(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記グループ化手段は、前記サンプル上を電子線で走査する走査幅の四辺形で当該サンプル上の全領域を仮想的にメッシュ状に分割し、前記測定対象座標データに設定された測定対象の座標が存在するメッシュにマークを付与した後、当該サンプル上の前記電子線の走査と直角方向のステージ走査幅内に含まれる前記マークを付与したメッシュについて、隣接するメッシュ、あるいは更に予め設定したメッシュ距離N(Nは1以上の整数)以内離れて隣接するメッシュを、まとめてグループ化して測定対象群をそれぞれ生成することを特徴とする請求項1記載の超高速レビュー装置。
前記走査画像取得手段は、前記測定対象群内の各測定対象の座標をもとに当該座標を中心に前記走査領域を設定して電子ビーム走査の開始点、終了点、および中心を測定点として算出し、該算出した測定対象の終了点から他の測定対象の開始点までサンプルを高速移動し、開始点から終了点までサンプルを一定速度移動して画像を取得することを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の超高速レビュー装置。
前記走査画像取得手段は、前記走査領域を電子線で走査する走査線数をN倍にして走査して画像を取得した後、走査線数をN分の1にした画像を生成させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の超高速レビュー装置。
サンプルあるいは基準試料上の複数の異なる元素番号の物質を電子線で走査した際に発生する2次電子あるいは反射電子の強度を検出して複数の異なる元素番号とその強度との較正曲線を予め算出してテーブルに設定しておき、
前記走査領域を電子線で走査したときに発生する2次電子あるいは反射電子の強度を検出して前記テーブル内の較正曲線を参照して当該走査領域内の測定点の物質を推定する物質推定手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の超高速レビュー装置。
【実施例1】
【0027】
図1は、本発明の1実施例構成図を示す。
図1は電子ビーム3をサンプル11に照射し、発生した2次電子、反射電子を電子検出器4で検出して画像を取得するものである。
【0028】
図1において、電子銃1は、電子ビーム3を発生するものであって、例えばW, LaB6などで作成した陰極を加熱したいわゆる熱エミッターや、ZrO/W TFEエミッター,あるいはW、CNTなどの冷陰極エミッターなど世の中で知られている色々なエミッターを用いたものである。電子銃1に高圧を加えるための高圧電源9があり、所望のエネルギー(加速電圧に対応するエネルギー)をもった電子ビーム3を取り出すことができる。
【0029】
高圧電源9は、電子銃1から放出された電子を加速する高電圧を発生して印加する公知のものである。
【0030】
電子ビームコラム2は、電子銃1から放出された電子ビーム3を当該電子ビームコラムを構成する図示外の集束レンズで集束し、更にサンプル11の面上に対物レンズ10で細く絞った状態で偏向器(走査コイル)6により当該絞った電子ビーム3を面走査する公知のものである。
【0031】
電子ビーム3は、電子銃1から放出された電子ビームである。
【0032】
電子検出器4は、サンプル11の面上を細く絞った電子ビーム3で平面走査しつつ走査したときに放出される2次電子や反射した反射電子を検出・増幅するものであって、例えば公知のMCPなどの電子検出装置である。
【0033】
増幅器5は、電子検出器4で検出された信号を増幅(前置増幅)するものである。
【0034】
偏向器6は、電子ビーム3を、サンプル11上で面走査するためのものである。
【0035】
電子ビーム偏向手段7は、偏向器6に所定走査電流を供給し、偏向器6によって電子ビーム3をサンプル11上で面走査するように制御するものである。
【0036】
電子ビームコラム制御手段8は、電子ビーム偏向手段7、高圧電源9などを制御するものである。
【0037】
高圧電源9は、電子銃1に高電圧を供給などするものである。
【0038】
対物レンズ10は、電子ビーム3をサンプル11上で細く絞るものである。
【0039】
サンプル11は、電子ビーム3を細く絞って面走査し、放出された2次電子、反射電子などを検出して拡大画像を取得する対象の試料であって、例えばフォトマスク、半導体ウェハー、ガラス基板などである。
【0040】
ステージ12は、サンプル11を固定し、図示外のレーザ干渉計によりその移動(X方向およびY方向)を精密に制御可能な公知のものである。
【0041】
真空チャンバー13は、サンプル11、ステージ12などを真空中に配置する部屋(密閉空間)である。
【0042】
ステージ制御手段14は、ステージ12を制御するものであって、ここでは、図示外のレーザ干渉計からの信号をもとに精密に所定座標位置(例えばCADデータの座標系上の所定座標、あるいはステージ座標系上の所定座標の位置)に移動制御などするものである。サンプルは11ステージ12上に乗せられており、ステージ12の移動はサンプル11の移動を意味する。
【0043】
検査装置31は、サンプル(フォトマスク)11上の欠陥を検査し、ここでは、欠陥座標ファイル32(後述する
図9の(b)のKLARFデータ)を出力する公知のものである。
【0044】
欠陥座標ファイル32は、サンプル(フォトマスク)11上のパターンの欠陥の座標を設定したファイル、例えば後述する
図9の(b)のKLARFデータである。
【0045】
PC21は、パソコンであって、ここでは、プログラムに従い、各種制御、計算、処理などを行なうものであり、欠陥座標取り込み手段22、グループ化手段23、走査順決定手段24、走査画像取得手段25、および物質推定手段26などから構成されるものである。
【0046】
欠陥座標取り込み手段22は、検査装置31でサンプル(フォトマスク)11上のパターンを検査(例えば光学顕微鏡、電子顕微鏡などにより取得した画像と、CADデータ上のパターンとを比較して欠陥を検査)し、欠陥座標を欠陥座標ファイル32に出力するものである(後述する
図9の(b)のKLARFデータ参照)。
【0047】
グループ化手段23は、欠陥座標取り込み手段22によって取り込んだ欠陥座標ファイル(例えば
図9の(b)のKLARFデータ)をもとに、欠陥点(測定点)の座標をグループ化するものである(
図2、
図3などを用いて後述する)。
【0048】
走査順決定手段24は、グループ化手段23によってグループ化された座標群(測定対象群)の走査順を決定するものである(例えば
図9から
図11などを用いて後述する)。
【0049】
物質推定手段26は、走査領域中の測定点あるいは近傍の異物の物質を推定するものである(
図14から
図18を用いて後述する)。
【0050】
ここで、
図1の構成の概略動作を以下に説明する。
【0051】
(1)
図1の構成は、通常の走査型電子顕微鏡に見られるように、真空チャンバー13、電子ビーム3を照射するための電子ビームコラム2、高圧電源9、電子検出器4、サンプル11を移動させるためのステージ(XYステージ)12とステージ制御手段14、ステージ位置をリアルタイム測定するための図示外のミラーおよびレーザー干渉計が備えられている。ステージ12の駆動方式としては超音波モーターやDC、ACサーボモータ、ステッピングモーター、リニアモーター等が利用できる。必要に応じて微動を行うための圧電素子を内蔵することもある。
【0052】
(2)本発明で開示する超高速画像取得はステージ12の定速走行とそれにほぼ直交する方向に行われる電子ビーム3の走査の組み合わせによって行われる。
【0053】
例えばXYステージ12がY軸方向に一定速度で移動する際に電子ビーム3はステージ12の進行方向とは直交方向のX軸方向に一定の速度で走査される。実際は一定方向に走査された後、急速に元の位置に戻るようなランプ波形走査を行う。戻る際には電子ビーム3がサンプル11び表面に照射されないように、図示外のブランキング偏向器によりブランキングを行う。ステージ12の移動と電子ビーム3の走査は同期するように構成されており、この2つの連続動作によってサンプル11の表面は隈なく2次元的に電子ビーム3で走査する。電子ビーム3のスポットサイズは目的とするピクセルサイズに合わせて最適化する。走査する前には、光学的、あるいは画像情報から、所望のスポットサイズで電子ビーム3がサンプル11の表面に照射されるように、対物レンズ10の強さを調整する。走査期間中は電子ビーム3の照射電流は一定になるように制御されている。照射電流量は図示外のファラデーカップ等で照射電流を全て集め、精密電流計等で測定をすることで、確定できる。
【0054】
サンプル11の表面を走査する際に発生する2次電子あるいは反射電子はシンチレーター、電子増倍管、MCPや半導体検出装置などの電子検出器4で検出し、電流電圧変換後、画像処理装置にて画像の輝度に変換することでサンプル11の表面の画像を得る。
【0055】
(3)画像取得中のステージ12の移動速度は電子ビーム3の走査速度との間に比例関係が成り立つようにする。例えばX軸方向に1000ピクセルの画像を取得する際には、X軸を走査する速度の1000分の1の速度でステージ12をY軸方向に移動させる。このように動作すると、X,Y同じ大きさのピクセルが実現される。この比例係数を変えることで、X、Yピクセルサイズを変えることも出来る。ステージ12の速度や電子ビーム3の走査速度の絶対値は1ピクセルを取得する速度よって決定され、ピクセルクロックによって決められる。例えば1000X1000ピクセルの画像を1秒間で取得する場合は1MHzのクロックを用いれば良い。
【0056】
画像取得するためには電子ビーム3をサンプル表面で細く絞る必要があるためオートフォーカスが必要である。連続画像取得を中断させないため、予めマスク表面の複数の代表点に対してジャストフォーカスする値をサンプルをチャンバーに導入する際に、取得して記録しておき(プリフォーカス、マッピング)、その値を用いて、測定点のフォーカス値を推定するなどしてオートフォーカスを掛けることが望ましい。例えば、1回のステージ移動を行う範囲の始点と終点におけるジャストフォーカス値を用いて中間座標のフォーカス値を線形近似して求めても良い。
【0057】
次に、
図2および
図3を用いて欠陥座標データをもとに走査領域の算出について詳細に説明する。
【0058】
図2は、本発明の動作説明フローチャート(走査領域算出)を示す。
【0059】
図2において、S1は、全マスク領域を電子ビーム走査幅でメッシュ分割する。これは、後述する
図3に示すように、全マスク領域(サンプル(フォトマスク)11の測定対象の全領域)を電子ビームの走査幅、例えば10ミクロンの四角形(矩形)でメッシュ分割する。
【0060】
S2は、測定点が存在するメッシュをマークする。これは、欠陥座標ファイル32、例えば後述する
図9の(b)の欠陥座標ファイル(KLARFデータ)32の欠陥座標(測定点)が存在する
図3のメッシュにマーク(図では、○印)を設定する。
【0061】
S3は、ステージ走査幅に含まれるマーク領域(例えば内接四辺形領域)を求める。これは、例えば
図3の○印のマークした部分(メッシュ)を含む四辺形を図示のように求める。ここでは、マークしたメッシュが隣接する場合,および所定メッシュ数N(Nは1以上の整数)、ここではN=2以内離れてメッシュが隣接する場合をまとめ、これらまとめたメッシュ群に内接する内接四辺形をマーク領域として算出し、グループ化を図る。
【0062】
以上によって、サンプル(フォトマスク)11の測定領域の全領域について
図3に示すように電子ビーム3の走査幅の四辺形(例えば10ミクロン)でメッシュ分割し、
図9の(b)の欠陥座標データ中の欠陥座標(測定点)が存在するメッシュにマーク(
図3の○印)を付与し、次に、ステージ走査幅(例えば100ミクロン)幅内で、かつこれらマークされたメッシュが隣接するメッシュ、および更に、所定メッシュ数N(
図3の場合にはN=2)だけ離れて隣接するメッシュをまとめ、これらまとめたメッシュに内接する内接四辺形をマーク領域として算出し、欠陥座標(測定点)のグループ化を図ることが可能となる。尚、Nを任意の整数に設定することにより、更に離れたメッシュ(欠陥座標の存在するメッシュ)をまとめてグループ化を行ない、グループ数を少なくすることが可能となる。あまりNを大きくすると、欠陥座標(測定点)の無い部分を電子ビームで走査することとなるので、スループットが最大となるNの値を実験的に求めて設定する。
【0063】
図3は、本発明の説明図(測定点(欠陥座標)のグループ化)を示す。
【0064】
図3は、
図1のサンプル(フォトマスク)11の測定領域の一部を示す。小さなメッシュは、電子ビーム3で走査する走査幅(例えば10ミクロン)の四辺形で、測定領域をメッシュ分割した様子を示す。
図3の横幅は、ステージ12で走査する走査幅を示し、例えば100ミクロンである。
【0065】
図3において、
図9の(b)の欠陥座標が図示の○印のメッシュであった場合、既述したように、○印のメッシュに隣接するメッシュ、およびここではN=2以内だけ離れて隣接するメッシュもまとめ、これらまとめたメッシュ群に内接する内接四辺形を算出すると、図示のグループ化したメッシュ群(欠陥座標群、測定対象群)が得られることとなる。そして、後述するように、内接四辺形内のみをステージ12を移動させつつ電子ビーム3で走査を行い、図示のグループ化した四辺形領域内の画像をまとめて取得することが可能となる。それ以外の部分は高速移動し、次のグループ化した内接四辺形に移動することにより、超高速に必要な多数の欠陥座標(測定点)の画像を取得することが可能となる。
【0066】
図4は、本発明の高速測定フローチャートを示す。
【0067】
図4において、S11は、KLARFを受け取る。これは、
図1の欠陥座標取り込み手段22が、後述する
図9の(b)のKRARFデータ(欠陥座標ファイル32)を取り込む(受け取る)。
【0068】
S12は、目標座標を計算する。これは、S11で受け取ったKLARFデータの例えば1番目の、
図9の(b)の欠陥番号Aの欠陥座標(測定点の座標)(X11,Y11)をもとに、
図5および
図6の
・第1目標座標のP01(X01,Y01),P02(X02,Y02)
・第2目標座標のP11(X11,Y11),P12(X12,Y12)
をそれぞれ算出する(詳細は、
図5、
図6で後述する)。
【0069】
S13は、第1目標座標に到達する。これは、高速走行により
図6の第1目標座標に到達する。
【0070】
S14は、定速走行する。これは、S13で
図6の第1目標座標(走査領域)に到達したので、一定速度でステージ12を移動させる。
【0071】
S15は、第2目標座標に到達する。これは、S14でステージを定速走行で移動させ、走査領域の終端の第2目標座標に到達し、走査領域の走査が終了したと判明する。
【0072】
S16は、次の場所へ高速移動する。これは、S15で第2目標座標(
図6の第2目標座標)に到達し、走査領域の走査が終了したので、次の走査領域に向けて高速移動を行なう。
【0073】
以上によって、
図6に示すように、高速走行で走査領域の始点(正確には
図5の(a)のoffset1,2の分だけ速い(走査領域の外側)座標であって、第1目標座標)に到達したときに(S13)、定速走行で走査領域を走査し(S14)、当該走査領域の終点に到達したときに(S15)、高速走行に移行して次の場所(走査領域)に向かうことが可能となる。これにより、走査領域内は定速走行し、走査領域間は高速走行し、必要な測定点(欠陥座標)を中心とした走行領域内の画像を高速に取得することが可能となる。
【0074】
図5は、本発明の説明図(走査領域の座標)を示す。これは、既述した
図4のS12で目標座標(測定点の座標)をもとに走査領域の第1目標、第1目標の座標をそれぞれ計算する計算式を示したものである(
図6に模式的に示す)。
【0075】
図5の(a)は、走査領域のX幅、Y幅(
図6参照)は、図示の下式で求める。
【0076】
・X幅:L1=√S+offset1
・Y幅:L2=√S+offset2
ここで、走査領域のX幅、Y幅は、
図6に示すように、測定点座標(X11,Y11)を中心にした当該走査領域のX方向の幅(L1)およびY方向の幅(L2)を表す。X方向は電子ビームを偏向することを繰り返して走査する幅であり、Y方向はステージを機械的に一定方向に一定速度で移動させて走査する幅である。offset1,2は、ステージ12の慣性や電子ビーム3の開始点の直線性などを考慮し、走行領域内で一定速度で走行(走査)させるための幅(助走領域)である。
【0077】
図5の(b)は、第1目標の座標P01,P02を計算した例を示す。ここでは、
・始点座標P01:X01=X11−(L1/2)
Y01=Y11−(L2/2)
・終点座標P02:X02=X11+(L1/2)
Y02=Y11−(L2/2)
となる。ここで、(X11、Y11)は測定点(欠陥点)の座標である(
図9の(b)参照)。L1,L2は
図5の(a)で算出したL1,L2である。始点座標P01,終点座標P02は、
図6に示す第1目標座標の始点座標P01および第1目標座標の終点座標,P02である。
【0078】
図5の(c)は、第2目標の座標P11,P12を計算した例を示す。ここでは、
・始点座標P11:X11=X11−(L1/2)
Y11=Y11+(L2/2)
・終点座標P12:X12=X11+(L1/2)
Y12=Y11+(L2/2)
となる。ここで、(X11、Y11)は測定点(欠陥点)の座標である(
図9の(b)参照)。L1,L2は
図5の(a)で算出したL1,L2である。始点座標P11,終点座標P12は、
図6に示す第2目標座標の始点座標P11および第2目標座標の終点座標,P12である。
【0079】
図6は、本発明の説明図(走査領域の走査)を示す。
図6は、高速移動で走査領域の第1目標まで移動し、走査領域内で一定の定速走行して第2目標に到達したときに、高速移動する様子を模式的に示したものである。ここで、走行領域、第1目標(座標)、第2目標(座標)は
図5の(a)の走行領域、
図5の(b)の第1目標、
図5の(c)の第2目標にそれぞれ対応する。また、各記号は、
図5の各記号にそれぞれ対応する。
【0080】
図7は、本発明の説明図(ステージ移動)を示す。これは、ステージ移動について、
図4から
図6で既述した高速移動(速度)、第1目標、測定点、第2目標、高速移動(速度)を時間順に模式的にわかり易く表示したものである。
【0081】
・スタート:停止位置(ホームポジション)である。
【0082】
・高速移動(速度)は、スタートの停止位置から高速移動に移行した状態を示す。
【0083】
・第1目標は、高速移動の状態で目的とする走査領域の第1目標(
図6の第1目標)に到達した状態を示す。この第1目標の状態から急速に減速開始する。
【0084】
・定速移動は、第1目標から急速に減速開始して一定の速度でステージを移動させる状態を示す。
【0085】
・測定点は、走査領域の中心の点(測定点)であって、欠陥座標などの測定のために画像を取得して測定する点である。
【0086】
・第2目標は、
図6の第2目標であって、定速移動して終点に到達したとき(あるいは所定オフセット前の状態のとき)に高速移動に移行する状態を示す。
【0087】
・高速移動は、走査領域の第2目標に到達したので高速移動に移行し、次の走査領域の第1目標に到達するまでの状態を示す。
【0088】
図8は、本発明の説明図(ステージ速度制御)を示す。これは、既述した
図7のステージの速度制御するために設定されたパラメータの例を示す。ここでは、図示の下記のように設定する。
【0089】
・スタート時点で:最高加速度でV0まで加速する。
【0090】
・第1目標で、定速度V1に減速する。
【0091】
・第2目標で、最高加速度でV0まで加速する。
【0092】
・次の第1目標で、V0まで加速する。
【0093】
以上のパラメータ設定により、既述した
図6のステージ移動時に、既述した
図7に示すようにステージが移動制御されることとなる。
【0094】
図9は、本発明の説明図(走査領域の走査2)を示す。
【0095】
図9の(a)は4個の走査領域を図示の矢印の方向、ここでは、ステージの移動方向に順番に走査する様子を模式的に示し、
図9の(b)は欠陥座標データの例を示す。
【0096】
図9の(b)に示すように、欠陥番号A,B,C,Dの4つの欠陥座標データが図示のように設定されていた場合、
図9の(a)のA,B,C,Dの順番に、走査領域間は高速移動、走査領域内は一定の定速移動をステージが行なう。
【0097】
以上のように、
図9の(b)の欠陥座標データである欠陥番号A,B,C,Dの欠陥座標を中心とした各走査領域について、
図9の(a)の矢印に示すようにステージを高速移動、一定速度移動を繰り返すことにより、全欠陥番号A,B,C,Dの走査領域の画像を高速に取得することが可能となる。
【0098】
尚、検査装置(欠陥検査装置)31が出力する欠陥位置座標は複数点からなり、ウエハーやマスク表面の至る場所に散らばっている。ある場所には欠陥が集中し、ある場所には欠陥が存在しない。あるいは特定のプロセスで異常が発生した場合などは全体としてマクロパターンを呈することもある。ある方向に連続移動しているステージ12には慣性力が働いているため、ステージ12の移動方向を大きく変えるためには、大きなエネルギーと時間がかかる。これではステージ12を停止させるよりも時間がかかる可能性がある。
【0099】
従って、ステージ12は出来るだけ真っ直ぐ長い時間一定方向に進むように使用した場合が、トータルの測定時間を短くできる可能性が高い。このため、欠陥検査装置31からKLARFファイルとして出力される大量の欠陥座標をそのままの順番で測定するのではなく、出来るだけステージ12が一方向の運動で沢山の測定点を通過するようにした上で、連続測定することが望ましい。
【0100】
このため、
図9に示すように、Y軸方向にステージが移動する場合,先ずKLARFデータに記されている欠陥位置座標のうちY軸座標(ステージ12の進行軸)に関して、大きさの順番になるように並べ、次にX軸座標がある決められた範囲(例えば100ミクロン範囲)にあるものをKLARFデータ全体から選択してリストを作成し、図示のような順番で測定する。
【0101】
図10は、本発明の説明図(走査領域の走査3)を示す。この
図10は、マスク全体を高速自動レビュー(画像取得)するために、測定対象範囲を複数の帯状に分割した例を示す。
【0102】
図10において、ステージ12の移動回数を出来るだけ減らし、早くレビュー(画像取得)が出来るようになするためには、X軸方向の走査範囲は、欠陥密度に依存するが、典型的には例えば100ミクロン程度の範囲が選択される。この値は、ステージ12が急激な移動速度変化を行わずに直進できる限界を考慮して決める。欠陥座標間隔が非常に長い場合は、100ミクロンを超えるさらに広い範囲としても良い。
【0103】
先ず、パターンが存在するマスク全体領域をX軸方向に例えば100ミクロン単位で分割して帯状の領域にし、それぞれの帯状の領域に対してKLARFデータ(
図9の(b)参照)に含まれる欠陥座標をY座標の大きさでソーティングを行ったリストを作成することでマスクに存在する欠陥座標を例えば100ミクロン幅ごとに分けたリストを作成できる。
【0104】
例えば典型的なフォトマスクの大きさは15cm角であるが、実際にパターンが書かれている領域サイズは10cm角なので、最大1000回のステージ12のスキャンを行なえばマスク全体の画像を取得することができる。1つのステージスキャン走査当り1秒程度の時間なので最大1000秒=約17分程度で1枚のマスク(フォトマスク)の全体の画像取得が完了することとなる。
【0105】
上記では、簡便にステージ移動時間を短くするための方法を開示したが、最小の時間で全欠陥画像を取得するための軌跡を求める方法としては、上記の方法の他に、パラメータとしてステージの速度や慣性力、停止時間、加速時間、グループの数等を考慮してダイクストラ法、ベルマンフォード法、あるいはワーシャルフロイド法等の最短経路問題を解くための方法を用いることが出来る。
【0106】
図11は、本発明の説明図(走査領域の走査4)を示す。ここで、観察すべき欠陥個数が例えば1000個よりも小さい時は、欠陥が存在しない帯状の領域も存在する。その場合にはマスク11の全体を均一にステージ走査するのは効率が悪い。
【0107】
このような場合には欠陥を含まない帯状の領域に関してはスキップを行う(画像取得しない)。例えばマスク全体に300個しか欠陥が無い場合は、最大必要な帯状の領域数は300本である。一般的には1本の帯状の領域に複数の欠陥が含まれる可能性があるので、欠陥を含む帯状の領域数は300本よりも小さくなる。例えば、欠陥を含む300の帯状の領域のみをステージ12で走査したとすれば、1本の帯状の領域を1秒程度でスキャン出来るので、300個の欠陥を5分程度でその画像取得が完了する。これは1個の欠陥あたり1秒とかなり早いレビュー(画像取得)が実現できる。
【0108】
さらに高速に画像取得を行うためには、1本の帯状の領域において欠陥を含まない場所をステージ12が移動するのを回避すればよい。例えば、ステージ12を移動する際には予め欠陥の座標を並び直すが、その際に最大のY軸の値を持つ欠陥や最小のY軸の値を持つ欠陥座標を抽出することができる。この値はマスク上に存在するパターンの端を表す最大及び最小Y座標よりも必ず小さい値になる。この座標を超えた場所には欠陥が存在しないので、それ以上あるいはそれ以下の座標に対するステージ12の移動を行うことは無駄である。そこで、1本の帯状の領域に含まれる欠陥座標の一番端の座標をステージ12の位置が超えた場合、ステージ12の移動方向を変えて、次の帯状の領域に含まれる一番端の欠陥座標に向かうことによって無駄なステージ移動を防止できる。露光に影響を与える欠陥総数が少ない場合は、1つの帯状の領域に1点あるいは数点しか画像取得する点がない場合も存在する。そのような場合は、欠陥の存在する場所の最上部からステージ12の移動を開始し、最下部でステージの移動方向を変える。次の最下部にステージ12を移動させ、最上部までステージ12を移動させる。このように欠陥の存在する場所だけ選択してステージ12を移動することで画像取得時間を短くすることができる。
の
ここで、走行モードとしては、下記があり、適宜指定する。
【0109】
モード1:折り返しの少ないモード
モード2:走行距離が最短
モード3:最短時間
モード1では
図11のグループ(測定対象群)間を高速移動する場合にステージの走査方向の折り返しが少ないモードである。モード2では
図11のグループ(測定対象群)間の高速移動距離が最短のモードである。モード3では
図11のグループ(測定対象群)間の高速移動時間が最短のモードである。いずれかのモードを指定するか、組み合わせて指定するあるいは実測して決めればよい。
【0110】
図12は、本発明の説明図(オーバサンプリングスキャン)を示す。画像取得では例えば193nmの波長を利用した露光用マスクの場合、波長の20分の1以下は無視できるので、視野10ミクロンで1ピクセルあたり10nmの分解能があれば十分にレビュー画像取得としての役割を果たすことが出来る。しかしながら、サンプルによっては連続移動しているステージから得られる画像のSNRが画像取得に必要な値に達しないこともありうる。そのような場合は、単位面積あたりのピクセル数をN倍に増やして画像取得を行うオーバーサンプリング技術を用いてSNRを高めることが可能である。例えば、10nmのサイズの画像を最終的に得ることを目標とした場合、1回のX軸走査期間中にY方向にはピクセルの5分の1の長さである2nmだけ進むようにステージ12を制御する。このようにして得られた画像は縦方向と横方向の画素密度が異なる画像となるが、最終的に平均化処理等の画像処理を行ってY軸に沿って5つのピクセルが1つのピクセルになる様にする。この画像処理によって最終的にX軸、Y軸のピクセルサイズが等しい画像が得られる。このようにすることで、例えば5回蓄積を行った画像と同等の画像を得ることが可能となり、レビュー画像のSNRをあげることが出来る。つまり、1回のX軸電子ビーム走査を行う際に、Y軸はN分の1ピクセルサイズだけ移動するように速度調整を行い、最終的に得られた画像をY軸方向にN個のピクセルが1つのピクセルになる様に平均化処理を行うと、ステージを移動しながら画像取得しているのにも関わらず、N回蓄積を行って得た画像と同じ品質の画像が得られるようになる。
【0111】
図13は、本発明の説明図(ビームサイズ)を示す。
【0112】
図13の(a)はモード1の例を模式的に示し、
図13の(b)はモード2の例を模式的に示す。
【0113】
図13の(a)のモード1の場合にはビームサイズは変えずにN倍微細スキャンし、
図13の(b)のモード2の場合にはビームサイズをN分の1微細にスキャンする。これらモード1、2で得られた画像を
図12で説明したように、N個のピクセルが1つのピクセルになるように平均化処理を行うことにより、ステージ12を移動しながら画像取得しているのにも関わらず、N回蓄積を行って得た画像と同じ品質の画像が得ることが可能となり、SNR改善を行なうことができる。
【0114】
図14は、本発明の他の説明図(2次電子と反射電子の発生効率と原子番号との較正曲線)を示す。
図14中で横軸は原子番号であり、縦軸は2次電位、反射電子の発生効率(反射効率)である。実線は2次電子のものであり、点線は反射電子のものである。
図14の曲線(較正曲線)から判明するように、原子番号が大きくなるに従い、2次電子、反射電子の発生効率(反射効率)は図示の曲線のようにそれぞれ増加する特性を持っている。従って、予め図示の2次電子、反射電子について、複数の原子番号の基準試料を準備してこれらからそれぞれ発生効率(反射効率)を実測して図示の曲線(較正曲線)を較正することにより、試料中の異物などの物質(原子番号)を推移することが可能となる。以下順次詳細に説明する。
【0115】
図15は、本発明の他の説明図(未知物質の推定)を示す。
【0116】
図15の(a)はフォトマスクの例を示し、
図15の(b)は未知物質の推定例を示す。
【0117】
図15の(a)のフォトマスク上には、図示のようにCrの縦方向に帯状のパターンが2本あり、これはEDXで特性X線を測定して当該特性X線からCrの帯状のパターンであることを特定、更にベースとなる部分について同様にEDXでシリコンSiと特定する。また、別の方法として、フォトマスクの横に予め測定した既知の物質の基準試料(ここでは、Si,Fe,Crなどを左側に記載したように設置しておく。
【0118】
図15の(b)において、図示の表は、横軸が原子番号、縦軸が反射(2次)電子発生効率(反射効率)を表すものである。ここで、
図15の(a)のEDXで特定された縦方向に帯状のCrのAの矩形領域、ベースのシリコンのBの矩形領域、更に、未知の異物のCの矩形領域の反射(2次)電子発生効率をそれぞれ測定し、A,Bを表中にプロットしてここでは直線(3つ以上のときは曲線となる)で結び、較正曲線を求める。次に、未知の異物Cについて、較正曲線上の反射(2次)電子発生効率に該当する図示の位置に対応する原子番号の位置はここではFeに相当した場合には、
図15の(a)のCの矩形領域は鉄Feと推定することが可能となる。
【0119】
また、他の較正方法として、
図15の(a)の基準試料(Si,Fe,Crなど)について、矩形領域の反射(2次)電子発生効率をそれぞれ実測し、
図15の(b)のようにSi,Fe.Crの点をプロットして図示のような較正曲線を作成し、この作成した較正曲線をもとに、
図15の(a)のCの矩形領域の反射(2次)電子発生効率を実測し、この実測値をもとに
図15の(b)の基準試料から作成した較正曲線上で該当する位置の原子番号(ここでは、鉄)を求め、Cの矩形領域の異物の物質を推定するようにしてもよい。
【0120】
次に、
図16のフローチャートの順番に従い、較正曲線を算出する手順を詳細に説明する。
【0121】
図16は、本発明の他の動作説明フローチャートを示す。
【0122】
図16において、S21は、マスクローディングする。これは、既述した
図15の(a)のフォトマスクを
図1のステージ2上にローディングして固定する。
【0123】
S22は、マスク上の複数種類の既知材料のEDX測定する。これは、
図1のステージ12に固定したフォトマスク、例えば
図15の(a)のフォトマスク上の複数種類の既知材料のEDX測定、即ち、
図15の(a)のCrで作成された縦方向に帯状のパターン上のAの矩形領域、シリコンで作成されたベースの部分のBの矩形領域について、図示外のEDXで特性X線を測定(エネルギー分析)してAの矩形領域がCr、Bの矩形領域がSiと特定する。尚、A,Bの矩形領域について既知の物質である必要はなく、EDXで特性X線を測定して物質を特定してもよい。
【0124】
S23は、同じ場所の反射(2次)電子強度を測定する。これは、S22で特性X線を測定したと同じ場所、
図15の(a)の例では、Aの矩形領域、Bの矩形領域について当該各矩形領域の反射(2次)電子強度をそれぞれ実測する。
【0125】
S24は、較正曲線を得る。これは、例えば
図15の(a)のフォトマスク上のAの矩形領域についてEDXで物質がCr、Bの矩形領域についてEDXで物質がSiと特定され、かつそれぞれのA,Bの矩形領域の反射(2次)電子強度を測定したので、既述した
図15の(b)の表(横軸は原子番号、縦軸が反射(2次)電子強度とした表)中にプロットして線分(3つ以上のときは曲線)で結び図示の較正曲線を作成する。
【0126】
以上によって、例えば
図15の(a)のフォトマスク上で複数の物質(Si,Crなど)の矩形領域の反射(2次)電子強度をそれぞれ実測し、これらをもとに
図15の(b)の較正曲線を算出することが可能となる。ここでは強度測定をしているが、強度は照射電流量やエネルギー等によって変化するので、照射電流等で規格化した値を用いるとさらに良い。
【0127】
尚、S22ではフォトマスク上のA,Bの矩形領域の物質が既知あるいはEDXで特定(確認)したが、これに限らず、
図15の(a)のフォトマスクの横に基準試料としてSi,Fe,Crなどから構成される試料を予め配置(あるいは必要に応じてローディング)すれば、較正曲線を必要に応じて作成でき、精度を向上させることができる。特に、未知の物質である異物を特定する場合に、同じ条件(電子ビームの強度、サイズ、画像取得倍率などが同じ条件)で同じサイズの矩形領域について基準試料(複数の物質についての矩形領域)とフォトマスク上の未知の物質である異物上の同一サイズの矩形領域との反射(2次)電子強度をそれぞれ実測し、基準試料のものから較正曲線を作成し、この較正曲線をもとに、異物のものからいずれの物質(原子番号)かを推定することにより、より精度を向上させることが可能となる。
【0128】
図17は、本発明の他の動作説明フローチャート(その2)を示す。
【0129】
図17において、S31は、標準試料をローディングする。これは、既述した
図1のステージ12上に、
図15の(a)の基準試料をローディングする。
【0130】
S32は、マスク上の複数種類の既知材料の反射(2次)電子強度測定する。これは、既述した
図15の(a)に示すフォトマス上の既知の材料について、Aの矩形領域(Cr上の矩形領域)、Bの矩形領域(Si上の矩形領域)の反射(2次)電子強度を実測する。
【0131】
S33は、標準試料をアンローディングする。
【0132】
S34は、サンプルをローディングする。これは、
図1のステージ12に、元素を特定しようとする例えば
図15の(a)の未知の異物が存在するフォトマスクをローディングする。
【0133】
S35は、サンプルの反射(2次)電子強度測定する。これは、S34でローディングした例えば
図15の(a)のフォトマスク上で未知の異物上の矩形領域Cについて、反射(2次)電子強度を実測する。
【0134】
S36は、元素分析する。これは、S32で既知試料(あるいは
図15の(a)の基準試料)上の矩形領域について実測した反射(2次)電子強度をもとに
図15の(b)の較正曲線を作成し、次に、S35で未知の異物上の矩形領域で実測した反射(2次)電子強度をもとに当該較正曲線上の該当する反射(2次)電子発生効率の位置に対応する原子番号を求め、当該原子番号の物質(例えば鉄)と元素分析して推定する。
【0135】
以上によって、標準試料(あるいは
図15の(a)の基準試料)をもとに
図15の(b)の較正曲線を作成し、マスクの未知の異物上の矩形領域の反射(2次)電子強度をもとに当該較正曲線により異物の原子番号(物質)を推定することが可能となる。この際、異物として存在し得る原子番号(物質)を予め選択して決めておくことにより、異物上の矩形領域の反射(2次)電子強度をもとに予め選択された物質のうちのいずれの物質かを的確に決め、より正確に異物の物質を推定することが可能となる。
【0136】
図18は、本発明の他の説明図(高速分析機能)を示す。ここで、反射電子画像や2次電子画像は,EDXによる異物の元素特定の場合とは異なり、nmオーダーの空間分解能を持っている。更に、2次電子画像や反射電子画像の取得に必要な電流量はpAオーダーとEDXと比較して非常に少なく、サンプルを傷めないし、汚さない。それにもまして画像取得速度が極めて高速であり、1画面の取得に1秒も必要としない。これはEDXがnA以上の大電流を必要とし、数百ピクセル角の面分析を行うのに数十分から1時間も必要となるのとは大きな違いである。既述した
図17の方法によって較正された較正曲線は、反射電子および2次電子発生効率により直接原子番号の推定が可能なため、2次電子画像や反射電子画像から瞬間的に元素面分析(推定)を行うことが可能となる。異なる元素に対応する発生効率領域は異なる色を対応させてディスプレイ上に表示することにより、元素を区別して表現することが可能であり、例えば
図18に示したようにカラー表示の面分析(推定)をnmオーダーの分解能で行うことが可能となる。
【0137】
図18に示す画像は、反射(2次)電子画像であって、そのサイズは図示するように縦横が500nm角である。この画像上でCr.Mo,Feと表示した領域は、
図17のフローチャートに従い、較正曲線をもとに当該
図18の反射(2次)電子画像上で、各部分の矩形領域について反射(2次)電子強度を実測(あるいは画像上で異物の矩形領域内の強度を平均測定)し、較正曲線をもとに元素を推定したものである。尚、既述したように、異物として存在し得る元素を予め決めておくことにより、いずれの元素に最も近いかを反射(2次)電子強度で選択(推定)することにより、精度を確保することが可能となる。
【0138】
以上によって、マスク上などに存在する微小な異物などについて、その物質を精度良好に推定することが可能となる。