(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する車両用装置、通信方法、及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0012】
図1は、本実施の形態の表示システム10の概要を示す図である。表示システム10は、自動車等の車両1に搭載される車両用装置2と、車両用装置2とは別個に構成される携帯機器3とを備えて構成される。
【0013】
車両用装置2は、表示装置であるディスプレイを備え、車両1に乗車したユーザが容易に視認できるよう、車室内前方のダッシュボード内等に固定して設置される電子制御装置である。車両用装置2は、例えばディスプレイを備えた画像や音楽の再生装置である。なお、車両用装置2は、車両に用いられる装置であって、車両1の車室内に固定して設置される装置のほか、車両に備えられたホルダ等に保持される携帯用装置であってもよい。
【0014】
携帯機器3は、携帯電話やスマートフォン等の可搬性の電子機器である。携帯機器3は、表示システム10に利用される場合、携帯機器3を保持するホルダによって車両1のダッシュボード上等に固定される。かかるホルダは、ユーザにより携帯機器3を適宜着脱されるもので、携帯機器3を完全に固定するものではない。
【0015】
車両用装置2と携帯機器3とは、通信可能に接続される。例えば車両用装置2と携帯機器3とは、無線で通信を行い、互いに認証処理や制御データの送受信を行う。無線通信は、例えばデジタル機器用の近距離無線通信規格であるBluetooth(登録商標)が利用される。
【0016】
また、車両用装置2と携帯機器3とは、画像情報の送受信が可能な通信ケーブル4で接続される。通信ケーブル4を介し、携帯機器3から車両用装置2へ画像情報のフレームとなる画像が所定周期で連続的に送信される。通信ケーブル4は、例えば画像や音声をデジタル信号で伝送する通信インタフェース規格であるHDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface;高精細度マルチメディアインターフェース)を利用したケーブルである。
【0017】
図2は、表示システム10の機能の概要を示す図である。携帯機器3は、連続的に生成するナビゲーション画像NPをNTSC等の所定形式の画像情報のフレームに変換し、かかる画像情報を通信ケーブル4を介して車両用装置2に送信する。車両用装置2は、無線通信により携帯機器3を認証して通信を確立した場合に、携帯機器3から通信ケーブル4を介して送信されるナビゲーション画像NPをディスプレイ24に表示する。
【0018】
ここで、車両1が走行しているとき、ディスプレイ24に運転に関わりのない画像の表示を防止する処理である走行規制処理について説明する。かかる走行規制処理は、携帯機器3が認証されて通信が確立された場合、携帯機器3によって行われる。
【0019】
<携帯機器側の動作>
携帯機器3は、例えば車両用装置2から走行情報を無線通信によって取得し、取得した走行情報に基づいて走行中と判定した場合は、走行規制の対象となる画像(例えばDVD/TV・・等の運転に関係のない動画像等)を車両用装置2へ出力しないように制御し、その画像に代えて、走行規制の非対象となる画像(例えばナビゲーション画像NPや音楽の操作画面、「走行規制中」等を示すメッセージや単一色の画面等の静止画像など)を車両用装置2へ出力する。この走行規制処理は、例えば携帯機器3にインストールされている「携帯連携用アプリ」によって実行される。
【0020】
<車載装置側の動作>
車両用装置2は、携帯機器3などの外部機器と連携している状態のとき(例えば、認証が行われ無線通信が確立している場合)は、車両1の走行状態が、走行中や停車中、駐車中の如何に関わらず、外部機器から入力される画像をディスプレイ24に表示する。すなわち、車両用装置2と外部機器とが連携しているときは、外部機器側で走行規制処理が行われるため、車両用装置2側では、走行規制処理は行われない。
【0021】
一方、携帯機器3などの外部機器と接続しているが連携はしていない状態のとき(例えば、認証が行われず無線通信が確立していない場合)は、車両用装置2によって、上述したような走行規制処理が行われる。すなわち、車両用装置2と外部機器とが連携していないときに、接続されている外部機器から車載装置に画像が入力された場合、車両用装置2側の処理において、外部機器からの入力画像は走行中にはディスプレイ24に表示しないように制御される。
【0022】
これにより、ナビゲーション画像NPとは異なる運転に関わりのない画像の表示を防止している。このような表示システム10により、ユーザ(特に、運転者)は、車両用装置2がナビゲーション機能を備えない場合であっても、携帯機器3で生成されたナビゲーション画像NPを車両用装置2のディスプレイ24で参照することができる。
【0023】
図3は、従来の表示システム10aを示す図である。この従来の表示システム10aにおいても、車両用装置2aは、無線通信の認証により通信を確立した携帯機器3から通信ケーブル4を介して送信されるナビゲーション画像NPをディスプレイ24に表示する機能を有している。
図3は、この従来の表示システム10aにおいて、通信ケーブル4が認証済みの携帯機器3から他の送信機器である画像再生機器5へ付け替えられた状態を示す。車両用装置2aは、携帯機器3との通信状態が継続しているため、認証を経た通信の確立後に通信ケーブル4の接続が携帯機器3から他の画像再生機器5へ付け替えられても、ナビゲーション画像NPを送信している携帯機器3から画像を受信していると誤認識している。このため、車両用装置2aは、正当な認証を経ていない画像再生機器5から通信ケーブル4を介して送信される画像をディスプレイ24に表示してしまう。したがって、この場合、車両用装置2aは、携帯機器3とは異なる画像再生機器5が再生する映画等の車両1の運転に関わりのない画像を表示させる恐れが生じる。
【0024】
このように従来の表示システム10aは、認証を経た通信の確立後に通信ケーブル4に接続された機器が付け替えられ、携帯機器3と異なる他の画像再生機器5が再生する映画等の運転に関わりない画像を表示することがあった。本実施の形態の表示システム10は、このような通信が確立されていない送信機器である画像再生機器5から送信された画像を車両用装置2で表示することを防止するようにしている。以下、このような表示システム10の構成及び処理について詳細に説明する。
【0026】
図4は、表示システム10の構成を示すブロック図である。図中上段は車両用装置2の構成を示し、下段は携帯機器3の構成を示す。
【0027】
車両用装置2は、制御部21と、画像受信部22と、通信部23と、ディスプレイ24と、カードスロット25と、記憶部26とを備える電子制御装置である。制御部21は、CPU、RAM及びROM等を備え、車両用装置2の全体を制御するマイクロコンピュータである。
【0028】
画像受信部22は、通信ケーブル4を介し、通信が確立された携帯機器3や携帯機器3以外の送信機器から送信される画像情報を受信する。画像情報は、例えば携帯機器3で生成されたナビゲーション画像NPなどである。
【0029】
通信部23は、Bluetooth(登録商標)等の通信方式により携帯機器3との間でデータの送受信を行う。例えば、通信部23は、画像受信部22が携帯機器3から画像情報を受信する前に、認証等を含むいわゆるペアリング処理を行って携帯機器3との通信を確立する。
【0030】
ディスプレイ24は、液晶パネル等を備え、各種情報を表示する。また、ディスプレイ24は、タッチパネルを備え、ユーザの操作を受け付けることが可能である。ユーザがタッチパネルとしてのディスプレイ24に触れた場合、ユーザが触れたディスプレイ24上の座標位置に基づき、制御部21がユーザの操作内容を判断する。
【0031】
カードスロット25は、可搬性の記録媒体であるメモリカード25aを着脱可能に格納するように構成され、メモリカード25aに対しデータの読み取りや書き込みを行う。
【0032】
記憶部26は、各種情報を記憶するフラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。また、記憶部26はプログラム26aを記憶している。プログラム26aに従い制御部21が演算処理を実行することで、制御部21における各種機能が実現される。制御部21に示す、途絶検出部21a、表示制御部21b、応答検出部21c、及び判定部21dは、プログラム26aの実行によりソフトウェア的に実現される機能の一部である。
【0033】
途絶検出部21aは、画像受信部22が携帯機器3から送信される画像情報を受信後、かかる画像情報の受信が途絶したことを検出する。これにより、途絶検出部21aは、ユーザによって通信ケーブル4に接続された機器が付け替えられたことを実質的に検出する。途絶検出部21aは、画像受信部22が所定時間継続して画像情報を受信しない場合に、画像情報の送信が途絶えたことを検出する。なお、所定時間は、例えば1[秒]であるが、ユーザによる通信ケーブル4に接続された機器が付け替えられたことを検出できる時間であればよい。また、所定時間は、振動等による瞬間的な送受信の遮断と機器の付け替えによる遮断とを区別できる時間であることが好ましい。表示システム10が車両に用いられた場合には、振動等の発生し易い環境に置かれるからである。
【0034】
表示制御部21bは、ディスプレイ24を制御し、ディスプレイ24の表示に係る制御を行う。表示制御部21bは携帯機器3から送信されたナビゲーション画像NPをディスプレイ24に表示させる。また、表示制御部21bは、携帯機器3から送信された画像を表示させる際、ユーザへ所定の通知を行う通知画像IPをディスプレイ24に表示させる。かかる通知画像IPについては後に詳述する。
【0035】
応答検出部21cは、ディスプレイ24に表示された通知画像IPに対し、ユーザが所定時間以内にタッチパネルに触れて応答した場合、ユーザの応答があったことを検出する。
【0036】
判定部21dは、画像情報を送信した送信機器が、正当な携帯機器であるか否かを判定する。判定部21dは、例えば途絶検出部21aにより画像情報の途絶が検出された後、画像受信部22が画像情報を再度受信した場合に、ディスプレイ24に表示された通知画像IPに対するユーザの応答が検出されると、画像情報を送信した送信機器が途絶検出前に通信部23により通信が確立された携帯機器3(特定の携帯機器)であると判定する。
【0037】
さらに、判定部21dは、例えば画像情報の途絶が検出された後、画像受信部22が画像情報を再度受信した場合に、その受信した画像情報を送信した送信機器が、ペアリング処理によって新たに通信が確立された携帯機器であるか否かを判定する。そして判定部21dは、画像情報を送信した送信機器が、新たに通信が確立された携帯機器であると判定した場合、その送信機器は、上述した走行規制処理がなされた画像情報を送信している機器であると判定する。
【0038】
図中下段に示す携帯機器3は、制御部31と、画像送信部32と、通信部33と、ディスプレイ34と、記憶部35とを備えている。
【0039】
制御部31は、CPU、RAM及びROM等を備え、携帯機器3の全体を制御するマイクロコンピュータである。
【0040】
画像送信部32は、通信ケーブル4を介して車両用装置2に画像情報を送信する。画像送信部32は、携帯機器3で連続的に生成するナビゲーション画像NPや後述する通知画像IPをNTSC等の所定形式の画像情報のフレームに変換し、かかる画像情報を車両用装置2に送信する。
【0041】
通信部33は、Bluetooth(登録商標)等の通信方式により車両用装置2との間でデータの送受信を行う。例えば、通信部33は、画像送信部32が車両用装置2へ画像情報を送信する前に、認証等を含むいわゆるペアリング処理を行って車両用装置2との通信を確立する。本実施の形態の通信部33は、このような通信の確立のための認証に、判定部21dによる判定結果を利用する。また、通信部33は、ユーザにより車両用装置2と携帯機器3とに対して通信を行うよう操作があった場合、及び応答検出部21cにより通知画像IPに対してユーザが応答した場合に、通信を確立する。
【0042】
ディスプレイ34は、液晶パネルを備え、各種情報を表示する。また、ディスプレイ34は、タッチパネルを備えており、ユーザの操作を受け付けることが可能である。ユーザがタッチパネルとしてのディスプレイ34に触れた場合は、ユーザが触れた座標位置に基づいて、制御部31がユーザの操作内容を判断する。
【0043】
記憶部35は、各種情報を記憶するフラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。また、記憶部35はプログラム35a及び地図データ35bを記憶している。プログラム35aに従い制御部31が演算処理を実行することで、制御部31における各種機能が実現される。制御部31に示す、ナビゲーション部31aと、通知画像生成部31bとは、プログラム35aの実行により、ソフトウェア的に実現される機能の一部である。
【0044】
ナビゲーション部31aは、プログラム35aの実行により地図データ35bを用いて実現されるアプリケーションの機能であり、目的地までの経路案内を行うナビゲーション機能を実現する。画像送信部32が車両用装置2へ送信するナビゲーション画像NPは、ナビゲーション部31aが提供する。ナビゲーション部31aは、記憶部35に記憶された地図データ35bと車両位置とに基づき、車両1の周辺の地図を示す地図画像を生成する。また、ナビゲーション部31aは、ユーザにより目的地が設定された場合には、現時点の車両位置から目的地までの経路を導出し、当該経路を地図画像上に重畳する。なお、ナビゲーション部31aは図示しないGPSや方位センサからデータを取得する。
【0045】
地図データ35bは、道路のノードやリンク情報、各種施設の緯度・経度情報や住所情報を含む道路地図データである。
【0047】
通知画像生成部31bは、
図5に示すような通知画像IPを生成する。
図5は、車両用装置2と携帯機器3との通信を確立する際に、車両用装置2のディスプレイ24に表示される通知画像IPの一例である。通知画像生成部31bで生成された通知画像IPは、画像送信部32で車両用装置2へナビゲーション画像NPと共に送信される。車両用装置2は、画像受信部22で通知画像IPを受信すると、表示制御部21bにより通知画像IPをディスプレイ24に表示させる。
【0048】
通知画像IPは、ユーザに通知すべき通知情報を示し、ユーザへのメッセージDCとユーザの応答を検出するコマンドボタンCMとから構成される。メッセージDCは、例えば「運転中は画面を注視しないで下さい」等のユーザに注意を促す通知内容とされる。また、コマンドボタンCMは、「はい」や「いいえ」等のユーザの応答を示す内容とされる。すなわち、メッセージDCとコマンドボタンCMとによって表示される内容は、通知とかかる通知への応答との関係にある。
【0049】
このように、携帯機器3で生成した通知画像IPを表示し、かかる通知に対しユーザに応答させることで、ディスプレイ24に表示されている画像が、携帯機器3の画像送信部32から送信された画像であることを判定することができる。このようなユーザの応答がない場合には、通知画像IPがディスプレイ24に表示されていない場合であり、すなわちディスプレイ24には携帯機器3とは異なる機器で生成された画像、例えば画像再生機器5から送信される画像が表示されていると推定することができる。この場合、表示制御部21bは画像表示を停止する等により、携帯機器3とは異なる機器で生成された画像の表示を防止できる。このため、通知画像IPの表示は、ナビゲーション画像の表示に先立って行われる。通知画像IPに対するユーザの応答を得てから車両用装置2と携帯機器3との通信を確立し、その後に、ナビゲーション画像を車両用装置2に表示させる。これにより、車両用装置2は、携帯機器3とは異なる機器で生成された画像を表示せず、携帯機器3の画像送信部32から送信された画像を表示することができる。
【0050】
図6は、通知画像IPの他の例である。
図6に示す通知画像IPでは、メッセージDCに「下記の番号を入力して下さい。」とする文字を示し、コマンドボタンCMに数字の1から9を示す。ユーザはメッセージDCに表示された番号についてコマンドボタンCMを操作して入力することで、メッセージDCへの応答を行うことができる。このように、通知画像IPは、
図5で示したような車両の運転に関するメッセージを表示し、かかるメッセージへの応答を受ける画像のみならず、単なる数値の入力を促し、かかる数値の応答を受ける画像でもよい。すなわち、通知画像IPは、ユーザに対し何らかの応答を促し、かかる応答の有無を検出できるものであればよい。通知画像IPにより想定された応答が行われれば、ディスプレイ24に表示されている画像が携帯機器3の画像送信部32から送信された画像であると判定できるからである。
【0051】
このように、携帯機器3の画像送信部32から送信された画像には通知画像IPを含めるよう構成し、ナビゲーション画像の表示に先立って車両用装置2と携帯機器3との通信を確立する際に、通知画像IPの表示と応答の検出とを行うことで、携帯機器3とは異なる機器で生成された画像の表示を防止し、携帯機器3から送信された画像を表示させることができる。
【0053】
図7は、車両用装置2の処理手順を示すフローチャートである。本処理は、車両用装置2と携帯機器3とが通信を行う初期処理の実行に伴って開始する。
【0054】
ユーザにより車両用装置2と携帯機器3とが通信を行う初期処理が実行されると、車両用装置2は、認証を行なって通信を確立する処理を新たに実行する。具体的には、まず、制御部21は、携帯機器3または携帯機器3と異なる送信機器(以下、「携帯機器等」ともいう)が通信ケーブル4を介して接続されたか否かを判定する(ステップS11)。携帯機器等が接続されない場合(ステップS11でNo)、ステップS11の処理を繰り返す。一方、携帯機器等が接続されると判定された場合(ステップS11でYes)、携帯機器等から通信ケーブル4を介して送信される画像情報の受信を行う、例えば携帯機器3が接続されている場合は通知画像IPの受信を行う(ステップS12)。なお、携帯機器3と異なる送信機器が接続される場合は、例えば車両1の運転に関わりのない画像情報などを受信する。画像受信部22により画像情報の受信が行われると、表示制御部21bが画像情報をディスプレイ24に表示する(ステップS13)。
【0055】
次に、応答検出部21cが、表示した画像情報に対するユーザの応答があったか否か検出する(ステップS14)。なお、応答検出部21cは、画像情報が通知画像IPの場合、通知画像IPがディスプレイ24に表示された後、前述の通り所定時間以内にユーザの応答があったか否かを検出する。応答検出部21cが、所定時間以内にユーザの応答を検出しない場合(ステップS14でNo)、判定部21dは、画像情報を送信した送信機器が特定の携帯機器、具体的には携帯機器3ではないと判定する(ステップS15)。
【0056】
次いで判定部21dは、画像受信部22が受信した画像情報を送信した送信機器が、新たに通信が確立された携帯機器であるか否かを判定する(ステップS16)。ここでは、例えば車両用装置2と送信機器との間において、ペアリング処理によって新たに通信が確立されたか否かを判定する。通信が確立せず、送信機器が、新たに通信が確立された携帯機器ではないと判定される場合(ステップS16でNo)、送信機器から送信された画像を車両用装置2のディスプレイ24に表示することを停止する(ステップS17)。すなわち、この場合、通信を確立しようとしている送信機器は、認証処理を行っていない送信機器である恐れがあるからである。本処理が終了すると、以後、再度ユーザにより初期処理の実行が操作されるまで、車両用装置2は、他の機器との通信及び画像の受信を行うことはない。
【0057】
一方、応答検出部21cが、所定時間以内にユーザの応答を検出した場合(ステップS14でYes)、画像情報を送信した送信機器が特定の携帯機器、すなわち携帯機器3と判定する(ステップS18)。次いで、車両用装置2の通信部23が、携帯機器3を正当な送信機器と認証し、携帯機器3と通信を確立する(ステップS19)。この通信を確立する際には、通信部23と通信部33とが所定のデータを送受信して行う、いわゆるペアリング処理が実行される。このように認証処理を行うことにより、車両用装置2は、予め規定された正当な送信機器以外から送信される画像の受信を防止し、車両の運転に関わりのない画像の表示を防止する。したがって、ステップS19において認証される送信機器は、ナビゲーション画像NP等の運転に関する画像を送信することが予め判明している機器に限定される。なお、初期処理の実行及び通信を確立する処理は、ユーザにより車両用装置2及び携帯機器3のタッチパネルや図示しない押しボタン等に対し、所定の操作が行われた場合に実行される。以下、車両用装置2がこのような認証を経て通信を確立した携帯機器を「特定の携帯機器」ともいう。
【0058】
通信を確立する処理が完了すると画像受信部22は、携帯機器3から通信ケーブル4を介して送信された画像情報の受信を行う(ステップS20)。なお、かかる画像情報は、携帯機器3で生成されたナビゲーション画像NPである。
【0059】
また、車両用装置2と送信機器との間において、ペアリング処理によって通信が確立し、送信機器が、新たに通信が確立された携帯機器であると判定される場合(ステップS16でYes)も、同様に、画像情報の受信を行う(ステップS20)。
【0060】
画像受信部22が携帯機器3から送信されたナビゲーション画像NPの受信を行うと、表示制御部21bは、受信したナビゲーション画像NPをディスプレイ24に表示する(ステップS21)。これにより、ユーザ(特に車両1の運転者)は、携帯機器3で生成されたナビゲーション画像NPを車両用装置2のディスプレイ24で参照することができる。
【0061】
表示制御部21bによりナビゲーション画像NPがディスプレイ24に表示されると、途絶検出部21aは、携帯機器3からの画像情報の受信が途絶したか否かを判定する(ステップS22)。前述の通り、途絶検出部21aは、例えば1[秒]継続して画像受信部22が画像情報を受信しない場合に、画像情報の受信が途絶えたことを検出する。このような画像情報の途絶が検出される場合とは、振動等による瞬間的な送受信の遮断の発生ではなく、ユーザによる通信ケーブル4に接続された機器の付け替えと判断できる場合であって、車両の運転に関わりのない画像情報が車両用装置2へ送信される恐れがある場合である。
【0062】
画像情報の受信の途絶が検出されない場合(ステップS22でNo)、ステップS20に戻って画像受信部22が携帯機器3から送信されるナビゲーション画像NPを受信し、表示制御部21bが画像の表示を行う(ステップS21)。このように、途絶検出部21aが画像情報の途絶がないと判断する場合には、ナビゲーション画像NPの受信、表示、及び画像情報の途絶の判断が繰り返し実行される。なお、途絶検出部21aによる画像情報の途絶の判断は、ユーザにより所定の終了処理が実行されるまで、又はナビゲーション部31aによる経路案内が終了し画像受信部22がナビゲーション画像NPを受信しなくなるまで、繰り返し実行される。
【0063】
一方、画像情報の受信の途絶が検出される場合(ステップS22でYes)、本処理を一旦終了する。その後、ユーザにより初期処理が再び実行されると、ステップS11以降の処理を再度実行する。すなわち、携帯機器等が接続され(ステップS11でYes)、画像受信部22が画像情報を再受信した場合(ステップS12)、車両用装置2は、画像情報の途絶の検出前に確立していた通信を一旦解除したうえで、再度認証を行なって通信を確立する処理を新たに実行する。具体的には、まず、表示制御部21bが、携帯機器等から受信した画像情報をディスプレイ24に表示する。画像情報を送信した送信機器が特定の携帯機器である場合は、通信の確立のための認証用に画像情報として通知画像IPを車両用装置2に送信する。このため、送信機器が特定の携帯機器である場合は、ディスプレイ24に通知画像IPが表示される(ステップS13)。
【0064】
次に、応答検出部21cが、表示した表示画像(通知画像IP)に対するユーザの応答があったか否か検出する(ステップS14)。応答検出部21cがユーザの応答を検出しない場合(ステップS14でNo)は、判定部21dは、画像受信部22へ画像情報を送信した送信機器が受信の途絶の検出前に通信が確立された携帯機器、すなわち特定の携帯機器ではないと判定する(ステップS15)。
【0065】
次いで判定部21dは、受信の途絶が検出された後に画像受信部22が受信した画像情報を送信した送信機器が、ペアリング処理によって新たに通信が確立された携帯機器であるか否かを判定する(ステップS16)。送信機器が、新たに通信が確立された携帯機器3であると判定された場合(ステップS16でYes)は、ステップS20以降に進み、画像受信部22が携帯機器3から受信したナビゲーション画像NPをディスプレイ24に表示する(ステップS21)。すなわち、送信機器が、新たに通信が確立された携帯機器3と判定された場合は、上述した走行規制処理がなされた画像情報(例えばナビゲーション画像NP)を画像受信部22で受信しているため、その画像情報をディスプレイ24に表示させるようにする。
【0066】
他方、判定部21dにおいて、途絶の検出後に画像受信部22が受信した画像情報を送信した送信機器が、新たに通信が確立された携帯機器および特定の携帯機器のいずれでもないと判定すると(ステップS15、ステップS16でNo)、画像情報の途絶検出後に画像情報を送信した送信機器から送信された画像を車両用装置2のディスプレイ24に表示することを停止する(ステップS17)。すなわち、この場合、通信ケーブル4に接続された機器が付け替えられ、携帯機器3とは異なる画像再生機器から通知画像IPを含まない画像、または走行規制処理が施されていない画像であって車両の運転と関わりのない画像が車両用装置2へ送信されている恐れがあるからである。このように、画像情報を送信した送信機器が、新たに通信が確立された携帯機器および特定の携帯機器のいずれでもないと判定された場合に、再受信された画像情報をディスプレイ24に表示することを停止するようにしたので、特定の携帯機器以外の送信機器から送信された画像や上述した走行規制処理がなさていない画像が表示されることを防止することができる。なお、本処理が終了すると、以後、再度ユーザにより初期処理の実行が操作されるまで、車両用装置2は、他の機器との通信及び画像の受信を行うことはない。
【0067】
一方、応答検出部21cが、ユーザの応答を検出した場合(ステップS14でYes)は、判定部21dは、画像受信部22へ画像情報を送信した送信機器が受信の途絶の検出前に通信が確立された携帯機器、すなわち特定の携帯機器であると判定する(ステップS18)。その後はステップS19以降に進み、前述した処理を実行する。すなわち、画像情報を送信した送信機器が特定の携帯機器であると判定される場合に、再受信された画像情報をディスプレイ24に表示するようにしたので、上述したと同様、特定の携帯機器以外の送信機器から送信された画像が表示されることを防止することができる。
【0068】
また、ディスプレイ24に表示した通知画像IPに対するユーザの応答が検出される場合に、画像情報を送信した送信機器が特定の携帯機器であると判定するようにしたことから、送信機器が特定の携帯機器か否かを容易に判定できると共に、通知画像IPを送信しない送信機器を特定の携帯機器であると判定することがない。
【0069】
このように、車両用装置2は、例えば携帯機器3から送信されるナビゲーション画像NPの受信の途絶を検出後、画像情報を再度受信した場合には、再度の認証を経て送信機器との通信を確立することで、途絶検出後に画像情報を送信した送信機器が特定の携帯機器か否かを判定している。車両用装置2は、通信を確立する際には、通信を確立する候補となる送信機器から送信された通知画像IPへのユーザによる応答操作を検出する。通知画像IPへの応答があれば、受信した画像情報は正当な携帯機器3から送信されたものと判断できる。これにより、車両用装置2は、画像情報の途絶検出後に画像情報を送信した送信機器が、受信の途絶前に通信が確立された特定の携帯機器であるか否か判定する。そして、車両用装置2は、送信機器が特定の携帯機器でない場合は、処理を終了し、その送信機器から送信された画像を表示することはない。
【0070】
上述してきたように、第1の実施形態では、車両用装置2は、画像情報の受信が途絶したことを検出し、受信の途絶が検出された後に画像情報を再び受信した場合に、画像情報を送信した送信機器が特定の携帯機器であるか否かを判定し、送信機器が特定の携帯機器ではないと判定された場合に、送信機器から送信される画像情報の表示装置への表示を停止するようにしたので、特定の携帯機器以外の送信機器から送信された画像が表示されることを防止することができる。
【0073】
以下、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態にかかる表示システム10は、第1の実施の形態の表示システム10と同様の構成及び処理を含む。このため、以下では第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0074】
第1の実施の形態では、通信が確立された携帯機器3から送信されるナビゲーション画像NPの受信の途絶を検出し、かかる途絶の検出後に、再度の認証を経て送信機器との通信を確立することで、途絶検出後に画像情報を送信した送信機器が受信の途絶前に通信が確立された携帯機器(特定の携帯機器)か否かを判定した。
【0075】
これに対し、第2の実施の形態では、通信が確立された携帯機器3から送信されるナビゲーション画像NPの受信の途絶を検出し、途絶の検出後に画像情報を再度受信した場合に、車両用装置2がナビゲーション画像NPに含まれる認証情報、例えば認証用の画像を検出する。本実施の形態の正当なナビゲーション画像NPの映像信号には、各フレームの相互間に特定の認証画像が含まれている。車両用装置2は、受信した画像情報に含まれる認証画像を検出することで、途絶検出後に画像情報を送信した送信機器が、受信の途絶前に通信が確立された送信機器(特定の携帯機器)であるか否かを判定する。これにより、再受信された画像情報を送信した送信機器が特定の携帯機器か否かを正確に判定することができる。また、認証画像検出部21eが画像情報に含まれる認証画像を検出するので、ユーザは第1の実施の形態のように応答操作を行う必要がなく、車両用装置2の操作性が向上する。
【0077】
図8は、第2の実施の形態の表示システム10の構成を示すブロック図である。第1の実施の形態との相違点は、車両用装置2の制御部21が認証画像検出部21eを備え、記憶部26が認証画像26bを記憶し、携帯機器3の制御部31が認証画像生成部31cを備える点である。また、判定部21dが判定を行う条件が相違する。その他の構成は、第1の実施の形態と同様に構成され、また同様に機能する。
【0078】
認証画像検出部21eは、携帯機器3よりナビゲーション画像NPに含めて送信された認証画像が所定の画像であるか否かを検出する。すなわち、認証画像検出部21eは、記憶部26に記憶された後に詳述する認証画像26bを参照し、携帯機器3より送信された認証画像が記憶部26に記憶された認証画像26bと合致するか否かを検出する。
【0079】
認証画像26bは、例えば一定のタイミングで白色と黒色が切替えられる画面又は一定のタイミングでオン/オフする映像等からなる認証用の情報である。ただし、かかる画面や映像等は、意味合いを持つ必要はなく、機器の識別子として機能すればよい。ユーザが識別すべき画像でないからである。
【0080】
認証画像生成部31cは、上記の認証画像検出部21eが検出すべき所定の認証画像を生成する。認証画像生成部31cにより生成された認証画像は、ナビゲーション部31aが生成するナビゲーション画像NPに含まれ、画像送信部32により車両用装置2へ送信される。なお、認証画像生成部31cが生成する認証画像は、記憶部26に予め記憶された認証画像26bと同一の情報である。
【0081】
判定部21dは、例えば途絶検出部21aにより画像情報の途絶が検出された後、画像受信部22が画像情報を再度受信した場合、認証画像検出部21eが携帯機器3より送信された認証画像が記憶部26に記憶された認証画像26bと一致する場合は、画像情報を送信した送信機器が途絶検出前に通信が確立された携帯機器3(特定の携帯機器)であると判定する。
【0083】
図9は、第2の実施の形態の車両用装置2の処理手順を示すフローチャートである。なお、
図9においては、第1の実施形態と同一の処理については、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
【0084】
携帯機器等が接続され(ステップS11でYes)、画像受信部22が画像情報を受信すると(ステップS12)、認証画像検出部21eは、記憶部26に記憶された認証画像26bを参照し、携帯機器等より送信された画像情報に含まれる認証画像が記憶部26に記憶された認証画像26bと合致するか否かを検出する(ステップS14a)。
【0085】
認証画像検出部21eが、認証画像26bと携帯機器等より送信された認証画像とが合致しないことを検出した場合(ステップS14aでNo)、判定部21dは、画像情報を送信した送信機器が特定の携帯機器ではないと判定する(ステップS15)。次いで判定部21dにおいて、画像受信部22が受信した画像情報を送信した送信機器が、新たに通信が確立された携帯機器ではないと判定される場合(ステップS16でNo)、送信機器から送信された画像をディスプレイ24に表示することを停止する(ステップS17)。すなわち、この場合、通信を確立しようとしている送信機器は、認証処理を行っていない送信機器である恐れがあるからである。
【0086】
一方、携帯機器等から送信される画像情報の認証情報が検出される場合(ステップS14aでYes)、画像情報を送信した送信機器が特定の携帯機器であると判定し(ステップS18)、次いでS19からステップS22までの処理を実行する。途絶検出部21aが、携帯機器3からの画像情報の受信が途絶したと判定する場合(ステップS22でYes)、画像受信部22が画像情報を再び受信したか否か判定する(ステップS23)。画像受信部22が画像情報を再受信しない場合(ステップS23でNo)、本処理は終了する。表示すべき画像情報を受信しない以上、画像処理に関する本処理を実行する必要がないからである。なお、画像受信部22は、途絶検出部21aが画像情報の途絶を検出後に所定時間継続して画像を受信しない場合に、画像情報の再度の受信がないと判断する。かかる所定時間は、通信ケーブル4の接続の緩みを防止する等のため接続を一旦解除後に再接続した場合か、ユーザにより通信ケーブル4に接続された機器が付け替えらえた場合か、又はユーザがもはやナビゲーション画像NPを表示させる意思がなく、通信ケーブル4と車両用装置2(又は携帯機器3)との接続を解除した場合か(すなわち接続解除後に再接続されない)を判断できる時間であることが好ましい。例えば、画像受信部22は、途絶検出後に画像を再受信するまでの時間が2[秒]未満である場合に一旦解除後の再接続と判断し、2[秒]以上5[秒]未満である場合に通信ケーブル4に接続された機器の付け替えと判断し、5[秒]以上の場合に接続解除後に再接続しない場合と判断すればよい。したがって、途絶検出部21aが画像情報の途絶を検出後、2[秒]未満で画像受信部22が画像情報を再度受信したと判断する場合は、画像受信部22へ画像情報を送信した機器は、途絶検出前に画像情報を車両用装置2へ送信した機器であると判断してもよい。
【0087】
画像受信部22が画像情報を再び受信すると(ステップS23でYes)、認証画像検出部21eは、上述したS14aと同様、携帯機器等より送信された画像情報の認証画像が記憶部26に記憶された認証画像26bと合致するか否かを検出する(ステップS24)。
【0088】
認証画像検出部21eが認証画像26bと携帯機器等より送信された認証画像とが合致しないことを検出した場合(ステップS24でNo)は、判定部21dは、画像受信部22へ画像情報を送信した送信機器が受信の途絶の検出前に通信が確立された携帯機器、すなわち特定の携帯機器ではないと判定する(ステップS15)。次いで、受信の途絶が検出された後に画像受信部22が受信した画像情報を送信した送信機器が、新たに通信が確立された携帯機器ではないと判定された場合(ステップS16でNo)、画像情報の途絶検出後に画像情報を送信した送信機器から送信された画像を車両用装置2のディスプレイ24に表示することを停止する(ステップS17)。この場合、通信ケーブル4に接続された機器が付け替えられ、携帯機器3とは異なる画像再生機器から認証画像を含まない画像であって車両の運転と関わりのない画像が車両用装置2へ送信されている恐れがあるからである。これにより、特定の携帯機器以外の送信機器から送信された画像や上述した走行規制処理がなさていない画像が表示されることを防止することができる。また、本処理が終了すると、以後、再度ユーザにより初期処理の実行が操作されるまで、車両用装置2は、他の機器との通信及び画像の受信を行うことはない。
【0089】
一方、認証画像検出部21eが、認証画像26bと携帯機器等より送信された認証画像とが合致することを検出した場合(ステップS24でYes)は、判定部21dは、画像受信部22へ画像情報を送信した送信機器が受信の途絶の検出前に通信が確立された携帯機器、すなわち特定の携帯機器であると判定する(ステップS25)。
【0090】
なお、本実施の形態においては、ステップS25で判定部21dが特定の携帯機器であると判定した場合であっても、第1の実施の形態と異なり、車両用装置2は携帯機器3との通信を確立する認証処理を再度実行することがない、すなわち、S19の処理を再実行することがない。車両用装置2の通信部23と携帯機器3の通信部33との通信を常時確立しておくことで、第1の実施の形態で実行した通信の解除と再確立を省略し、処理手順の効率化及び通信速度の向上を図るためである。
【0091】
したがって、判定部21dが画像受信部22へ画像情報を送信した送信機器が特定の携帯機器であると判定すると、表示制御部21bは、直ちに携帯機器3から送信されたナビゲーション画像NPをディスプレイ24へ表示させる(ステップS26)。
【0092】
また、画像受信部22へ画像情報を送信した送信機器が、新たに通信が確立された携帯機器であると判定された場合(ステップS16でYes)も、ステップS26に進み、画像受信部22が受信したナビゲーション画像NPをディスプレイ24へ表示させる。すなわち、この場合は、走行規制処理がなされた画像情報(例えばナビゲーション画像NP)を画像受信部22で受信しているため、その画像情報をディスプレイ24に表示させるようにする。
【0093】
上述してきたように、第2の実施の形態の車両用装置2は、携帯機器3から送信されるナビゲーション画像NPの受信の途絶を検出し、途絶の検出後に画像情報を再度受信した場合、車両用装置2は受信した画像情報に含まれる認証画像を検出する。これにより、途絶検出後に画像情報を送信した送信機器が、受信の途絶前に通信が確立された送信機器(特定の携帯機器)であるか否か判定することができる。そして、車両用装置2は、送信機器が特定の携帯機器でない場合はその送信機器から送信された画像を表示することはないため、特定の携帯機器以外の送信機器から送信された画像を車両用装置2で表示することを防止できる。また、認証画像検出部21eが画像情報に含まれる認証画像を検出するので、ユーザは第1の実施の形態のように応答操作を行う必要がなく、車両用装置2の操作性が向上する。また、認証情報に画像情報を用いた場合には、認証情報は通信ケーブル4で送信するナビゲーション画像NPの映像信号に含め易く、携帯機器3から車両用装置2へ容易に認証情報を伝送することができる。
【0096】
以下、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態にかかる表示システム10は、第1の実施の形態の表示システム10と同様の構成及び処理を含む。このため、以下では、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0097】
第1の実施の形態では、通信が確立された携帯機器3から送信されるナビゲーション画像NPの受信の途絶を検出し、途絶の検出後に、再度の認証を経て送信機器との通信を確立することで、途絶検出後に画像情報を送信した送信機器が、受信の途絶前に通信が確立された送信機器(特定の携帯機器)であるか否か判定した。
【0098】
これに対し、第3の実施の形態では、通信が確立された携帯機器3から送信されるナビゲーション画像NPの受信の途絶を検出し、途絶の検出後に画像情報を再度受信した場合、車両用装置2が、画像情報の送信に用いる通信ケーブルを介して受信した信号に含まれる認証コマンドを検出する。これにより、途絶検出後に画像情報を送信した送信機器が、受信の途絶前に通信が確立された送信機器(特定の携帯機器)か否かを判定する。これにより、再受信された画像情報を送信した送信機器が特定の携帯機器か否かを正確に判定することができる。また、認証画像検出部21eが通信ケーブルを介して受信した信号に含まれる認証コマンドを検出するので、ユーザは第1の実施の形態のように応答操作を行う必要がなく、車両用装置2の操作性が向上する。
【0100】
図10は、第3の実施の形態の表示システム10の構成を示すブロック図である。第1の実施の形態との相違点は、車両用装置2の制御部21が認証コマンド検出部21fを備え、記憶部26が認証コマンド26cを記憶し、携帯機器3の制御部31が認証コマンド生成部31dを備える点である。また、判定部21dが判定を行う条件が相違する。その他の構成は、第1の実施の形態と同様に構成され、また同様に機能する。
【0101】
認証コマンド検出部21fは、携帯機器3より通信ケーブル4を介して送信された信号に含まれる認証コマンドが所定の認証コマンドであるか否かを検出する。すなわち、認証コマンド検出部21fは、記憶部26に記憶された後に詳述する認証コマンド26cを参照し、携帯機器3より送信された認証コマンドが記憶部26に記憶された認証コマンド26cと合致するか否かを検出する。
【0102】
認証コマンド26cは、例えばコンピュータが識別可能な命令コードであり、通信ケーブル4を介して車両用装置2と携帯機器3との間で送受信される制御信号に含まれる。特に、通信ケーブル4にHDMIケーブルが用いられた場合には、認証コマンド26cはHDMIのCEC(Consumer Electronics Control)機能において送受信される制御信号の拡張領域に導入される。なお、通信ケーブル4が複数の通信線の集合で構成される場合には、画像情報を送受信する通信線と認証コマンドを含む制御信号を送受信する通信線とは同一の通信線である必要はない。ただし、通信ケーブル4は単一のケーブルであることが好ましい。通信ケーブル4を接続するコネクタ数を増加させないためである。
【0103】
認証コマンド生成部31dは、上記の認証コマンド検出部21fが検出すべき所定の認証コマンドを生成する。認証コマンド生成部31dにより生成された認証コマンドは、通信ケーブル4を介して送信された信号に含まれ、画像送信部32により車両用装置2へ送信される。なお、認証コマンド生成部31dが生成する認証コマンドは、記憶部26に予め記憶された認証コマンド26cと同一である。
【0104】
判定部21dは、例えば途絶検出部21aにより画像情報の途絶が検出された後、画像受信部22が画像情報を再度受信した場合、認証コマンド検出部21fが携帯機器3より送信された認証コマンドが記憶部26に記憶された認証コマンド26cと一致する場合は、画像情報を送信した送信機器が途絶検出前に通信が確立された携帯機器3(特定の携帯機器)であると判定する。
【0106】
図11は、第3の実施の形態の車両用装置2の処理手順を示すフローチャートである。なお、
図11においては、従前の実施形態と同一の処理については、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
【0107】
携帯機器等が接続され(ステップS11でYes)、画像受信部22が画像情報を受信すると(ステップS12)、認証コマンド検出部21fは、画像情報と同一の通信ケーブルを介して携帯機器3より送信された信号に含まれる認証コマンドが検出されるか否かを判定する(ステップS14b)。ステップS14bでは、例えば認証コマンド検出部21fが、記憶部26に記憶された認証コマンド26cを参照し、携帯機器等より送信された認証コマンドが記憶部26に記憶された認証コマンド26cと合致するか否かを検出する。
【0108】
認証コマンド検出部21fが、認証コマンド26cと携帯機器等より送信された認証コマンドとが合致しない、すなわち認証コマンド26cが検出されない場合(ステップS14bでNo)は、判定部21dは、画像情報を送信した送信機器が特定の携帯機器ではないと判定する(ステップS15)。次いで判定部21dにおいて、画像受信部22が受信した画像情報を送信した送信機器が、新たに通信が確立された携帯機器ではないと判定される場合(ステップS16でNo)、送信機器から送信された画像を車両用装置2のディスプレイ24に表示することを停止する(ステップS17)。
【0109】
一方、携帯機器等より送信された認証コマンドが認証コマンド26cと合致する、すなわち認証コマンドが検出される場合(ステップS14bでYes)、画像情報を送信した送信機器が特定の携帯機器であると判定し(ステップS18)、次いでステップS19からステップS23までの処理を実行する。携帯機器3からの画像情報の受信が途絶した後、画像受信部22が画像情報を再び受信すると(ステップS23でYes)、認証コマンド検出部21fは、上述したS14bと同様、認証コマンド26cが検出されるか否かを判定する(ステップS24b)。
【0110】
認証コマンドが認証コマンド26cと合致しない、すなわち認証コマンドが検出されない場合(ステップS24bでNo)は、判定部21dは、画像受信部22へ画像情報を送信した送信機器が受信の途絶の検出前に通信が確立された携帯機器、すなわち特定の携帯機器ではないと判定する(ステップS15)。次いで、受信の途絶が検出された後に画像受信部22が受信した画像情報を送信した送信機器が、新たに通信が確立された携帯機器ではないと判定された場合(ステップS16でNo)、画像情報の途絶検出後に画像情報を送信した送信機器から送信された画像をディスプレイ24に表示することを停止する(ステップS17)。この場合、通信ケーブル4に接続された機器が付け替えられ、携帯機器3とは異なる画像再生機器から車両の運転と関わりのない画像情報が車両用装置2へ送信されている恐れがあるからである。これにより、特定の携帯機器以外の送信機器から送信された画像や上述した走行規制処理がなさていない画像が表示されることを防止することができる。また、本処理が終了すると、以後、再度ユーザにより初期処理の実行が操作されるまで、車両用装置2は、他の機器との通信及び画像の受信を行うことはない。
【0111】
一方、認証コマンド検出部21fが、認証コマンドが検出された場合(ステップS24bでYes)は、判定部21dは、画像受信部22へ画像情報を送信した送信機器が受信の途絶の検出前に通信が確立された携帯機器、すなわち特定の携帯機器であると判定する(ステップS25)。
【0112】
なお、本実施の形態においても、ステップS25で判定部21dが特定の携帯機器であると判定した場合、第1の実施の形態と異なり、車両用装置2は携帯機器3との通信を確立する認証処理を再度実行することがない、すなわち、S19の処理を再実行することがない。車両用装置2の通信部23と携帯機器3の通信部33との通信を常時確立しておくことで、第1の実施の形態で実行した通信の解除と再確立を省略し、処理手順の効率化及び通信速度の向上を図るためである。
【0113】
したがって、判定部21dが画像受信部22へ画像情報を送信した送信機器が特定携帯機器であると判定すると、表示制御部21bは、直ちに携帯機器3から送信されたナビゲーション画像NPをディスプレイ24へ表示させる(ステップS26)。
【0114】
なお、画像受信部22へ画像情報を送信した送信機器が、新たに通信が確立された携帯機器3であると判定された場合は(ステップS16でYes)、ステップS26に進み、画像受信部22が受信したナビゲーション画像NPをディスプレイ24に表示する点は、第2の実施の形態と同様である。
【0115】
上述してきたように、第3の実施の形態の車両用装置2は、通信が確立された携帯機器3から送信されるナビゲーション画像NPの受信の途絶を検出し、途絶の検出後に画像情報を再度受信した場合、車両用装置2は画像情報の送信に用いる通信ケーブル4を介して送信された信号に含まれる認証コマンドを検出する。これにより、途絶検出後に画像情報を送信した送信機器が、受信の途絶前に通信が確立された送信機器であるか否か判定することができる。そして、車両用装置2は、送信機器が特定携帯機器でない場合はその送信機器から送信された画像を表示することはないため、特定携帯機器以外の送信機器から送信された画像を車両用装置2で表示することを防止できる。また、認証画像検出部21eが通信ケーブル4を介して送信された信号に含まれる認証コマンドを検出するので、ユーザは第1の実施の形態のように応答操作を行う必要がなく、車両用装置2の操作性が向上する。また、認証情報に認証コマンドを用いた場合には、認証情報は画像情報とは別に通信ケーブル4で送信する信号に含めることができ、画像情報に影響を与えることなく、携帯機器3から車両用装置2へ容易に認証情報を伝送できる。特に、通信ケーブル4にHDMIケーブルを用いた場合には、HDMIのCEC機能における拡張領域に導入でき、容易に認証情報を伝送できる。
【0117】
本発明は上記実施の形態に限定されず、様々に変形可能である。以下、このような変形例について説明する。上記実施の形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜組み合わせ可能である。
【0118】
上記実施の形態では、車両用装置2と携帯機器3とは通信ケーブル4で接続され、有線通信によってデータ信号及び画像情報の送受信を行なった。これに対して、無線通信により、車両用装置2と携帯機器3との相互間で画像情報の送受信を行ってもよい。
【0119】
また、携帯機器3から車両用装置2へ送信される画像情報はナビゲーション画像NPであると説明したが、必ずしもナビゲーション画像NPでなくともよい。交通情報や天気予報を示す画像でもよい。ただし、ユーザによる車両1の運転に利用される画像が好ましい。
【0120】
また、上記実施の形態では、プログラムに従ったCPUの演算処理によってソフトウェア的に各種の機能が実現されると説明したが、これら機能のうちの一部は電気的なハードウェア回路により実現されてもよい。
【0121】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。