特許第6309105号(P6309105)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6309105車両用サイドエアバッグモジュールの製造方法及び車両用サイドエアバッグ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6309105
(24)【登録日】2018年3月23日
(45)【発行日】2018年4月11日
(54)【発明の名称】車両用サイドエアバッグモジュールの製造方法及び車両用サイドエアバッグ装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/237 20060101AFI20180402BHJP
   B60R 21/207 20060101ALI20180402BHJP
【FI】
   B60R21/237
   B60R21/207
【請求項の数】13
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-546633(P2016-546633)
(86)(22)【出願日】2015年8月31日
(86)【国際出願番号】JP2015074663
(87)【国際公開番号】WO2016035746
(87)【国際公開日】20160310
【審査請求日】2017年4月28日
(31)【優先権主張番号】特願2014-180200(P2014-180200)
(32)【優先日】2014年9月4日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】503358097
【氏名又は名称】オートリブ ディベロップメント エービー
(74)【代理人】
【識別番号】503175047
【氏名又は名称】オートリブ株式会社
(74)【復代理人】
【識別番号】100094042
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 知
(72)【発明者】
【氏名】小林 優斗
(72)【発明者】
【氏名】夫馬 真
(72)【発明者】
【氏名】野上 光男
(72)【発明者】
【氏名】福田 秀穂
(72)【発明者】
【氏名】中島 豊
(72)【発明者】
【氏名】田口 博之
【審査官】 粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−171468(JP,A)
【文献】 特開平11−180243(JP,A)
【文献】 特開平11−310101(JP,A)
【文献】 特開2010−52562(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/053088(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/16−33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に収容されたインフレータから噴出されるインフレータガスでシートバックからシートの側方を通って車両前方に向かって展開膨張するサイドエアバッグを有する車両用サイドエアバッグモジュールの製造方法であって、
上記サイドエアバッグには、車両前後方向後方側に上記インフレータを収容するインフレータ収容領域が形成され、
上記サイドエアバッグが展開状態に広げられた畳む前の当該サイドエアバッグのバッグ面上に存在して車両後方から車両前方へ横断する折り線によって、該折り線よりも上方の上部領域を、該折り線よりも下方の下部領域に重ねて畳んで、該サイドエアバッグに、上方が先細り下方が末広がりの錐体形状に折り畳むための折り畳み領域を設定する畳み工程と、
該畳み工程前の展開状態に広げられた上記サイドエアバッグの外形輪郭よりも内方の、上記バッグ面上に位置されかつ上記折り畳み領域の上縁となる上記折り線上に設定される、少なくとも一箇所の折り畳み中心を、折り畳み始めの基準として、該折り畳み領域を上記インフレータ収容領域に向かって折り畳んで、折り畳み部分を形成する折り畳み工程とを含むことを特徴とする車両用サイドエアバッグモジュールの製造方法。
【請求項2】
前記折り畳み工程の実施中に、前記折り畳み中心が、前記畳み工程で前記上部領域を前記下部領域に重ねて畳む前に該上部領域が存在していた領域に移動することを特徴とする請求項1に記載の車両用サイドエアバッグモジュールの製造方法。
【請求項3】
前記サイドエアバッグは、更に、前記インフレータ収容領域を有するリアチャンバまたはインナーバッグを備え、
該リアチャンバまたは該インナーバッグの、車両上下方向上方には、前記インフレータからのインフレータガスを該リアチャンバまたは該インナーバッグから上記サイドエアバッグ内に導入するベントホールが設けられ、
前記折り線は、前記ベントホールの、車両上下方向上方に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用サイドエアバッグモジュールの製造方法。
【請求項4】
前記折り畳み部分は、ロール巻きで形成されることを特徴とする請求項1〜3いずれかの項に記載の車両用サイドエアバッグモジュールの製造方法。
【請求項5】
前記ロール巻きで形成される前記折り畳み部分が、前記インフレータ収容領域に対し、前記ロール巻き方向と逆方向に反転されて折り返される反転折り返し工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の車両用サイドエアバッグモジュールの製造方法。
【請求項6】
前記ロール巻きで形成される前記折り畳み部分が、前記インフレータ収容領域に対し、前記ロール巻き方向と同方向に折り返される折り返し工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の車両用サイドエアバッグモジュールの製造方法。
【請求項7】
前記折り畳み部分は、蛇腹折りで形成されることを特徴とする請求項1〜3いずれかの項に記載の車両用サイドエアバッグモジュールの製造方法。
【請求項8】
前記蛇腹折りで形成される前記折り畳み部分全体に対し、車両前後方向寸法を半分の寸法に折り畳む追加の折り畳み工程を含むことを特徴とする請求項7に記載の車両用サイドエアバッグモジュールの製造方法。
【請求項9】
前記畳み工程では、前記上部領域を前記下部領域に対して重ね折りする、または該上部領域を該下部領域に対して袋折りすることを特徴とする請求項1〜8いずれかの項に記載の車両用サイドエアバッグモジュールの製造方法。
【請求項10】
前記折り線は、上下高さ方向で、前記インフレータ収容領域よりも高い位置に設定されることを特徴とする請求項1〜9いずれかの項に記載の車両用サイドエアバッグモジュールの製造方法。
【請求項11】
前記折り線は、車両後方から前方に向かって斜めに傾斜して設定されることを特徴とする請求項1〜10いずれかの項に記載の車両用サイドエアバッグモジュールの製造方法。
【請求項12】
請求項1〜11いずれかの項に記載の車両用サイドエアバッグモジュールの製造方法によって製造される前記サイドエアバッグモジュールが前記シートに設けられ、インフレータガスで前記サイドエアバッグが展開膨張して、該シートに着座している乗員の車幅方向へ向かう移動を規制することを特徴とする車両用サイドエアバッグ装置。
【請求項13】
請求項1〜11いずれかの項に記載の車両用サイドエアバッグモジュールの製造方法によって製造される前記サイドエアバッグモジュールが前記シートに設けられ、インフレータガスで前記サイドエアバッグが展開膨張して、車両側方からの衝突に対して、該シートに着座している乗員を保護することを特徴とする車両用サイドエアバッグ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インフレータを収容するインフレータ収容領域を有し、収納状態に畳まれるサイドエアバッグの収納寸法を、長さが短くかつ径寸法も小さくすることが可能な車両用サイドエアバッグモジュールの製造方法及び車両用サイドエアバッグ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内部に収容されたインフレータから噴出されるインフレータガスでシートバックからシートの側方に向かって展開膨張されて、シートに着座している乗員の車幅方向へ向かう移動を規制するサイドエアバッグを有する車両用サイドエアバッグモジュールの製造方法として、特許文献1及び2が知られている。
【0003】
特許文献1の「側突用エアバッグ装置」は、円滑なエアバッグの膨張を妨げることなく、シートの背もたれ部における上端付近に、折り畳まれたエアバッグを配置させることができる側突用エアバッグ装置を提供することを課題とし、側突用エアバッグ装置は、シートの背もたれ部における上部側に、折り畳まれたエアバッグを配設させる。エアバッグは、後縁側における上下方向の複数箇所をシートフレームに取付固定させて、膨張用ガスの上流側部位とした下部室と、下部室における前部側の上方に配置される上部室と、を備えて、膨張時に前方側へ突出するとともに上方へ展開するように、折り畳まれて収納されている。エアバッグは、後縁側の下部室の上部側を中心とした放射状に折目を設けて、上部室と下部室とを、下部室の後縁側に、扇状に、折り畳んで収納されている。特許文献1では、折目の中心は、展開して平らに広げた状態のエアバッグの外形輪郭上に設定されている。
【0004】
特許文献2の「サイドエアバッグ装置」は、エアバッグの折畳作業を簡便に行なえ、かつ、膨張当初からエアバッグを乗員の側方に素早く配置させ易いサイドエアバッグ装置を提供することを課題とし、サイドエアバッグ装置は、折り畳まれたエアバッグが、シートバックの車外側の側面に、展開膨張可能に収納される。エアバッグは、展開膨張時の膨張用ガスの上流側となる基部と、展開膨張時の基部前方に配置される本体部と、を備える。本体部は、展開膨張時の基部前方に配置される下膨張部と、下膨張部上部に連通する上膨張部と、を備える。エアバッグは、平らに展開した状態で、上膨張部を下膨張部内に折り込み、基部上方位置を中心とした放射状の折目を設けて、上縁側から基部側へ接近するように、車内側へ巻く内ロール折りして、折り畳まれて収納されている。特許文献2では、折目の中心は、展開して平らに広げた状態のエアバッグの外形輪郭の外方に設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−180243号公報
【特許文献2】特開2001−171468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、収納状態とするためにエアバッグを折り畳むときの折目の中心が、展開状態に平らに広げたエアバッグの外形輪郭上に設定されていた。このため、エアバッグの外形寸法が大きいと、折目で畳み終えたときの外形形態は、エアバッグの外周縁の広がり、すなわちエアバッグの大きさそのものの影響を受け、長大な長さ寸法の錐体形状となってしまって、エアバッグの収納時の大きさをコンパクトなものにすることができないという課題があった。
【0007】
特許文献2では、収納状態とするためにエアバッグを折り畳むときの折目の中心が、展開状態に平らに広げたエアバッグの外形輪郭の外方に設定されていた。このため、折目で畳み終えたときの外形形態の様子は、特許文献1と同様であって、すなわちエアバッグの大きさそのものの寸法が現れて、長大な長さ寸法の錐体形状となってしまい、エアバッグの収納時の大きさをコンパクトなものにすることはできなかった。
【0008】
さらに、特許文献2では、折目の中心がエアバッグの外形輪郭よりも外方に設定される分、エアバッグのロール折りにゆとりないし緩みがあるものであり、ロール折りの径寸法も大きなものとなってしまうという課題があった。
【0009】
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、インフレータを収容するインフレータ収容領域を有し、収納状態に畳まれるサイドエアバッグの収納寸法を、長さが短くかつ径寸法も小さくすることが可能な車両用サイドエアバッグモジュールの製造方法及び車両用サイドエアバッグ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明にかかる車両用サイドエアバッグモジュールの製造方法は、内部に収容されたインフレータから噴出されるインフレータガスでシートバックからシートの側方を通って車両前方に向かって展開膨張するサイドエアバッグを有する車両用サイドエアバッグモジュールの製造方法であって、上記サイドエアバッグには、車両前後方向後方側に上記インフレータを収容するインフレータ収容領域が形成され、上記サイドエアバッグが展開状態に広げられた畳む前の当該サイドエアバッグのバッグ面上に存在して車両後方から車両前方へ横断する折り線によって、該折り線よりも上方の上部領域を、該折り線よりも下方の下部領域に重ねて畳んで、該サイドエアバッグに、上方が先細り下方が末広がりの錐体形状に折り畳むための折り畳み領域を設定する畳み工程と、該畳み工程前の展開状態に広げられた上記サイドエアバッグの外形輪郭よりも内方の、上記バッグ面上に位置されかつ上記折り畳み領域の上縁となる上記折り線上に設定される、少なくとも一箇所の折り畳み中心を、折り畳み始めの基準として、該折り畳み領域を上記インフレータ収容領域に向かって折り畳んで、折り畳み部分を形成する折り畳み工程とを含むことを特徴とする。
【0011】
前記折り畳み工程の実施中に、前記折り畳み中心が、前記畳み工程で前記上部領域を前記下部領域に重ねて畳む前に該上部領域が存在していた領域に移動することを特徴とする
【0012】
前記サイドエアバッグは、更に、前記インフレータ収容領域を有するリアチャンバまたはインナーバッグを備え、該リアチャンバまたは該インナーバッグの、車両上下方向上方には、前記インフレータからのインフレータガスを該リアチャンバまたは該インナーバッグから上記サイドエアバッグ内に導入するベントホールが設けられ、前記折り線は、前記ベントホールの、車両上下方向上方に設けられることが望ましい。
【0013】
前記折り畳み部分は、ロール巻きで形成されることが好ましい。前記ロール巻きで形成される前記折り畳み部分が、前記インフレータ収容領域に対し、ロール巻き方向と逆方向に反転されて折り返される反転折り返し工程を含む、あるいは前記ロール巻きで形成される前記折り畳み部分が、前記インフレータ収容領域に対し、ロール巻き方向と同方向に折り返される折り返し工程を含むことが望ましい。
【0014】
前記折り畳み部分は、蛇腹折りで形成されることが好ましい。前記蛇腹折りで形成される前記折り畳み部分全体に対し、車両前後方向寸法を半分の寸法に折り畳む追加の折り畳み工程を含むことが望ましい。
【0015】
前記畳み工程では、前記上部領域を前記下部領域に対して重ね折りする、または該上部領域を該下部領域に対して袋折りすることが好ましい。
【0016】
前記折り線は、上下高さ方向で、前記インフレータ収容領域よりも高い位置に設定されることが望ましい。前記折り線は、車両後方から前方に向かって斜めに傾斜して設定してもよい。
【0017】
本発明にかかる車両用サイドエアバッグ装置は、上記車両用サイドエアバッグモジュールの製造方法によって製造される前記サイドエアバッグモジュールが前記シートに設けられ、インフレータガスで前記サイドエアバッグが展開膨張して、該シートに着座している乗員の車幅方向へ向かう移動を規制することを特徴とする。
【0018】
本発明にかかる車両用サイドエアバッグ装置は、上記車両用サイドエアバッグモジュールの製造方法によって製造される前記サイドエアバッグモジュールが前記シートに設けられ、インフレータガスで前記サイドエアバッグが展開膨張して、車両側方からの衝突に対して、該シートに着座している乗員を保護することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明にかかる車両用サイドエアバッグモジュールの製造方法及び車両用サイドエアバッグ装置にあっては、インフレータを収容するインフレータ収容領域を有し、収納状態に畳まれるサイドエアバッグの収納寸法を、長さが短くかつ径寸法も小さくすることができる。また、折り畳み回数を減らすことができるため、折り畳み工数を削減できると共に、展開時においては、展開時間の短縮化を図ることができ、展開性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る車両用サイドエアバッグ装置及び車両用サイドエアバッグモジュールの製造方法で作成される車両用サイドエアバッグモジュールのサイドエアバッグが車室内で展開膨張した状態を上から見下ろした平面図である。
図2図1に示したサイドエアバッグを備える本発明に係る車両用サイドエアバッグ装置及び車両用サイドエアバッグモジュールの製造方法の好適な一実施形態を示す、組立手順の第1段階を説明する説明図である。
図3】組立手順の第2段階を説明する説明図である。
図4】組立手順の第3段階(畳み工程)を説明する説明図である。
図5】組立手順の第4段階(巻き取り工程)を説明する説明図である。
図6】組立手順の第4段階によって作成される車両用サイドエアバッグモジュールのロール部分を示す正面図である。
図7図6中、A−A線矢視断面図である。
図8】組立手順の第5段階(反転折り返し工程)を説明する説明図である。
図9】組立手順の第5段階によって得られる車両用サイドエアバッグモジュールの外形形態を示す正面図である。
図10図9中、B−B線矢視断面図である。
図11】組立手順の第5段階後の畳み操作を説明する説明図である。
図12】上記実施形態の変形例を示す、図7に対応する断面図である。
図13】上記実施形態の変形例を示す、図8に対応する説明図である。
図14】上記実施形態の変形例を示す、図10に対応する断面図である。
図15】上記実施形態の他の変形例を示す、図4に対応する説明図である。
図16図15中、C方向矢視図である。
図17】本発明に係る車両用サイドエアバッグ装置及び車両用サイドエアバッグモジュールの製造方法の変形例を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明にかかる車両用サイドエアバッグモジュールの製造方法及び車両用サイドエアバッグ装置の好適な実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態にかかる車両用サイドエアバッグ装置及び車両用サイドエアバッグモジュールのサイドエアバッグが車室内で展開膨張した状態を上から見下ろした平面図である。本明細書で詳述する実施形態において、巻き取りと蛇腹折りは、折り畳み操作として同義であり、図1図16では、巻き取りによる折り畳み操作を例にとって説明する。
【0022】
車両用サイドエアバッグモジュール1のサイドエアバッグ2は、展開膨張される前、巻き取られた収納状態で、車両に備えられるシート3のシートバック3aに内蔵して設けられる。シート3には、乗員Pが着座する。シート3の左右車幅方向両側には、乗員Pの車幅方向側方に位置させて、すなわち乗員Pの側部に面して、例えばドア4(車外側)や車両の車幅方向中央側のコンソールボックス5(車内側)などの車両部材が配置されている。
【0023】
サイドエアバッグ2は従来周知のように、側突などにより車両に衝撃が加わると、乗員Pと乗員Pの車幅方向側方のドア4やコンソールボックス5等の車両部材との間へ、シートバック3aからシート3側方に、さらにはシート3側方を通ってシート3前方(車両前方)に向かって、すなわち車両前後長さ方向(以下、車両前後方向という)前方に展開膨張可能に設けられる。
【0024】
収納状態のサイドエアバッグ2の展開膨張は、サイドエアバッグ2の内部に収容されたインフレータ6から噴出されるインフレータガスがサイドエアバッグ2内部に充満されることによって達成される。サイドエアバッグ2は通常、乗員Pの腰部から頭部を越える高さ範囲で展開膨張され、ファーサイドエアバッグとして機能される場合、シート3に着座している乗員Pの車幅方向へ向かう移動を規制して、車両側方からの衝突時に、同乗者やコンソールボックス5等の車両部材と干渉することを防ぎ、これによって乗員Pを保護し、乗員Pに加わる傷害値を低減するようになっている。ニアサイドエアバッグとして機能される場合には、車両側方からの衝突に対して、車室内側に進入してくるドア4等の車両部材からシート3に着座している乗員Pを保護し、乗員Pに加わる傷害値を低減するようになっている。
【0025】
シートバック3a内部には、乗員Pの身体などがもたれかかるのを受け止めて支持するシートフレーム7が設けられている。シートフレーム7は、ドア4等の車両部材側に面する平面部分を有し、本実施形態では、この平面部分は、インフレータ6を取り付けたり、展開膨張するサイドエアバッグ2を支持したりするための支持面7aを構成する。
【0026】
インフレータ6の一側面には、シートバック3a内部のシートフレーム7の支持面7aにナット9で固定されるスタッドボルト8が一体的に設けられる。インフレータ6は、スタットボルト8がシートフレーム7に固定されることにより、シートバック3a内部に配設される。インフレータ2はまた、上述したようにサイドエアバッグ2内部に収容される。
【0027】
次に、本実施形態に係る車両用サイドエアバッグモジュール1の製造方法を、図2図11に示した組立手順に沿って説明する。図2は、図1に展開膨張状態を示した車両用サイドエアバッグモジュールの組立手順の第1段階を説明する説明図、図3は、組立手順の第2段階を説明する説明図、図4は、組立手順の第3段階(畳み工程)を説明する説明図、図5は、組立手順の第4段階(巻き取り工程)を説明する説明図であって、図5(a)は、巻き取り中心を、巻き取り始めの基準として示している説明図、図5(b)は、巻き取り中心が移動する場合を示している説明図、図6は、組立手順の第4段階によって作成される車両用サイドエアバッグモジュールのロール部分を示す正面図、図7は、図6中、A−A線矢視断面図、図8は、組立手順の第5段階(反転折り返し工程)を説明する説明図、図9は、組立手順の第5段階によって得られる車両用サイドエアバッグモジュールの外形形態を示す正面図、図10は、図9中、B−B線矢視断面図、図11は、組立手順の第5段階後の畳み操作を説明する説明図である。
【0028】
以下に述べる実施の形態において、サイドエアバッグモジュール1とは、インフレータ6を収容したサイドエアバッグ2が巻き取られて、シート3に内蔵される収納状態とされたユニットをいう。
【0029】
図2に示すように、サイドエアバッグ2は従来周知のように、二枚の基布を重ね合わせたり、一枚の基布を折り返して重ね合わせるなどした後、周縁を縫製などで接合することにより、開口部分2aを有する袋状に形成される。図示されるサイドエアバッグ2では、開口部分2aは、当該サイドエアバッグ2が展開膨張したときに車両前後方向後端部となる位置に、車両後方側へ迫り出して形成される。
【0030】
サイドエアバッグ2内部には、車両前後方向後方側に、仕切り部で仕切ってリアチャンバ18が形成される。リアチャンバ18に代えて、リアチャンバ18と同様な位置に位置させて、インナーバッグをサイドエアバッグ2内部に収納して設けても良い。以下、リアチャンバ18を例示して説明する。
【0031】
インフレータ6は、サイドエアバッグ2の開口部分2aからリアチャンバ18内部に収容され、サイドエアバッグ2の車両前後方向後方側に配置される。従って、本実施形態のサイドエアバッグ2では、リアチャンバ18内部の、車両前後方向後方側の領域がインフレータ6を収容するインフレータ収容領域Qとして形成される。インフレータ6のスタッドボルト8は、インフレータ収容領域Qに形成されるボルト孔から、サイドエアバッグ2外方へ突出される。なお、10はハーネスである。
【0032】
リアチャンバ18の、車両上下方向上方には、インフレータ6からのインフレータガスをリアチャンバ18からサイドエアバッグ2内に導入するベントホール19が設けられる。
【0033】
本実施形態では、サイドエアバッグ2の外形形態は、車両前後方向の長さ寸法に比して、車両上下方向に大きな高さ寸法で形成される。また、サイドエアバッグ2は全体的に、インフレータ収容領域Qから、車両前後方向前方へ向かって、斜め上方へ指向する形態で形成されている。
【0034】
言い換えると、サイドエアバッグ2は、インフレータ収容領域Qよりも高さが高い部分が、車両前後方向前方側で斜め上方へ向けて迫り上がるように形成されている。サイドエアバッグ2をこのような形態とすると、側突等が生じた際、車両前方かつ車幅方向側方へ向かって移動し得る乗員Pの腰部から頭部に渡る範囲を、サイドエアバッグ2全体で受け止めて拘束し保護することが可能となる。
【0035】
次に、図3に示すように、サイドエアバッグ2の開口部分2aは、インフレータ収容領域Qに重なるように、車両前後方向前方側に向けて折り返される。開口部分2aには、サイドエアバッグ2から突出されるスタッドボルト8を通す通し孔11が形成される(図2参照)。従って、開口部分2aは、サイドエアバッグ2の車両前後方向後方側のインフレータ収容領域Qに重ね合わされる。
【0036】
次に、図4に示すように、サイドエアバッグ2に対して、畳み工程を行う。畳み工程では、サイドエアバッグ2を折る折り線Fが設定され、この折り線Fよりも上方の上部領域Rが、折り線Fよりも下方の下部領域Sに重ねて畳まれて、インフレータ収容領域Qを除く、ロール巻き領域(折り畳み領域)Tが設定される。
【0037】
折り線Fは、インフレータ収容領域Qを避ける位置、具体的には、上下高さ方向でインフレータ収容領域Qよりも高い位置に設定される。さらに詳細には、折り線Fは、リアチャンバ18に形成されるベントホール19の、車両上下方向上方に設けられる。これにより、折り線Fは、インフレータ収容領域Qに干渉しないものとされる。折り線Fは、サイドエアバッグ2を車両後方から車両前方へ横断する横向きに設定される。すなわち、折り線Fは基本的に、サイドエアバッグ2を上下方向に畳むものとして設定される。
【0038】
折り線Fは横向きであれば、図示するように、車両後方から前方に向かって斜め上向きの傾斜で設定しても、あるいは、斜め下向きの傾斜で設定しても良い。折り線Fによって上部領域Rを下部領域Sに重ねて畳むことで、インフレータ収容領域Qよりも車両前後方向前方に、インフレータ収容領域Qを除いて、ロール巻き領域Tが設定される。図示例では、上部領域Rが下部領域Sに対して重ね折りされる場合が示されている。
【0039】
次に、図5図7に示すように、サイドエアバッグ2に対して、巻き取り工程(折り畳み工程)を行う。図5(a)には、サイドエアバッグ2の巻き取り工程実施前の外形形態が示され、図6には、巻き取り工程実施後の外形形態が示され、図7には、巻き取り後の断面が示されている。巻き取り工程では、巻き取り(折り畳み)を行うための、少なくとも一箇所の巻き取り中心(折り畳み中心)Uが設定され、この巻き取り中心Uを、巻き取り始め(折り畳み始め)の基準として、ロール巻き領域Tの巻き取りによるロール巻きが行われ、ロール部分(折り畳み部分)12が形成される。
【0040】
巻き取り中心Uは、折り線F上のいずれかの位置に設定される。図2図4を参照することで理解されるように、折り線Fは、サイドエアバッグ2を重ねて畳む機能を有することから、畳み工程前の展開状態に広げられたサイドエアバッグ2におけるバッグ面2b上に存在し、従って、折り線F上に位置される巻き取り中心Uも、折り線Fと同様に、畳み工程前の展開状態に広げられたサイドエアバッグ2におけるバッグ面2b上に位置される。
【0041】
また、折り線Fは、ロール巻き領域Tの上縁を画定するので、巻き取り中心Uは、ロール巻き領域Tの上縁に位置される。以上の構成から、巻き取り中心Uは、サイドエアバッグ2の外形輪郭よりも内方の、サイドエアバッグ2のバッグ面2b上に設定され、巻き取られるサイドエアバッグ2の外形寸法、特に折り線Fを跨る方向の外形寸法は、展開状態に広げられたサイドエアバッグ2本来の外形寸法よりも小さい。
【0042】
ロール巻き領域Tの巻き取り(折り畳み領域の折り畳み)は、ロール巻き領域Tの上縁に位置する巻き取り中心U側を上方とし、この巻き取り中心Uから放射状に末広がりに広がるサイドエアバッグ2の外縁側を下方として、従来周知のように錐体形状に行われる。
【0043】
また、巻き取りは、折り線F側を始端として、終端となるインフレータ収容領域Q側に向かって行われる。巻き取りの向きは、右巻きであっても左巻きであっても良い。巻き取り工程で形成されるロール部分12は図6及び図7に示すように、インフレータ収容領域Qに収容されたインフレータ6と隣り合うように配置される。
【0044】
実際に巻き取っていく過程では、基布の厚さなどの影響により、折り線F上に設定された巻き取り中心Uが移動することがある。本発明は、巻き取り中心Uが折り線F上から、このように移動してしまう場合も含むものである。具体的には、ロール部分12を形成する巻き取り工程の実施中に、巻き取り中心Uが図5(b)に示すように、 畳み工程前の展開状態に広げられたサイドエアバッグ2における上部領域Rのバッグ面2b上に移動することがある。従って、本発明では、巻き取り中心Uが、上部領域Rを下部領域Sに重ねて畳む前に上部領域Rが存在していた領域RZに設定される場合をも含むものである。
【0045】
次に、図8図10に示すように、サイドエアバッグ2に対して、反転折り返し工程を行う。図8には、サイドエアバッグ2に対する反転折り返し工程の途中の様子が断面で示され、図9には、反転折り返し工程実施後のサイドエアバッグ2及びその周辺の外形形態が示され、図10には、反転折り返し後の断面が示されている。
【0046】
反転折り返し工程では、図6及び図7に示したロール部分12が、その断面が半分になるように図8に示すように折られ(図中、矢印Vで示す)、折られたロール部分12がインフレータ6の側方に寄り添うように、ロール巻き領域Tの巻き取り方向と逆方向(ロール巻き方向と逆方向)に反転して折り返される。この反転折り返しにより、車両用サイドエアバッグモジュール1の外径寸法が、半減されて、小さく狭められる。
【0047】
図11(a)〜(e)には、反転折り返し工程後の畳み操作が順次示されている。図11(e)は、図11(d)に示した車両用サイドエアバッグモジュール1の外形形態を、90°向きを変えて示したもので、スタッドボルト8が表されている。
【0048】
図11(a)では、インフレータ収納領域Qで、インフレータ6位置よりも車両前後方向後方に迫り出している開口部分2aの折り返し箇所13(図9参照)が、ロール部分12とは反対側へ、車両前後方向前方に向かって、インフレータ6と重なり合う配置となるように折られ(図中、矢印aで示す)、この折り返しは、後述する挟み込み部分14として機能される。
【0049】
図11(b)では、インフレータ6位置よりも上方に突出している上向き突出部分15(図11(a)参照)が、ロール部分12側に向かって下向きに折られる。図11(c)では、ロール部分12の末広がりの下方部分12a(図11(b)参照)が、車両前後方向前方に面する斜めの折り線bで車両後方へ折られ、インフレータ6位置の下方で、挟み込み部分14に挟むように折り込まれる。
【0050】
図11(d)及び(e)では、インフレータ6位置よりも下方に突出している下向き突出部分15(図11(c)参照)が、ロール部分12とは反対側に向かって上向きに折られる。そして、この状態で、車両用サイドエアバッグモジュール1のインフレータ位置6よりも上方部分及び下方部分に、上下一対で結束バンド16が掛け回され、当該結束バンド16を締め付けることにより、インフレータ6を収容して収納状態とされ、シート3に内蔵される車両用サイドエアバッグモジュール1が完成される。
【0051】
インフレータ6は、巻き取られた収納状態のサイドエアバッグ2を解除可能に結束する結束バンド16の取り付け前であれば、いつでもサイドエアバッグ2内に収容してよく、上述したようにサイドエアバッグ2を畳む前に予め、あるいは、その後であっても開口部分2aを挟み込み部分14として折り返す前であれば、いずれの段階でインフレータ収納領域Qに収容してもよい。
【0052】
本実施形態に係る車両用サイドエアバッグモジュール1の製造方法及び車両用サイドエアバッグ装置にあっては、サイドエアバッグ2に、車両前後方向後方側に位置させてインフレータ6を収容するインフレータ収容領域Qを形成し、インフレータ収容領域Qを除いて、サイドエアバッグ2を車両後方から車両前方へ向かう横向きの折り線Fによって、折り線Fよりも上方の上部領域Rを折り線Fよりも下方の下部領域Sに重ねて畳んで、ロール巻き領域Tを設定する畳み工程と、畳み工程前の展開状態に広げられたサイドエアバッグ2におけるバッグ面2b上であって、かつロール巻き領域Tの上縁となる折り線F上に設定される、単一の巻き取り中心Uを、巻き取り始めの基準として、ロール巻き領域Tをインフレータ収容領域Qに向かって巻き取って、ロール部分12を形成する巻き取り工程とを備えたので、巻き取り中心Uは、畳み工程前の展開状態に広げられたサイドエアバッグ2におけるバッグ面2b上に設定され、従って、巻き取られるサイドエアバッグ2の外形寸法、特に折り線Fを跨る方向の外形寸法は、展開状態に広げられた本来のサイドエアバッグ2の外形寸法よりも小さくなる。
【0053】
これにより、インフレータ6を収容するインフレータ収容領域Qを有し、巻き取ることで収納状態に畳まれるサイドエアバッグ2の収納寸法を、長さが短くかつ巻き取りの径寸法も小さくすることができる。
【0054】
また、反転折り返し工程により、巻き取ったサイドエアバッグ2をさらにコンパクトに畳んだ状態とすることができる。
【0055】
以上説明したように、本実施形態に係る車両用サイドエアバッグモジュール1の製造方法及び車両用サイドエアバッグ装置によれば、広い面積で展開膨張させたいサイドエアバッグ2の収納状態を、適切にコンパクト化することができる。
【0056】
また、サイドエアバッグ2に、更に、インフレータ収容領域Qを有するリアチャンバ18を備え、リアチャンバ18の車両上下方向上方に、インフレータ6からのインフレータガスをリアチャンバ18からサイドエアバッグ2内に導入するベントホール19を設けるようにしている。サイドエアバッグ2は、インフレータガスが導入される反動で上下方向に揺れ動くが、この上下方向の揺れは、乗員拘束時には乗員Pの肩部分などが素早く拘束されることから、拘束性能上、問題とはならない。他方、ベントホールが車両前後方向前方に設けられると、サイドエアバッグ2は、前後方向に揺れ動くことになる。この前後方向の揺れは、最もクリティカルな乗員拘束開始時に、乗員Pの肩部や頭部の位置にサイドエアバッグ2が到達することを妨げる要因になってしまうおそれがある。加えて、ベントホール19をリアチャンバ18の車両上下方向上方に設けると、折り線Fから折り畳まれた部分を、速やかに展開させることができる。このように、ベントホール19をリアチャンバ18の車両上下方向上方に設けると、優れた作用効果を確保することができる。
【0057】
図12図14は、図7図8及び図10に示した反転折り返し工程に代わる変形例を示すもので、図12には、図7と同じに、サイドエアバッグ2の巻き取り後の断面が示され(図6中、A−A線矢視断面図参照)、図13には、図8に対応して、サイドエアバッグ2に対する折り返し工程の途中の様子が断面で示され、図14には、図10に対応して、折り返し後の断面が示されている(図9中、B−B線矢視断面図参照)。
【0058】
上記実施形態では、ロール部分12を、インフレータ収容領域Qに対し、ロール巻き領域Tの巻き取り方向と逆方向に反転して折り返す反転折り返し工程を採用する場合について説明したが、ロール部分12が、その断面が半分になるように図13に示すように折られ(矢印V参照)、折られたロール部分12がインフレータ6の側方に寄り添うように、ロール巻き領域Tの巻き取り方向と同方向(ロール巻きと同方向)に折り返す折り返し工程を採用しても良い。
【0059】
この折り返しにより、反転折り返しと同様に、車両用サイドエアバッグモジュール1の外径寸法が、半減されて、小さく狭められる。このような変形例にあっても上記実施形態と同様の作用効果を奏する。なお、折り返し工程よりも、反転折り返し工程の方が、折り返しのゆとりを取り易いので、高い製造性を確保することができる。
【0060】
図15及び図16には、上部領域Rを下部領域Sに重ねて畳む畳み工程の変形例が示されている。図15は、サイドエアバッグ2に対して、畳み工程を行う図4に対応する図であり、図16は、図15中、C方向矢視図である。
【0061】
この変形例では、リアチャンバ18には、車両上下方向上方に設けられる上記ベントホール19に加えて、車両前後方向前方に配置して追加のベントホール20を設けるようにしている。本明細書のすべての実施形態において、このように2つのベントホール19,20を備えるようにしてもよいことはもちろんである。
【0062】
上記実施形態では、上部領域Rを下部領域Sに対して重ね折りする場合について説明したが、変形例では、上部領域Rを下部領域Sに対して袋折り(タックイン)するようにしている。袋折り(タックイン)する当該変形例であっても、上記実施形態と同様の作用効果を奏することはもちろんである。
【0063】
図17には、ロール巻きに代えて、蛇腹折りして折り畳むようにした変形例が示されている。図17(a)は、上記実施形態の図7に対応する断面図、図17(b)は、追加の折り畳み工程を行った後の断面図、図17(c)は、他の追加の折り畳み工程を行った後の断面図である。
【0064】
図17に示す変形例では、畳み工程で、蛇腹折りする(折り畳む)ための蛇腹領域(折り畳み領域)Jが設定され、蛇腹折り工程(折り畳み工程)では、蛇腹領域Jが文字通り、蛇腹折りされて(折り畳まれて)、図17(a)に示すように、蛇腹部分(折り畳み部分)17が形成される。
【0065】
次いで、蛇腹部分17全体に対し、車両前後方向寸法を半分の寸法にするための追加の折り畳み工程が行われる。図17(b)に示した第1の追加の折り畳み工程では、図中、蛇腹部分17(車両前後方向寸法はK)の車両前後方向中央を上方から下方へ向けて谷折りし(図中、矢印Mで示す)、さらにインフレータ6側へ横並びに折り込むことにより、インフレータ6から遠方の折り重ね部分が、インフレータ6に近接する折り重ね部分の上に重ね合わされて(図中、○の位置で示す)、蛇腹部分17の車両前後方向寸法が半減される(車両前後方向寸法はK/2)ようになっている。
【0066】
図17(c)に示した第2の追加の折り畳み工程では、図中、蛇腹部分17の車両前後方向中央を下方から上方へ向けて山折りし(図中、矢印Nで示す)、山折りで生じる谷部Zをインフレータ6に向けてインフレータ6側へ横並びに折り込むことにより、インフレータ6から遠方の折り重ね部分が、インフレータ6に近接する折り重ね部分の下に重ね合わされて(図中、○の位置で示す)、蛇腹部分17の車両前後方向寸法が半減されるようになっている。
【0067】
このような変形例であっても、上記実施形態と同様の作用効果を奏することはもちろんである。
【0068】
以上説明した本実施形態に係る車両用サイドエアバッグモジュールの製造方法によって作成される車両用サイドエアバッグモジュール1は、乗員Pが着座するシート3の左右車幅方向両側のいずれに対しても、好ましく適用することができる。
【0069】
以上説明した本実施形態に係る車両用サイドエアバッグモジュールの製造方法及び車両用サイドエアバッグ装置は、車両部材としてのドア等が乗員を保護する強度を有している、通常一般の車両を例示して説明している。しかしながら、本発明に係る車両用サイドエアバッグモジュールの製造方法及び車両用サイドエアバッグ装置は、ドアが無かったり、あるいは、ドアがあっても強度がそれほど強くない、超小型モビールに対しても採用できることはもちろんである。
【0070】
以上に述べた車両用サイドエアバッグモジュール1の製造方法及び車両用サイドエアバッグ装置は、本発明の好ましい例であって、これ以外の実施形態例も、各種の方法で実施または遂行できる。特に、本願明細書中に限定される主旨の記載がない限り、この発明は、添付図面に示した詳細な部品の形状、大きさおよび構成配置等に制約されるものではない。また、本願明細書中に用いられた表現および用語は、説明を目的としたもので、特に限定される主旨の記載がない限り、それに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0071】
1 車両用サイドエアバッグモジュール
2 サイドエアバッグ
2b サイドエアバッグのバッグ面
3 シート
3a シートバック
6 インフレータ
12 ロール部分
17 蛇腹部分
18 リアチャンバ
19 ベントホール
F 折り線
J 蛇腹領域
P 乗員
Q インフレータ収容領域
R 上部領域
S 下部領域
T ロール巻き領域
U 巻き取り中心
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17