(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明による自動取引装置の実施例を説明する。
【実施例1】
【0009】
図1は第1の実施例における自動取引装置の構成を示すブロック図である。
図1において、自動取引装置1は、銀行等の金融機関の店舗等に設置され、顧客の操作により通帳の記帳、通帳の繰越し等の取引において通帳を取扱うものであり、操作表示部11と、通帳部12と、カードリーダ部13と、紙幣入出金部14と、硬貨入出金部15と、記憶部16と、制御部17とを備えたものである。なお、本実施例では、カードリーダ部13、紙幣入出金部14、および硬貨入出金部15を備えた自動取引装置1として説明するが、それらを備えない記帳専用機等の自動取引装置1であっても良い。
【0010】
操作表示部11は、タッチパネル等の操作手段としての入力部および液晶ディスプレイ等の表示手段としての表示部で構成されたものである。この操作表示部11はCRTディスプレイや液晶ディスプレイ等の表示部上にタッチパネルを配置し顧客や係員が行う入力操作等を検知するものであり、また、取引選択画面、顧客が選択した取引に対して顧客の入力操作等の誘導を行う画面、係員の入力操作等の誘導を行う画面、および入力された情報等を表示するものである。
本実施例では、操作表示部11は、通帳に印字する氏名を文字で表示する表示部および通帳に印字する氏名の字形を指示する操作を受付ける入力部である。
【0011】
通帳部12は、磁気ストライプ読取り書込み機構、通帳搬送機構、印字機構および通帳発行機構等を備えたものである。この通帳部12は、顧客が通帳挿入返却口から挿入した通帳の磁気ストライプから口座番号等の口座情報を読取り、入出金額や口座残高等の情報を通帳の印字欄に印字し、印字後の通帳を通帳挿入返却口から排出して顧客に返却する。また、通帳部12は、印字欄が少なくなった通帳を新通帳に繰り越す新通帳発行機能を備え、新通帳に顧客の氏名等を印字し、印字した新通帳を通帳挿入返却口から排出して顧客に発行する。
【0012】
カードリーダ部13は、カード読取り書込み機構およびカード搬送機構等を備えたものである。このカードリーダ部13は、顧客がカード挿入返却口に挿入したカードの磁気ストライプやICチップ等から口座番号等の口座情報を読取る。口座番号等の口座情報を読取ったカードはカード挿入返却口から排出して顧客に返却する。
紙幣入出金部14は、現金引出し取引や現金入金取引に伴う紙幣入出金処理を行うものである。ここで、紙幣入金処理とは顧客により接客部に投入された紙幣を計数して紙幣収納部に収納することである。また、紙幣出金処理とは顧客の操作により指定された金額に相当する紙幣を紙幣収納部から繰り出して接客口に搬送して顧客に払い出すことである。なお、紙幣入出金機の構成の詳細は後述する。
【0013】
硬貨入出金部15は、現金引出し取引や現金入金取引に伴う硬貨入出金処理を行う。ここで、硬貨入金処理とは顧客により接客部に投入された硬貨を計数して金庫に収納することである。また、硬貨出金処理とは顧客の操作により指定された金額に相当する硬貨を金庫から繰り出して接客口に搬送して顧客に払い出すことである。
記憶部16は、半導体メモリや磁気ディスク等で構成され情報を記憶し、記憶した情報を読取ることができるものである。この記憶部16には自動取引装置1全体の動作を制御する制御プログラム(ソフトウェア)、操作表示部11に表示する画面データおよび顧客が行う取引に必要な情報や取引の履歴情報(ログ情報)等を記憶する。また、記憶部16は、同音で字形が異なる漢字(文字)の情報を候補文字情報161として記憶する。
【0014】
制御部17は、CPU(Central Processing Unit)等の演算および制御手段等で構成されたものである。この制御部17は、操作表示部11、通帳部12、カードリーダ部13、紙幣入出金部14、硬貨入出金部15、記憶部16、および通信回線2を介してホストコンピュータとの間の通信制御を行う図示しない通信部を含めて自動取引装置1全体の動作を記憶部16に格納された制御プログラム(ソフトウェア)に基づいて制御する。
本実施例では、制御部17は、操作表示部11で指示された字形で通帳部12により通帳に氏名を印字させる。
【0015】
上述した構成の作用について説明する。
自動取引装置が行う通帳発行処理を
図2の第1の実施例における通帳発行処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って
図1を参照しながら説明する。なお、以下の実施例では通帳発行処理を例として説明するが、それに限られるものでなく、通帳に印字を行うものであれば通帳記帳処理等であっても良い。
S1:自動取引装置1の制御部17は、操作表示部11に取引選択画面を表示し、顧客による取引の選択操作を待機する。
S2:制御部17は、操作表示部11により通帳記入の取引を選択する顧客の操作を受付け、通帳記入の取引を開始する。
【0016】
S3:通帳部12は、制御部17の指示により、通帳の挿入を待機し、通帳が通帳挿入返却口から挿入されると、挿入された通帳を装置内に引き込み、磁気ストライプから口座情報を読み取る。
S4:通帳部12が口座情報を読み取ると、制御部17は、ホストコンピュータと通信を行い、読取った口座情報をホストコンピュータへ送信し、ホストコンピュータから当該通帳に未記帳の印字データを受信する。
S5:未記帳の印字データを受信した制御部17は、通帳部12に未記帳の印字データを通帳に印字するように指示し、通帳部12は未記帳の印字データを通帳に印字する。
【0017】
S6:本実施例では、通帳部12は未記帳の印字データをすべて通帳(以下、「旧通帳」という。)に印字することができなかったものとし、制御部17は新通帳に繰り越すことが必要である旨をホストコンピュータに通知し、ホストコンピュータから新通帳に印字する顧客の氏名を含む印字データを受信する。
S7:制御部17は、ホストコンピュータから受信した印字データに基づいて操作表示部11に印字内容確認画面を表示し、顧客による印字内容確認結果の入力操作を待機する。この印字内容確認画面は、例えば
図3に示す印字内容確認画面30であり、新通帳の氏名欄に印字する顧客の氏名31、印字する顧客の氏名の確認結果を入力する「はい」操作ボタン32、「いいえ」操作ボタン33から構成されたものである。
【0018】
顧客は、印字内容確認画面30で新通帳に印字される氏名の字形を確認し、顧客の氏名31に表示された字形で新通帳に印字を行う場合は「はい」操作ボタン32を押下するものとし、顧客の氏名31に表示された字形では新通帳に印字を行わない場合は「いいえ」操作ボタン33を押下するものとする。
S8:制御部17は、操作表示部11により、表示された字形で新通帳に印字を行うことが選択されたと判定、即ち印字内容が確定したと判定すると処理をS12へ移行し、表示された字形では新通帳に印字を行わないことが選択されたと判定すると処理をS9へ移行する。
【0019】
S9:表示された字形では新通帳に印字を行わないことが選択されたと判定した制御部17は、操作表示部11に文字選択画面を表示し、顧客による文字(字形)選択の入力操作を待機する。この文字選択画面は、例えば
図4に示す文字選択画面40であり、現在の文字41、および候補の文字42から構成されたものである。
制御部17は、記憶部16に記憶されている候補文字情報161から同音で字形が異なる漢字の情報を抽出し、文字選択画面40の現在の文字41、および候補の文字42に表示する。
【0020】
候補文字情報161は、例えば
図5に示すように、同音で字形が異なるそれぞれの漢字の漢字コード(SHIFT−JIS)161aに対応付けて、候補数161bおよび候補文字の漢字コード161cを記憶したデータベースである。例えば、漢字コード161aが「90C4」(斉)に対応付けて、候補数161bが「3」、候補文字の漢字コード161cが「8DD6」(斎)、「E256」(齋)、「EA8E」(齊)の情報を記憶したものである。
この場合、文字選択画面40の現在の文字41には、「斉」、候補の文字42には、「斎」42a、「齋」42b、「齊」42cが表示され、顧客の操作により「斎」42a、「齋」42b、「齊」42cのいずれかが選択されるものとする。
【0021】
S10:操作表示部11により候補の文字が選択されたことが検知されると、制御部17は、選択文字確認画面を操作表示部11に表示する。この選択文字確認画面は、例えば
図6に示す選択文字確認画面60であり、S9において選択された文字で構成された新通帳の氏名欄に印字する顧客の氏名61、印字する顧客の氏名の確認結果を入力する「はい」操作ボタン62、「いいえ」操作ボタン63から構成されたものである。
顧客は、印字内容を確認するための画面である選択文字確認画面60で新通帳に印字される氏名の字形を確認し、顧客の氏名61に表示された字形で新通帳に印字を行う場合は「はい」操作ボタン62を押下するものとし、顧客の氏名61に表示された字形では新通帳に印字を行わない場合は「いいえ」操作ボタン63を押下するものとする。
【0022】
S11:制御部17は、操作表示部11により、表示された字形で新通帳に印字を行うことが選択されたと判定、即ち印字内容が確定したと判定すると処理をS12へ移行し、表示された字形では新通帳に印字を行わないことが選択されたと判定すると新通帳を発行することなく、S11aにおいて顧客を窓口へ誘導する窓口誘導画面を操作表示部11に表示し、処理をS18へ移行する。
この窓口誘導画面は、例えば
図7に示す窓口誘導画面70であり、「窓口へお越しください。」等の文言および確認のための「はい」操作ボタン71で構成されたものである。
【0023】
S12:印字内容が確定したと判定した制御部17の指示により、通帳部12は、旧通帳を退避部に退避する。
S13:通帳部12は、新通帳を通帳スタッカから繰出して印字機構まで搬送する。
S14:新通帳を繰出した通帳部12は、制御部17に指示を受け、顧客により確認された印字内容を印字機構により新通帳の表紙および見返しに印字を行う。
S15:制御部17は、ホストコンピュータと通信を行い、新通帳に印字する印字データを受信する。
S16:印字データを受信した制御部17は、通帳部12に印字データを新通帳に印字するように指示し、通帳部12は印字データを新通帳に印字する。
【0024】
S17:通帳部12は、印字した新通帳を通帳挿入返却口から排出して顧客に発行し、顧客は排出された新通帳を受け取る。
S18:通帳部12は、S12において旧通帳を退避部に退避している場合はその旧通帳を搬送路へ移動して復帰させる。
S19:通帳部12は、復帰した旧通帳を通帳挿入返却口から排出して顧客に返却し、顧客は排出された旧通帳を受け取る。旧通帳が受取られたことを通帳部12で検知されると制御部17は、処理をS1へ移行し、取引選択画面を操作表示部11に表示して顧客による取引の選択操作を待機する。
【0025】
このように、自動取引装置1の記憶部16に、同音で字形が異なる漢字の漢字コード161aに対応付けて、候補文字の漢字コード161cを記憶する候補文字情報161を設け、制御部17は、通帳に印字する氏名を構成する漢字のうち、同音で字形が異なる漢字を候補文字情報161から抽出し、操作表示部11に表示し、通帳に印字する氏名の字形を指示する選択操作を操作表示部11で受付け、通帳部12に選択された字形の漢字で通帳に氏名を印字させるようにしたことにより、顧客が望む字形で通帳に氏名を印字することができる。
なお、顧客が望む字形が選択できない場合は、通帳に氏名を印字することなく窓口へ誘導し、通帳の氏名に顧客が望まない文字で印字することを防止している。
【0026】
以上説明したように、第1の実施例では、自動取引装置の制御部は、通帳に印字する氏名の文字に同音で字形が異なる漢字を表示部に表示し、通帳に印字する氏名の字形を指示する選択操作を入力部で受付け、通帳部に選択された字形で通帳に氏名を印字させるようにしたことにより、顧客が望む字形で通帳に氏名を印字することができるという効果が得られる。
また、顧客が望む字形が選択できない場合は、通帳に氏名を印字することなく窓口へ誘導するようにしたことにより、通帳の氏名に顧客が望まない文字で印字することを防止することができ、顧客のクレームを防止することができるという効果が得られる。
【実施例2】
【0027】
第2の実施例では、修正する字形を顧客が手書きで入力できるようにしている。
なお、第2の実施例の構成は、第1の実施例の構成と同様なので同一の符号を付してその説明を省略する。
第2の実施例の作用について説明する。
自動取引装置が行う通帳発行処理を
図8の第2の実施例における通帳発行処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って
図1を参照しながら説明する。
S101〜S107:
図2におけるS1〜S7と同様の処理なのでその説明を省略する。
【0028】
S108:制御部17は、操作表示部11により、表示された字形で新通帳に印字を行うことが選択されたと判定、即ち印字内容が確定したと判定すると処理をS114へ移行し、表示された字形では新通帳に印字を行わないことが選択されたと判定すると処理をS109へ移行する。
S109:表示された字形では新通帳に印字を行わないことが選択されたと判定した制御部17は、操作表示部11に変更文字選択画面を表示し、顧客の手書きによる修正を行う文字(字形)選択の入力操作を待機する。この変更文字選択画面は、例えば
図9に示す変更文字選択画面80であり、現在の文字81で構成されたものである。
本実施例では、顧客の操作により、「斉」が選択されるものとする。
【0029】
S110:操作表示部11により修正を行う文字が選択されたことが検知されると、制御部17は、手書き入力画面を操作表示部11に表示する。この手書き入力画面は、例えば
図10に示す手書き入力画面90であり、S109において選択された文字(字形)を修正するために指を接触させて手書きで文字を入力する領域91、領域91に入力した文字を消去する「訂正」操作ボタン92、領域91に入力した文字を確定させる「終了」操作ボタン93から構成されたものである。
顧客は、手書き入力画面90で新通帳に印字される氏名の字形(例えば、「齋」)を領域91に手書き入力し、手書き入力した字形で新通帳に印字を行う場合は「終了」操作ボタン93を押下するものとする。
【0030】
なお、手書き文字の入力途中で入力した内容を消去して書き直す場合は、「訂正」操作ボタン92を押下し、領域91に入力した文字を消去させた後、再入力するものとする。
S111:操作表示部11により手書き文字が入力され、確定されたことが検知されると、制御部17は、入力された手書き文字を汎用的なイメージデータに変換して記憶部16に保持し、また通帳に印字できる大きさの文字サイズ(例えば、24×24ドット)に縮小して記憶部16に保持する。
【0031】
S112:入力された手書き文字をイメージデータに変換した制御部17は、手書き入力文字確認画面を操作表示部11に表示する。この手書き入力文字確認画面は、例えば
図11に示す手書き入力文字確認画面93であり、S110において手書き入力された文字で構成された新通帳の氏名欄に印字する顧客の氏名94、印字する顧客の氏名の確認結果を入力する「はい」操作ボタン95、「いいえ」操作ボタン96から構成されたものである。
顧客は、手書き入力文字確認画面93で新通帳に印字される氏名の字形を確認し、顧客の氏名94に表示された字形で新通帳に印字を行う場合は「はい」操作ボタン95を押下するものとし、顧客の氏名94に表示された字形では新通帳に印字を行わない場合は「いいえ」操作ボタン96を押下するものとする。
【0032】
S113:制御部17は、操作表示部11により、表示された字形で新通帳に印字を行うことが選択されたと判定、即ち印字内容が確定したと判定すると処理をS114へ移行し、表示された字形では新通帳に印字を行わないことが選択されたと判定すると新通帳を発行することなく、S113aにおいて、第1の実施例と同様に、顧客を窓口へ誘導する窓口誘導画面を操作表示部11に表示し、処理をS120へ移行する。
S114〜S121:
図2におけるS12〜S19と同様の処理なのでその説明を省略する。
【0033】
このように、自動取引装置1の制御部17は、通帳に印字する氏名の字形を手書きで入力する手書き文字入力の操作を操作表示部11で受付け、通帳部12に入力された手書き文字(字形)で通帳に氏名を印字させるようにしたことにより、顧客が望む字形の手書き文字で通帳に氏名を印字することができる。
なお、顧客が望む字形が選択できない場合は、通帳に氏名を印字することなく窓口へ誘導し、通帳の氏名に顧客が望まない文字で印字することを防止している。
以上説明したように、第2の実施例では、第1の実施例の効果に加え、顧客が望む字形の手書き文字で通帳に氏名を印字することができるという効果が得られる。
【実施例3】
【0034】
第3の実施例では、修正する字形を顧客が手書きで入力し、入力された手書き文字を認識した字形の漢字を候補文字情報から抽出し、抽出した候補文字の中から選択できるようにしている。
なお、第3の実施例の構成は、第1の実施例の構成と同様なので同一の符号を付してその説明を省略する。
第3の実施例の作用について説明する。
【0035】
自動取引装置が行う通帳発行処理を
図12の第3の実施例における通帳発行処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って
図1を参照しながら説明する。
S201〜S211:
図8におけるS101〜S111と同様の処理なのでその説明を省略する。
S212:入力された手書き文字をイメージデータに変換した制御部17は、そのイメージデータに基づいて文字認識処理を行い入力された手書き文字を漢字に変換する。例えば、手書き文字が「齋」である場合、文字認識処理を行った結果の漢字のコードは、
図5に示すように「E256」となる。
【0036】
制御部17は、文字認識処理の結果としての漢字のコードに基づいて記憶部16に記憶されている候補文字情報161を検索し、その候補文字情報161から同音で字形が異なる漢字の情報を抽出し、変更文字選択画面を操作表示部11に表示する。この変更文字選択画面は、例えば
図13に示す変更文字選択画面130であり、手書き文字を表示する現在の文字131、および候補文字情報161から抽出した同音で字形が異なる漢字を候補の文字132に表示する。候補の文字132には、手書き文字である現在の文字131に字形が類似するものから順に画面の左側から表示、例えば現在の文字131が「齋」である場合、候補の文字132には、「齋」132a、「齊」132b、「斎」132c、「斉」132dの順で表示され、顧客の操作により「齋」132a、「齊」132b、「斎」132c、「斉」132dのいずれかが選択されるものとする。
【0037】
S213:操作表示部11により候補の文字が選択されたことが検知されると、制御部17は、選択文字確認画面を操作表示部11に表示する。この選択文字確認画面は、例えば
図6に示す選択文字確認画面60であり、S212において選択された文字で構成された新通帳の氏名欄に印字する顧客の氏名61、印字する顧客の氏名の確認結果を入力する「はい」操作ボタン62、「いいえ」操作ボタン63から構成されたものである。
顧客は、印字内容確認画面60で新通帳に印字される氏名の字形を確認し、顧客の氏名61に表示された字形で新通帳に印字を行う場合は「はい」操作ボタン62を押下するものとし、顧客の氏名61に表示された字形では新通帳に印字を行わない場合は「いいえ」操作ボタン63を押下するものとする。
【0038】
S214:制御部17は、操作表示部11により、表示された字形で新通帳に印字を行うことが選択されたと判定、即ち印字内容が確定したと判定すると処理をS215へ移行し、表示された字形では新通帳に印字を行わないことが選択されたと判定すると新通帳を発行することなく、S214aにおいて顧客を窓口へ誘導する窓口誘導画面を操作表示部11に表示し、処理をS221へ移行する。
S215〜S222:
図8におけるS114〜S121と同様の処理なのでその説明を省略する。
【0039】
このように、自動取引装置1の記憶部16に、同音で字形が異なる漢字の漢字コード161aに対応付けて、候補文字の漢字コード161cを記憶する候補文字情報161を設け、制御部17は、操作表示部11で手書き入力された文字を認識処理し、認識された文字に基づいて候補文字情報161から同音で字形が異なる漢字を抽出し、通帳に印字する氏名の文字として同音で字形が異なる漢字を操作表示部11に表示し、通帳に印字する氏名の字形を指示する選択操作を操作表示部11で受付け、通帳部12に選択された字形で通帳に氏名を印字させるようにしたことにより、顧客が手書き入力した文字に基づき、顧客により選択された字形で通帳に氏名を印字することができる。
なお、顧客が望む字形が選択できない場合は、通帳に氏名を印字することなく窓口へ誘導し、通帳の氏名を顧客が望まない文字で印字することを防止している。
【0040】
以上説明したように、第3の実施例では、第2の実施例の効果に加え、入力部で手書き入力された文字に基づいて同音で字形が異なる漢字を抽出し、通帳に印字する氏名の文字として同音で字形が異なる漢字を表示部に表示し、通帳に印字する氏名の字形を指示する選択操作を入力部で受付け、通帳部に選択された字形で通帳に氏名を印字させるようにしたことにより、顧客が手書き入力した文字に基づき、顧客により選択された字形で通帳に氏名を印字することができるという効果が得られる。
【実施例4】
【0041】
第4の実施例では、正しい字形が存在しない場合、当該文字をカナまたは空白として印字することを選択できるようにしている。
なお、第4の実施例の構成は、第1の実施例の構成と同様なので同一の符号を付してその説明を省略する。
第4の実施例の作用について説明する。
自動取引装置が行う通帳発行処理を
図14の第4の実施例における通帳発行処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って
図1を参照しながら説明する。
S301〜S307:
図2におけるS1〜S7と同様の処理なのでその説明を省略する。
【0042】
S308:制御部17は、操作表示部11により、表示された字形で新通帳に印字を行うことが選択されたと判定、即ち印字内容が確定したと判定すると処理をS313へ移行し、表示された字形では新通帳に印字を行わないことが選択されたと判定すると処理をS309へ移行する。
S309:表示された字形では新通帳に印字を行わないことが選択されたと判定した制御部17は、操作表示部11にカナ/空白印字選択画面を表示し、カナ文字での印字または空白で印字を行うかを選択する顧客の入力操作を待機する。このカナ/空白印字選択画面は、例えば
図15に示す変更文字選択画面130であり、氏名をカナで表示するカナ文字131、カナで印字する「はい」操作ボタン132、空白で印字する「いいえ」操作ボタン133で構成されたものである。
【0043】
S310:制御部17は、操作表示部11により、カナで新通帳に印字を行うことが選択されたと判定すると処理をS311へ移行し、空白で印字することが選択されたと判定すると処理をS312へ移行する。
S311:カナで新通帳に印字を行うことが選択されたと判定した制御部17は、S315においてカナで顧客の氏名を印字するために顧客の氏名をカナで記憶部16に記憶して処理をS313へ移行する。
【0044】
S312:一方、空白で印字を行うことが選択されたと判定した制御部17は、S315において空白で印字するために顧客の氏名を空白として記憶部16に記憶して処理をS313へ移行する。
なお、空白で印字を行うことが選択された場合、顧客は金融機関の窓口において新通帳に氏名を記載してもらうものとする。
S313〜S320:
図2におけるS12〜S19と同様の処理なのでその説明を省略する。
【0045】
このように、制御部17は、通帳に印字する氏名をカナまたは空白で印字することを選択可能に操作表示部11に表示し、通帳に氏名を、操作表示部11で選択されたカナまたは空白で印字させる。
次に、正しい字形が存在しない場合、当該文字を漢字またはカナとして印字することを選択できるようにした変形例を説明する。
その変形例を
図16の変形例における漢字/カナ選択処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って
図1を参照しながら説明する。なお、
図16におけるS309a〜S312aは、
図14におけるS309〜S312を変更したものである。
【0046】
S309a:表示された字形では新通帳に印字を行わないことが選択されたと判定した制御部17は、操作表示部11に漢字/カナ印字選択画面を表示し、漢字文字での印字またはカナ文字での印字を行うかを選択する顧客の入力操作を待機する。この漢字/カナ印字選択画面は、例えば
図17に示す変更文字選択画面170であり、氏名を漢字で表示する漢字文字171、氏名をカナで表示するカナ文字172、漢字で印字する「はい」操作ボタン173、カナで印字する「いいえ」操作ボタン174で構成されたものである。
【0047】
S310a:制御部17は、操作表示部11により、漢字で新通帳に印字を行うことが選択されたと判定すると処理をS311aへ移行し、カナで印字することが選択されたと判定すると処理をS312aへ移行する。
S311a:漢字で新通帳に印字を行うことが選択されたと判定した制御部17は、
図14に示すS315において漢字で顧客の氏名を印字するために顧客の氏名を漢字で記憶部16に記憶して処理を
図14に示すS313へ移行する。
【0048】
S312a:一方、カナで印字を行うことが選択されたと判定した制御部17は、
図14に示すS315においてカナで印字するために顧客の氏名をカナで記憶部16に記憶して処理を
図14に示すS313へ移行する。
このように、制御部17は、通帳に印字する氏名を漢字またはカナで印字することを選択可能に操作表示部11に表示し、通帳に氏名を、操作表示部11で選択された漢字またはカナで印字させる。
さらに、正しい字形が存在しない場合、当該文字を漢字、カナまたは空白として印字することを選択できるようにすることも可能である。
【0049】
この場合、上述したS309aにおいて、制御部17は、操作表示部11に漢字/カナ/空白印字選択画面を表示し、漢字文字での印字、カナ文字での印字または空白で印字を行うかを選択する顧客の入力操作を待機する。この漢字/カナ/空白印字選択画面は、例えば
図18に示す変更文字選択画面180であり、氏名を漢字で表示する漢字文字181、氏名をカナで表示するカナ文字182、漢字で印字する「漢字」操作ボタン183、カナで印字する「カナ」操作ボタン184、空白で印字する「いいえ」操作ボタン185で構成されたものである。
【0050】
制御部17は、操作表示部11により、漢字で新通帳に印字を行うことが選択されたと判定すると
図14に示すS315において漢字で顧客の氏名を印字するために顧客の氏名を漢字で記憶部16に記憶して処理を
図14に示すS313へ移行し、カナで新通帳に印字を行うことが選択されたと判定すると
図14に示すS315においてカナで顧客の氏名を印字するために顧客の氏名をカナで記憶部16に記憶して処理を
図14に示すS313へ移行し、空白で新通帳に印字を行うことが選択されたと判定すると
図14に示すS315において空白で顧客の氏名を印字するために顧客の氏名を空白として記憶部16に記憶して処理を
図14に示すS313へ移行する。
このように、制御部17は、通帳に印字する氏名を漢字、カナまたは空白で印字することを選択可能に操作表示部11に表示し、通帳に氏名を、操作表示部11で選択された漢字、カナまたは空白で印字させる。
【0051】
以上説明したように、第4の実施例では、自動取引装置の制御部は、通帳に印字する氏名を漢字、カナまたは空白とする選択操作を入力部で受付け、通帳部に選択された字形で通帳に氏名を印字させるようにしたことにより、顧客が望む字形で通帳に氏名を印字することができるという効果が得られる。
なお、第1の実施例から第4の実施例をそれぞれ組み合わせることも可能である。例えば、第1の実施例と第2の実施例、第1の実施例と第3の実施例、第2の実施例と第3の実施例、第1の実施例から第3の実施例、第1の実施例から第4の実施例等を組み合わせるようにしても良い。
【0052】
例えば、制御部17は、通帳に印字する氏名を構成する漢字のうち、同音で字形が異なる漢字を記憶部16の候補文字情報161から抽出し、選択可能に操作表示部11に表示し、操作表示部11で選択された字形での印字を許可する入力がされた場合、操作表示部11で選択された字形の漢字で通帳に氏名を印字させ、操作表示部11で選択された字形での印字を許可する入力がされない場合は、操作表示部11で手書き文字入力を受付け、操作表示部11で入力された手書き文字での印字を許可する入力がされた場合、手書き文字で通帳に氏名を印字させ、操作表示部11で入力された手書き文字での印字を許可する入力がされない場合は、操作表示部11で入力された手書き文字を文字認識し、該文字認識した漢字と同音で字形が異なる漢字を候補文字情報161から抽出し、選択可能に操作表示部11に表示し、操作表示部11で選択された字形での印字を許可する入力がされた場合、操作表示部11で選択された字形の漢字で通帳に氏名を印字させ、操作表示部11で選択された字形での印字を許可する入力がされない場合は、通帳に印字する氏名を漢字、カナまたは空白で印字することを選択可能に操作表示部11に表示し、通帳に氏名を、操作表示部11で選択された漢字、カナまたは空白で印字させるようにしても良い。