(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表現態様が前記設定された表現態様と異なる前記録画対象番組が録画された後に前記番組情報取得部により新たに取得された番組情報に、前記同一内容番組が含まれており、かつ、前記録画予約受付部が、前記差し替えの指示を受けている場合には、前記録画部は、録画済みの前記録画対象番組に上書きして前記同一内容番組を録画することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の録画装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態として、前記録画予約受付部は、前記録画対象番組の前記表現態様が前記設定された表現態様と異なり、前記同一内容番組が前記取得済みの番組情報に含まれていない場合、前記新たに取得された番組情報に前記同一内容番組が含まれていると判定した後に、前記受け付け済みの前記録画対象番組の録画予約を前記同一内容番組の録画予約へ差し替えるか否かを指示させる第1画面を表示部に表示させ、前記第1画面の表示に応じて前記差し替えが指示された場合には、前記受け付け済みの前記録画対象番組の録画予約を前記同一内容番組の録画予約へ差し替え、前記第1画面の表示に応じて前記差し替えが指示されなかった場合には、前記受け付け済みの前記録画対象番組の録画予約を維持するとしてもよい。
また、本発明の実施形態として、前記録画予約受付部は、前記録画対象番組の前記表現態様が前記設定された表現態様と異なり、前記同一内容番組が前記取得済みの番組情報に含まれていない場合、今後取得される番組情報に前記同一内容番組が含まれていれば前記受け付け済みの前記録画対象番組の録画予約を前記同一内容番組の録画予約へ差し替えることの是非を指示させる第2画面を表示部に表示させ、前記第2画面の表示に応じて前記差し替えが指示された場合には、前記新たに取得された番組情報に前記同一内容番組が含まれていると判定した場合、前記受け付け済みの前記録画対象番組の録画予約を前記同一内容番組の録画予約へ差し替え、前記第2画面の表示に応じて前記差し替えが指示されなかった場合には、前記受け付け済みの前記録画対象番組の録画予約を維持するとしてもよい。
【0015】
また、本発明の実施形態として、前記表現態様が前記設定された表現態様と異なる前記録画対象番組が録画された後に前記番組情報取得部により新たに取得された番組情報に、前記同一内容番組が含まれており、かつ、前記録画予約受付部が、前記差し替えの指示を受けている場合には、前記録画部は、録画済みの前記録画対象番組に上書きして前記同一内容番組を録画するとしてもよい。
また、本発明の実施形態として、前記記憶媒体に録画された番組の中から再生の対象として選択された番組を再生可能な再生部を備え、前記表現態様が前記設定された表現態様と異なる前記録画対象番組が録画されて前記再生の対象として選択された場合、前記録画予約受付部は、前記同一内容番組が現時点で取得済みの番組情報に含まれている場合には、外部からの指示に応じて、前記同一内容番組の録画予約を受け付けるとしてもよい。
また、本発明の実施形態として、視聴の対象として選択された番組を受信したテレビ放送から抽出しつつ当該番組にかかる映像および音声を出力可能な出力処理部を備え、前記表現態様が前記設定された表現態様と異なる番組が前記視聴の対象として選択された場合、前記録画予約受付部は、前記視聴の対象として選択された番組と同じ内容の番組であって前記表現態様が前記設定された表現態様である同一内容番組が現時点で取得済みの番組情報に含まれている場合には、外部からの指示に応じて、当該同一内容番組の録画予約を受け付けるとしてもよい。
また、本発明の実施形態として、前記複数の表現態様には少なくとも、字幕表示、言語の吹き替え、2ヵ国語音声、が含まれるとしてもよい。
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を更に説明する。以下の実施形態では、テレビ放送される番組を受信して録画可能な録画装置の一例であるハードディスクレコーダ(以下、レコーダ)に本発明を適用した場合について説明する。なお、本発明にかかる録画装置は、録画(記録)再生装置、放送受信装置、等と呼んでもよい。
【0017】
(装置の概略)
まず、レコーダ100の構成について説明する。レコーダ100は、
図1に示すように、表示装置200(表示部の一例)が接続されるレコーダ本体1と、レコーダ本体1を遠隔操作するリモートコントローラ(リモコン)2とを備えている。
【0018】
レコーダ本体1は、チューナ11と、HDD(Hard disk drive)部12と、DVD(Digital Versatile Disk)部13と、信号処理部14と、EPG(Electronic Program Guide:電子番組ガイド)データ抽出部15と、OSD(On-Screen Display)部16と、合成部17と、出力部18と、受信部19と、CPU20と、ROM21と、RAM22とを含んでおり、これらはバス1aを介して接続されている。
【0019】
チューナ11には、アンテナ(図示省略)が接続されており、チューナ11は、地上デジタル放送、BSデジタル放送、およびCSデジタル放送などの様々なテレビ放送を受信する。そして、チューナ11は、受信した放送信号を信号処理部14およびEPGデータ抽出部15に出力する。なお、チューナ11が出力する放送信号には、番組を構成する映像音声情報および放送予定の番組の番組情報(EPGデータ)が含まれている。また、番組情報は、チャンネル名、番組名、番組の内容を伝える言語に関する表現態様(字幕版、吹き替え版、2ヵ国語音声版、などのいずれか)の別、解像度やビットレートなどの画質情報、番組の長さ(時間長)、開始時間、終了時間、および、番組内容の紹介などを含む。
【0020】
HDD部12は、ハードディスクなどを有しており、番組を構成する映像音声情報を記録し、また、記録した映像音声情報を信号処理部14に出力する。DVD部13は、ディスクトレイや光ピックアップなどを有しており、ディスクトレイに載置されたDVD(図示省略)に対する読み込みおよび書き込みを行う。そして、DVD部13は、DVDから読み込んだ映像音声情報を信号処理部14に出力する。むろん、DVD部13は、DVD以外の光ディスク(CDやブルーレイディスク等)に対する読み込みおよび書き込みを実行可能な製品でもよい。
【0021】
信号処理部14は、デコーダなどを有しており、チューナ11、HDD部12、およびDVD部13から入力された信号に対して復調等の所定の処理を施す。そして、信号処理部14は、所定の処理が施された信号を合成部17に出力する。EPGデータ抽出部15は、チューナ11から入力された放送信号から定期的あるいは不定期に、その時点で最新のEPGデータを抽出する。そして、抽出されたEPGデータは、ROM21に記憶される。EPGデータ抽出部15は、番組の放送予定を記述した番組情報をテレビ放送から取得する番組情報取得部に該当する。
【0022】
OSD部16は、OSD信号を生成するとともに、生成したOSD信号を合成部17に出力する。OSD部16は、現時点でROM21に記憶されているEPGデータに基づいて、電子番組表PG(
図2参照)を表示するためのOSD信号を生成する。また、OSD部16は、後述するような各種画面(例えば、符号RS,SS1,SS2,ASで示される画面等)を表示するためのOSD信号を生成する。合成部17は、信号処理部14から入力された信号に、OSD部16から入力されたOSD信号を重畳して出力部18に出力する。
【0023】
出力部18は、合成部17から入力された信号を表示装置200に出力する。表示装置200は、たとえば、テレビ(テレビジョン受像機)であり、番組の映像や電子番組表PGなどを表示し、番組の音声を不図示のスピーカから出力する。あるいは、レコーダ本体1および表示装置200の機能を含んだ構成を、一つの製品(テレビ)として捉えることも可能である。受信部19は、フォトダイオードなどを含み、リモコン2から出力されるリモコン信号を受信する。CPU20は、レコーダ本体1の動作を所定のプログラムに従って制御する。ROM21は、書き換え可能な不揮発性のメモリであり、たとえば、フラッシュメモリである。ROM21は、レコーダ本体1の動作を制御するための前記プログラムや、地上デジタル放送、BSデジタル放送、およびCSデジタル放送等の数日間分のEPGデータなどを記憶する。RAM22は、たとえば、DRAMであり、前記プログラムが実行される際にデータなどを一時的に記憶する。
【0024】
レコーダ100は、
図2に示すように、ユーザがリモコン2を操作することにより、電子番組表PGを表示装置200に表示させるとともに、ユーザが電子番組表PGから選択した番組を録画予約の対象(録画対象番組)として受け付けることが可能である。このような、取得済みのEPGデータに基づく電子番組表PGの表示および、電子番組表PGに情報が含まれる番組の中からの録画対象番組の選択受け付け、に携わる構成(例えば、CPU20、ROM21、RAM22、OSD部16、合成部17、出力部18、受信部19等)は、番組選択受付部に該当する。
【0025】
また、レコーダ100は、
図3に示すように、ユーザがリモコン2を操作することにより、録画設定画面RSを表示装置200に表示させるとともに、ユーザが録画設定画面RSを介して前記表現態様に関する設定をすることが可能なように構成されている。例えば、ユーザは、レコーダ100に対し、「字幕版」、「吹き替え版」または「2ヵ国語音声版」のいずれかから所望する表現態様を設定する。このような録画設定の内容は、ROM21に記憶される。このような、録画設定画面RSの表示および優先すべき表現態様の設定の受け付け、に携わる構成(CPU20、ROM21、RAM22、OSD部16、合成部17、出力部18、受信部19等)は、設定受付部に該当する。
【0026】
また、HDD部14内のハードディスクやDVD13部内のDVD等の光ディスクに記録された(つまり録画された)いずれかの番組の映像音声情報に基づく映像や音声の信号を表示装置200に出力する処理(再生処理)に携わる構成(例えば、CPU20、ROM21、RAM22、HDD部12、DVD部13、信号処理部14、合成部17、出力部18、受信部19等)は、記憶媒体に録画された番組の中から再生の対象として選択された番組を再生可能な再生部、に該当する。
また、チューナ11が受信した放送信号に含まれるいずれかの番組の映像音声情報に基づく映像や音声の信号を表示装置200に出力する処理に携わる構成(例えば、CPU20、ROM21、RAM22、チューナ11、信号処理部14、合成部17、出力部18、受信部19等)は、(リアルタイムでの)視聴の対象として選択された番組を受信したテレビ放送から抽出しつつ当該番組にかかる映像および音声を出力可能な出力処理部、に該当する。
【0027】
(第1実施例)
図4は、第1実施例にかかる録画予約処理を示すフローチャートである。当該フローチャートの各ステップは、CPU20により実行される。
ステップS100では、CPU20は、録画対象番組の選択を受け付けたか否か判定する。つまり、電子番組表PGを表示装置200に表示させつつ、ユーザが操作するリモコン2からの指示により、電子番組表PGに情報が含まれるいずれかの番組が録画対象番組として選択されたか否かを判定する。そして、録画対象番組の選択を受け付けた場合には、ステップS110へ進み、一方、録画対象番組の選択を受け付けていない場合には、ステップS100の判定を繰り返す。
【0028】
ステップS110では、CPU20は、録画対象番組の前記表現態様が、設定された表現態様と一致するか否か判定する。ここで言う「設定された表現態様」とは、
図3に例示したような録画設定画面RSを介して設定された表現態様である。
図4に示す録画予約処理は、このような表現態様の設定が既にされている状況で実行される。ここでは、一例として、録画設定画面RSを介して、ユーザにより「字幕版」が設定されているものとする。上述したように、ROM21に記憶されたEPGデータには、放送予定の各番組についてのチャンネル名、番組名、前記表現態様…といった各種情報が記述されているため、CPU20は、このような情報を参照することで、録画対象番組の前記表現態様が、設定された表現態様と一致するか否か判定する。そして、録画対象番組の前記表現態様が、設定された表現態様と一致する場合(録画対象番組の前記表現態様が「字幕版」である場合)は、ステップS160へ進み、一方、録画対象番組の前記表現態様が、設定された表現態様と異なる場合(例えば、録画対象番組の前記表現態様が「吹き替え版」である場合)は、ステップS120へ進む。
【0029】
ステップS160では、CPU20は、録画対象番組の録画予約を受け付ける。ステップS110からステップS160へ進んだ場合には、ステップS100で選択された録画対象番組が、まさしくユーザが望む表現態様(字幕版)による番組であるため、後述の選択画面SS1等による選択をユーザに求めることなく、録画対象番組の録画予約を受け付ける。
【0030】
一方、ステップS120では、CPU20は、録画対象番組と同じ内容の番組であってかつ前記表現態様が前記設定された表現態様である番組(以下、同一内容番組)が、電子番組表PG(EPGデータ)に含まれているか否か判定する。同じ内容の番組とは、例えば、再放送される番組などであり、番組名や番組の長さなどに基づいて判断される。このような同じ内容の番組であって、前記表現態様が、前記設定された表現態様(字幕版)に一致する番組の存在をROM21に記憶されたEPGデータに基づいて抽出できた場合に、CPU20は“同一内容番組有り”と判定し、ステップS130へ進む。一方、当該EPGデータを参照しても同一内容番組が無い場合は、ステップS170へ進む。
【0031】
ステップS130では、CPU20は、選択画面SS1を表示装置200に表示させる。
図5は、選択画面SS1の一例である。ここで、ステップS100において、4月1日の午後4時から放送される「ドラマ○○○」というタイトルのドラマの吹き替え版が、録画対象番組として選択されたと仮定する(
図2参照)。また、ステップS120において、EPGデータを参照した結果、4月1日から5日後の4月6日の午後4時から同じ「ドラマ○○○」の字幕版が放送される予定であることが判ったと仮定する。このような場合、ステップS100→ステップS110→ステップS120→ステップS130と処理が進み、ステップS130において選択画面SS1が表示される。選択画面SS1には、例えば、「この番組は、4月6日 PM4:00 に字幕版が放送されます。そちらに予約を差し替えますか?」等といったメッセージとともに、「はい」、「いいえ」といった、同一内容番組(4月6日の午後4時から放送される「ドラマ○○○」の字幕版)の録画予約、または、録画対象番組(4月1日の午後4時から放送される「ドラマ○○○」の吹き替え版)の録画予約、のいずれかを選択させるための表示がなされる。
【0032】
ステップS140では、CPU20は、選択画面SS1の表示に対する応答(外部つまりユーザのリモコン2の操作による指示)を監視し、リモコン2によって、「はい(同一内容番組の録画予約)」が選択された場合にはステップS150へ進み、「いいえ(録画対象番組の録画予約)」が選択された場合にはステップS160へ進む。
ステップS150では、CPU20は、同一内容番組の録画予約を受け付ける。なお、CPU20が録画予約を受け付けるとは、CPU20が当該録画予約を有効なものとして認定することを意味し、ユーザに更なる行為(操作)を必ずしも要求するものではない。ただし、ステップS150,S160(および後述のステップS170,S210等)において、CPU20は、録画予約する意思を最終確認するためのボタン等をユーザに押させることで、録画予約を正式に受け付けるとしてもよい。
【0033】
本実施例では、ステップS120において“同一内容番組無し”と判定した場合に、録画予約処理を中止させたり、ステップS160に進んで録画対象番組の録画予約を確定させたりすることを排除しない。ただし、以下に説明するように、ステップS120において“同一内容番組無し”と判定した場合に、さらにステップS170以降の処理を行うことも本実施例の特徴の一つと言える。
【0034】
ステップS170では、CPU20は、録画対象番組の録画予約を受け付ける。ここで受け付けた録画予約は、後述のS210で差し替えられない限り、有効である。
次に、ステップS180では、CPU20は、同一内容番組が、電子番組表PG(EPGデータ)に含まれているか否か判定する。ステップS180における判定方法は、ステップS120と同じである。ただし、ステップS180において参照するROM21に記憶されたEPGデータは、ステップS120で参照したEPGデータよりも新しいデータである。つまり、ステップS170で一旦、録画対象番組の録画予約を受け付けた後、新しいEPGデータがテレビ放送から得られた場合に、当該新しいEPGデータを参照して同一内容番組の有無を判定する。CPU20は、ステップS180において“同一内容番組有り”と判定した場合に、ステップS190へ進む。
【0035】
ステップS190では、CPU20は、選択画面SS2を表示装置200に表示させる。選択画面SS2を表示させるタイミングは種々考えられるが、例えば、ステップS180で“同一内容番組有り”と判定した後であって、ユーザのリモコン2の操作により表示装置200に電子番組表PGを表示させたときに、併せて(例えば、電子番組表PGに重ねて)選択画面SS2を表示させる。選択画面SS2は、特許請求の範囲における第1画面の一例である。
【0036】
図6は、選択画面SS2の一例である。
図6では簡単のため、表示装置200に選択画面SS2のみを表示した場合を示している。
図6の説明に際しても、ステップS100において、4月1日の午後4時から放送される「ドラマ○○○」の吹き替え版が、録画対象番組として選択されたと仮定する。また、ステップS180において、最新のEPGデータを参照した結果、4月9日の午後4時から同じ「ドラマ○○○」の字幕版が放送される予定であることが判ったと仮定する。このような場合、ステップS100→ステップS110→ステップS120→ステップS170→ステップS180→ステップS190と処理が進み、ステップS190において選択画面SS2が表示される。選択画面SS2には、例えば、「この番組は、4月9日 PM4:00 に字幕版が放送されます。そちらに予約を差し替えますか?」等といったメッセージとともに、「はい」、「いいえ」といった、同一内容番組(4月9日の午後4時から放送される「ドラマ○○○」の字幕版)の録画予約、または、録画対象番組(4月1日の午後4時から放送される「ドラマ○○○」の吹き替え版)の録画予約、のいずれかを選択させるための表示がなされる。
【0037】
ステップS200では、CPU20は、選択画面SS2の表示に対する応答(外部つまりユーザのリモコン2の操作による指示)を監視し、リモコン2によって、「はい(同一内容番組の録画予約)」が選択された場合にはステップS210へ進み、「いいえ(録画対象番組の録画予約)」が選択された場合にはステップS220へ進む。
【0038】
ステップS210では、CPU20は、同一内容番組の録画予約を受け付ける。当該ステップS210で言う同一内容番組とは、むろん、ステップS180の判定で存在(放送予定)が確認された同一内容番組である。また、当該ステップS210で同一内容番組の録画予約を受け付けるとは、ステップS170で受け付け済みの録画対象番組の録画予約を、同一内容番組の録画予約へ差し替えることを指す。つまり、ステップS210により、ステップS170で受け付け済みの録画対象番組の録画予約が取り消され、替わりに、同一内容番組の録画予約が有効化される。一方、CPU20は、ステップS220では、このような差し替えを実行せず、ステップS170で受け付け済みの録画対象番組の録画予約をそのまま維持する(実質的には、ステップS220では何もしない)。ステップS150,S160,S210,S220の後、当該フローチャートが終了する。
【0039】
当該フローチャート(あるいは後述する各フローチャート)で受け付けられた録画予約に応じて、レコーダ100が、テレビ放送される番組を所定の記憶媒体(ハードディスク等)に録画する。このような録画の実現に携わる構成(CPU20、ROM21、RAM22、チューナ部11、HDD部12等)は、録画部に該当する。なお、当該フローチャート(あるいは後述する各フローチャート)を実行する点で、少なくともCPU20は、録画予約受付部として機能すると言える。
【0040】
このように本実施例によれば、ユーザが電子番組表PGを見ながら任意に選択(ステップS100)した録画対象番組の表現態様(例えば、吹き替え版)が、先に録画設定画面RSを介して設定された表現態様(例えば、字幕版)と異なる場合(ステップS110において“No”)、その時点で取得されているEPGデータに基づいて同一内容番組の放送予定の有無が判定され(ステップS120)、同一内容番組の放送予定が有る場合には選択画面SS1が表示され(ステップS130)、ユーザに、録画対象番組と同一内容番組とのいずれを録画予約するかを選択させる(ステップS140,S150,S160)ことができる。そのため、ユーザが所望する表現態様を採用した番組が録画され易い。
【0041】
また本実施例によれば、録画対象番組の表現態様が、録画設定画面RSを介して設定された表現態様と一致する場合(ステップS110において“Yes”)には、表現態様が異なる同じ内容の番組の放送予定をわざわざサーチしたり、そのサーチ結果をユーザに提示したりしないため、処理が簡略化され、また、ユーザの手間を最小限化することができる。
【0042】
さらに本実施例によれば、録画対象番組が選択されたタイミングでの、同一内容番組の有無の判定(ステップS120)において“同一内容番組無し”と判定された場合であっても、その後新たに取得されたEPGデータに基づいて、再度、同一内容番組の有無の判定(ステップS180)がなされる。そして、当該再度の判定において“同一内容番組有り”と判定されると、選択画面SS2が表示され(ステップS190)、ユーザに、録画対象番組の録画予約を同一内容番組の録画予約へ差し替えるか否かを選択させる(ステップS200,S210,S220)ことができる。そのため、ユーザが所望する表現態様を採用した番組が、さらに録画され易くなると言える。
【0043】
実施形態は上述の内容に限られるものではなく種々の態様が考えられ、後述するような各実施例を採用可能である。本明細書における実施形態や実施例を適宜組み合わせた構成も、本発明の開示範囲に入る。以下では、既に説明した事項が適宜適用されるものとし、主に、既に説明した事項と異なる点を主に説明する。
【0044】
(第2実施例)
図7は、第2実施例にかかる録画予約処理を示すフローチャートである。当該フローチャートの各ステップは、CPU20により実行される。
図7は、
図4と比較したとき、
図4のステップS180,S190,S200の替わりにステップS185,S195,S205を有する点で異なり、それ以外は同じである。
【0045】
ステップS170において録画対象番組の録画予約を受け付けたら、CPU20は、ステップS185において、事前確認画面ASを表示装置200に表示させる。事前確認画面ASとは、今後取得される番組情報(EPGデータ)に同一内容番組が含まれていればステップS170で受け付け済みの録画対象番組の録画予約を当該同一内容番組の録画予約へ差し替えることの是非を、ユーザに事前に指示させるための画面である。事前確認画面ASは、特許請求の範囲における第2画面の一例である。
【0046】
図8は、事前確認画面ASの一例である。事前確認画面ASには、例えば、「この番組の字幕版が今後放送される場合、そちらに予約を差し替えますか?」等といったメッセージとともに、「はい」、「いいえ」のいずれかを選択させるための表示がなされる。
【0047】
ステップS195では、CPU20は、事前確認画面ASの表示に対する応答(外部つまりユーザのリモコン2の操作による指示)を監視し、リモコン2によって、「はい(差し替え許可)」が選択された場合にはステップS205へ進み、「いいえ(差し替え不許可)」が選択された場合にはステップS220へ進む。
【0048】
ステップS205では、CPU20は、同一内容番組が、電子番組表PG(EPGデータ)に含まれているか否か判定する。ステップS205における判定方法は、ステップS120と同じである。ただし、ステップS205において参照するROM21に記憶されたEPGデータは、ステップS120で参照したEPGデータよりも新しいデータである。つまり、ステップS170で一旦、録画対象番組の録画予約を受け付け、かつ前記差し替え許可を受けた(ステップS195において“Yes”)後、新しいEPGデータがテレビ放送から得られた場合に、当該新しいEPGデータを参照して同一内容番組の有無を判定する。CPU20は、ステップS205において“同一内容番組有り”と判定した場合に、ステップS210へ進む。
【0049】
このような第2実施例によれば、録画対象番組が選択されたタイミングでの、同一内容番組の有無の判定(ステップS120)において、“同一内容番組無し”と判定された場合であっても、事前確認画面ASが表示され(ステップS185)、将来取得される番組情報(EPGデータ)に同一内容番組が含まれていれば録画対象番組の録画予約を当該同一内容番組の録画予約へ差し替えることの是非を、ユーザに問いかける。そして、事前確認画面ASの表示に対する応答として差し替え許可が得られた場合、その後新たに取得されたEPGデータに基づいて、再度、同一内容番組の有無の判定(ステップS205)がなされる。そして、当該再度の判定において“同一内容番組有り”と判定されると(ステップS205において“Yes”)、自動的に録画対象番組の録画予約を同一内容番組の録画予約へ差し替える(ステップS210)。そのため、ユーザが所望する表現態様を採用した番組が、より録画され易くなると言える。
【0050】
(第3実施例)
前記表現態様が前記設定された表現態様と異なる録画対象番組が録画された後に新たに取得された番組情報(EPGデータ)に、前記同一内容番組の放送予定が含まれていることもあり得る。つまり、第1実施例であれば、ステップS180で“同一内容番組有り”と判定した時点で、既に、ステップS170で受け付けた録画対象番組の録画がされている場合であり、第2実施例であれば、ステップS205で“同一内容番組有り”と判定した時点で、既に、ステップS170で受け付けた録画対象番組の録画がされている場合である。
【0051】
このように、録画対象番組が録画済みの状況で同一内容番組の放送予定を発見した場合、CPU20は、前記差し替えの指示を受けている場合(
図4のステップS200において“Yes”、または
図7のステップS195において“Yes”)、録画済みの録画対象番組に上書きして同一内容番組を録画する。つまり、CPU20は、ステップS210に進んで録画予約処理(
図4,7)を終えた場合、録画対象番組が録画済みであっても、同一内容番組を録画し、録画済みの録画対象番組を同一内容番組の録画結果で差し替える。当該第3実施例によれば、ユーザが所望する表現態様とは異なる表現態様の番組が録画された後であっても、最終的には 同じ内容であってユーザが所望する表現態様を採用した番組が録画され易い。
【0052】
(第4実施例)
同一内容番組の放送予定の有無を判定するタイミングは、録画対象番組が選択されたタイミングに限られず、例えば、ユーザが、記憶媒体に録画された番組の中から再生の対象としていずれかの番組を選択したタイミングであってもよい。
【0053】
図9は、第4実施例にかかる録画予約処理を示すフローチャートである。当該フローチャートの各ステップは、CPU20により実行される。
ステップS300では、CPU20は、再生対象番組の選択を受け付けたか否か判定する。例えば、CPU20は、ユーザが操作するリモコン2からの指示により、HDD部12がハードディスクに録画済みの複数の番組の中からいずれかの番組が再生の対象(再生対象番組)として選択されたか否かを判定する。そして、再生対象番組の選択を受け付けた場合には、ステップS310へ進み、一方、再生対象番組の選択を受け付けていない場合には、ステップS300の判定を繰り返す。
【0054】
ステップS310では、CPU20は、再生対象番組の前記表現態様が、設定された表現態様と一致するか否か判定する。そして、再生対象番組の前記表現態様が、設定された表現態様と一致する場合は、ステップS360へ進み、一方、再生対象番組の前記表現態様が、設定された表現態様と異なる場合は、ステップS320へ進む。なお、前記表現態様が前記設定された表現態様と異なる録画対象番組が録画されて、そのような録画された録画対象番組がステップS300で再生対象番組として選択された場合に、ステップS310の判定からステップS320へ処理が進む。
【0055】
ステップS360では、CPU20は、再生対象番組を再生する。
一方、ステップS320では、CPU20は、再生対象番組と同じ内容の番組であってかつ前記表現態様が前記設定された表現態様である番組(同一内容番組)が、電子番組表PG(EPGデータ)に含まれているか否か判定する。このような同一内容番組の存在をROM21に記憶されたEPGデータに基づいて抽出できた場合に、CPU20は“同一内容番組有り”と判定し、ステップS330へ進む。一方、同一内容番組が無い場合は、ステップS360(再生対象番組の再生)へ進む。
【0056】
ステップS330では、CPU20は、選択画面を表示装置200に表示させる。ステップS330において表示する選択画面も、同一内容番組(ステップS320で放送予定の存在が発見された同一内容番組)について録画予約するか否かをユーザに選択させるための画面であり、このような選択をさせるためのメッセージや、「はい」、「いいえ」といった選択肢を適宜含んでいる。
【0057】
ステップS340では、CPU20は、ステップS330による選択画面の表示に対する応答(外部つまりユーザのリモコン2の操作による指示)を監視し、リモコン2によって、「はい(同一内容番組の録画予約)」が選択された場合にはステップS350へ進み、「いいえ(同一内容番組を録画予約しない)」が選択された場合にはステップS360(再生対象番組の再生)へ進む。ステップS350では、CPU20は、同一内容番組(ステップS320で放送予定の存在が発見された同一内容番組)の録画予約を受け付ける。ステップS350の後は、ステップS360(再生対象番組の再生)へ進む。
【0058】
ただし、ステップS350に進んだ場合は、ユーザが所望する表現態様の番組(同一内容番組)が録画されることが確定しているため、ステップS300で選択した再生対象番組を再生する必要性は低いとも言える。そのため、CPU20は、ステップS350の後は、(例えば、再生対象番組の再生の是非をユーザに再度問い合わせる等して、)ステップS360を経ることなく
図9の処理を終えてもよい。
【0059】
このような第4実施例によれば、レコーダ100が録画済みの番組の中からユーザが任意に再生対象番組を選択したタイミングでも、再生対象番組の表現態様が、先に録画設定画面RSを介して設定された表現態様と異なる場合は、同一内容番組の有無が判定され、同一内容番組の放送予定が有る場合には、ユーザに、同一内容番組を録画予約するか否かを選択させる。そのため、ユーザが所望する表現態様を採用した番組が録画される機会がより拡がる。
【0060】
(第5実施例)
図10は、第5実施例にかかる録画予約処理を示すフローチャートである。当該フローチャートの各ステップは、CPU20により実行される。
ステップS400では、CPU20は、視聴対象番組の選択を受け付けたか否か判定する。例えば、CPU20は、ユーザが操作するリモコン2からの指示により、電子番組表PGを表示装置200に表示させ、電子番組表PGに示された現在放送中のいずれかの番組番組が視聴の対象(視聴対象番組)として選択されたか否かを判定する。そして、視聴対象番組の選択を受け付けた場合には、ステップS410へ進み、一方、視聴対象番組の選択を受け付けていない場合には、ステップS400の判定を繰り返す。
【0061】
ステップS410では、CPU20は、視聴対象番組の前記表現態様が、設定された表現態様と一致するか否か判定する。そして、視聴対象番組の前記表現態様が、設定された表現態様と一致する場合は、ステップS460へ進み、一方、視聴対象番組の前記表現態様が、設定された表現態様と異なる場合は、ステップS420へ進む。
【0062】
ステップS460では、CPU20は、視聴対象番組を表示装置200に出力してユーザに視聴させる。
一方、ステップS420では、CPU20は、視聴対象番組と同じ内容の番組であってかつ前記表現態様が前記設定された表現態様である番組が、電子番組表PG(EPGデータ)に含まれているか否か判定する。第5実施例では、視聴対象番組と同じ内容の番組であってかつ前記表現態様が前記設定された表現態様である番組を、便宜上、同一内容番組と呼ぶ。同一内容番組の存在をROM21に記憶されたEPGデータに基づいて抽出できた場合に、CPU20は“同一内容番組有り”と判定し、ステップS430へ進む。一方、同一内容番組が無い場合は、ステップS460(視聴対象番組の視聴)へ進む。
【0063】
ステップS430では、CPU20は、選択画面を表示装置200に表示させる。ステップS430において表示する選択画面も、同一内容番組(ステップS420で放送予定の存在が発見された同一内容番組)について録画予約するか否かをユーザに選択させるための画面であり、このような選択をさせるためのメッセージや、「はい」、「いいえ」といった選択肢を適宜含んでいる。
【0064】
ステップS440では、CPU20は、ステップS430による選択画面の表示に対する応答(外部つまりユーザのリモコン2の操作による指示)を監視し、リモコン2によって、「はい(同一内容番組の録画予約)」が選択された場合にはステップS450へ進み、「いいえ(同一内容番組を録画予約しない)」が選択された場合にはステップS460(視聴対象番組の視聴)へ進む。ステップS450では、CPU20は、同一内容番組(ステップS420で放送予定の存在が発見された同一内容番組)の録画予約を受け付ける。ステップS450の後は、ステップS460(視聴対象番組の視聴)へ進む。ただし、ステップS450に進んだ場合は、ユーザが所望する表現態様の番組(同一内容番組)が録画されることが確定しているため、ステップS400で選択した視聴対象番組をユーザに視聴させる必要性は低いとも言える。そのため、CPU20は、ステップS450の後は、(例えば、視聴対象番組の視聴の是非をユーザに再度問い合わせる等して、)ステップS460を経ることなく
図10の処理を終えてもよい。
【0065】
このような第5実施例によれば、ユーザがリアルタイムで視聴したい番組(現在放送されている番組)を任意に選択したタイミングでも、その番組の表現態様が、先に録画設定画面RSを介して設定された表現態様と異なる場合は、同一内容番組の有無が判定され、同一内容番組の放送予定が有る場合には、ユーザに、同一内容番組を録画予約するか否かを選択させる。そのため、ユーザが所望する表現態様を採用した番組が録画される機会がより拡がる。
【0066】
(第6実施例)
これまでは、複数の前記表現態様のうち、いずれか一つの表現態様をユーザが優先すべき表現態様として設定する場合を説明した。しかし、複数の前記表現態様について、それらの間に優先順位を設定するとしてもよい。例えば、CPU20は、録画設定画面RSを表示装置200に表示させた上で、ユーザのリモコン2の操作に従って、複数の前記表現態様の優先順位の設定を受け付ける。以下では、優先順位として、「字幕版」が最も高く、「2ヵ国語音声版」が「字幕版」よりも低く、「吹き替え版」が「2ヵ国語音声版」よりも低く設定されたと仮定する。
【0067】
このような優先順位の設定がなされた場合、CPU20は、これまで説明した各フローチャート(
図4,7,9,10)における処理を、以下のように読み替えて実行する。まず、CPU20は、ステップS110(
図4,7)、ステップS310(
図9)、ステップS410(
図10)では、録画(再生、視聴)対象番組の前記表現態様が、“優先順位が最も高い表現態様”に一致するか否か判定し、処理を分岐する。また、ステップS120(
図4,7)、ステップS180(
図4)、ステップS205(
図7)、ステップS320(
図9)、ステップS420(
図10)では、“同一内容番組”とは“録画(再生、視聴)対象番組と同じ内容の番組であって、前記表現態様が録画(再生、視聴)対象番組の表現態様よりも優先順位が高い表現態様である番組”と定義して同一内容番組の有無判定を行う。
【0068】
当該第6実施例によれば、CPU20は、例えば、録画対象番組が、2ケ国語音声版の映画である場合、同じ映画であって字幕版の映画の放送予定がEPGデータに含まれていれば、当該字幕版の映画を“同一内容番組”とするが、同じ映画であって吹き替え版の映画の放送予定がEPGデータに含まれていても、当該吹き替え版の映画を“同一内容番組”としない。
【0069】
また、例えば、録画対象番組が、吹き替え版の映画である場合、同じ映画であって字幕版、2ケ国語音声版いずれの映画も、“同一内容番組”たり得る。この場合、録画対象番組と同じ映画で、字幕版、2ケ国語音声版の両方の放送予定がEPGデータに含まれている場合は、優先順位がより高い方(字幕版)の映画を“同一内容番組”とする。一方、録画対象番組と同じ映画で、字幕版、2ケ国語音声版のいずれか一方の映画しか、放送予定がEPGデータに含まれていない場合は、その放送予定がEPGデータに含まれている方の映画を“同一内容番組”とする。
このような第6実施例によれば、ユーザが録画(再生、視聴)しようとする番組よりも表現態様がユーザの好みにより近い番組が録画され易くなると言える。
【0070】
さらに、
・上記各実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること、
・上記各実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記各実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること、
・上記各実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記各実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること、
は本発明の一実施例として開示されるものである。