な水平のほか、略水平をも含む趣旨である。回転中心軸C1の延長線は、プレート651の中心(平面視した図形の図心)を通っている。プレート651には、プレート651の中心位置を示す中心表示部654(
図5、
図6参照)が設けられている。ここでは、中心表示部654は、プレート651の中心に設けられた穴であり、有底穴であってもよく貫通孔であってもよい。なお、中心表示部654は、穴に限定されるものではなく、プレート651の中心位置が確認できる細工が施されたものであればよく、例えばプレート651に十字マークを印刷したり加工したりしたものであってもよい。
【0050】
なお、プレート651は円板状に限定されるものではない。例えば、プレート651は、楕円板状、四角板状等を呈していてもよい。この場合、プレート651の水平方向の最大長さが、小FOV14の直径D1以下に設定されることが好ましい。
【0051】
プレート651の材質としては、X線を透過し、或る程度の強度を持つ樹脂が適している。また、操作者が目視してプレート651を患者の口腔内で位置決めする際、容易かつ正確に作業を行うためには、歯牙が透過して見えたほうがよいので、プレート651としては、透明あるいは半透明の材質が適している。このような樹脂としては、ポリプロピレン、ナイロン系樹脂、ポリカーボネート、CFRP、液晶ポリマー等が採用され得る。
【0052】
次に、以上のように構成されたX線撮影装置1を用いてCT撮影を行うX線撮影方法について、
図5〜
図7を参照しながら説明する。
図5は、臼歯の撮影を説明するための図である。
図6は、前歯の撮影を説明するための図である。
図7は、頭部押さえ手段63によって患者の頭部を押さえる様子を説明するための図である。
【0053】
まず、患者がバイトプレート部材65のプレート651を噛む。このとき、患者は、診断の目的部位に対応する歯や部位で回転中心軸C1の延長線上にあるプレート651を噛む。すなわち、診断の目的部位としての関心領域が臼歯101である場合、患者は、
図5に示すように臼歯101でプレート651を噛む。一方、関心領域が前歯102である場合、患者は、
図6に示すように前歯102でプレート651を噛む。
【0054】
続いて、患者がプレート651を噛んだ状態における患者の頭部にあわせて、頭部固定装置6によって頭部の固定位置が調整されるとともに該頭部が固定される。例えば、関心領域が臼歯101である場合、患者の頭部は、左側または右側、および前側に寄せて固定される。また、関心領域が前歯102である場合、患者の頭部は、左右方向の中央側、および後側に寄せて固定される。このとき、
図7に示すように、患者の左右のこめかみ部103,103が一対のパッド631,631によって押さえられる。
【0055】
続いて、患者がプレート651を噛んだ状態において、旋回手段5がアーム4を回転させてX線源11およびX線撮像手段12を被写体の周りで旋回させながら、X線撮像手段12が被写体を透過したX線束Lを検出する。
【0056】
CT撮影により得られた投影画像は、画像処理手段(図示せず)において所定の画像処理が施されて、CT画像が生成される。生成されたCT画像は、必要に応じて外部記憶装置(図示せず)に保存され得る。
【0057】
前記したように、本実施形態に係るX線撮影装置1は、X線源11と、X線撮像手段12と、X線源11およびX線撮像手段12を支持するアーム4と、該アーム4を回転中心軸C1の周りに回転させてX線源11およびX線撮像手段12を被写体の周りで旋回させる旋回手段5と、を備えている。また、X線撮影装置1は、CT撮影時に患者が噛むプレート651を備えている。そして、プレート651と回転中心軸C1との水平方向の相対位置が固定されており、プレート651は、回転中心軸C1の延長線上に配置されている。
【0058】
このような本実施形態では、患者が診断の目的部位に対応する歯や部位で回転中心軸C1の延長線上にあるプレート651を噛んだ状態において撮影するだけで、小さいFOVに関心領域を納めることが可能となる。また、従来のようなスカウトショットが不要になるとともに患者が長い時間拘束されずに済むため、患者の負担が軽減される。
すなわち、本実施形態によれば、簡易な構成で撮影作業性の向上および被検者の負担の軽減を図りつつ、小さいFOVに関心領域を納めることが可能なX線撮影装置1を提供できる。
【0059】
また、本実施形態では、プレート651の水平方向の最大長さが、複数の撮影モードのうちのX線束Lの広がりが最小である局所撮影モードで得られる小FOV14の直径D1以下に設定されている。したがって、X線束Lの広がりが最小である局所撮影モードで得られるFOVに関心領域を納めることができる。また、プレート651の水平方向の最大長さが、複数の撮影モードのうちの1歯または2歯撮影用の局所撮影モードで得られる小FOV14の直径D1以下に設定されている。したがって、1歯または2歯撮影用の局所撮影モードで得られるFOVに関心領域を納めることができる。
【0060】
また、本実施形態では、プレート651は、局所撮影モードで得られる小FOV14の直径D1以下の直径D2を持つ円板状を呈しており、水平に配置されている。この構成では、鉛直方向(上下方向)から見てプレート651の形状がFOVの形状と同様な円形を呈している。このため、患者はプレート651を噛みやすくなるとともに、局所撮影モードで得られるFOVに関心領域をより確実に納めることが可能となる。
【0061】
また、本実施形態では、プレート651には、該プレート651の中心位置を示す中心表示部654が設けられている。この構成では、操作者が目視してプレート651を患者の口腔内で位置決めする際、FOVの中心位置を確認することが可能となる。
【0062】
また、本実施形態では、プレート651と回転中心軸C1との水平方向における位置がそれぞれ固定されている。この構成では、プレート651や回転中心軸C1の水平面内における移動機構が不要であり、より簡易な構成を実現できるとともにコストの低減が図られる。
【0063】
また、本実施形態では、患者の頭部を固定する頭部固定装置6を備え、頭部固定装置6は、頭部の固定位置が調整可能に構成されている。関心領域がどこかによって患者がプレート651を噛んだときの頭部の位置がずれることになるが、この構成では、患者がプレート651を噛んだ状態における頭部にあわせて、頭部の固定位置を調整しつつ該頭部を固定できる。これにより、より安定した撮影が可能となり、精度の高い画像を得ることができる。
【0064】
また、本実施形態では、頭部固定装置6は、患者の左右のこめかみ部103,103にそれぞれ当接する一対のパッド631,631を有する頭部押さえ手段63を備え、一対のパッド631,631は、患者に対して近接離反移動可能である。これにより、患者の頭部は、左右方向および前後方向において同時に位置決めされる。
【0065】
また、本実施形態では、一対のパッド631,631は、患者の左右方向に延びる軸線C2の周りで円周方向に移動可能である。この構成では、一対のパッド631,631を軸線C2の周りで円周方向A2に移動させることによって、患者に対して近接離反移動させることができる。
【0066】
図8は、他の実施形態に係る頭部押さえ手段63aによって患者の頭部を押さえる様子を説明するための図である。
図8に示す他の実施形態では、一対のパッド631,631は、図示しない前後方向の移動機構によって、患者の前後方向B1に移動可能である。この構成では、一対のパッド631,631を患者の前後方向B1に移動させることによって、患者に対して近接離反移動させることができる。
【0067】
図9は、更なる他の実施形態に係る頭部押さえ手段63bによって患者の頭部を押さえる様子を説明するための図である。
図9に示すように、頭部押さえ手段63bは、左右に分割された一対のパッド取付部633a,633bと、パッド取付部633aの内面に形成された歯部に噛合するとともにパッド取付部633bの外面に形成された歯部に噛合するギア639とを有している。
図9に示す更なる他の実施形態では、一対のパッド631,631は、図示しない駆動手段によりギア639が回転させられることによって、患者の左右方向B2に移動可能である。この構成では、一対のパッド631,631を患者の左右方向B2に移動させることによって、患者に対して近接離反移動させることができる。
【0068】
以上、本発明について、実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、前記実施形態に記載した構成を適宜組み合わせ乃至選択することを含め、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。また、前記実施形態の構成の一部について、追加、削除、置換をすることができる。
【0069】
例えば、前記実施形態では、X線撮影装置1は、CT撮影が可能な装置として構成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、X線撮影装置1は、CT撮影に加えて、パノラマ撮影が可能な装置として構成されていてもよい。
【解決手段】X線撮影装置1は、X線源11と、X線撮像手段12と、X線源11およびX線撮像手段12を支持するアーム4と、該アーム4を回転中心軸C1の周りに回転させてX線源11およびX線撮像手段12を被写体の周りで旋回させる旋回手段5と、を備えている。また、X線撮影装置1は、CT撮影時に患者が噛むプレート651を備えている。そして、プレート651と回転中心軸C1との水平方向の相対位置が固定されており、プレート651は、回転中心軸C1の延長線上に配置されている。