特許第6309009号(P6309009)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6309009前立腺の治療のための薬物送達システム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6309009
(24)【登録日】2018年3月23日
(45)【発行日】2018年4月11日
(54)【発明の名称】前立腺の治療のための薬物送達システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/7068 20060101AFI20180402BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20180402BHJP
   A61P 13/08 20060101ALI20180402BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20180402BHJP
   A61K 9/16 20060101ALI20180402BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20180402BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20180402BHJP
   A61M 37/00 20060101ALI20180402BHJP
【FI】
   A61K31/7068ZMD
   A61P35/00
   A61P13/08
   A61K9/20
   A61K9/16
   A61K9/06
   A61K9/48
   A61M37/00 550
【請求項の数】18
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-530139(P2015-530139)
(86)(22)【出願日】2013年9月3日
(65)【公表番号】特表2015-528469(P2015-528469A)
(43)【公表日】2015年9月28日
(86)【国際出願番号】US2013057841
(87)【国際公開番号】WO2014036556
(87)【国際公開日】20140306
【審査請求日】2016年7月22日
(31)【優先権主張番号】61/696,029
(32)【優先日】2012年8月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514274409
【氏名又は名称】タリス バイオメディカル エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ギーシング,デニス
【審査官】 中尾 忍
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/106714(WO,A1)
【文献】 CORONAUER,M.V. et al.,"Inhibitory Effects of the Nucleoside Analogue Gemcitabine on Prostatic Carcinoma Cells",Prostate,1996年 3月,Vol.28,No.3,P.172-181,ISSN 1097-0045
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/7068
A61K 9/06
A61K 9/16
A61K 9/20
A61K 9/48
A61M 37/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲムシタビンを含む薬剤であって、前立腺内で薬物の治療濃度を生じさせるために十分な、膀胱内の尿中の薬物の持続的な濃度を達成するように、患者の膀胱内に前記ゲムシタビンを局所的に投与することによる前立腺の治療に使用するための薬剤であり、
前記患者の膀胱への前記局所的投与が、1mg/日〜約300mg/日の前記ゲムシタビン平均量においてなされる、薬剤。
【請求項2】
前記患者の膀胱内への前記局所的投与が継続的である、請求項1に記載の薬剤。
【請求項3】
前記患者の膀胱内への前記局所的投与が、少なくとも2時間の期間にわたって継続的である、請求項2に記載の薬剤。
【請求項4】
前記患者の膀胱内への前記局所的投与が間欠的である、請求項1に記載の薬剤。
【請求項5】
前記ゲムシタビンが、持続期間にわたって前記膀胱内の前記尿中に前記ゲムシタビンを継続的に放出する膀胱内薬物送達デバイスから、前記膀胱内に送達される、請求項1に記載の薬剤。
【請求項6】
前記膀胱内薬物送達デバイスが、少なくとも2時間の期間にわたって、前記膀胱内の前記尿中に前記ゲムシタビンを継続的に放出する、請求項に記載の薬剤。
【請求項7】
前記膀胱内薬物送達デバイスが、1日〜14日間の期間にわたって、前記膀胱内の前記尿中に前記ゲムシタビンを継続的に放出する、請求項に記載の薬剤。
【請求項8】
前記膀胱内薬物送達デバイスが、前記薬物を収容して制御可能に放出する筺体を備え、かつ前記デバイスを患者の膀胱内に保持するように構成される保持形状と、前記患者の尿道を通る前記デバイスの通過のための配置形状と、の間で、弾性的に変形可能である、請求項に記載の薬剤。
【請求項9】
前記筺体に収容される前記薬物が、非液体形態である、請求項に記載の薬剤。
【請求項10】
前記非液体形態が、錠剤、顆粒剤、半固体剤、カプセル剤、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項に記載の薬剤。
【請求項11】
前記患者の膀胱内への前記局所的投与が、最大7日間にわたって、1mg/日〜100mg/日の前記ゲムシタビンの範囲である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項12】
前記患者の膀胱内への前記局所的投与が、最大7日間にわたって、20mg/日〜300mg/日の前記ゲムシタビンの範囲である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項13】
薬物送達デバイスであって、当該薬物送達デバイスが前記膀胱内に挿入されると前記ゲムシタビンを放出するように構成される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の薬剤を含む、薬物送達デバイス。
【請求項14】
膀胱内挿入のために構成される筺体と、
ゲムシタビンを含む投薬形態と、を備える、医療デバイスであって、
前記筺体が、前記投薬形態を保持し、前立腺の治療に対する治療有効量で、前記膀胱内に前記ゲムシタビンを放出するように構成され、
前記デバイスが、前立腺癌の治療に使用するためのゲムシタビンを、1mg/日〜約300mg/日の前記ゲムシタビン平均量で、前記膀胱内に放出するように構成される、医療デバイス。
【請求項15】
前記筺体に収容される前記ゲムシタビンが、非液体形態である、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記筺体が、前記デバイスを患者の膀胱内に保持するように構成される保持形状と、前記患者の尿道を通る前記デバイスの通過のための配置形状と、の間で、弾性的に変形可能である、請求項14に記載のデバイス。
【請求項17】
最大7日間にわたって、1mg/日〜100mg/日の前記ゲムシタビンを放出するように構成される、請求項1416のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項18】
最大7日間にわたって、20mg/日〜300mg/日の前記ゲムシタビンを放出するように構成される、請求項1416のいずれか一項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
前立腺の治療のための薬物送達システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2012年8月31日出願の米国仮特許出願第61/696,029号の利益を主張するものである。
【0003】
前立腺への診断薬又は治療薬の送達は困難である。現在の慣例は、例えば、静脈内、筋肉内、経口、経皮、又は鼻腔内経路などによる、健康な組織への著しい暴露、及び前立腺内での相対的に低い暴露をもたらす用量を使用する全身投与を必要とする。しばしば、全身暴露は、前立腺疾患の治療における治療薬の有用性を制限する、不要又は有害な副作用を引き起こす。
【0004】
末梢的暴露を最小化するための標的及び局所送達の方策が研究され、限られた成功を収めてきた。いくつかの標的方策は、前立腺細胞が、薬物標的リガンド複合体が結合する特定の受容体を発現することに依存する。これらの受容体は常に存在しない場合があり、この手法の実用性を制限する。前立腺細胞上の受容体密度は、大幅に変動して前立腺に送達される薬物の実際量を制限する場合もある。さらに、体内の他の細胞もまた、不要な薬物暴露を引き起こす同じ受容体を発現し得る。最後に、薬物標的リガンド複合体は、前立腺に到達する前に分解され、標的機構を打ち負かす場合がある。
【0005】
前立腺内又は付近への直接注射も試されてきた。痛み及び感染症の危険性があるため、患者の承諾は少ない。さらに、薬物の平均滞留時間は相対的に短いことが多く、それは治療のための頻回注射の使用を余儀なくする。さらに、注射の間の前立腺腫瘍の破壊は、転移反応を引き起こし得る。デポー製剤は前立腺内の薬物の存在を延ばすが、前立腺内に注射されて局所組織の毒性を向上させることができる薬物の量を低減する。
【0006】
前立腺付近に設置される放射性ヌクレオチド含有ペレットは、前立腺癌の治療に使用されるが1つの治療様式しか提供しない。放射線療法はまた非選択的であり、神経を含む周囲の健康な組織構造体への著しい損傷を引き起こす。
【0007】
前立腺部尿道内に設置されるステントを溶出する坐薬又は薬物の使用が知られているが、これらは設置が困難であり、男性において不十分な耐用性を示す。さらに、これらの送達手段は、限られたペイロード用量を有する。
【0008】
したがって、前立腺癌又は前立腺炎の治療などにおける、前立腺の治療のための改善された薬物送達方法及びシステムの必要性が依然として残る。
【発明の概要】
【0009】
一態様において、前立腺内で薬物の治療濃度を生じさせるために十分な、膀胱内の尿中の薬物の持続的な濃度を達成するように、患者の膀胱内にゲムシタビンを局所的に投与することによる前立腺の治療に使用するための、ゲムシタビンを含む薬剤が提供され、患者の膀胱内への局所的投与は、1日当たり1mg〜約300mgの平均量においてなされる。ゲムシタビンの局所的投与は、継続的又は間欠的であってもよい。一実施形態において、患者は前立腺癌の治療を必要とする。一実施形態において、ゲムシタビンは、持続期間にわたって膀胱内の尿中にゲムシタビンを継続的に放出する膀胱内薬物送達デバイスから、膀胱内に送達される。代替的な実施形態において、ゲムシタビンは、膀胱に塗布されるコーティング物質から膀胱内に送達され、そのコーティング物質は、持続期間にわたって、膀胱内の尿中にゲムシタビンを継続的に放出する。コーティング物質は、粘膜付着性製剤を含んでもよい。さらなる代替的な実施形態において、ゲムシタビンの液体形態は、膀胱内に挿入される尿道カテーテルを通じて、膀胱内にポンピングされる。様々な実施形態において、ゲムシタビンは、少なくとも2時間の期間、例えば1日〜14日間にわたって、患者の膀胱内に継続的に放出される。一実施形態において、ゲムシタビンは、最大7日間にわたって、1日当たりゲムシタビン1mg〜約100mgの平均量で、患者の膀胱内に放出される。別の実施形態において、ゲムシタビンは、最大7日間にわたって、1日当たり20mg〜300mgの平均量で、患者の膀胱内に放出される。
【0010】
別の態様において、ゲムシタビンの膀胱内投与のための医療デバイスを提供する。一実施形態において、該医療デバイスは、膀胱内挿入のために構成される筺体と、ゲムシタビンを含む投薬形態と、を含み、該筺体は、投薬形態を保持し、前立腺の治療に対する治療有効量で、膀胱内にゲムシタビンを放出するように構成され、該デバイスは、ゲムシタビン1日当たり1mg〜約300mgの平均量で、膀胱内にゲムシタビンを放出するように構成される。筺体に収容されるゲムシタビンは、非液体形態であってもよい。該筺体は、該デバイスを患者の膀胱内に保持するように構成される保持形状と、患者の尿道を通る該デバイスの通過のための配置形状との間で、弾性的に変形可能であり得る。一実施形態において、該デバイスは、最大7日間にわたって、1日当たり1mg〜100mgのゲムシタビンを放出するように構成される。別の実施形態において、該デバイスは、最大7日間にわたって、1日当たり20mg〜300mgのゲムシタビンを放出するように構成される。
【0011】
さらに別の態様において、前立腺の治療を必要とする患者に薬物を投与する方法を提供する。該方法は、前立腺内でゲムシタビンの治療濃度を生じさせるために十分な、膀胱内の尿中ゲムシタビンの持続的な濃度を達成するように、患者の膀胱内にゲムシタビンを局所的に投与することを含む。一実施形態において、該方法は、少なくとも第2の治療薬を患者に投与することを含む。第2の治療薬は膀胱内に投与されてもよい。第2の治療薬は、細胞毒性剤、鎮痛剤、抗炎症剤、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。第2の治療薬は、膀胱炎を防止、治療、又は改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】A〜Bは、本明細書で説明される通り、ゲムシタビンの投与に使用可能である膀胱内薬物送達デバイスの、一実施形態を図示する。
図2】A〜Bは、本明細書で説明される通り、ゲムシタビンの投与に使用可能である膀胱内薬物送達デバイスの、別の実施形態を図示する。
図3】A〜Cは、本明細書で説明される通り、ゲムシタビンの投与に使用可能である膀胱内薬物送達デバイスの、さらに別の実施形態を図示する。
図4】A〜Bは、本明細書で説明される通り、ゲムシタビンの局所投与のために、患者の膀胱内に膀胱内薬物送達デバイスを挿入する方法を図示する。
図5A】本明細書で説明される通り、ゲムシタビンの局所投与のために、膀胱壁の内表面に塗布される材料を図示する。
図5B】本明細書で説明される通り、ゲムシタビンの局所投与のために、膀胱壁の内表面上にコーティング材料を塗布する方法を図示する。
図6】膀胱内に液体薬物又は薬物製剤を塗布する方法を図示する。
図7】膀胱灌流及び静脈内投与後の、前立腺内のゲムシタビンの濃度を図示する。
図8】膀胱灌流及び静脈内投与後の、ゲムシタビンの血漿レベルを図示する。
図9】膀胱灌流及び静脈内投与後の、膀胱内の14Cゲムシタビン濃度を図示する。
図10】膀胱灌流後の、オキサリプラチン末端濃度を図示する。
図11】膀胱灌流及び静脈内投与後の、シスプラチン末端濃度を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
薬物の全身暴露を最小化しながら、短又は長期間にわたって、治療有効量のゲムシタビンを患者の前立腺に送達するために、膀胱内投与が利用可能であることが発見されている。例えば、前立腺内で薬物の治療濃度を生じさせるために十分な濃度及び期間で、制御された量の薬物を患者の膀胱内の尿中に溶解することができる。全身循環への尿成分の吸収を膀胱が制限するため、薬物への全身暴露が有利に最小化される。
【0014】
様々な方法を使用して、必要な尿中のゲムシタビン濃度を達成することができる。一実施形態において、薬物は、膀胱内への単純溶液の直接滴下によって提供され得る。例えば、治療期間にわたって、尿道又は恥骨上カテーテルを通じて、継続的又は脈動的方式で、薬物の溶液を膀胱内にポンピングしてもよい。別の実施形態において、薬物は、膀胱内に配置されるデバイス又は組成物から放出され、該デバイス又は組成物は、指定の治療期間にわたって、尿中の薬物の所望の濃度を生じさせるために有効な速度で、薬物を(継続的又は間欠的に)放出する。例えば、薬物は、膀胱内に挿入されるデバイスから膀胱内に放出され得、次いで該薬物は、膀胱から前立腺に拡散する。治療期間の終了時に、デバイスは、膀胱から回収されるか、再吸収、溶解、排泄、又はそれらの組み合わせによって除去されることができる。
【0015】
好ましい実施形態では、該薬物はゲムシタビンであり、これは前立腺癌の治療に有効である。前立腺疾患を治療するためのゲムシタビンの治療実用性は、膀胱内投与後の前立腺への取り込み、及び前立腺腫瘍細胞に対する高い内因性薬物の効力を促進する、化合物の物理的及び化学的性質の特有の組み合わせの結果であると考えられる。以下の実施例を参照されたい。
【0016】
他の実施形態において、薬物は、本質的には、前立腺癌、前立腺肥大、又は前立腺炎の治療に有用なものを含むがこれらに限定されない、任意の適切な薬物であり得る。例えば、薬物は、抗生物質、アルファ遮断薬、抗炎症薬、アルファ1A抗アドレナリン薬、抗アンドロゲン薬、微小管阻害薬、又は5アルファ還元酵素阻害薬であってもよい。他の薬物の例としては、シプロフラキシン、トリメトプリム、ドセタキセル、及びフィナステリドが挙げられるがこれらに限定されない。
【0017】
好ましい実施形態では、該薬物は、膀胱内デバイスから前立腺に投与される。膀胱内薬物送達デバイス及びこれらのデバイスを膀胱内に配置する方法の好ましい例は、以下の米国特許出願公開において説明されている:米国特許出願公開第2012/0203203号(Leeら)、同第2012/0089122号(Leeら)、同第2012/0089121号(Leeら)、同第2011/0218488号(Boykoら)、同第2011/0202036号(Boykoら)、同第2011/0152839号(Cimaら)、同第2011/0060309号(Leeら)、同第2010/0331770号(Leeら)、同第2010/0330149号(Danielら)、同第2010/0003297号(Tobiasら)、同第2009/0149833号(Cimaら)、及び同第2007/0202151号(Leeら)。
【0018】
膀胱内薬物送達デバイスから薬物が送達される実施形態において、様々な形態のデバイス内に、薬物を収容してもよく、それは、特定の機構であって、それによりデバイスが膀胱内の流体(例えば、尿)中に薬物を制御可能に放出する機構によって決まり得る。いくつかの実施形態において、薬物は、固体、半固体、又は他の非液体形態で提供され得、それはデバイス使用前の薬物の安定保管を有利に促進し得、薬物が溶液の形態で収容された場合に可能なものよりも小さな体積で、デバイスの薬物ペイロードが保管されることを有利に可能にし得る。一実施形態において、非液体形態は、錠剤、顆粒剤、半固体剤、カプセル剤、及びそれらの組み合わせから選択される。一実施形態において、薬物は、例えば、米国特許第8,343,516号において説明されているミニ錠剤などの、複数の錠剤の形態を取る。他の実施形態において、薬物は、例えば、薬学的に許容される賦形剤を有する溶液内などの、液体形態で収容されてもよい。
【0019】
薬物送達デバイス100の一実施形態を図1Aに図示する。デバイス100は、薬物貯蔵部102及び保持フレーム部104を有するデバイス本体を含む。図1において、デバイス100は、体内での保持に適した、相対的に拡張した形状で示される。体内への配置後、デバイス100は、体腔又は内腔内に薬物送達デバイスを保持するために、相対的に拡張した形状を取ることができる。
【0020】
本開示の目的のために、「相対的に拡張した形状」、「相対的に高プロファイルの形状」、又は「保持形状」などの用語は、図1に示す膀胱内にデバイスを保持するのに適したプレッツェル形状を含むがこれに限定されない、意図される移植位置にデバイスを保持するのに適した任意の形状を、一般的に意味する。同様に、「相対的に低プロファイルの形状」又は「配置形状」などの用語は、尿道内に位置するカテーテル、膀胱鏡、又は他の配置器具のワーキングチャネルを通じてデバイスを配置するのに適した線状又は細長い形状を含む、薬物送達デバイスを体内に配置するのに適した任意の形状を、一般的に意味する。複数の実施形態において、薬物送達デバイスは、相対的に拡張した形状を自然に取り得、手動又は外部装置の補助を用いてのいずれかによって、体内への挿入のための相対的に低プロファイルの形状に変形され得る。一度配置されると、デバイスは、体内での保持のための初期の相対的に拡張した形状に、自発的又は自然に復帰することができる。
【0021】
図示の実施形態では、薬物送達デバイス100の薬物貯蔵部及び保持フレーム部102、104は、長手方向に整列され、その長さに沿って互いに結合されているが、他の構成は可能である。薬物送達デバイス100は、薬物貯蔵内腔108(即ち、薬物筺体)及び保持フレーム内腔110を画定する、弾性又は可撓性のデバイス本体106を含む。薬物貯蔵内腔108は、薬物を含む薬物製剤を収容するように設計される。図示の実施形態において、薬物製剤は、複数の固体薬物錠剤112の形態を取る。保持フレーム内腔110は、保持フレーム114を収容して保持フレーム部104を形成するように設計される。他の構成は可能であるが、図示の内腔108、110は、互いから分離している。
【0022】
図1Bの断面図に示す通り、デバイス本体106は、薬物貯蔵内腔108を画定するチューブ又は壁122、及び保持フレーム内腔110を画定するチューブ又は壁124を含む。チューブ122、124及び内腔108、110は、薬物貯蔵内腔108が保持フレーム内腔110よりも相対的に大きい直径を有する状態で、実質的に円筒状であってもよいが、例えば、送達される薬物量、保持フレームの直径、及び配置器具の内径などの配置の考察に基づいて、他の構成を選択してもよい。示される通り、保持フレーム内腔110が薬物貯蔵内腔108と同じ長さを有するように、保持フレーム内腔110を画定する壁124は、薬物貯蔵内腔108を画定する壁122の全長に沿って延在してもよいが、他の実施形態では、一方の壁が他方の壁より短くてもよい。図示の実施形態では、2つの壁122、124は、デバイスの全長に沿って取り付けられているが、間欠的な取り付けを採用してもよい。
【0023】
図1Aに示す通り、薬物貯蔵内腔108には、直列配列の複数の薬物ユニット112が装填される。本質的に、例えば、貯蔵部及び薬物ユニットの寸法に応じて、任意の数の薬物ユニットを使用することができる。薬物貯蔵内腔108は、第1の端部開口部130及び対向する第2の端部開口部132を含む。薬物ユニット112が装填されると、抑制プラグ120が開口部130及び132内に配置される。抑制プラグ120は、この実施形態では、入口130及び出口132内に固定される円筒状プラグである。他の実施形態では、開口部130及び132は、特定の実施形態によっては、使用中の水又は薬物の移入又は放出を促進するための、アパーチャー又は水もしくは薬物透過性壁を含み得る、他の構造体又は材料で塞がれる。
【0024】
保持フレーム内腔110には、弾性ワイヤであり得る保持フレーム114が装填される。保持フレーム110は、例えば、図示の例「プレッツェル」形状、又は以前に組み込まれた出願において開示されるものなどの、別のコイル状の形状などの、保持形状に自発的に復帰するように構成されてもよい。特に、保持フレーム114は、例えば膀胱内などの体内に、デバイス100を保持することができる。例えば、保持フレーム114は、デバイス100が相対的に低プロファイルの形状で体内に導入されることを可能にし、デバイス100が一度体内に入ると相対的に拡張した形状に復帰することを可能にし、排尿筋の収縮及び排尿に関連する流体力などの予期される力に対して、体内でデバイスが相対的に低プロファイルの形状を取ることを妨げる、弾性限界及び係数を有し得る。それ故に、デバイス100は、一度移植されると、体内に保持されることができ、偶発的な排出を制限又は防止する。
【0025】
デバイス本体106の形成に少なくとも部分的に使用される材料は、デバイス100が配置形状と保持形状との間で変化することを可能にするように、弾性又は可撓性であり得る。デバイスが保持形状であるとき、保持フレーム部104は、示される通り、薬物貯蔵部102内にある傾向があり得るが、他の場合では、保持フレーム部104は、薬物貯蔵部102の内側、外側、上方、又は下方に位置することができる。
【0026】
デバイス本体106の形成に使用される材料は、デバイスが移植されると、可溶化流体(例えば、尿又は他の体液)が薬物貯蔵部102に入り、薬物ユニット112を可溶化することができるように、透水性であってもよい。例えば、シリコーン又は別の生体適合性エラストマー材料が使用可能である。他の実施形態では、デバイス本体は、少なくとも部分的に、不透水性材料で形成されてもよい。
【0027】
図2Aは、薬物212が装填された薬物貯蔵部202と、締結具230に関連する2つのフィラメント220、222を含む保持構造体と、を含む、移植可能な薬物送達デバイス200を図示する。示される通り、薬物貯蔵部202は、図2Aに示される形状のような、相対的に線状の配置形状と、図2Bに示される形状のような、相対的に円形の保持形状との間で変形可能な、細長いチューブである。薬物貯蔵部102が2つの形状の間で変化可能なように、可撓性形態のチューブ内に薬物212を装填することができる。例えば、薬物212は、複数の固体薬物錠剤、液体、又はゲルであり得る。フィラメント220、222を、薬物貯蔵202の反対端に取り付け、締結具230で連結してもよい。締結具230は、他方の222を参照して一方のフィラメント220の位置を調節し、それによって他方の端部を参照して薬物貯蔵部202の一方の端部を調節するように調節可能である。デバイス200は、薬物貯蔵部202の両端部を近づけるようにフィラメント220、222を調節することによって、保持形状を取ることができ、その後、デバイス200は、フィラメント220、222の調節を締結具230で防止することによって、保持形状に保持されることができる。かかる実施形態では、デバイス200は、膀胱内にデバイス200が挿入された後、フィラメント220、222を手動で調節することによって、保持形状に手動で調節される。
【0028】
図示の実施形態では、締結具230は、薬物貯蔵部端部とシンチナットとの間のフィラメント220、222の部分を短縮することを可能にするが、フィラメント220、222のこれらの部分を延長することを防止する、シンチナットである。それ故に、フィラメント220、222のうちの一方又は両方を、シンチナットを通して引っ張ることによって、薬物貯蔵部202の両端部を近づけ、デバイス200に保持形状を取らせることができる。フィラメント220、222がそのように調節されると、シンチナットはフィラメント220、222の延長を防止し、デバイスを保持形状に保持する。それ故に、移植後にデバイス200を保持形状に手動で調節することは、フィラメント220、222のうちの一方又は両方を引っ張ることを必要とするに過ぎないが、別個の操作を必要とする他の締結具230を採用してもよい。他の締結具も使用可能である。
【0029】
膀胱内薬物送達デバイスの別の実施形態を図3A〜3Cに図示する。この実施形態では、デバイスは、複数の分離した薬物貯蔵内腔320を有し、保持フレーム360がその中に配置される少なくとも1つの保持フレーム内腔330を随意に有する、単一の継続的構造体を有する筺体300を含む。それぞれの薬物貯蔵内腔320は、図3Bに示す通り、2つの画定される開口部を有し、少なくとも1つの固体薬物ユニット340を保持するような寸法である。固体薬物ユニット340は、薬物錠剤又はカプセル剤であってもよい。図示しない他の実施形態では、それぞれの薬物貯蔵内腔は、1つの画定される開口部を有する。例えばシリコーンなどの可撓性ポリマーで筺体を形成してもよい。図3Bは、線3B〜3Bに沿って図3Aに示される筺体の薬物貯蔵内腔320のうちの1つを二分する平面の断面図である。図3Bに示す通り、一体型筺体300は、固体薬物ユニット340の両端を露出する2つの画定される開口部(350a、350b)を、その薬物貯蔵内腔320内に有する。保持フレーム内腔330は、この実施形態では、筺体の長手方向軸に対して平行に、そして薬物貯蔵内腔320に対して直角に整列される。図3Cは、図3Aに示すデバイス300の実施形態の一部の、デバイスがその保持形状にあるときの透視図であり、保持フレーム360が保持フレーム内腔330内に配置されているときに取られている。この実施形態の筺体内の薬物貯蔵内腔320及び保持フレーム360は、薬物貯蔵内腔320が保持フレーム360の弧の外側にあるように方向付けられる。あるいは、保持フレーム360を中心に図3Cの筺体を180度回転させ、薬物貯蔵内腔320が保持フレーム360の弧内に配列される構成を作り出してもよい。この実施形態では、デバイスは、膀胱内に配置及び保持されるとき、固体薬物ユニットの間の、デバイスを包囲する尿との、十分な直接的接触を提供する。複数の実施形態において、デバイスからの薬物の放出は、固体薬物ユニット表面の露出される部分の浸食によって、薬物送達デバイスからの薬物放出の速度が固体薬物ユニットの露出される総表面積に正比例し、それによって制限され得るように制御される。
【0030】
後続の薬物の膀胱内への制御放出のための、膀胱内デバイス400の挿入の一実施形態を、図4A及び4Bに示す。ここで、デバイス400は、デバイスが配置器具402を出ながら保持形状を取っているように示される。配置器具402は、任意の適切なデバイスであり得る。例えば、カテーテル、尿道カテーテル、又は膀胱鏡などの内腔デバイスであってもよい。配置器具402は、商業的に入手可能なデバイス、又は本薬物送達デバイスのために特別に適合されるデバイスであってもよい。図4Bは、膀胱内へのデバイス400の挿入を図示し、成人男性の生体構造が例として示されている。配置器具402が尿道を通じて膀胱に挿入されており、デバイス400が膀胱内に出て示される通りに保持形状になるまで、スタイレットもしくは潤滑剤の流れ又はそれらの組み合わせによって動かされ、配置器具402から/それを通じて、デバイス400が通され得る。
【0031】
様々な実施形態において、薬物筺体の壁を通じる拡散、薬物筺体の壁内の1つ以上の画定されるアパーチャーを通じる拡散、薬物筺体内のアパーチャーを通じる浸透圧、膀胱内の尿と接触する薬物製剤の浸食、又はそれらの組み合わせによって、膀胱内薬物送達デバイスから薬物を放出することができる。
【0032】
デバイスが固体形態の薬物を備えるいくつかの実施形態では、デバイス内の薬物の溶解後に、デバイスからの薬物の溶出が発生する。体液がデバイスに入り、薬物に接触して薬物を可溶化し、その後、溶解された薬物はデバイスから拡散するか、浸透圧下で、又は拡散を介して、デバイスから流れる。例えば、デバイスが膀胱内に移植される場合、尿との接触時に薬物が可溶化され得る。
【0033】
様々な実施形態において、膀胱内デバイスは、例えば、2時間〜2週間、6時間〜1週間、24時間〜72時間などの、1時間〜1ヶ月の期間にわたって、前立腺内で薬物の持続的な治療有効濃度を生じさせる膀胱内の薬物の濃度を達成するように、薬物を継続的又は間欠的に放出することができる。
【0034】
様々な実施形態において、膀胱内デバイスは、1mg/日〜100mg/日、例えば20mg/日〜300mg/日又は25mg/日〜300mg/日の量のゲムシタビン又は他の薬物を放出することができる。
【0035】
別の実施形態では、コーティング物質を膀胱壁に膀胱内塗布してもよく、コーティング物質は、ゲムシタビン又は他の薬物、及び膀胱壁へのコーティング物質の付着を促進する1つ以上の賦形剤材料を含み、治療期間にわたって薬物の継続的な制御放出を提供する。コーティング物質は、例えば、ゲル、軟膏、クリーム、皮膜、乳液ゲル、錠剤、ポリマー、又はそれらの組み合わせなどの、粘膜付着性製剤であり得る。粘膜付着性製剤ポリマーは、ヒドロゲルもしくは親水性ポリマー、ポリカルボフィル(即ち、Carbopolなど)、キトサン、ポリビニルピロリドン(PVP)、レクチン、ポリエチレングリコール化ポリマー、セルロース、又はそれらの組み合わせを含み得る。適切なセルロースとしては、メチルセルロース(MC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、又はそれらの組み合わせが挙げられる。コーティング物質は、透過促進剤を含んでもよい。透過促進剤の非限定的な例としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(NaCMC)、脂質、界面活性剤、又はそれらの組み合わせが挙げられる。図5Aに示す通り、膀胱壁552にコーティング物質500が結合するように、コーティング物質500を膀胱550内に配置してもよい。
【0036】
配置器具を使用して、膀胱内にコーティング物質を配置してもよい。図5Bは、雄性尿生殖器システムの矢状図であり、配置器具502を通じて移植部位内に配置されているコーティング物質500を図示している。例として、男性の生体構造を示し、移植部位を膀胱550として示す。このコーティング物質500は、本明細書で説明されるコーティング物質のうちの1つの一実施形態であり得る。配置器具502は、身体の天然の内腔を通って意図される移植部位に到達するように設計される、任意のデバイスであり得る。膀胱550内での配置のために、配置器具502は、示される通り、患者の尿道560を膀胱550まで通過するような寸法及び形状をしている。配置器具502は、例えば、カテーテルもしくは膀胱鏡、又は特別に設計されるデバイスなどの、既知のデバイスであってもよい。配置器具502は、コーティング物質500を体内に配置するために使用され、その後、コーティング物質500を体内に完全に移植されたまま残して、身体から取り出される。そのように移植されると、コーティング物質500は、長期間にわたって体内に薬物を放出することができる。同等な手順を使用して、他の天然の内腔を通じて、身体の他の部分内に、本明細書で説明されるデバイス又は薬物のうちのいずれかを配置することができる。例えば、図6に示す通り、配置器具602を使用して、尿道660に配置器具602を通すことによって、液体薬物又は薬物製剤600を膀胱650内に配置してもよい。
【0037】
一実施形態において、第2の治療薬が患者に投与される。第2の治療薬は膀胱内に投与されてもよい。本明細書で説明される方法及びシステムを使用して、第2の治療薬を膀胱内に投与してもよい。第2の治療薬は、細胞毒性剤、鎮痛剤、抗炎症剤、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。一実施形態において、第2の治療薬は、膀胱炎を防止、治療、又は改善する。
【0038】
本明細書で説明される膀胱内の方法及びシステムはまた、前立腺に加えて膀胱の局所組織に治療濃度を送達するために使用可能である。例えば、薬物の尿中濃度を特定のレベルに維持することで、尿管、腎臓、尿道、腹膜の下位部、局所リンパ節、子宮、卵巣、直腸及び骨盤底筋系を含む大腸の遠位部内で薬物の治療濃度を達成することができる。
【0039】
用語「患者」とは、本明細書で使用される場合、ヒト、又は獣医学的もしくは家畜用途などの他の哺乳類を意味する。特定の実施形態において、患者は成人ヒト男性である。
【0040】
本発明は、以下の非限定的な実施例を参照して、さらに理解され得る。
【実施例1】
【0041】
膀胱からの前立腺へのゲムシタビン取り込み
【0042】
6又は24時間の継続灌流にわたる膀胱内カニューレによって、又は単一のIVボーラス投与によって、14Cゲムシタビンを投与する、雄のSprague Dawleyラットを用いた研究を実施した。6及び24時間の継続灌流では、それぞれ6.9及び26.6mgのゲムシタビンを膀胱内に灌流した。単一のIVボーラス投与は、5.0mgのゲムシタビンを含んだ。
【0043】
血液(図8)、尿、及び組織試料(例えば、膀胱、前立腺)(図7及び9)を採取し、ゲムシタビン含有量を分析した。結果を図7〜9に図示する。この結果は、持続的なゲムシタビン尿中濃度が、膀胱組織内で、生体外の膀胱癌細胞実験に基づく治療濃度であるかそれを上回る著しいゲムシタビンレベルを生じさせることが発見されたことを示す。膀胱内のゲムシタビンレベルを図9に示し、これは、臨床的に関連するIV投与の24時間後の、膀胱内のゲムシタビンの著しくより低い濃度も示す。
【0044】
図7に示す通り、同様及び予想外の結果を前立腺組織内で観察した。特に、前立腺のゲムシタビン組織中濃度は、IV投与後に観察されたものよりも実質的に高い。さらに、絶対組織レベルは、生体外で前立腺癌細胞を死滅させることが示される濃度を優に上回り、それは10ng/mL〜200ng/mLの範囲である。
【0045】
対照的に、ゲムシタビン前立腺癌患者の第2相臨床研究は限られた有効性を示したことが特筆される。ゲムシタビンのリポソーム製剤が有効性を劇的に向上させるということを動物実験が示したことも特筆され、その活性は、(i)リポソームが急速な代謝からゲムシタビンを保護し得ること、及び(ii)リポソームがゲムシタビンの前立腺組織中濃度を改善し得ることから、改善された腫瘍暴露の結果と考えられた。したがって、尿中へのゲムシタビンの投与後に前立腺組織内のゲムシタビンの予想外の蓄積を示す本動物実験を考慮すると、ゲムシタビンの膀胱内送達は、著しい全身暴露なしに、前立腺癌における優れたゲムシタビンの有効性を生じさせると考えられる。
【実施例2】
【0046】
膀胱からの前立腺への限られたシスプラチン及びオキサリプラチンの取り込み
【0047】
実施例1と同様の研究において、6又は24時間の継続灌流にわたる膀胱内カニューレによって、又は単一のIVボーラス投与によって、雄のSprague Dawleyラットに、オキサリプラチン又はシスプラチンを投与した。図10及び図11に示す通り、オキサリプラチン及びシスプラチン前立腺分割は、シスプラチンに続いて治療的な膀胱中濃度及び腎臓中濃度を達成するが、前立腺内への不十分な分配を示している。
【0048】
本明細書において引用される出版物及び引用される資料は、参照により具体的に組み込まれる。本明細書で説明される方法及びデバイスの修正及び変形は、前述の詳細な説明から当業者には明らかになるであろう。かかる修正及び変形は、添付の特許請求の範囲内に入ることが意図される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11