(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数のアンテナによるアンテナ群は、近距離無線通信(NFC)アンテナ又はブルートゥースアンテナのうち少なくとも1つを更に含む、請求項1に記載のタブレット装置。
前記複数のアンテナが、前記上端に沿って配置されるWi−Fi通信のためのデュアル2対2複数入力複数出力(2×2MIMO)アンテナを含む、請求項4に記載の方法。
前記セルラ通信のための機能は、前記指定された端部における前記コンピュータ装置の対向するコーナーに配置される一対のセルラアンテナにより提供され、前記少なくとも1つの他のタイプの無線機能は、前記指定された端部に沿う前記一対のセルラアンテナの間に配置される1つ以上のアンテナにより提供される、請求項8に記載のコンピュータ装置。
前記アンテナゾーンは、Wi−Fi通信機能を提供する前記指定された端部における前記コンピュータ装置の対向するコーナーに配置される一対のWi−Fiアンテナと、前記一対のWi−Fiアンテナの間で前記セルラ通信を提供するために配置される1つ以上のセルラアンテナとを有する、請求項8に記載のコンピュータ装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
<実施形態の概要>
アンテナ配置技術が説明される。1つ以上の実施形態において、コンピュータ装置は異なる種類の複数のアンテナを有するアンテナ群(antenna suite)を含む。コンピュータ装置の特定のエッジに沿って、アンテナ群についてのアンテナゾーンが設定される。文脈上適切であるならば「アンテナゾーン」は「アンテナ領域」等と言及されてもよい。非干渉性材料(non-interference materials)(例えば、RF透過性材料(RF transparent material))がアンテナゾーン内で使用され、他の材料(例えば、金属)が装置の他の領域に使用されてもよい。アンテナ群のうちの複数の異なる種類のアンテナは、設定されたアンテナゾーン内に配置される。アンテナ間の干渉を最小化し、及び/又は、アンテナ群についてのパフォーマンス目標(performance objectives)を達成するように、アンテナは配置される。一形態では、コンピュータ装置のトップエッジに沿って横方向に一組の5アンテナが配置される。
【0008】
この「概要」の欄は詳細な説明の中で更に後述される内容のうち選択されたものを簡易な形式で紹介するために設けられている。この「概要」は、特許請求の範囲で対象とする事項のうちの主要な特徴や本質的な特徴を特定するようには意図されておらず、特許請求の範囲で対象とする事項の範囲を決定するように使用されることも意図されていない。
【0009】
<図面>
詳細な説明の欄は添付図面を参照しながら説明される。図面において、参照番号のうちの左端の桁は、その参照番号が最初に登場する図面を示す。説明及び図面における様々な要素に同じ参照番号を使用することは、類似する又は同等な要素を指す。図面において表現される要素は1つ以上の要素を表してもよく、説明中の要素の単独又は複数の形式については、可換に参照されてよい。
【0010】
図1は本願で説明される技術を利用するように動作することが可能な一実施形態による環境を示す。
【0011】
図2は
図1のコンピュータ装置の具体的な実現手段を詳細に示す。
【0012】
図3はアンテナ群を示す一実施形態を示す。
【0013】
図4はアンテナ群を示す別の実施形態を示す。
【0014】
図5はアンテナ群を示す別の実施形態を示す。
【0015】
図6はコンピュータ装置の1つ以上のアンテナゾーンの配置を示す実施形態を示す。
【0016】
図7は複数のアンテナゾーンを利用するアンテナ群を示す一実施形態を示す。
【0017】
図8はアクセサリ装置につながるアンテナ群についての一実施形態を示す。
【0018】
図9はアンテナ群を実現するために複数のアンテナゾーンがコンピュータ装置及びアクセサリ装置により提供される一実施形態を示す。
【0019】
図10はコンピュータ装置に対するアクセサリ装置の姿勢の一例を示す。
【0020】
図11はコンピュータ装置に対するアクセサリ装置の姿勢の一例を示す。
【0021】
図12はアクセサリ装置に対するコンピュータ装置の回転方向の一例を示す。
【0022】
図13はコンピュータ装置に対するアンテナ配置を行う手順を示すフローチャートである。
【0023】
図14は、本願で説明される技術を使用するために、
図1〜
図13を参照しながら説明されるような任意のタイプのコンピュータ装置として実現されることが可能な装置例の様々な要素を含むシステム例を示す。
【0024】
<実施形態の詳細な説明>
概 要
異なるアンテナ間の干渉を回避するために、従来の装置は、アンテナの配置のために装置の複数のエッジを利用することによりアンテナを分離し、設計で使用できないことを示すRFキープアウト(RF keep out)とともにこれらのエッジを拘束し、製品設計に大きな制約を課す。従って、従来の配置は或る種の装置とアンテナとの組み合わせにとっては不適切になってしまうかもしれない。
【0025】
アンテナ配置技術が説明される。1つ以上の実施形態において、コンピュータ装置は異なる種類の複数のアンテナを有するアンテナ群を含む。コンピュータ装置の特定のエッジに沿って、アンテナ群についてのアンテナゾーンが設定される。非干渉性材料(例えば、RF透過性材料)がアンテナゾーン内で使用され、他の材料(例えば、金属)が装置の他の領域に使用されてもよい。アンテナ群のうちの複数の異なる種類のアンテナは、設定されたアンテナゾーン内に配置される。アンテナ間の干渉を最小化し、及び/又は、アンテナ群についてのパフォーマンス目標を達成するように、アンテナは配置される。一形態では、コンピュータ装置のトップエッジに沿って横方向に(例えば、左右方向に)一組の5つのアンテナが配置される。
【0026】
以下の議論では、本願で説明される技術を利用してもよい例示的な環境及び装置が、先ず、説明される。次に、例示的な実現手段及び手順が説明され、それらは例示的な環境の中で装置により、及び、他の環境の中で他の装置により使用されてもよい。なお、例示的な実現手段及び手順は例示的な環境/装置には限定されず、例示的な環境/装置は例示的な実現手段及び手順の動作内容等に制限されない。
【0027】
動作環境例
図1は本願で説明される技術を利用するように動作することが可能な一実施形態による環境100を示す。図示される環境100は例示的なコンピュータ装置102を含み、コンピュータ装置102はフレキシブルヒンジ106を介してアクセサリ装置104に物理的かつ通信可能に結合される。コンピュータ装置102は様々な形態で形成されてよい。例えば、コンピュータ装置102は、モバイルフォン、携帯電話、図示されるようなタブレットコンピュータ等のような携帯可能な利用に供するように形成されてもよい。すなわち、コンピュータ装置102は、かなりのメモリ及びプロセッサのリソースを備えるフルリソース装置(full resource device)から、限られたメモリ及び/又は処理のリソースしか備えていないローリソース装置(low resource device)に至る広範囲に及んでよい。また、コンピュータ装置102は、1つ以上の処理をコンピュータ装置102に実行させるソフトウェアに関連してもよい。
【0028】
コンピュータ装置102は、例えば、入力/出力モジュール(又は入出力モジュール)108を含むように示される。入出力モジュール108は、入力の処理とコンピュータ装置102の出力のレンダリング(例えば、変換、表示等)とに関連する機能を表現する。多種多様な入力が入出力モジュール108により処理されてよく、入力は、例えば、入力装置のキーや表示装置110により表示される仮想キーボードのキーに対応する機能に関連し、ジェスチャを特定し、ジェスチャに対応する処理が実行されることを引き起こし、ジェスチャはアクセサリ装置104及び/又はディスプレイ装置110のタッチスクリーン機能等により認識されてもよい。従って、キーの押下やジェスチャ等を含む入力タイプ同士の区別を認識及び活用することにより、多種多様な入力技術をサポート(又は利用)してもよい。
【0029】
図示の例では、アクセサリ装置104は、キーのクワーティ(QWERTY)配置を有するキーボードとして形成される装置であるが、他の形態のキーも想定される。更に、アクセサリ装置104に関する他の一般的ではない形態も想定され、例えば、ゲームコンソール、楽器を再現する(又は真似る)コンフィギュレーション、電力アダプタ、無線機能を提供するアクセサリ等が使用されてもよい。従って、アクセサリ装置104は、多種多様な機能をサポートする多種多様な形態を想定してよい。異なる時間に異なるアクセサリ装置がコンピュータ装置に接続されてもよい。
【0030】
上述したように、アクセサリ装置104は、この例ではフレキシブルヒンジ(又は自在に曲がる蝶番)106を介してコンピュータ装置102に物理的に及び通信可能に結合される。フレキシブルヒンジ106は、アクセサリ装置をホストコンピュータ装置102に接続及び/又は取り付けるのに適したインタフェースの例示的な形態を表す。フレキシブルヒンジ106においては、ピンで支えられるような機械的な回転とは異なり、ヒンジにより支えられる回転運動がヒンジを形成する材料の弾性(例えば、曲がる性質)によりなされる柔軟性が使用されるが、他の形態も想定される。更に、フレキシブルな回転は、ある方向には動くが他の方向での動きは抑制されるように形成されてもよく、例えば、コンピュータ装置102に対するアクセサリ装置104の横方向の動きは制限される。これは、コンピュータ装置102に対するアクセサリ装置104の一貫した整合性をサポート(又は維持)するのに使用され、例えば、電力状態やアプリケーション状態などを変えるために使用されるセンサを整合させる。
【0031】
フレキシブルヒンジ106は、例えば、1つ以上の層の構造を利用して形成されてもよく、アクセサリ装置104をコンピュータ装置102に(及びその逆向きに)通信可能に結合するフレキシブルトレース(flexible trace)として形成される導電体を含んでもよい。その通信は、例えば、キー押下の結果をコンピュータ装置102に通知すること、コンピュータ装置から電力を受けること、認証を実行すること、コンピュータ装置102に補助的な電力(又はパワー)を供給すること等のために使用されてもよい。フレキシブルヒンジ106又は他のインタフェースは、複数の異なるアクセサリ装置104をサポートする様々な形態で構築されてもよく、この点については図面を参照しながら更に説明される。
【0032】
図1に更に示されるように、コンピュータ装置102は、装置に様々な機能を提供する様々なアプリケーション112を含んでもよい。一般に、コンピュータ装置に関連する様々なアプリケーション112が想定され、アプリケーションは、例えば、オペレーティングシステム、複数のオフィス機能モジュールを統合する製品一式、ウェブブラウザ、ゲーム、マルチメディアプレーヤ、ワードプロセッサ、スプレッドシートプログラム、フォトマネジャ等を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0033】
コンピュータ装置102はアンテナ群114を更に含み、アンテナ群114は、無線機能、サブシステム及び通信を実現するためにコンピュータ装置により使用される様々なアンテナを表現する。本願により説明される技術によれば、アンテナ群114は、コンピュータ装置のために設定される1つ以上のアンテナゾーン内に一緒に配置される複数の異なる種類のアンテナ(例えば、無線機)を含む。一般に、アンテナ群114は、アンテナ間の干渉を最小化し、及び/又は、全体としてアンテナ群についてのパフォーマンス目標を達成するように配置される。アンテナ群114の配置は、コンピュータ装置102及び/又はアクセサリ装置104のうち、アンテナ群114とともに又はその近辺に配置される材料及び要素を制限する制約を有する領域を最小化する。そのような制約を伴う領域は、無線周波数(RF)キープアウト(RF keep out)のように言及されてもよい。以下において図面に関連して詳細に説明されるように、多種多様なタイプのアンテナ、異なるタイプのアンテナの組み合わせ及びアンテナの配置等が想定される。
【0034】
更なる説明のために考察される
図2は
図1についての具体的なコンピュータ装置200を全体的に示す。図示の例において、コンピュータ装置102は、アクセサリ装置104が取り付けられていないスタンドアローン形式で示されている。
図1に関連して説明された要素に加えて、
図2の例示的なコンピュータ装置は、処理システム202及びコンピュータ読み取り可能な媒体204を更に含み、これらは、コンピュータ装置に関連し広範囲に及ぶ装置の機能を提供するように使用される処理要素、媒体、メモリ及び記憶要素及び/又は装置についての様々なタイプ及び組み合わせを表現する。少なくとも一実施形態において、処理システム202及びコンピュータ読み取り可能な媒体204は、汎用コンピュータの処理に使用されてもよい処理能力及びメモリ/ストレージを表現する。より具体的には、コンピュータ装置102は、様々な処理システム及びコンピュータ読み取り可能な媒体を利用する適切な任意のコンピュータシステム及び/又は装置として形成されてもよく、この点についての更なる説明及び具体例については
図14のコンピュータシステム例に関連して説明される。
【0035】
コンピュータ装置102は、1つ以上のマイクロコントローラ106により選択される装置機能を実現してもよい。マイクロコントローラ206は、所定の一群の指定されるタスクを実行するように設計されるハードウェア装置/システムを表現する。マイクロコントローラ206は、処理要素、I/Oデバイス/ペリフェラル、様々なタイプのメモリ(例えば、ROM、RAM、フラッシュメモリ、EPROM等)、プログラム可能な論理装置等のような内蔵リソースを有するオンチップシステム/回路をそれぞれ表現してもよい。少なくとも部分的にハードウェアで実現される様々な内蔵アプリケーション/機能を提供し、対応するタスクを実行するように、様々なマイクロコントローラが形成されてもよい。マイクロコントローラ206は、汎用処理システムの処理以外の何らかのタスクや、コンピュータ装置又はアクセサリ装置の他のアプリケーション/コンポーネントのパフォーマンスをイネーブルにしてもよい。文脈上適切であるならば「イネーブル」は「実行可能」等と言及されてもよい。一般に、マイクロコントローラの電力消費は、装置の汎用処理システムを動作させる場合と比較して少ない。
【0036】
更に説明されるように、コンピュータ装置102は上述したようなアンテナ群114を更に含んでもよい。アンテナ群114に適切な多種多様なアンテナが、
図2に示されるように想定されている。具体例として、アンテナ群114は、Wi-Fiアンテナ208、グローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)アンテナ210、セルラアンテナ212、近距離無線通信(NFC)アンテナ214、ブルートゥースアンテナ216及び/又は他のアンテナ218のうちの1つ以上を含んでもよい。本願で説明される技術によれば、アンテナ群114は、互いに独立しており及び/又は組み合わせにより配置/設計される複数のアンテナを含む。一実施形態において、2つ以上の個々の無線機/アンテナを利用する何らかの無線技術が使用されてもよい。
【0037】
例えば、Wi-Fiアンテナ208は2対2形式の複数入力/複数出力(MIMO)の形態(すなわち、2×2MIMO)を利用してもよい。Wi-Fiアンテナ208は一実施形態では少なくともメインの(主要な)MIMOアンテナを含んでもよい。更に、ブルートゥースアンテナ216が、選択的に、Wi-Fiアンテナ208と組み合わせられてもよい。更に、ロングタームエボリューション(LTE)、WiMax及び/又は4Gのような現在のセルラ技術が、メインのセルラアンテナ及びMIMOセルラアンテナのような2つ以上のセルラアンテナ212を利用して、様々な周波数や地理的領域等をカバーしてもよい。3G及び他のセルラアンテナも想定されている。GNSSアンテナ210は、GPS、グロナス(GLONASS)、ガリレオ(Galileo)及びバイドゥ(BeiDou)ナビゲーションシステムのような様々なタイプのナビゲーションの標準規格、技術及びシステムを利用するように形成されてもよいが、これらの名称は例示に過ぎず、限定ではない。
【0038】
例示的な環境及び装置を説明したので、次に、様々な実施形態によるアンテナ配置方式についての詳細を説明する。
【0039】
アンテナ配置の詳細
以下の説明は、アンテナ配置及び幾つかの例示的な具体例についての詳細な説明を与える。説明されるように、複数の異なる種類のアンテナを有するアンテナ群は、コンピュータ装置の1つ以上のアンテナゾーンに配置されてもよい。アンテナゾーン及びアンテナを配置する場所を決定することに関し、様々な設計考察事項が考慮される。一般に、複数のアンテナは、アンテナ同士の干渉を抑制するように配置される。例えば、セルラアンテナのペア(一組の又は一対のセルラアンテナ)は、干渉を最小化するように間隔を空けて配置されるかもしれない。同様に、Wi-Fiアンテナのペア(例えば、デュアル2×2MIMOアンテナ)は、考察される他の様々な設計事項の下で可能な限り干渉を小さく維持するように配置されてもよい。
【0040】
更に、1つ以上のアンテナに関連する特定のパフォーマンス目標が、アンテナゾーンを設定してアンテナを配置するための要因であってもよい。個々の及び全体的なパフォーマンス目標は、アンテナゾーン及び個々のアンテナを配置する場所を決定する際に考察されてもよい。例えば、異なるタイプのアンテナについてパフォーマンス優先度が指定され、その配置は、これらの優先度に少なくとも部分的に依存してもよい。すなわち、例えば、LTE/セルラパフォーマンスに優先権が与えられる場合、関連するセルラアンテナ212が最初に配置される。一方、Wi-Fiパフォーマンスに優先権が与えられる場合、関連するWi-Fiアンテナ208が最初に配置されてもよい。更に、パフォーマンス目標は、少なくとも一部のアンテナについての特定の位置又は配置を決定してもよい。具体例として、GNSSアンテナ210は、一般に、衛星から情報を取得して許容可能なパフォーマンスを提供するように空に向けて配置される。従って、装置のうち空の方に向く適切な領域が、GNSSアンテナ210の配置の際に考慮及び/又は確保される。
【0041】
別の検討事項は、アンテナゾーンに関連するRFキープアウトである。RFキープアウトは、一般に、非干渉性の(non-interfering)及び/又はRF透過性の(RF transparent)材料を有する(そのような材料は、例えば、ポリマー/プラスチックである)。これは、金属のような干渉性の材料(interfering material)がこれらの領域から「締め出される(keep out)」ことを意味する。干渉性の材料を他の領域に配置する場合でさえ、アンテナ群のパフォーマンスに影響を及ぼすかもしれないので、干渉性の材料の配置は、アンテナの配置に対して顧慮される要因である。更に、アンテナの配置は、それが配置されない場合にはコネクタ、インタフェース、ボタン、スピーカ及び/又は他の要素に使用されてもよい装置の領域(real estate)を消費する。従って、アンテナにより占められる面積及び場所や他の要素に利用可能な面積や場所は、アンテナ配置を選択する際に使用される別の要因であってもよい。装置のユーザにより通常使用される手の位置が考慮されてもよい。実際には、多種多様な設計考察事項の下で、上記の考察事項と他の考察事項との間のトレードオフ(利害得失又は比較考量)により、複数のアンテナの配置を可能にし及び/又は許容可能なパフォーマンスを提供する適切な形態の選択がなされてもよい。
【0042】
上記の状況の下で、様々な実施形態におけるアンテナ配置の具体例を考察する。例えば、
図3はアンテナ群についての一実施形態300を概略的に示す。特に、コンピュータ装置102は、アンテナ群114を含むアンテナゾーン302を含むように示されている。様々なアンテナの組み合わせアンテナ群114の中に組み込まれてもよい。説明されるように、アンテナゾーン302は、コンピュータ装置102のうちの選択されるエッジに沿って配置されてもよい。図示される例において、アンテナゾーン302は、実質的に、横方向に装置の上端に沿って伸びる。文脈上適切であるならば「上端」は「トップエッジ」等と言及されてもよい。他の図面に関連して説明される例のように、他のエッジが選択されてもよい。少なくとも一実施形態において、アンテナ群114及び/又はアンテナ群のうちの個々のアンテナのそれぞれは、1つのアンテナゾーン302内に含まれる。更に、アンテナゾーン302は、コンピュータ装置102のうちの1つのエッジに沿って設けられてもよい。
【0043】
アンテナ群114は、複数の異なるタイプのアンテナ及び対応する通信及び/又は無線機能を提供するように形成されてもよい。例えば、アンテナ群114は、セルラ機能及び少なくとも1つの他のタイプのアンテナ及び機能を提供してもよい。代替的に、アンテナ群114はWi-Fi機能及び他のタイプのアンテナ及び機能を提供するように形成されてもよい。少なくとも2つ以上の異なるタイプのアンテナを含む同等な組み合わせを使用することが考慮されてもよい。例えば、上記及び以下において説明されるように、組み合わせは、Wi-Fi、セルラ、NFC、ブルートゥース、GNSS及び/又は他のタイプのアンテナの様々な組み合わせを含む様々なタイプの無線機能を提供するように異なるアンテナを含んでもよい。
【0044】
追加的又は代替的に、アンテナ群114は、同じタイプの複数の(2つ以上の)アンテナを単独に提供するように形成されてもよいし、或いは、他のタイプのアンテナとの組み合わせを提供するように形成されてもよい。例えば、2つ、3つ又はそれ以上のアンテナによるアンテナ群114が、何らかの装置設計について実現されてもよい。同様に、2つ、3つ又はそれ以上のWi-Fiアンテナの配置が使用されてもよい。そのような配置の一例はデュアル2対2複数入力/複数出力(すなわち、デュアル2×2MIMO)であり、その場合、2つのWi-Fiアンテナ208は装置の上端(トップエッジ)に沿って概してアンテナゾーン例302内に配置されてもよい。特定の或る配置形態では、2つのWi-Fiアンテナ208は、概して、アンテナゾーン302の中央部から離れたアンテナゾーンの対向するコーナーに、間隔を空けて配置されてもよい。複数の同じタイプのアンテナのこれら及び他の配置は、同じアンテナ群に異なるタイプのアンテナを含めながら又は含めずに実現されてもよい。更に、更なる図面に関連して更に説明されるように、アンテナ群114は1つ以上の複数のアンテナゾーンに跨ってもよい。
【0045】
図4はアンテナ群を示す別の実施形態の一例400を概略的に示す。この例では、コンピュータ装置はアクセサリ装置104から分離されるように描かれている。再び、アンテナゾーン302は、概して装置の上端において横方向に配置されるように示される。この例では、アンテナ群114は、2つのセルラアンテナ(セルラA402及びセルラB404)と1つ以上の他のアンテナ406とを含むように形成される。2つのセルラアンテナは、広い帯域幅のカバレッジを提供するように設計されるLTEアンテナであってもよい。ここで、セルラパフォーマンスに優先権が与えられ、それに応じて2つのセルラアンテナが先に配置されてもよい。特に、セルラアンテナA402及びセルラアンテナB404は、概して、コンピュータ装置の上隅におけるアンテナゾーン302の両側に配置されるように図示されている。「隅」は「コーナー」又は「角」等と言及されてもよい。この配置は、アンテナ同士を分離し、干渉/結合(又はカップリング)を最小化し、及び/又は、帯域幅の目標を達成するように2つのセルラアンテナを隔てる。そして、上述した1つ以上の設計考察事項に基づいて、1つ以上の他のアンテナ406が、アンテナゾーン302内で2つのセルラアンテナの間に配置されてもよい。
【0046】
図5はアンテナ群の別の実施形態500の一例500を概略的に示す。特に、
図5の例は、5つの異なるアンテナを含むアンテナ群114を有する。なお、
図5の配置は、
図4に関連して説明される1つ以上の他のアンテナ406についての1つの例示的な形態を示す。特に、セルラアンテナA402及びセルラアンテナB404は、再び、コンピュータ装置102の上端に沿って概して両側に配置される(又は設けられる)ように示される。GNSSアンテナ502は、概して上端におけるセルラアンテナA402とセルラアンテナB404との間において、アンテナゾーン又はアンテナ群の中央部にあるように維持される中央の場所に配置される。これは、GNSSアンテナ502に、空の方に向く場所(又は上空を見込む場所)を提供する。そして、一対のWi-Fiアンテナ(Wi-FiアンテナA504及びWi-FiアンテナB506)が、上端において、GNSSアンテナ502と2つのセルラアンテナとの間でGNSSアンテナ502の両側のスペースに配置される。この配置では、2つのセルラアンテナが両側の上隅に配置される場合において、Wi-FiアンテナA504及びWi-FiアンテナB506が、それでも可能な隙間(又は間隔)を空けて配置される。当然に、具体例のアンテナは異なっていてもよい。例えば、セルラ及びWi-Fiアンテナの場所は、Wi-Fiアンテナを左右の隅に配置しかつアンテナゾーン302内のWi-Fiアンテナの間にセルラアンテナを配置することにより、入れ替えられてもよい。アンテナゾーン内の複数のアンテナについて他の様々な配置も想定される。
【0047】
特に、この配置における5つのアンテナの組は、設定されるアンテナゾーン302を含む1つの指定されるエッジに沿って配置される。これは、残りのエッジを、他の目的に利用可能にしかつ概してRFキープアウトから自由にする(又は解放する)。更に、設計者は、トップエッジ及びアンテナゾーン302から離れた場所で、金属及び/又は他の材料を自由に利用できる。更に、装置のうちの短い方のエッジに沿って通常的には手を置く場所は、アンテナゾーン302から隔たり、アンテナ群114内のアンテナに対する妨害は全くない又は有ったとしてもかなり少なくなる。
【0048】
図6はアンテナゾーンが異なる位置に配置される実施形態600を概略的に示す。上述したように、通常、アンテナゾーン302は概してコンピュータ装置102(例えば、スレート(slate)又はタブレット)のトップエッジに沿って配置される。しかしながら、個別的に又は組み合わせにより使用されてよい複数のアンテナゾーンについての様々な配置は、例えば、
図6に示されるような例も包含する。アンテナゾーン602は、コンピュータ装置102の短い方のエッジのうちの1つ以上に沿って配置されてもよい。アンテナゾーン604、606は、一実施形態において、アクセサリ装置104の1つ以上のエッジに配置されてもよい。概して、コンピュータ装置102とアクセサリ装置104との間でフレキシブルヒンジ106又は他のインタフェースを提供する領域608は、インタフェース及び他の素子のために確保されてもよい。従って、アンテナゾーンを領域608に配置することは避けられてもよい。
【0049】
アクセサリ装置104のアンテナゾーン604、602内に設けられるアンテナは、コンピュータ装置102の無線機能に対する代替要素又は補足要素となるように設計されてもよい。一例として、アクセサリ装置は、Wi-Fi及び他の無線機能を既に提供するコンピュータ装置に、補足的なセルラ及び/又はGNSS機能を提供するように形成されてもよい。別の例として、アクセサリは、NFC機能を有しない装置に対して、NFC機能を提供するように形成されてもよい。代替的に、アクセサリ装置のアンテナ群114は、無線機能を事前には有しない装置に対して、そのような無線機能を提供するアクセサリとして実現されてもよい。一実施形態において、装置及び/又はアクセサリの複数の異なるアンテナゾーンは、組み合わせて利用されてもよい。本願で説明される302、602、604、606のような何れのアンテナゾーンの例も、上記及び下記の様々なアンテナ群114の配置を実現するために、個別的に又は複数のゾーンで組み合わせて使用されてもよい。
【0050】
一例として、
図7は複数のアンテナゾーンを利用するアンテナ群についての一実施形態700を概略的に示す。この例では、アンテナゾーン302は、5つのアンテナを有するアンテナ群114のうちの3つのアンテナを含むように配置される。残りの2つのアンテナはコンピュータ装置102の短い方のエッジに沿うアンテナゾーン602内に配置される。アンテナゾーン602は、トップエッジからずれているが、概して、短い方の側(左右の側)の上隅の方に配置される。このようにして、アンテナゾーン602より下位の短い方の側(左右の側)に沿って、かなりの領域が、手の位置や他の要素の配置のために確保される。特に、アンテナゾーン302は、GNSSアンテナ502に対して間隔を空けて配置されるセルラアンテナA402及びセルラアンテナB404を含み、GNSSアンテナ502はセルラアンテナの間の中央部に配置される。Wi-Fiアンテナのペア(Wi-FiアンテナA504及びWi-FiアンテナB506)は、短い方の側に沿うアンテナゾーン602内に配置される。当然に、具体例のアンテナは異なっていてもよい。例えば、セルラ及びWi-Fiアンテナの場所は、アンテナゾーン602にセルラアンテナを配置しかつアンテナゾーン302にWi-Fiアンテナを配置することにより、入れ替えられてもよい。複数のアンテナゾーンを利用する他の様々な配置も想定される。
【0051】
図8はアクセサリ装置につながるアンテナ群についての一実施形態800を概略的に示す。特に、604により表現されるアンテナゾーンは、上記及び下記の様々な形態のアンテナ群114の配置を実現するために使用されてよいアクセサリ装置104により提供され、そのような配置は例えば
図4、
図5、
図7に関連して説明された配置例にを含むがこれらに限定されない。概して、
図8は、一実施形態において、アンテナ群114と対応する無線機能要素とがアクセサリ装置により提供される例を示す。アクセサリ装置により提供されるアンテナ群114は、コンピュータ装置自身のアンテナ装置114の代わりに又は組み合わせて使用されてよい。
【0052】
図9はアンテナ群を実現するために複数のアンテナゾーンがコンピュータ装置及びアクセサリ装置により提供される一実施形態900を概略的に示す。ここで、コンピュータ装置102のアンテナゾーン302とアクセサリ装置104のアンテナゾーン604とは、1つ以上のアンテナ群114を提供してよい。上述したように、アクセサリ装置がコンピュータ装置には存在しない機能を付加するように、様々なアンテナが様々なゾーンに提供されてよい。この例では、アクセサリ装置は無線アドオンアクセサリ(wireless add-on accessory)であり、無線、セルラ、GNSS及び/又は他の技術(例えば、NFC及び/又はブルートゥース)に関する追加的な機能を提供する。別の例において、アクセサリ装置104のアンテナゾーン604は、コンピュータ装置102により提供される機能と同じ機能を提供してもよい。
【0053】
例えば、アンテナゾーン302とアンテナゾーン604とは、一対の同じアンテナ群114をもたらすように形成されてもよい。コンピュータ装置102とアクセサリ装置104とは互いに異なる方向に向いて動作するので、同じアンテナ群114を有することは、それらのアンテナ群の間で、無線パフォーマンスを向上させるように選択的に切り替えることを可能にする。例えば、第1の向き(又は姿勢)において、アンテナゾーン302内のアンテナ群114がアクティベート(活性化)される一方、アンテナゾーン604のアンテナ群114がデアクティベート(非活性化)されてもよい。また、第2の向き(又は姿勢)で動作する場合、アンテナゾーン604のアンテナ群114がアクティベートされ、アンテナゾーン302のアンテナゾーン114がデアクティベートされてもよい。異なるタイプのアンテナ及び/又は異なる配置のアンテナを有するように形成される異なるアンテナゾーンの動作の間で選択的に切替を行うために、同様な技術が利用されてもよい。例えば、アクセサリ装置が、第2の方向において、アンテナゾーン302の方向を包含する及び/又は何らかの形式で遮る又は干渉する場合に、複数のアンテナ群/ゾーンの間のこの種の切替が行われてもよい。多種多様な方向(又は姿勢)が想定され、この点については
図10〜
図12に関連して説明される。
【0054】
図10はコンピュータ装置102の例示的な姿勢1000を示す。姿勢1000において、アクセサリ装置104は表面(又は水平面)に対して平らに広げられ、コンピュータ装置102は、表示装置110の閲覧を可能にするように、例えばコンピュータ装置102の裏面に配置されるキックスタンド1004により、或る角度1002に配置される。姿勢1000はタイプ入力の姿勢又は配置に対応させることが可能であり、これにより、キーボードやトラックパッド等によるキーを利用して、アクセサリ装置104により入力が受信可能になる。ここで、アンテナゾーン302はコンピュータ装置102の上端(トップエッジ)に示される。選択的に、例えばアクセサリ装置104の下端(ボトムエッジ)に設けられるアンテナゾーン604のような他のアンテナゾーンが、アクセサリ装置104により提供されてもよい。様々な種類の無線通信に関し、異なる姿勢において異なるゾーンが有効になってもよい。例えば、装置が様々な姿勢で操作される場合に、様々なゾーンがブロックされたりブロックされなかったりしてよい。文脈上適切であるならば「ブロックされる」は「有効化される」、「活性化される」、「アクティブにされる」、「アクティベートされる」等と言及されてもよい。従って、一例では、上述したように、複数のゾーンが組み合わせて及び/又は代替的に使用されてもよい。
【0055】
図11は1100により全体的に示されるコンピュータ装置102の別の姿勢を示す。姿勢1100において、コンピュータ装置102は、ディスプレイ装置110がアクセサリ装置104からそれるように、角度1102に向けられる。この例では、アクセサリ装置104の背面との接触等により、キックスタンド1004はコンピュータ装置102を支えることができる。明示的には示されていないが、アクセサリ装置104の正面を覆って保護するように、カバーが使用されてもよい。
【0056】
図12はアクセサリ装置104に対して様々な角度でコンピュータ装置102が回転させられる様子を示す。様々な電力の状態、様々なアプリケーションの状態、様々な無線アンテナ/アンテナゾーンの利用状態等に、様々な角度範囲が関連付けられることが可能である。
【0057】
角度範囲1200が示されており、角度範囲1200はコンピュータ装置102の閉じた位置(閉位置)に対応する。コンピュータ装置102が、アクセサリ装置104に対して角度範囲1200の範囲内に属する角度に配置される場合、コンピュータ装置102は閉位置にあると判断されてもよい。閉位置は関連閉状態に関連し、関連閉状態では、アンテナ動作を含むアクセサリ装置104及びコンピュータ装置102についての様々な機能/動作が、閉状態に基づいてそれに応じて修正されることが可能である。これは、異なるアンテナゾーンを選択すること、アンテナを選択的にオン/オフにすること、1つ以上のアンテナ群114により提供される様々な無線機能を選択すること等々を含んでもよい。
【0058】
角度範囲1202が更に示され、角度範囲1202はコンピュータ装置102に対するタイプ入力の姿勢に対応する。すなわち、コンピュータ装置102がアクセサリ装置104に対して角度範囲1202の範囲内に属する角度に配置される場合、コンピュータ装置102はタイプ入力姿勢にあると判断されてもよい。この姿勢において、コンピュータ装置102及び/又はアクセサリ装置104はタイプ入力電力状態に置かれ、タイプ入力電力状態では、アンテナ動作を含むコンピュータ装置102及びアクセサリ装置104の機能/動作が、タイプ入力状態に基づいてそれに応じてカスタム化(又は特化)されることが可能である。
【0059】
図12は更に角度範囲1204を示し、角度範囲1204はコンピュータ装置102の表示位置に対応する。コンピュータ装置102がアクセサリ装置104に対して角度範囲1204の範囲内に属する角度に配置される場合、コンピュータ装置102は表示姿勢にあると判断されてもよい。この姿勢では、アンテナ動作を含むコンピュータ装置102及びアクセサリ装置104の機能/動作は、表示状態に基づいてそれに応じて制御されることが可能である。
【0060】
例示的なアンテナ配置の詳細を説明したので、次に、1つ以上の実現手段による動作手順を考察する。
【0061】
手順例
以下の議論は、上記のシステム及び装置を利用して実現されるアンテナ配置技術を説明する。手順の各々の処理は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。手順は、1つ以上の装置により実行さえる処理を指定する一群のブロックとして示されるが、個々のブロックの処理を実行するように示される順序には必ずしも限定されない。
【0062】
図13はコンピュータ装置に対するアンテナ配置を行う手順例1300を示す。コンピュータ装置についてのアンテナゾーンが設定され、そのアンテナゾーンはコンピュータ装置の1つのエッジに関連する(ブロック1302)。複数の異なるタイプの無線機能を提供するために、コンピュータ装置の複数のアンテナがアンテナゾーン内に配置される(ブロック1304)。例えば、1つ以上のアンテナゾーンが、上述したような様々な設計考察事項を用いて設定されてもよい。ある特定の例において、アンテナゾーン302は、コンピュータ装置のトップエッジに沿って横方向に設定されてもよい。ここで、コンピュータ装置は、主に横方向に(例えば、水平に保って)使用するように形成されるタブレット又はスレート装置であっもよい。他の場所のゾーンに加えて2つ以上のゾーンの組み合わせも想定される。
【0063】
アンテナ群の様々な配置は上記及び下記の例により設定されるアンテナゾーン内に配置されてもよい。アンテナゾーン内のアンテナは、例えば、Wi-Fi、セルラ、ブルートゥース及び/又はGNSS機能のうちの1つ以上を含む様々な無線機能を実行可能にしてもよいが、これらに限定されない。一実施形態において、セルラ通信、Wi-Fi通信及びグローバルナビゲーションに関する機能が提供されてもよい。追加的又は代替的に、セルラ通信、Wi-Fi通信及びグローバルナビゲーションについての様々な組み合わせについての機能が提供されてもよい。これらの組み合わせは、例えば、セルラ通信と少なくとも1つの他のタイプの無線機能との組み合わせ、Wi-Fi通信と少なくとも1つの他のタイプの無線機能との組み合わせ、及び/又は、グローバルナビゲーションと少なくとも1つの他のタイプの無線機能との組み合わせ等を含んでもよい。例えばNFC及び/又はブルートゥースのような他のタイプの無線機能は、列挙された具体例に追加的又は代替的に含められてもよい。
【0064】
例示的な手順の説明がなされたので、次に、1つ以上の実施形態における技術的な実施形態を実現するために使用されてよいシステム及び装置の具体例を議論する。
【0065】
システム及び装置の具体例
図14はコンピュータ装置1402の一例を含むシステム1400を概略的に示し、本願で説明される様々な技術を実現する1つ以上のコンピュータシステム及び装置を表す。コンピュータ装置1402は、例えば、ユーザの1つ以上の手により把持されて持ち運ばれるサイズに形成されるハウジング(又は筐体)を利用するモバイル形態を想定するように形成され、図示の例は、モバイルフォン、モバイルゲーム、音楽装置、タブレットコンピュータ等であってもよいが、他の具体例も想定される。
【0066】
図示されるような例示的なコンピュータ装置1402は、処理システム1404と、1つ以上のコンピュータ読み取り可能な媒体1406と、互いに通信可能に結合される1つ以上のI/Oインタフェース1408とを含む。図示されていないが、コンピュータ装置1402は、様々な要素を互いに結合するシステムバス又は他のデータ及びコマンド転送システムを更に含んでもよい。システムバスは、メモリバス又はメモリコントローラ、ペリフェラルバス、ユニバーサルシリアルバス等のような様々なバス構造、及び/又は、様々な任意のバスアーキテクチャを利用するプロセッサ又はローカルバスのうちの1つ以上の任意の組み合わせを含むことが可能である。制御及びデータラインのような他の様々な例も想定される。
【0067】
処理システム1404はハードウェアを利用して1つ以上の処理を実行する機能部を表現する。このため、処理システム1404は、プロセッサ及び機能ブロック等のように形成されてもよいハードウェア要素1410を含むように示される。これは、特定用途向け集積回路又は1つ以上の半導体を用いて形成される他の論理装置のようなハードウェアの実現手段であってもよい。ハードウェア要素1410はそこで使用される処理手段を形成する材料によって制限されない。例えば、プロセッサは半導体及び/又はトランジスタ(例えば、電子集積回路(IC))により形成されてもよい。そのような場合、プロセッサ実行可能な命令は電子的に実行可能な命令であってもよい。
【0068】
コンピュータ読み取り可能媒体1406はメモリ/ストレージ1412を含むように図示されている。メモリ/ストレージ1412は1つ以上のコンピュータ読み取り可能媒体に関連するメモリ/ストレージ容量を表現する。メモリ/ストレージ1412は、揮発性媒体(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)等)及び/又は不揮発性媒体(例えば、リードオンリメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、光ディスク、磁気ディスク等)を含んでもよい。メモリ/ストレージ1412は、固定される媒体(例えば、RAM、ROM、固定ハードドライブ等)だけでなく、着脱可能な媒体(例えば、フラッシュメモリ、着脱可能なハードドライブ、光ディスク等)をも含んでよい。コンピュータ読み取り可能媒体1406は本願で説明されるように他の様々な形態で形成されてもよい。
【0069】
入力/出力インタフェース(入出力インタフェース)1408は、ユーザがコマンドや情報をコンピュータ装置に入力するための機能、及び、様々な入出力装置を利用してユーザ及び/又は他の要素或いは装置に情報を提供できるようにする機能を表現する。入力装置の具体例は、キーパッド、カーソル制御装置(例えば、マウス、ポインティングデバイス等)、マイクロフォン、スキャナ、タッチ機能(例えば、物理的に触れたことを検出するように形成される容量式又はその他の形式のセンサ等)、カメラ(例えば、赤外線周波数のような可視又は不可視の波長を使用して、接触によらないジェスチャのような動きを認識するもの)等を含む。出力装置の具体例は、ディスプレイ装置(例えば、モニタ又はプロジェクタ)、スピーカ、プリンタ、ネットワークカード、触覚応答装置(tactile-response device)等を含む。すなわち、コンピュータ装置1402はユーザインタフェースをサポート(又は利用可能)にする様々な形態で形成されてよい。
【0070】
コンピュータ装置1402はアクセサリ装置1414に通信可能に及び物理的に結合されるように示され、アクセサリ装置1414はコンピュータ装置1402に対して物理的に及び通信可能に着脱可能である。このように、多種多様なアクセサリ装置が、幅広い多様な機能をサポートするために幅広い様々な構成(コンフィギュレーション)を有するコンピュータ装置1402に結合されてもよい。この例では、アクセサリ装置1414は、押下感知キー、機械的スイッチキー、ボタン等として形成されてもよい1つ以上の制御部1416を含む。
【0071】
アクセサリ装置1414は、様々な機能をサポートするように形成される1つ以上のモジュール1418を含むように図示されている。1つ以上のモジュール1418は、例えば、制御部1416から受信されるアナログ及び/又はディジタルの信号を処理し、入力が意図されたか否かを判断すること、入力が押下の停止を表しているか否かを判断すること、コンピュータ装置1402との処理についてのアクセサリ装置1414の認証をサポートすること等を行うように形成されてもよい。
【0072】
ソフトウェア、ハードウェア要素又はプログラムモジュールによる一般的な文脈で様々な技術が本願において説明されている。一般に、そのようなモジュールは、ルーチン、プログラム、オブジェクト、エレメント、コンポーネント、要素、データ構造等を含み、特定のタスクを実行する或いは特定のアブストラクトデータタイプを実現する。概して、本願で使用されるような「モジュール」、「機能」、「コンポーネント」、「要素」等の用語は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア又はそれらの組み合わせを表現する。本願で説明される技術的な特徴は、プラットフォームに依存しない手段であり、その技術は様々なプロセッサを有する様々なコンピュータプラとフォームで実現されてよい。
【0073】
説明されるモジュール及び技術の実現手段は、何らかの形態のコンピュータ読み取り可能な媒体により保存又は伝送されてもよい。コンピュータ読み取り可能な媒体は、出力装置1402によりアクセスされてもよい様々な媒体を含んでもよい。限定ではない具体例として、コンピュータ読み取り可能な媒体は、「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」及び「コンピュータ読み取り可能な信号媒体」を包含してよい。
【0074】
「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」は、単なる信号の伝送、搬送波或いは信号そのもの等とは異なり、情報を保存することが可能な媒体及び/又は装置を示す。すなわち、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、信号伝送媒体或いは信号そのものを含まない。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、「情報」の保存に適した方法又は技法で実現される揮発し得及び不揮発性の取り外し可能及び取り外し可能でない媒体及び/又は記憶装置のようなハードウェアを含み、「情報」は、例えば、コンピュータ読み取り可能命令、データ構造、プログラムモジュール、論理要素/回路又はその他のデータ等である。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体の具体例は、限定ではないが、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、CD-ROM、ディジタル多用途ディスク(DVD)又は他の光ストレージ、ハードディスク、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又は他の磁気ストレージ装置、或いは、他のストレージ装置、有形の媒体或いは製造品であり、その製造品は、所望の情報を保存することに適しておりかつコンピュータによりアクセスされてよいものである。
【0075】
「コンピュータ読み取り可能な信号媒体」は、例えばネットワークを介してコンピュータ装置1402のハードウェアに命令を送信するように形成される信号搬送媒体を示してもよい。信号媒体は、典型的には、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール又は変調されたデータ信号におけるその他のデータにより具現化され、変調されたデータ信号は、例えば、搬送波、データ信号又はその他の伝送手段である。信号媒体は、任意の情報配信媒体を含んでもよい。「変調されたデータ信号」という用語は、信号に情報をエンコードする何らかの方法で設定又は変更される1つ以上の信号特性を有する信号を意味する。非限定的な具体例として、通信媒体は、有線ネットワーク或いは直接的な有線接続等のような有線媒体と、音響、RF、赤外及び他の無線媒体等のような無線媒体とを含む。
【0076】
上述したように、ハードウェア要素1410及びコンピュータ読み取り可能な媒体1406は、ハードウェア形態で実現される固定論理装置、プログラム可能論理装置及び/又はモジュールを表現し、ハードウェア形態は、例えば、1つ以上の命令を実行すること等のように、本願で説明される少なくとも何らかの技術的形態を実現するように何らかの実施形態で使用されてよい。ハードウェアは、集積回路、オンチップシステム、マイクロコントローラ装置、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コンプレックスプログラマブル論理装置(CPLD)及びその他のシリコン又は他のハードウェアによる他の実現手段等のようなコンポーネント又は要素を含んでよい。この場合において、ハードウェアは、そのハードウェアにより実現される命令及び/又は論理手段により規定されるプログラムタスクを実行する処理装置として動作することに加えて、例えば、上記のコンピュータ読み取り可能な媒体のような実行する命令を保存するために使用されるハードウェアとして動作してもよい。
【0077】
本願で説明される様々な技術を実現するために上記の内容の組み合わせが使用されてもよい。それに応じて、ソフトウェア、ハードウェア又は実行可能モジュールは、コンピュータ読み取り可能な媒体及び/又は1つ以上のハードウェア要素1410による何らかの形態で実現される1つ以上の命令及び/又は論理手段として実現されてよい。コンピュータ装置1402は、ソフトウェア及び/又はハードウェアモジュールに対応する特定の命令及び/又は機能を実現するように形成されてもよい。従って、ソフトウェアとしてコンピュータ装置1402により実行可能なモジュールの実現は、例えば、コンピュータ読み取り可能な媒体及び/又は処理システム1404のハードウェア要素を利用することにより、少なくとも部分的にハードウェアにより達成されてもよい。命令及び/又は機能は、技術的手段、モジュール及び本がで説明される具体例を実現するように1つ以上の製造品により実行可能/処理可能であってよく、製造品は例えば1つ以上のコンピュータ装置1402及び/又は処理システム1404である。
【0078】
まとめ
以上、具体的な実施形態は、構造的な特徴及び/又は方法的処理の特徴に特化した言葉で説明されてきたが、添付の特許請求の範囲で規定される実現手段は、説明された具体的な特徴や処理に必ずしも限定されないことが、理解されるべきである。むしろ具体的な特徴や処理は添付の特許請求の範囲に記載される特徴を実現する例示的な形態として開示される。