特許第6308312号(P6308312)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6308312
(24)【登録日】2018年3月23日
(45)【発行日】2018年4月11日
(54)【発明の名称】ガラス板の加工装置
(51)【国際特許分類】
   B24B 9/10 20060101AFI20180402BHJP
   C03B 33/03 20060101ALI20180402BHJP
   C03C 19/00 20060101ALI20180402BHJP
   B24B 41/06 20120101ALI20180402BHJP
【FI】
   B24B9/10 Z
   C03B33/03
   C03C19/00 Z
   B24B41/06 A
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-6195(P2017-6195)
(22)【出願日】2017年1月17日
(62)【分割の表示】特願2015-209421(P2015-209421)の分割
【原出願日】2015年10月23日
(65)【公開番号】特開2017-105708(P2017-105708A)
(43)【公開日】2017年6月15日
【審査請求日】2017年2月16日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000174220
【氏名又は名称】坂東機工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098095
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 武志
(72)【発明者】
【氏名】坂東 和明
【審査官】 亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/121640(WO,A1)
【文献】 特開2006−110642(JP,A)
【文献】 特表平06−504236(JP,A)
【文献】 特開2012−011539(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 9/10
B24B 7/24
B24B 41/06
C03B 33/03
C03C 19/00
DWPI(Derwent Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
研削加工ポジションにおいて、ガラス板搬送通路の側部にガラス板の搬送方向に関して固定された研削ヘッドと、ガラス板の搬送方向に平行に直列配置されていると共に互いに独立して角度制御回転並びにガラス板の搬送方向に平行X軸移動及びこれに直交したY軸移動される2基の研削ワークテーブルとを備えており、この2基の研削ワークテーブルは交互に研削ヘッドの対応位置に進出させられるようになっており、研削ヘッドの対応位置に進出させられた2基の研削ワークテーブルのうちの一方の研削ワークテーブルは、当該一方の研削ワークテーブルに保持されたガラス板に対する研削ヘッドによる研削中において、研削ヘッドに対して角度制御回転とY軸移動とを行うようになっており、当該一方の研削ワークテーブルがガラス板を保持して研削ヘッドによるガラス板に対しての研削加工中、他方の研削ワークテーブルは研削ヘッドより離れてガラス板の搬出及び次のガラス板の受け取りを行うようになっており、この一方の研削ワークテーブルのガラス板に対しての研削加工と他方の研削ワークテーブルのガラス板の搬出及び次のガラス板の受け取りとの動作を交互に繰り返し、研削ヘッドが連続して研削加工を続けるようになっているガラス板の加工装置。
【請求項2】
互いに独立して角度制御回転をする2基の研削ワークテーブルがガラス板の搬送方向に関して固定された研削ヘッドを挟んでガラス板の搬送方向の前後において、互いに独立してガラス板の搬送方向に沿ったX軸移動を行うように配置されており、この2基の研削ワークテーブルは交互に研削ヘッドの対応位置に進出させられるようになっており、研削ヘッドの対応位置に進出させられた2基の研削ワークテーブルのうちの一方の研削ワークテーブルは、当該一方の研削ワークテーブルに保持されたガラス板に対する研削ヘッドによる研削中において、研削ヘッドに対して角度制御回転とX軸移動とを行うようになっており、当該一方の研削ワークテーブルがガラス板を吸着して研削ヘッドによるガラス板に対しての研削加工中、他方の研削ワークテーブルは、研削ヘッドより離れてガラス板の搬出及び次のガラス板の受け取りを行うようになっており、この一方の研削ワークテーブルのガラス板に対しての研削加工と他方の研削ワークテーブルのガラス板の搬出及び次のガラス板の受け取りとの動作を交互に繰り返し、研削ヘッドが連続して研削加工を続けるようにしたガラス板の加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の窓ガラス用ガラス板、その他の用途のガラス板等を、素板ガラス板から切出し、周縁エッヂの研削加工を行うガラス板の加工装置に関する。
【0002】
また、本発明は、ガラス板のスクライブ装置・折割分割装置と研削加工装置とを吸着搬送装置を介して接続し、スクライブ装置から連続して切り出したガラス板を次々に研削加工装置に供給し、連続して研削加工を行い、次々に取り出すガラス板の加工装置に係る。
【0003】
さらに、本発明は、スクライブ部、折割部、研削加工部、及びガラス板搬送装置がNC制御されて運転されるガラス板加工装置に係る。
【背景技術】
【0004】
ガラス板の加工装置は、特許文献1及び2で知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平6−75819号公報
【特許文献2】特開平8−231238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び2に記載のガラス板の加工装置は、共に折割分割装置と研削加工装置とを吸着搬送装置を介して接続し、スクライブ装置から連続して切り出したガラス板を順次に研削加工装置に供給し、連続研削加工し、そして順次取り出すようにしたものである。
【0007】
しかし、斯かる加工装置では、研削ヘッドに対応するワークテーブルは、1基であるため、ワークテーブルに供給保持されたガラス板の研削加工が終了する度に、研削ヘッドはワークテーブルから離れ、待機点に復帰して待機停止する。ワークテーブルのガラス板搬出と、次のガラス板の受け取りが終われば研削ヘッドはワークテーブルに向かって進行し研削加工を開始する。このように、ワークテーブルのガラス板の受け渡しの度に研削加工の中断タイムロスが生じ、生産スピードを上げられない。
【0008】
本発明の目的とするところは、従来の上記ような欠陥を除去し、生産スピードが高いガラス板の加工装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、研削加工ポジションにおいて、ガラス板搬送通路の側部にガラス板の搬送方向に関して固定された研削ヘッドと、ガラス板の搬送方向に平行に直列配置されていると共に互いに独立して角度制御回転並びにガラス板の搬送方向に平行X軸移動及びこれに直交したY軸移動される2基の研削ワークテーブルとを備えており、この2基の研削ワークテーブルは交互に研削ヘッドの対応位置に進出させられるようになっており、研削ヘッドの対応位置に進出させられた2基の研削ワークテーブルのうちの一方の研削ワークテーブルは、当該一方の研削ワークテーブルに保持されたガラス板に対する研削ヘッドによる研削中において、研削ヘッドに対して角度制御回転とY軸移動とを行うようになっており、当該一方の研削ワークテーブルがガラス板を保持して研削ヘッドによるガラス板に対しての研削加工中、他方の研削ワークテーブルは研削ヘッドより離れてガラス板の搬出及び次のガラス板の受け取りを行うようになっており、この一方の研削ワークテーブルのガラス板に対しての研削加工と他方の研削ワークテーブルのガラス板の搬出及び次のガラス板の受け取りとの動作を交互に繰り返し、研削ヘッドが連続して研削加工を続けるようになっているガラス板の加工装置である。
【0010】
また、本発明は、互いに独立して角度制御回転をする2基の研削ワークテーブルがガラス板の搬送方向に関して固定された研削ヘッドを挟んでガラス板の搬送方向の前後において、互いに独立してガラス板の搬送方向に沿ったX軸移動を行うように配置されており、この2基の研削ワークテーブルは交互に研削ヘッドの対応位置に進出させられるようになっており、研削ヘッドの対応位置に進出させられた2基の研削ワークテーブルのうちの一方の研削ワークテーブルは、当該一方の研削ワークテーブルに保持されたガラス板に対する研削ヘッドによる研削中において、研削ヘッドに対して角度制御回転とX軸移動とを行うようになっており、当該一方の研削ワークテーブルがガラス板を吸着して研削ヘッドによるガラス板に対しての研削加工中、他方の研削ワークテーブルは、研削ヘッドより離れてガラス板の搬出及び次のガラス板の受け取りを行うようになっており、この一方の研削ワークテーブルのガラス板に対しての研削加工と他方の研削ワークテーブルのガラス板の搬出及び次のガラス板の受け取りとの動作を交互に繰り返し、研削ヘッドが連続して研削加工を続けるようにしたガラス板の加工装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明は研削加工ポジションにおいて、2基のワークテーブルを備え、この2基のワークテーブルは互いに独立してNC制御され、交互して共通の1基の研削ヘッドとNC制御の座標移動をさせて、研削加工が行われる。
【0012】
このため、一方のワークテーブルが研削ヘッドと座標移動してのガラス板の研削加工中、他方のワークテーブルは原点に停止して、ガラス板の受け渡しが行われ、上記一方のワークテーブル上のガラス板研削加工が終われば、他方のワークテーブルが研削ヘッドへ進行して、研削ヘッドは連続して研削加工を行う。研削ヘッドは2基のワークテーブルのガラス板と交互し、連続して研削加工を続け、研削加工を停止をすることが無い。このため、ロス時間がなく高い生産能力となる。
【0013】
また、1基の研削ヘッドで、2基のワークテーブルのガラス板を研削加工するため、2基のワークテーブルのガラス板の研削加工寸法にバラツキがなく、仕上りは一定する。
【0014】
さらに、2基のワークテーブルは、互いに相手に対して独立してNC制御されるため、2基のワークテーブルで異なる寸法、形状のガラス板の研削加工を行い得る。
【0015】
さらに、2基のワークテーブルはNC制御されて移動を行うため、同じくNC制御されてガラス板を搬送するガラス板搬送装置との共働によりワークテーブルにガラス板を位置精度の高い渡しができる。研削加工の輪郭線軌跡に合わせた精確な渡しができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の第1実施例であるガラス板加工装置の正面図である。
図2図2は、図1に示すガラス板加工装置の背面図である。
図3図3は、図1のA−A線断面図である。
図4図4は、図1のB−B線断面図である。
図5図5は、本発明の第2実施例であるガラス板加工装置の正面図である。
図6図6は、図5のC−C線断面図である。
図7図7は、図5のD−D線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施である第1実施例のガラス板加工装置1と第2実施例のガラス板加工装置80とについて詳述する。
【0018】
第1実施例
図1から図4には、本発明の第1実施例のガラス板加工装置1が示されている。尚、図1に示すガラス板加工装置の背面図である。本ガラス板加工装置1は、床面に設置する基台3を備える。
【0019】
基台3は、右側端R、左側端Lに、門形状の枠柱4、4が、立設されている。
【0020】
両側の枠柱4及び4に、直状の架台6が、右側端Rから左側端Lに向かって架設されている。
【0021】
架台6に沿った左右方向がX軸方向である。
【0022】
ガラス板加工装置1は、右側Rから左側Lに向かって、入込みポジション7、スクライブ及び折割ポジション8、研削加工ポジション9、取出しポジション10が設けられている。
【0023】
尚、スクライブ及び折割ポジション8は、ガラス板2を同一位置に固定したまま、スクライブ線形成と折割分離を行う。
【0024】
入込みポジション7とスクライブ及び折割ポジション8は、スクライブ装置5に設けられている。研削加工ポジション9には、2基の研削ワークテーブル11A及び11Bと1基の研削ヘッド12とを備える。取出しポジション10には、取出しコンベア13を備える。
【0025】
スクライブ装置5、2基の研削ワークテーブル11A及び11B、取出しコンベア13は架台6に沿って、即ちX軸方向に沿って、かつ必要な間隔をもって直列配置されている。さらに、ガラス板搬送装置14が、スクライブ装置5、2基の研削ワークテーブル11A及び11B、取出しコンベア13の上方を直線状に貫いて設けられている。
【0026】
スクライブ装置5は、図1に示されるように、ガラス板2を平面支持して搬送また位置決め停止させるベルトコンベアテーブル15と、このベルトコンベアテーブル15の上面と平行してXY平面座標系移動を行うスクライブヘッド35とを備える。
【0027】
上記ベルトコンベアテーブル15は、幅広のコンベアベルト17と、コンベアベルト17を下面から平面支持する支持台18と、コンベアベルト17をNC制御して走行させるガラス送り制御モータ19とを備える。
【0028】
ベルトコンベアテーブル15は、上面(コンベアベルト17の上面)において、中央域Cを挟んで右側域Iに入込みポジション7が、左側域Oにスクライブ及び折割ポジション8が設けられている。
【0029】
ベルトコンベアテーブル15は、本体フレーム21の内側に、X軸方向に沿って取付けられている。そして、ベルトコンベアテーブル15の両側域には、それぞれ、X軸方向に沿ってガイドレール22、22が、本体フレーム21に設けられ、両側それぞれのガイドレール22及び22にはスライドブロック23、23が移動自在に保持されている。ベルトコンベアテーブル15の上方には、このベルトコンベアテーブル15を跨って走行フレーム24が、その両端をブラケット25、25を介して上記スライドブロック23、23に架設されている。
【0030】
走行フレーム24は、両側のスライドブロック23、23に支持され、かつ両側のガイドレール22、22にガイドされ、X軸方向に直動自在である。さらに、ベルトコンベアテーブル15の両側それぞれには、それぞれのガイドレール22、22と平行して、ラック20、20が並設されている。
【0031】
走行フレーム24の両側のブラケット25、25のそれぞれには、ピニオンギア装置26が取付けられ、それぞれのピニオンギア装置26、26のピニオンギア27、27がそれぞれのラック20、20に噛み合わされている。
【0032】
走行フレーム24には、両側に貫通してシャフト28が組付けてあり、シャフト28は両側部において、両側のピニオンギア装置26、26にプリー、ベルトを介して連結され、更にシャフト28の一方端には、X軸サーボモータ29が連結されている。
【0033】
走行フレーム24は、X軸サーボモータ29によりX軸移動する。走行フレーム24には、Y軸方向に沿って一対のガイドレール30、30が並設され、更に、ガイドレール30、30に沿ってラック31が並設されている。ガイドレール30、30に移動自在に保持されたスライドブロックに、正面において立面に形成されたT形ブラケット32が取付けられている。
【0034】
T形ブラケット32は、上記一対のガイドレール30、30にガイドされ、Y軸方向に直動自在である。
【0035】
T形ブラケット32の上面には、Y軸サーボモータ33が取付けられ、その出力シャフトにピニオンギア34が取付けられ、ピニオンギア34は、ラック31に噛み合わされている。T形ブラケット32はY軸サーボモータ33によりY軸移動する。
【0036】
T形ブラケット32の正面には、スクライブヘッド35と折割装置36が並設されている。よって、スクライブヘッド35と折割装置36とは、一体となって、ベルトコンベアテーブル15の上面上方をXY平面座標移動を行う。
【0037】
このスクラブ及び折割ポジション8においての切出しガラス板2の生成を説明する。
【0038】
記憶させたスクライブ形成情報に基づいてスクライブヘッド35及び折割装置36を一体としてNC制御移動させ、先ず、スクライブヘッド35を動作させて素板ガラス板2にスクライブ線を形成する。次に、折割情報に基づいてスクライブヘッド35及び折割装置36を一体とし、かつ折割装置36を基準としてNC制御して複数のプレス必要位置を巡行させて順次プレス押しを作用させて、不要域を折割分離し、切出しガラス板2を生成させる。すると、この切出しガラス板2の上方にガラス板搬送装置60の搬送シャトル62Aが復帰し、吸着パット67を降下させて、この切出しガラス板2を吸着持上げし、研削加工ポジション9に向って搬送する。
【0039】
研削加工ポジション9には、2基の研削ワークテーブル11A、11Bと1基の研削ヘッド12とを備える。
【0040】
2基の研削ワークテーブル11A、11Bは、ガラス板2の搬送通路において搬送方向に沿って間隔をもって直列して配置され、一方、研削ヘッド12は、搬送通路の近側位置に固定して配置されている。
【0041】
研削ワークテーブル11A、11Bそれぞれは、上面にガラス板2を水平に吸着固定する複数の吸盤39、39、39、39と、これら吸盤39、39、39、39を吸着支持させるテーブル台40と、テーブル台40を回転自在に軸受保持し、テーブル台40をNC制御された水平角度制御回転を行わせる本体装置41と、この本体装置41の載設を受け、本体装置41、延いては研削ワークテーブル11A、11Bのそれぞれを、互いに独立したY軸移動をさせるY軸移動手段42とよりなる。
【0042】
更に、研削ワークテーブル11A及び11Bは、それぞれY軸移動手段42において、共通のX軸移動手段47に載設され、一体となってX軸移動を行う。
【0043】
上記X軸移動手段47のX軸移動による往復直動によって、研削ワークテーブル11A、11Bは、交互して研削ヘッド12の対応位置に進行位置し、自身の角度制御回転とY軸移動手段42のY軸移動とにより、研削ヘッド12と極座標制御動作を行う。一方、研削ヘッド12から離れた位置の研削ワークテーブル11Aは、角度制御回転、Y軸移動を止め、ガラス板2の搬出、新しいガラス板2の搬入を受ける。
【0044】
また、Y軸移動手段42、42のそれぞれは、共通のX軸移動台50の上面にY軸方向に沿って並設した2本のガイドレール43、43と、これら2本のガイドレール43、43に移動自在に保持したスライドブロックへ架設したY軸移動台44と、このY軸移動台44にナットを介して連結され、かつ2本のガイドレール43、43の間に設けた送りネジ45と、この送りネジ45の一端に連結したY軸制御モータ46、46とよりなる。
【0045】
尚、上記Y軸移動台44に本体装置41が載設されている。
【0046】
また、X軸移動手段47は、X軸方向に沿って基台3の上面に並設した2本のガイドレール48、48と、これら2本のガイドレール48、48のスライドブロックへ架設した上記X軸移動台50と、このX軸移動台50にナットを介して連結され、かつ2本のガイドレール48、48の間に設けた送りネジ52と、この送りネジ52の一端に連結したX軸制御モータ53とよりなる。
【0047】
ガラス板搬送通路の近側位置に配置された研削ヘッド12は、ブラケット54を介して架台6に取付けられている。研削ヘッド12は、ブラケット54に上下位置調整手段55を介して取付けられたスピンドルモータ56とスピンドルモータ56の出力シャフトに装着された研削ホイール57とよりなる。
【0048】
なお、もちろん、極座標制御研削加工は、上記研削ホイール57に対し研削ワークテーブル11A、11B保持のガラス板2が水平角度制御Y軸移動することにより行われる。
【0049】
一方、前記架台6の背面61には、ガラス板搬送装置60が、架台6の背面61に沿って、即ちX軸方向に沿って設けられている。
【0050】
ガラス板搬送装置60は、2基の搬送シャトル62A、62Bを備える。
【0051】
これら搬送シャトル62A、62Bは、架台6の背面に並設した2本のガイドレール63、63にスライドブロックを介して直動自在に保持されて往復直動を行う。
【0052】
ガイドレール63及び63は、スクライブ装置5のスクライブ及び折割ポジション8の上方から取出しコンベア13の上方に至って設けられている。更に、ガイドレール63及び63の間において、背面61にラック64が並設されている。
【0053】
搬送シャトル62A、62Bのそれぞれは、板ブラケット69を介してガイドレール63及び63のスライドブロックに取付けられている。それぞれの搬送シャトル62A、62Bは、板ブラケット69に走行サーボモータ65A、65Bが取付けられている。走行サーボモータ65A、65Bは、ラック64に向って取付けられ、出力軸にはピニオンギア70が取付けられ、そのピニオンギア70は、ラック64に噛み合わされている。
【0054】
2基の搬送シャトル62A、62Bのそれぞれの走行サーボモータ65A、65Bを独立してNC制御駆動することにより、2基の搬送シャトル62A、62Bをそれぞれ独立して必要距離のNC制御の往復走行を行わせる。
【0055】
それぞれの搬送シャトル62A、62Bには、1基のガラス板吸着昇降装置66を備える。ガラス板吸着昇降装置66は、下端において、ガラス板の吸着と吸着開放を行う複数個の吸着パット67と、この吸着パット67が取付られ、この吸着パット67を上下方向に昇降させる昇降装置68とを備える。そして、このガラス板吸着昇降装置66は、上下方向に沿った姿勢で、昇降装置68において板ブラケット69に取付けられている。
【0056】
本ガラス板加工装置1における研削ワークテーブル11A、11B、研削ヘッド12、ガラス板搬送装置60の協動は次のように行われる。スクライブ及び折割ポジション8で新しい切出しガラス板2が生成すると、先ず、搬送シャトル62Aが切出しガラス板2に吸着持上げしたままで、搬送シャトル62Aが研削加工ポジション9に向って往動を開始する。この時、研削加工ポジション9においては、一方の研削ワークテーブル11Aがガラス板2を吸着し、研削ヘッド12との極座標制御によるガラス板エッヂの研削加工中にあり、他方の研削ワークテーブル11Bは、ガラス板出入エリア点に復帰し、搬送シャトル62Bによる加工済ガラス板2の搬出中にある。
【0057】
この搬出のこの状態において、搬送シャトル62Bは、切出しガラス板2を吸着して、上記研削加工作業中の研削ワークテーブル11A上方、研削作業中の研削ホイール79の上方を搬送通過して、ガラス板搬出終了の研削ワークテーブル11B上方へ達し、ガラス板吸着の吸着パットを下げ、吸着開放して、切出しガラス板を研削ワークテーブル11Bに搬入載置する。そして、この搬送シャトル62Aは、スクライブ及び折割ポジション8へ復帰に入る。
【0058】
同時して、吸着ワークテーブルは受け取った切出しガラス板2を吸着固定し、Y軸移動して、研削ヘッド12に向って進行し、研削ヘッド12との研削加工作業に入る。すると、先に研削加工作業中の研削ワークテーブル11Aは、Y軸移動して、ガラス板出入エリアに復帰する。このときすでに搬送シャトル62Bが研削作業中の研削ワークテーブル11Bの上方、研削作業中の研削ホイール79の上方を通過して研削ワークテーブル11Aの上方に達し、加工済のガラス板2の搬出に入る。このときすでに搬送シャトル62Aは新しい切出しガラス板2を吸着して研削ワークテーブル11Aに向って搬送中である。
【0059】
一方、研削ヘッド12は固定したままで連続して研削加工を続ける。
【0060】
第2実施例
図5から図7には、本発明の第2実施例のガラス板加工装置80が示されている。本ガラス板加工装置80もまた、第1実施例のガラス板加工装置1と同じように、正面において、左右方向がX軸方向である。
【0061】
本ガラス板加工装置80もまた、基台3を備える。基台3は、右側端R、左側端Lに門形状の枠柱4及び4が立設されている。この両側の枠柱4及び4に直状の架台が、右側端Rから左側端Lに向って架設されている。この架台に沿った左右方向がX軸である。さて、本ガラス板加工装置80は、図5に示すように右側端Rから左側端Lに向って、ガラス板2の入込みポジション7、スクライブ及び折割ポジション8、研削加工ポジション9、取出しポジション10が設けられている。
【0062】
尚、スクライブ及び折割ポジション8は、ガラス板2を同一位置に固定したまま、スクライブ線形成と折割分離を行う。
【0063】
入込みポジション7とスクライブ及び折割ポジション8は、スクライブ装置5に設けられている。研削加工ポジション9には、2基の研削ワークテーブル11A及び11Bと1基の研削ヘッド12とを備える。取出しポジション10には、取出しコンベア13を備える。
【0064】
スクライブ装置5、2基の研削ワークテーブル11A、11B、取出しコンベア13は架台6に沿って、即ちX軸方向に沿って、かつ必要な間隔をもって直列配置されている。さらに、ガラス板搬送装置60が、スクライブ装置5、2基の研削ワークテーブル11A、11B、取出しコンベア13の上方を直線状に貫いて設けられている。
【0065】
スクライブ装置5、ガラス板搬送装置60、取出しコンベア13は、構造動作が第1実施例のガラス板加工装置1と同一のため、説明を省く。
【0066】
さて、本ガラス板加工装置80は、研削加工ポジション9において、2基の研削ワークテーブル11A、11Bと1基の研削ヘッド12を備えていることは、第1実施例のガラス板加工装置1と同一である。しかし、研削ワークテーブル11A、11B、研削ヘッド12の配置位置及び動作が相違する。
【0067】
なお、研削ワークテーブル11A、11Bは、第1実施例のガラス板加工装置1の研削ワークテーブル11A、11Bと同じく、上面にガラス板2を水平に吸着固定する複数の吸盤39、39、39、39と、これら吸盤39、39、39、39を吸着支持させるテーブル台40と、テーブル台40を回転自在に保持し、テーブル台40をNC制御された水平角度制御回転を行わせる本体装置41を備える。
【0068】
さて、2基の研削ワークテーブル11A、11B及び研削ヘッド12は、ガラス板2の搬送通路75下または搬送通路75下の中央ライン76上において、搬送方向に沿って間隔をもって直列して配置されている。研削ヘッド12を挟んで搬送方向の前後において、かつ研削ヘッド12と間隔を置いて、それぞれの研削ワークテーブル11A及び11Bが配置されている。
【0069】
もちろん、研削ヘッド12を固定して配置されている。2基の研削ワークテーブル11A、11Bのそれぞれは、また、搬送方向、即ちX軸方向においてX軸移動して、交互に、研削ヘッド12への対応位置に進行または後退させるX軸移動手段77A、77Bを備える。このX軸移動手段77A、77Bは互いに独立して自身のX軸移動台85をX軸移動させる。
【0070】
上記X軸移動手段77A、77BのX軸移動による進退直動によって研削ワークテーブル11A、11Bは、交互して研削ヘッド12の対応位置に進行位置し、自身の角度制御回転とX軸移動手段77A又は77BのX軸移動とにより、研削ヘッド12と極座標制御動作を行う。また、逆に、ガラス板2の搬出搬入位置に後退する。即ち、それぞれ研削ワークテーブル11A、11Bは、交互して、ガラス板2を吸着して研削ヘッド12に進行して、研削ヘッド12とガラス板2の極座標制御研削加工を行い、また、後退してガラス板2の搬出搬入を受ける。
【0071】
尚、上記研削ヘッド12は、倒立させた姿勢、即ち研削ホイール79を上に、研削ホイール79を装着のスピンドルモータ83を下に位置して、基台3から固定的に立設されている。
【0072】
尚、研削ヘッド12は、スピンドルモータ83において、基台3から立設のブラケット91と上下位置調整手段92を介して取付けられている。
【0073】
また、研削ヘッド12は、研削ホイール79にクーラント水をスプレーするスプレー装置90を備える。研削ホイール79は、研削ワークテーブル11A、11Bと対面する前後の研削作業位置で上記スプレー装置90からクーラント水のスプレーを受ける。尚、スプレー装置90は、研削ホイール79が研削ワークテーブル11Aと対面して前部研削作業位置が作業中のときは、この前部研削作業位置にスプレー給水を行い、研削ワークテーブル11B側の後部研削作業位置へのスプレー給水を停止する。また、後部研削作業位置が作業中のときは前部研削作業位置へのスプレー給水を停止する。
【0074】
また、研削ワークテーブル11A、11BのそれぞれのX軸移動手段77A、77Bは、基台3にX軸方向沿って並設したガイドレール83、83と、これら2本のガイドレール83、83のスライドブロックへ架設したX軸移動台85と、X軸移動台85にナットを介して連結し、上記ガイドレール83、83間に取付け送りネジ86と、送りネジ86に連結したX軸制御モータ89A又は89Bとを備える。
【0075】
一方の研削ワークテーブル11AはX軸制御モータ89AによってX軸移動し、他方の研削ワークテーブル11BはX軸制御モータ89BによってX軸移動する。
【0076】
本ガラス板加工装置80における研削ワークテーブル11A、11B、研削ヘッド12、ガラス板搬送装置60の協動は次のように行われる。スクライブ及び折割ポジション8で新しい切出しガラス板2が生成すると、先ず搬送シャトル62Aが切出しガラス板2を吸着持上げしたままで、搬送シャトル62Aが研削加工ポジション9に向って往動を開始する。この時、研削ポジション9においては、一方の研削ワークテーブル11Aがガラス板2を吸着し、研削ヘッド12との極座標制御によるガラス板エッヂの研削加工中にあり、他方の研削ワークテーブル11Bは、ガラス板出入エリア点に復帰し、搬送シャトル62Bによる加工済ガラス板2の搬出中にある。
【0077】
この搬出のこの状態において、搬送シャトル62Bは切出しガラス板2を吸着して、上記研削加工作業中の研削ワークテーブル11A上方、研削作業中の研削ホイール79の上方を搬送通過して、ガラス板搬出終了の研削ワークテーブル11B上方へ達し、ガラス板吸着の吸着パットを下げ、吸着開放して、切出しガラス板を研削ワークテーブル11Bに搬入載置する。そしてこの搬出シャトル62Aはスクライブ及び折割ポジション8へ復帰に入る。
【0078】
同時して、吸着ワークテーブルは受け取った切出しガラス板2を吸着固定し、X軸移動して研削ヘッド12に向って進行し、研削ヘッド12との研削加工作業に入る。すると、先に研削加工作業中の研削ワークテーブル11Aは、X軸移動してガラス板出入エリアに復帰する。このときすでに搬送シャトル62Bが、研削作業中の研削ワークテーブル11Bの上方、研削作業中の研削ホイール79の上方を通過して研削ワークテーブル11Aの上方に達し、加工済のガラス板2の搬出に入る。このときすでに搬送シャトル62Aは新しい切出しガラス板を吸着して研削ワークテーブル11Aに向って搬送中である。
【0079】
一方、研削ホイール79は前後の研削作業部に交互して、研削ワークテーブル11A、11Bによって供給してくるガラス板2を連続して研削加工してゆく。
【符号の説明】
【0080】
1 ガラス板加工装置
2 ガラス板
3 基台
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7