(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
用紙の残量を検知する第1センサを有するプリンタと、当該用紙を回収する回収ボックス及び当該回収ボックスの空き状態を検知する第2センサを有するプレゼンタとに接続されるコンピュータを、
ラベル付きの印刷データを取得する取得手段、
機密レベルの種別と、前記印刷データに付加されるラベルと、前記プリンタ及び前記プレゼンタで実行される処理とを互いに関連付けた情報を保持する保持手段、及び
前記取得した印刷データに付加されているラベル及び前記保持手段に保持された情報に基づいて判定された前記印刷データの機密レベル、前記第1センサで検知された用紙の残量、及び前記第2センサで検知された回収ボックスの空き状態に応じて、前記印刷データが印刷された用紙の排出、前記印刷データが印刷された用紙の回収、及び前記印刷データが印刷された用紙の塗り潰し印刷を実行するように前記プリンタ及び前記プレゼンタを制御する制御手段
として機能させることを特徴とするプログラム。
前記第1センサで検知された用紙の残量が閾値未満である場合、前記印刷データの機密レベルに応じて前記取得した印刷データを破棄する破棄手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
前記制御手段は、前記印刷データの機密レベルに応じて、前記印刷データが印刷された用紙を排出するように前記プリンタ及び前記プレゼンタを制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のプログラム。
前記回収ボックスが空いている場合には、前記制御手段は、前記印刷データの機密レベルに応じて、前記印刷データが印刷された用紙を前記回収ボックスに回収するように前記プレゼンタを制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプログラム。
前記回収ボックスが空いていない場合、前記制御手段は、前記印刷データの機密レベルに応じて、前記印刷データが印刷された用紙の塗り潰し印刷を実行することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプログラム。
前記制御手段は、前記回収ボックスが空いていない場合には、前記印刷データの機密レベルに応じて更に、前記塗り潰し印刷された用紙を排出しないように前記プリンタ及び前記プレゼンタを制御することを特徴とする請求項5に記載のプログラム。
用紙の残量を検知する第1センサを有するプリンタと、当該用紙を回収する回収ボックス及び当該回収ボックスの空き状態を検知する第2センサを有するプレゼンタとを接続する接続手段と、
ラベル付きの印刷データを取得する取得手段と、
機密レベルの種別と、前記印刷データに付加されるラベルと、前記プリンタ及び前記プレゼンタで実行される処理とを互いに関連付けた情報を保持する保持手段と、
前記取得した印刷データ及び前記保持手段に保持された情報に基づいて判定された前記印刷データの機密レベル、前記第1センサで検知された用紙の残量、及び前記第2センサで検知された回収ボックスの空き状態に応じて、前記印刷データが印刷された用紙の排出、前記印刷データが印刷された用紙の回収、及び前記印刷データが印刷された用紙上の機密情報の塗り潰し印刷のいずれか1つを実行するように前記プリンタ及び前記プレゼンタを制御する制御手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【背景技術】
【0002】
従来より、レシートを排出提示するプレゼンタ機能と、排出されたままで受領されず放置されたレシートを回収する回収機能とを有するプレゼンタを備えるプリント装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、従来より、親展トレイに排紙がある状態で所定時間経過した場合に、ローラによって排紙を取り込み、予め記憶部に記憶されているパターン画像を取り込んだ排紙の画像形成面に上書きする画像形成装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
図1は、レシート用の印刷システムの概略構成図である。ホストコンピュータ1は、プリンタインターフェース4を介してプリンタ5及びプレゼンタ6に接続されている。ホストコンピュータ1には、印刷アプリケーション2及びプリンタドライバ3がインストールされている。
【0004】
印刷アプリケーション2では不図示のメモリ上にドキュメントが作成され(S1)、文字や図形やイメージ等を描画し(S2)、印刷実行を印刷アプリケーション2に指示する(S3)と、印刷アプリケーション2はプリンタドライバ3を呼び出す。
【0005】
プリンタドライバ3は、アプリケーション2で作成されたイメージデータを取得してディザリング処理を行い(S4)、プリンタ5が印刷可能なデータフォーマットに従った印刷データを生成する(S5)。その後、プリンタドライバ3は、必要に応じて、印刷データにプリンタ制御コマンドを付加してプリンタに送信する(S5)。また、プリンタドライバ3は、プレゼンタ6のステータスを監視しながら、プレゼンタ制御コマンドをプリンタ5に送信する。
【0006】
プリンタ5は、印刷データ及びプリンタ制御コマンドをプリンタドライバ3から受信し、印刷データをロール紙7に印刷し、印刷されたロール紙7を切断する。切断されたロール紙はカット紙という。プレゼンタ6では、搬送ローラ8A及び8Bがカット紙を排出口9まで搬送して、排出口9に置かれたカット紙は利用者によって抜き取られる。カット紙が一定時間内に排出口9から抜き取られなかった場合は、排出口9からそのままカット紙を放出して、破棄される、あるいは搬送ローラ8B及び8Cがカット紙を回収口10まで搬送し、回収ボックス11がカット紙を回収する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したプレゼンタ6の制御では、利用者の取り忘れなどで一定時間内にカット紙が抜き取られなかった場合には、カット紙は破棄されるか又は回収されている。そして、ロール紙7の残量が少なくなったり、回収ボックス11に空きが無くなると、プリンタ5及びプレゼンタ6の稼働が中止され、ロール紙7を補充したり、回収ボックス11から不要なカット紙を取り除くメンテナンス作業が行われる。
【0010】
しかしながら、ロール紙7の残量が少なくなったり、回収ボックス11に空きが無くなっても、プリンタ5及びプレゼンタ6の稼働をすぐに中止できない場合もある。例えば、メンテナンス作業ができる人がプリンタ5及びプレゼンタ6の近くに居ない場合である。
【0011】
さらに、回収ボックス11に空きが無く、印刷データが個人情報又は社外秘情報のような機密情報を含む場合には、カット紙は回収できずに排出され、機密情報が漏洩してしまう。また、広告又は宣伝などのように印刷内容の重要度が低いにもかかわらず、印刷を実行すると、ロール紙7の残量がさらに減少し、メンテナンス作業が必要な周期が短くなる。
【0012】
本発明は、機密情報の漏洩を抑制し、メンテナンス作業の軽減を図ることができるプログラム、情報処理装置及び印刷システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、明細書に開示されたプログラムは、用紙の残量を検知する第1センサを有するプリンタと、当該用紙を回収する回収ボックス及び当該回収ボックスの空き状態を検知する第2センサを有するプレゼンタとに接続されるコンピュータを、ラベル付きの印刷データを取得する取得手段、機密レベルの種別と、前記印刷データに付加されるラベルと、前記プリンタ及び前記プレゼンタで実行される処理とを互いに関連付けた情報を保持する保持手段、及び前記取得した印刷データに付加されているラベル及び前記保持手段に保持された情報に基づいて判定された前記印刷データの機密レベル、前記第1センサで検知された用紙の残量、及び前記第2センサで検知された回収ボックスの空き状態に応じて、前記印刷データが印刷された用紙の排出、前記印刷データが印刷された用紙の回収、及び前記印刷データが印刷された用紙の塗り潰し印刷を実行するように前記プリンタ及び前記プレゼンタを制御する制御手段として機能させる。
【0014】
上記目的を達成するため、明細書に開示された情報処理装置は、用紙の残量を検知する第1センサを有するプリンタと、当該用紙を回収する回収ボックス及び当該回収ボックスの空き状態を検知する第2センサを有するプレゼンタとを接続する接続手段と、ラベル付きの印刷データを取得する取得手段と、機密レベルの種別と、前記印刷データに付加されるラベルと、前記プリンタ及び前記プレゼンタで実行される処理とを互いに関連付けた情報を保持する保持手段と、前記取得した印刷データ及び前記保持手段に保持された情報に基づいて判定された前記印刷データの機密レベル、前記第1センサで検知された用紙の残量、及び前記第2センサで検知された回収ボックスの空き状態に応じて、前記印刷データが印刷された用紙の排出、前記印刷データが印刷された用紙の回収、及び前記印刷データが印刷された用紙上の機密情報の塗り潰し印刷のいずれか1つを実行するように前記プリンタ及び前記プレゼンタを制御する制御手段とを備える。
【0015】
上記目的を達成するため、明細書に開示された印刷システムは、取得する印刷データに基づく印刷を行う印刷部と、用紙の残量を検知する第1センサとを有するプリンタと、当該用紙を回収する回収ボックス及び当該回収ボックスの空き状態を検知する第2センサを有するプレゼンタと、を有する印刷システムであって、機密レベルの種別と、前記印刷データに付加されるラベルとを互いに関連付けた情報を保持する保持手段と、取得した印刷データのラベル及び前記保持手段に保持された情報に基づいて前記取得した印刷データの機密レベルを判定し、前記第1センサで検知された用紙の残量、及び前記第2センサで検知された回収ボックスの空き状態に応じて、判定された機密レベルに対応する前記印刷データが印刷された用紙の排出、前記印刷データが印刷された用紙の回収、及び前記印刷データに基づく印刷の制御を実行する制御手段とを備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、機密情報の漏洩を抑制し、メンテナンス作業の軽減を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
図2は、本実施の形態にかかる印刷システムに含まれる情報処理装置のハードウエア構成図である。
図3は、本実施の形態にかかる印刷システムに含まれるプリント装置及びプレゼンタのハードウエア構成図である。
図4は、本実施の形態にかかる印刷システムの概略構成図である。
図4には、プリンタ及びプレゼンタが備える各要素の配置を図示する。
【0020】
図2において、情報処理装置101は、例えばコンピュータである。情報処理装置101は、時間を計時するタイマ110Aを有するとともに装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)110と、ワーキングエリアとして使用されるメモリ111と、アプリケーション、プリンタドライバ、プログラム及びデータを格納するハードディスクドライブ(HDD)112と、モニタ116と接続するビデオインターフェース(IF)113と、キーボード117及びマウス118と接続する入力インターフェース(IF)114と、後述するプリンタ200及びプレゼンタ300と接続するプリンタインターフェース(IF)104とを備えている。プリンタIF104は接続手段の一例である。また、CPU110は、システムバス115を介して、メモリ111、HDD112、ビデオIF113、入力IF114及びプリンタIF104に接続されている。入力IF114及びプリンタIF104は、例えばLPT(Line PrinTer)ポート又はUSB(Universal Serial Bus)ポートである。従って、例えば、プリンタIF104は不図示のプリンタケーブル又はUSBケーブルを介してプリンタ200及びプレゼンタ300に接続される。
【0021】
図3及び
図4において、プリンタ200は、プリンタ200及びプレゼンタ300の動作を制御するCPU210と、各種センサで読み取られた値やデータなどを保持するメモリ211と、ロール紙201に印字データを印刷する印字部202と、ロール紙201を切断する切断部203と、ロール紙201の残量を検知する用紙残量センサ204と、カットされたロール紙(以下、カット紙という)をプレゼンタ300に搬送するローラ213と、ローラ213を駆動する駆動部212と、情報処理装置101と通信するプリンタIF214とを備えている。用紙残量センサ204は、第1センサの一例である。CPU210は、システムバス215を介して、メモリ211、印字部202、切断部203、用紙残量センサ204、駆動部212及びプリンタIF214に接続されている。
【0022】
切断部203は、例えば、ロール紙201を切断するカッターで構成され、印字部202は感熱紙であるロール紙201に印字するサーマルヘッドで構成される。また、駆動部212は、例えば、モータで構成されており、カット紙をプレゼンタ300に搬送する場合には、ローラ213(
図4図示上側)を反時計方向に駆動し、カット紙を印字部202に逆送する場合には、ローラ213を時計方向に駆動する。例えば、個人情報や社外秘情報を黒く塗りつぶす場合に、カット紙は印字部202に逆送される。以下、個人情報及び社外秘情報を機密情報という。CPU210は、用紙残量センサ204からロール紙201の残量の情報を取得する。プリンタIF214は、例えばLPT(Line PrinTer)ポート又はUSB(Universal Serial Bus)ポートであり、不図示のプリンタケーブル又はUSBケーブルを介してプリンタIF104に接続される。
【0023】
図3において、プレゼンタ300は、カット紙を搬送するローラ302A〜302Cと、ローラ302A〜302Cを駆動する駆動部301と、排出口305にカット紙があるか否かを検出する排出口用紙センサ303と、回収ボックス307の空き状態を検知する、即ち回収ボックス307がカット紙で満杯であるか否かを検知する回収ボックス用紙センサ304とを備えている。回収ボックス用紙センサ304は第2センサの一例である。駆動部301は、例えば、モータで構成されており、ローラ302A〜302Cを時計方向又は反時計方向に駆動する。
【0024】
また、駆動部301、排出口用紙センサ303及び回収ボックス用紙センサ304はシステムバス215及び308を介してCPU210と接続されている。従って、CPU210は、駆動部301を介してローラ302A〜302Cの回転及び停止並びに回転方向を制御することができる。さらに、CPU210は、排出口305にカット紙があるか否かを示す情報を排出口用紙センサ303から取得し、回収ボックス307の空き状態を示す情報、即ち回収ボックス307がカット紙で満杯であるか否かを示す情報を回収ボックス用紙センサ304から取得する。
【0025】
図4において、印刷システム100は、情報処理装置101、プリンタ200及びプレゼンタ300を備えている。上述したように情報処理装置101は、プリンタ200及びプレゼンタ300とプリンタケーブル又はUSBケーブルを介して接続される。情報処理装置101は、印刷アプリケーション102、プリンタドライバ103及びプリンタIF104を備えている。印刷アプリケーション102及びプリンタドライバ103はHDD112にインストールされており、HDD112からメモリ111に呼び出されて、CPU110によって起動される。従って、印刷アプリケーション102及びプリンタドライバ103の機能は、CPU110及びメモリ111によって実現される。プリンタドライバ103を起動するCPU110及びメモリ111は、取得手段、保持手段、制御手段及び破棄手段の一例である。
【0026】
次に、
図4を参照しながら、印刷システム100の概略動作を説明する。
【0027】
印刷アプリケーション102ではメモリ111上にドキュメント(即ち印刷データ)が作成される(S10)。このとき、ドキュメントに付されるドキュメント名(即ち印刷データ名)には、ドキュメントの機密レベルを示すラベルが付加される(S10)。印刷アプリケーション102により文字や図形やイメージ等を描画してイメージデータを作成し(S11)、印刷実行が印刷アプリケーション102に指示される(S12)と、印刷アプリケーション102はプリンタドライバ103を呼び出す。
【0028】
プリンタドライバ103は、印刷アプリケーション102で作成されたイメージデータを取得し、ドキュメント名からドキュメントの機密レベルを取得する(S13)。さらに、プリンタドライバ103は、取得したイメージデータに対して予め設定されたディザリング処理を行い(S14)、プリンタ200が印刷可能なデータフォーマットに従った印刷データを生成する(S15)。その後、プリンタドライバ103は、必要に応じて、印刷データにプリンタ制御コマンドを付加してプリンタ200に印刷データ及びプリンタ制御コマンドを送信する(S15)。さらに、プリンタドライバ103は、プレゼンタ300のステータスを監視しながら、プレゼンタ制御コマンドをプリンタ200のCPU210に送信する。具体的には、プリンタドライバ103は、ドキュメント名から取得した機密レベル、並びに用紙残量センサ204、排出口用紙センサ303及び回収ボックス用紙センサ304から取得した情報に基づいて、プリンタ200及びプレゼンタ300の動作を制御する(S16)。
【0029】
プリンタ200は、印刷データ及びプリンタ制御コマンドをプリンタドライバ103から受信すると、印刷データをロール紙201に印刷し、印刷されたロール紙201を切断する。切断されたロール紙はカット紙という。プレゼンタ300では、搬送ローラ302A及び302Bがカット紙を排出口305まで搬送する。排出口305に置かれたカット紙は利用者によって抜き取られる。カット紙が一定時間内に排出口305から抜き取られなかった場合は、(1)排出口305からそのままカット紙を排出する処理、(2)搬送ローラ302B及び302Cでカット紙を回収口306まで搬送し、回収ボックス307にカット紙を回収する処理、又は(3)排出口に搬送されたカット紙を印字部に一旦逆送し、印字部202で機密情報を黒く塗りつぶし、塗りつぶされたカット紙を再度排出口305まで搬送する処理のいずれかが行われる。(3)の場合、塗りつぶされたカット紙が排出口305で保持され又は排出口305からそのまま排出される。
【0030】
次に、印刷アプリケーション102が印刷ジョブに機密レベルを設定する方法について説明する。
【0031】
図5は、機密レベルの種別と、ドキュメント名に付加されるラベルと、プリンタ200及びプレゼンタ300で実行される処理との関係を表すテーブル情報を示す図である。
【0032】
本実施の形態では、機密レベルは4段階に分けられているが、機密レベル数は4つに限定されない。
図5のテーブル情報では、機密レベルの種別と、ドキュメント名に付加されるラベルと、プリンタ200及びプレゼンタ300で実行される処理とは互いに関連付けられている。この関連付けされたテーブル情報は、例えば、メモリ111又はHDD112に保持され、プリンタドライバ103に予め規定されている。
【0033】
プリンタ200及びプレゼンタ300で実行される処理は、機密レベル毎にプリンタドライバ103に予め規定される。
図5の例では、機密レベルが最も高い「高」である場合、印刷が実行され(印刷要)、カット紙の回収が実行される(回収要)が、カット紙の廃棄はできない(廃棄不可)。機密レベルが「中」である場合、印刷が実行され(印刷要)、カット紙の回収が実行され(回収要)、機密情報に黒ベタ印刷を実行した後のカット紙の廃棄が可能である(黒ベタ印刷後廃棄可)。機密レベルが「低」である場合、印刷が実行される(印刷要)が、カット紙の回収が実行されず(回収不要)、カット紙の廃棄はできる(廃棄可)。機密レベルがない(あるいは最も低い)「無」である場合、用紙ニアエンド時(用紙残量が少ない時)には印刷が実行されず(用紙ニアエンド時印刷不要)、カット紙の回収が実行されず(回収不要)、カット紙の廃棄はできる(廃棄可)。
【0034】
尚、機密レベル毎に規定されているプリンタ200及びプレゼンタ300で実行される処理は、プリンタドライバ103の設定を変更することで変更可能である。
【0035】
印刷アプリケーション102は、ドキュメントの機密レベルに応じてドキュメント名の先頭に「*SL1」〜「*SL4」のラベルのいずれかを付加して、印刷ジョブを作成する。これにより、印刷実行時にプリンタドライバ103はドキュメント名を参照することにより印刷ジョブの機密レベルを判別できる。
【0036】
上記の例では、機密レベルを示すラベルをドキュメント名に付加しているが、機密レベルを示すラベルを印刷データ内に設定してもよい。この場合、プリンタドライバ103は印刷データを解析して印刷ジョブの機密レベルを判別する。また、ラベルは「*SL1」〜「*SL4」に限定されず、任意に規定されてもよい。
【0037】
図6は、プリンタドライバ103で実行される処理を示すフローチャートである。
【0038】
まず、プリンタドライバ103は、印刷アプリケーション102から印刷ジョブ(即ち、ラベル付きのドキュメント)を取得する(ステップS101)。プリンタドライバ103は、ドキュメント名に付加されたラベルが「*SL4」であるか否かを判別する(ステップS102)。ここでは、機密レベルの有無を判定している。
【0039】
ラベルが*SL4以外である場合には(ステップS102でNO)、プリンタドライバ103は、印刷データをプリンタ200のCPU210に送信する(ステップS103)。その後、プリンタドライバ103は、機密レベルに応じた後述するプレゼンタ300の制御を行い(ステップS104)、本処理は終了する。
【0040】
ラベルが*SL4である場合には(ステップS102でYES)、プリンタドライバ103は、用紙残量センサ204からロール紙201の残量の情報を取得する(ステップS105)。
【0041】
プリンタドライバ103は、ロール紙201の残量の情報に基づいてロール紙201の残量が閾値未満であるか(用紙ニアエンド)否かを判別する(ステップS106)。ロール紙201の残量が閾値以上である場合には(ステップS106でNO)、手順はステップS103に進む。ロール紙201の残量が閾値未満である場合には(ステップS106でYES)、プリンタドライバ103は、印刷ジョブを破棄し(ステップS107)、印刷を行わないで本処理を終了する。
【0042】
ステップS107では、ロール紙201の残量が少ないため、印刷ジョブを破棄し、印刷自体を中止している。これは、印刷ジョブの機密レベルが「無」である場合、印刷を中止しても問題ないからである。
【0043】
図7は、
図6のステップS104のプレゼンタの制御を示すフローチャートである。ここでは、
図7の処理の開始時に、プリンタ200のCPU210が印刷データを受信し、印刷データがロール紙201上に印刷され、切断部203が印刷されたロール紙201を切断しているものとする。
【0044】
プリンタドライバ103は、排出口305までカット紙を搬送するようにローラ213用の駆動部212及びローラ302A用の駆動部301の動作を制御するカット紙搬送用の制御コマンドをCPU210に出力する(ステップS201)。
図8に、制御コマンドの一例を示す。
【0045】
プリンタドライバ103は、排出口用紙センサ303から取得した情報(即ち、排出口305にカット紙があるか否かを示す情報)に基づいて排出口305にカット紙があるか否かを判別する(ステップS202)。尚、プリンタドライバ103は、センサ情報要求コマンドをCPU210に出力することで、所望のセンサから情報を取得できる。この場合、情報を要求するセンサ毎にセンサ情報要求コマンド内のコードが異なる。
【0046】
排出口305にカット紙がない場合、即ちカット紙が利用者によって抜き取られている場合(ステップS202でNO)、本処理を終了する。
【0047】
排出口305にカット紙がある場合、即ちカット紙が利用者によって抜き取られていない場合(ステップS202でYES)、プリンタドライバ103は、一定時間(例えば30秒)経過したか否かを判別する(ステップS203)。具体的には、プリンタドライバ103は、タイマ110Aから時間情報を取得する又はタイマ110Aから一定時間(例えば30秒)毎に割り込みを取得することによって、一定時間が経過したか否かを判断する。一定時間が経過していない場合には(ステップS203でNO)、手順はステップS202に戻る。一方、一定時間が経過している場合には(ステップS203でYES)、プリンタドライバ103は、ドキュメント名に付加されたラベルの種類を判定する(ステップS204)。
【0048】
ステップS204において、ドキュメント名に付加されたラベルの種類が「*SL3」又は「*SL4」である場合、即ち、機密レベルが「低」又は「無」である場合、プリンタドライバ103は、排出口305にあるカット紙を排出するようにローラ302B用の駆動部301の動作を制御するカット紙廃棄用の制御コマンドをCPU210に出力して(ステップS205)、本処理を終了する。これにより、排出口305にあるカット紙はプレゼンタ300の外部に排出され、カット紙は廃棄される。この場合、ドキュメントの機密レベルは「低」又は「無」であるので、カット紙がそのままプレゼンタ300の外部に排出されても、機密情報の漏洩の観点から問題が生じることはない。
【0049】
ステップS204において、ドキュメント名に付加されたラベルの種類が「*SL2」である場合、即ち、機密レベルが「中」である場合、プリンタドライバ103は、回収ボックス用紙センサ304から、回収ボックス307の空き状態を示す情報、即ち回収ボックス307がカット紙で満杯であるか否かを示す情報を取得する(ステップS206)。
【0050】
次いで、プリンタドライバ103は、回収ボックス用紙センサ304から取得した情報に基づいて、回収ボックス307に空きがあるか否かを判別する(ステップS207)。
【0051】
回収ボックス307に空きがない場合には(ステップS207でNO)、プリンタドライバ103は、排出口305にあるカット紙を印字部202に逆送するようにローラ302A及び302B用の駆動部301及びローラ213用の駆動部212の動作を制御するカット紙逆搬送用の制御コマンドをCPU210に出力する(ステップS208)。これにより、排出口305にあるカット紙が印字部202に逆送される。
【0052】
プリンタドライバ103は、逆送されたカット紙の機密情報上に黒ベタ印刷を実行するために、黒色のイメージパターンファイル及びプリンタ制御コマンドをCPU210に出力する(ステップS209)。これにより、逆送されたカット紙の機密情報上に黒ベタ印刷が実行される。
【0053】
プリンタドライバ103は、黒ベタ印刷されたカット紙を排出口305まで搬送し外部に排出するように、ローラ213用の駆動部212及びローラ302A及び302B用の駆動部301の動作を制御するカット紙搬送用の制御コマンド及びカット紙廃棄用の制御コマンドをCPU210に出力し(ステップS210)、本処理を終了する。これにより、機密情報が黒く塗りつぶされたカット紙が外部に排出され、廃棄される。この場合、機密情報が黒く塗りつぶされたカット紙が外部に排出されるので、機密情報の漏洩が抑制される。また、プリンタ200及びプレゼンタ300の動作を停止する必要がなく、メンテナンス作業の軽減を図ることができる。
【0054】
回収ボックス307に空きがある場合には(ステップS207でYES)、プリンタドライバ103は、排出口305にあるカット紙を回収ボックス307に搬送するようにローラ302B及び302C用の駆動部301の動作を制御するカット紙回収用の制御コマンドをCPU210に出力し(ステップS211)、本処理を終了する。これにより、排出口305にあるカット紙は回収ボックス307に搬送され、回収される。この場合、カット紙が外部に排出されずに回収ボックス307に回収されるので、機密情報の漏洩が抑制される。また、プリンタ200及びプレゼンタ300の動作を停止する必要がなく、メンテナンス作業の軽減を図ることができる。
【0055】
ステップS204において、ドキュメント名に付加されたラベルの種類が「*SL1」である場合、即ち、機密レベルが「高」である場合、プリンタドライバ103は、上記ステップS206〜S209の処理を実行する。
【0056】
その後、プリンタドライバ103は、排出口305まで黒ベタ印刷されたカット紙を搬送するように、ローラ213用の駆動部212及びローラ302A用の駆動部301の動作を制御するカット紙搬送用の制御コマンドをCPU210に出力する(ステップS212)。これにより、機密情報が黒く塗りつぶされたカット紙が排出口305まで搬送される。
【0057】
プリンタドライバ103は、S207で回収ボックスに空きがないと判断されたことから、回収ボックス307の異常をモニタ116に表示し、利用者に回収ボックス307の異常を通知し(ステップS213)、本処理を終了する。これにより、利用者又はサービスマンがプレゼンタ300のメンテナンス即ち、回収ボックス307からカット紙を回収することができる。この場合、黒ベタ印刷されたカット紙が外部に排出されずに排出口305で停止するので、機密情報の漏洩が抑制される。また、回収ボックス307の異常が通知されるまで、メンテナンス作業を行う必要がないので、メンテナンス作業の軽減を図ることができる。
【0058】
図9は、ステップS209の処理を説明する図である。
【0059】
プリンタドライバ103は、予め自身に設定された設定情報から、黒ベタ印刷の対象となる印刷データのフォーマット情報を取得する(ステップS301)。そして、プリンタドライバ103は、メモリ111又はHDD112から当該フォーマット情報に対応する黒ベタ印刷用のイメージパターンを取得する(ステップS302)。最後に、プリンタドライバ103は、フォーマット情報に対応するイメージパターン及び印刷領域を示すプリンタ制御コマンドをCPU210に出力する(ステップS303)。これにより、
図10(A)〜(C)に示すように、印刷データのフォーマット情報に応じて、機密情報上に黒ベタ印刷が実行される。
【0060】
以上説明したように、本実施の形態によれば、プリンタドライバ103が、機密レベル、用紙の残量、及び回収ボックスの空き状態に応じて、ドキュメント(つまり印刷データ)が印刷された用紙の排出、ドキュメントが印刷された用紙の回収、及びドキュメントが印刷された用紙上の機密情報の塗り潰し印刷のいずれか1つを実行するようにプリンタ200及びプレゼンタ300を制御する(ステップS205〜S212)。従って、機密情報の漏洩を抑制し、メンテナンス作業の軽減を図ることができる。
【0061】
尚、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能である。例えば、プリンタドライバで実行される
図6に示す処理のうち、一部またはすべての処理をプリンタ(およびプレゼンタ)で実行してもよい。