(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
図7は、不揮発性記憶素子のデータを読み出すデータ読出装置の回路図である。
データ読出回路30は、PMOSトランジスタ31、不揮発性記憶素子32、PMOSトランジスタ33、NMOSトランジスタ34、インバータ回路35、36で構成されたラッチ回路と、を備えている。
データ読出回路30は、以下のように動作して不揮発性記憶素子32のデータを読出す。
【0003】
先ず、信号Φ02がHighレベルになりNMOSトランジスタ34はオンする。インバータ回路36、35で構成されたラッチ回路がリセットされ、出力端子DOUTはLowレベルになる。次に、信号Φ02がLowレベルになりNMOSトランジスタ34がオフした後に、信号Φ01がLowレベルとなりPMOSトランジスタ31、33はオンする。
【0004】
不揮発性記憶素子32にデータが書き込まれたデプレッション状態ならば、不揮発性記憶素子32のオン電流によりラッチ回路が反転してHighレベルになり、出力端子DOUTはHighレベルの状態で保持される。
一方、不揮発性記憶素子32にデータが書き込まれていないエンハンスメント状態ならば、出力端子DOUTはLowレベルのまま保持される(例えば、特許文献1参照)。
なお、不揮発性記憶素子32周辺の電位状態は、データ読み出し時とデータ書き込み時で等しくなっている。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態のデータ読出装置を示す回路図である。
データ読出装置は、データ読出部300と誤書込み防止回路600を備えている。データ読出部300は、データ読出回路30A、30Bで構成される。データ読出回路30Aは、PMOSトランジスタ31A、33A、不揮発性記憶素子32A、NMOSトランジスタ34A、インバータ回路35A、36Aで構成されるラッチ回路と、を備えている。データ読出回路30Bは、PMOSトランジスタ31B、33B、不揮発性記憶素子32B、NMOSトランジスタ34B、インバータ回路35B、36Bで構成されるラッチ回路と、を備えている。
【0012】
誤書込み防止回路600は、ダミー読出回路40A、状態検出回路50A、OR回路61、62と、を備えている。
ダミー読出回路40Aは、データ読出回路30Aと回路構成は同一であり、PMOSトランジスタ41A、43A、不揮発性記憶素子42A、NMOSトランジスタ44A、インバータ45A、46Aで構成されるラッチ回路と、を備えている。不揮発性記憶素子42Aは、初期状態ではデータが書き込まれていないエンハンスメント状態である。そして、PMOSトランジスタ41A、43A、不揮発性記憶素子42Aは、PMOSトランジスタ31A、33A、不揮発性記憶素子32Aと比較して書込みされ易くなっている。例えば、PMOSトランジスタ41A、43A、不揮発性記憶素子42AのW/Lの比がPMOSトランジスタ31A、33A、不揮発性記憶素子32AのW/Lの比よりも大きくなっている。
【0013】
状態検出回路50Aは、PMOSトランジスタ51A、53A、58A、59A、不揮発性記憶素子52A、インバータ回路55A、56A、57A、NMOSトランジスタ54Aと、を備えている。
【0014】
データ読出回路30Aの各要素は以下のように接続される。PMOSトランジスタ31Aは、ソースは電源端子VDDに接続され、ゲートはノードN5に接続され、ドレインは不揮発性記憶素子32Aのソースに接続される。不揮発性記憶素子32Aは、ゲートはフローティングであり、ドレインはPMOSトランジスタ33Aのソースに接続される。PMOSトランジスタ33Aは、ゲートはノードN5に接続され、ドレインはノードDOUTAに接続される。NMOSトランジスタ34Aは、ソースは電源端子VSSに接続され、ドレインはノードDOUTAに接続される。インバータ回路35Aは、入力端子はインバータ回路36Aの出力端子に接続され、出力端子はノードDOUTA及びインバータ回路36Aの入力端子に接続される。NMOSトランジスタ34Aのゲートは、信号Φ02が入力される。
【0015】
データ読出回路30Bの各要素は以下のように接続される。PMOSトランジスタ31Bは、ソースは電源端子VDDに接続され、ゲートはノードN5に接続され、ドレインは不揮発性記憶素子32Bのソースに接続される。不揮発性記憶素子32Bは、ゲートはフローティングであり、ドレインはPMOSトランジスタ33Bのソースに接続される。PMOSトランジスタ33Bは、ゲートはノードN5に接続され、ドレインはノードDOUTBに接続される。NMOSトランジスタ34Bは、ソースは電源端子VSSに接続され、ドレインはノードDOUTBに接続される。インバータ回路35Bは、入力端子はインバータ回路36Bの出力端子に接続され、出力端子はノードDOUTB及びインバータ回路36Bの入力端子に接続される。NMOSトランジスタ34Bのゲートは、信号Φ02が入力される。
【0016】
ダミー読出回路40Aの各要素は以下のように接続される。PMOSトランジスタ41Aは、ソースは電源端子VDDに接続され、ゲートはノードN3に接続され、ドレインは不揮発性記憶素子42Aのソースに接続される。不揮発性記憶素子42Aは、ゲートは状態検出回路50Aの不揮発性記憶素子52Aのゲートに接続され、ドレインはPMOSトランジスタ43Aのソースに接続される。PMOSトランジスタ43Aは、ゲートはノードN3に接続され、ドレインはノードN4に接続される。NMOSトランジスタ44Aは、ソースは電源端子VSSに接続され、ドレインはノードN4に接続される。インバータ回路45Aは、入力端子はインバータ回路46Aの出力端子に接続され、出力端子はN4及びインバータ回路46Aの入力端子に接続される。NMOSトランジスタ44Aのゲートは、信号Φ02が入力される。
【0017】
状態検出回路50Aの各要素は以下のように接続される。PMOSトランジスタ51Aは、ソースは電源端子VDDに接続され、ドレインは不揮発性記憶素子52Aのソースに接続される。不揮発性記憶素子52Aは、ドレインはPMOSトランジスタ53Aのソースに接続される。PMOSトランジスタ53Aは、ドレインはノードN1に接続される。PMOSトランジスタ59Aは、ソースはノードN1に接続され、ドレインは電源端子VSSに接続される。インバータ回路57Aは、入力端子がノードN1に接続され、出力端子がPMOSトランジスタ58Aのゲートに接続される。PMOSトランジスタ58Aは、ソースが電源端子VDDに接続され、ドレインがノードN2に接続される。インバータ回路55Aは、入力端子がインバータ回路56Aの出力端子に接続され、出力端子がノードN2及びインバータ回路56Aの入力端子に接続される。NMOSトランジスタ54Aは、ソースは電源端子VSSに接続され、ドレインはノードN2に接続される。PMOSトランジスタ51AとPMOSトランジスタ53Aのゲートは、信号Φ03が入力される。PMOSトランジスタ59Aのゲートは、信号Φ02の反転信号である信号Φ02Xが入力される。NMOSトランジスタ54Aのゲートは、信号Φ02が入力される。
【0018】
OR回路61は、一方の入力端子に信号Φ01が入力され、他方の入力端子にはノードN2が接続され、出力端子はノードN3に接続される。OR回路62は、一方の入力端子に信号Φ01が入力され、他方の入力端子にはノードN4が接続され、出力端子はノードN5に接続される。
【0019】
上記のように構成された第1の実施形態のデータ読出装置の動作を、
図2及び
図3で示すタイミングチャートをもとに説明する。
図2は、データ読出装置が、読み出し動作を開始し、読み出し動作の途中で高電圧が印加されたときに、誤書込みを防止する動作を示している。
【0020】
時刻t1にて信号Φ02がHighレベルになると、NMOSトランジスタ34A、34B、44A、54Aがオンして、ノードDOUTA、DOUTB、N2、N4がLowレベルとなる。そして、夫々のラッチ回路は、Lowレベルをラッチする。同時に信号Φ02XがLowレベルになるので、PMOSトランジスタ59AがオンしてノードN1がLowレベルとなり、PMOSトランジスタ58Aはオフする。また、信号Φ01、Φ03がHighレベルなので、PMOSトランジスタ31A、33A、31B、33B、41A、43A、51A、53Aは、全てオフしている。
【0021】
次に、時刻t2にて、信号Φ02がLowレベル、信号Φ02XがHighレベル、信号Φ03がLowレベルとなる。PMOSトランジスタ51A、53Aがオンするが、不揮発性記憶素子42Aにはデータが書込みされていないので、フローティングゲートには電荷注入されておらず、不揮発性記憶素子52Aに電流は流れない。従って、ノードN1はLowレベルのままとなる。ノードN1の電圧は、ノードN1に存在する寄生容量によって保持される。この時、電源端子VDDに高電圧がかかると、不揮発性記憶素子52Aの周辺の電位状態はデータ書込み時と同じ状態となるが、ノードN1は容量でLowレベル状態に保持しているだけなので、書込みに必要な電流を流すことができず、誤書込みは発生しない。
【0022】
時刻t3にて信号Φ03がHighレベル、信号Φ01がLowレベルとなる。ノードN2がLowレベルに保持されているので、OR回路61の出力端子であるノードN3はLowレベルとなる。同様に、ノードN4がLowレベルに保持されているので、OR回路62の出力端子であるノードN5はLowレベルとなり、データ読出部300は読み出しを実行する。
【0023】
時刻t4において、半導体装置に予期しない高電圧が印加された時の、データ読出装置の動作について説明する。
この時、不揮発性記憶素子32A、32B、42Aのそれぞれの周辺の電位は同じである。しかし、PMOSトランジスタ41A、43AのW/Lの比がPMOSトランジスタ31A、33A、31B、33BのW/Lの比よりも大きく設計されているので、PMOSトランジスタ41A、43Aのソース・ドレイン間の電圧降下の方が少なくなる。従って、不揮発性記憶素子42Aのソース・ドレイン間にかかる電圧の方が、不揮発性記憶素子32A、32Bのソース・ドレイン間にかかる電圧よりも大きくなる。この為、不揮発性記憶素子42Aのほうが書込みされやすくなる。また、不揮発性記憶素子42AのW/Lの比が不揮発性記憶素子32A、32BのW/Lの比よりも大きく設計されているので、同じ書込み電圧でも大きなオン電流を流すことになり、ノードDOUTA、ノードDOUTBよりも早くノードN4がHighレベルとなる。ここで、不揮発性記憶素子42Aが書込みされると、ノードN4がHighレベルとなり、OR回路62の出力端子であるノードN5もHighレベルとなるので、データ読出部300は読出動作を停止して、不揮発性記憶素子32A、32Bへの誤書込みが防止される。
【0024】
不揮発性記憶素子42Aが誤書込みされると、不揮発性記憶素子42Aのゲートに電荷が注入されて、不揮発性記憶素子52Aも電流を流すようになるが、PMOSトランジスタ51A、53AがオフしているのでノードN1はLowレベルを維持する。
時刻t5にて信号Φ01がHighレベルとなると、ノードN3がHighレベルとなり読み出し動作は終了する。
【0025】
図3は、ダミー読出回路40Aの不揮発性記憶素子42Aが誤書込みされた後、データ読出装置の読み出し動作を示すタイミングチャートである。
時刻t1にて信号Φ02がHighレベルになると、NMOSトランジスタ34A、34B、44A、54Aがオンして、ノードDOUTA、DOUTB、N2、N4がLowレベルとなる。そして、夫々のラッチ回路は、Lowレベルをラッチする。同時に信号Φ02XがLowレベルになるので、PMOSトランジスタ59AがオンしてノードN1がLowレベルとなり、PMOSトランジスタ58Aはオフする。また、信号Φ01、Φ03がHighレベルなので、PMOSトランジスタ31A、33A、31B、33B、41A、43A、51A、53Aは、全てオフしている。
【0026】
次に、時刻t2にて、信号Φ02がLowレベル、信号Φ02XがHighレベル、信号Φ03がLowレベルとなる。PMOSトランジスタ51A、53Aがオンすると、不揮発性記憶素子42Aは書込みがされているので、フローティングゲートには電荷注入されており、不揮発性記憶素子52Aに電流が流れる。従って、ノードN1はHighレベルとなるので、PMOSトランジスタ58Aがオンしてラッチが反転し、ノードN2がHighレベルとなる。
【0027】
時刻t3にて信号Φ03がHighレベル、信号Φ01がLowレベルとなる。ノードN2がHighレベルに保持されているので、OR回路61の出力端子であるノードN3はHighレベルとなる。PMOSトランジスタ41A、43AはオフなのでノードN4はLowレベルに保持される為、OR回路62の出力端子であるノードN5はLowレベルとなり、データ読出部300は読み出しを実行する。
時刻t5にて信号Φ01がHighレベルとなると、ノードN5がHighレベルとなり読み出し動作は終了する。
【0028】
上記のようにして、データ読み出し中に高電圧が印加されても不揮発性記憶素子の誤書込みを防止することができる。なお、動作を安定させる為にノードN1に容量素子を接続しても良いが、上記のように誤書込みに必要な電流を流さない容量値に設定しなければならない。また、ダミー読出回路40Aにおいて、読出回路30A、30Bよりも書込みが発生しやすいように、PMOSトランジスタ41A、43A、不揮発性記憶素子42AのW/Lの比が、PMOSトランジスタ31A、33A、31B、33B、不揮発性記憶素子32A、32BのW/Lの比よりも大きい場合を説明したが、どれか一つのW/Lの比が大きくても良く、組み合わせても良い。不揮発性記憶素子42Aに誤書込みがあったかどうかは、時刻t2から時刻t3の間でノードN2がHighレベルかLowレベルかを確認すれば良い。すなわち、ノードN2がHighレベルであればそれ以前に誤書込みがあったことを示し、Lowレベルであれば書込みは発生していないことを示す。データ読出部に含まれるデータ読出回路は、1個から任意の個数を設けてもよい。
【0029】
<第2の実施形態>
図4は、第2の実施形態のデータ読出装置を示す回路図である。データ読出装置はデータ読出部300と誤書込み防止回路700で構成される。データ読出部300は、第1の実施形態と同様であるので、回路構成の説明は省略する。誤書込み防止回路700は、ダミー読出回路40A、40B、状態検出回路50A、50B、OR回路61、64、65、インバータ回路63で構成される。ダミー読出回路40A、状態検出回路50Aは第1の実施形態と同様であるので、回路構成の説明は省略する。ダミー読出回路40Bは、ダミー読出回路40Aと同様の回路構成であり、PMOSトランジスタ41B、43B、不揮発性記憶素子42B、NMOSトランジスタ44B、インバータ45B、46Bで構成される。ただし、PMOSトランジスタ41B、43B、不揮発性記憶素子42Bは、PMOSトランジスタ41A、43A、不揮発性記憶素子42Aと同様に書込みが生じ易くなっている。状態検出回路50Bは、状態検出回路50Aと同様の回路構成であり、PMOSトランジスタ51B、53B、58B、59B、不揮発性記憶素子52B、インバータ回路55B、56B、57B、NMOSトランジスタ54Bで構成されている。
データ読出回路30A、30B、ダミー読出回路40A、状態検出回路50Aの接続は第1の実施形態と同様であるので、回路の接続関係の説明は省略する。
【0030】
PMOSトランジスタ41Bは、ソースは電源端子VDDに接続され、ゲートはノードN8に接続され、ドレインは不揮発性記憶素子42Bのソースに接続される。不揮発性記憶素子42Bは、ゲートは不揮発性記憶素子52Bのゲートに接続され、ドレインはPMOSトランジスタ43Bのソースに接続される。PMOSトランジスタ43Bは、ゲートはノードN8に接続され、ドレインはノードN9に接続される。NMOSトランジスタ44Bは、ソースは電源端子VSSに接続され、ドレインはN9に接続される。インバータ回路45Bは、入力端子はインバータ回路46Bの出力端子に接続され、出力端子はN9及びインバータ回路46Bの入力端子に接続される。
【0031】
PMOSトランジスタ51Bは、ソースは電源端子VDDに接続され、ドレインは不揮発性記憶素子52Bのソースに接続される。不揮発性記憶素子52Bは、ドレインはPMOSトランジスタ53Bのソースに接続される。PMOSトランジスタ53Bは、ドレインはノードN6に接続される。PMOSトランジスタ59Bは、ソースはノードN6に接続され、ドレインは電源端子VSSに接続される。インバータ回路57Bは、入力端子がノードN6に接続され、出力端子がPMOSトランジスタ58Bのゲートに接続される。PMOSトランジスタ58Bは、ソースは電源端子VDDに接続され、ドレインはノードN7に接続される。インバータ回路55Bは、入力端子はインバータ回路56Bの出力端子に接続され、出力端子はノードN7及びインバータ回路56Bの入力端子に接続される。NMOSトランジスタ54Bは、ソースは電源端子VSSに接続され、ドレインはノードN7に接続される。OR回路61は、一方の入力端子には信号Φ01が入力され、他方の入力端子にはノードN2が接続され、出力端子はノードN3に接続される。OR回路65は、2つの入力端子にはノードN4とノードN9が接続され、もう一つの入力端子には信号Φ01が入力され、出力端子はノードN5に接続される。インバータ回路63は、入力端子はノードN2が接続され、出力端子にノードN2Xが接続される。OR回路64は、2つの入力端子にはノードN2XとノードN7が接続され、もう一つの入力端子には信号Φ01が入力され、出力端子にはノードN8が接続される。
【0032】
上記のように構成された第2の実施形態のデータ読出装置の動作を、
図5で示すタイミングチャートをもとに説明する。
図5は、不揮発性記憶素子42Aが誤書込みされた後、データ読出装置が読み出し動作を開始し、読み出し動作の途中で高電圧が印加されたときに、誤書込みを防止する動作を示している。
【0033】
時刻t1にて信号Φ02がHighレベルとなりNMOSトランジスタ34A、34B、44A、44B、54A、54Bがオンして、ノードDOUTA、DOUTB、N2、N4、N7、N9がLowレベルとなる。同時に信号Φ02の反転信号であるΦ02XがLowレベルとなるので、PMOSトランジスタ59A、59BがオンしてノードN1、ノードN6がLowレベルとなり、PMOSトランジスタ58A、58Bはオフする。また、信号Φ01、Φ03がHighレベルなので、PMOSトランジスタ31A、33A、31B、33B、41A、43A、41B、43B、51A、53A、51B、53Bは、全てオフしている。
【0034】
次に、時刻t2にて信号Φ02がLowレベル、信号Φ02XがHighレベル、信号Φ03がLowレベルとなる。不揮発性記憶素子42Aは誤書込みがされているので、フローティングゲートには電荷注入されており、不揮発性記憶素子52Aに電流が流れる。従って、ノードN1はHighレベルとなるので、PMOSトランジスタ58AがオンしてノードN2がHighレベルとなる。不揮発性記憶素子42Bには誤書込みがされていないので、フローティングゲートには電荷注入されておらず、不揮発性記憶素子52Bに電流は流れない。従って、ノードN6はLowレベルのままとなる。
【0035】
時刻t3にて信号Φ03がHighレベル、信号Φ01がLowレベルとなる。ノードN2がHighレベルに保持されているので、OR回路61の出力端子であるノードN3はHighレベルとなる。PMOSトランジスタ41A、43AはオフなのでノードN4はLowレベルに保持される。一方、ノードN2XはLowレベルで、ノードN7もLowレベルに保持されているので、OR回路64の出力端子であるノードN8はLowレベルとなる。ノードN8がLowレベルとなりPMOSトランジスタ41B、43Bがオンするが不揮発性記憶素子42Bは書込みされていないので、ノードN9はLowレベルのまま保持される。従って、OR回路65の出力端子であるノードN5はLowレベルとなりデータ読出部300は読み出しを実行する。
【0036】
時刻t4において、半導体装置に予期しない高電圧が印加された時の、データ読出装置の動作について説明する。
この時、不揮発性記憶素子32A、32B、42Bのそれぞれの周辺の電位は同じである。しかし、PMOSトランジスタ41B、43BのW/Lの比がPMOSトランジスタ31A、33A、31B、33BのW/Lの比よりも大きく設計されているので、PMOSトランジスタ41B、43Bのソース・ドレイン間の電圧降下の方が少なくなる。従って、不揮発性記憶素子42Bのソース・ドレイン間にかかる電圧の方が、不揮発性記憶素子32A、32Bのソース・ドレイン間にかかる電圧よりも大きくなる。この為、不揮発性記憶素子42Bのほうが書込みされやすくなる。また、不揮発性記憶素子42BのW/Lの比が不揮発性記憶素子32A、32BのW/Lの比よりも大きく設計されているので、同じ書込み電圧でも大きなオン電流を流すことになり、ノードDOUTA、ノードDOUTBよりも早くノードN9がHighレベルとなる。ここで不揮発性記憶素子42Bが書込みされると、ノードN9がHighレベルとなり、OR回路65の出力端子であるノードN5はHighレベルとなってデータ読出部300は読出動作を停止して、不揮発性記憶素子32A、32Bへの誤書込みが防止される。不揮発性記憶素子42Bが書込みされると、不揮発性記憶素子42Bのゲートに電荷が注入されて、不揮発性記憶素子52Bも電流を流すようになるが、PMOSトランジスタ51B、53BがオフしているのでノードN6はLowレベルのままである。
時刻t5にて信号Φ01がHighレベルとなると、ノードN5がHighレベルとなり読み出し動作は終了する。
【0037】
本実施形態では、ダミー読出回路と状態検出回路を2個ずつ配置した場合について示したが、ダミー読出回路と状態検出回路を任意の数配置することにより、任意の回数の誤書込みを防止することが可能となる。どのダミー読出回路に書込みがあったかどうかは、時刻t2から時刻t3の間でノードN2及びノードN7がHighレベルかLowレベルかを確認すれば良い。
【0038】
以上説明した本発明のデータ読出装置は、第1および第2の実施形態のデータ読出装置の回路構成は一例であり、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で変形が可能である。
例えば、
図6に示したデータ読出装置の回路図のように、誤書込み防止回路800のダミー読出回路60Aと状態検出回路70Aにおいて、不揮発性記憶素子42Aと52Aのソースが電源端子VDDに直接接続されても良い。このような構成をとると、不揮発性記憶素子42Aのソース・ドレイン間にかかる電圧がよりも大きくなるので誤書込みされ易くなるという効果がある。
また例えば、OR回路は、入力の論理を反転して、NAND回路で構成しても良い。