特許第6307867号(P6307867)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6307867
(24)【登録日】2018年3月23日
(45)【発行日】2018年4月11日
(54)【発明の名称】流体制御弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/06 20060101AFI20180402BHJP
   H01F 7/16 20060101ALN20180402BHJP
【FI】
   F16K31/06 305E
   F16K31/06 305C
   !H01F7/16 E
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-264106(P2013-264106)
(22)【出願日】2013年12月20日
(65)【公開番号】特開2015-121247(P2015-121247A)
(43)【公開日】2015年7月2日
【審査請求日】2016年11月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】松坂 正宣
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 忠祐
【審査官】 北村 一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−213257(JP,A)
【文献】 特開2012−112529(JP,A)
【文献】 特開2006−118701(JP,A)
【文献】 特開昭57−001879(JP,A)
【文献】 特開2013−213586(JP,A)
【文献】 実開昭60−149580(JP,U)
【文献】 実開平01−131076(JP,U)
【文献】 特開2002−098253(JP,A)
【文献】 特開2003−314730(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/06−31/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の流通孔が設けられると共に、当該流通孔の周囲に弁座を有する板状の固定ヨークと、
前記弁座に当接離間して、前記流通孔を流通する流体の流量を制御可能な磁性を有する弁体と、
前記固定ヨークに磁場を発生させて前記弁体を前記弁座に吸引するよう、コイル軸芯を前記弁体の移動方向と異なる方向に沿わせて前記固定ヨークに取り付けられた電磁コイルとを備え
前記電磁コイルの内側に装着されたコアの両端部を、前記固定ヨークに一体形成した一対の支持部に支持してある流体制御弁。
【請求項2】
流体の流通孔が形成され当該流通孔の周囲部分を弁座として設けた基板部と、該基板部のうちの前記流通孔を挟む両側から互いに平行に対向して延設された一対の延設板部と、を同一の平面上に一体に有する板状の固定ヨークと、
前記弁座に当接離間して、前記流通孔を流通する流体の流量を制御可能な磁性を有する弁体と、
前記固定ヨークに磁場を発生させて前記弁体を前記弁座に吸引するよう、コイル軸芯を前記弁体の移動方向と異なる方向に沿わせて前記固定ヨークに取り付けられた電磁コイルとを備えた流体制御弁。
【請求項3】
前記電磁コイルは、前記コイル軸芯を前記弁体の移動方向に直交する平面に沿わせて取り付けられている請求項1又は2記載の流体制御弁。
【請求項4】
前記電磁コイルの内側に装着されたコアの両端部を、前記固定ヨークに一体形成した一対の支持部に支持してある請求項2又は3記載の流体制御弁。
【請求項5】
前記固定ヨークのうち前記流通孔の周縁に沿って磁束が通過する部分に磁気絞り部を設けてある請求項1〜のいずれか1項記載の流体制御弁。
【請求項6】
前記磁気絞り部は、前記流通孔の中心を対称中心とする点対称の位置に配置してある請求項記載の流体制御弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の流通孔の周囲に弁座を有し、電磁コイルの作動で弁座に当接離間して、流通孔を流通する流体の流量を制御可能な磁性を有する弁体を備えた流体制御弁に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、流体の流通孔が同芯状に設けられると共に、当該流通孔の周囲に弁座を有する円筒状のベース部材と、弁座に当接離間して、流通孔を流通する流体の流量を制御可能な磁性を有する弁体と、ボビンに巻かれた電磁コイルとを備え、ボビンの内周側でコイル軸芯方向に移動する可動コアで弁体を構成してある流体制御弁が開示されている。
【0003】
特許文献2には、流体の流通孔が同芯状に設けられると共に、当該流通孔の周囲に弁座を有する円筒状の固定ヨークと、弁座に当接離間して、流通孔を流通する流体の流量を制御可能な磁性を有する弁体と、固定ヨークに磁場を発生させて弁体を弁座に吸引するよう、コイル軸芯を弁体の移動方向と同じ方向に沿わせて固定ヨークの内部に同芯状に取り付けた電磁コイルとを備えた流体制御弁が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−340219号公報
【特許文献2】特表2013−525653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ソレノイドは、電磁コイルの巻き数×電流に比例して大きな電磁力を発生させることができる。但し、巻き径を大きくするとコイル素線の長さが長くなって電気抵抗が増大し、同じ電圧を引加した場合には電流が小さくなってしまい、電磁力が小さくなる。巻き内径が大きい場合に電気抵抗を増大させないためには、太い外径のコイル素線を使用する必要があるが、その場合は、電磁コイルが大型化する。このため、必要な電磁力を小型の電磁コイルで発生する観点から巻き径が小さいことが望ましい。
【0006】
特許文献1に開示されている流体制御弁は、ボビンの内周側でコイル軸芯方向に移動する可動コアで弁体を構成してある。よって、ボビンに巻き付けられる電磁コイルの巻き径を小さくする上での制約があり、電磁コイルの小型化が図り難い。
【0007】
特許文献2に開示されている流体制御弁は、電磁コイルを同芯状に設けた円筒状の固定ヨークの内側に流通孔を同芯状に設けてある。このため、流通孔の外周側に設けられる電磁コイルの巻き径を小さくする上での制約があり、特許文献1の流体制御弁と同様に、電磁コイルの小型化が図り難い。
さらに、固定ヨークの一端側に弁座を設け、弁体を弁座に対してコイル軸芯方向の一端側から対向するように装着してあるので、弁体と電磁コイルとがコイル軸芯方向に並んでおり、小型化を図り難い。
【0008】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、小型化を図り易い流体制御弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による流体制御弁の特徴構成は、流体の流通孔が設けられると共に、当該流通孔の周囲に弁座を有する板状の固定ヨークと、前記弁座に当接離間して、前記流通孔を流通する流体の流量を制御可能な磁性を有する弁体と、前記固定ヨークに磁場を発生させて前記弁体を前記弁座に吸引するよう、コイル軸芯を前記弁体の移動方向と異なる方向に沿わせて前記固定ヨークに取り付けられた電磁コイルとを備え、前記電磁コイルの内側に装着されたコアの両端部を、前記固定ヨークに一体形成した一対の支持部に支持してある点にある。
【0010】
本構成の流体制御弁は、板状の固定ヨークに流体の流通孔が設けられると共に、当該流通孔の周囲に弁座を備え、電磁コイルが、コイル軸芯を弁体の移動方向と異なる方向に沿わせて固定ヨークに取り付けられている。
【0011】
このため、電磁コイルの内側に弁体を装着したり、電磁コイルの内側に流通孔を設けたりすることなく、電磁コイルへの通電により弁体を弁座に向けて移動させることができる。
【0012】
本構成の流体制御弁であれば、弁体と電磁コイルとをコイル軸芯方向に並べることなく配置できるので、流体制御弁の小型化を図り易い。
【0013】
本発明の特徴構成は、流体の流通孔が形成され当該流通孔の周囲部分を弁座として設けた基板部と、該基板部のうちの前記流通孔を挟む両側から互いに平行に対向して延設された一対の延設板部と、を同一の平面上に一体に有する板状の固定ヨークと、前記弁座に当接離間して、前記流通孔を流通する流体の流量を制御可能な磁性を有する弁体と、前記固定ヨークに磁場を発生させて前記弁体を前記弁座に吸引するよう、コイル軸芯を前記弁体の移動方向と異なる方向に沿わせて前記固定ヨークに取り付けられた電磁コイルとを備えた点にある。
【0014】
本発明の他の特徴構成は、前記電磁コイルは、前記コイル軸芯を前記弁体の移動方向に直交する平面に沿わせて取り付けられている点にある。
【0015】
本構成のように、コイル軸芯を弁体の移動方向に直交する方向、つまり、流通孔の径方向に沿わせて電磁コイルを配置することで、流体制御弁の一層の小型化が容易となる。
【0016】
本発明の他の特徴構成は、前記電磁コイルの内側に装着されたコアの両端部を、前記固定ヨークに一体形成した一対の支持部に支持してある点にある。
【0017】
本構成であれば、電磁コイルの磁束が一方の支持部を介して固定ヨークに流入し、他方の支持部を介して固定ヨークから流出するので、磁束が効率良く通過する磁気回路を設けることができる。
このため、電磁コイルのサイズをよりコンパクトにすることが可能になる。
【0018】
本発明の他の特徴構成は、前記固定ヨークのうち前記流通孔の周縁に沿って磁束が通過する部分に磁気絞り部を設けてある点にある。
【0019】
本構成であれば、固定ヨークのうち流通孔の周縁に沿って磁束が通過する部分における磁気飽和を促進して、磁束が弁体側を通過し易くなり、電磁コイルへの通電により少ない消費電力で応答性良く弁体を移動させ易い。
【0020】
本発明の他の特徴構成は、前記磁気絞り部は、前記流通孔の中心を対称中心とする点対称の位置に配置してある点にある。
【0021】
本構成であれば、弁体側の磁束の通過位置を流通孔の周縁に沿って分散させて、弁体を安定した姿勢で移動させ易い。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】エンジン冷却系の説明図である。
図2】閉状態の流体制御弁を示す断面図である。
図3】開状態の流体制御弁を示す断面図である。
図4】ハウジング本体を示す平面図である。
図5】ソレノイドを示す斜視図である。
図6】ソレノイドを示す平面図である。
図7】第2実施形態における固定ヨークを示す平面図である。
図8】第2実施形態におけるハウジング本体を示す平面図である。
図9】第3実施形態における固定ヨークを示す平面図である。
図10】第3実施形態におけるハウジング本体を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明による流体制御弁の一例としての車両用の冷却液停止弁Aを装備してあるエンジン冷却系100を示す。
【0024】
エンジン冷却系100は、エンジン51の冷却液出口ポート52にラジエータ53の入口ポート54が接続され、ラジエータ53の出口ポート55は、サーモスタットバルブ56の入口ポート57に接続される。サーモスタットバルブ56の出口ポート58は、エンジン51によって駆動されるウォーターポンプ60の吸込ポート61に接続される。ウォーターポンプ60の吐出ポート(不図示)は、エンジン51の冷却液入口ポート(不図示)に接続される。
【0025】
エンジン51の暖房用出口ポート(不図示)は、冷却液停止弁Aの入口ポート1(図3図4参照)に接続される。冷却液停止弁Aの出口ポート2は、ヒータコア62の入口ポート63に接続され、ヒータコア62の出口ポート64は、サーモスタットバルブ56のバイパス入口ポート59に接続される。バイパス入口ポート59は出口ポート58と連通している。
【0026】
エンジン冷却系100は、ウォーターポンプ60の駆動により、エンジン51の内部で加熱された冷却液(流体の一例)をラジエータ53で冷却した後、サーモスタットバルブ56を経由してエンジン51に戻るように、冷却液を循環させる。
低温時には、サーモスタットバルブ56が閉状態に維持されて冷却液はラジエータ53に流れず、エンジン51の内部流路を通過した冷却液は、冷却液停止弁A、ヒータコア62及びサーモスタットバルブ56を経由してエンジン51に戻るように循環する。
【0027】
冷却液停止弁Aは、図2図4に示すように、冷却液の流通孔3、弁座4およびソレノイド5を設けてあるハウジング6と、弁座4に当接離間して、流通孔3を流通する冷却液の流量を制御可能な磁性を有する弁体7と、弁体7を弁座4の側(閉じ方向)に付勢するコイルスプリング8(付勢部材の一例)とを備え、ソレノイド5の通電により弁体7を弁座4の側(閉じ方向)に移動するように励磁する。
【0028】
ハウジング6は、エンジン51の暖房用出口ポートからの冷却液(流体の一例)が流入する入口ポート1、入口ポート1と出口ポート2とを連通する冷却液の流通孔3、流通孔3の周囲に設けた弁座4、および、ソレノイド5を設けてある樹脂製のハウジング本体6aと、ヒータコア62の入口ポート63に接続される出口ポート2を設けてある筒状の樹脂製の出口流路形成部6bとを、入口ポート1の軸芯と出口ポート2の軸芯とが同じ流路軸芯Xになるように一体に接続して構成してある。
【0029】
ソレノイド5は、図5図6に示すように、鉄などの磁性体で形成された板状の固定ヨーク9と、通電により固定ヨーク9に磁場を発生させて、弁体7を弁座4に吸引するよう固定ヨーク9に取り付けられた電磁コイル10と、電磁コイル10を外部の駆動回路(不図示)に電気的に接続する接続端子11aを有するソケット11とを備えている。
【0030】
固定ヨーク9は、円形の流通孔3が形成された基板部9aと、基板部9aのうちの流通孔3を挟む両側の位置から互いに平行に対向するように延設された一対の延設板部9bとを一体に有する平面視で略「U」の字状に形成され、流通孔3の周囲部分を弁座4として設けてある。
そして、基板部9aの弁座4を構成する部分が外部に露出するように、ソレノイド5をハウジング本体6aにインサート成形してある。
【0031】
電磁コイル10は、樹脂などの非磁性体で形成してあるボビン10aに絶縁導線を巻き付けて構成してあり、電磁コイル10の内側、つまり、ボビン10aの内周側には、鉄などの磁性体で軸状に形成されたコア12を同芯状に装着してある。
コア12の両端部は、基板部9aにおける流通孔3を挟む方向と平行な方向で互いに対向するように、延設板部9bの夫々に一体形成した一対の支持部13に支持してある。
【0032】
各支持部13は、延設板部9bの側縁部分を直角に折り曲げて形成した折り曲げ片13aにスリット溝13bを形成して構成してある。コア12の端部をコア径方向からスリット溝13bに係入して支持してある。
したがって、電磁コイル10により発生した磁束の磁路が、コア12と一対の延設板部9bと基板部9aとで環状に構成される。
【0033】
電磁コイル10は、コア12を介して、コイル軸芯Yを弁体7の移動方向(流路軸芯Xに沿う方向)と異なる方向に沿わせて固定ヨーク9に取り付けてある。
具体的には、コイル軸芯Yを弁体7の移動方向に直交する仮想の平面に沿わせて取り付けられている。
【0034】
固定ヨーク9のうち流通孔3の周縁に沿って磁束が通過する部分に、一対の磁気絞り部14を流通孔3の中心(流路軸芯Xが流通孔3を通過する位置)Zを対称中心とする点対称の位置に配置して設けてある。
【0035】
具体的には、図6に示すように、基板部9aの弁座4を構成する部分のうちの、コイル軸芯Yに直交し、且つ、流通孔3の中心Zを通る方向で互いに対向する部分に外向きに開口する「U」の字状の切欠き14aを形成して、断面積が急激に小さくなる細幅の磁気絞り部14を設けてある。
【0036】
弁体7は、鉄などの磁性体で形成してある円環状の帯板部材7aを、その表面が弁座4の側に露出するよう樹脂部分7bにインサート成形して構成してあり、図2図3に示すように、ハウジング本体6aと出口流路形成部6bとの接続部分に形成された弁体収容空間15に収容してある。
【0037】
コイルスプリング8は、弁体収容空間15に弁体7と出口流路形成部6bとに亘って装着してある。
したがって、ソレノイド5の通電解除時には、ウォーターポンプ60の作動により発生する冷却液の液圧により、コイルスプリング8による閉じ方向への付勢力に抗して弁体7が開き方向に移動可能になる。
【0038】
冷却液停止弁Aの開閉動作を説明する。
エンジン51の停止時には、ウォーターポンプ60は停止しており、ソレノイド5の通電は解除されているが、弁体7はコイルスプリング8の付勢力によって弁座4に当接付勢されているため、冷却液停止弁Aは図2に示す閉状態に保持される。
【0039】
エンジン51の始動時には、ウォーターポンプ60の駆動が開始され、冷却液の液圧が弁体7に作用するが、ソレノイド5の通電により弁体7が励磁されるので、弁体7は、ソレノイド5の通電による吸引力とコイルスプリング8の付勢力によって弁座4に押付けられ、冷却液停止弁Aは図2に示す閉状態に保持される。
【0040】
暖房使用時には、ソレノイド5の通電を解除すると、冷却液の液圧により、弁体7がコイルスプリング8による付勢力に抗して弁座4から押し上げられて、冷却液停止弁Aは図3に示す開状態に保持され、エンジン51によって加熱された冷却液がヒータコア62に流れる。
【0041】
〔第2実施形態〕
図7図8は、本発明の別実施形態を示す。
本実施形態では、磁気絞り部14の配置と形状が第1実施形態と異なっている。
【0042】
すなわち、基板部9aのうちの弁座4を構成する部分に、流通孔3を同芯状に囲む一対の円弧状の切り溝16を、コイル軸芯Yと平行で、且つ、流通孔3の中心Zを通る線分L1を挟んで左右対称に形成し、切り溝16の長手方向中間部を基板部9aの外側方に開口させてある。
そして、隣り合う切り溝16どうしの間に残した基板部9aの幅狭部分を、流通孔3の中心Zを対称中心とする点対称の位置に配置した磁気絞り部14として設けてある。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0043】
〔第3実施形態〕
図9図10は、本発明の別実施形態を示す。
本実施形態では、磁気絞り部14の配置と形状が第1実施形態と異なっている。
【0044】
すなわち、基板部9aのうちの弁座4を構成する部分に、流通孔3を同芯状に囲む円弧状の一対の第1切り溝16aと、第1切り溝16aよりも短い長さで流通孔3を同芯状に囲む円弧状の一対の第2切り溝16bとを同じ溝幅と曲率で周方向に並べて形成し、第2切り溝16bの長手方向中間部を基板部9aの外側方に開口させてある。
そして、第1切り溝16aと第2切り溝16bとの間の四箇所に残した基板部9aの幅狭部分を、流通孔3の中心Zを対称中心とする点対称の位置に配置した磁気絞り部14として設けてある。
【0045】
一対の第1切り溝16aは、コイル軸芯Yに直交し、且つ、流通孔3の中心Zを通る線分L2を挟んで左右対称に形成してある。
一対の第2切り溝16bは、コイル軸芯Yと平行で、且つ、流通孔3の中心Zを通る線分L1を挟んで左右対称に形成してある。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0046】
〔その他の実施形態〕
1.本発明による流体制御弁は、コイル軸芯を弁体の移動方向に対して斜めに交差する方向に沿わせて固定ヨークに取り付けられた電磁コイルを備えていてもよい。
2.本発明による流体制御弁は、固定ヨークのうち流通孔の周縁に沿って磁束が通過する部分に、固定ヨークの厚さが周囲よりも薄い薄肉部分を設けて磁気絞り部を構成してあってもよい。
3.本発明による流体制御弁は、重力により閉じ方向に付勢される弁体を備えていてもよい。
4.本発明による流体制御弁は、流路切り替え用の弁などの各種用途に利用できる。
【符号の説明】
【0047】
3 流通孔
4 弁座
7 弁体
9 固定ヨーク
10 電磁コイル
12 コア
13 支持部
14 磁気絞り部
Y コイル軸芯
Z 流通孔の中心
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10