特許第6307710号(P6307710)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6307710-新規使用 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6307710
(24)【登録日】2018年3月23日
(45)【発行日】2018年4月11日
(54)【発明の名称】新規使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 33/26 20060101AFI20180402BHJP
   A61P 7/06 20060101ALI20180402BHJP
【FI】
   A61K33/26
   A61P7/06
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-548578(P2015-548578)
(86)(22)【出願日】2013年12月19日
(65)【公表番号】特表2016-503047(P2016-503047A)
(43)【公表日】2016年2月1日
(86)【国際出願番号】EP2013077393
(87)【国際公開番号】WO2014096196
(87)【国際公開日】20140626
【審査請求日】2016年12月8日
(31)【優先権主張番号】12198690.5
(32)【優先日】2012年12月20日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515115459
【氏名又は名称】エランコ ティーアゲズンタイト アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147131
【弁理士】
【氏名又は名称】今里 崇之
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】キング,ジョナサン
【審査官】 幸田 俊希
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−523897(JP,A)
【文献】 Speranza,C. et al.,Field efficacy and tolerability of the novel oral phosphate binder SBR759 in cats.,J. vet. Pharmacol. Therap.,英国,2012年10月 1日,Vol.35, Suppl.3,p.171 3.3.58
【文献】 大城戸一郎、横山啓太郎,これからの高リン血症治療薬,透析療法ネクストXIII,日本,医学図書出版株式会社,2012年 7月 1日,p.95-102
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00
A61K 33/00
A61K 47/00
A61P 7/00
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
慢性腎疾患に罹患しているネコにおける鉄欠乏性貧血を治療する方法に使用するための経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤であって、前記経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤がSBR759を含む、経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤
【請求項2】
慢性腎疾患に罹患しているネコにおける赤血球変化を改善する方法に使用するための経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤であって、前記経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤がSBR759を含む、経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤
【請求項3】
0.125g〜1.5g/ネコ/日の用量で投与される、請求項1または2に記載の経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤。
【請求項4】
一日の食事供給内で均一に混合される、請求項3に記載の経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤。
【請求項5】
ネコの生涯全体を通して連続してキャットフードと共に投与される、請求項4に記載の経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤。
【請求項6】
慢性腎疾患に罹患しているネコにおける鉄欠乏性貧血を治療する方法であって、経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤を投与することを含み、前記経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤がSBR759を含む、方法。
【請求項7】
前記経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤が、0.125g〜1.5g/ネコ/日の用量で投与される、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤の用量が、一日の食事供給内で均一に混合される、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤が、ネコの生涯全体を通して連続してキャットフードと共に投与される、請求項に記載の方法。
【請求項10】
慢性腎疾患に罹患しているネコにおける鉄欠乏性貧血を治療するための医薬の製造における経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤の使用であって、前記経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤がSBR759を含む、使用
【請求項11】
前記経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤が、0.125g〜1.5g/ネコ/日の用量で投与される、請求項10に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は鉄(III)系リン酸塩吸着剤の新規使用に関する。
【背景技術】
【0002】
リン酸塩平衡を維持することは、健康なネコにおいて、および特に慢性腎疾患などのリン代謝の障害を有するネコにおいて重要であるという有効な証拠が存在する。血漿中のリン酸塩濃度は複雑なホメオスタシス機構によって調節される。最終的に、調節は、食事性リン酸塩摂取と、腎臓を介する余分なリン酸塩の排出との間の平衡に依存する。慢性腎疾患が進行するにつれて、腎臓の排出機能の減少が、リン酸塩の経口摂取が減少しない限り、血漿リン酸塩濃度の増加を導く。
【0003】
ネコにおけるリン酸塩の経口摂取の制限は2つの方法によって達成される:
1)少量のリン酸塩を含有する食事(「腎臓食事」)。これらの医療食事の原則的な制限は、それらが多くのネコが気に入らず、食事摂取の維持管理が慢性腎疾患に罹患しているネコにおいて必須であることである。
2)経口リン酸塩結合剤。これらは、食事および消化管の管腔の両方においてリン酸塩を結合するために食事と共に投与される。リン酸塩結合剤は、典型的に、腎臓食事と共に使用される。しかしながら、リン酸塩結合剤はまた、腎臓食事を食べないネコに投与されてもよく、通常の食事の代わりに供給される。多くのリン酸塩結合剤がヒトにおける使用のために登録されている(Tonelliら,2010によって概説されている)。より古いものは、炭酸カルシウム、酢酸カルシウムおよびアルミニウム系化合物に基づく。しかしながら、ネコにおけるそれらの使用は、不十分な嗜好性およびカルシウム系の製品について高カルシウム血症およびアルミニウム系の製品について過剰アルミニウムを続発する毒性の可能性の結果として制限されている。2つの経口リン酸塩結合剤:イパカチン(Ipakatine)(登録商標)(炭酸カルシウム)およびレナルジン(Renalzin)(登録商標)(炭酸ランタン八水和物)が、現在、ネコにおける使用のために市販されている。イパカチン(登録商標)は登録なしでEUにおいて栄養補助食品として販売されている。ランタレノール(Lantharenol)(登録商標)またはレナルジン(登録商標)は、「他の畜産学的添加物」という分類の下で食品添加物としてEUにおいて登録されている。
【0004】
比較的最近まで、リン酸塩結合剤の利点はリン酸塩の経口吸収を制限することのみに起因すると想定されていた。しかしながら、最近の研究により、リン酸塩結合剤の利点は、ヒト透析患者においてベースラインリン酸塩および治療リン酸塩濃度とは無関係であるという結論が下された(Isakovaら,2009)。この証拠は、消化管における毒素の結合、線維芽細胞成長因子(FGF)−23のレベルの減少、およびFe系のリン酸塩結合剤の場合、食事Feの補給を含む、リン酸塩を結合する以外にリン酸塩結合剤の有益な作用であり得ることを示唆している(Isakovaら,2009)。
【0005】
貧血は、慢性腎疾患に罹患しているネコの30〜65%において存在し、死または安楽死についての独立した危険因子である(Chakrabartiら,2012)。この研究の結果は、タンパク尿および高リン血症もまた、ネコ科の慢性腎疾患の進行の独立した予測因子であることを示した。さらに、Kingら(2007)は、慢性腎疾患に罹患しているネコを用いた研究において、いくつかのベースライン変化が、増加した血漿中のクレアチニン、リン酸塩および尿素の濃度、増加した尿タンパク質対クレアチニン比、減少した血中ヘモグロビン濃度およびヘマトクリットならびに増加した白血球数を含む、短い腎臓生存期間と有意に関連したことを示した。進行性腎疾患に続発する貧血の原因は多因子であるが、主な機構は、エリスロポエチンの減少した生成、赤血球の骨髄生成を制御する腎臓ホルモンに関与する(Chalhoubら 2011)。赤血球刺激剤が、腎臓による減少したエリスロポエチン生成の作用に対抗するために使用され得るが、それらの使用は、鉄欠乏症、高血圧症、関節痛、発熱、発作、多血症および赤芽球癆などの合併症に関連する(Chalhoubら 2011)。したがって、慢性腎疾患に罹患しているネコにおける赤血球変化および生活の質を改善する治療についての強力なまだ満たされていない必要性が存在する。
【0006】
SBR759は、新規非カルシウム、非アルミニウム、鉄(III)系リン酸塩吸着剤である。それは、水中のジャガイモデンプン、スクロースおよび炭酸ナトリウムへの塩化鉄(III)の添加から製造される錯体である。錯体の単一成分に基づいて、以下の分子式を書くことができる:[Fe5(OH)O7x4H2O]xスクロースxデンプンx炭酸水素塩。それは不溶性であり、無機リン酸塩に結合する。それは、国際特許公開公報WO2008/071747に記載されているように、1gのリン酸塩吸着剤により少なくとも約120mgのリン酸塩を吸着し、好ましくは1gのリン酸塩吸着剤により約140mgのリン酸塩を吸着する、リン酸塩結合能力によって特徴付けられる。それは公知であり、レンジアレン(Lenziaren)(商標)という商品名で市販されている。
【0007】
最近、SBR759の経口投与が、血漿リン酸塩濃度を顕著に減少させ、慢性腎疾患および同時に起こる高リン血症に罹患しているネコに投与された場合、良好な耐用性を示し、良好な嗜好性を有したことが報告された。最適な用量範囲は0.25〜1g/日であり、0.5〜2.0g/日の用量にて食事中で投与された場合、十分に耐用性を示した。さらに、血漿鉄濃度のベースラインからの用量関連性の増加が、特に、≧0.5gのSBR759/日の用量にて慢性腎疾患および高リン血症に罹患しているネコにおいて観察された(Kuntzら,2012;Speranzaら,2012)。
【0008】
鉄(III)系リン酸塩結合剤のさらなる例は、架橋デキストラン、すなわち、酸化鉄(III)−水酸化物−修飾デキストラン(Hergesell & Ritz 1999);PA21、Vifor製であり、WO2006000547に記載されている多核鉄(III)−オキシ水酸化物、デンプンおよびスクロースの混合物を含有する鉄系リン酸塩吸着剤(Geisser and Philipp,2010;Wuthrichら,2012);ファーマゲイト(fermagate)、非カルシウム非マグネシウムヒドロキシ炭酸塩(Mclntyreら,2009);ならびにKeryx Biopharmaceuticals Inc.製であり、米国特許6,903,235Bに記載されているゼレネクス(Zerenex)(商標)としても知られているクエン酸酸化鉄(Sinsakulら,2012;Yokoyamaら,2012)である。
【0009】
現在、驚くべきことに、経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759は、慢性腎疾患および高リン血症に罹患しているネコにおける血漿鉄濃度の用量関連増加だけではなく、赤血球変化、赤血球数、ヘマトクリットおよびヘモグロビン濃度の改善も見出されている。さらなる態様において、経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759は、ネコの生活スコアの質を顕著に改善し、生存期間が歴史的対照群と比較して顕著に長くなることが見出されている。
【0010】
血液学的変化を改善することに対する経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759のこの効果は、減少した血漿リン酸塩濃度に続発する改善された腎機能に起因し得るならびに/または身体鉄濃度の増加、および潜在的な正常化に起因し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
したがって、一態様において、本発明は、慢性腎疾患に罹患しているネコにおける鉄欠乏性貧血を治療する方法に使用するための経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759に関連する。さらなる態様において、本発明は、慢性腎疾患に罹患しているネコにおける赤血球変化を改善する方法に使用するための経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759に関連する。
【0012】
なおさらなる態様において、本発明は、慢性腎疾患に罹患しているネコの生活の質を増加させる方法に使用するための経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759に関する。
【0013】
なおさらなる態様において、本発明は、慢性腎疾患に罹患しているネコの生存を増加させる方法に使用するための経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759に関する。
【0014】
なおさらなる態様において、本発明は、慢性腎疾患に罹患しているネコにおける鉄欠乏性貧血を治療する方法であって、治療有効量、例えば0.125g〜10.0g、例えば0.25g〜1、1.5、2または5g/ネコ/日の用量にて、経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759を投与することを含み、例えば、経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759の用量は一日の食事供給内で均一に混合され、例えば経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759は、ネコの生涯全体を通して連続してキャットフードと共に投与される、方法に関する。
【0015】
経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759は、ネコに使用するための利用可能なリン酸塩結合剤に加えて有用である。今までのネコのためのリン酸塩結合剤と比較して、経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759の利点は以下を含む:
・ 高い、不可逆的リン酸塩結合剤の潜在性
・ 高い嗜好性
・ カルシウムを含有せず、それにより高カルシウム血症および骨外性石灰化の危険性を減少させる。
・ 骨に蓄積し、骨(骨軟化症)、脳(脳症)および造血系に対して毒性作用を有し得る、アルミニウムを含有しない。
・ 準最適嗜好性を有し、胃腸の有害事象を引き起こし得、骨に堆積し得る、ランタンを含有しない(Nunamaker & Sherman、2011)。
・ 本発明に従って鉄欠乏性貧血に有益であり得る、鉄を含有する。
【0016】
本発明に従って有用な鉄(III)系リン酸塩吸着剤の例としては、限定されないが、以下のうちの1つ以上が挙げられる:SBR759、架橋デキストラン、PA21、ファーマゲイト、および鉄塩、例えば、クエン酸酸化鉄、塩化第二鉄またはクエン酸第二鉄アンモニウム。好ましくはSBR759が使用され得る。
【0017】
本発明のさらなる態様において、上記の鉄(III)系リン酸塩吸着剤の1つ以上が、哺乳動物、例えばコンパニオンアニマル、例えばネコに使用するための利用可能なリン酸塩結合剤に加えられてもよい。
【0018】
SBR759は、錯体を形成するためにデンプン−スクロースのポリマー内に組み込まれる水酸化酸化鉄の形態で22%(21〜24%の範囲)の鉄からなる。SBR759分子は、消化管の管腔内にとどまり、関連していない吸収に供されるように設計される。これは、その吸収を防ぐ消化管の管腔における低い溶解度と、リン酸塩に対する結合とのその組み合わせに起因する。しかしながら、いくつかの状況において、少量の鉄(Fe3+)がSBR759から放出され、続いて吸収され得る。
【0019】
SBR759はリン酸塩に効果的に結合し、結果として、0.25、0.5、1.0および1.5g/日の用量にて血清リン酸塩の有意な減少を生じる。SBR759は良好な耐用性があり、慢性腎疾患および高リン血症に罹患しているネコの集団において良好な嗜好性を有する。
【0020】
SBR759の嗜好性は良好であることが示され、腎臓食事を受容している健康なネコにおいて参照製品レナルジンより顕著に優れていた。
【0021】
ネコにおける経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759の主な利点は、食事および消化管中のリン酸塩の結合に由来するので、血漿リン酸塩濃度の正常化に役立つ。次の利点は食事に含まれる鉄の補給であり、本発明によれば、慢性腎疾患に続発する貧血に罹患しているネコにおいて有用である。
【0022】
本発明のこれらおよび他の特徴、利点および目的は、以下の明細書および請求項を参照することによって当業者によりさらに理解され、評価される。
【0023】
本明細書で使用される場合、鉄(III)系リン酸塩吸着剤という用語は、鉄(III)系リン酸塩結合剤と交換可能に使用され得る。
【0024】
本明細書で使用される場合、「鉄(III)系リン酸塩吸着剤」という用語は、治療または薬理学効果を有し、哺乳動物、例えばコンパニオンアニマル、例えばネコへの投与に適した、任意の化合物、組成物、物質、医薬、薬物、飼料添加物または有効成分、例えばSBR759、架橋デキストラン、PA21、ファーマゲイト、クエン酸酸化鉄、塩化第二鉄またはクエン酸第二鉄アンモニウムを意味する。このような鉄(III)系リン酸塩吸着剤は、「治療有効量」で投与されるべきである。
【0025】
本明細書で使用される場合、「治療有効量」という用語は、哺乳動物に影響を及ぼす疾患または病態の症状を減少、除去、治療、予防または抑制するのに有効である量または濃度を指す。「抑制する」という用語は、哺乳動物に影響を及ぼす疾患および病態の進行を遅延、遮断、中断または停止し得る全てのプロセスを指すことを意図する。しかしながら、「抑制する」とは、全ての疾患および病態の症状の全ての除去を必ずしも示さず、予防的治療を含むことを意図する。
【0026】
適切な治療有効量は、治療されるコンパニオンアニマルおよび扱われる病態により変化する量として当業者に知られている。
【0027】
SBR759は、塩化鉄(III)六水和物をデンプン、炭酸ナトリウムおよびスクロースに加えることによって調製される。添加の終了時に、形成される固体が、エタノールおよび水の混合物中で単離、洗浄および再懸濁される。懸濁液は最終的に乾燥されて、有効物質を生じ、その有効物質は個々のスティックパック内に充填されて、動物飼料添加物SBR759を形成する。
【0028】
より具体的には、SBR759は、本明細書に参照により組み込まれる、国際特許公開公報WO2008/071747に開示されるプロセスに従って製造され得る。
【0029】
例えばSBR59は以下のプロセスのいずれか1つに従って製造され得る:
1.鉄(III)塩の水溶液を、約6〜10を含むpHにて塩基水溶液と反応させる工程、例えば、同時に混合する工程であって、反応は、前記不溶性炭水化物(好ましくはデンプン)の存在下で任意に実施される、工程;
(i)工程i)に存在しない場合、前記不溶性炭水化物(好ましくはデンプン)を加える工程または任意に、より多くの前記不溶性炭水化物(好ましくはデンプン)を加える工程;
(ii)形成した沈殿物を単離する工程;および任意に例えば水で洗浄する工程;
(iii)沈殿物を水溶液に懸濁する工程;ならびに
(iv)可溶性炭水化物(好ましくはグルコース誘導体、例えばスクロースまたはマルトデキストリン)を加えて、鉄(III)系リン酸塩吸着剤を得る工程。
2.
i)鉄(III)塩の水溶液を、約6〜10を含むpHにて塩基水溶液と反応させる工程、例えば、同時に混合する工程であって、反応は、前記不溶性炭水化物(好ましくはデンプン)の存在下で実施される、工程;
ii)任意に、鉄(III)の沈殿が完了、例えば開始する前に、より多くの前記不溶性炭水化物(好ましくはデンプン)を加える工程;
工程iii)〜v)は1に定義されているように実施される。
3.
i)鉄(III)塩の水溶液を、約6〜10を含むpHにて塩基水溶液と反応させる工程、例えば、同時に混合する工程;
ii)鉄(III)の沈殿が完了、例えば開始する前に、前記不溶性炭水化物(好ましくはデンプン)を加える工程;
工程iii)〜v)は1に定義されているように実施される。
4.
i)鉄(III)塩の水溶液を塩基性水溶液と反応させる工程、例えば、同時に混合する工程、および
ii)不溶性炭水化物、例えばデンプンの存在下で工程i)を実施する工程、および任意に、完全に混合した後、より多くの不溶性炭水化物を加える工程、または工程i)の反応の後、例えば完全に混合した後、不溶性炭水化物を加える工程、
工程iii)〜v)は1に定義されているように実施される。
5.
i)不溶性炭水化物(好ましくはデンプン)の存在下で、鉄(III)塩の水溶液を塩基性水溶液と反応させる工程、例えば、同時に混合する工程であって、溶液のpHは約6〜8の値に維持される、工程;
工程iii)〜v)は1に定義されているように実施される。
6.プロセスが、好ましくは、噴霧乾燥または流動噴霧乾燥によって生成物を単離して、乾燥粉末として鉄(III)系リン酸塩吸着剤を得る工程vi)をさらに含む、1〜5に定義されているプロセス。
7.プロセスが、任意に、結合剤および潤滑剤から選択される少なくとも1種の賦形剤の存在下で、粉末を粒状化して、粒状として鉄(III)系リン酸塩吸着剤を得る工程をさらに含む、1〜6に定義されているプロセス。
8.プロセスが、工程vi)において得られた粉末または工程vii)において得られた粒状を錠剤化する工程viii)をさらに含み、錠剤化する工程は、本明細書上記の充填剤、結合剤、崩壊剤、フロー剤、潤滑剤およびそれらの混合物から選択される賦形剤の存在下で任意に実施される、1〜7に定義されているプロセス。
9.あるいは、SBR759は、
a)鉄(III)塩(例えば、塩化鉄(III))の水溶液を、6〜10を含むpHにて塩基水溶液と反応させる工程であって、反応はデンプンの存在下で任意に実施される、工程;
b)デンプンが工程a)において存在しない場合、デンプンを加える工程、および任意に、
a)固体を単離し、洗浄する工程を含むプロセスによって製造され得る。
【0030】
SBR759は粉末として調製され得、さらなる賦形剤を有さずに使用され得る。
【0031】
あるいは、SBR759は、例えば、任意の従来の形態、好ましくは経口投薬形態のさらなる賦形剤、例えば、顆粒、粒状、カプセル、サシェ、スティックパック、任意に適切な投薬システム、例えば、目盛り付きスプーンと一緒になったボトル、錠剤、分散性錠剤、チュアブル錠剤、フィルムコーティング錠剤、または独自にコーティングされた錠剤により製剤化され得る。
【0032】
SBR759はまた、半固体製剤、例えば、水性および非水性ゲル、飲み込むことができるゲル、チューイバー、高速に分散する剤形、クリームボールの噛むことができる剤形、噛むことができる剤形、または食用サシェとして製剤化され得る。
【0033】
これらおよびさらなる代替の形態は、参照により組み込まれる国際特許公開公報WO2008/071747の開示に従って得られ得る。
【0034】
本発明の好ましい実施形態において、SBR759は、粉末または粒状製品の形態で調製され、それは、任意に、ボトル、カプセル、サシェまたはスティックパックなどの粉末容器内に充填される。
【0035】
サシェまたはスティックパックは、約0.125〜10g、例えば、約0.25〜1、1.5、2または5g、例えば、0.25〜1.5gの粒状製品を含有してもよい。
【0036】
ネコに使用するための、経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759は、0.125〜10gの用量、例えば、0.125または0.25g〜1、1.5、2もしくは5g/ネコ/日の用量に等価である完全な乾燥食事1kg当たり5g〜20gの濃度を達成するために、毎日ネコの食事に組み込まれなければならない。
【0037】
経時的な作用(食事および消化管中の経口リン酸塩の結合)の機構の変化がないことが予想されるので、データは治療に対する時間制限がないことを証明している。
【0038】
したがって、本発明の一態様において、経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759は、例えば、ネコの生涯全体を通して連続してキャットフードと共に投与される。
【0039】
SBR759は、その高い嗜好性に起因してネコに十分に許容される。
【0040】
0.125g/日の開始用量にてSBR759を投与し、0.125g/日、最大で10.0g/日、好ましくは最大で1、1.5、2または5g/日の増分で増加させることが推奨される。血漿リン酸塩濃度は治療の間、モニタされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】生活の質のスコア。
【0042】
本発明の新規使用は、本発明の目的を解決することに寄与する、単独または組み合わせで、本発明の以下の実施形態により記載される。
【0043】
1.慢性腎疾患に罹患しているネコにおける鉄欠乏症貧血を治療する方法に使用するための経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759。
2.慢性腎疾患に罹患しているネコにおける赤血球変化を改善する方法に使用するための経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759。
3.慢性腎疾患に罹患しているネコの生活の質を増加させる方法に使用するための経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759。
4.慢性腎疾患に罹患しているネコの生存率を増加させる方法に使用するための経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759。
5.経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759を投与することを含む、慢性腎疾患に罹患しているネコにおける鉄欠乏性貧血を治療する方法。
6.上記の番号付けした項目のいずれかに記載の方法または該方法に使用するための経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759であって、経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759は、治療有効量、例えば0.125g〜10.0g/ネコ/日の用量、例えば0.25g〜1、1.5、2または5g/ネコ/日の用量で投与される、方法または経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759。
7.経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759の用量が、一日の食事供給内で均一に混合される、番号付けした項目6に記載の方法または該方法に使用するための経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759。
8.経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759が、ネコの生涯全体を通して連続してキャットフードと共に投与される、番号付けした項目7に記載の方法または該方法に使用するための経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759。
9.以下:鉄欠乏性貧血の治療;赤血球変化の改善;生活の質の増加;または慢性腎疾患に罹患しているネコの生存率の増加のうちの1つ以上のための医薬の製造における経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759の使用。
10.経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759が、治療有効量、例えば0.125g〜10.0g/ネコ/日の用量、例えば0.25g〜1、1.5、2または5g/ネコ/日の用量で投与され、例えば経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759の用量は一日の食事供給内で均一に混合され、例えば経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759はネコの生涯全体を通して連続してキャットフードと共に投与される、番号付けした項目9に記載の使用。
11.経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759が、利用可能なリン酸塩結合剤と共に使用される、上記の項目のいずれかに記載の経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤、例えばSBR759、方法または使用。
【0044】
以下の非限定的な実施例は本発明をさらに例示する。
【実施例】
【0045】
研究A:慢性腎疾患に罹患しているネコにおける経口リン酸塩結合剤としてSBR759の効果を評価するための12週の非盲検多角的用量決定研究。
【0046】
方法論:安定な自然に発生する慢性腎疾患および高リン血症に罹患しているクライアントが所有しているネコにおける予測多角的非盲検用量決定フィールド研究。
適応設計を使用して、第I相および第II相において0.5から0.125g/日の開始用量を得、各相の3つの部分の間のさらなる個々の滴定により、0.125〜1.5g/日の用量範囲を得た。
【0047】
治験用獣医用製品:
SBR759粉末を0.25および1gのサシェに充填した。0.125、0.25、0.5、1および1.5/日の名目上の用量にて食物とともに経口投与した。
【0048】
評価基準:
リン酸塩の血漿濃度および「治療成功」の頻度。血漿CaxPO生成物およびPTH濃度。ネコの食欲の主観評価、臨床状態および生活の質。臨床化学、血液学および尿分析。有害事象の頻度。
【0049】
結果:
有効性:SBR759は、0.25、0.5、1および1.5g/日の用量にて血漿リン酸塩濃度の有意な減少を生じた。効果は用量に関連した。血漿リン酸塩濃度に対するSBR759の有益性は、慢性腎疾患ステージII、IIIおよびIVならびに食事の全てのクラス:腎臓食事、腎臓食事なし、および混合において示された。SBR759はまた、血漿CaxPO生成物(0.5および1g/日)および血漿PTH濃度(1g/日)の有益な減少、ならびに生活の質(0.5、1および1.5g/日)および赤血球変化(1および1.5g/日)の改善に関連した。ほとんどのネコにおいて、SBR759の嗜好性は良好または優れていると格付けし、投与の容易さは容易または非常に容易と格付けした。
【0050】
安全性:血漿カルシウム濃度の有意な変化はなかったが、用量に関連する増加について有意でない傾向があった。SBR759は、特に0.5g/日およびそれ以上の用量にて血漿鉄濃度の用量に関連する増加を生じた。この効果は、赤血球変化(細胞数、ヘモグロビン濃度およびヘマトクリット)の有意な改善に関連しており、この研究において有益であるように見えた。
【0051】
血液学:血液学のための血液試料を、訪問2、4、5および6にてEDTA管内に静脈から得た。試料を標識し、充填し、冷却ボックス中でCentral Laboratoryに即座に送った。試料を採取の日に送ることができなかった場合、それらを冷蔵庫に保管した。以下の血液学的パラメータを測定した:
・ 赤血球数
・ 白血球数および白血球百分率
・ 血小板数
・ ヘマトクリット
・ ヘモグロビン
【0052】
血漿鉄濃度はベースラインと比較してSBR759による処置後に高くなった。この結果は、SBR759が鉄およびデンプンの錯体であるため、少量の鉄の消化管からの吸収に起因する。同様の効果が他の種において記載されている。
【0053】
慢性腎疾患に罹患しているネコは貧血の危険性があるので、鉄の中程度の摂取は有害ではないはずであり、実際には有益であり得る。この有益性についての証拠は、平均赤血球数、ヘモグロビン濃度およびヘマトクリットの全てがSBR759の用量と共に増加したという事実から観察された。
【0054】
ベースラインからの増加は、赤血球数およびヘマトクリット(1および1.5g/日)ならびにヘモグロビン濃度(1.5g/日)について有意であった(p<0.05)(表1)。
【0055】
平均ヘモグロビン濃度は、ベースラインで0.5g/日の群において正常な範囲(95〜150g/L)より低く(94.8g/L)、これは訪問6において正常な範囲(99.2g/L)内で増加した(表2)。ベースラインでの平均ヘモグロビン濃度もまた、ベースラインで0.125g/日の群において正常な範囲(95〜150g/L)より低く(88.0g/L)、これは訪問6において89.60g/L(すなわちさらに正常な範囲未満)までわずかに増加した(表2)。SBR759の0.125および0.25g/日の用量にて発生する血漿鉄濃度の関連する増加はないが、いくつかのネコにおいて0.5、1.0および1.5g/日にて中程度に増加したという結論が出された。血漿鉄濃度の中程度の増加は、赤血球パラメータ(赤血球数、ヘマトクリットおよびヘモグロビン濃度)の改善に関連したので、有益な効果に関連した。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
生活の質
ネコの生活の質を、家でのネコの活動および全体的な挙動を考慮して訪問2、3、4、5および6にて所有者によって評価した。
訪問2にて、以下のスキームを使用した:
0−非常に不良、1−不良、2−正常と比較してわずかに機能低下、3−良好、すなわち正常。
訪問3、4、5および6にて、ベースラインからの変化を以下のように評価した:
0−悪化、1−同じ、2−改善、3−非常に改善。
二次エンドポイント4、5および6について、「正常」は「病気ではない」と称される。
0.5、1および1.5g/日の群において生活の質でベースラインから有意な増加があった(表3)。
平均の生活の質はベースラインにて約2.5と格付けされ(わずかに機能低下と良好との間)、訪問3〜6にて1から2(すなわち同じと改善との間)と格付けされた(図1)。
【0059】
【表3】
【0060】
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また、本発明は以下を提供する。
[1] 慢性腎疾患に罹患しているネコにおける鉄欠乏性貧血を治療する方法に使用するための経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤。
[2] 慢性腎疾患に罹患しているネコにおける赤血球変化を改善する方法に使用するための経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤。
[3] 前記経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤がSBR759である、[1]または[2]に記載の使用するための経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤。
[4] 慢性腎疾患に罹患しているネコにおける鉄欠乏性貧血を治療する方法であって、経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤を投与することを含む、方法。
[5] 前記経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤がSBR759である、[4]に記載の方法。
[6] 前記経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤が、0.125g〜1.5g/ネコ/日の用量で投与される、[4]または[5]に記載の方法または該方法に使用するための経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤。
[7] 前記経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤の用量が、一日の食事供給内で均一に混合される、[6]に記載の方法または該方法に使用するための経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤。
[8] 前記経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤が、ネコの生涯全体を通して連続してキャットフードと共に投与される、[7]に記載の方法または該方法に使用するための経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤。
[9] 慢性腎疾患に罹患しているネコにおける鉄欠乏性貧血を治療するための医薬の製造における経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤の使用。
[10] 前記経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤が、0.125g〜1.5g/ネコ/日の用量で投与される、[9]に記載の使用。
[11] 前記経口鉄(III)系リン酸塩吸着剤がSBR759である、[9]または[10]に記載の使用。
図1