特許第6309218号(P6309218)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6309218
(24)【登録日】2018年3月23日
(45)【発行日】2018年4月11日
(54)【発明の名称】エネルギー供給ユニット
(51)【国際特許分類】
   F02M 21/02 20060101AFI20180402BHJP
   F02B 63/04 20060101ALI20180402BHJP
   F02B 67/00 20060101ALI20180402BHJP
   F02B 77/00 20060101ALI20180402BHJP
【FI】
   F02M21/02 X
   F02B63/04 C
   F02B63/04 Z
   F02B67/00 D
   F02B77/00 H
   F02B63/04 F
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-162477(P2013-162477)
(22)【出願日】2013年8月5日
(65)【公開番号】特開2015-31225(P2015-31225A)
(43)【公開日】2015年2月16日
【審査請求日】2016年7月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄
(74)【代理人】
【識別番号】100070002
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【弁理士】
【氏名又は名称】朴 志恩
(72)【発明者】
【氏名】菅信 敏
(72)【発明者】
【氏名】杉山 猛
【審査官】 種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭54−010515(JP,U)
【文献】 実開昭62−037718(JP,U)
【文献】 実開昭54−139312(JP,U)
【文献】 実開昭51−020221(JP,U)
【文献】 特開2000−249073(JP,A)
【文献】 特開2009−221989(JP,A)
【文献】 特開2000−088198(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 21/02
F02B 63/04
F02B 67/00
F02B 77/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス燃料が貯留された燃料容器と、
前記燃料容器と水平方向に対向して設けられたメータと、
前記燃料容器の出口部と前記メータとを接続する可撓管と、
前記燃料容器、前記メータ、及び、前記可撓管を収容する箱状の筐体と、を有して構成され、
前記出口部は、前記燃料容器の上面から突出してから径方向に向かうように折れ曲がっており、前記燃料容器と前記メータとの対向方向において、該メータに対して反対側を向いて設けられ、
前記可撓管は、前記出口部に接続される接続部を有し、該接続部から前記燃料容器の外周面に対して周方向に沿って前記メータまで延びて設けられ
前記接続部には、前記出口部から前記燃料容器の径方向外側に延びるとともに周方向に折れ曲がったL型継手が設けられていることを特徴とするエネルギー供給ユニット。
【請求項2】
前記筐体の前記対向方向における前記燃料容器側の側面には、開口部が形成されるとともに、該開口部を塞ぐ開閉部が設けられていることを特徴とする請求項に記載のエネルギー供給ユニット。
【請求項3】
前記ガス燃料を燃焼させて発電する発電機と、
前記ガス燃料を前記燃料容器から前記発電機に供給するための配管と、をさらに備え、
前記筐体は、前記発電機及び前記配管を更に収容し、
前記発電機は、前記燃料容器と前記対向方向に並設されるとともに、前記メータの下方に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のエネルギー供給ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料容器が筐体に収容されたエネルギー供給ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筐体内にガス容器とガスメータとが収容されたガス供給ユニットが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されたガス供給ユニットでは、筐体によってガス容器を風雨や機械的な衝撃等から保護している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−301400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたガス供給ユニットでは、ガス容器の出口部とガスメータとが近接して設けられているため、これらが地震等によって振動した場合、出口部とガスメータとが接触を繰り返したり、両者を接続する可撓管に局所的な曲げが生じたりして出口部やガスメータ、可撓管が破損してしまう可能性があった。ところで、このような出口部とガスメータとの接触や可撓管の曲げを防ぐために、ガス容器とガスメータとの離隔寸法を大きくすることも考えられるが、筐体が大型化してしまうという不都合が考えられる。
【0005】
本発明の目的は、筐体の大型化を防ぐとともに、該筐体に収容された燃料容器、メータ、及び、可撓管の破損を防止することができるエネルギー供給ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のエネルギー供給ユニットは、ガス燃料が貯留された燃料容器と、前記燃料容器と水平方向に対向して設けられたメータと、前記燃料容器の出口部と前記メータとを接続する可撓管と、前記燃料容器、前記メータ、及び、前記可撓管を収容する箱状の筐体と、を有して構成され、前記出口部は、前記燃料容器の上面から突出してから径方向に向かうように折れ曲がっており、前記燃料容器と前記メータとの対向方向において、該メータに対して反対側を向いて設けられ、前記可撓管は、前記出口部に接続される接続部を有し、該接続部から前記燃料容器の外周面に対して周方向に沿って前記メータまで延びて設けられ、前記接続部には、前記出口部から前記燃料容器の径方向外側に延びるとともに周方向に折れ曲がったL型継手が設けられていることを特徴とする。
【0007】
このような本発明によれば、燃料容器の出口部がメータの反対側に向けられていることで、地震等によって燃料容器やメータが振動しても、出口部とメータとが接触して破損することを防止することができる。このとき、燃料容器とメータとの離隔寸法を大きくする必要がないことから、筐体の大型化を防ぐことができる。また、可撓管が燃料容器の外周面に沿って延びていることで、可撓管が筐体内に占める体積が増大することを防ぎつつ長さ寸法を大きくすることができ、可撓管が局所的に曲げられて破損することを防止することができる。
【0008】
また、接続部にL型継手が設けられていることで、可撓管が接続部付近において径方向外側に凸に撓むことを防ぐことができ、可撓管が占有する径方向寸法を小さくするとともに、可撓管が局所的に曲げられることをさらに防ぐことができる。
【0009】
さらに、本発明のエネルギー供給ユニットでは、前記筐体の前記対向方向における燃料容器側側面には、開口部が形成されるとともに、該開口部を塞ぐ開閉部が設けられていることが好ましい。このような構成によれば、筐体の燃料容器側の側面、即ち、接続部が設けられた側の側面に開口部が形成されていることで、開口部から可撓管の取り付け及び取り外し作業を行うことができる。また、このような開口部は燃料容器が通過可能な寸法を有していることが好ましく、このような構成によれば、対向方向に燃料容器を取り出すためのスペースを確保する必要があるものの、前面側の設置寸法を小さくすることができる。
【0010】
また、本発明のエネルギー供給ユニットでは、前記ガス燃料を燃焼させて発電する発電機と、前記ガス燃料を前記燃料容器から前記発電機に供給するための配管と、をさらに備え、前記筐体は、前記発電機及び前記配管を更に収容し、前記発電機は、前記燃料容器と前記対向方向に並設されるとともに、前記メータの下方に設けられていることが好ましい。
【0011】
このような構成によれば、発電機及び配管を備えていることで、ガス燃料の供給だけでなく、停電時等に必要に応じて発電して電力を供給することができる。さらに、発電機がメータの下方に設けられていることで、筐体内の空間を有効に利用することができ、筐体の大型化を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0012】
以上のような本発明のエネルギー供給ユニットによれば、燃料容器の出口部がメータと反対側に向けられるとともに、可撓管が燃料容器の外周面に沿って延びていることで、筐体の大型化を防ぐとともに、燃料容器、メータ、及び、可撓管の破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係るエネルギー供給ユニットの筐体を示す四面図である。
図2】前記筐体の前側及び上側の面材を外した前記エネルギー供給ユニットを示す正面図及び上面図である。
図3】前記筐体の左右の面材を外した前記エネルギー供給ユニットを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜3において、本実施形態のエネルギー供給ユニット1は、外箱である筐体2と、ガス燃料としてのLPガスが貯留される燃料容器3と、LPガスを燃焼させて発電して外部の図示しない電気機器に電力を供給する発電機4と、燃料容器3から発電機4にLPガスを供給するための配管としての配管ユニット5と、燃料容器3と配管ユニット5とを接続する可撓管としての第1可撓管6と、発電機4と配管ユニット5とを接続する第2可撓管7と、発電機4と電気機器とを接続するための電源コード8と、を備えて構成されている。
【0015】
本実施形態におけるX方向、Y方向、及び、Z方向は図1に示す通りとし、上下左右は図1の正面図を基準とする。また、図1の正面図における紙面手前側をY方向前側、紙面奥側をY方向後側とする。エネルギー供給ユニット1は、例えば、X方向を建物間の通路の通行方向に合わせて設置され、LPガスを図示しない外部の燃焼機器に供給し、停電時には発電して電気機器に電力を供給する。LPガスは常に燃焼機器に供給されてもよいし、他のLPガス供給源が停止したときのみ供給されてもよい。
【0016】
筐体2は、燃料容器3、発電機4、配管ユニット5、第1可撓管6、第2可撓管7、及び、電源コード8を格納するとともに、図1に示すように、Y方向前側の前側面21と、X方向左側の容器側側面22と、X方向右側の発電機側側面23と、Z方向上側の上面24と、Z方向下側の下面25と、Y方向後側の後側面26と、を有して箱状に形成されている。ここで、筐体2は、後側面26が建物の壁に沿うように設置され、容器側側面22及び発電機側側面23付近には障害物が設けられないものとする。
【0017】
燃料容器3は、図2、3に示すように、X方向を対向方向として後述するメータ51及び発電機4に並設されるとともに、出口部31に圧力調整器32が接続され、圧力調整器32は接続部33において第1可撓管6に接続されている。また、出口部31及び接続部33は、X方向左側、即ち、メータ51と反対側に向けられている。
【0018】
発電機4は、メータ51の下方に設けられるとともに第2可撓管7によって後述する発電機用接続管53に接続され、発電時には後述する発電機側開口部23aから筐体2外部に取り出されて運転を開始する。この際、発電機4は、電源コード8によって電気機器と接続されることで電力を供給する。
【0019】
配管ユニット5は、LPガスの使用量を計測するとともにY方向前側に表示部51aを有するメータ51と、燃料容器3に接続される容器側接続管52と、第2可撓管7を介して発電機4に接続される発電機用接続管53と、筐体2の外部に突出するとともに図示しない接続管を介して燃焼機器に接続される燃焼機器用接続管54と、を有して構成されている。メータ51には、入力側に接続されるとともに下方に延びる入力側配管51bが設けられ、入力側配管51bに第1可撓管6が接続されている。
【0020】
第1可撓管6は、接続部33から燃料容器3の径方向外側に延びて周方向に折れ曲がったL型継手61によって圧力調整器32に接続されるとともに、図2(B)に示すように、燃料容器3の外周面34に沿って延びて入力側配管51bに接続されることで、燃料容器3の出口部31とメータ51とを接続する。
【0021】
筐体2の前側面21には、メータ51のX方向及びZ方向寸法よりも大きく開口したメータ開口部211が形成されるとともに、メータ開口部211を塞ぐメータ用扉212が開閉可能に設けられている。また、筐体2の容器側側面22には、側面全体が開口した(即ち、燃料容器3のY方向及びZ方向寸法よりも大きく開口した)開口部としての容器側開口部22aが形成されるとともに、容器側開口部22aを塞ぐ開閉部としての容器側扉22bが開閉可能に設けられ、発電機側側面23には、発電機4のY方向及びZ方向寸法よりも大きく開口した発電機側開口部23aと、発電機側開口部23aを避けるとともに燃焼機器用接続管54が通過する貫通穴231と、が形成されるとともに、発電機側開口部23aを塞ぐ発電機側扉23bが開閉可能に設けられている。扉22b、23bはY方向後側に回動軸を有しており、開放時に建物の壁面と略平行となることで作業性を損なわないように設けられている。また、筐体2の前側面21、容器側側面22、及び、後側面26には、ガラリ213、221、261が形成され、筐体2の内部が外部と通気可能となっており、LPガスが燃料容器3から漏れた際に筐体2内部に充満しないようになっている。
【0022】
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。即ち、燃料容器3の出口部31がメータ51と反対側に向けられていることで、地震等によって燃料容器3やメータ51が振動しても、出口部31や圧力調整器32とメータ51とが接触して破損することを防止することができる。このとき、燃料容器3とメータ51との離隔寸法を大きくする必要がなく、筐体2の大型化を防ぐことができる。また、第1可撓管6が接続部33から燃料容器3の外周面34に沿ってメータ51の入力側配管51bまで延びていることで、第1可撓管6によって筐体2のX方向及びY方向寸法が増大することを防ぎつつ第1可撓管6の長さ寸法を大きくすることができ、第1可撓管6が局所的に曲げられて破損することを防止することができる。
【0023】
さらに、接続部33においてL型継手61を介して圧力調整器32と第1可撓管6とが接続されていることで、第1可撓管6が接続部33付近において燃料容器3の径方向外側に凸に撓むことを防ぐことができ、筐体2のX方向及びY方向寸法を小さくするとともに、第1可撓管6が局所的に曲げられることをさらに防ぐことができる。
【0024】
また、出口部31及び接続部33が向いた側の側面、即ち、容器側側面22に容器側開口部22aが形成されていることで、容器側開口部22aから第1可撓管6の取り付け及び取り外し作業を行うことができる。また、容器側開口部22aは燃料容器3が通過可能な寸法を有していることから、Y方向の設置寸法を小さくすることができる。さらに、発電機側側面23に発電機4が通過可能な寸法を有する発電機側開口部23aが形成されていることで、Y方向の設置寸法をさらに小さくすることができる。
【0025】
さらに、配管ユニット5が発電機用接続管53と燃焼機器用接続管54とを有して構成されていることで、発電と燃料供給とを同時に行うことができる。
【0026】
また、燃焼機器用接続管54が発電機側側面23から筐体2外部に突出していることで、容器側側面22においては燃料容器3が交換される一方、発電機側側面23においては電力や燃料が供給されることで、作業性及び利便性の高い配置が可能となる。例えば、後側面26が建物の壁面に沿うとともに容器側側面22が道路に面するように配置すれば、燃料容器3の交換作業が容易となり、発電機側側面23が建物の内部側に配されるため、第2可撓管7及び電源コード8による延長距離を短くして電力供給及び燃料供給を行うことができる。
【0027】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。例えば、前記実施形態では、エネルギー供給ユニット1は発電機4を備えるものとしたが、発電機4は省略されていてもよく、筐体2が少なくとも燃料容器3とメータ51と第1可撓管6とを収容していればよい。
【0028】
また、前記実施形態では、接続部33においてL型継手61を介して圧力調整器32と第1可撓管6とが接続されるものとしたが、L型継手61は省略されていてもよく、第1可撓管6が適宜な角度で曲げられるとともに圧力調整器32に接続されていればよい。
【0029】
また、前記実施形態では、第1可撓管6はメータ51の入力側配管51bに接続されるものとしたが、メータ51に直接接続されてもよい。
【0030】
また、前記実施形態では、容器側側面22に容器側開口部22aが形成されるものとしたが、開口部は前側面21や後側面26に形成されていてもよく、エネルギー供給ユニット1を接地する敷地の面積や形状、立地条件に応じて適宜な側面に形成されていればよい。
【0031】
また、前記実施形態では、ガス燃料としてLPガスを例示したが、発電機4及び燃焼機器に対応する適宜な燃料を選択すればよい。
【0032】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0033】
1 エネルギー供給ユニット
2 筐体
3 燃料容器
4 発電機
5 配管ユニット(配管)
6 第1可撓管(可撓管)
22a 容器側開口部(開口部)
22b 容器側扉(開閉部)
31 出口部
33 接続部
34 外周面
51 メータ
61 L型継手
図1
図2
図3