特許第6308670号(P6308670)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6308670
(24)【登録日】2018年3月23日
(45)【発行日】2018年4月11日
(54)【発明の名称】棒金収納装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 9/00 20060101AFI20180402BHJP
【FI】
   G07D9/00 331
   G07D9/00 410Z
   G07D9/00 456Z
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-159309(P2014-159309)
(22)【出願日】2014年8月5日
(65)【公開番号】特開2016-38602(P2016-38602A)
(43)【公開日】2016年3月22日
【審査請求日】2017年2月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】500267170
【氏名又は名称】ローレル機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】秋岡 隆雄
【審査官】 山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−175031(JP,A)
【文献】 特開2014−059828(JP,A)
【文献】 特開2008−192078(JP,A)
【文献】 特開2011−238013(JP,A)
【文献】 特開2011−257795(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積硬貨に包装シートが巻き回され該包装シートの前記集積硬貨よりも集積方向両外側が加締部とされた棒金を、立位状態で、前記加締部の内側に挿入される載置座部に載置させて収納する棒金収納装置であって、
前記載置座部は、載置対象金種の棒金の前記加締部の内側に挿入可能であって載置対象金種よりも小径の異金種の棒金の前記加締部の内側に挿入困難な大きさに形成されており、
前記載置座部には、載置された棒金の前記集積硬貨の集積方向端面との距離に応じて出力値が変化するセンサが設けられ、
該センサの出力値に基づいて前記載置座部に異金種の棒金が載置されていることを判定する判定手段を有することを特徴とする棒金収納装置。
【請求項2】
前記判定手段は、
前記センサの出力値が、前記距離が所定値を超えていることを示す場合に、前記載置座部に異金種の棒金が載置されていると判定することを特徴とする請求項1記載の棒金収納装置。
【請求項3】
前記判定手段は、
載置対象金種が同じ二カ所の前記載置座部の前記センサ同士の出力値の差が所定値を超えている場合に、前記二カ所の載置座部のいずれか一方に異金種の棒金が載置されていると判定することを特徴とする請求項1記載の棒金収納装置。
【請求項4】
前記載置座部は、座面の一部が形成され所定値以上の荷重で下降する昇降部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の棒金収納装置。
【請求項5】
前記センサは、磁気センサであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の棒金収納装置。
【請求項6】
載置対象が無孔硬貨の棒金である前記載置座部には、水平方向の中央位置に前記センサが設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項記載の棒金収納装置。
【請求項7】
載置対象が有孔硬貨の棒金である前記載置座部には、水平方向の中央に前記有孔硬貨の棒金の孔に挿入される凸部が形成され、水平方向の前記凸部からずれた位置に前記センサが設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項記載の棒金収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒金収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現金管理装置において、棒金を円筒状の載置台部に載置させて収納するものがある。この現金管理装置では、載置台部の外径が、棒金の包装紙の加締部の内径よりも小さくされており、載置台部の突出高さが加締部の硬貨からの突出高さよりも高くなっている。これにより、載置台部は、棒金の加締部を逃げて硬貨部分を直接支持するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−48363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の現金管理装置では、載置台部の内側の貫通孔を介して光を照射して載置台部の棒金の有無を検知する光学反射型の棒金セット検知センサが設けられている。また、この棒金セット検知センサとは別に、載置台部に載置された棒金の上端部の反射光量から金種を識別する棒金検出ラインセンサが設けられている。このため、コストが増大してしまう。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、コストを低減可能な棒金収納装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、集積硬貨に包装シートが巻き回され該包装シートの前記集積硬貨よりも集積方向両外側が加締部とされた棒金を、立位状態で、前記加締部の内側に挿入される載置座部に載置させて収納する棒金収納装置であって、前記載置座部は、載置対象金種の棒金の前記加締部の内側に挿入可能であって載置対象金種よりも小径の異金種の棒金の前記加締部の内側に挿入困難な大きさに形成されており、前記載置座部には、載置された棒金の前記集積硬貨の集積方向端面との距離に応じて出力値が変化するセンサが設けられ、該センサの出力値に基づいて前記載置座部に異金種の棒金が載置されていることを判定する判定手段を有することを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記判定手段は、前記センサの出力値が、前記距離が所定値を超えていることを示す場合に、前記載置座部に異金種の棒金が載置されていると判定することを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記判定手段は、載置対象金種が同じ二カ所の前記載置座部の前記センサ同士の出力値の差が所定値を超えている場合に、前記二カ所の載置座部のいずれか一方に異金種の棒金が載置されていると判定することを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に係る発明において、前記載置座部は、座面の一部が形成され所定値以上の荷重で下降する昇降部を有することを特徴とする。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に係る発明において、前記センサは、磁気センサであることを特徴とする。
【0011】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に係る発明において、載置対象が無孔硬貨の棒金である前記載置座部には、水平方向の中央位置に前記センサが設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項7に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に係る発明において、載置対象が有孔硬貨の棒金である前記載置座部には、水平方向の中央に前記有孔硬貨の棒金の孔に挿入される凸部が形成され、水平方向の前記凸部からずれた位置に前記センサが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、載置座部が、載置対象金種よりも小径の小径異金種の棒金の加締部の内側に挿入困難な大きさに形成されていることから、小径異金種の棒金が載置されると、載置座部と集積硬貨との距離が大きくなる。これを利用し、載置座部に載置された棒金の集積硬貨との距離に応じて出力値が変化するセンサを設け、判定手段が、このセンサの出力値に基づいて載置座部に異金種の棒金が載置されていることを判定する。したがって、低コストで、異金種の棒金が載置されていることを判定することができる。よって、コストを低減可能となる。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、判定手段は、センサの出力値が集積硬貨との距離が所定値を超えていることを示す場合に、載置座部に異金種の棒金が載置されていると判定する。よって、判定制御を容易化できる。
【0015】
請求項3に係る発明によれば、判定手段は、載置対象金種が同じ二カ所の載置座部のセンサ同士の出力値の差が所定値を超えている場合に、これら二カ所の載置座部のいずれか一方に異金種の棒金が載置されていると判定する。よって、ノイズの影響等を容易に排除できる。
【0016】
請求項4に係る発明によれば、センサとして、棒金の集積硬貨との距離に応じて出力値が大きく変化する磁気センサを用いるため、載置座部に異金種の棒金が載置されていることの判定が容易かつ正確にできる。また、センサとして、集積硬貨の材質を検出できる磁気センサを用いるため、載置された棒金の金種を判別することができる。
【0017】
請求項5に係る発明によれば、載置座部の座面の一部が形成された昇降部が所定値以上の荷重で下降するため、棒金が載置座部上に載置された場合には昇降部が下降して、上記と同様の状態となる一方、棒金がばらけて少量の硬貨が載置座部上に載置された場合に、昇降部が下降せず、センサと硬貨との距離が大きい状態を維持する。よって、棒金がばらけて少量の硬貨が載置座部上に載置された場合に生じる誤判定を抑制することができる。
【0018】
請求項6に係る発明によれば、載置対象が無孔硬貨の棒金である載置座部には、水平方向の中央位置にセンサが設けられているため、棒金の倒れによる検出データへの影響を抑制できる。
【0019】
請求項7に係る発明によれば、載置対象が有孔硬貨の棒金である載置座部には、水平方向の中央に有孔硬貨の棒金の孔に挿入される凸部が形成されているため、無孔硬貨の棒金に対しては凸部が当たって集積硬貨とセンサとの距離を大きくすることになる。よって、載置対象である有孔硬貨の棒金に対して、載置座部の大きさではセンサと集積硬貨との距離が大きくなりにくい無孔硬貨の棒金があっても、これが異金種であることを判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1実施形態に係る棒金収納装置を示す斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る棒金収納装置の要部の構成図であって、(a)は無孔硬貨用の載置台部を示すものであり、(b)は有孔硬貨用の載置台部を示すものである。
図3】本発明の第1実施形態に係る棒金収納装置の要部の構成図であって、(a)は無孔硬貨用の載置台部に異金種の棒金が載置された状態を示すものであり、(b)は有孔硬貨の棒金用の載置台部に無孔硬貨の棒金が載置された状態を示すものである。
図4】本発明の第2実施形態に係る棒金収納装置の要部の構成図であって、(a)は載置台部に載置対象金種の棒金が載置された状態を示すものであり、(b)は載置台部にバラ硬貨が載置された状態を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の第1実施形態に係る棒金収納装置を図1図3を参照して以下に説明する。
【0022】
図1に示す本実施形態に係る棒金収納装置10は、出納機への現金の補充や出納機からの現金の回収を行う際に用いられるものであって、棒金以外に小束紙幣も収納する現金管理装置である。棒金収納装置10は、店舗の係員側スペースに設置されて係員により取り扱われるものであり、より窓口カウンタに近い位置で主に小束紙幣および棒金を入出庫可能に収納するものである。
【0023】
棒金収納装置10は、箱型の装置本体11と、この装置本体11に上下方向に複数段具体的には8段設けられた収納庫12とを有している。これら収納庫12は、その左右側壁に設けられたスライドレール13を介して装置本体11に対して水平方向に沿ってスライド開閉可能となっている。これら収納庫12は、前方に引き出され、後方に押し込まれることになり、このように前後方向にのみ所定範囲で移動可能となるように装置本体11に連結されている。
【0024】
複数段の収納庫12のうち、最も上側のものは、予備収納庫12(a)となっており、結束されていないバラの紙幣、包装されていないバラの硬貨、汚損紙幣や汚損硬貨、金券等を収納する。また、残りの収納庫12は、上側4段が小束紙幣を収納する小束収納庫12(b)となっており、下側3段が棒金を収納する棒金収納庫12(c)となっている。勿論、収納庫12の全体の数や、そのうちの小束収納庫12(b)および棒金収納庫12(c)の個々の数等は任意に設定可能である。
【0025】
装置本体11の上部には、操作者によって操作入力がなされるとともに操作者に対して表示を行う操作表示部15と、データを印字により出力するプリンタ16とが設けられている。操作表示部15は、操作者に対して操作ガイダンス等の情報を表示する表示部17と、操作者のIDカードを走査するカードリーダ18と、操作者により操作される操作キーボード19と、操作者に対して音声を出力する音声発生部20とを有している。
【0026】
装置本体11には、複数の収納庫12のそれぞれに対して、収納庫12を閉状態で個別にロックする図示略のロック機構が設けられており、複数の収納庫12のそれぞれの側方に、ロック機構のロック解除時のみ点灯する表示灯23が設けられている。
【0027】
収納庫12は、装置本体11から引き出されると上方に開口する有底枠状をなしている。棒金収納庫12(c)は、棒金Bを入出庫可能に収納する。棒金Bは、図2に示すように、単一金種の硬貨cが所定枚数集積された集積硬貨Cに包装シートSが巻き回され包装シートSの集積硬貨Cよりも集積方向両外側(図2において一側のみ図示)が加締部Kとされたものである。ここで、加締部Kは、集積硬貨Cの外周面よりも径方向内側に突出する円環状をなしており、端位置の硬貨cの集積方向外側の端面に全周にわたって接触している。これにより、加締部Kは、集積硬貨Cをばらけないように軸方向から抑えている。
【0028】
収納庫12には、棒金Bが中心軸線を上下に延在させる立位状態で収納される。収納庫12は、棒金Bが挿入され挿入された棒金Bを立位状態に保持する鉛直方向に沿う壁部35と、壁部35の下部を閉塞する底部36とを有している。壁部35および底部36は、下方に凹む上方開口形状の棒金収納凹部37を構成している。すべての棒金収納凹部37は、それぞれの載置対象金種が所定の一金種に設定されている。
【0029】
底部36には、棒金Bを載置させる円柱状の載置座部40が上方に突出するように形成されている。載置座部40の外径は、載置対象金種の棒金Bの加締部Kの内径よりも小さくされており、載置座部40の突出高さは載置対象金種の棒金Bの加締部Kの集積硬貨Cからの突出高さよりも高くなっている。これにより、載置座部40は、載置対象金種の棒金Bの載置時には、棒金Bの加締部Kの内側に挿入されてその集積硬貨Cに直接当接し、この状態で棒金Bを支持するようになっている。
【0030】
載置座部40は、水平な座面41と、鉛直に沿う円筒状壁面42とを有している。載置座部40は、その円筒状壁面42が、載置対象金種の棒金Bの加締部Kの内側に挿入可能であって載置対象金種よりも小径の異金種の棒金Bの加締部Kの内側に挿入困難な大きさに形成されている。具体的に、載置座部40は、載置対象金種の棒金Bの加締部Kの内径以下の外径であって載置対象金種よりも小径の小径異金種の棒金Bの加締部Kの内径よりも大径の外径に形成されている。載置座部40は、座面41が載置対象金種の棒金Bの集積硬貨Cに直接当接する。他方、載置座部40に小径異金種の棒金Bを載置させようとしても、加締部Kが載置座部40に引っかかり、座面41が小径異金種の棒金Bの集積硬貨Cに直接当接することなく、離間した状態となる。
【0031】
より具体的に、500円硬貨を包装した外径26.5mm、加締部Kの内径が22.5mmの棒金Bが載置対象金種の棒金Bである棒金収納凹部37の載置座部40は、円筒状壁面42の外径つまり座面41の直径が22.0mmとなっている。
【0032】
また、10円硬貨を包装した外径23.5mm、加締部Kの内径が19.5mmの棒金Bが載置対象金種の棒金Bである棒金収納凹部37の載置座部40は、円筒状壁面42の外径つまり座面41の直径が19.0mmとなっている。
【0033】
また、100円硬貨を包装した外径22.6mm、加締部Kの内径が18.6mmの棒金Bが載置対象金種の棒金Bである棒金収納凹部37の載置座部40は、円筒状壁面42の外径つまり座面41の直径が18.0mmとなっている。
【0034】
また、5円硬貨を包装した外径22.0mm、加締部Kの内径が18.0mmの棒金Bが載置対象金種の棒金Bである棒金収納凹部37の載置座部40は、円筒状壁面42の外径つまり座面41の直径が17.6mmとなっている。
【0035】
また、50円硬貨を包装した外径21.0mm、加締部Kの内径が17.0mmの棒金Bが載置対象金種の棒金Bである棒金収納凹部37の載置座部40は、円筒状壁面42の外径つまり座面41の直径が16.4mmとなっている。
【0036】
また、1円硬貨を包装した外径20mm、加締部Kの内径が16mmの棒金が、載置対象金種の棒金Bである棒金収納凹部37の載置座部40は、円筒状壁面42の外径つまり座面41の直径が15.6mmとなっている。
【0037】
図2(a)に示すように、載置対象が無孔硬貨の棒金Bである棒金収納凹部37、つまり、500円硬貨の棒金B用の棒金収納凹部37、10円硬貨の棒金B用の棒金収納凹部37、100円硬貨の棒金B用の棒金収納凹部37および1円硬貨の棒金B用の棒金収納凹部37のそれぞれの載置座部40は、座面41が内側に凸部のない平坦面となっている。これに対し、図2(b)に示すように、載置対象が有孔硬貨の棒金B用の棒金収納凹部37、つまり、5円硬貨の棒金B用の棒金収納凹部37および50円硬貨の棒金B用の棒金収納凹部37のそれぞれの載置座部40には、座面41の内側、具体的には座面41の水平方向の中央に、座面41よりも突出して有孔硬貨の棒金Bの孔に挿入される凸部48が形成されている。
【0038】
無孔硬貨である500円硬貨の棒金Bが載置対象金種の棒金Bである棒金収納凹部37の載置座部40は、図2(a)に示すように、座面41が内側に凸部のない平坦面となっている。この載置座部40は、その外径から、500円硬貨の棒金Bの加締部Kの内側に挿入可能であってその集積硬貨Cに当接可能となっている。一方、この載置座部40は、その外径から、10円硬貨の棒金B、100円硬貨の棒金B、5円硬貨の棒金B、50円硬貨の棒金Bおよび1円硬貨の棒金Bのそれぞれの加締部Kの内側には挿入困難であってそれぞれの集積硬貨Cに対しては当接困難となっている。
【0039】
また、無孔硬貨である10円硬貨の棒金Bが載置対象金種の棒金Bである棒金収納凹部37の載置座部40は、座面41が内側に凸部のない平坦面となっているため、その外径から、500円硬貨の棒金Bおよび10円硬貨の棒金Bのそれぞれの加締部Kの内側に挿入可能であってそれぞれの集積硬貨Cに当接可能となっている。一方、この載置座部40は、その外径から、5円硬貨の棒金B、50円硬貨の棒金Bおよび1円硬貨の棒金Bのそれぞれの加締部Kの内側には挿入困難であってそれぞれの集積硬貨Cに対しては当接困難となっている。この載置座部40は、その外径から、径差の小さい100円硬貨の棒金Bについては、ものによって挿入可能であったり、挿入困難であったりする。
【0040】
また、無孔硬貨である100円硬貨の棒金Bが載置対象金種の棒金Bである棒金収納凹部37の載置座部40は、座面41が内側に凸部のない平坦面となっているため、その外径から、500円硬貨の棒金B、10円硬貨の棒金Bおよび100円硬貨の棒金Bおよび5円硬貨の棒金Bのそれぞれの加締部Kの内側に挿入可能であってそれぞれの集積硬貨Cに当接可能となっている。一方、この載置座部40は、その外径から、50円硬貨の棒金Bおよび1円硬貨の棒金Bのそれぞれの加締部Kの内側には挿入困難であってそれぞれの集積硬貨Cに対しては当接困難となっている。
【0041】
また、無孔硬貨である1円硬貨の棒金Bが載置対象金種の棒金Bである棒金収納凹部37の載置座部40は、座面41が内側に凸部のない平坦面となっているため、その外径から、500円硬貨の棒金B、10円硬貨の棒金B、100円硬貨の棒金B、5円硬貨の棒金B、50円硬貨の棒金Bおよび1円硬貨の棒金Bのそれぞれの加締部Kの内側に挿入可能であってそれぞれの集積硬貨Cに当接可能となっている。
【0042】
また、有孔硬貨である5円硬貨の棒金Bが載置対象金種の棒金Bである棒金収納凹部37の載置座部40は、図2(b)に示すように、凸部48が5円硬貨の棒金Bの孔に挿入可能であるため、座面41に5円硬貨の棒金Bの集積硬貨Cが直接載置される。一方、この載置座部40は、図3(b)に示すように、座面41の内側に凸部48があるため、無孔硬貨の棒金B、つまり、500円硬貨の棒金B、10円硬貨の棒金B、100円硬貨の棒金Bおよび1円硬貨の棒金Bの集積硬貨Cが座面41に直接載置されることはない。5円硬貨の棒金Bが載置対象金種の棒金Bである載置座部40は、外径から、50円硬貨の棒金Bについては、ものによって挿入可能であったり、挿入困難であったりする。
【0043】
また、有孔硬貨である50円硬貨の棒金Bが載置対象金種の棒金Bである棒金収納凹部37の載置座部40は、図2(b)に示すように、凸部48が50円硬貨の棒金Bの孔に挿入可能であるため、座面41に50円硬貨の棒金Bの集積硬貨Cが直接載置される。一方、この載置座部40は、図3(b)に示すように、座面41の内側に凸部48があるため、無孔硬貨の棒金B、つまり、500円硬貨の棒金B、10円硬貨の棒金B、100円硬貨の棒金Bおよび1円硬貨の棒金Bの集積硬貨Cが座面41に直接載置されることはない。50円硬貨の棒金Bが載置対象金種の棒金Bである載置座部40は、外径から、5円硬貨の棒金Bの加締部Kの内側に挿入可能であってその集積硬貨Cに座面41が当接可能となっている。
【0044】
図2(a)に示すように、載置対象が無孔硬貨の棒金Bである棒金収納凹部37、つまり、500円硬貨の棒金B用の棒金収納凹部37、10円硬貨の棒金B用の棒金収納凹部37、100円硬貨の棒金B用の棒金収納凹部37および1円硬貨の棒金B用の棒金収納凹部37のそれぞれの載置座部40は、水平方向の中央位置に座面41の一部を形成するようにセンサ45が設けられている。このセンサ45は、載置座部40に載置された棒金Bの集積硬貨Cとの距離に応じて出力値が変化するものであり、具体的には磁気センサである。
【0045】
図2(b)に示すように、載置対象が有孔硬貨の棒金B用の棒金収納凹部37、つまり、5円硬貨の棒金B用の棒金収納凹部37および50円硬貨の棒金B用の棒金収納凹部37のそれぞれの載置座部40には、水平方向の凸部48からずれた位置に、座面41の一部を形成するようにセンサ45が設けられている。
【0046】
そして、棒金収納装置10は、センサ45の出力値に基づいて、載置座部40に異金種の棒金Bが載置されていることを判定する制御部(判定手段)50を有している。制御部50は、載置座部40のセンサ45の出力値が、このセンサ45が設けられた座面41と棒金Bの集積硬貨Cとの距離が所定値を超えていることを示す場合に、図3に示すように、この載置座部40に異金種の棒金Bが載置されていると判定する。一方、制御部50は、センサ45の出力値が、このセンサ45が設けられた座面41と棒金Bの集積硬貨Cとの距離が所定値以下であることを示す場合に、図2に示すように、この載置座部40に載置対象金種の棒金Bが載置されているか、あるいは外径からは異金種であることを判定できない棒金Bが載置されていると判定する。
【0047】
つまり、磁気センサであるセンサ45の出力値は、センサ45が設けられた座面41と棒金Bの集積硬貨Cとの距離が近づけば近づくほど大きくなり、よって、座面41に集積硬貨Cが接触していると最も大きくなる。逆に、センサ45の出力値は、センサ45が設けられた座面41と棒金Bの集積硬貨Cとの距離が離れれば離れるほど小さくなり、よって、加締部Kあるいは凸部48により座面41から集積硬貨Cが離間していると接触時よりも小さくなる。
【0048】
このため、センサ45の出力値が、載置座部40の座面41に集積硬貨Cが接触していると判定できる所定値以上の場合に、図2に示すように、この載置座部40に載置対象金種の棒金Bが載置されているか、あるいは外径からは異金種であることを判定できない棒金Bが載置されていると判定し、この所定値未満の場合には、図3に示すように、この載置座部40に異金種の棒金Bが載置されていると判定する。
【0049】
そして、制御部50は、異金種の棒金Bが載置座部40に載置されていると判定した場合、この載置座部40を含む棒金収納凹部37の識別と異金種の棒金Bが棒金収納凹部37に収納されている旨とを表示部17に表示させるとともに、音声発生部20でアラーム音声を発生させる。
【0050】
また、制御部50は、載置座部40のセンサ45の出力値が、このセンサ45が設けられた座面41と棒金Bの集積硬貨Cとの距離が所定値以下であることを示し、この載置座部40に、載置対象金種の棒金Bが載置されているか、あるいは外径からは異金種であることを判定できない棒金Bが載置されていると判定すると、センサ45が検出している磁気データから、集積硬貨Cの金種を識別する。そして、制御部50は、載置対象金種とは異なる材質異金種の棒金Bが載置座部40に載置されていると判定した場合、この載置座部40を含む棒金収納凹部37の識別と異金種の棒金Bが収納されている旨とを表示部17に表示させるとともに、音声発生部20でアラーム音声を発生させる。
【0051】
他方、制御部50は、棒金収納装置10内に、載置対象金種とは異なる材質異金種の棒金Bが収納されていないと判定すると、センサ45が検出している磁気データに基づいて識別された棒金Bを金種別に計数して、棒金収納装置10内の棒金Bの金種別の在高を把握する。
【0052】
以上に述べた第1実施形態の棒金収納装置10によれば、載置座部40が、載置対象金種よりも小径の小径異金種の棒金Bの加締部Kの内側に挿入困難な大きさに形成されていることから、小径異金種の棒金Bが載置されると、載置座部40と集積硬貨Cとの距離が大きくなる。これを利用し、載置座部40に載置された棒金Bの集積硬貨Cとの距離に応じて出力値が変化するセンサ45を設け、制御部50が、このセンサ45の出力値に基づいて載置座部40に異金種の棒金Bが載置されていることを判定する。したがって、低コストで、異金種の棒金Bが載置されていることを判定することができる。よって、コストを低減可能となる。
【0053】
また、制御部50は、センサ45の出力値が集積硬貨Cとの距離が所定値を超えていることを示す場合に、図3に示すように載置座部40に異金種の棒金Bが載置されていると判定する一方、センサ45の出力値が、集積硬貨Cとの距離が所定値以下であることを示す場合に、図2に示すように載置対象金種の棒金Bが載置されているか、あるいは外径からは異金種であることを判定できない棒金Bが載置されていると判定する。よって、判定制御を容易化できる。
【0054】
また、センサ45として、棒金Bの集積硬貨Cとの距離に応じて出力値が大きく変化する磁気センサを用いるため、載置座部40に異金種の棒金Bが載置されていることの判定が容易かつ正確にできる。また、センサ45として、集積硬貨Cの材質を検出できる磁気センサを用いるため、金種を判別することができる。
【0055】
また、図2(a)に示すように載置対象が無孔硬貨の棒金Bである載置座部40には、水平方向の中央位置にセンサ45が設けられているため、棒金Bの倒れによる検出データへの影響を抑制できる。
【0056】
また、図2(b)に示すように載置対象が有孔硬貨の棒金Bである載置座部40には、水平方向の中央に有孔硬貨の棒金Bの孔に挿入される凸部48が形成されているため、図3(b)に示すように無孔硬貨の棒金Bに対しては凸部48が当たって集積硬貨Cとセンサ45との距離を大きくすることになる。よって、載置対象が有孔硬貨の棒金Bである載置座部40において、載置対象の棒金Bとの加締部Kの内径の差が小さく、この棒金Bに対して、載置座部40の大きさではセンサ45と集積硬貨Cとの距離が大きくなりにくい無孔硬貨の棒金Bが載置されても、これが異金種であることを判定できる。
【0057】
本発明の第2実施形態に係る棒金収納装置を主に図4を参照して以下に第1実施形態との相違部分を中心に説明する。
【0058】
図4に示すように、第2実施形態においては、載置座部40がセンサ45を含む本体部61と、本体部61に対して昇降可能に設けられた昇降部62と、昇降部62を上方に付勢するスプリング63とを有している。昇降部62には座面41のセンサ45の上面45aを除く一部となる上面62aと円筒状壁面42とが形成されている。なお、図4は、無孔硬貨の棒金Bを載置させる載置座部40を例にとり図示しているが、有孔硬貨の棒金Bを載置させる凸部48を有する載置座部40も同様の構造にできる。
【0059】
このような載置座部40は、棒金Bが載置されて所定値以上の荷重が昇降部62に加わると、図4(a)に示すように昇降部62がスプリング63の付勢力に抗して下降し、座面41を構成するセンサ45の上面45aと昇降部62の上面62aとが同一平面に配置され、第1実施形態と同様の状態になる。これにより、第1実施形態と同様に、制御部50が、センサ45の出力値に基づいて載置座部40に異金種の棒金Bが載置されていることを判定する。他方、図4(b)に示すように、棒金Bがばらける等して少量の硬貨cが載置座部40上に載置された場合には、昇降部62が下降せずに、センサ45と硬貨cとの距離が大きい状態を維持する。よって、棒金Bがばらける等して少量の硬貨cが載置座部40上に載置された場合に、この硬貨cが例え載置対象金種であったとしても、載置対象金種の棒金Bが載置されていると誤判定することがなくなる。
【0060】
なお、第1,第2実施形態においては、制御部50が、センサ45の出力値が集積硬貨Cとの距離が所定値を超えていることを示す場合に、載置座部40に異金種の棒金Bが載置されていると判定する一方、センサ45の出力値が、集積硬貨Cとの距離が所定値以下であることを示す場合に、載置座部40に載置対象金種の棒金Bが載置されているか、あるいは異金種であることを判定できない棒金Bが載置されていると判定する場合を例にとり説明した。これにかえて、制御部50が、載置対象金種が同じ二カ所の載置座部40のセンサ45同士の出力値の差が所定値を超えている場合に、これら二カ所の載置座部40のいずれか一方(センサ45と集積硬貨Cとの距離が大きいと判定できる一方)に異金種の棒金Bが載置されていると判定する一方、載置対象金種が同じ二カ所の載置座部40のセンサ45同士の出力値の差が、所定値以下の場合に、これら二カ所の載置座部40に、載置対象金種の棒金Bが載置されているか、あるいは外径からは異金種であることを判定できない棒金Bが載置されていると判定するようにしても良い。このように判定すれば、ノイズの影響等を容易に排除できる。
【0061】
また、第1,第2実施形態においては、センサ45が磁気センサである場合を例にとり説明したが、載置座部40に載置された棒金Bの集積硬貨Cとの距離に応じて出力値が変化するものであれば、反射型の距離センサや、圧力センサを載置座部40に設けても良い。
【0062】
さらに、第1,第2実施形態において、マスタとなる棒金Bを準備しておき、所定期間ごとに、このマスタ棒金Bを載置対象金種とする載置座部40に載置させてセンサ45の出力値を検出し、この出力値を基準データとしてセンサ45の検出値を補正する保守モードを実行しても良い。
【符号の説明】
【0063】
10 棒金収納装置
40 載置座部
41 座面
42 円筒状壁面
45 センサ
48 凸部
50 制御部(判定手段)
62 昇降部
C 集積硬貨
K 加締部
S 包装シート
図1
図2
図3
図4