(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0021】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
【0022】
<1.情報処理システムの概要>
本発明の実施形態は、表示画面における情報入力を支援する情報処理システムにかかり、一例として、空港に設置される自動チェックイン機のような顧客操作型端末に適用され得る。以下では、本発明の実施形態が自動チェックイン機に適用される例を主に説明するが、本発明の実施形態は、鉄道会社の駅構内に設置される券売機、金融機関やコンビニエンスストアなどに設置される自動取引装置、映画館およびコンサート会場に設置されるチケット交換機などの他の顧客操作型端末にも同様に適用可能である。
【0023】
まず、
図1を参照し、本発明の実施形態による情報処理システムの基本構成を説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施形態による情報処理システムの構成を示した説明図である。
図1に示したように、本発明の実施形態による情報処理システムは、インターネットサーバ10と、インターネット12と、顧客操作型端末20と、スキャナ装置26と、情報処理端末30と、を備える。顧客操作型端末20および情報処理端末30は、インターネット12によりインターネットサーバ10と通信可能に接続される。
【0025】
なお、インターネット12はネットワークの一例であり、電話回線網、衛星通信網などの公衆回線網、Ethernet(登録商標)を含む各種のLAN(Local Area Network)、またはIP−VPN(Internet Protocol−Virtual Private Network)などの専用回線網を含むネットワークが適用されてもよい。また、
図1に示した例では、顧客操作型端末20と情報処理端末30は同一の空港内ネットワークに存在するが、情報処理端末30は空港外ネットワークに存在してもよい。
【0026】
(インターネットサーバ)
インターネットサーバ10は、顧客操作型端末20との通信により、顧客操作型端末20を利用する顧客が所望する手続を実行するサーバ装置である。例えば、インターネットサーバ10は、チェックイン、航空券購入および領収書発行などの手続を進めるための各種画面に対応するHTML(HyperText Markup Language)コンテンツを記憶しており、顧客操作型端末20からの要求に応じてHTMLコンテンツを顧客操作型端末20に送信する。また、インターネットサーバ10は、顧客の操作に基づいて顧客操作型端末20に入力された情報を顧客操作型端末20から受信し、搭乗便選択および座席指定などの手続を実行する。
【0027】
(顧客操作型端末)
顧客操作型端末20は、インターネットサーバ10から受信されるHTMLコンテンツに基づいて手続の実行のための各種画面を表示する表示制御装置の一例である。また、顧客操作型端末20は、各種画面において顧客により入力された情報をインターネットサーバ10に送信する。このような顧客操作型端末20は、
図1に示したように、タッチパネル210、ディスプレイ220、発券口230およびICリーダ240を有する。
【0028】
タッチパネル210は、操作検出部の一例であり、ユーザの指の接触を検出する機能を有する。タッチパネル210の検出方式としては、抵抗膜方式、静電容量方式および表面型静電容量方式など、多様な方式が挙げられる。ディスプレイ220は、各種画面を表示する機能を有する。ディスプレイ220は、液晶ディスプレイであってもよいし、有機EL(Electro Luminescence)であってもよい。顧客操作型端末20においては、上記のタッチパネル210とディスプレイ220が積層される。このため、ディスプレイ220に表示されている領域を顧客が指でタップすると、タッチパネル210によりタップ位置が検出され、タップ位置に対応する領域の選択が顧客操作型端末20の内部で認識される。
【0029】
発券口230は、顧客操作型端末20に内蔵されるプリンタにより印刷された搭乗券、領収書および証明書などを排出する開口である。ICリーダ240は、例えば非接触通信により、近接されたICチップから情報を読み取る入力機器の一例である。
【0030】
(スキャナ装置)
スキャナ装置26は、読取位置にセットされた媒体を光学的に読取ることにより、媒体に記載された文字を認識する入力機器の一例である。特に、本実施形態によるスキャナ装置26は、媒体の一例であるパスポートを光学的に読取ることにより、パスポートに記載された姓名および生年月日などを認識する。このスキャナ装置26は、顧客操作型端末20による制御に従って動作する。
【0031】
(情報処理端末)
情報処理端末30は、顧客操作型端末20と同様に、インターネットサーバ10から受信されるHTMLコンテンツに基づいて手続の実行のための各種画面を表示し、各種画面において顧客により入力された情報をインターネットサーバ10に送信する。ただし、
図1に示した情報処理端末30は、スキャナ装置26に接続されていない点、およびキーボードを有する点などで顧客操作型端末20と異なる。このため、情報処理端末30への情報入力と顧客操作型端末20への情報入力は、詳細については後述するように、異なる態様で実現され得る。なお、
図1においては情報処理端末30の一例としてPC(Personal Computer)を示しているが、情報処理端末30は、タブレット端末およびスマートフォンなどの携帯端末であってもよい。
【0032】
(手続フローの具体例)
以上、本実施形態による情報処理システムの各構成について概略的に説明した。上述したように、インターネットサーバ10および顧客操作型端末20は、各種画面の表示および各種画面における顧客操作に基づいて顧客の所望する手続を実行することができる。以下、具体例として、チェックインのために顧客操作型端末20が表示する画面、および顧客が行う操作の流れを説明する。
【0033】
図2は、チェックイン手続の実行のための流れを示したフローチャートである。
図2に示したように、まず、顧客操作型端末20は、予約番号、搭乗便名および顧客情報の入力領域を含む予約情報入力画面を表示し、顧客は、予約番号、搭乗便名または顧客情報を予約確認情報として該当する入力領域に入力する(S1)。
【0034】
続いて、顧客操作型端末20は、予約確認情報により特定される搭乗便の表示を含む搭乗便選択画面を表示し、顧客は、搭乗便選択画面において搭乗便を選択する(S2)。そして、顧客操作型端末20は、選択された搭乗便についての座席指定画面を表示し、顧客は、座席指定画面において座席の指定または変更を行う(S3)。
【0035】
次に、顧客操作型端末20は、搭乗券の発行ボタンを含む搭乗券発行画面を表示し、顧客が搭乗券の発行ボタンを選択すると、搭乗券を発行する(S4)。これによりチェックインが完了し、顧客操作型端末20がチェックイン完了画面を表示する(S5)。
【0036】
(背景)
上述したように、顧客操作型端末20に対して顧客が行う操作には、単なるタップによる選択操作だけでなく、S1において説明したような情報入力のための操作も含まれる。このため、情報入力のための操作を簡素化することにより顧客の利便性を向上することが望まれた。
【0037】
また、
図1を参照して説明したように、顧客操作型端末と情報処理端末とでは、情報入力のためのインタフェースが異なる。このため、従来は、情報処理端末における手続の実行のためのコンテンツとは別に、顧客操作型端末における手続の実行のための専用のコンテンツが用意されていた。すなわち、同一の手続について複数のコンテンツが用意されていた。このため、メンテナンスのための作業負荷が大きいという問題があった。
【0038】
そこで、上記事情を一着眼点にして本発明の実施形態を創作するに至った。本発明の実施形態によれば、入力画面における情報入力の利便性、およびメンテナンス性を向上することが可能である。以下、このような本発明の実施形態による構成および動作について順次詳細に説明する。
【0039】
<2.顧客操作型端末の構成>
図3は、本実施形態による顧客操作型端末20の構成を示した説明図である。
図3に示したように、本実施形態による顧客操作型端末20は、タッチパネル210、ディスプレイ220、プリンタ232、ICリーダ240、通信部250および制御部260を備える。タッチパネル210、ディスプレイ220、ICリーダ240については
図1を参照して説明した通りであるので、ここでの詳細な説明を省略する。プリンタ232は、実行された手続の内容に応じて搭乗券、領収書および証明書などを印刷する。プリンタ232により印刷された搭乗券、領収書および証明書などは、
図1を参照して説明した発券口230から排出される。
【0040】
通信部250は、インターネットサーバ10から情報を受信する受信部としての機能、およびインターネットサーバ10に情報を送信する送信部としての機能を有する。例えば、通信部250は、各種画面の表示のための表示情報としてHTMLコンテンツをインターネットサーバ10から受信する。また、通信部250は、各種画面における顧客操作により得られた情報をインターネットサーバ10に送信する。
【0041】
制御部260は、顧客操作型端末20の動作全般を制御する。この制御部260は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、およびROM(Read Only Memory)などのハードウェアとソフトウェアの協働により実現される機能であり
図3に示したように、主に、表示制御部262、周辺機器制御部264、読取情報抽出部266、および通信制御部268を有する。
【0042】
(表示制御部)
表示制御部262は、ディスプレイ220による画面の表示を制御する。具体的には、表示制御部262は、インターネットサーバ10から通信部250により受信されたHTMLコンテンツに基づいて、予約情報入力画面、搭乗便選択画面、および座席指定画面などの入力画面を生成し、生成した画面をディスプレイ220に表示させる。ここで、
図4を参照し、予約情報入力画面の具体例を説明する。
【0043】
図4は、予約情報入力画面の具体例を示した説明図である。
図4に示したように、予約情報入力画面40は、予約番号の入力領域41、搭乗便名の入力領域42、顧客の姓の入力領域43、顧客の名の入力領域44、および手続進行ボタン45を含む。この予約情報入力画面40において顧客がいずれかの入力領域へ情報を入力することにより、次の搭乗便選択画面を表示可能となる。
【0044】
例えば、表示制御部262は、顧客により予約番号の入力領域41が選択されると、ソフトウェアキーボードをディスプレイ220に表示させる。そして、表示制御部262は、顧客によりソフトウェアキーボードを用いて入力された予約番号を、HTMLコンテンツ内で予約番号の入力領域41に対応する箇所に埋め込む。これにより、
図5に示したように、予約番号の入力領域41に顧客により入力された予約番号が挿入される。
【0045】
同様に、表示制御部262は、顧客により搭乗便名の入力領域42が選択されると、ソフトウェアキーボードをディスプレイ220に表示させる。そして、表示制御部262は、顧客によりソフトウェアキーボードを用いて入力された搭乗便名を、HTMLコンテンツ内で搭乗便名の入力領域42に対応する箇所に埋め込む。これにより、搭乗便名の入力領域42に顧客により入力された搭乗便名が挿入される。なお、予約番号の入力領域41および搭乗便名の入力領域42のように、顧客により情報が直接入力されるように設定されており、スキャナ装置26を用いた自動入力の対象となっていない領域を第2の入力領域とも称する。
【0046】
一方、姓の入力領域43および名の入力領域44は、スキャナ装置26を用いて情報を自動入力可能に設定された第1の入力領域の一例である。より詳細に説明すると、HTMLコンテンツ内で姓の入力領域43および名の入力領域44に対応する箇所には、スキャナ装置26の有効化、およびスキャナ装置26へのパスポートのセットを誘導する誘導画面の表示を指示するスクリプト言語が組み込まれている。当該スクリプト言語に基づいて姓の入力領域43および名の入力領域44への情報の自動入力に関する処理を行うのが、以下に説明する周辺機器制御部264である。
【0047】
(周辺機器制御部)
周辺機器制御部264は、HTMLコンテンツに組み込まれたスクリプト言語の解析機能、および顧客操作型端末20に接続された周辺機器の制御機能を主に有する。例えば、周辺機器制御部264は、自動入力可能に設定された入力領域が顧客により選択されると、当該入力領域について組み込まれているスクリプト言語に基づき、スキャナ装置26を有効化する、すなわち、スキャナ装置26を情報読取可能な状態に遷移させる。さらに、周辺機器制御部264は、自動入力可能に設定された入力領域について組み込まれているスクリプト言語に基づき、スキャナ装置26へのパスポートのセットを誘導する誘導画面をディスプレイ220に表示させる。ここで、
図6を参照し、パスポートの誘導画面の具体例を説明する。
【0048】
図6は、パスポートの誘導画面の具体例を示した説明図である。
図6に示したように、パスポートの誘導画面50は、スキャナ装置26へのパスポートのセットを誘導するメッセージ52、キャンセルボタン56、および直接入力選択ボタン58を含む。顧客がこの誘導画面50に従いパスポートをスキャナ装置26へセットすることにより、スキャナ装置26がパスポートから情報を読み取ることが可能となる。一方、キャンセルボタン56が選択された場合、周辺機器制御部264は、パスポートの誘導画面50をディスプレイ220から削除する。また、直接入力選択ボタン58が選択された場合、周辺機器制御部264は、パスポートの誘導画面50をディスプレイ220から削除し、ソフトウェアキーボードをディスプレイ220に表示させる。これにより、顧客が例えば姓および名を直接入力することが可能となる。
【0049】
(読取情報抽出部)
読取情報抽出部266は、スキャナ装置26により得られた読取情報から、顧客により選択された入力領域について組み込まれているスクリプト言語に従い、項目ごとの情報を抽出する。例えば、読取情報抽出部266は、予約情報入力画面40に含まれる複数の自動入力可能な入力領域のうちで、顧客により選択された入力領域に対応する項目の情報を抽出してもよい。すなわち、予約情報入力画面40において姓の入力領域43が選択された後にパスポートの読取が行われた場合、読取情報抽出部266は、スキャナ装置26により得られた読取情報から姓を示す情報を抽出してもよい。加えて、読取情報抽出部266は、予約情報入力画面40において自動入力可能な他の入力領域に対応する項目の情報を抽出してもよい。すなわち、予約情報入力画面40において姓の入力領域43が選択された後にパスポートの読取が行われた場合、読取情報抽出部266は、姓を示す情報に加え、名を示す情報を抽出してもよい。
【0050】
そして、読取情報抽出部266により抽出された情報は、表示制御部262により、HTMLコンテンツ内の該当箇所に埋め込まれる。例えば、読取情報抽出部266により姓を示す情報および名を示す情報が抽出された場合、表示制御部262が、姓を示す情報および名を示す情報をHTMLコンテンツ内の該当箇所に埋め込むことにより、
図7に示したように、姓の入力領域43および名の入力領域44に姓名が挿入される。かかる構成においては、情報入力をスキャナ装置26による読取に基づいて行うこと、さらに、複数の入力領域にまとめて情報入力を行うことができるので、顧客の利便性を向上することが可能である。
【0051】
なお、上記では、自動入力可能な複数の入力領域のうちのいずれかの入力領域の選択により、当該入力領域および他の入力領域に情報が自動入力される例を説明したが、選択された入力領域にのみ情報が自動入力されるようにスクリプト言語を設計することも可能である。かかる構成においては、顧客が意図しない入力領域にまで情報が自動入力されてしまうことを防止することが可能である。
【0052】
(通信制御部)
通信制御部268は、通信部250とインターネットサーバ10との通信を制御する。例えば、通信制御部268は、通信部250からインターネットサーバ10へのHTMLコンテンツの要求を制御したり、通信部250からインターネットサーバ10への情報の送信を制御したりする。例えば、顧客により直接入力された情報、またはスキャナ装置26を用いて自動入力された情報がHTMLコンテンツに情報が埋め込まれた状態で予約情報入力画面40の手続進行ボタン45が選択されると、通信制御部268は、HTMLコンテンツに埋め込まれた情報を通信部250にインターネットサーバ10へ送信させる。
【0053】
(効果の整理)
以上説明したように、本実施形態による顧客操作型端末20は、HTMLコンテンツに組み込まれたスクリプト言語に基づき、自動入力可能な入力領域が選択された場合にパスポートの読取のための誘導画面50を表示し、スキャナ装置26により得られた読取情報をHTMLコンテンツに埋め込むことが可能である。ここで、上記のスクリプト言語は、周辺機器制御部264および読取情報抽出部266を有する顧客操作型端末20は解釈可能であるが、周辺機器制御部264および読取情報抽出部266を有さない情報処理端末30によっては解釈されない形態で設計される。これにより、情報処理端末30は、上記のスクリプト言語の影響を受けず動作することが可能であるので、スキャナ装置26が接続されていない情報処理端末30においてパスポートの読取のための誘導画面50が表示されることを防止できる。
【0054】
また、上記のスクリプト言語の設計により、コンテンツのメンテナンス性を向上することも可能である。この点について、
図8を参照してより具体的に説明する。
【0055】
図8は、従来のシステムと本実施形態によるシステムの関係を示した説明図である。
図8に示したように、従来の情報処理端末30は、インターネットサーバ80に保持されるコンテンツに基づいて動作していた。一方、従来の顧客操作型端末90は、顧客操作型端末90に内蔵される専用のコンテンツに基づいて動作していた。すなわち、従来は、同一の手続について複数のコンテンツが用意されていた。このため、1の手続についてのメンテナンスの対象が複数のコンテンツであり、メンテナンスのための作業負荷が大きいという問題があった。
【0056】
これに対し、本実施形態においては、情報処理端末30に加え、顧客操作型端末20もインターネットサーバ10に接続される。また、HTMLコンテンツへの上述したスクリプト言語の組み込みにより、インターネットサーバ10に保持される同一の手続についてのHTMLコンテンツを入力インタフェースの異なる情報処理端末30および顧客操作型端末20が共用可能となる。このため、1の手続についてのメンテナンスの対象が単一のHTMLコンテンツとなるので、メンテナンス性を向上することが可能である。
【0057】
<3.動作>
以上、本実施形態による顧客操作型端末20の構成を説明した。続いて、
図9を参照し、本実施形態による情報処理システムの動作を整理する。なお、以下では、
図2を参照して説明したS1の動作、すなわち、予約情報入力画面40の表示から、インターネットサーバ10への入力情報の送信に至るまでの動作を説明する。
【0058】
図9は、本実施形態による情報処理システムの動作を示した説明図である。
図9に示したように、まず、タッチパネル210が顧客による手続開始操作を検出すると(S304)、制御部260はタッチパネル210から操作検出通知を受ける(S308)。そして、制御部260は、当該操作検出通知に基づき、通信部250を介してインターネットサーバ10へHTMLコンテンツを要求し(S312)、インターネットサーバ10からHTMLコンテンツを受信する(S316)。
【0059】
続いて、制御部260は、インターネットサーバ10から受信したHTMLコンテンツに基づいて、ディスプレイ220に予約情報入力画面40を表示させる(S320、S324)。
【0060】
その後、自動入力可能な入力領域、すなわち、姓の入力領域43または名の入力領域44を顧客が選択したことをタッチパネル210が検出すると(S328)、制御部260はタッチパネル210から当該選択についての操作検出通知を受ける(S332)。すると、制御部260は、姓の入力領域43または名の入力領域44に関して組み込まれているスクリプト言語に従い、スキャナ装置26を有効化し(S336)、スキャナ装置26へのパスポートのセットを誘導する誘導画面50をディスプレイ220に表示させる(S340、S344)。
【0061】
そして、スキャナ装置26にパスポートがセットされ、スキャナ装置26がパスポートの読取を行うと(S348)、パスポートの読取により得られた情報が制御部260に送られる(S352)。続いて、制御部260は、読取情報から姓を示す情報および名を示す情報を抽出し(S356)、HTMLコンテンツ内の該当箇所に埋め込む(S360)。そして、予約情報入力画面40における姓の入力領域43および名の入力領域44に姓名が挿入される(S364、S368)。
【0062】
その後、顧客が予約情報入力画面40の手続進行ボタン45を選択したことをタッチパネル210が検出すると(S372)、制御部260はタッチパネル210から当該選択についての操作検出通知を受ける(S376)。かかる操作検出通知を受け、制御部260は、HTMLコンテンツに埋め込まれた入力情報(姓を示す情報および名を示す情報)をインターネットサーバ10に送信する(S380)。
【0063】
<4.変形例>
以上、本実施形態による構成および動作を説明した。上述した本実施形態による構成および動作は、多様な形態に変形可能である。以下、本実施形態の幾つかの変形例を説明する。なお、以下に説明する各変形例は、単独で実施されてもよいし、他の変形例との組み合わせで実施されてもよい。
【0064】
(第1の変形例)
上記では、姓の入力領域43または名の入力領域44などの自動入力可能な入力領域の選択に基づき、パスポートの誘導画面50の表示およびスキャナ装置26によるパスポートの読取が行われる例を説明したが、本実施形態はかかる例に限定されない。
【0065】
例えば、顧客操作型端末20は、パスポートの誘導画面50の表示およびスキャナ装置26によるパスポートの読取を事前に行い、姓の入力領域43または名の入力領域44が選択された場合に、事前に読み取られた姓を示す情報または名を示す情報を姓の入力領域43または名の入力領域44に挿入してもよい。
【0066】
あるいは、自動入力可能な1の入力領域が選択された場合、スキャナ装置26がパスポートの読取を行い、顧客操作型端末20は、当該入力領域にのみ情報を挿入し、自動入力可能な他の入力領域についての情報を保持しておいてもよい。そして、顧客操作型端末20は、他の入力領域が選択された場合、保持しておいた情報を当該他の入力領域に挿入してもよい。
【0067】
(第2の変形例)
上記では、自動入力可能な入力領域が選択された場合、顧客操作型端末20が、スクリプト言語により明示的に指定される1または2以上の入力領域にスキャナ装置26により読み取られた情報を挿入する例を説明したが、本実施形態はかかる例に限定されない。
【0068】
例えば、顧客操作型端末20は、入力画面に含まれる各入力領域の項目と、パスポートから読み取られた各情報の項目とを比較し、共通する項目についてパスポートから読み取られた情報を、入力画面に含まれる当該項目の入力領域に挿入してもよい。
【0069】
(第3の変形例)
上記では、スキャナ装置26によりパスポートから読取られた情報を入力画面の入力領域に挿入する例を説明したが、本実施形態はかかる例に限定されない。
【0070】
例えば、スキャナ装置26による読取対象となる媒体は、パスポートに限定されず、免許証または保険証などの本人確認証であってもよい。また、情報を読み取る入力機器は、スキャナ装置26に限定されず、ICリーダ240または撮像装置(図示せず。)であってもよい。例えば、顧客情報が格納されたICチップからICリーダ240が姓を示す情報などを読み取ってもよい。また、撮像装置により得られた媒体画像に対してバーコード読取を行うことによって情報を得ることも可能である。
【0071】
(第4の変形例)
上記では、スクリプト言語は、顧客操作型端末20は解釈可能であるが、情報処理端末30によっては解釈されない形態で設計される例を説明したが、本実施形態はかかる例に限定されない。
【0072】
例えば、スクリプト言語は顧客操作型端末20および情報処理端末30によって解釈可能な形態で設計されてもよい。また、スクリプト言語は、スキャナ装置26に接続されている端末に対してパスポートの誘導画面50の表示など自動入力のための処理を行うことを指示する命令を有してもよい。この場合、スキャナ装置26が接続されていない情報処理端末30は、スクリプト言語を解釈した上で、パスポートの誘導画面50を表示しない。かかる構成によっても、上述した本発明の実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0073】
(第5の変形例)
上記では、本実施形態が顧客操作型端末20および情報処理端末30などの顧客向けのシステムに適用される例を説明したが、本実施形態は、係員向けのシステムに対しても適用可能である。この場合でも、係員の操作性を改善しつつ、システムのメンテナンス性を向上させることができる。
【0074】
また、上記では、自動入力可能な入力領域の一例として姓の入力領域43および名の入力領域44を説明したが、自動入力可能な入力領域は、生年月日の入力領域を含んでもよい。また、上記では、入力画面の一例として主に予約情報入力画面40を説明したが、本実施形態は、他の多様な入力画面における情報入力にも同様に適用可能である。
【0075】
<5.むすび>
以上説明したように、本実施形態による顧客操作型端末20は、HTMLコンテンツに組み込まれたスクリプト言語に基づき、所定の入力領域が選択された場合にパスポートの読取のための誘導画面50を表示し、スキャナ装置26により得られた読取情報をHTMLコンテンツに埋め込むことが可能である。また、本実施形態によれば、インターネットサーバ10に保持される同一の手続についてのHTMLコンテンツを入力インタフェースの異なる情報処理端末30および顧客操作型端末20が共用可能となる。従って、本実施形態によれば、入力画面における情報入力の利便性、およびメンテナンス性を向上することが可能である。
【0076】
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0077】
例えば、本明細書の情報処理システムの処理における各ステップは、必ずしもシーケンス図またはフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、情報処理システムの処理における各ステップは、シーケンス図として記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0078】
また、顧客操作型端末20に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアに、上述した顧客操作型端末20の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。