(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る発券装置の画面表示制御方法を適用した鉄道チケットの発券システム1の概略構成を示すものである。この発券システム1は、各駅の改札外や改札内に設置される自動発券機100と、統括的な発券管理を行うホストコンピュータ200とを、適宜なネットワーク300を介して接続したものである。
【0019】
なお、本発明に係る発券装置の画面表示制御方法は、鉄道チケットの発券装置に限らず、飲食店の食券販売機、アミューズメント施設のチケット販売機など、日本語を母語としない外国人が自ら操作する可能性のある顧客操作型の発券装置に適用可能である。また、本実施形態では、1つのホストコンピュータ200に対して、複数の自動発券機100が分散配置されることから、ネットワーク300を介して両者を接続したシステム構成を例示するが、これに限定されるものではなく、端末装置である自動発券機100の機能とホストコンピュータ200の機能とを単一の筐体に収納することで、単体構造の発券装置としても構わない。
【0020】
自動発券機100は、
図1に示すように、装置全体の制御を行う制御部110と、乗車券等を購入するための諸情報を表示する表示パネルと顧客操作による入力操作を受け付けるタッチパネルを一体に備えている顧客操作表示器120と、取扱メニューの案内やサービス情報などを表示する案内表示器130と、制御部110が機能するための処理プログラム等を固定的に記憶すると共に処理過程で発生した一時的な情報を記憶する記憶部140と、ホストコンピュータ200と通信を行うための通信部150と、購入代金の処理を行うための硬貨部160、紙幣部170、カード処理部180と、顧客操作表示器120の操作により入力された入力内容およびホストコンピュータ200で管理される情報に基づいて顧客の所望する券を発行する発券部190とを備えて構成されている。
【0021】
上記制御部110は、例えばCPU等からなり、所定の制御プログラム(例えば、記憶部140に格納されているプログラム)に基づいて、当該自動発券機100が取り扱い可能な種類の券を発行するための処理を実行するもので、自動発券機100の全体を制御する心臓部である。
【0022】
顧客操作表示器120は、顧客の操作性と視認性を高められる位置(
図2を参照)に操作表示面121が現れるように配置した大型のタッチパネルディスプレイで構成し、この操作表示面121に表示される表示画面内に描出されているボタン画像等の操作エリアに指先等で触れると、その操作エリアに対する接触をタッチパネルが検出できるので、ボタン操作を行ったものとして扱われる。なお、顧客操作表示器120のような大型で高価なタッチパネルディスプレイを用いずに、タッチパネルの無い表示器の左右側縁部や上下縁部に近接させて操作ボタン等を適宜に配置しておき、表示器に表示する表示画面内で何れかのボタンを操作するようにガイドすれば、各ボタンのセンサ出力を監視することで、顧客の入力操作を受け付けることができる。
【0023】
案内表示器130は、自動発券機100の筐体上部に設けられ(
図2を参照)、遠くからでも目に付きやすいものである。従って、この案内表示器130に、この自動発券機100の取扱メニューの案内表示をしておけば、利用客を効果的に誘導することができる。そのほか、サービス情報やおすすめ商品などの情報を、案内表示器130に静止画や動画で表示すれば、顧客の注目度を高めることができ、集客効率を高められるという利点もある。
【0024】
記憶部140は、制御部110が発券制御を行うための各種情報やプログラムなどを記憶する機能部である。記憶部140は、例えば、ROMやRAM等の半導体メモリを用いることができる。また、記憶部140は、顧客操作によって入力される各種情報を一時的に、あるいは一定期間、記憶保持する機能も有する。
【0025】
通信部150は、ホストコンピュータ200と通信を行う機能部であり、適宜な通信プロトコルによって双方向通信を行う事ができる。通信部150とホスト200との接続手段であるネットワーク300の構造は任意であり、例えば、公衆回線網を使っても良いし、専用線で構築したネットワークを用いても良い。
【0026】
硬貨部160と紙幣部170は、発券時の支払いを現金で処理するための機能部である。硬貨部160は、硬貨投入口161および硬貨排出口162による硬貨の入出金を扱う。紙幣部170は、紙幣挿入口171および紙幣受取口172による紙幣の入出金を扱う。カード処理部180は、発券時の支払いをカードで処理するための機能部である。代金処理可能なカードとしては、クレジットカード、プリペイド式ICカード等があり、カード挿排口181からカードを挿入してテンキー182で暗証番号等のセキュリティ認証を行い、代金処理が完了すると、カード挿排口181からカードが戻されると共に、カード利用の領収書やご利用明細等が切符挿入/受取口191から排出される。
【0027】
発券部190は、顧客操作表示器120を介して顧客操作により入力された情報に基づく発券が可能であり、そのための入金処理が完了した後に、券(新幹線指定席券、在来線指定席券、新幹線自由席券、在来線自由席券、幹在乗継指定席券、在幹乗継指定席券、新幹線乗車券単独券、指定のみ券(フリータイプを除く)、乗車変更券など)を発行する機能部である。なお、発券とは、印刷面に日本語あるいは英語による表記を可視情報として印刷し、磁気面に磁気データを記録した券片を切符挿入/受取口191から排出することである。このとき、領収書等も併せて出力する場合もある。
【0028】
上記のように構成した自動発券機100では、顧客操作表示器120を介して入力された顧客が希望する列車・設備(列車の発車時刻、到着時刻、列車名、禁煙/喫煙、普通車/グリーン車、A寝台/B寝台、一般車両/個室車両等)のリクエストをホストコンピュータ200へ送信する。そして、このリクエスト処理をホストコンピュータ200がデータベース210を参照して行い、リクエスト内容での発券が可能であれば発券可能回答を、リクエスト内容での発券が不可能であれば発券不可能回答を該当する自動発券機100へ返す。
【0029】
しかして、本実施形態に係る発券システム1においては、自動発券機100で顧客が入力操作等を行うときに操作表示面121に表示する画面の言語を、日本語だけでなく、予め定めた複数の言語に切り替えて表示することを可能にした。しかも、表示用言語の切り替えは、入力操作開始時の初期画面だけでなく、入力操作に基づく発券内容を確認するための確認画面でも可能とした。
【0030】
斯くするために、本実施形態に係る発券システム1では、自動発券機100の制御部110、顧客操作表示パネル120、記憶部140等が協働することで、「第1選択言語として予め定めた初期言語を用いて表示する初期画面に、複数の表示用言語を選択可能に表示する初期画面表示手段」、「前記初期画面にて表示用言語の何れかが選択された場合には、選択された表示用言語を新たな第1選択言語として記憶し、新たな第1選択言語を用いて初期画面を表示する初期画面表示更新手段」、「顧客の操作により前記初期画面から移行し、該移行直前の初期画面の表示にて用いた第1選択言語により、顧客が入力操作を行うための操作画面を順次表示する操作画面表示手段」、「複数の表示用言語を選択可能に表示すると共に、前記操作画面表示手段により表示された操作画面で順次選定した内容を確認できる確認画面を前記第1選択言語で表示する確認画面表示手段」、「前記確認画面にて前記第1選択言語と異なる表示用言語が選択された場合には、新たに選択された表示用言語を第2選択言語として記憶する第2選択言語記憶手段」、「前記確認画面表示手段が前記第1選択言語で表示した確認画面の内容または前記確認画面表示手段が前記第2選択言語で表示更新した確認画面の内容が承認されることで、該承認された内容の券を発行するためのリクエストを行
うリクエスト手段」、「前記リクエスト手段にてリクエストした内容の券を発行可能である場合に、入金を促す入金画面を、承認時の確認画面で用いた選択言語により表示する入金画面表示手段」、「前記リクエスト手段にてリクエストした内容の券を発行不可能である場合に、発券不可回答画面を前記第1選択言語により表示する発券不可回答画面表示手段」、「前記初期画面および/または確認画面にて選択可能な複数の表示用言語のうち、何れか1つの表示用言語を主標準言語として記憶する主標準言語記憶手段」、「主標準言語を除く他の表示用言語のうち、何れか1つの表示用言語を副標準言語として記憶する副標準言語記憶手段」等の機能実現手段を構成するのである。また、自動発券機100の制御部110、記憶部140、通信部150、発券部190、ネットワーク300を介して接続されるホストコンピュータ200等が協働することで、「前記入金画面表示手段が前記入金画面表示に用いた選択言語が前記主標準言語であった場合には、該主標準言語で表記した券片を発行し、前記入金画面表示手段が前記入金画面表示に用いた選択言語が前記主標準言語でなかった場合には、前記副標準言語で表記した券片を発行する発券手段」、「少なくとも、前記発券手段により発行する券片が主標準言語で表記されていない場合には、発行する券片に関する案内情報を、前記入金画面表示に用いた選択言語にて記載した説明レシートを発行する説明レシート発行手段」等の機能実現手段を構成するのである。そして、本実施形態に係る発券システム1では、これらの機能を備えることで、自動発券機100にて操作を開始する初期画面と、発券内容を確認する確認画面という好適なタイミングで、表示用言語の変更が可能となり、操作の利便性を高めることができる。
【0031】
次に、発券システム1において、マンマシンインタフェースを担う顧客操作表示器120に対する画面表示制御方法の詳細を、
図3〜
図5に示す画面表示制御処理のフローチャートに基づき説明する。
【0032】
自動券売機100の顧客操作表示器120は、顧客による券購入操作が行われる前には、初期言語を用いて表示した初期画面にて待機している(ステップS01)。ここで、初期画面とは、自動券売機100で券を購入するときの大元となる画面で、例えば、
図6に示すようなメニュー画面122である。このメニュー画面122の表示に用いる初期言語は、最も使用頻度の高い標準的な言語(主標準言語)である日本語に設定してある。なお、外国人の利用頻度が極めて高い場合には、最も利用頻度が高い標準的な外国語(副標準言語)である英語を初期言語として設定しても良い。
【0033】
また、メニュー画面122の適所(例えば、右上部)には、日本語以外の言語を選択可能な言語選択エリア122aを設け、日本語以外の言語を選択できるようにしてある。日本語が第1選択言語に設定されているときには、第1選択言語として英語を選択するための第1選択ボタン122a1、第1選択言語として簡体中文を選択するための第2選択ボタン122a2、第1選択言語として繁体中文を選択するための第3選択ボタン122a3、第1選択言語として韓国語を選択するための第4選択ボタン122a4が表示されている。なお、多言語での画面表示を行うための機能は、自動発券機100が単独で備えるものでも良いし、ホストコンピュータ200から必要に応じて画面表示データや言語変換機能が自動発券機100へ送信されるようにしても良い。
【0034】
以上のように、ステップS01は、「第1選択言語として予め定めた初期言語を用いて表示する初期画面に、複数の表示用言語を選択可能に表示する初期画面表示ステップ」に相当する。なお、自動券売機100の顧客操作表示器120がメニュー画面122を表示せずに、デモンストレーション画面やスリープ画面を表示して待機している場合には、顧客が自動発券機100に近づいたり、画面にタッチすることで、初期言語でメニュー画面122表示するようにしても良い。
【0035】
初期言語を用いた初期画面を表示した後には、第1〜第4選択ボタン122a1〜122a4を押下して表示用言語の選択が行われたか否かを判定し(ステップS02)、表示用言語が選択されていなければ、購入操作が開始されたか否かを判定する(ステップS03)。購入操作の開始とは、例えば、メニュー画面122のメニュー表示エリア122bに表示されたメニュー一覧(例えば、「指定席券」,「自由席券」,「定期券」のように発券可能な券種の一覧)から、何れかの券種を選択することである。ステップS03で未だ購入操作が開始されなければ、再びステップS02へ戻り、表示用言語選択の有無を確認する。
【0036】
上記ステップS02で表示用言語が選択された場合には、選択された表示用言語を新たな第1選択言語として記憶し(ステップS04)、新たに記憶した第1選択言語で初期画面を表示し(ステップS05)、再びステップS02へ戻り、表示用言語の選択の有無を判定する。かくすれば、初期画面の表示用言語を何度でも選び直すことができる。なお、ステップS02で表示用言語を新たに選択しなければ、第1選択言語は初期言語のままである。
【0037】
以上のように、ステップS02,04,05は、「前記初期画面にて表示用言語の何れかが選択された場合には、選択された表示用言語を新たな第1選択言語として記憶し、新たな第1選択言語を用いて初期画面を表示する初期画面表示更新ステップ」に相当する。なお、第1選択言語が新たに選択されることでメニュー画面122が表示更新されると、言語選択エリア122aには、第1選択言語として記憶されていない他の4つの言語の何れかを選択できるように、第1〜第4選択ボタン122a1〜122a4が割り当てられる。
【0038】
上記ステップS03にて購入操作が開始されたと判定されると、第1選択言語を用いて操作画面を順次表示してゆき、顧客の希望する内容を受け付ける(ステップS06)。例えば、顧客が指定席券の購入を希望して購入操作が開始された場合(メニュー画面122で指定席の購入を選択した場合)には、乗車駅名の入力・選択、降車駅名の入力・選択、乗車日時の入力・選択、乗車人数の入力・選択を受け付け、自動発券機100からホストコンピュータ200へ空席照会を行い、ホストコンピュータ200から受領した空席回答に基づいて列車・設備の選択を受け付ける。
【0039】
以上のように、ステップS06は、「顧客の操作により前記初期画面から移行し、該移行直前の初期画面の表示にて用いた第1選択言語により、顧客が入力操作を行うための操作画面を順次表示する操作画面表示ステップ」に相当する。
【0040】
上記ステップS06で顧客の希望する内容を全て受け付けると、その内容を確認できる確認画面を第1選択言語で表示する(ステップS07)。具体的には、第1選択言語が日本語の場合は日本語表示による確認画面123Jが(
図7を参照)、第1選択言語が英語の場合は英語表示による確認画面123Eが(
図8を参照)、第1選択言語が簡体中文の場合は簡体中文表示による確認画面123Ckが(
図9を参照)、第1選択言語が繁体中文の場合は繁体中文表示による確認画面123Chが(
図10を参照)、第1選択言語が韓国語の場合は韓国語表示による確認画面123Kが(
図11を参照)、それぞれ表示されることとなる。なお、以下の説明では、表示用言語の区別を必要としない場合、単に確認画面123という。
【0041】
この確認画面123の適所(例えば、画面の右上部)には、第1選択言語以外の言語を選択可能な言語選択エリア123aを設け、第1選択言語以外の言語を第2選択言語に選択できるようにしてある。例えば、第1選択言語が日本語である場合、日本語表示の確認画面123Jの言語選択エリア123aには、第2選択言語として英語を選択するための選択ボタン、第2選択言語として簡体中文を選択するための選択ボタン、第2選択言語として繁体中文を選択するための選択ボタン、第2選択言語として韓国語を選択するための選択ボタンが表示されている。また、確認画面123には、第1確認内容表示エリア123b1および第2確認内容表示エリア123b2、これらの確認内容を了承する場合に押下する確認ボタン123c、確認内容を了承せずに取り消す場合に押下する取消ボタン123d、直前の画面に戻るためのボタン123e等がある。
【0042】
以上のように、ステップS07は、「複数の表示用言語を選択可能に表示すると共に、前記操作画面表示ステップにて順次操作して決めた内容を確認できる確認画面を前記第1選択言語で表示する確認画面表示ステップ」に相当する。なお、上述したメニュー画面122で選択可能な5種の表示用言語と、確認画面123で選択可能な5種の表示用言語は同一としたが、これに限らず、メニュー画面122で選択可能な表示用言語の種類や数と、確認画面123で選択可能な表示用言の種類や数を異なるように設定しても構わない。
【0043】
上記ステップS07にて確認画面123が表示されると、顧客が言語選択エリア123aにて別の表示用言語を選択したか否かを判定し(ステップS08)、表示用言語の選択がなければ、確認用ボタン123cが押下されたか否かを判定し(ステップS09)、確認ボタン123cが操作されていなければ、取消ボタン123dが押下されたか否かを判定し(ステップS10)、取消ボタン123dが操作されていなければ、ステップS08へ戻り、表示用言語の選択の有無を判定する。
【0044】
上記ステップS09にて確認用ボタン123cが押下されたと判定されると、確認内容が了承されたものとして、この内容で発券するようにホストコンピュータ200へリクエスト送信する(ステップS11)。なお、上記ステップS10で取消ボタン123dが操作されたと判定された場合、すなわち、第1選択言語で表示された確認画面にて発券内容の誤りに気づき、顧客が取消ボタン123dを押下した場合には、それまで行った購入操作による内容をクリアして、ステップS01(初期言語を第1選択言語に用いて初期画面を表示した状態)へ戻る。
【0045】
一方、上記ステップS08で表示用言語が選択された場合、すなわち、第1選択言語で表示された確認画面の言語選択エリア123aから第1選択言語とは異なる言語を、新たな表示用言語として顧客が選択した場合には、これを第2選択言語として記憶し(ステップS12)、この第2選択言語によって確認画面を表示更新する(ステップS13)。
【0046】
以上のように、ステップS08およびステップS12は、「前記確認画面にて前記第1選択言語と異なる表示用言語が選択された場合には、新たに選択された表示用言語を第2選択言語として記憶する第2選択言語記憶ステップ」に相当し、ステップS13は、「前記第2選択言語記憶ステップにて記憶された前記第2選択言語を用いて確認画面を表示する確認画面表示更新ステップ」に相当する。
【0047】
なお、第2選択言語が設定されると、第1確認内容表示エリア123b1に表示される「列車/乗車券」の情報および第2確認内容表示エリア123b2に表示される「乗車日」「列車の設備」「人数」の情報は、基本的に第2選択言語を用いて表示するが、駅名については、第1選択言語が日本語の場合は日本語(主標準言語)で、第1選択言語が英語の場合は英語(副標準言語)で、第1選択言語がその他の言語の場合は英語(副標準言語)で表示するものとした。しかしながら、各駅での駅名表記が日本語と英語だけでなく、より多くの言語で表記されるようになれば、確認画面における駅名についても各言語で表示するようにしても良い。
【0048】
また、第2確認内容表示エリア123b2に表示される「ご案内(Notice)」の情報においては、制度関連の案内(例えば、「××市内では、途中下車できません。」)を第1選択言語で表示し、発券言語に関する案内(例えば、「日本語できっぷを発券します。」)を日本語(主標準言語)で表示するものとした。しかしながら、これに限定されるものではなく、制度関連の案内や発券言語に関する案内も第2選択言語で表示するようにしても良いし、第1選択言語と第2選択言語の両方で表示するようにしても良い。
【0049】
上記ステップS13にて、第2選択言語を用いた確認画面に表示更新された後は、この表示更新された確認画面で新たに表示用言語が選択されたか否かの判定を行う(ステップS14)。かくすれば、確認画面の表示用言語(第2選択言語)を何度でも選び直すことができる。なお、第1選択言語と異なる言語を第2選択言語に設定した後、再び第1選択言語と同じ言語を第2選択言語として設定する可能性もあるので、その場合は、第1選択言語と第2選択言語にそれぞれ同じ言語が設定されたものとして以降の処理を行っても構わないし、第2選択言語は設定されていない(第1選択言語のみ設定されている)ものとして以降の処理を行うようにしても構わない。
【0050】
なお、確認画面が複数画面に跨がる場合(例えば、往復乗車券を買うとき、往路の確認画面と復路の確認画面の2画面で確認する場合)には、全ての確認画面を同じ選択言語で表示する。例えば、確認画面の表示用言語が日本語の場合は、往路の確認内容を日本語表示の第1確認画面123J1(
図12(a)を参照)で、復路の確認内容を日本語表示の第2確認画面123J2(
図12(b)を参照)で表示し、確認画面の表示用言語が英語の場合は、往路の確認内容を英語表示の第1確認画面123E1(
図13(a)を参照)で、復路の確認内容を英語表示の第2確認画面123E2(
図13(b)を参照)で表示し、確認画面の表示用言語が簡体中文の場合は、往路の確認内容を簡体中文表示の第1確認画面123Ck1(
図14(a)を参照)で、復路の確認内容を簡体中文表示の第2確認画面123Ck2(
図14(b)を参照)で表示し、確認画面の表示用言語が繁体中文の場合は、往路の確認内容を繁体中文表示の第1確認画面123Ch1(
図15(a)を参照)で、復路の確認内容を繁体中文表示の第2確認画面123Ch2(
図15(b)を参照)で表示し、確認画面の表示用言語が韓国語の場合は、往路の確認内容を韓国語表示の第1確認画面123K1(
図16(a)を参照)で、復路の確認内容を韓国語表示の第2確認画面123K2(
図16(b)を参照)で表示する。
【0051】
なお、2画面より成る往復きっぷの確認画面も、上述した1つの確認画面とほぼ同様の表示内容で、確認画面123には、第1確認内容表示エリア123b1および第2確認内容表示エリア123b2、これらの確認内容を了承する場合に押下する確認ボタン123c、確認内容を了承せずに取り消す場合に押下する取消ボタン123d、直前の画面に戻るためのボタン123eがある。これに加えて、帰りの購入を取りやめるためのボタン123fを設けてあり、復路の購入をやめて往路だけの購入へ簡単に修正できるようにして、顧客操作の利便性を高めた。
【0052】
上記ステップS13にて第2選択言語を用いた確認画面123が表示された後、上記ステップS14にて顧客が言語選択エリア123aにて別の表示用言語を選択していないと判定すると、確認用ボタン123dが押下されたか否かを判定し(ステップS15)、確認ボタン123cが操作されていなければ、取消ボタン123dが押下されたか否かを判定し(ステップS16)、取消ボタン123dが操作されていなければ、ステップS14へ戻り、表示用言語の選択の有無を判定する。
【0053】
上記ステップS15にて確認用ボタン123cが押下されたと判定されると、確認内容が了承されたものとして、この内容で発券するようにホストコンピュータ200へリクエスト送信する(ステップS17)。なお、上記ステップS16で取消ボタン123dが操作されたと判定された場合、すなわち、第2選択言語で表示された確認画面にて発券内容の誤りに気づき、顧客が取消ボタン123dを押下した場合には、それまで行った購入操作による内容をクリアして、ステップS01(初期言語を第1選択言語に用いて初期画面を表示した状態)へ戻る。
【0054】
以上のように、第1選択言語で表示された確認画面の内容を承認したときにホストコンピュータ200へのリクエストを行うステップS11および第2選択言語で表示更新された確認画面の内容を承認したときにホストコンピュータ200へのリクエストを行うステップS17は、「前記第1選択言語での確認画面または前記第2選択言語にて更新された確認画面で承認された内容の券を発行するためのリクエストを行うリクエストステップ」に相当する。
【0055】
第1選択言語を用いた確認画面123で承認が得られ、上記ステップS11にてホストコンピュータ200へリクエストを行った後は、そのリクエストに対する回答がホストコンピュータ200から戻ってくるのを待ち、回答を受け取ると、その回答が発券可能であるか否かを判定し(ステップS18)、リクエスト内容での発券が可能であるとの回答を得た場合には、その回答内容での料金請求を行うために、第1選択言語での入金画面を表示し(ステップS19)、顧客に入金を促す。
【0056】
例えば、第1選択言語が日本語であれば日本語表示の入金画面124J(
図17(a)を参照)を、第1選択言語が英語であれば英語表示の入金画面124E(
図17(b)を参照)、第1選択言語が簡体中文であれば簡体中文表示の入金画面124Ck(
図17(c)を参照)を、第1選択言語が繁体中文であれば繁体中文表示の入金画面124Ch(
図17(d)を参照)を、第1選択言語が韓国語であれば韓国語表示の入金画面124K(
図17(e)を参照)を、それぞれ表示し、投入金額や入金手順等を顧客に示す。なお、以下の説明では、表示用言語の区別を必要としない場合、単に入金画面124という。
【0057】
以上のように、ステップS18およびステップS19は、「前記リクエストステップにてリクエストした内容の券を発行可能である場合には、承認時の確認画面で用いた選択言語により入金を促す入金画面表示ステップ」に相当する。
【0058】
一方、上記ステップS18で発券不可回答を受けた場合には、第1選択言語で発券不可回答画面を表示する(ステップS20)。例えば、第1選択言語が日本語であれば日本語表示の発券不可回答画面125J(
図18(a)を参照)を表示し、リクエストした内容での券を発行できない旨を顧客に報らせる。なお、以下の説明では、表示用言語の区別を必要としない場合、単に発券不可回答画面125という。
【0059】
以上のように、ステップS18およびステップS20は、「前記リクエストステップにてリクエストした内容の券を発行不可能である場合には、発券不可回答画面を第1選択言語により表示する発券不可回答画面表示ステップ」に相当する。
【0060】
なお、
図18(a)に例示した発券不可回答画面125は、上記ステップS06の操作画面表示にて選んだ座席が取れなかった場合を示しており、他の座席に変えたり自由席に変えたりすれば発券可能な内容である。そこで、発券不可回答画面125では、リクエストした「列車/乗車券」情報を表示するリクエスト内容表示エリア125aのほかに、対処法提示エリア125bを設け、ここに列車・設備・座席を変更するための第1選択ボタン125b1、選択した座席でなくてもよいと再リクエストするための第2選択ボタン125b2、自由席でも良いとするための第3選択ボタン125b3、購入を取りやめるための第4選択ボタン125b4を表示する。すなわち、顧客が第1,第4選択ボタン125b1,125b4を選択した場合は、発券可能内容に妥協しないということであり、顧客が第2,第3選択ボタン125b2,125b3を選択した場合は、発券可能内容に妥協することと解される。
【0061】
上記のような発券不可回答画面125を表示した後、顧客が発券可能内容に妥協したか否かを判定し(ステップS21)、顧客が第1,第4選択ボタン125b1,125b4を選択した場合、すなわち発券可能内容に妥協しなかった場合には、改めて購入操作を行う必要があるため、それまで行った購入操作による内容をクリアして、ステップS01(初期言語を第1選択言語に用いて初期画面を表示した状態)へ戻る。なお、第1選択ボタン125b1が選択された場合は、列車・設備・座席の変更を行い易いように、ステップS06へ戻って、第1選択言語を用いた操作画面が表示されるようにしても良い。また、発券不可回答画面125には、取消ボタン125cも設けてあり、この取消ボタン125cが操作された場合にも、ステップS01へ戻る。
【0062】
一方、上記ステップS21で顧客が第2,第3選択ボタン125b2,125b3を選択した場合、すなわち発券可能内容に妥協した場合には、妥協して発券可能にするための内容を示した確認画面を第1選択言語で表示する(ステップS22)。例えば、日本語表示の発券不可回答画面125Jで第3選択ボタン125b3を顧客が選択した場合(自由席を選択した場合)には、座席指定の無い日本語表示の確認画面123J(
図18(b)を参照)が表示される。そして、上記ステップS22にて確認画面123が表示されると、顧客が言語選択エリア123aにて別の表示用言語を選択したか否かを判定し(ステップS23)、表示用言語の選択がなければ、確認画面123にて確認ボタン123cが選択されたか否かを判定し(ステップS24)、確認ボタン123cが選択されたと判定すると、ステップS19にて、妥協した発券可能内容での投入金額や入金手順等を顧客に示すための入金画面124を表示する。なお、発券可能内容に妥協した場合には、改めて確認画面の表示を行わずに、入金画面を表示するようにしても良い。
【0063】
上記ステップS24で確認ボタン123cの選択がなければ、取消ボタン123dが操作されたか否かを判定し(ステップS25)、取消ボタン123dも操作されていなければ、ステップS23へ戻る。なお、確認ボタン123cが操作されないまま、上記ステップS25で取消ボタン123dが操作されたと判定すると、妥協した発券可能内容も破棄してステップS01へ戻る。また、まれではあるが、自動発券機100からホストコンピュータ200へ送信したリクエストに対して、ホストコンピュータ200から再考/保留回答が送信されることがある。このような再考/保留回答を受けた場合には、第1選択言語を用いた窓口誘導画面(例えば、日本語表示の窓口誘導画面126J)を表示し(
図19を参照)、自動発券機100から有人の窓口へ行くように顧客の行動を促す。
【0064】
上記ステップS19にて、第1選択言語を用いた入金画面124を表示した後、硬貨投入口161や紙幣挿入口171から所定金額の入金、或いはカード挿排口181から投入されたカードによる決済が済んで、入金受付が完了したか否かを判定する(ステップS26)。入金受付が完了していなければ、入金画面124の取消ボタン124aが操作されたか否かを判定し(ステップS27)、取消ボタン124aが選択されていなければ、再びステップS26へ戻り、入金受付の完了を待つ。一方、ステップS27で取消ボタン124aが操作されたと判定された場合には、発券可能内容を破棄してステップS01へ戻る。
【0065】
上記ステップS26にて、入金受付が完了したと判定された場合、第1選択言語が主標準言語(日本語)か否かを判定し(ステップS28)、第1選択言語が主標準言語であった場合には、主標準言語で表記した券片を発行し(ステップS29)、画面表示制御処理を一旦終了して、次の購入操作まで待機する。例えば、第1選択言語が日本語で、往復乗車券を購入した場合には、日本語表記の往路券片192J1(
図20(a)を参照)と日本語表記の復路券片192J2(
図20(b)を参照)が切符挿入/受取口191から排出される。なお、以下の説明では、きっぷの種類や表記用言語の区別を必要としない場合、単に券片192という。
【0066】
一方、上記ステップS28で、第1選択言語が主標準言語で無いと判定された場合には、副標準言語で表記した券片を発行し(ステップS30)、第1選択言語にて記載した説明レシートを発行し(ステップS31)、画面表示制御処理を終了する。例えば、第1選択言語が英語で、往復乗車券を購入した場合には、英語表記(日本語も併記)の往路券片192E1(
図21(a)を参照)と英語表記(日本語も併記)の復路券片192E2(
図21(b)を参照)と英語表記の説明レシート193Eが切符挿入/受取口191から排出される。なお、以下の説明では、表記言語の区別を必要としない場合、単に説明レシート193という。
【0067】
上記説明レシート193とは、発行された券片192に関する案内情報(例えば、きっぷの種類や使い方等の説明)を第1選択言語(日本語以外の表示用言語)で説明したもので、日本の鉄道利用に不慣れな海外観光客などが、発行された券片の使い方を容易に理解できるようにしたものである。このような説明レシート193を券片192と併せて発行しておけば、顧客は券片192の使い方が分かって安心できるし、改札などで駅係員が対応する手間も軽減できる。
【0068】
以上は、確認画面123にて第2選択言語が設定されず、第1選択言語のまま確認画面123で承認が得られた場合の処理手順であった。次に、確認画面123にて第2選択言語が設定され、この第2選択言語によって表示更新された確認画面123で承認が得られた場合の処理手順を説明する。
【0069】
第2選択言語を用いた確認画面123で承認が得られ、上記ステップS17にてホストコンピュータ200へリクエストを行った後は、そのリクエストに対する回答がホストコンピュータ200から戻ってくるのを待ち、回答を受け取ると、その回答が発券可能であるか否かを判定し(ステップS32)、リクエスト内容での発券が可能であるとの回答を得た場合には、その回答内容での料金請求を行うために、第2選択言語での入金画面を表示し(ステップS33)、顧客に入金を促す。
【0070】
例えば、第2選択言語が日本語であれば日本語表示の入金画面124J(
図17(a)を参照)を、第2選択言語が英語であれば英語表示の入金画面124E(
図17(b)を参照)、第2選択言語が簡体中文であれば簡体中文表示の入金画面124Ck(
図17(c)を参照)を、第2選択言語が繁体中文であれば繁体中文表示の入金画面124Ch(
図17(d)を参照)を、第2選択言語が韓国語であれば韓国語表示の入金画面124K(
図17(e)を参照)を、それぞれ表示し、投入金額や入金手順等を顧客に示す。
【0071】
以上のように、ステップS32およびステップS33は、「前記リクエストステップにてリクエストした内容の券を発行可能である場合には、承認時の確認画面で用いた選択言語により入金を促す入金画面表示ステップ」に相当する。
【0072】
一方、上記ステップS32にて、ホストコンピュータ200からの回答が発券不可回答であると判定された場合には、上記ステップS20へ進み、第2選択言語ではなく、第1選択言語で発券不可回答画面を表示する。例えば、第1選択言語が日本語であれば日本語表示の発券不可回答画面125J(
図18(a)を参照)を表示し、リクエストした内容での券を発行できない旨を顧客に報らせる。これは、初期画面で設定した第1選択言語と確認画面で設定した第2選択言語がある場合、第2選択言語を母語とする購入者に代わって、第1選択言語を母語とする者(例えば、駅係員など)が操作代行者として、自動発券機100への入力・選択操作を行っていたと考えられるからである。すなわち、発券不可回答画面125は、操作代行者が理解し易い第1選択言語にて表示することで、その後の対応を操作代行者が理解し易くなり、利便性を高められる。
【0073】
以降は、前述したステップS21〜S25を行う。しかして、上記ステップS23で表示用言語が選択された場合、すなわち、第1選択言語で表示された確認画面の言語選択エリア123aから第1選択言語とは異なる言語を、新たな表示用言語として顧客が選択した場合には、これを第2選択言語として記憶し(ステップS34)、この第2選択言語によって確認画面を表示更新する(ステップS35)。かくすれば、第2選択言語を母語とする購入者が確認画面の内容を理解し易くなるので、操作代行者の負担を軽減できる。
【0074】
上記ステップS35にて、第2選択言語による確認画面が表示された後は、顧客が言語選択エリア123aにて別の表示用言語を選択したか否かを判定し(ステップS36)、新たに表示用言語が選択された場合には、これを新たな第2選択言語として記憶し、新たな第2選択言語による確認画面の表示更新を行う。一方、上記ステップS36で表示用言語の選択がなければ、確認画面123にて確認ボタン123cが選択されたか否かを判定し(ステップS37)、確認ボタン123cが選択されたと判定すると、ステップS33にて、妥協した発券可能内容での投入金額や入金手順等を顧客に示すための入金画面124を第2選択言語で表示する。
【0075】
上記ステップS37で確認ボタン123cの選択がなければ、取消ボタン123dが操作されたか否かを判定し(ステップS38)、取消ボタン123dも操作されていなければ、ステップS36へ戻る。なお、確認ボタン123cが操作されないまま、上記ステップS38で取消ボタン123dが操作されたと判定すると、妥協した発券可能内容も破棄してステップS01へ戻る。
【0076】
上記ステップS33にて、第2選択言語を用いた入金画面124を表示した後、硬貨投入口161や紙幣挿入口171から所定金額の入金、或いはカード挿排口181から投入されたカードによる決済が済んで、入金受付が完了したか否かを判定する(ステップS39)。入金受付が完了していなければ、入金画面124の取消ボタン124aが操作されたか否かを判定し(ステップS40)、取消ボタン124aが選択されていなければ、再びステップS39へ戻り、入金受付の完了を待つ。一方、ステップS40で取消ボタン124aが操作されたと判定された場合には、発券可能内容を破棄してステップS01へ戻る。
【0077】
上記ステップS39にて、入金受付が完了したと判定された場合、第2選択言語が主標準言語(日本語)か否かを判定し(ステップS41)、第2選択言語が主標準言語であった場合には、主標準言語で表記した券片を発行し(ステップS29)、画面表示制御処理を一旦終了して、次の購入操作まで待機する。例えば、第2選択言語が日本語で、往復乗車券を購入した場合には、日本語表記の往路券片192J1(
図20(a)を参照)と日本語表記の復路券片192J2(
図20(b)を参照)が切符挿入/受取口191から排出される。
【0078】
一方、上記ステップS41で、第2選択言語が主標準言語で無いと判定された場合には、副標準言語で表記した券片を発行し(ステップS42)、第2選択言語にて記載した説明レシートを発行し(ステップS43)、画面表示制御処理を終了する。例えば、第2選択言語が英語で、往復乗車券を購入した場合には、英語表記(日本語も併記)の往路券片192E1(
図21(a)を参照)と英語表記(日本語も併記)の復路券片192E2(
図21(b)を参照)と英語表記の説明レシート193Eが切符挿入/受取口191から排出される。また、第2選択言語が簡体中文、繁体中文、韓国語の何れかであった場合には、英語表記の往路券片192E1と英語表記の復路券片192E2と第2選択言語で表記された説明レシート193が顧客に提供される。すなわち、確認画面123で選択された第2選択言語は、操作代行者ではない本当の顧客の母語である可能性が高いので、説明レシート193を第2選択言語で表記すれば、本当の顧客にとってきっぷの使用方法等を理解し易く、有用と考えられる。なお、主標準言語や副標準言語で券片192を印刷するための機能は、自動発券機100が単独で備えるものでも良いし、ホストコンピュータ200から必要に応じて券面印刷データが自動発券機100へ送信されるようにしても良い。
【0079】
以上のように、ステップS26、ステップS28、ステップS29、ステップS30、ステップS39、ステップS41およびステップS42は、「前記入金画面表示に用いた選択言語が前記主標準言語であった場合には、該主標準言語で表記した券片を発行し、前記入金画面表示に用いた選択言語が前記主標準言語でなかった場合には、前記副標準言語で表記した券片を発行する発券ステップ」に相当し、ステップS31およびステップS43は、「少なくとも、前記発券ステップにて発行する券片が主標準言語で表記されていない場合には、発行する券片の種類や使い方等の説明を、前記入金画面表示に用いた選択言語にて記載した説明レシートを発行する説明レシート発行ステップ」に相当する。なお、主標準言語(日本語)を選択言語として券を購入した場合にも、主標準言語にて記載した説明レシート193を発行するようにしても良い(
図5中、破線で示すステップS44)。発行された券片の種類が多かったり、使用方法が複雑だと、主標準言語を母語としていても、券片の表示事項のみから適切な用法を理解できない可能性もあるので、説明レシート193を顧客に提供することが有用な場合もある。
【0080】
上述した実施形態に係る鉄道チケットの発券システム1は、本発明に係る発券装置の画面表示制御方法を適用することで、操作を開始するメニュー画面122と、発券内容を確認する確認画面123という好適な表示タイミングで、表示用言語の変更が可能となる。よって、チケットの購入を希望する購入者が理解し易い言語と、購入者に代わってチケット購入のための入力・選択操作を行う操作代行者が理解しやすい言語とが異なっていても、メニュー画面122と確認画面123で表示用言語を切り替えることで、チケット購入者と操作代行者の利便性を高めることができる。
【0081】
また、確認画面123で確認ボタン123cを操作することでホストコンピュータ200へリクエストした内容の券を発行可能である場合には、承認時の確認画面123で用いた選択言語(第2選択言語が記憶されていない場合は第1選択言語、第2選択言語が記憶されている場合は第2選択言語)により入金画面124を表示するので、購入者の理解し易い言語で入金等を促すことができ、チケット購入者の利便性を高めることができる。一方、確認画面123で確認ボタン123cを操作することでホストコンピュータ200へリクエストした内容の券を発行不可能である場合には、第1選択言語により発券不可回答画面125を第1選択言語により表示するので、操作代行者の理解し易い言語で表示された発券不可回答を把握した操作代行者が、その後の対処を判断し易くなり、操作代行者およびチケット購入者の利便性を高めることができる。
【0082】
加えて、確認画面123で選択した第2選択言語に応じた言語で表記された券片192を発行することができるので、券片192を実際に利用する購入者にとって利便性の高いものとなる。さらに、副標準言語表記(英語表記)の券片192を発行する場合には、これと併せて第2選択言語で表記された説明シート193も発行されるので、購入者の利便性を一層高めることができる。
【0083】
次に、上述した画面表示制御処理によって自動発券機100から発券する場合の具体例を幾つか説明する。
【0084】
先ず、英語を母語とする購入者に代わって、日本語を母語とする操作代行者が入力・選択操作を行う場合である。メニュー画面122で日本語表示のまま購入操作を行うと、第1選択言語が日本語となり、
図7のような日本語表示の確認画面123Jが表示される。この日本語表示の確認画面123Jで英語を選択すると、第2選択言語が英語となり、
図8のような英語表示の確認画面123Eが表示され、ここで確認ボタン123cを操作すると、
図17(b)に示すような英語表示の入金確認画面124Eが表示され、自動発券機100への入金が完了すると、
図21(a),(b)のような英語表記の券片192Eと併せて、
図21(c)のような英語表記の説明レシート193が発行される。
【0085】
このように、操作代行者が日本語表示の画面で入力・選択操作を行った場合でも、日本語表示の確認画面123Jで英語を第2選択言語に選べば、購入者が英語で内容を確認できる。しかも、英語表示の確認画面123Eで確認ボタン123cを操作すれば、英語表示の入金確認画面124Eが表示されるので、購入者自ら金銭投入やカードの使用を容易に行う事ができ、操作代行者の負担を減らせる。加えて、英語表記の券片192Eと英語表示の説明レシート193が発行されるので、購入者にとっての利便性が高いものとなる。
【0086】
なお、確認画面123が英語表示であっても、取消ボタン123dが操作されると、英語表示ではなく、日本語表示のメニュー画面122へ戻るので、改めて入力・選択操作を行う可能性の高い操作代行者がわざわざ日本語表示へ変換する手間がない。同様の理由で、入金画面124が英語表示であっても、取消ボタン124aが操作されると、英語表示ではなく、日本語表示のメニュー画面122へ戻る。
【0087】
また、簡体中文や繁体中文、韓国語を母語とする購入者に代わって、日本語を母語とする操作代行者が入力・選択操作を行う場合も同様である。日本語表示の確認画面123Jで簡体中文を選択すると、第2選択言語が簡体中文となり、
図9のような簡体中文表示の確認画面123Ckが表示され、ここで確認ボタン123cを操作すると、
図17(c)に示すような簡体中文表示の入金確認画面124Ckが表示され、自動発券機100への入金が完了すると、
図21(a),(b)のような英語表記の券片192Eと併せて、簡体中文表記の説明レシート193(図示省略)が発行される。日本語表示の確認画面123Jで繁体中文を選択すると、第2選択言語が繁体中文となり、
図10のような繁体中文表示の確認画面123Chが表示され、ここで確認ボタン123cを操作すると、
図17(d)に示すような繁体中文表示の入金確認画面124Chが表示され、自動発券機100への入金が完了すると、
図21(a),(b)のような英語表記の券片192Eと併せて、繁体中文表記の説明レシート193(図示省略)が発行される。日本語表示の確認画面123Jで韓国語を選択すると、第2選択言語が韓国語となり、
図11のような韓国語表示の確認画面123Kが表示され、ここで確認ボタン123cを操作すると、
図17(e)に示すような韓国語表示の入金確認画面124Kが表示され、自動発券機100への入金が完了すると、
図21(a),(b)のような英語表記の券片192Eと併せて、韓国語表記の説明レシート193(図示省略)が発行される。
【0088】
次いで、日本語を母語とする購入者に代わって、英語を母語とする操作代行者が入力・選択操作を行う場合である。日本語表示のメニュー画面122で英語を選択すると、第1選択言語が英語となり、
図7のような英語表示の確認画面123Eが表示される。この英語表示の確認画面123Eで日本語を選択すると、第2選択言語が日本語となり、
図7のような日本語表示の確認画面123Jが表示され、ここで確認ボタン123cを操作すると、
図17(a)に示すような日本語表示の入金確認画面124Jが表示され、自動発券機100への入金が完了すると、
図20(a),(b)のような日本語表記の券片192Jが発行される。
【0089】
このように、操作代行者が英語表示の画面で入力・選択操作を行った場合でも、英語表示の確認画面123Eで日本語を第2選択言語に選べば、購入者が日本語で内容を確認できる。しかも、日本語表示の確認画面123Jで確認ボタン123cを操作すれば、日本語表示の入金確認画面124Jが表示されるので、購入者自ら金銭投入やカードによる支払いを容易に行う事ができ、操作代行者の負担を減らせる。加えて、日本語表記の券片192Jが発行されるので、購入者にとっての利便性も高い。
【0090】
次いで、英語を母語とする購入者に代わって、日本語を母語とする操作代行者が入力・選択操作を行ったが、発券不可回答となった場合である。メニュー画面122で日本語表示のまま購入操作を行うと、第1選択言語が日本語となり、
図7のような日本語表示の確認画面123Jが表示される。この日本語表示の確認画面123Jで英語を選択すると、第2選択言語が英語となり、
図8のような英語表示の確認画面123Eが表示され、ここで確認ボタン123cを操作すると、希望の座席が取れなかったために
図18(b)に示すような日本語表示の発券不可回答画面125Jが表示される。この発券不可回答画面125にて第3選択ボタン125b3を選択して自由席に妥協すると、日本語表示の確認画面123Jが表示される。
【0091】
日本語表示の確認画面123Jのままで、確認ボタン123cを操作すると、
図7のような日本語表示の確認画面123Jが表示され、ここで確認ボタン123cを操作すると、
図17(a)に示すような日本語表示の入金確認画面124Jが表示され、自動発券機100への入金が完了すると、
図20(a),(b)のような日本語表記の券片192Jが発行される。しかしながら、
図18(b)に示すような日本語表示の発券不可回答画面125Jにおける言語選択エリア123aにて英語を表示用言語に選択すれば、英語表示の発券不可回答画面に表示更新されるので、英語表示の発券不可回答画面から確認ボタン123cを操作すると、
図17(b)に示すような英語表示の入金確認画面124Eが表示され、自動発券機100への入金が完了すると、
図21(a),(b)のような英語表記の券片192Eと併せて、
図21(c)のような英語表記の説明レシート193が発行される。
【0092】
このように、操作代行者が日本語表示の画面で入力・選択操作を行った結果、購入者の希望する券が取れなかった場合、その発券不可回答画面が第1選択言語である日本語で表示されるので、操作代行者にとって発券不可となった理由を理解し易く、その後の対処も操作代行者がスムーズに行える。また、発券不可回答画面から発券可能な内容に妥協すると、その確認画面は発券不可回答画面と同じ第1選択言語で表示されることとなるものの、この確認画面でも表示用言語を任意に選択できるので、購入者の分かる言語(例えば英語)で確認画面を表示させ、購入者に内容の確認を促すことができる。しかも、英語表示の確認画面で確認ボタン123cを操作すれば、英語表示の入金確認画面124Eが表示されるので、購入者自ら金銭投入やカードの使用を容易に行う事ができ、操作代行者の負担を減らせる。加えて、英語表記の券片192Eと英語表示の説明レシート193が発行されるので、購入者にとっての利便性が高いものとなる。
【0093】
なお、英語表示の確認画面で確認ボタン123cを操作した後、ホストコンピュータ200から送信された発券不可回答に対して、発券可能内容に妥協するとき、改めて確認画面を表示させずに、入金画面を表示して入金を促すようにしても良い。かくする場合は、発券不可回答画面は第1選択言語で行い、入金画面は第2選択言語で表示することが望ましい。発券不可回答画面は、第1選択言語を用いた表示画面で入力・選択操作を行った操作代行者に向けたものであり、入金画面は第2選択言語で内容確認をした購入者に向けたものだからである。
【0094】
以上、本発明に係る発券装置の画面表示制御方法を適用した発券システムの実施形態を添付図面に基づいて説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない範囲で、公知既存の等価な技術手段を転用することにより実施しても構わない。