特許第6308071号(P6308071)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6308071
(24)【登録日】2018年3月23日
(45)【発行日】2018年4月11日
(54)【発明の名称】角形二次電池およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/34 20060101AFI20180402BHJP
   H01M 2/30 20060101ALI20180402BHJP
   H01M 2/06 20060101ALI20180402BHJP
   H01M 2/26 20060101ALI20180402BHJP
【FI】
   H01M2/34 A
   H01M2/30 D
   H01M2/06 A
   H01M2/26 A
【請求項の数】8
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-161109(P2014-161109)
(22)【出願日】2014年8月7日
(65)【公開番号】特開2016-39016(P2016-39016A)
(43)【公開日】2016年3月22日
【審査請求日】2017年2月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104732
【弁理士】
【氏名又は名称】徳田 佳昭
(74)【代理人】
【識別番号】100116078
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 浩希
(72)【発明者】
【氏名】脇元 亮一
(72)【発明者】
【氏名】西嶋 宏昌
(72)【発明者】
【氏名】山内 康弘
【審査官】 正 知晃
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−329405(JP,A)
【文献】 特開2013−157099(JP,A)
【文献】 特開2013−157156(JP,A)
【文献】 特開2014−086319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/34
H01M 2/26
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する角形外装体と、
貫通孔を有し前記開口を封口する封口板と、
正極板及び負極板を含み前記角形外装体に収容される電極体と、
前記正極板又は前記負極板に電気的に接続され、前記封口板の貫通孔を貫通する端子と、
前記封口板と前記電極体の間に配置され、前記端子に電気的に接続され、前記電極体側の端部に開口部を有する導電部材と、
前記開口部を封止する反転板と、
前記正極板又は前記負極板に電気的に接続され、前記反転板に接続された集電体と、
前記反転板と前記集電体の間に配置される第1絶縁部材を備え、
前記角形外装体内の圧力が所定値以上となったとき、前記反転板が変形し、これに伴い前記正極板又は前記負極板と前記端子の間の電気的接続が切断される角形二次電池であって、
前記第1絶縁部材は貫通孔を有し、
前記反転板と前記集電体は前記第1絶縁部材の貫通孔を通して接続されており、
前記第1絶縁部材と前記集電体とは固定されており、
前記導電部材は対向するように設けられた第1外側面と第2外側面を有し、
前記第1絶縁部材は、前記第1外側面の外側に位置し前記第1外側面を前記第2外側面の方向に押圧する第1押圧部と、前記第2外側面の外側に位置し前記第2外側面を前記第1外側面の方向に押圧する第2押圧部を有する角形二次電池。
【請求項2】
前記第1絶縁部材は、前記封口板に対して平行に配置される本体部と、前記本体部から前記封口板側に突出する第1側壁部及び第2側壁部を有し、
前記第1側壁部は前記第1押圧部を含み、前記第2側壁部は前記第2押圧部を含む請求項1に記載の角形二次電池。
【請求項3】
前記集電体は貫通孔を有し、
前記第1絶縁部材は前記集電体側の面に突起部を有し、前記突起部が前記集電体の貫通孔に嵌合することにより、前記集電体と前記第1絶縁部材が固定されている請求項1又は
2に記載の角形二次電池。
【請求項4】
前記集電体は、前記集電体と前記反転板が溶接接続された部分を囲む環状のノッチ部を有する請求項1〜3のいずれかに記載の角形二次電池。
【請求項5】
前記導電部材は、それぞれ前記封口板の短辺方向に延びる一対の短辺外側面と、それぞれ前記封口板の長辺方向に延びる一対の長辺外側面を有し、
前記第1外側面及び前記第2外側面は、前記一対の短辺外側面である
請求項1〜4のいずれかに記載の角形二次電池。
【請求項6】
前記導電部材は対向するように設けられた第3外側面と第4外側面を有し、
前記第1絶縁部材は、前記第3外側面の外側に位置し前記第3外側面を前記第4外側面の方向に押圧する第3押圧部と、前記第4外側面の外側に位置し前記第4外側面を前記第3外側面の方向に押圧する第4押圧部を有する請求項1〜5のいずれかに記載の角形二次電池。
【請求項7】
開口を有する角形外装体と、
貫通孔を有し前記開口を封口する封口板と、
正極板及び負極板を含み前記角形外装体に収容される電極体と、
前記正極板又は前記負極板に電気的に接続され、前記封口板の貫通孔を貫通する端子と、
前記封口板と前記電極体の間に配置され、前記端子に電気的に接続され、前記電極体側の端部に開口部を有する導電部材と、
前記開口部を封止する反転板と、
前記正極板又は前記負極板に電気的に接続され、前記反転板に接続された集電体と、
前記反転板と前記集電体の間に配置される第1絶縁部材を備え、
前記第1絶縁部材は貫通孔を有し、
前記反転板と前記集電体は前記第1絶縁部材の貫通孔を通して接続されており、
前記第1絶縁部材と前記集電体とは固定されており、
前記導電部材は対向するように設けられた第1外側面と第2外側面を有し、
前記第1絶縁部材は、前記第1外側面の外側に位置し前記第1外側面を前記第2外側面の方向に押圧する第1押圧部と、前記第2外側面の外側に位置し前記第2外側面を前記第1外側面の方向に押圧する第2押圧部を有し、
前記角形外装体内の圧力が所定値以上となったとき、前記反転板が変形し、これに伴い前記正極板又は前記負極板と前記端子の間の電気的接続が切断される角形二次電池の製造方法であって、
前記第1絶縁部材を前記導電部材に装着する工程を有し、
前記第1絶縁部材が前記導電部材に装着される前の状態において、前記第1押圧部となる部分と前記第2押圧部となる部分の間の距離は、前記導電部材において前記第1押圧部に押圧される予定の部分と前記第2押圧部に押圧される予定の部分の距離よりも小さい
角形二次電池の製造方法。
【請求項8】
前記第1絶縁部材が前記導電部材に装着される前の状態において、前記第1押圧部となる部分と前記第2押圧部となる部分の間の距離Xと、前記導電部材において前記第1押圧部に押圧される予定の部分と前記第2押圧部に押圧される予定の部分の距離Yの関係は、0.95≦X/Y<1である
請求項7に記載の角形二次電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流遮断機構を備えた角形二次電池およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV、PHEV)等の車載用の駆動電源等に用いられる二次電池の開発が行われている。車載用の駆動電源等には、高容量及び高出力特性が要求されるので、複数の二次電池が直列ないし並列に接続されて使用される。これらの二次電池としては、スペース効率の点から角形二次電池が汎用されている。
【0003】
このような用途に使用される二次電池には、非常に高い安全性が要求される。そのため、下記特許文献1〜3に示されているように、電池外装体内の圧力が高まったときに内圧を開放するガス排出弁を設けるだけでなく、電極体と端子の間の電気的接続を切断する電流遮断機構が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−066254号公報
【特許文献2】特開2008−066255号公報
【特許文献3】特開2010−212034号公報
【0005】
電流遮断機構を備えた角形二次電池においては、電池内部の圧力が所定値に達した場合、即座に電流遮断機構が作動し電極体と端子の間の電気的接続を切断することが求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、電池内部の圧力が所定値に達したとき、即座に作動する電流遮断機構を備えた信頼性の高い角形二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明者らは、電流遮断機構を備えた角形二次電池の開発を行うなかで、電池内部の圧力が所定値に達しても、即座に電極体と端子の間の導電経路が切断されないという課題が希に生じることを見出した。発明者らは、このような問題が生じる原因を詳細に調査・検討した。その結果、電池内部の圧力が所定値となったとき、電極体と端子の間の導電経路が即座に切断される場合と、電極体と端子の間の導電経路が即座に切断されない場合では、以下のような違いがあることを見出した。
【0008】
なお、電流遮断機構は、図16に示すように、カップ形状を有する導電部材41、反転板42、集電体43、及び絶縁部材44を備える。導電部材41の筒状部41aの下端には、筒状部41aの下端の開口が密閉されるように反転板42が溶接接続されている。そして、反転板42の下面の中央には、集電体43が溶接接続されている。集電体43には貫通孔43aが設けられており、この貫通孔43aの縁部が反転板42の下面に溶接接続されている。また、集電体43の貫通孔43aの周囲には薄肉部43bが設けられており、薄肉部43bには貫通孔43aを囲む環状のノッチ部43cが形成されている。反転板42と集電体43の間には、貫通孔44aを有する絶縁部材44が配置されている。貫通孔44aを通じて反転板42と集電体43が接続されている。絶縁部材44には一対の突起部44bが形成されており、この突起部44bがそれぞれ集電体43に設けられた貫通
孔43dに嵌合され、絶縁部材44と集電体43が接続されている。導電部材41は、端子46により封口板45に固定されている、端子46及び導電部材41は、ガスケット47及び絶縁部材48により封口板45と絶縁されている。
【0009】
電池内部の圧力が所定値に達したとき、電極体と端子の間の導電経路が即座に切断される場合は、以下のようにして電流遮断機構が作動する(図16参照)。
(1)電池内部の圧力が所定値に達する。
(2)反転板42の中央部(集電体43と接続された部分)が封口板45側に押し上げられるように変形する。
(3)(2)に伴い、集電体43において反転板42と溶接接続された部分が、封口板45側に引っ張られる。
(4)集電体43の溶接部の周囲に設けられたノッチ部43cに部分的に亀裂が生じ、一部が破断する(図16の(2)参照)。
(5)(4)と略同時に、破断した部分を起点に溶接部の周囲が破断する(図16の(3)参照)。
(6)反転板42と集電体43の電気的接続が切断される。
【0010】
これに対し、電池内部の圧力が所定値に達したとき、電極体と端子の間の導電経路が即座に切断されない場合は、以下のようにして電流遮断機構が作動する(図17参照)。
(1)電池内部の圧力が所定値に達する。
(2)反転板42の中央部(集電体43と接続された部分)が封口板45側に押し上げられるように変形する。
(3)(2)に伴い、集電体4において反転板42と溶接接続された部分が、封口板45側に引っ張られる。
(4)集電体43の溶接部の周囲に設けられたノッチ部43cに部分的に亀裂が生じ、一部が破断する(図17の(2)参照)。
(5)溶接部の周囲に部分的に切れ残った部分が生じる(図17の(2)参照)。
(6)この切れ残った部分を介して、反転板42により、集電体43及び集電体43に固定された絶縁部材44が中央方向へ引っ張られ、集電体43及び集電体43に固定された絶縁部材44が横方向に移動する(図17の(3)参照)。
(7)集電体43が横方向に移動することにより、反転板42と集電体43における破断予定部(ノッチ部43c)の距離が変化する。また、反転板42に対する集電体43の傾斜が急になる。このため、切れ残った部分を切断するためには、より反転板42が封口板45側に移動する必要があるようになる。
(8)これにより、電池内部の圧力が所定値に達しても導電経路が即座に切断されない。

【0011】
なお、電極体と端子の間の導電経路が即座に切断される場合でも、集電体43に亀裂が生じてから集電体43の破断予定部(ノッチ部43c)の一部が破断し、破断予定部(ノッチ部43c)の全てが破断するまでの間には時間差がある。しかしながら、その時間差が極めて小さいため、電池内部の圧力が所定値に達したとき即座に導電経路が切断される。
【0012】
本発明の一態様の角形二次電池は、
開口を有する角形外装体と、
貫通孔を有し前記開口を封口する封口板と、
正極板及び負極板を含み前記角形外装体に収容される電極体と、
前記正極板又は前記負極板に電気的に接続され、前記封口板の貫通孔を貫通する端子と、
前記封口板と前記電極体の間に配置され、前記端子に電気的に接続され、前記電極体側の端部に開口部を有する導電部材と、
前記開口部を封止する反転板と、
前記正極板又は前記負極板に電気的に接続され、前記反転板に接続された集電体と、
前記反転板と前記集電体の間に配置される第1絶縁部材を備え、
前記角形外装体内の圧力が所定値以上となったとき、前記反転板が変形し、これに伴い前記正極板又は前記負極板と前記端子の間の電気的接続が切断される角形二次電池であって、
前記第1絶縁部材は貫通孔を有し、
前記反転板と前記集電体は前記第1絶縁部材の貫通孔を通して接続されており、
前記第1絶縁部材と前記集電体とは固定されており、
前記導電部材は対向するように設けられた第1外側面と第2外側面を有し、
前記第1絶縁部材は、前記第1外側面の外側に位置し前記第1外側面を前記第2外側面の方向に押圧する第1押圧部と、前記第2外側面の外側に位置し前記第2外側面を前記第1外側面の方向に押圧する第2押圧部を有する。
【0013】
本発明の一態様の角形二次電池によると、第1絶縁部材が導電部材に対して強固に固定される。これにより、上述の「電極体と端子の間の導電経路が即座に切断されない場合」における(6)〜(8)に記載するように、第1絶縁部材及び集電体に中央方向に引っ張る力が加わったとしても、第1絶縁部材及び集電体が中央側に移動することを抑制できる。したがって、集電体における破断予定部と反転板の位置関係が変化し難く、また反転板に対する集電体の傾斜が変化し難いため、切れ残った部分が容易に切断されるようになる。よって、電池内部の圧力が所定値になると即座に電極体と端子の間の導電経路が切断される。
【0014】
第1絶縁部材は、前記封口板に対して平行に配置される本体部と、前記本体部から前記封口板側に突出する第1側壁部及び第2側壁部を有し、前記第1側壁部は前記第1押圧部を含み、前記第2側壁部は前記第2押圧部を含むことが好ましい。
【0015】
前記集電体は貫通孔を有し、前記第1絶縁部材は前記集電体側の面に突起部を有し、前記突起部が前記集電体の貫通孔に嵌合することにより、前記集電体と前記第1絶縁部材が固定されていることが好ましい。なお、集電体と第1絶縁部材の嵌合部は2箇所以上設けられていることが好ましい。
【0016】
前記集電体は、前記集電体と前記反転板が溶接接続された部分を囲む環状のノッチ部を有することが好ましい。また、ノッチ部は薄肉部に設けられていることが好ましい。
【0017】
前記集電体は貫通孔を有し、前記集電体は貫通孔の周囲又は縁部が前記反転板に溶接接続されていることが好ましい。
【0018】
前記導電部材は、それぞれ前記封口板の短辺方向に延びる一対の短辺外側面と、それぞれ前記封口板の長辺方向に延びる一対の長辺外側面を有し、前記第1外側面及び前記第2外側面は、前記一対の短辺外側面であることが好ましい。なお、前記導電部材は、平面視の形状が略長方形であることが好ましい。ここで、略長方形とは、一対の長辺と一対の短辺を有していればよく、長方形や、長方形の角部にR部が設けられたもの、あるいは長方形の角部がカットされたもの等を含む。
【0019】
上述の集電体及び集電体に固定された第1絶縁部材の横方向の移動は、封口板の長辺方向において生じやすい。したがって、これを防止するためには、封口板の短辺に沿った一対の短辺側外面が、前記第1外側面と前記第2外側面であることが好ましい。
【0020】
前記導電部材は対向するように設けられた第3外側面と第4外側面を有し、前記第1絶
縁部材は、前記第3外側面の外側に位置し前記第3外側面を前記第4外側面の方向に押圧する第3押圧部と、前記第4外側面の外側に位置し前記第4外側面を前記第3外側面の方向に押圧する第4押圧部を有することが好ましい。
【0021】
本発明の一態様の角形二次電池の製造方法は、
開口を有する角形外装体と、
貫通孔を有し前記開口を封口する封口板と、
正極板及び負極板を含み前記角形外装体に収容される電極体と、
前記正極板又は前記負極板に電気的に接続され、前記封口板の貫通孔を貫通する端子と、
前記封口板と前記電極体の間に配置され、前記端子に電気的に接続され、前記電極体側の端部に開口部を有する導電部材と、
前記開口部を封止する反転板と、
前記正極板又は前記負極板に電気的に接続され、前記反転板に接続された集電体と、
前記反転板と前記集電体の間に配置される第1絶縁部材を備え、
前記第1絶縁部材は貫通孔を有し、
前記反転板と前記集電体は前記第1絶縁部材の貫通孔を通して接続されており、
前記第1絶縁部材と前記集電体とは固定されており、
前記導電部材は対向するように設けられた第1外側面と第2外側面を有し、
前記第1絶縁部材は、前記第1外側面の外側に位置し前記第1外側面を前記第2外側面の方向に押圧する第1押圧部と、前記第2外側面の外側に位置し前記第2外側面を前記第1外側面の方向に押圧する第2押圧部を有し、
前記角形外装体内の圧力が所定値以上となったとき、前記反転板が変形し、これに伴い前記正極板又は前記負極板と前記端子の間の電気的接続が切断される角形二次電池の製造方法であって、
前記第1絶縁部材を前記導電部材に装着する工程を有し、
前記第1絶縁部材が前記導電部材に装着される前の状態において、前記第1押圧部となる部分と前記第2押圧部となる部分の間の距離は、前記導電部材において前記第1押圧部に押圧される予定の部分と前記第2押圧部に押圧される予定の部分の距離よりも小さいことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1Aは実施形態にかかる角形二次電池の断面図であり、図1B図1AのIB−IB線に沿った断面図である。
図2図1に示した角形二次電池の正極側に設けた電流遮断機構の封口板長辺方向の断面図である。
図3図1に示した角形二次電池の正極側に設けた電流遮断機構の封口板短辺方向の断面図である。
図4】実施形態にかかる角形二次電池に用いる導電部材の上面図である。
図5】実施形態にかかる角形二次電池に用いる折り曲げ成形前の正極集電体の下面図である。
図6】実施形態にかかる角形二次電池に用いる第1絶縁部材の上面図である。
図7】実施形態にかかる角形二次電池に用いる第1絶縁部材の下面図である。
図8図6におけるVIII‐VIII線に沿った断面図である。
図9図6におけるIX−IX線に沿った断面図である。
図10図6におけるVIII−VIII線に沿った断面図であり、導電部材に第1絶縁部材を装着する工程を示す図である。
図11図6におけるVIII−VIII線に沿った断面図であり、導電部材に第1絶縁部材を装着した後の状態を示す図である。
図12図6におけるIX−IX線に沿った断面図であり、導電部材に第1絶縁部材を装着する工程を示す図である。
図13】変形例の第1絶縁部材の上面図である。
図14】変形例の第1絶縁部材の上面図である。
図15】変形例の第1絶縁部材の上面図である。
図16】電流遮断機構の作動の仕方を示す図である。
図17】電流遮断機構の作動の仕方を示す図である。
図18】別の発明における第1絶縁部材の上面図である。
図19】別の発明における第2絶縁部材の下面図である。
図20】別の発明における電流遮断機構の断面図である。
図21】別の発明における電流遮断機構の断面図である。
図22】別の発明における電流遮断機構の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に本発明の一実施形態に係る角形二次電池を図面を参照しながら説明する。ただし、本発明をこの角形二次電池に特定することを意図するものではない。
【0024】
[実施形態]
最初に、実施形態の角形二次電池1を図1を用いて説明する。実施形態の角形二次電池1は、正極板と負極板とがセパレータ(何れも図示省略)を介して巻回された扁平状の巻回電極体2を有している。正極板は、アルミニウム箔からなる正極芯体の両面に正極活物質合剤を塗布し、乾燥及び圧延した後、アルミニウム箔が一方の端部に長手方向に沿って帯状に露出するようにスリットすることにより作製される。また、負極板は、銅箔からなる負極芯体の両面に負極活物質合剤を塗布し、乾燥及び圧延した後、銅箔が一方の端部に長手方向に沿って帯状に露出するようにスリットすることによって作製される。
【0025】
そして、上述のようにして得られた正極板及び負極板を、正極板の正極芯体露出部と負極板の負極芯体露出部とがそれぞれ対向する電極と重ならない領域を有するようにずらして、ポリエチレン製微多孔質セパレータを介して積層し巻回することで、扁平状の巻回電極体2が作製される。扁平状の巻回電極体2の巻回軸方向の一方の端部には巻回された正極芯体露出部3が形成され、他方の端部には巻回された負極芯体露出部4が形成される。
【0026】
巻回された正極芯体露出部3は正極集電体5を介して正極端子6に電気的に接続される。巻回された負極芯体露出部4は負極集電体7を介して負極端子8に電気的に接続される。また、正極端子6、負極端子8それぞれ絶縁性のガスケット9、10を介して封口板11に固定される。角形二次電池1では、正極板と正極端子6の間、あるいは負極板と負極端子8の間に感圧式の電流遮断機構30が設けられる。
【0027】
扁平状の巻回電極体2は、封口板11側を除く周囲を樹脂製シート12で覆われた状態で、角形の外装体13内に配置されている。外装体13の開口部は封口板11により封口されている。封口板11には電解液注液孔14が設けられている。電解液注液孔14は、注液後、封止栓15により密閉される。また、封口板11には、電流遮断機構の作動圧よりも高いガス圧が加わったときに開放されるガス排出弁16が設けられている。
【0028】
次に、電流遮断機構について説明するが、この電流遮断機構は、正極側及び負極側のいずれに設けてもよい。以下では正極側にのみ設けるものとして説明する。
【0029】
図2及び図3に示すように、正極端子6は、フランジ部6aの一方側に筒状部6bを備え、内部に貫通孔6cが形成されている。そして、筒状部6bは、ガスケット9、封口板11及び第2絶縁部材17及び導電部材18のそれぞれに形成された貫通孔内に挿入され、その先端部6dがカシメられて互いに一体的に固定されている。これにより、正極端子
6は、ガスケット9及び第2絶縁部材17によって封口板11とは電気的に絶縁された状態で、導電部材18と電気的に接続された状態となっている。なお、先端部6dと導電部材18の接続部はレーザ溶接等により溶接接続されることが好ましい。また、正極端子6に形成された貫通孔6cを、上端に金属板が設けられたゴム製の端子栓(図示省略)等によって封止することが好ましい。
【0030】
第2絶縁部材17は、封口板11と導電部材18の間に配置され、封口板11と導電部材18を絶縁している。アルミニウム製の導電部材18は、図4に示すように平面視の形状が略長方形であり、カップ形状を有している。導電部材18は、巻回電極体2側に断面が略方形状の筒状部18aを有しており、封口板11側には封口板11に対して平行に配置される接続部18bが形成されている。導電部材18には正極端子6の筒状部6が挿入される貫通孔18cが設けられている。
【0031】
導電部材18の筒状部18aの巻回電極体2側の先端には、反転板19の周囲が溶接されている。これにより、導電部材18の筒状部18aの巻回電極体2側の開口が気密に封止されている。なお、導電部材18の筒状部18aの巻回電極体2側の先端にフランジ部18dを設けることが好ましい。反転板19は、アルミニウム等の導電性材料で形成されており、外装体13内の圧力が高くなると封口板11側(電池の外部側)に向かって変形する弁の機能を有するものである。反転板19の巻回電極体2側の面には正極集電体5が接続される。外装体13内の圧力が高くなると、反転板19の中央部(正極集電体5が接続された部分)が封口板11側に移動するように変形する。
【0032】
図5は、折り曲げ成形する前の正極集電体5の巻回電極体2側の面の形状を示す図である。正極集電体5は、封口板11と平行に配置される第1領域5aと、この第1領域5aから折り曲げられて正極芯体露出部3に接続される第2領域5bを有している。この正極集電体5は、アルミニウム板を打ち抜きにより作製したものを使用している。そして、正極集電体5の第1領域5aには、中央部に貫通孔5cが形成され、この貫通孔5cの中心を通り封口板11の長辺方向に沿った中心線C上であって、貫通孔5cの両側に貫通孔5d及び貫通孔5eがそれぞれ形成されている。第1領域5aの貫通孔5cの周囲部分には、他の部分よりも厚さが薄くされた薄肉領域5fが設けられている。また、薄肉領域5fには、貫通孔5cを囲むように環状のノッチ部5gが形成されている。このノッチ部5gは厚みが薄肉領域5fよりも薄くなるように溝状に設けられたものであり、断面形状がV字状となるようにすることが好ましい。ノッチ部5gにおいて最も厚みが薄い部分の厚みは、限定されないが、例えば0.01〜0.2mm程度とすることが好ましく、0.02〜0.1mm程度とすることがより好ましい。
【0033】
反転板19の巻回電極体2側の面の中央部に、正極集電体5の第1領域5aが当接され、第1領域5aに形成されている貫通孔5cの周縁と反転板19とが複数箇所においてレーザ溶接される。これにより、反転板19と正極集電体5が接続される。
【0034】
なお、反転板19と正極集電体5の第1領域5aの間には、貫通孔20bを有する樹脂材料からなる第1絶縁部材20が配置されている。この貫通孔20bと対応する位置において正極集電体5の第1領域5aと反転板19が接続されている。ここで、正極集電体5と反転板19の接続部の構成としては、貫通孔20bの内部で正極集電体5と反転板19が接続されてもよい。また、反転板19の一部が貫通孔20bを貫通し、第1絶縁部材20よりも巻回電極体2側で反転板19と正極集電体5が接続されてもよい。あるいは、正極集電体5の一部が貫通孔20bを貫通し、第1絶縁部材20よりも封口板11側で反転板19と正極集電体5とが接続されていてもよい。
【0035】
第1絶縁部材20の貫通孔20bの両側には、正極集電体5の第1領域5aに設けられ
た貫通孔5d、5eに対応する位置にそれぞれ突起部21a、21bが形成されている。
【0036】
第1絶縁部材20の突起部21a、21bをそれぞれ正極集電体5の第1領域5aに形成された貫通孔5d、5eに挿入し、突起部21a、21bの先端部を加熱し拡径することにより第1絶縁部材20と正極集電体5の第1領域5aが固定される。
【0037】
なお、第2絶縁部材17と第1絶縁部材20とを係合により接続することが好ましい。固定方法は特に限定されないが、ここではラッチ固定により第2絶縁部材17と第1絶縁部材20とを接続している。
【0038】
以上の構成により、正極芯体露出部3は、正極集電体5の第2領域5b、正極集電体5の第1領域5a、反転板19及び導電部材18を介して正極端子6と電気的に接続されている。また、ここでは、導電部材18の筒状部18a、反転板19、第1絶縁部材20及び正極集電体5の第1領域5aによって本実施形態の電流遮断機構30が形成されている。反転板19は、外装体13内の圧力が増加すると正極端子6の貫通孔6c側に膨れるよう変形する。反転板19の中央部には正極集電体5の第1領域5aが溶接されているため、外装体13内の圧力が所定値を超えると正極集電体5の第1領域5aがノッチ部5gで破断するので、反転板19と正極集電体5の第1領域5aとの間の電気的接続が切断されるようになっている。
【0039】
次に、実施形態の角形二次電池1に用いる第1絶縁部材20の具体的構成について説明する。
【0040】
図6は第1絶縁部材20の上面図であり、図7は第1絶縁部材20の下面図である。第1絶縁部材20は、本体部20aの中央部に貫通孔20bが形成されている。この貫通孔20bと対応する位置で反転板19と正極集電体5が接続される。また、第1絶縁部材20の下面には、貫通孔20bの両側に突起部21a及び突起部21bがそれぞれ形成されている。そして、突起部21a及び突起部21bがそれぞれ正極集電体5の第1領域5aに形成された貫通孔5d及び貫通孔5eに挿入され、先端部が拡径されることにより、第1絶縁部材20と正極集電体5の第1領域5aが固定される。
【0041】
第1絶縁部材20は平面視で略長方形状(例えば、長方形、あるいは、長方形の角部がR化又はカットされたような形状)を有している。第1絶縁部材20の上面における周縁には、第1絶縁部材20の短辺方向に沿うように、対向する一対の短辺側壁20c及び20dが設けられている。短辺側壁20c及び20dはそれぞれ封口板11の短辺方向(封口板11の短辺が延びる方向)に沿うように形成されている。この実施形態に係る角形二次電池1においては、短辺側壁20c及び20dが、第1側壁部及び第2側壁部となっている。短辺側壁20c及び20dは第1絶縁部材20の本体部20aから上方(封口板11側)に延びる第1領域22と、第1領域22から導電部材18に向かって突出する突出部23を有する。そして、この突出部23が導電部材18の筒状部18aの巻回電極体2側の端部に設けられたフランジ部18dに引っ掛かるようにして、短辺側壁20c及び20dがそれぞれ導電部材18に接続される。
【0042】
ここで、第1絶縁部材20が導電部材18に取り付けられる前の自由状態において、短辺側壁20cにおいて前記導電部材18に接する予定の部分と、短辺側壁20dにおいて前記導電部材18に接する予定の部分との距離をXとする。そして、第1絶縁部材20が導電部材18に取り付けられる前の状態において、導電部材18の短辺側壁20と接する予定の部分と、導電部材18の短辺側壁20eに接する予定の部分の距離をYとする。実施形態に掛かる角型二次電池1では、距離X<距離Yに設定された第1絶縁部材20と導電部材18を用いて電池が作製される(図10参照)。なお、距離X/距離Yの値は、
1.000以下とする。また、距離X/距離Yの値は、1.000未満とすることが好ましい。さらに、距離X/距離Yの値は、0.950以上1.000以下とすることが好ましく、0.950以上1.000未満とすることがより好ましい。さらに、距離X/距離Yの値は、0.990以上0.999以下とすることが好ましい。
【0043】
これにより、図11に示すように、第1絶縁部材20が導電部材18に取り付けられると、第1絶縁部材20の短辺側壁20c及び20dにより導電部材18の筒状部18aが両側から中心側(貫通孔20b側)に押圧された状態となる。第1絶縁部材20の短辺側壁20cは導電部材18の筒状部18aの外面を第1絶縁部材20の短辺側壁20dの方向に押圧する。また、第1絶縁部材20の短辺側壁20dは導電部材18の筒状部18aの外面を第1絶縁部材20の短辺側壁20cの方向に押圧する。これにより、導電部材18に対して第1絶縁部材20が横方向(封口板11の長辺方向に沿った方向)に移動することを確実に防止できる。ここで、反転板19は導電部材18に溶接により強固に固定されている。また、正極集電体5は第1絶縁部材20に強固に固定されている。なお、角形二次電池1においては、短辺側壁20c及び20dがそれぞれ第1押圧部、第2押圧部を含む。また、導電部材18の筒状部18aにおいて、短辺側壁20cに押圧される部分が第1外側面となり、短辺側壁20dに押圧される部分が第2外側面となる。したがって、導電部材18に対して第1絶縁部材20が横方向に移動することを防止できると、反転板19に対して正極集電体5が横方向に移動することも確実に防止できる。
【0044】
よって、実施形態の角型二次電池1では上述の課題を解決することができる。即ち、外装体13の内圧が所定値以上になり反転板19が封口板11側に変形し、正極集電体5のノッチ部5gが部分的に破断したとき、正極集電体5が反転板19に引っ張られ横方向の位置ズレが生じなくなる。したがって、正極集電体5のノッチ部5gにおいて切れ残った部分も即座に破断され、正極板と正極端子6の間の導電経路を即座に切断することが可能となる。
【0045】
第1絶縁部材20の上面における周縁には、第1絶縁部材20の長辺方向に沿った一対の長辺側壁20e及び20fが設けられている。一対の長辺側壁20e及び20fは、第1絶縁部材20の本体部20aから上方(封口板11側)に延びるように設けられる。導電部材18の筒状部18aが一対の長辺側壁20e及び20fにより中心側(貫通孔20b側)に押圧されるようにすることが好ましい。第1絶縁部材20が導電部材18に取り付けられる前の自由状態において、長辺側壁20eにおいて導電部材18と接する予定の部分と、長辺側壁20fにおいて導電部材18と接する予定の部分の距離をX’とする。そして、第1絶縁部材20が導電部材18に取り付けられる前の状態で、導電部材18において長辺側壁20eと接する予定の部分と、導電部材18において長辺側壁20fと接する予定の部分との距離をY’とする。この場合、距離X’<距離Y’に設定された第1絶縁部材20と導電部材18を用いることが好ましい(図12参照)。
【0046】
このような構成によると、第1絶縁部材20が導電部材18に取り付けられると、第1絶縁部材20の長辺側壁20e及び20fにより導電部材18の筒状部18aが両側から中心側(貫通孔20側)に押圧された状態となる。よって、導電部材18に対して第1絶縁部材20が横方向(封口板11の長辺方向に沿った方向)に移動することをより確実に防止できる。なお、距離X’/距離Y’の値は、1.000以下とする。また、距離X’/距離Y’の値は、1.000未満とすることが好ましい。さらに、距離X’/距離Y’の値は、0.950以上1.000以下とすることが好ましく、0.950以上1.000未満とすることがより好ましい。さらに、距離X’/距離Y’の値は、0.990以上0.999以下とすることが好ましい。
【0047】
上記の実施形態の角型二次電池1においては、第1絶縁部材20が平面視で略長方形状
であり、導電部材18の筒状部の断面形状が略方形状の例を示したがこれに限定されない。例えば、導電部材18の筒状部の断面形状が円形にしてもよい。ただし、導電部材18の平面視での形状が略長方形の場合、上述の課題が生じ易いため、本発明は、導電部材18の平面視での形状が略長方形のときに特に有効である。
【0048】
第1絶縁部材の変形例としては、図13に示すように、第1絶縁部材20の一方の短辺側に一つの短辺側壁20c(押圧部)を設け、他方の短辺側に複数の短辺側壁20(押圧部)を設けるようにしてもよい。また、図14に示すように、第1絶縁部材20の一方の短辺側に複数の短辺側壁20c(押圧部)を設け、他方の短辺側の複数の短辺側壁20d(押圧部)を設けてもよい。
【0049】
また、第1押圧部及び第2押圧部は必ずしも第1絶縁部材20の本体部20aの周縁に設ける必要はなく、図15に示すように本体部20aの周縁から離れた位置に設けてもよい。
【0050】
上述の実施形態にかかる角形二次電池1では、導電部材18にフランジ部18dを設ける形態を示したが、フランジ部18dは必須の構成ではない。また、フランジ部18dが設けられている場合でも、第1絶縁部材の第1押圧部及び第2押圧部がそれぞれ導電部材18のフランジ部18dの外面を押圧する必要はない。第1絶縁部材20の第1押圧部及び第2押圧部がそれぞれ導電部材18の筒状部18aのフランジ部18dよりも封口板11側の外面を押圧するようにしてもよい。また、第1絶縁部材20の短辺側壁20c及び20dにそれぞれ突出部23を設ける形態を示したが、突出部23は必須の構成ではない。
【0051】
なお角形二次電池としては、非水電解質二次電池、特にリチウムイオン二次電池であることが好ましい。
【0052】
上述の課題を解決する別の発明の角形二次電池は次の構成を有する。
開口を有する角形外装体と、
貫通孔を有し前記開口を封口する封口板と、
正極板及び負極板を含み前記角形外装体に収容される電極体と、
前記正極板又は前記負極板に電気的に接続され、前記封口板の貫通孔を貫通する端子と、
前記封口板と前記電極体の間に配置され、前記端子に電気的に接続され、前記電極体側の端部に開口部を有する導電部材と、
前記開口部を封止する反転板と、
前記正極板又は前記負極板に電気的に接続され、前記反転板に接続された集電体と、
前記反転板と前記集電体の間に配置される第1絶縁部材を備え、
前記角形外装体内の圧力が所定値以上となったとき、前記反転板が前記封口板側に変形し、これに伴い前記正極板又は前記負極板と前記端子の間の電気的接続が切断される角形二次電池であって、
前記第1絶縁部材は貫通孔を有し、
前記反転板と前記集電体は前記第1絶縁部材の貫通孔を通して接続されており、
前記第1絶縁部材は上面部に凹部又は凸部が形成され、
前記第2絶縁部材は下面部には、前記凹部又は凸部に嵌り合う嵌合部が形成されており、
前記第1絶縁部材に形成された前記凹部又は凸部は、前記第2絶縁部材に形成された嵌合部と嵌合し、前記第1絶縁部材と前記第2絶縁部材が固定されている。
【0053】
別の発明の角形二次電池では、第1絶縁部材の上面に凹部が設けられた場合、第2絶縁部材の下面には第1絶縁部材に設けられた凹部に嵌り合う凸部が形成される。そして、第1絶縁部材の凹部に第2絶縁部材の凸部が挿入され、凹部と凸部が嵌合される。あるいは、第1絶縁部材の上面に凸部が設けられた場合、第絶縁部材の下面には第1絶縁部材に設けられた凸部に嵌り合う凹部が形成される。そして、第1絶縁部材の凸部が第2絶縁部材の凹部が挿入され、凸部と凹部が嵌合される。
【0054】
このような構成によると、第1絶縁部材に対して第2絶縁部材が横方向にずれることを確実に防止できる。したがって、上述の課題を確実に防止できる。なお、第1絶縁部材に本体部から上方に延びる一対の側壁部を設け、第2絶縁部材に本体部から電極体側に延びる一対の側壁部を設け、第1絶縁部材の側壁部の内面と、第2絶縁部材の側壁部の外面とを接続する方法が考えられる。しかしながら、上記の構成によると、第1絶縁部材の側壁部の内面と、第2絶縁部材の側壁部の外面とを接続する方法に比べて、より確実に横方向のずれを防止できる。
【0055】
別の発明の角形二次電池に用いる第1絶縁部材60の上面図を図18に示す。また、別の発明の角形二次電池に用いる第2絶縁部材61の下面図を図19に示す。第1絶縁部材60の上面には、凸部51が4隅に設けられている。また、第2絶縁部材61の下面には、凹部50が4隅に設けられている。
【0056】
図20に示すように、第1絶縁部材60の上面に設けられた凸部51が、第2絶縁部材61の下面に設けられた凹部50に挿入され、嵌合される。これにより、第1絶縁部材60と第2絶縁部材61が固定される。なお、第1絶縁部材60と第2絶縁部材61は、少なくとも1箇所で嵌合固定されていればよい。第1絶縁部材60と第2絶縁部材61は、より好ましくは3箇所、更に好ましくは4箇所で嵌合固定されていることが好ましい。
【0057】
図21に示すように第2絶縁部材63の下面に設けられた凹部50が貫通孔であり、第1絶縁部材62の上面に設けられた凸部51の上端側に拡径部を設けるようにしてもよい。
【0058】
図22に示すように、第1絶縁部材64の上面に凹部53を設け、第2絶縁部材65の下面に凸部52を設けるようにしてもよい。
【0059】
<その他>
本願に記載の角形二次電池において、第1絶縁部材及び第2絶縁部材としてそれぞれ、樹脂製の部材を用いることが好ましい。樹脂製の部材としては、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体等からなるものと用いることが好ましい。
【符号の説明】
【0060】
1…角形二次電池 2…巻回電極体 3…正極芯体露出部 4…負極芯体露出部
5…正極集電体
5a…第1領域
5b…第2領域
5c…貫通孔
5d、5e…貫通孔
5f…薄肉部
5g…ノッチ部
6…正極端子
6a…フランジ部
6b…筒状部
6c…貫通孔
6d…先端部
7…負極集電体 8…負極端子
9…ガスケット 10…ガスケット 11…封口板 12…樹脂製シート
13…外装体 14…電解液注液孔 15…封止栓 16…ガス排出弁
17…第2絶縁部材
18…導電部材
18a…筒状部
18b…接続部
18c…貫通孔
18d…フランジ部
19…反転板
20…第1絶縁部材
20a…本体部
20b…貫通孔
20c、20d…短辺側壁
20e、20f…長辺側壁
21a、21b…突起部
41…導電部材 42…反転板 43…集電体 44…絶縁部材 45…封口板46…端子 47…ガスケット 48…絶縁部材
50…凹部 51…凸部
52…凹部 53…凸部
60…第1絶縁部材 61…第2絶縁部材
62…第1絶縁部材 63…第2絶縁部材
64…第1絶縁部材 65…第2絶縁部材

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22