【文献】
Sharp,DMRS configuration for UL CoMP, 3GPP TSG-RAN WG1#68b R1-121350,2012年 3月20日,pp.1-8
【文献】
Renesas Mobile Europe Ltd.,Downlink DM-RS for Release 11, 3GPP TSG-RAN WG1#68 R1-120379,2012年 1月31日
【文献】
InterDigital Communications, LLC,DM-RS sequence for CoMP, 3GPP TSG-RAN WG1#68 R1-120134,2012年 2月 1日
【文献】
Apple Inc.,Scrambling Sequences for Enhanced PDCCH, 3GPP TSG-RAN WG1#68 R1-120272,2012年 2月 1日,pp.1-6
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1及び第2のシーケンスは各々、可能な初期化シーケンスの完全な組の範囲に対応する定義された数のビットを含み、前記単一パラメータは、前記第2のシーケンスからの定義された数の最下位ビットを含み、前記定義された数の最下位ビットは、前記第2のサブセットの範囲に対応する、請求項1に記載の方法。
前記第2のシーケンスを決定すること(110)は、前記第2のサブセットから、第3の無線デバイスの擬似ランダムシーケンス発生器のために初期化シーケンスに一致する前記可能な初期化シーケンスを選択することを含み、前記第3の無線デバイスは、前記第2の無線デバイスとは異なるセルにより供給される、請求項8に記載の方法。
前記第2のシーケンスを符号化すること(130)は、前記第2のシーケンス、及び巡回シフトホッピングが、前記第2の組の1つ又は複数のパラメータとして、前記第2のデバイスに対して有効である否かの指示を結合符号化することを含む、請求項9に記載の方法。
無線デバイスがアップリンク参照信号の生成を基礎とする疑似ランダムシーケンス発生器を初期化するように構成された基地局(12−1)であって、トランシーバー回路(52)、並びに
第1のシーケンスを、第1の無線デバイスの擬似ランダムシーケンス発生器のために可能な初期化シーケンスの第1のサブセットから決定し、
第2のシーケンスを、第2の無線デバイスの擬似ランダムシーケンス発生器のために可能な初期化シーケンスの第2のサブセットから決定し、前記第2のサブセットの範囲は、少なくとも前記第1のサブセットの範囲に及び、
前記第1のシーケンスを、2つ以上のパラメータの第1の組として符号化し、
前記第2のシーケンスを、単一パラメータとして符号化し、前記単一パラメータは、前記第1の組よりも少ないビットを含み、前記第1の組に含まれず、前記第2のシーケンスは、可能な初期化シーケンスの定義された1対1のマッピングに基づき、前記単一パラメータのための可能な値に対する前記第2のサブセット内で符号化され、前記単一パラメータの範囲は前記第2のサブセットの前記範囲よりも小さく、及び
前記第1及び第2の組のパラメータを前記第1及び第2のデバイスに送信することにより、前記第1及び第2のデバイスの前記シーケンス発生器を前記第1及び第2のシーケンスで初期化する
ように構成された1つ又は複数の処理回路(56)を備える、基地局(12−1)。
前記第1の初期化シーケンスは、セル固有のシーケンスを含み、前記第2の初期化シーケンスは、デバイス固有のシーケンスを含む、請求項11に記載の基地局(12−1)。
前記1つ又は複数の処理回路(56)は、前記第2のサブセットから、第3の無線デバイスの擬似ランダムシーケンス発生器のために初期化シーケンスに一致する前記可能な初期化シーケンスを選択することにより、前記第2のシーケンスを決定するように構成され、前記第3の無線デバイスは、前記第2の無線デバイスとは異なるセルにより供給される、請求項18に記載の基地局(12−1)。
前記1つ又は複数の処理回路(56)は、前記第2のシーケンス、及び巡回シフトホッピングが前記第2の組の1つ又は複数のパラメータとして、前記第2のデバイスに対して有効であるか否かの指示を結合符号化することにより、前記第2のシーケンスを符号化するように構成される、請求項18に記載の基地局(12−1)。
【背景技術】
【0002】
無線デバイス(ユーザ装置、UEとも呼ばれる)は、受信基地局が無線チャネルを推定できるようにするためなどの、任意の数の理由のために、無線通信システムの1つ又は複数のアップリンク参照信号を送信する。無線デバイスは、通常、1つ又は複数の擬似ランダムシーケンス発生器を使用して参照信号を生成する。したがって、特定の初期化シーケンスでのシーケンス発生器の初期化は、デバイスが送信するアップリンク参照信号を指示する。基地局は、この点において、デバイスのシーケンス発生器の初期化を支配するが、これは、初期化シーケンスを無線デバイスにシグナリングすることが、シグナリングオーバーヘッドに関して課題があることを意味する。
【0003】
例えば、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワークについて考える。LTEネットワークは、異なるセクター、及び/又はセルが、例えば、スケジューリング及び/又は処理などの点で協調して動作する、選択的なCoMP(協調マルチポイント処理)技術を有効にすることを目的に設計される。例では、単一のUEから発生する信号は、通常、複数の受信点で受信され、リンク品質を改善するために、結合処理されるアップリンク(UL)CoMPである。UL結合処理(UL CoMPのとも呼ばれる)は、従来の配置でセル間干渉とみなされるものの有用な信号への変換を可能にする。したがって、UL CoMPを利用するLTEネットワークは、CoMPの利益を完全に利用するために、従来の展開に比べて小さなセルサイズで展開することができる。
【0004】
LTE ULは、コヒーレント処理を想定して設計される、即ち、受信機は、送信UEからの無線チャネルを推定し、検出段階においてそのような情報を活用できることが想定される。したがって、各送信UEは、各ULデータ又は制御チャネル(例えば、PUSCH及びPUCCH)に関連する参照信号(RS)を送信する。3GPP TS36.211 V10.4.0(2011−12)、「技術仕様グループ無線アクセスネットワーク;進化型ユニバーサル地上無線アクセス(E−UTRA);物理チャネル及び変調(リリース10)」。PUSCHの場合には、スロットごとに1つの復調参照信号(DMRS)が、アップリンクデータチャネルと同一の帯域幅で送信される。PUCCHの場合には、複数のPUCCH−RSが送信され、UEによって各サブフレーム内で時間多重化されるが、これらは、UEに割り当てられたPUCCHの帯域幅に及ぶ。
【0005】
おそらくUEによって送信される追加のRSは、サウンディング参照信号(SRS)で構成される。これらの参照信号は、ネットワーク側のULチャネル特性の推定を有効にするために、所定の時間インスタンスで、所定の帯域幅でUEによって送信される。
【0006】
同一セル内の異なるUEからのRSは、潜在的に互いに干渉しつつ、隣接するセル内でUEが発生するRSとでさえ、同期するネットワークを想定している。RSの間の干渉のレベルを制限するために、種々の技術が、直交又は準直交RSを可能にするために、種々のLTEリリースで導入されている。LTEの設計原理は、(直交RSが、いわゆる「シーケンス計画」によるセルの集合体のために達成することができるにもかかわらず)各セル内の直交RS、及び異なるセル間の準直交RSを想定する。しかしながら、異なるセルに属するUEによって送信されるDMRSの直交性は、Rel−11のLTE標準化において現在議論中である。セル間DMRSの直交性についての技術群が議論されている。これらの技術の中には、後でより完全に説明するように、異なるセル内の異なるUEによってRS生成に用いられるベースシーケンスインデックス(BSI)の調整(coordinating)の可能性次第のものもある。
【0007】
LTEのULにおける別のアプリケーションは、マルチユーザ、マルチ入力、マルチ出力(MUMIMO)であり、そこでは、複数のUEからのPUSCHでのデータ送信が、同一セル内で、同一サブフレーム内に少なくとも部分的に重複する帯域幅に共にスケジュールされる(coscheduled)。UEは、マルチアンテナ処理を利用することにより受信側で分離される。受信機が共にスケジュールされたUEからの信号を分解できるように、そのようなUEのための直交方式でDMRSを割り当てることが有益である。これは、共にスケジュールされたUEのDMRSに異なる直交カバーコード(OCC)を割り当てることにより達成することができる。共にスケジュールされた帯域幅が完全に重なっている場合は、異なるUEのためのDMRSの巡回シフト(CS)の分離もまた利用することができる。
【0008】
各DMRSは、いわゆるベースシーケンスインデックス(BSI)を定義するグループインデックス及びシーケンスインデックスにより特徴づけられる。BSIは、Rel−8/9/10のセル固有の方式で割り当てられ、セルIDがLTEのセルを特徴付け、いくつかのセル固有のアルゴリズム及び手順に影響を与えるセルIDの関数である。異なるベースシーケンスは順直交であり、これは、いくつかのシーケンス間干渉が一般的な場合に存在することを意味する。所与のUEのためのDMRSは、PUSCHの同一帯域で送信されるのみで、ベースシーケンスは、RS信号がPUSCH帯域幅の関数であるように、対応して生成される。サブフレームごとに、2つのRSが、スロットごとに1つずつ送信される。Rel−11では、BSIのUE固有の割り当てが導入される可能性がある。
【0009】
直交DMRSは、Rel−8/9の巡回シフト(CS)の使用により、又はRel−10の直交するOCCと併せてCSにより達成することができる。CSは、同一のベースシーケンスから生成されるRSのうち、特定の伝搬条件下で巡回時間シフト(cyclic time shift)に基づいて、直交性を実現するための方法である。実際には8未満の直交DMRSが、チャネル伝搬特性に応じて実現できる(この例ではOCCを考慮せずに)にも関わらず、8つの異なるCS値だけが、Rel−8/9/10で動的にインデックス付与できる。CSが完全に重複する帯域幅に割り当てられた多重化DMRSで有効だとしても、直交性は、帯域幅が異なる場合、及び/又は干渉UEが別のベースシーケンスを採用する場合に、失われる。
【0010】
異なるUE間で(例えば、異なるセルで)干渉のランダム化を増加させるために、CS値への擬似ランダムオフセットが適用される(CSホッピング、CSH)。ランダム化パターンは、Rel−8/9/10におけるセル固有のものである。異なるCSオフセットは、概して、各スロットに適用され、UEとeNB両側で分かるので、チャネル推定中に受信側で補償することができる。CSHは、31ビットを有するシーケンス初期化パラメータC
initに応じて生成される。
【0011】
OCCは、各ULサブフレームに設けられた2つのRS上で動作する、直交時間領域コードに基づく多重化技術である。OCCコード[1−1]は、受信機での整合フィルタが、同一のサブフレームの両方のDMRSで一致すると、OCCコード[1−1]が寄与する限り、干渉するDMRSを抑制することができる。同様に、OCCコード[1 1]は、eNB整合フィルが、同一のサブフレームの2つのRSでそれぞれ反対の符号を有すると、OCCコード[1 1]が寄与する限り、干渉するDMRSを抑制することができる。CSとOCCがREL−11 UEによってもサポートされると仮定することは容易である。
【0012】
ベースシーケンスが準静的な方法で割り当てられる一方で、CS及びOCCは、UL PUSCH送信ごとにスケジューリング許可の一部として動的に割り当てられる。結合処理技術がPUSCHのために適用できるにもかかわらず、DMRSに基づくチャネル推定は、通常、UL CoMPの場合でさえ、各受信点で独立した方法で実行される。したがって、特にRSについては、干渉レベルを許容可能な低いレベルに維持することが重要である。
【0013】
SRSの場合、RSはまた、BSI(一部のUEのDMRS BSIとは異なることがある)に従って生成される。異なるSRSは、CS及びCOMBの使用により多重化することができる。COMBは、RSの副搬送波のサブセットへの特定の交互配置されたマッピングを示す。異なるCOMBS(即ち、副搬送波の重複しない組)に割り当てられたSRSは、ゆえに理想的に直交する。
【0014】
PUCCH−RSの場合、スロットごとに1つ又は複数のRSが、PUCCHフォーマット及び他のパラメータに応じて、生成される。異なるUEのPUCCH−RSは、各スロットに及ぶCS及びOCCの使用により、分離される。また、PUCCH−RSは、概して、DMRS BSIとは異なることがあるBSIに応じて生成される。
【0015】
LTEのRel−11で議論されている改善点の1つは、UEの特定の方法で、準静的に又は動的に、例えばスケジューリング許可でシグナリングすることによって、BSI及びCSH初期化のためのパラメータを構成する可能性から構成されている。このような構成可能性により、例えば、UE間でのセル間直交性などを有効にする追加のRSの割り当てオプションが可能になる。R1121028−「UL DMRS構成及びシグナリングについての詳細」。OCCによる直交性を実現するために、同一のCSHパターンでペアリングされたUEを構成する必要がある。しかしながら、問題として、CSHの初期化C
initは、31ビットのパラメータであり、シグナリングされるためのかなりのオーバーヘッドを必要とする。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、1つ又は複数の実施形態による無線通信システム10を示す。システム10は、複数の地理的に分散した基地局12−1、12−2、...12−Nを備える無線アクセスネットワーク(RAN)を含む。基地局12−1、12−2、...12−N(基地局12と総称される)は、無線通信適用範囲を、セル14−1、14−2、...14−Nと呼ばれるそれぞれの領域内で無線デバイス16−1,16−2、...16−Mに提供する。基地局12を介して、無線デバイス16は、デバイス16を1つ又は複数の外部ネットワーク20、例えば、インターネットなどに順に接続するコアネットワーク18にアクセスする。
【0027】
無線デバイス16は、それぞれのアップリンク参照信号22を基地局12に送信する。基地局12は、基地局12とデバイス16との間のそれぞれの無線チャネルを推定するためなどの、さまざまな理由のために、アップリンク参照信号を用いる。アップリンク参照信号は、例えば、基地局12が、アップリンクデータ及び/又は制御信号、サウンディング参照信号(SRS)などを復調するために使用する復調参照信号(DMRS)を備えることができる。いずれにせよ、デバイス16は、これらのアップリンク参照信号22を生成するために、擬似ランダムシーケンス発生器を用いる。任意の所与のデバイス16−mは、例えば、2つの最大長のシーケンスを生成するために2つのシーケンス発生器を使用することができ、次に、モジュロ−2は、デバイス16のためのアップリンク参照信号22が基礎とするゴールドシーケンスを形成するためにそれらのシーケンスを追加する。いくつかの実施形態におけるこのゴールドシーケンスは、例えば、デバイス16が巡回シフトに適用する巡回シフトホッピング(CSH)のパターンを指示し、次いで、アップリンク参照信号22を生成するために、生じた巡回シフトをベースシーケンスに適用する。
【0028】
基地局12−nは、任意の所与のデバイス16−mが、他の物の間で、1つ又は複数のデバイスの擬似ランダムシーケンス発生器の初期化を支配することにより送信する、アップリンク参照シグナル22−mを支配する。この点において、基地局12−nは、デバイスに、LTEの実施形態において10進形式C
initであらわされる初期化シーケンスのような、発生器が初期化される初期化シーケンスを通知することにより、デバイスのシーケンス発生器を初期化する。いくつかの実施形態では、基地局12−nは、それに基づき、デバイスのアップリンク参照信号22を識別するなどのために、異なる(すなわち、デバイス固有の)初期化シーケンスで、異なるデバイスのシーケンス発生器を初期化する。他の実施形態では、基地局12−nは、デバイスのアップリンク参照シグナル22をそれに基づき識別しつつ、共通の(例えば、セル固有の)初期化シーケンスで、異なるデバイスのシーケンス発生器を初期化する。さらに他の実施形態では、基地局12−nにより、デバイス固有のシーケンスで初期化されるデバイスのシーケンス発生器もあれば、セル固有のシーケンスで初期化されるデバイスのシーケンス発生器もある。いずれにせよ、既知の手法と比較して、それらのシーケンスを示すために必要な制御シグナリングの量を減らすために、本明細書中の基地局12−nは、有利には、異なる方法で、少なくともいくつかのデバイス16のための初期化シーケンスを符号化する。
【0029】
図2は、基地局12−1、無線デバイス16−1、及び無線デバイス16−2を例として参照して、この点における1つ又は複数の実施形態による基地局処理を示す。無線デバイス16−1及び16−2は、基地局12−1が
図2に示す処理を実行するために、同時に基地局のセル14−1内に存在する必要はない。実際、以下に説明するように、基地局12−1は、デバイス16−2の初期化シーケンスの決定、符号化、及びシグナリングから独立して、デバイス16−1の初期化シーケンスを決定し、符号化し、シグナリングする。同一の初期化シーケンスがデバイス16−1及び16−2のために決定されるかどうか(例えば、シーケンスがセル固有である場合)に関わらず、及びデバイス16−1及び16−2のための初期化シーケンスが少なくとも1つの共通するパラメータを使用して符号化されるかどうかに関わらず、そのような状況は変わらない。この独立した処理は、基地局12−1が、少なくともいくつかの実施形態では、デバイス16−2のための初期化シーケンスの決定、符号化、及びシグナリングとは異なる時間に、デバイス16−1のための初期化シーケンスを決定し、符号化し、シグナリングするように構成できることを意味する。
【0030】
この点を考慮して、
図2の基地局12−1によって実施される処理は、第1のシーケンスを、第1の無線デバイス16−1の擬似ランダムシーケンス発生器のために可能な初期化シーケンスの第1のサブセットから決定することを含む(ブロック100)。処理は、第2のシーケンスを、第2の無線デバイス16−2の擬似ランダムシーケンス発生器のために可能な初期化シーケンスの第2のサブセットから決定することをさらに含む(ブロック110)。可能なシーケンスのこの第2のサブセットの範囲は、少なくとも可能なシーケンスの第1のサブセットの範囲に及ぶ。このようにシーケンスを決定することは、シーケンスを計算すること、シーケンスをメモリから取得すること、又はシーケンスを他の方法で獲得することを含むことができ、別のセル(例えば、セル14−2)によって用いられるセル固有のシーケンスを決定することを含むことができる。
【0031】
これらのシーケンスがどのように決定されるかに関わらず、基地局12−1での処理はまた、第1のシーケンスを、2つ以上のパラメータの第1の組として符号化すること(ブロック120)、及び第2のシーケンスを、1つ又は複数のパラメータの第2の組のとして符号化すること(ブロック130)を伴う。このパラメータの第2の組は、パラメータの第1の組に含まれない少なくとも1つのパラメータを含み、第1の組より少ないビットを含む。つまり、第2のデバイス16−2にシグナリングされる可能な初期化シーケンスの範囲(すなわち、第2のサブセットの範囲)が、少なくとも、第1のデバイス16−1にシグナリングされる可能な初期化シーケンスの範囲(すなわち、第1のサブセットの範囲)に及ぶとしても、第2のデバイス16−2の初期化シーケンスは、第1のデバイス16−1の初期化シーケンスよりも少ないビットで符号化される。この符号化を実行して、基地局12−1での処理は、第1及び第2の組のパラメータを第1及び第2のデバイス16−1、16−2に送信することにより、第1及び第2のデバイス16−1、16−2のシーケンス発生器を、第1及び第2のシーケンスで初期化すること(ブロック140)を最終的に含む。上述のように、そのような初期化及び送信は、独立して、異なるデバイス16−1,16−2のための異なる時間で実行することができる。
【0032】
第1の組のパラメータを受信するとすぐに、第1のデバイス16−1は、第1の組のパラメータの関数としてシーケンスを定義する、1つ又は複数の規則に従って、第1のシーケンスを復号し、次に、そのシーケンスに初期化されたデバイスのシーケンス発生器でアップリンク参照信号を生成する。第1のデバイス16−1が基地局12−1へアップリンク参照信号を送信すると、基地局12−1は、アップリンク参照信号に基づいて、第1のデバイス16−1への無線通信チャネルを推定するために、第1の組のパラメータを採用する。同様に、第2の組のパラメータを受信するとすぐに、第2のデバイス16−2は、第2の組のパラメータの関数としてシーケンスを定義する、1つ又は複数の規則に従って第2のシーケンスを復号し、次に、そのシーケンスに初期化されたデバイスのシーケンス発生器でアップリンク参照信号を生成する。第2のデバイス16−2がアップリンク参照信号を基地局12−1に送信すると、基地局12−1は、アップリンク参照信号に基づいて、第2のデバイス16−2への無線通信チャネルを推定するために、第2の組のパラメータを採用する。
【0033】
図3は、基地局処理の1つの簡単な例の図形表示を示す。(しかしながら、この単純な例は、使用されるビット数及びサブセットの位置の点で、非限定的である)。
図3に示すように、第1の無線デバイス16−1のシーケンス発生器は、31ビット(最下位ビットを基準にレベル付された0〜30)を含む。このように、第1のデバイス16−1のシーケンス発生器のために可能な初期化シーケンスの完全な組24−1は、少なくとも名目上は、シーケンス「000....000」からシーケンス「111....111」(すなわち、2
0から2
30までの10進法の範囲)を含む。この例における第2のデバイス16−2のシーケンス発生器のために可能な初期化シーケンスの完全な組24−2についても同じことが言える。
【0034】
初期化シーケンスの完全な組24−1、24−2により提供される名目上の可能性にもかかわらず、基地局12−1は、結果的にシグナリングされる初期化シーケンスを人工的に制限するために、デバイス16−1,16−2の実際の初期化シーケンスを決定する際に、それらの可能性のうちのいくつかを検討事項から排除する。具体的には、基地局12−1は、可能な初期化シーケンスのサブセット28−1のみから第1のデバイス16−1のための第1のシーケンス26−1を決定し、可能な初期化シーケンスのサブセット28−2のみから第2のデバイス16−2のための第2のシーケンス26−2を決定する。図示のように、これらのサブセット28−1、28−2内の可能なシーケンスは、なおも31ビットを含み、即ち、それは、可能なシーケンスの完全な組24−1、24−2の範囲に対応するビット数である。しかし、サブセット28−1、28−2内のシーケンスは、21の最上位ビットについて0を有しており、これは、サブセット28−1、28−2の範囲30−1、30−2が10の最下位ビットのみによって表されることを意味する。この場合、第2のサブセット28−2の範囲30−2は、第1のサブセット28−1の範囲の30−1と同一の範囲に及ぶ。しかし、一般的には、第2のサブセット28−2の範囲30−2は、たとえ2つのサブセット28−1、28−2が同一のビット数によって表されるとしても、第1のサブセット28−1の範囲30−1よりも大きな範囲に及ぶこともある(例えば、10進法の1023対541)。
【0035】
いずれにせよ、基地局12−1は、第2のデバイス16−2のための第2のシーケンス26−2を符号化する方法とは別の方法で、第1のデバイス16−1のための第1のシーケンス26−1を符号化する。いくつかの実施形態では、例えば、第1のデバイス16−1及び第2のデバイス16−2は、異なる種類又はモデルのデバイスであり、ゆえに、シーケンス26−1及び26−2を異なる方法で復号するように構成される。1つの例における第1のデバイス16−1は、LTE Rel−8/9/1 のために構成されるレガシーデバイスを備え、第2のデバイス16−2は、LTE Rel−11のために構成されるより新しいデバイスを備える。以下でより詳しく説明されるが、第2のサブセット28−2の範囲30−2は、第1のサブセット28−1の範囲30−1と少なくとも同程度の大きさに及ぶので、基地局12−1は、この場合、有利には、同一の初期化シーケンスをレガシーデバイス及び新しいデバイスに割り当てることができるが、より効率的な方法で、初期化シーケンスを新たなデバイスにシグナリングすることができる。
【0036】
いずれにしても、基地局12−1は、第1のシーケンス26−1を、2つ以上のパラメータの第1の組32−1のとして符号化し、第2のシーケンス26−2を、1つ又は複数のパラメータの第2の組32−2のとして符号化する。第2の組32−2が、第1の組32−1と少なくても同程度の可能な初期化シーケンスの範囲を表すことができるとしても、第2のシーケンス26−2の符号化は、少なくとも、第2の組32−2が、第1の組32−1よりも少ないビットを含むという意味で、第1のシーケンス26−1の符号化に対して最適化される。これらのパラメータの組32−1、32−2は、次に、実際の初期化シーケンス26−1、26−2ではなく、無線デバイス16−1、16−2にシグナリングされる。パラメータの各組32−1、32−2は、31ビットのシーケンス26−1、26−2自体をシグナリングするのに必要とされるほど、シグナリングのためにビットを必要とせず、これは、符号化が、有利には、シーケンス26−1、26−2をデバイス16−1、16−2に示すのに必要とされる制御シグナリングの量を減らすことを意味する。
【0037】
いくつかの実施形態では、第2のシーケンス26−2は、単一パラメータzとして符号化されるのに対し、第1のシーケンス26−1は、2つ以上のパラメータとして符号化される。即ち、第2の組32−2は、たとえ第1の組32−1が複数のパラメータを有しているとしても、ただ1つのパラメータ、つまりzを有するだけである。
【0038】
図4は、特にこの単一パラメータ符号化に関して、基地局12−1での処理を示す。
図4に示すように、基地局12−1での処理は、無線デバイス16−2のシーケンス発生器のために可能な初期化シーケンスのサブセット28−2からシーケンス26−2を決定すること(ブロック200)を伴う。次に、処理は、決定されたシーケンス26−2を単一パラメータzとして符号化すること(ブロック210)を含む。この単一パラメータzの異なる値は、サブセット28−2内で異なる可能な初期化シーケンスを表す。処理は、単一パラメータzを送信することにより、無線デバイス16−2のためのシーケンス発生器を、決定されたシーケンス26−2で初期化すること(ブロック220)を最終的に含む。
【0039】
少なくとも1つの実施形態では、単一パラメータzは、定義された数が第2のサブセット28−2の範囲30−2に対応する第2のシーケンス26−2から定義された数の最下位ビットを含む。
図3の例では、この単一パラメータzは、したがって、第2のシーケンス26−2の10の最下位ビットを含むだろう。いずれにせよ、この実施形態では、基地局12−1の符号化は、第2のシーケンス26−2の定義された数の最上位ビット(例えば、21の最上位ビット、すなわち10〜30ビット)を切り捨てることを伴うが、これは、これらのビットが、第2のサブセット28−2内で全ての可能なシーケンスにおいて0であるからである。第2のデバイス16−2は、例えば、0を単一パラメータzの先頭に追加することなどにより、単一パラメータzを0でパディングする復号化を実行することができるだろう。しかし、当業者であれば、パディングは、他の実施形態では、異なる方法で第2のデバイス16−2により実行できることを理解するだろう。例えば、いくつかの実施形態では、第2のデバイス16−2は、0をそのパラメータにアペンドすることにより、単一パラメータzをパディングする。
【0040】
少なくとも1つの他の実施形態では、第2のシーケンス26−2は、可能な初期化シーケンスの定義された1対1のマッピングに基づき、単一パラメータzのための可能な値に対する第2のサブセット30−2内で符号化される。しかしながら、注目すべきは、単一パラメータzの範囲が、第2のサブセット28−2の範囲30−2よりも小さいことである。この意味において定義されるマッピングは、より少ないビットの第2のシーケンス26−2をシグナリングするために、第2のサブセット28−2の範囲30−2を、単一パラメータzに効果的に圧縮する。
【0041】
図5は、第2のサブセット28−2から選択される第2のシーケンス26−2が、第2のシーケンス26−2の10進表示であるC
initとして表される、LTEの実施形態に照らした例示的な、定義されたマッピングを示す。
図4に示すように、可能な初期化シーケンスC
initのサブセット28−2は、すべての初期化シーケンスをサブセットの範囲30−2内に含むわけではないという意味では疎である。例えば、サブセット28−2は、たとえサブセットの範囲30−2がC
initの値0〜541に及んでいるにせよ、30、31、62、63、94、95、などのC
init値を含まない。定義されたマッピングは、サブセット28−2内のこれらの可能な初期化シーケンスC
initを、単一パラメータzのための可能な値にマッピングし(ここでは、10進表示として示される)、その結果、zは疎でなくなる。マッピングによれば、初期化シーケンスC
init=32がz=30として符号化され、C
init=33がz=31として符号化され、C
init=64がz=60として符号化され、C
init=65がz=61として符号化される、などである。このマッピングの性質のため、可能な初期化シーケンスC
initの第2のサブセット28−2の{0、541}の範囲30−2は、単一パラメータzの{0、509}の範囲に圧縮される。したがって、注目すべきは、単一パラメータzのシグナリングには、9ビットが必要であるが、これは、この圧縮をせずに、先ほど述べられたパラメータzをシグナリングするために必要とされるであろう10ビットよりも、シグナリングするために1ビット少ない。
【0042】
図5は、言うまでもなく、定義されたマッピングを、符号化のために基地局12−1により取得される参照表として示す。いくつかの実施形態における基地局12−1は、表をメモリから取得し、他方で、他の実施形態では、基地局12−1は、予め定義された数式にしたがって、必要に応じて表を生成することにより、表を取得する。いずれにせよ、基地局12−1は、第2のシーケンス26−2C
initを、第2のサブセット28−2から選択し、次に参照表の選択されたシーケンスC
initに対応するパラメータzを決定する。
【0043】
他の実施形態では、マッピングが、参照表以外の方法で実施される。1つの実施形態では、例えば、定義されたマッピングは、符号化のために基地局12−1により使用されるアルゴリズム又は数式として存在する。具体的には、基地局12−1は、
がxをx以下の最も近い整数に丸める床関数を示すとすると、選択された初期化シーケンスC
initを単一パラメータ
として符号化する。
【0044】
さらに、
図5は、単一パラメータzを、可能な初期化シーケンスC
initの第2のサブセット28−2の範囲を圧縮するために必要とされる最小範囲を有するかのように図示しているが、そうである必要はない。例えば、第2のシーケンス26−2C
initは、デバイス16−2が、アップリンク参照信号22−2を生成するための巡回シフトに適用するCSHに対応する実施形態を考える。この場合の1つ又は複数の実施形態では、
基地局12−1は、第2のシーケンス26−2C
init、及びCSHが第2の組32−2の1つ又は複数のパラメータとして有効であるかどうかの指示を結合符号化する。ゆえに、第2の組32−2のパラメータがただ単一パラメータzを含む場合には、zの範囲は、CSHが有効かどうかを示すために拡張される。
【0045】
図6A及び
図6Bは、この2つの異なる例を示す。両方の例では、基地局12−1は、結合符号化を実行し、その結果、単一パラメータzは、第2のシーケンス26−2C
initを先述のように示すだけではなく、CSH_ENABLEと呼ばれるフラグも示す。CSH_ENABLE = 1の場合、CSHは有効である。CSH_ENABLE = 0の場合、CSHは有効でない。
【0046】
図6Aの結合符号化によれば、基地局12−1は、結合符号化を実行し、その結果、パラメータzが0〜509の10進法の値を有する場合に、単一パラメータzは、CSH_ENABLE=1を示す。zのこれらの可能な値は、同様に
図5に示すように、可能な初期化シーケンスC
initにマッピングされるが、これは、結合符号化がまた、CSH_ENABLE=1のときに使用される初期化シーケンスC
initも示すことを意味する。これに対し、パラメータzが、他の10進法の値を有する場合、パラメータzは、CSH_ENABLE=0であることを示す。この場合にCSHは無効なので、初期化シーケンスC
initは、定義されない、又は少なくとも適切ではない。
【0047】
図6Aは、単一パラメータzの1つ又は複数の値が、CSHが無効であることを(結合して又は別個に)示すことを企図するが、
図6Bは、単一の値(すなわち、z=511)を、CSHが無効であると示すものとして、より具体的に示している。CSH_ENABLEをパラメータzの単一の値のみで示すことが、実際により簡単であることを証明し、また、初期化シーケンスC
init及びCSH_ENABLE以外の追加の情報のシグナリングを可能にもする。もちろん、パラメータzの512の値を利用するだけの実施形態は、zについて512を上回る値を利用する実施形態のために10ビットではなく、9ビットだけしか有さないzのシグナリングには有利であることが分かる。
【0048】
しかし、そのような結合符号化が採用されているか否かに関わらず、本明細書中の第2の無線デバイス16−2は、基地局12−1からの単一パラメータzを受信し、その単一パラメータzに従って、アップリンク参照信号生成を基礎とする、擬似ランダムシーケンス発生器を初期化するように構成される。
図7は、デバイス16−2がこれに関して実行する処理を図示する。
【0049】
図7に示されるように、デバイス16−2での処理は、サブセット28−2の異なるの初期化シーケンスを、単一パラメータzの関数として定義する1つ又は複数の規則に従って、シーケンス発生器の可能な初期化シーケンスの第2のサブセット28−2内で、第2の初期化シーケンス26−2のうちの1つを選択的に導き出すこと(ブロック300)を伴う。処理は、アップリンク参照信号22−2を、導き出された初期化シーケンス26−2に初期化されたシーケンス発生器で生成すること(ブロック310)、及び生成された信号22−2を送信すること(ブロック320)をさらに含む。
【0050】
第2のシーケンス26−2から定義された数の最下位ビットを含む単一パラメータzである第2の初期化シーケンス26−2を符号化している実施形態では、無線デバイスの導き出しは、単一パラメータzを定義された数の0でパディングすることを伴う。いくつかの実施形態では、このパディングは、定義された数の0を単一パラメータzにアペンドすることを含む。しかし、他の実施形態では、パディングは、定義された数の0を、単一パラメータzの先頭に追加することを含む。この場合、デバイス16−2は、0でパディングされたその最上位ビットを有する第2のシーケンス26−2を効果的に導き出す。
【0051】
それに対し、基地局12−1が、単一パラメータzを有する定義された1対1のマッピングに従って、第2の初期化シーケンス26−2を符号化した実施形態では(例えば、
図5など)、デバイス16−2は、同一のマッピングに基づき、シーケンス26−2を導き出す。いくつかの実施形態では、例えば、デバイス16−2は、
図5の参照表をメモリに格納し、受信されたパラメータzを第2の初期化シーケンス26−2C
initにマッピングするために、その表を参照する。そのことは、C
initの10進表示を対応する2進表示に変換することを伴うことがある。他の実施形態では、デバイス16−2は、第2の初期化シーケンス26−2C
initを、シーケンス26−2を符号化するために基地局12−1により使用される対応するアルゴリズム又は数式に従い、導き出す。例えば、デバイス16−2は、
に従って、シーケンス26−2C
initを導き出す。
【0052】
シーケンス26−2C
initがCSHパターンに対応する実施形態では、デバイス16−2は、CSHパターンを導き出されたシーケンス26−2から決定することにより、アップリンク参照信号22−2を生成する。デバイス16−2は、次にCSHパターンを巡回シフトに適用し、最終的には生じた巡回シフトをベースシーケンスに適用し、アップリンク参照信号22−2を生成する。もちろん、単一パラメータzはCSH_ENABLEのみならずシーケンス26−2を結合符号化する場合、デバイス16−2は、CSH_ENABLEをパラメータzの関数として定義する1つ又は複数の規則に従って、CSH_ENABLEを導き出し、次に、CSH_ENABLEによりCSHパターンを選択的に決定し、適用する。
【0053】
図5〜7に関して示された実施形態は、単一パラメータzとして符号化される第2のシーケンス26−2を示すが、本明細書中の他の実施形態は、第2のシーケンス26−2を、2つのパラメータx、yの線形結合として符号化する;すなわち、単一パラメータzのみを備える
図3のパラメータの第2の組32−2の代わりに、第2の組32−2は、2つのパラメータx、yを備える。この場合、パラメータyは、第2のシーケンス26−2から定義された数の最下位ビットを符号化する。パラメータxは、第2のシーケンス26−2から1つ又は複数の最上位ビットを含まない、つまり、定義された数(例えば、21)の最上位ビットが0である、第2のシーケンス26−2から定義された数の上位ビットを符号化する。
図8は、参照表がx、yの線形結合を実施する場合の、この例を示す。
【0054】
図8に示されるように、参照表は、x=0及びy={0,1,...29}の線形結合を、可能な初期化シーケンスC
init={0,1,...29}にマッピングする。同様に、表は、x=1及びy={0,1,...29}の線形結合を、可能な初期化シーケンスC
init={32,33,..61}にマッピングし、それ以降も同様である。xの範囲が{0、16}、yの範囲が{0、29}の状態で、第2のシーケンス26−2は、xに対して5ビット、yに対して5ビットを含む、10ビットで符号化される。
【0055】
図8は、言うまでもなく、定義されたマッピングを、符号化のために基地局12−1により取得される参照表として示す。いくつかの実施形態における基地局12−1は、表をメモリから取得し、他方で、他の実施形態では、基地局12−1は、予め定義された数式にしたがって、必要に応じて表を生成することにより、表を取得する。いずれにせよ、基地局12−1は、第2のサブセット28−2から第2のシーケンス26−2C
initを選択し、次に、参照表の選択されたシーケンスC
initに対応するパラメータx、yを決定する。デバイス16−2は、これらのパラメータx、yを受信し、第2のシーケンス26−2をこの同一のマッピングに従って対応して導き出す。
【0056】
他の実施形態では、マッピングが、参照表以外の方法で実施される。1つの実施形態では、例えば、定義されたマッピングは、符号化のために基地局12−1により、又は復号化のためにデバイス16−2により、使用されるアルゴリズム又は数式として存在する。具体的には、基地局12−1は、選択された初期化シーケンスC
initをパラメータx、yとして符号化し、デバイス16−2は、シーケンスC
initをC
init=32x+yに従って、パラメータx、yの関数として復号する。
【0057】
先ほど簡単に述べられたように、いくつかの実施形態の基地局12−1は、異なるデバイス16−1、16−2のためのシーケンス発生器を、共通の初期化シーケンスで初期化する。ゆえに、この場合、基地局12−1は、第1及び第2のシーケンス26−1、26−2を、それらが同一になるように、選択する。いくつかの実施形態では、選択された初期化シーケンスは、セル14−1のデバイス16のうちの少なくともいくつかの間で共通しているので、共通のシーケンスである。例えば、初期化シーケンスが選択され、そのシーケンスが符号化されるのは、セル14−1の物理セルID(physical cell identity)によって決まる。
【0058】
このような実施形態が、例えばLTEを採用する場合に、基地局12−1は、
が、セル14−1のための物理セルIDで504の異なる整数値をとり、
は30異なる整数値{0,29}をとるPUSCHのためのシーケンスシフトパターンであるとする場合に、
に従って、第1の初期化シーケンス26−1及び第2の初期化シーケンス26−2の10進数表示を決定する。ここで、C
initの範囲は、{0、541}であることが分かる。基地局12−1は、第1のデバイス16−1のための第1の初期化シーケンス26−1を、単に
及び
を含むパラメータの組32−1として、符号化する。第2のデバイス装置16−2のための第2の初期化シーケンス26−2が、第1のシーケンス26−1と同一であるとしても、基地局12−1は、上述の実施形態のいずれかに従って、第2のシーケンス26−2を違った方法で符号化する。基地局12−1は、例えば、第2のシーケンス26−2を単一パラメータzとして(シーケンスの10の最下位桁として直接、又はシーケンスをパラメータzにマッピングすることにより)符号化することができ、若しくは第2のシーケンス26−2を、
の場合にパラメータx、yとして符号化することができる。
【0059】
他の実施形態では、基地局12−1は、異なるデバイス16−1、16−2のためのシーケンス発生器を、デバイス固有である異なるシーケンスで初期化する。この場合、基地局12−1は、デバイス固有である少なくとも1つのパラメータに基づき、初期化シーケンス26−1、26−2を決定する。少なくともいくつかの実施形態では、基地局12−1は、シーケンス26−1、26−2を、物理セルIDに関わらず決定する。
【0060】
さらに別の実施形態では、基地局12−1は、第1のデバイス16−1のためのシーケンス発生器をセル固有のシーケンスで初期化するが、第2のデバイス16−2のためのシーケンス発生器は、デバイス固有のシーケンスで初期化する。実施形態が、例えばLTEを採用する場合、基地局12−1は、第1のデバイス16−1のための第1の初期化シーケンス26−1を、単に
及び
を含むパラメータの組32−1として符号化する。これに対し、基地局12は、
に関わらず、第2のデバイス16−2のための第2の初期化シーケンス26−2を決定し、次に第2のシーケンス26−2を、単一パラメータzとして符号化する、又は第2のシーケンス26−2を、これらのパラメータが
により決定されない場合に、パラメータx、yとして符号化する。
【0061】
これらの実施形態のうちの少なくともいくつかにおいて、基地局12−1は、第1のデバイス16−1に対する下位互換性を維持するために、シーケンス発生器をこの方法で(すなわち、第1のデバイス16−1に対してセル固有の方法で、及び第2のデバイス16−2に対してデバイス固有の方法で)初期化し、他方で、異なるセル14−2における第3の無線デバイス16−3に対して、第2のデバイス162のセル間直交性を実現する。例えば、実施形態がLTEを採用する場合、第1のデバイス16−1は、LTE Rel−8/9/10のために構成されるレガシーデバイスを備え、第2のデバイス16−2は、LTE Rel−11のために構成される新しいデバイスを備える。
【0062】
いくつかの実施形態では、第3のデバイス16−3は、レガシーデバイスである。この場合、基地局12−1は、第2のサブセット28−2から、第3のデバイス28−1の擬似ランダムシーケンス発生器の初期化シーケンスに一致する初期化シーケンスを選択することにより、第2のデバイス16−2のための第2のシーケンス26−2を決定する。基地局12−1は、第2のサブセット28−2の範囲が、少なくとも、第3のデバイス16−3のための可能な初期化シーケンスのサブセットの範囲に及ぶので、こうすることができる;即ち、第2のデバイス16−1のための初期化シーケンスは、第3のデバイス16−3について可能である値をとることができる。第2のデバイス16−2及び第三のデバイス16−3のための初期化シーケンスが同一の状態で、基地局12−1は、デバイスのための異なる直交カバーコード(OCC)を使用することにより、これらのペアリングされたデバイス16−2、16−3のためのセル間直交性を実現することができる。したがって、特に、このように初期化シーケンスを構成することにより、基地局12−1は、それらのデバイスのアップリンク参照信号22−2、22−3の間のセル間直交性を実現するために、セル14−1の新しいデバイス16−2を、異なるセル14−2内の任意のレガシーデバイス16−3と、任意にペアリングすることができる。
【0063】
上記実施形態では、基地局12−1は、第3デバイス16−3のための初期化シーケンスを、セル14−2にサービスを提供する基地局12−2から受信することができる。代替的には、基地局12−1は、第3の装置16−3のためのシーケンスがセル固有である実施形態において、セル14−2のための
の知識を介するなどして、そのシーケンスを別の方法で取得することができる。もちろん、基地局12−1は、セル14−1の新たなデバイス16−1を、類似の方法で、異なるセル14−2の新たなデバイスとペアリングすることができる。
【0064】
当業者は、上記の実施形態は、特定の値で示されているが、実施形態は、この点に限定されないことを理解するであろう。例えば、第2の組32−2のパラメータは9ビット又は10ビットであり、第2のシーケンス26−2は31ビットであると説明されたが、他のビットサイズも可能である。同様に、第1のサブセット28−1及び第2のサブセット28−2の範囲がが、最小値0〜最大値541ほどに及んでいると説明されたが、他の範囲も可能である。
【0065】
さらに、当業者は、3GPP LTE−Advancedからの専門用語が、本明細書中の実施形態を説明するために使用されてきたが、これが、本発明の範囲を前述のシステムだけに限定するものと見なされるべきではないことを理解するであろう。WCDMA(登録商標)、WiMAXの、UMB及びGSM(登録商標)を含む他の無線システムもまた、本明細書中の技術を利用することから利益を得ることができる。
【0066】
また、注目すべきは、基地局及び無線デバイス(例えば、UE)などの専門用語は、非限定的なもとのみなされるべきで、特にその2つの間の一定の階層関係を意味するものではない;即ち、「基地局」は、デバイス1及び「UE」デバイス2とみなすことができ、これら2つのデバイスは、ある無線チャネルを通じて互いに通信するということである。
【0067】
上記の実施形態は、LTE Rel−11ネットワークのULに焦点を当てたが、他の実施形態は、DL及び他の通信プロトコルにさえ適用することができる。
【0068】
前述の変更及び変形の観点から、当業者は、
図9が、本明細書中の1つ又は複数の実施形態に従って構成された例示的な無線デバイス16−2を示すことを理解するだろう。
図9に示すように、無線デバイス16−2は、ユーザー指向の機能(ソフトウェアアプリケーション、ユーザインタフェース制御など)を実行するアプリケーションプロセッサ46、並びにトランシーバー回路42及びアンテナ40を介するネットワークアクセス及び加入者アカウンティングに必要な暗号化及び認証処理のいずれかを含む、エアインターフェースプロトコルを実装するアクセスプロセッサ48に、少なくとも論理的に分けられる。
【0069】
一般に、無線デバイス16−2は、その実行が本明細書中の教示によるデバイス16−2を構成するコンピュータプログラムなどを格納するための、例えば、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、若しくはその他のデジタルプロセッサ、及び関連するメモリ又は他のコンピュータ可読媒体のような、1つ又は複数の処理回路44を含む。特に、デバイス16−2は、上述のように、送信用の参照信号を生成するために、例えば格納されたコンピュータプログラム命令の実行により、具体的に構成される処理回路(例えば、参照信号発生器)46を備える。
【0070】
具体的には、処理回路46は、サブセットの異なる初期化シーケンスを、単一パラメータの関数として定義する1つ又は複数の規則に従って、シーケンス発生器のために可能な初期化シーケンスのサブセット内で、初期化シーケンスのうちの1つを選択的に導き出すように構成される。処理回路46は、導き出された初期化シーケンスに基づき、アップリンク参照信号を生成し、生成された信号をトランシーバー42を介して送信するようにさらに構成される。
【0071】
図10も同様に、本明細中の1つ又は複数の実施形態に従って構成される例示的な基地局12−1示す。当業者は、1つ又は複数の実施形態の基地局12−1が、その実行が基地局12−1を構成し、
図2又は
図4に示される処理を実行するコンピュータプログラムなどを格納するための、例えば、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、若しくはその他のデジタルプロセッサ、及び関連メモリ又は他のコンピュータ可読媒体のような、1つ又は複数の処理回路56を含むことを理解するだろう。
【0072】
図2に示す処理を実行するように構成されると、基地局12−1は、例えば格納されたコンピュータプログラム命令の実行により、無線デバイス16が先述のようにアップリンク参照信号22の生成を基礎とする疑似ランダムシーケンス発生器を初期化するように具体的に構成される、1つ又は複数の処理回路(例えば制御/シグナリング回路)58を含む。1つ又は複数の処理回路58は、第1のシーケンス261を、第1の無線デバイス16−1の擬似ランダムシーケンス発生器のために可能な初期化シーケンスの第1のサブセット28−1から決定するように構成される。1つ又は複数の処理回路58は、第2のシーケンス26−2を、第2の無線デバイス16−2の擬似ランダムシーケンス発生器のために可能な初期化シーケンスの第2のサブセットから決定するようにさらに構成される。この第2のサブセット28−2の範囲は、少なくとも、第1のサブセット28−1の範囲に及ぶ。さらに、1つ又は複数の処理回路58は、第1のシーケンス26−1を、第1の組32−1の2つ以上のパラメータのとして符号化し、第2のシーケンス26−2を、第2の組32−2の1つ又は複数のパラメータのとして符号化するように構成される。この第2の組32−2は、第1の組32−1よりも少ないビットを備え、第1の組32−1に含まれない少なくとも1つのパラメータを含む。最終的に、1つ又は複数の処理回路58は、第1の組32−1及び第2の組32−2のパラメータを第1のデバイス16−1及び第2のデバイス16−2に送信することにより、第1のデバイス16−1及び第2のデバイス16−2のシーケンス発生器を、第1のシーケンス26−1及び第2のシーケンス26−2で初期化するように構成される。
【0073】
図4に示す処理を実行するように構成されると、基地局12−1は、例えば格納されたコンピュータプログラム命令の実行により、無線デバイス16−2がアップリンク参照信号の生成を基礎とする疑似ランダムシーケンス発生器を初期化するように具体的に構成される、1つ又は複数の処理回路(例えば、制御/シグナリング回路)58を含む。1つ又は複数の処理回路58は、この点で、シーケンス26−2を、デバイス16−2の擬似ランダムシーケンス発生器のために可能な初期化シーケンスのサブセット28−2から決定するように構成される。1つ又は複数の処理回路58は、次に、決定されたシーケンス26−2を単一パラメータzとして符号化するように構成される。この単一パラメータzの異なる値は、サブセット28−2内で異なる可能な初期化シーケンスを表す。最終的に、1つ又は複数の処理回路58は、無線デバイス16−2の疑似ランダムシーケンス発生器を、単一パラメータzを無線デバイス16−2に送信することにより、決定されたシーケンス26−2で初期化するように構成される。
【0074】
いくつかのさらなる実施形態が、ここで説明される。
【0075】
先ほど説明されたように、セル間RS直交性のためにUEのフレキシブルなペアリングを有効にするために、新しいUEのためのCSH初期化(C
init)が、少なくとも、隣接するセル内でUEが取る値を含む、ネットワーク内のレガシーUEに可能なすべての値をとることができることは、有益である。他方、CSHの初期化C
initは、31ビットのパラメータであり、シグナリングされるためにかなりのオーバーヘッドを必要とする。
【0076】
標準TS36.211 V10.4.0では、TS36.211V10.4.0のセクション5.5.1.4で特定された擬似ランダムシーケンス発生器C
initは、以下のように定義される。
このとき、
は、504の異なる整数値をとるセルIDであり、
は、30の異なる整数値をとるPUSCHのためのシーケンスシフトパターンであるとする。したがって、C
initのダイナミックレンジ(すなわち、最小値と最大値のとの間隔)が[0,541]であることが分かる。
【0077】
レガシーUEが及ぶC
initの値のみが、RS及びOCCのセル間直交性で新たなUEとレガシーUEをペアリングするために必要であることがここで分かる。したがって、本明細書中の1つ又は複数の実施形態は、C
initの代わりにパラメータzのシグナリングで構成され、zを0でパディングすることにより、C
initを取得する。具体的には、この場合、zには10ビットが必要であり、C
initを形成するために、21ビットがzの先頭に追加される(最上位ビットとして)。
【0078】
他の可能性は、C
initが以下の式で表すことができることを理解することである。
かつ
であると仮定すると、
(1)
ここで、
かつ
【0079】
この表示により、xを符号化するために5ビット、及びyを符号化するために5ビットが必要とされ、つまり、C
initを符号化するために合計10ビットが必要とされることが明らかである。この例では、x及びyだけが、ネットワークによりシグナリングされ、C
initの31ビット表示は、(1)のC
initの整数表示を31ビットの2進表示に変換することによって得られる。
【0080】
いくつかの実施形態は、10ビットのC
init(以下で述べられる圧縮を含まない)をUEに示す、例えばLTE BSなどのネットワークから構成される。これにより、ネットワークは、C
initを、TS36.211 V10.4.0でのように導き出さずに、直接シグナリングすることができる。
【0081】
さらなる調査は、C
initが、レガシーUEについて
から完全な線形範囲に及ばないことが明らかであるが、512未満の値だけがインデックス付与され、C
initを符号化するには9ビットで十分であることを意味している。さらに、フレキシブルなリソースの割り当て及び任意のレガシーUEとのUEのペアリングを保証するために、C
initがレガシーUEと同一の組の値を取得可能にすることが有益であることが分かる。
【0082】
実際には、本明細書中の1つ又は複数の実施形態は、インデックスzをC
initのインデックス付与された値にマッピングし、その逆もまた同様である(双一義的な対応(bi−univocal correspondence))表を使用する。代替的には、C
initのレガシー値は、数式からzの関数として得ることができる。別の数式は、zをC
initの関数として生成する。表は、このようなマッピング数式に基づき評価される。明らかに、zは、C
initよりも少ないビットで表わされる。以下の実施例において、zは9ビットで表わされる。
【0083】
特定のC
initの値と一致することを目的とした場合、ネットワークは、C
initに対応するzの値を読み取ることにより、表(又は同等に対応する数式)を評価する。ネットワークは、zをUEにシグナリングする。UEは、z及び表(又は対応する数式)に基づいてC
initを評価する。UEは、RS生成のためにC
initを適用する。表又は提案された数式は、UE側及びネットワーク側の両方で知ることg他できる(通常、メモリに予め格納されている)。
【0084】
少なくとも1つの実施形態は、C
initの有用な値だけをカバーする510の値を有する表で構成される。したがって、これらの値だけが、UEにシグナリングされる必要がある。表は、UE及びネットワークに格納することができ、又は必要に応じて、いくつかの予め定義された数式に基づき、生成することができる。即ち、TS36.211V10.4.0内の元の数式の代わりに、1つ又は複数の実施形態は、C
initを符号化するために以下の表を使用する。
表1:UEに送信される必要があるC
initの有用な値。注目すべきは、わずか510の値だけが必要とされることである。表は、固有の方法でzをC
initにマッピングし、逆の場合も同様である。
【0085】
注目すべきは、表1が、
からC
initまでの、即ち右2つの列の正確なマッピングを示すことである。510の行を有する表を回避するために、1つ又は複数の実施形態は、各行に、C
initの組の対応する値に1対1でマッピングされる30の値の組を含ませる。
【0086】
さらに、ネットワークは、C
initをUEにシグナリングしたい場合に、表を右から左に読み、UEにシグナリングされるzを見つける。UEは、zを受信し、それにより、表アドレスが表示されていることが分かるので、表を左から右へ読み、C
initを見つける。
【0087】
少なくとも1つの実施形態は、数式によって、第1の実施形態で定義された新しい符号化の表示から構成される。したがって、以下で導き出される数式がそのような表示を可能にすると結論付けることができる。
(2)
ここで、
は、xを、x以下の最も近い整数に丸める床関数を示し、かつ
である。
【0088】
数式(2)により、ネットワーク、即ち、LTE BSは、UEに送信されるC
initを容易に計算することができる。注目すべきは、C
initは、先ほど説明されたように、それらの関係がまた表に示される、パラメータ
及び
によって決まるということである。
【0089】
同様に、C
initをzにマッピングし、次に、例えば、C
initをBSから受信するとすぐにUEが実行するであろうことに対応する、以下の反転公式(3)を導き出すことができる。
(3)
【0090】
提案された符号化によって、低減されたシグナリングオーバーヘッドが、UE固有のCSHパターンを示すために、LTE BSとUEとの間で必要とされる。より具体的には、わずか9ビット又は10ビットだけが、TS36.211 V10.4.0でのように、現在の31ビットの代わりに、疑似ランダム初期化シーケンスC
initのためにシグナリングされる必要がある。
【0091】
当業者は、本発明が、具体的には、本発明の本質的な特徴から逸脱することなく、本明細書に記載された方法以外の方法で実行できると認識するだろう。実施形態は、ゆえに、あらゆる点で例示的なものであり、制限的なものではないと考えられるべきであり、添付の特許請求の範囲の意味及び同等の範囲内にある全ての変更が、その中に含まれることを意図している。