(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6309162
(24)【登録日】2018年3月23日
(45)【発行日】2018年4月11日
(54)【発明の名称】ワイヤレス給電システム及び移動体
(51)【国際特許分類】
B60L 11/18 20060101AFI20180402BHJP
B62J 99/00 20090101ALI20180402BHJP
B62M 6/80 20100101ALI20180402BHJP
B60L 15/00 20060101ALI20180402BHJP
B60L 5/00 20060101ALI20180402BHJP
B60M 7/00 20060101ALI20180402BHJP
H02J 50/05 20160101ALI20180402BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20180402BHJP
H02J 50/12 20160101ALI20180402BHJP
H02J 50/50 20160101ALI20180402BHJP
H02J 50/80 20160101ALI20180402BHJP
H02J 50/90 20160101ALI20180402BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20180402BHJP
A61G 5/04 20130101ALN20180402BHJP
【FI】
B60L11/18 C
B62J99/00 K
B62M6/80
B60L15/00 Z
B60L5/00 B
B60M7/00 X
H02J50/05
H02J50/10
H02J50/12
H02J50/50
H02J50/80
H02J50/90
H02J7/00 P
H02J7/00 301D
!A61G5/04 710
【請求項の数】11
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-505905(P2017-505905)
(86)(22)【出願日】2015年3月16日
(86)【国際出願番号】JP2015057668
(87)【国際公開番号】WO2016147295
(87)【国際公開日】20160922
【審査請求日】2017年2月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】591036457
【氏名又は名称】三菱電機エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123434
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 英昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101133
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 初音
(74)【代理人】
【識別番号】100199749
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 成
(74)【代理人】
【識別番号】100188880
【弁理士】
【氏名又は名称】坂元 辰哉
(74)【代理人】
【識別番号】100197767
【弁理士】
【氏名又は名称】辻岡 将昭
(74)【代理人】
【識別番号】100201743
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 和真
(72)【発明者】
【氏名】阿久澤 好幸
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 有基
(72)【発明者】
【氏名】松盛 裕志
【審査官】
大内 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−222956(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/038293(WO,A1)
【文献】
特開2012−228119(JP,A)
【文献】
特開2014−93321(JP,A)
【文献】
特開2014−39369(JP,A)
【文献】
特開2014−90642(JP,A)
【文献】
特開2003−35765(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00−15/42
B60M 7/00
B62J 99/00
B62M 6/80
H02J 7/00,50/00−50/90
A61G 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレスに電力を伝送する送信装置と、
前記送信装置によりワイヤレスに伝送された電力を受信して充電する受信装置を有し、当該充電された電力を用いて電動アシストを行う移動体とを備え、
前記受信装置は、
前記移動体の車輪に設けられ、前記送信装置によりワイヤレスに伝送された電力を受信する中継アンテナと、
前記移動体の非回転部に設けられ、前記中継アンテナにより受信された電力を、非接触で受信する受信アンテナと、
前記受信アンテナにより受信された電力を充電するバッテリとを有する
ことを特徴とするワイヤレス給電システム。
【請求項2】
前記中継アンテナは、他部材との接続部分が絶縁されたスポーク又はリムから構成された
ことを特徴とする請求項1記載のワイヤレス給電システム。
【請求項3】
前記送信装置は、前記車輪を止める車輪止めに設けられた
ことを特徴とする請求項1記載のワイヤレス給電システム。
【請求項4】
前記受信装置は、
前記中継アンテナが前記送信装置からの電力を受信可能な領域に位置する場合に、当該送信装置との間で通信を行う受信側通信部を有し、
前記送信装置は、
前記受信側通信部との間で通信を行う送信側通信部と、
前記送信側通信部による通信に応じ、該当する前記受信装置への電力の伝送を制御する給電制御部とを有する
ことを特徴とする請求項1記載のワイヤレス給電システム。
【請求項5】
前記送信装置は、
前記受信装置への電力の伝送状態から、当該受信装置の充電に関する情報を検出する状態検出部を有し、
前記送信側通信部は、前記状態検出部による検出結果を示す情報を、該当する前記受信装置の前記受信側通信部に通知し、
前記受信装置は、
前記受信側通信部に通知された前記受信装置の充電に関する情報を報知する報知部を有する
ことを特徴とする請求項4記載のワイヤレス給電システム。
【請求項6】
前記送信装置は、
課金を検出する課金検出部と、
前記課金検出部により検出された課金に応じて、該当する前記受信装置への電力の伝送を制御する給電制御部とを有する
ことを特徴とする請求項1記載のワイヤレス給電システム。
【請求項7】
前記送信装置と前記受信装置とは、磁界共鳴により電力伝送を行う
ことを特徴とする請求項1記載のワイヤレス給電システム。
【請求項8】
前記送信装置と前記受信装置とは、電界共鳴により電力伝送を行う
ことを特徴とする請求項1記載のワイヤレス給電システム。
【請求項9】
前記送信装置と前記受信装置とは、電磁誘導により電力伝送を行う
ことを特徴とする請求項1記載のワイヤレス給電システム。
【請求項10】
ワイヤレスに電力を伝送する送信装置と、
前記送信装置によりワイヤレスに伝送された電力を受信して充電する受信装置を有し、当該充電された電力を用いて電動アシストを行う移動体とを備え、
前記受信装置は、
前記移動体のフレームを用いて他部材との接続部分を絶縁することで構成され、前記送信装置によりワイヤレスに伝送された電力を受信する受信アンテナと、
前記受信アンテナにより受信された電力を充電するバッテリと、
前記受信アンテナが前記送信装置からの電力を受信可能な領域に位置する場合に、当該送信装置との間で通信を行う受信側通信部と、
前記受信側通信部に通知された前記受信装置の充電に関する情報を報知する報知部とを有し、
前記送信装置は、
前記受信装置への電力の伝送状態から、当該受信装置の充電に関する情報を検出する状態検出部と、
前記状態検出部による検出結果を示す情報を、該当する前記受信装置の前記受信側通信部に通知し、前記受信側通信部との間で通信を行う送信側通信部と、
前記送信側通信部による通信に応じ、該当する前記受信装置への電力の伝送を制御する給電制御部とを有した
ことを特徴とするワイヤレス給電システム。
【請求項11】
送信装置によりワイヤレスに伝送された電力を受信して充電する受信装置を有し、当該充電された電力を用いて電動アシストを行う移動体であって、
前記受信装置は、
前記移動体の車輪に設けられ、前記送信装置によりワイヤレスに伝送された電力を受信する中継アンテナと、
前記移動体の非回転部に設けられ、前記中継アンテナにより受信された電力を、非接触で受信する受信アンテナと、
前記受信アンテナにより受信された電力を充電するバッテリとを有する
ことを特徴とする移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ワイヤレスに電力を伝送する送信装置と、送信装置によりワイヤレスに伝送された電力を受信して充電する受信装置を有し、当該充電された電力を用いて電動アシストを行う移動体とを備えたワイヤレス給電システム及び移動体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、電動自転車を駐輪台に止めた際にバッテリを充電可能とする駐輪場が知られている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1に開示された従来構成では、駐輪台に充電スタンドが設けられ、利用者は、駐輪台に電動自転車を止めた後、バッテリを電動自転車から取外して充電スタンドに取付けることで、駐輪の間にバッテリに充電が行われる。そして、出庫の際に、充電されたバッテリを電動自転車に取付ける。これにより快適な電動アシスト走行が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−89251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来構成では、電動自転車からバッテリを取外して、充電スタンドに取付けて充電を行う必要があり、作業に時間がかかり煩わしいという課題がある。
また、駐輪場が屋外の場合には、雨によって感電の恐れがあり、また、砂及び埃によって充電スタンドが汚れるため定期メンテナンスが必要となる。よって、駐輪場は雨風が入らない屋内に設けられることになり、設備が大型化し、コストの増大につながるという課題がある。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、従来構成に対し、小型且つ安価な構成で、手間がかからず容易に電動アシスト機能を有する移動体の受信装置に給電を行うことができるワイヤレス給電システム及び移動体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るワイヤレス給電システムは、ワイヤレスに電力を伝送する送信装置と、送信装置によりワイヤレスに伝送された電力を受信して充電する受信装置を有し、当該充電された電力を用いて電動アシストを行う移動体とを備え、受信装置は、移動体の車輪に設けられ、送信装置によりワイヤレスに伝送された電力を受信する中継アンテナと、移動体の非回転部に設けられ、中継アンテナにより受信された電力を、非接触で受信する受信アンテナと、受信アンテナにより受信された電力を充電するバッテリとを有するものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、上記のように構成したので、従来構成に対し、小型且つ安価な構成で、手間がかからず容易に電動アシスト機能を有する移動体のバッテリに給電を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】この発明の実施の形態1に係るワイヤレス給電システムの構成例を示す模式図であり、(a)電動自転車の駐輪前の状態を示す図であり、(b)電動自転車の駐輪時の状態を示す図である。
【
図2】この発明の実施の形態1に係るワイヤレス給電システムの構成例を示すブロック図である。
【
図3】この発明の実施の形態1に係るワイヤレス給電システムの電力伝送を説明する模式図であり、上方から電動自転車の前輪部分を見た一部断面図である。
【
図4】この発明の実施の形態1に係る電動自転車の別の構成例を示す模式図である。
【
図5】この発明の実施の形態1に係る電動自転車の別の構成例を示す模式図である。
【
図6】この発明の実施の形態1に係るワイヤレス給電システムの別の構成例を示す模式図であり、(a)電動自転車の駐輪前の状態を示す図であり、(b)電動自転車の駐輪時の状態を示す図である。
【
図7】この発明の実施の形態2に係る電動自転車の構成例を示す模式図である。
【
図8】この発明の実施の形態2に係るワイヤレス給電システムの別の構成例を示す模式図であり、(a)電動自転車の駐輪前の状態を示す図であり、(b)電動自転車の駐輪時の状態を示す図である。
【
図9】この発明の実施の形態2における受信アンテナの別の構成例を示す模式図であり、電動自転車のフレームを示す図である。
【
図10】この発明の実施の形態3に係るワイヤレス給電システムの構成例を示すブロック図である。
【
図11】この発明の実施の形態4に係るワイヤレス給電システムの構成例を示すブロック図である。
【
図12】この発明の実施の形態5に係るワイヤレス給電システムの構成例を示すブロック図である。
【
図13】この発明の実施の形態6に係るワイヤレス給電システムの構成例を示す模式図であり、(a)電動車いすの駐車前の状態を示す図であり、(b)電動車いすの駐車時の状態を示す図である。
【
図14】この発明の実施の形態6に係るワイヤレス給電システムの別の構成例を示す模式図である。
【
図15】この発明の実施の形態6に係るワイヤレス給電システムの別の構成例を示す模式図である。
【
図16】この発明の実施の形態7に係るワイヤレス給電システムの構成例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るワイヤレス給電システムの構成例を示す模式図であり、
図2はブロック図である。
図1,2に示すように、ワイヤレス給電システムは、送信装置1と、受信装置2及び電動アシスト機能を有する移動体とを備えている。なお
図1では、電動アシスト機能を有する移動体として、電動自転車3を用いた場合を示している。
【0010】
送信装置1は、電動自転車3の受信装置2にワイヤレスに電力を伝送するものである。
図1の例では、送信装置1は、電動自転車3を駐輪する駐輪場に設けられた充電スタンド4に設置されている。この送信装置1は、
図1,2に示すように、一次電源101、送信電源102及び送信アンテナ103から構成されている。なお
図1では、一次電源101及び送信電源102の図示を省略している。
【0011】
一次電源101は、直流又は交流の電力を出力するものである。
送信電源102は、一次電源101からの直流又は交流の電力(入力電力)を、送信アンテナ103の共振周波数に合わせた電力(高周波電力)に変換して出力するものである。
【0012】
送信アンテナ103は、送信電源102を介して一次電源101から供給された電力を、受信装置2のアンテナ部201に伝送するものである。
図1の例では、送信アンテナ103は、電動自転車3を駐輪した際に受信装置2が対向する位置に配置されている。また、送信アンテナ103は、異なるサイズの電動自転車3が駐輪されることを考慮して、十分広い範囲に対して電力伝送を行うことができる大きさに構成されている。
【0013】
なお
図1に示す駐輪場は、家庭用のものであってもよいし、公共用のものであってもよい。また
図1の例では、1台の電動自転車3を駐輪する駐輪場を示しているが、複数台の電動自転車3を駐輪する駐輪場であってもよい。この際、平面型の駐輪場に限らず、立体型の駐輪場であってもよい。
【0014】
電動自転車3は、送信装置1によりワイヤレスに伝送された電力を受信して充電する受信装置2を有し、当該充電された電力を用いて電動アシストを行う移動体である。受信装置2は、
図1,2に示すように、アンテナ部201、整流回路202及びバッテリ203から構成されている。なお
図1では、整流回路202の図示を省略し、アンテナ部201(受信アンテナ206)とバッテリ203との間を電力ケーブル204により接続している。
【0015】
アンテナ部201は、中継アンテナ205及び受信アンテナ206から構成される。
中継アンテナ205は、電動自転車3の車輪に設けられ、送信装置1の送信アンテナ103によりワイヤレスに伝送された電力を受信するものである。
図1の例では、中継アンテナ205が、電動自転車3の前輪に取付けられた場合を示している。また、中継アンテナ205は、送信アンテナ103との間でバッテリ203の充電に必要な電力量を十分に受信することができる大きさに構成されている。
【0016】
受信アンテナ206は、電動自転車3の非回転部に設けられ、中継アンテナ205により受信された電力を、非接触のロータリ伝送で受信するものである。なお、非接触のロータリ伝送とは、回転体を用いた非接触の電力伝送を意味しており、回転体である中継アンテナ205が送信アンテナ103から受信アンテナ206へ電力を受け渡す動作を意味する。また
図1の例では、受信アンテナ206が、電動自転車3のフォークエンドに取付けられた場合を示している。
【0017】
なお、送信アンテナ103とアンテナ部201との間の電力伝送方式は特に限定されるものではなく、磁界共鳴による方式、電界共鳴による方式、電磁誘導による方式のいずれであってもよい。
【0018】
整流回路202は、受信アンテナ206により受信された電力を整流するものである。 バッテリ203は、整流回路202により整流された電力を充電するものである。
【0019】
次に、上記のように構成されたワイヤレス給電システムの動作について、
図1〜3を参照しながら説明する。なお以下では、送信アンテナ103と中継アンテナ205が対向することで、電力伝送を常時行う場合を例に説明を行う。
まず、電動自転車3の利用者は、電動自転車3の前輪を車輪止め5に合わせて止める。これにより、充電スタンド4に設けられた送信装置1の送信アンテナ103と電動自転車3の前輪に設けられた受信装置2の中継アンテナ205とが対向し、電力伝送が開始される。この際、送信アンテナ103と受信アンテナ206はアンテナサイズが大きく異なるため、発生した磁束の鎖交量が小さく電力伝送効率が低い。そのため、受信アンテナ206よりアンテナサイズが大きい中継アンテナ205を介して電力伝送することにより、電力伝送効率を高めている。中継アンテナ205により受信された電力は、非接触のロータリ伝送で受信アンテナ206に伝送され、電力ケーブル204を介してバッテリ203に供給されて充電される。この際、送信装置1と受信装置2との間で無線電力伝送を行うことで、バッテリ203を取り外すことなく充電を行うことが可能となる。
【0020】
以上のように、この実施の形態1によれば、電動自転車3の車輪に設けられ、送信装置1によりワイヤレスに伝送された電力を受信する中継アンテナ205と、電動自転車3の非回転部に設けられ、中継アンテナ205により受信された電力を非接触で受信する受信アンテナ206と、受信アンテナ206により受信された電力を充電するバッテリ203とを有する受信装置2を電動自転車3に設けたので、従来構成に対し、小型且つ安価な構成で、手間がかからず容易にバッテリ203に給電を行うことができる。
すなわち、電動自転車3を所定位置に停めるだけで、バッテリ203を着脱せずに充電できるため、手間がかからず効率的に充電を行うことができる。さらに、送信装置1とバッテリ203とを電極により接点接続する必要がないため、送信装置1を防水構造及び防塵構造にすることが容易に可能であり、感電の恐れがなくなり、また、定期メンテナンスが不要となる。また、送信装置1の設置箇所を建屋等の防水構造及び防塵構造とする必要がないため、駐輪場全体の低コスト化を図ることができる。
【0021】
さらに、従来難しかった屋外への設置も可能となり、送信装置1の広範囲への普及が期待でき、給電する機会が増加することになる。その結果、一回の充電容量が少なくても支障がなくなるため、バッテリ203の容量を縮小化することが可能となり、電動自転車3に搭載されるバッテリ203の小型、軽量、低コスト化が可能となる。
【0022】
なお
図1では、電動自転車3とは別体の中継アンテナ205を前輪に取付けた場合について示した。しかしながら、これに限るものではなく、例えば
図4に示すように、中継アンテナ205を、他部材(リム、ハブ、フレーム等)との接続部分が絶縁体208により絶縁されたスポークから構成してもよい。なお、スポークの形状は、放射形状に限らず、スパイラル型等任意の形状でよい。
また、例えば
図5に示すように、中継アンテナ205を、他部材(スポーク、フレーム等)との接続部分が絶縁体208により絶縁されたリムから構成してもよい。
なお
図4,5では、受信アンテナ206及び電力ケーブル204の図示を省略している。
【0023】
また
図1,4,5では、アンテナ部201を電動自転車3の前輪に設けた場合について示したが、電動自転車3の後輪に設けてもよい。
【0024】
また
図1では、送信装置1を充電スタンド4に設けた場合について示した。しかしながら、これに限るものではなく、例えば
図6に示すように、車輪止め5に送信装置1を設けてもよい。これにより、充電スタンド4を設ける必要がなくなり、低コスト化が可能となる。
【0025】
実施の形態2.
実施の形態1では、アンテナ部201を電動自転車3の車輪に設けた場合について示した。これに対し、実施の形態2では、アンテナ部201を電動自転車3のフレームを用いて構成した場合について示す。
図7はこの発明の実施の形態2に係る電動自転車3の構成を示す模式図である。
図7に示す実施の形態2に係る電動自転車3は、
図1に示す実施の形態1に係るワイヤレス給電システムの電動自転車3から電力ケーブル204を削除し、アンテナ部201の構成を変更したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付してその説明を省略する。なお、送信装置1は、
図1に示す構成と同様である。
【0026】
アンテナ部201は、
図7に示すように、受信アンテナ207を有している。
受信アンテナ207は、電動自転車3のフレームを用いて他部材との接続部分を絶縁することで構成され、送信装置1によりワイヤレスに伝送された電力を受信するものである。例えば、電動自転車3のフレームが導電性の部材である場合には、このフレームに対して他部材との接続部分を絶縁することで、受信アンテナ207を構成することができる。導電性の部材としては、スチール又はカーボンファイバ等が挙げられる。
図7に示す例では、受信アンテナ207が、他部材との接続部分が絶縁体208により絶縁された導電性のトップチューブ、ダウンチューブ及びシートチューブから構成された場合を示している。この受信アンテナ207により受信された電力は、バッテリ203に供給され充電される。
【0027】
上記のように構成された電動自転車3を用いたワイヤレス給電システムの動作は、実施の形態1の場合と同様であり、その説明を省略する。
【0028】
以上のように、この実施の形態2によれば、電動自転車3のフレームを用いて他部材との接続部分を絶縁することで構成され、送信装置1によりワイヤレスに伝送された電力を受信する受信アンテナ207と、受信アンテナ207により受信された電力を充電するバッテリ203とを有する受信装置2を電動自転車3に設けても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0029】
なお
図7では、受信アンテナ207をトップチューブ、ダウンチューブ及びシートチューブを用いて構成し、充電スタンド4に設けられた送信装置1との間で電力伝送を行う場合について示した。しかしながら、これに限るものではなく、例えば
図8に示す構成としてもよい。
図8では、送信装置1が地面又は床に配置又は埋め込まれている。そして、受信アンテナ206が、電動自転車3の底部のフレーム、例えばペダル、シートステー又はチェーンステー等の後輪を固定するフレーム、シートチューブの下等のフレームを用いて構成されている。これにより、充電スタンド4を設ける必要がなくなり、低コスト化が可能となる。
【0030】
また
図7,8では、電動自転車3のフレームが導電性の部材である場合について示した。それに対し、例えば、電動自転車3のフレームが絶縁性の部材(絶縁体208)である場合には、例えば
図9に示すように、このフレームに導電性の部材を内蔵することで、受信アンテナ207を構成することができる。絶縁性の部材としては、グラスファイバ等が挙げられる。
【0031】
実施の形態3.
実施の形態1.2では、受信装置2を有する電動自転車3が駐輪場に駐輪され、送信装置1と対向することを契機として、電力伝送を開始する場合を例に説明を行った。それに対し、実施の形態3では、送信装置1と受信装置2とで通信を行うことで、電力伝送を制御する場合について示す。
図10はこの発明の実施の形態3に係るワイヤレス給電システムの構成を示すブロック図である。この
図10に示す実施の形態3に係るワイヤレス給電システムは、
図2に示す実施の形態1に係るワイヤレス給電システムの受信装置2に受信側通信部209を追加し、送信装置1に送信側通信部104及び給電制御部105を追加したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付してその説明を省略する。なお、アンテナ部201は、実施の形態1の構成であってもよいし、実施の形態2の構成であってもよい。
【0032】
受信側通信部209は、アンテナ部201が送信装置1からの電力を受信可能な領域に位置する場合に、当該送信装置1との間で通信を行うものである。
送信側通信部104は、受信装置2の受信側通信部209との間で通信を行うものである。
給電制御部105は、送信側通信部104による通信に応じ、受信装置2への電力の伝送を制御するものである。この際、給電制御部105は、例えば、送信側通信部104により受信装置2の受信側通信部209との間で通信が行われ、当該受信装置2を有する電動自転車3が認証された場合に、電力の伝送を開始するよう一次電源101を制御する。この給電制御部105は、ソフトウェアに基づくCPUを用いたプログラム処理によって実行される。
【0033】
実施の形態4.
実施の形態3では、送信装置1と受信装置2との間で通信を行い、その通信に応じて電力伝送を制御する場合について示した。この際、バッテリ203の劣化状況、充電状況等の情報を送信側で検出して受信側に通知してもよい。
図11はこの発明の実施の形態4に係るワイヤレス給電システムの構成を示すブロック図である。この
図11に示す実施の形態4に係るワイヤレス給電システムは、
図10に示す実施の形態3に係るワイヤレス給電システムの送信装置1に状態検出部106を追加し、受信装置2に報知部210を追加したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付してその説明を省略する。なお、アンテナ部201は、実施の形態1の構成であってもよいし、実施の形態2の構成であってもよい。
【0034】
状態検出部106は、受信装置2への電力の伝送状態から、当該受信装置2の充電に関する情報を検出するものである。この際、状態検出部106は、送信電源102で上記受信装置2に伝送されている電流量から、バッテリ203の劣化状況、バッテリ203の充電状況等の情報を検出する。そして、送信側通信部104は、状態検出部106による検出結果を示す情報を、該当する受信装置2の受信側通信部209に通知する。
報知部210は、受信側通信部209に通知された受信装置2の充電に関する情報を音声又は表示等によって利用者に報知するものである。
これにより、電動自転車3の利用者が受信装置2の充電に関する情報を知ることができる。
【0035】
実施の形態5.
実施の形態1.2では、受信装置2を有する電動自転車3が駐輪場に駐輪され、送信装置1と対向することを契機として、電力伝送を開始する場合を例に説明を行った。それに対し、実施の形態5では、利用者により課金された場合に電力伝送を行う場合について示す。
図12はこの発明の実施の形態5に係るワイヤレス給電システムの構成を示すブロック図である。この
図12に示す実施の形態5に係るワイヤレス給電システムは、
図2に示す実施の形態1に係るワイヤレス給電システムの送信装置1に課金検出部107及び給電制御部108を追加したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付してその説明を省略する。なお、アンテナ部201は、実施の形態1の構成であってもよいし、実施の形態2の構成であってもよい。
【0036】
課金検出部107は、課金を検出するものである。
給電制御部108は、課金検出部107により検出された課金に応じて、該当する受信装置2への電力の伝送を制御するものである。この際、給電制御部108は、課金に応じた電力量の伝送を行うよう一次電源101を制御する。この給電制御部108は、ソフトウェアに基づくCPUを用いたプログラム処理によって実行される。
【0037】
実施の形態6.
実施の形態1〜5では、電動アシスト機能を有する移動体として、電動自転車3を用いた場合について示した。しかしながら、これに限るものではなく、電動アシスト機能を有する移動体として電動車いす6を用いた場合にも、同様に本発明を適用可能である。
図13は電動車いす6の駆動輪(後輪)にアンテナ部201を取付けた場合を示している。なお
図15ではアンテナ部201の詳細な構成については図示していないが、
図1に示す構成と同様である。また
図15では、電力ケーブル204の図示を省略している。
【0038】
また、
図14に示すように、中継アンテナ205を、他部材との接続部分が絶縁体208により絶縁されたリムから構成してもよい。また、
図15に示すように、中継アンテナ205を、他部材との接続部分が絶縁体208により絶縁されたスポークから構成してもよい。なお
図14,15では、受信アンテナ206及び電力ケーブル204の図示を省略している。
【0039】
実施の形態7.
実施の形態6は、電動車いす6の駆動輪にアンテナ部201を設けた場合について示した。それに対し、例えば
図16に示すように、電動車いす6のフレームを用いてアンテナ部201を構成してもよい。なお、その他の構成は電動自転車3の場合と同様であり、その説明を省略する。また、
図16の例では、電動車いす6の導電性の左右フレームを用いてアンテナ部201を構成した場合を示したが、底面又は背面のフレームを用いてもよい。また、絶縁性のシートに導電性の部材を内蔵することでアンテナ部201を構成してもよい。
【0040】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
この発明に係るワイヤレス給電システムは、従来構成に対し、小型且つ安価な構成で、手間がかからず容易に電動アシスト機能を有する移動体のバッテリに給電を行うことができ、電力を給電する送信装置と、送信装置によりワイヤレスに電力が給電される受信装置、及び受信装置により給電された電力を充電するバッテリを有し、当該バッテリに充電された電力を用いて電動アシストを行う移動体とを備えたワイヤレス給電システム等に用いるのに適している。
【符号の説明】
【0042】
1 送信装置、2 受信装置、3 電動自転車、4 充電スタンド、5 車輪止め、6 電動車いす、101 一次電源、102 送信電源、103 送信アンテナ、104 送信側通信部、105 給電制御部、106 状態検出部、107 課金検出部、108 給電制御部、201 アンテナ部、202 整流回路、203 バッテリ、204 電力ケーブル、205 中継アンテナ、206 受信アンテナ、207 受信アンテナ、208 絶縁体、209 受信側通信部、210 報知部。