【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、請求項1に記載のデバイス、および請求項18に記載の方法によって達成され、本発明の有利な実施形態は、それぞれ従属請求項の主題である。
【0012】
これに関して提供される本発明によるデバイスは、好ましくは支持体に取り付けられたまたは配置された物体の少なくとも1つの表面部分を測定するように構成される。ここで、物体またはその表面部分は、比較的不規則な、それに対応して対称性のないまたは非対称性の外側輪郭を有するいわゆる自由形状面を含むことがある。ここで、測定対象の物体は、例えば、いわゆる軸外し放物面として具現化することができ、またはレンズアレイを含んでいてもよい。しかし、2つの互いに直交する方向または断面で、多項式によって表すことができ、その形態がサドル面に似た表面形状を測定することも可能である。
【0013】
本発明によるデバイスは、少なくとも1つのホルダを含む。さらに、参照体(reference body)および距離測定装置がホルダに配置され、ここで、距離測定装置は、第1の軸およびまた第2の軸に対して揺動可能にホルダに取り付けられる。ここで、第1の軸と第2の軸は、異なる方向に、または異なる平面内に延びる。しかし、それらは、共通の平面内に位置してもよく、これに関して軸方向平面を成す。
【0014】
少なくとも2つの軸に対する距離測定装置の揺動可能な取付けによって、前記距離測定装置は、ホルダに対して、または支持体およびそこに配置された物体に対してほぼ任意の位置合わせで位置合わせすることができる。特に、これは、距離測定装置による物体の自由形状面の測定を可能にし、距離測定装置は、触知式もしくは無接触式、または好ましくは光反射式で設計され、それぞれ、測定対象の表面部分上の第1の点にほぼ直交に位置合わせすることが可能である。
【0015】
特に表面部分の光学的な無接触の感知のために、測定対象の表面部分のそれぞれの点に対する距離測定装置の直交位置合わせを提供することを可能にするために、距離測定装置は、第1に、ほぼ任意の様式で揺動可能にホルダに配置され、一方、ホルダ自体は、物体または支持体に対して任意の様式で位置決め可能である。このようにして、感知対象の表面部分のすべての点を様々な方向から感知することが可能である。ここで、ホルダまたは物体が可動に取り付けられるかどうかは重要でない。重要なのは、特に、ホルダと物体との相対的な可動性である。
【0016】
ここで、それぞれの感知方向は、現在測定対象の点を含む表面部分の輪郭によって予め決定される。特に、表面部分の光学的な無接触の、さらにまた反射型の測定の場合、対応する表面部分によって反射される測定ビームが表面部分にほぼ垂直に入射する必要がある。自由形状面が測定される場合、測定対象の物体の表面部分はほぼ任意の輪郭を有することがあるので、感知対象の表面部分のそれぞれの湾曲に対応するすべての実現可能な測定方向から、感知対象の自由形状面部分のすべての点を感知する必要がある。
【0017】
第1の軸と第2の軸が互いに平行に位置合わせされず、互いに対してほぼ垂直である、または所定の角度であることにより、距離測定装置に関する任意の感知距離を提供することが可能である。
【0018】
さらに、距離測定装置は、測定対象の物体の表面部分の第1の点までの第1の距離、およびまたそれに対応する参照体の第2の点までの第2の距離を決定するように構成される。距離測定装置によって確定される第1の距離は、実際の測定信号を構成し、測定される第2の距離は、回転によって引き起こされる、距離測定装置と可動のホルダに同様に配置された参照体との間の生じ得る相対的な変位を確定することを可能にする。これに関して、測定された第2の距離に基づいて、測定された第1の距離の距離補正を行うことができる。
【0019】
例えば距離測定装置の回転運動によって引き起こされる、そこに提供された距離センサの再現可能でない変位、およびそれにより生じる測定値のずれ(falsification)は、輪郭および位置が既知である参照体に対する第2の距離を決定することによって補償することができる。第1の距離および第2の距離を計算により確定することによって、回転軸と距離測定装置の測定軸とのオフセットを確定して補償することができる。
【0020】
有利な実施形態では、デバイスは、物体を規定通りに受け取るおよび取り付けるための支持体を含む。それを行う際、支持体は、参照フレームまたは参照構造を提供することができ、それに関して、個々の測定された距離を互いに比較することができる。
【0021】
ここで、特に、支持体とホルダとの間、または物体とホルダとの間の相対的な可動性が提供される。有利には、ホルダが、好ましくは静止支持体に対して可動に具現化される。しかし、物体が支持体に直接は配置可能でなく、変位ユニットを介してのみ配置可能であることも想定可能である。これに関して、ホルダが空間内で固定され、物体が支持体に可動に取り付けられる場合、物体とホルダとの相対運動を行うこともできる。
【0022】
さらなる有利な実施形態によれば、デバイスは、少なくとも1つの参照物体(reference object)、特に複数の参照物体を含み、参照物体によって可動ホルダの位置を決定可能である。このために、特に、少なくとも1つの参照物体に対するホルダの相対位置をいくつかのさらなる距離測定位置センサによって確定可能であることが企図され、それにより、最終的に、参照物体に対する距離測定装置の位置を決定することが可能である。ここで、支持体に対する少なくとも1つの参照物体の位置は既知であると仮定することができ、それにより、支持体およびそこに配置可能な物体に対するホルダまたは距離測定装置の位置も、参照物体とホルダとの間の距離を決定することによって決定可能である。
【0023】
好ましい発展形態によれば、可動ホルダに配置された距離測定装置は、測定対象の物体に面する第1の距離センサと、参照体に面する第2の距離センサとを含む。第1の距離センサは、距離測定装置と測定対象の物体との間の距離を測定する働きをし、一方、第2の距離センサは、参照体に対する距離測定装置または第1の距離センサの距離を決定する働きをする。さらに、異なる方向に位置合わせされた少なくとも1つ、好ましくは2つ、またはより好ましくは3つのセンサによって、少なくとも1つ、好ましくは2つ、より好ましくは少なくとも3つの静止参照物体に対するホルダの位置を決定することができる。
【0024】
さらなる好ましい実施形態によれば、第1の距離センサと第2の距離センサは、互いに対して位置を固定される。しかし、第1の距離センサと第2の距離センサは、互いに対して固定の、しかし規定の位置および位置合わせを取ることができ、それにより、第1の距離センサのあらゆる想定可能な位置合わせに関して、第2の距離センサは、参照体に対して、第1の距離センサの回転または揺動によって引き起こされる位置変化を、予め較正された規定の補正測定によって補償することができる。
【0025】
有利には、第1の距離センサと第2の距離センサは、互いに逆向きに、実質的に直径方向で位置合わせされる。第1の距離センサは、物体に向いており、物体上の第1の点までの第1の距離を決定することが可能であり、一方、実際の測定方向に反して位置合わせされた第2の距離センサは、参照体に対する補正測定を行う働きをする。
【0026】
ここで、参照体は、特に、相互回転しないようにホルダに配置され、それにより、第1および第2の回転軸に対して適切な第1および第2の角度によって一意に設定することができる第1の距離センサのあらゆる想定可能な位置合わせに関して、距離測定装置の第2の距離センサは、対応する補正信号を決定することができ、この補正信号は、揺動または回転によって引き起こされる距離測定装置またはその第1の距離センサの位置的な不正確さを補償する働きをすることができる。
【0027】
さらなる有利な実施形態によれば、距離測定装置の距離センサは、少なくとも所定の想像円錐体積内で、空間内でほぼ任意に向きを定めることが可能であり、または任意に位置合わせ可能である。これは以下のことを達成する。すなわち、少なくとも、表面部分に位置する各第1の点に関して、測定対象の物体に対して位置合わせされた第1の距離センサを、前記点の表面垂線にほぼ直交または平行に位置合わせすることができる。
【0028】
さらなる好ましい実施形態によれば、第1の点と第2の点との間の想像接続線は、第1の軸と第2の軸との交差点(crossing point)を横切る。すなわち、好ましくは互いに逆向きに直径方向で位置合わせされた距離測定装置の第1の距離センサと第2の距離センサは、物体表面上の第1の点から参照体の参照面上の第2の点に延びる想像接続線上に位置する。第1の軸と第2の軸との交差点が前記想像接続線上に位置することにより、第1および第2の軸に対する距離測定装置の揺動または回転は、典型的には、単に第1および第2の距離センサを参照面および/または測定対象の物体に対して傾けることによって達成される。
【0029】
さらなる有利な実施形態によれば、参照体は、さらに、ホルダでの距離測定装置の揺動性(swivelable movability)に合わせて調整された参照面を含む。ここで、参照面は、有利には、第2の距離センサによって放出可能な測定信号を参照面によって反射し、第2の距離センサによって再検出することができるように具現化される。ここで、特に、参照面が、それに面する第2の距離センサを可動または枢動可能に取り付けられるように構成されることが企図され、それにより、第2の距離センサの各想定可能な向きまたは位置合わせにおいて、例えば光学的感知に必要とされる参照面に対する直交性条件が保証される。
【0030】
さらなる好ましい実施形態によれば、ここで、さらに、参照面が、実質的に球セグメント状幾何形状(spherical segment−like geometry)を有する実質的に球状の中空ミラーとして具現化されることが企図される。ここで、想像球中心は、有利には、第1および/または第2の軸と実質的に一致する。ここで、さらに、球セグメントの中心が、第1の軸と第2の軸との交差点と実質的に一致することが想定可能である。
【0031】
距離測定デバイスの可動性または光結合特性に適合された、参照面または参照面を含む参照体の例えば球状、楕円状、または他の形状の3次元実施形態は、距離測定装置のあらゆる想定可能な位置合わせに関して、揺動または回転によって引き起こされる距離測定デバイスの位置ずれに対する補正信号を提供することが可能であることが必要とされる。
【0032】
ここで、有利な実施形態によれば、特に、距離測定デバイスが、少なくとも3つ、好ましくは少なくとも6つの位置または長さ変化可能なサスペンション(suspensions)によってホルダに配置されることを企図することができる。例として、個々のサスペンションを、距離測定デバイスの外周の周りに分散させて配置することができ、それにより、個々のサスペンションまたは複数のサスペンションの所期の位置合わせおよび向き再調整または揺動が、全体として、距離測定装置の揺動または回転運動を開始することができる。いわゆるヘキサポッド(hexapod)にほぼ対応するそのような実施形態の場合、位置または長さ変化可能なサスペンションの構成に応じてほぼ任意の仮想回転軸を実現することが可能である。
【0033】
特に、静止軸に対する回転運動は、1つのサスペンションを短縮すると同時に別のサスペンションを延長することによって実施することができる。本発明の趣旨の範囲内で、前述した第1および第2の軸は、位置変化可能にホルダに設定することもできる。サスペンションの長さ変化により、第2の距離センサの位置合わせのみならず、第2の距離センサの距離も参照面に対して変化する場合、これは、第1の距離センサの測定信号の評価にはほぼ影響がない。なぜなら、例えば、物体表面上の第1の点までの距離を決定する目的での絶対距離測定のために、第1の距離センサと第2の距離センサによって生成することができる信号の和または差の形成が使用されるからである。
【0034】
当然、例えば距離測定装置の回転または揺動運動によって引き起こされるホルダに対する位置変化は、参照体に形成された参照面に対する距離測定によって正確に補償することができる。
【0035】
さらに、さらなる実施形態によれば、距離測定装置が、第2の軸の周りで回転可能にカンチレバーに配置された支承部によって、ホルダに配置されることが企図される。この場合に第2の軸を成すまたは保つ支承部は、好ましくは、例えば球状の中空球として具現化される参照体の参照面の球セグメント状幾何形状の想像中心点に位置される。対照的に、支承部、したがってまた距離測定装置が回転可能に配置されるカンチレバーは、カンチレバーに対する距離測定装置の非常に自由な回転性を可能にする所定の長さまたは幾何形状を有する。いわゆるジンバルにほぼ対応するそのような実施形態の場合、サスペンションの構成に応じて、距離測定装置の実質的に任意の位置合わせを実現することが可能である。
【0036】
さらなる好ましい実施形態によれば、カンチレバー自体が、第1の軸の周りで回転可能にホルダに取り付けられる。ここで、第1の回転軸と第2の回転軸は、特に、互いに直交または垂直に位置合わせすることができる。さらに、第1の軸と第2の軸とが、カンチレバーと支承部との相互接続点で交差することが想定可能であり、有利には用いられる。
【0037】
さらなる有利な実施形態によれば、さらに、制御ユニットが提供され、制御ユニットは、物体の表面部分の第1の点の表面垂線に実質的に沿って第1の距離センサを位置合わせするように構成される。ここで、制御ユニットは、好ましくは、第1の距離センサの実質的に自動のまたは独立した調節および回転運動を実施する働きをし、したがって、それによって放出される光信号は、物体またはその表面部分によって反射されて戻される。
【0038】
物体の反射面の場合、放出された信号に対して約180°の範囲内での回帰反射が存在する。しかし、センサ実施形態によっては、検査対象の表面部分の表面垂線から最大3°、5°、または10°だけ逸脱した幾何形状でも、距離を決定するのに十分である。粗い表面または散乱する表面の場合、測定対象の表面部分の表面垂線に対する、表面垂線からずれたセンサの様々な位置合わせが必要とされることもある。
【0039】
好ましい実施形態では、特に、参照体と、揺動可能または回転可能に配置された距離センサとを含む可動ホルダが、物体に対してスキャン運動で移動される、または可動であることが企図される。ここで、物体は、第1の距離センサによって放出される第1の測定ビームによる、測定対象の物体部分に沿ったスキャンに従ってスキャンすることができる。スキャニング連続感知運動の範囲内で、支持体または物体に対して可動のホルダが、その参照体と共に移動される。当然、代替として、物体を測定する目的で、ホルダが静止型で具現化され、一方、支持体が、そこに配置された物体と共にホルダに対して移動されることもできる。ホルダと物体との間、または距離測定装置と物体との間の相対運動は、所定の運動パターンに従うことができる。したがって、例として、ほぼ直線的に、蛇行して、または螺旋状に物体の表面をスキャンすることができる。
【0040】
ホルダと物体との相対運動がどのように実現されるかに関わらず、参照体と測定対象の物体の表面との間の距離は、2つの距離センサを含む距離測定装置によってそれぞれ決定することができ、距離センサは、好ましくは、互いに逆向きに直径方向で位置合わせされる。最後に、測定される物体の輪郭および表面特性は、複数の確定された距離測定値の好ましくは電子的な評価の比較から導出することができる。
【0041】
さらに、第1のセンサによって確定可能な距離値を補正するために、第2の距離センサによって確定可能な参照体までの第2の距離を直接使用可能であることが特に有利であることが判明した。
【0042】
最後に、さらなる好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの位置センサがホルダに結合され、位置センサによって、少なくとも1つの参照物体に対するホルダの空間的位置を決定可能とすることができる。ここで、特に、少なくとも2つ、好ましくは3つの位置センサがホルダに結合される、特にホルダに配置されること、および上記の目的で特に具現化された参照物体が、好ましくは3つの位置センサの各1つに関して提供される。ホルダの光学位置決定中に提供される参照物体の位置および輪郭は、例えば適切な較正によって正確に決定することができる。
【0043】
少なくとも1つの参照物体に対する、または空間内で分散された3つの参照物体に対するホルダの位置を決定することによって、参照物体、したがってそれによって形成される参照系に対するホルダの位置を正確に確定することができる。さらに、少なくとも1つの参照物体が支持体に対して固定された幾何学的関係を有する場合、例えば、支持体およびそこに配置可能な物体に対して少なくとも1つの参照物体の位置を固定可能である場合、例えば3つの空間的方向すべてで参照物体に対するホルダの位置を光学的に決定することによって、ホルダ、その参照体、および参照体に形成された参照面の相対位置を決定することが可能である。
【0044】
そのような粗い決定を基礎として、測定対象の物体の表面と距離測定装置、特に参照面との間の実際の距離は、距離測定装置によって、例えばナノメートル範囲またはさらにはサブナノメートル範囲内で非常に正確に決定することができる。ここで、測定対象の物体の表面のトポグラフィは、2つの非常に正確に決定可能な相対距離から確定することができる。第1に、支持体とホルダとの間の距離を決定することが可能であり、第2に、ホルダと物体との間の距離を決定することが可能である。最後に、既知の寸法を有する少なくとも1つの適切なマスタ物体(master object)によって系全体が前に較正されていると仮定して、これらの相対距離から物体の表面を支持体に相関させることができる。
【0045】
この実施形態では、上述した3つの位置センサは、ホルダに配置することができ、またはホルダから離して少なくとも1つの参照物体または複数のそれぞれ提供される参照物体に配置することができる。3つの空間的方向(x、y、z)にほぼ位置合わせされた3つの位置センサがホルダに配置される場合、少なくとも1つの参照物体が、測定対象の方向(x、y、z)に対応する3つのミラー面を提供することができる。
【0046】
物体に関する表面測定処置を実施する前に測定デバイス全体を較正するために、これらのミラー面は、その輪郭および表面特性について予め正確に記録されている。ホルダが少なくとも1つの参照物体、好ましくは3つの個別の参照物体に対して、しかし特に支持体に対して3つの空間的方向すべてで可動に取り付けられると仮定して、そのような較正が必要である。
【0047】
その発展形態によれば、3つの位置センサに加えて3つのさらなる支持体センサ(support sensors)を提供することもでき、それらのさらなる支持体センサによって、少なくとも1つの参照物体に対して、および/または物体を支持する変位ユニットに対する支持体の空間位置を決定可能である。ここで、特に、物体を支持する支持体または物体自体が、ホルダまたはそこに配置された距離測定装置に対する運動の主体とすることができる。ホルダと物体、または例えば支持体自体もしくは変位ユニットの形態での物体を支持する構造との両方が可動に取り付けられる場合、全体として、物体とホルダとの間の相対運動が3つの空間的方向すべてで実現可能であることにのみ留意すればよい。
【0048】
したがって、例えば、ホルダは、例えば支持体の表面垂線に直交または平行なただ1つの空間的方向で可動に取り付けられ、支持体は、支持体から離れて位置する参照物体に対して、支持面にほぼ平行に可動に取り付けられることができる。
【0049】
単に監視目的で、特に支持面内で動く場合に支持体が実際に支持面内に留まっているかどうかを監視する目的で、例えば支持体の運動に対応する例えば2次元の参照物体を、ホルダとは逆側の支持体の下面に提供すべきである。支持面内または支持面に平行な支持体の可動構成の場合、支持面にほぼ直交または垂直に位置合わせされた1次元の並進運動性をホルダに提供することができる。
【0050】
3つの運動自由度をホルダおよび支持体の運動に分割することによって以下のことを達成することができる。すなわち、特に、支持体上に位置された物体とホルダとの相対位置を決定するために、2次元で構成された参照物体は1つしか必要なく、残りの支持体センサおよび位置センサに関する残りの参照物体は、例えば1次元の参照ストリップまたは参照ロッドの形態で構成することができる。
【0051】
平坦にまたは2次元で構成される参照物体の減少は、実質的に製造作業を減少させ、特に、そのようなデバイスに関する組立ておよび設置作業を減少させる。デバイスの位置的に正確な較正に関して、支持体位置を決定するように構成された位置センサの測定および較正は比較的複雑である。ホルダおよび/または支持体の運動または位置決めに関する自由度を減少させることによって、実装すべき位置センサおよび支持体センサの全体の数が増加するが、個々のセンサに関するコストならびに製造費、特に組立て費用および調節費は、実際上、平坦実施形態での大面積参照物体の較正または参照に比べて有利であることが判明している。
【0052】
さらなる好ましい実施形態では、距離測定装置が回転可能に取り付けられる2つの軸が、距離測定装置の2つの距離センサの幾何学的中心と測定対象の物体との間に位置されることが企図される。この結果、特に物体の表面のスキャン感知に関して有利な効果が生じ得る。物体に向けられた回転軸の変位は、ホルダの変位経路を短縮し、スキャン速度を効果的に高めることができる。ここで、例えばホルダおよび距離測定装置を移動させるために提供される様々な駆動機構が作動される場合に特に有利であることが分かっており、それにより、いわば、スキャンプロセス中、ホルダの外部に位置する、さらには時として物体の表面上に位置する仮想回転軸が生じる。
【0053】
これに関して、距離測定装置が物体の表面上の第1の点に関して揺動可能であるように、ピボット軸の形態で距離測定装置を揺動および/または変位させることが想定可能である。
【0054】
最後に、さらなる独立した態様によれば、上述したデバイスを使用して物体の少なくとも1つの表面部分を測定するための方法が提供される。ここで、物体と、第1の軸および第2の軸に対して揺動可能に取り付けられた参照体と距離測定装置が配置されたホルダとが、少なくとも第1の方向(x、y、z)で互いに対して移動され、距離測定装置(42)が、2つの軸に対して揺動され、さらに、物体の表面部分の第1の点までの第1の距離と、それに対応する参照体の第2の点までの第2の距離とが、距離測定装置によって決定される。
【0055】
ここで、物体は、好ましくは、例えば光学的にホルダの無接触感知運動によってスキャンされ、または物体の表面上に集束される測定ビームによって感知される。
【0056】
ここで、ホルダによって、物体の表面部分上の第1の点までの第1の距離と、参照体上の第2の点までの第2の距離とが決定され、ホルダは、少なくとも1つの参照物体に対して可動であり、ホルダには、参照体および距離測定デバイスが配置される。距離を決定するために、距離測定装置が、ホルダ上で第1の軸および第2の軸に対して揺動される。
【0057】
ホルダの位置、参照体の位置、および/または参照物体に対する距離測定装置の位置が、予め既知であり決定されている、または同時に決定される場合、第1の距離センサと第2の距離センサによって確定される2つの距離から、距離測定装置と参照体および測定対象の表面部分との間の距離を正確に、すなわちナノメートル範囲の精度で決定することができる。
【0058】
表面部分を感知することによって、例えばスキャン運動、または表面部分上で様々な方向で感知する運動(この運動は、距離測定装置によって放出される光感知信号または感知ビームの運動である)によって、表面部分全体を感知し、それに対応して表面部分全体を測定することが可能である。
【0059】
測定法のさらなる態様は、表面部分を測定するための上述したデバイスの構成および動作から得られる。これに関して、デバイスに対して説明するすべての特性、特徴、および動作モードが、上述した方法にも同様に当てはまり、逆も成り立つ。
【0060】
本発明のさらなる目標、特徴、および有利な適用オプションを、例示的実施形態の以下の例でより詳細に説明する。ここで、図面に示される、およびまた本文で述べられるすべての特徴が、単独でも、任意の妥当な組合せでも、本発明の主題を成す。