特許第6309362号(P6309362)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社イトーキの特許一覧

<>
  • 特許6309362-会議室予約システム 図000002
  • 特許6309362-会議室予約システム 図000003
  • 特許6309362-会議室予約システム 図000004
  • 特許6309362-会議室予約システム 図000005
  • 特許6309362-会議室予約システム 図000006
  • 特許6309362-会議室予約システム 図000007
  • 特許6309362-会議室予約システム 図000008
  • 特許6309362-会議室予約システム 図000009
  • 特許6309362-会議室予約システム 図000010
  • 特許6309362-会議室予約システム 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6309362
(24)【登録日】2018年3月23日
(45)【発行日】2018年4月11日
(54)【発明の名称】会議室予約システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/02 20120101AFI20180402BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20180402BHJP
【FI】
   G06Q10/02
   G06F13/00 510C
【請求項の数】20
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-126020(P2014-126020)
(22)【出願日】2014年6月19日
(65)【公開番号】特開2016-4511(P2016-4511A)
(43)【公開日】2016年1月12日
【審査請求日】2016年12月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100092679
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 盛之助
(72)【発明者】
【氏名】西野 哲生
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 洋介
(72)【発明者】
【氏名】秋山 恵
(72)【発明者】
【氏名】堀江 真介
【審査官】 田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−123588(JP,A)
【文献】 特開2013−206024(JP,A)
【文献】 特開2012−174160(JP,A)
【文献】 特開2001−020574(JP,A)
【文献】 特開2012−185568(JP,A)
【文献】 特開平10−280754(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は二以上の会議室における予約及び/又は利用に関する情報を予約情報として管理する管理サーバと、前記会議室のそれぞれに設けられた部屋前端末が通信ネットワークにより通信可能に接続された会議室予約システムであって、
前記予約情報は、
利用者を識別する利用者識別情報と、
利用する会議室を識別する会議室識別情報と、
利用開始予定日時及び利用終了予定日時を示す利用予定情報と、
利用の状態及び/又は実際に利用した日時を示す利用情報と、
を少なくとも有し、
前記管理サーバは、
前記予約情報を記録する記録手段と、
記管理サーバの操作を行う操作端末、前記部屋前端末のいずれかの端末からの要求を受信して、前記予約情報の取得、登録、変更、又は削除を行う予約情報管理手段と、
を備え、
前記部屋前端末は、
ICカードリーダ装置と、
該ICカードリーダ装置を用いて利用者が所持するICカードを読取ることにより利用者を特定する利用者特定手段と、
該部屋前端末が設けられた会議室についての前記予約情報にもとづいて、前記会議室の状況を表示する部屋前状況表示手段と、
前記部屋前端末が設けられた会議室について、前記特定した利用者を識別する前記利用者識別情報を有する前記予約情報を登録することにより、前記部屋前端末が設けられた会議室のみの利用を予約する部屋前予約手段と、
前記部屋前端末が設けられた会議室について、現在時刻における利用を予定する前記予約情報を、前記特定した利用者と前記予約情報が有する前記利用者識別情報により識別される利用者が一致した場合に、利用が開始されたことを示す情報を前記利用情報として有するように変更する利用開始手段と、
前記部屋前端末が設けられた会議室について、現在時刻における利用を予定する前記予約情報を、前記特定した利用者と前記予約情報が有する前記利用者識別情報により識別される利用者が一致した場合に、利用が終了したことを示す情報を前記利用情報として有するように変更する利用終了手段と、
を備えたことを特徴とする、会議室予約システム。
【請求項2】
前記会議室予約システムは、前記管理サーバと前記通信ネットワークを介して通信可能に接続され、前記予約情報の一覧を表示する案内表示手段を備えた総合案内端末をさらに備える
ことを特徴とする、請求項1記載の会議室予約システム。
【請求項3】
前記案内表示手段は、現在利用中の前記会議室の一覧と、現在利用されていない前記会議室の一覧と、現在以降であって当日中に利用が予定される前記予約情報の一覧と、を切り替えて表示する
ことを特徴とする、請求項2記載の会議室予約システム。
【請求項4】
前記案内表示手段は、前記現在利用中の前記会議室の一覧と、前記現在利用されていない前記会議室の一覧と、前記現在以降であって当日中に利用が予定される前記予約情報の一覧と、を所定時間ごとに切り替えて表示するようにしたことを特徴とする、請求項3記載の会議室予約システム。
【請求項5】
前記部屋前端末はタブレット型コンピュータであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の会議室予約システム。
【請求項6】
前記管理サーバは、現在時刻における利用を予定する前記予約情報であって、前記利用開始予定日時から所定時間経過した予約情報に対して、前記利用が開始されたことを示す情報を前記利用情報として有しない場合に予約をキャンセルする処理を行う、予約キャンセル手段をさらに備えた
ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の会議室予約システム。
【請求項7】
前記管理サーバは、所定のグループウェアシステムが保有する会議室の予約に関する情報と前記記録手段により記録される予約情報を同期する、グループウェア連携手段をさらに備えたことを特徴とする、請求項5又は6に記載の会議室予約システム。
【請求項8】
前記管理サーバは、前記記録手段が記録する所定の前記予約情報を所定のファイル形式で出力する、ログ出力手段をさらに備えたことを特徴とする、請求項5〜7のいずれかに記載の会議室予約システム。
【請求項9】
前記予約情報は、前記会議室の利用内容を示す利用内容情報、及び、前記利用内容を示す情報の少なくとも一部について前記部屋前端末における表示の有無を制御する表示制御情報をさらに有する
ことを特徴とする、請求項5〜8のいずれかに記載の会議室予約システム。
【請求項10】
前記操作端末は、さらに、利用者が操作を行う際の使用言語を切り替える言語選択手段を備えた
ことを特徴とする、請求項5〜9のいずれかに記載の会議室予約システム。
【請求項11】
前記部屋前端末は、該部屋前端末が設けられた前記会議室についての任意の前記予約情報における前記利用終了予定日時を、該利用終了予定日時以降の日時であって他の予約情報により利用の開始が予定されていない日時までの任意の日時に変更する、利用延長手段をさらに備えた
ことを特徴とする、請求項5〜10のいずれかに記載の会議室予約システム。
【請求項12】
前記部屋前状況表示手段は、前記部屋前端末が設けられた会議室における現在の予約又は利用の状況に応じた所定の操作を行うためのアイコンを、前記部屋前端末が備える表示装置表示する
ことを特徴とする、請求項5〜11のいずれかに記載の会議室予約システム。
【請求項13】
前記部屋前端末は、
前記会議室に備えられたスピーカ装置と接続され、
前記予約情報が有する前記利用終了予定日時の所定時間前に、前記会議室の利用時間が終了する旨のアナウンスを前記スピーカ装置により出力する利用終了通知手段をさらに備えた
ことを特徴とする、請求項5〜12のいずれかに記載の会議室予約システム。
【請求項14】
前記部屋前端末は、
前記会議室に備えられた装置を制御する制御装置と接続され、
前記利用開始手段は、
前記制御装置により前記装置の電源をONにする
ことを特徴とする、請求項5〜13のいずれかに記載の会議室予約システム。
【請求項15】
前記部屋前端末は、
前記予約情報が有する前記利用者識別情報から、該利用者識別情報によって識別される利用者に関する所定の区分情報を取得する利用者区分取得手段と、
前記取得した区分にもとづいて、前記制御装置により前記装置を所定の調整値に調整する装置制御手段と、をさらに備えた
ことを特徴とする、請求項14記載の会議室予約システム。
【請求項16】
前記会議室予約システムは、前記会議室のそれぞれに設けられ、前記管理サーバと前記通信ネットワークを介して通信可能な部屋内端末をさらに備え、
前記部屋内端末は、前記利用開始手段と、前記利用終了手段と、を備えた
ことを特徴とする、請求項5〜15のいずれかに記載の会議室予約システム。
【請求項17】
前記部屋内端末は、前記利用者が所持するスマートフォンである
ことを特徴とする、請求項16記載の会議室予約システム。
【請求項18】
前記予約情報は、さらに、予約情報を登録した利用者以外の利用者を参加者として識別する参加者識別情報として有し、
前記利用開始手段は、前記特定した利用者が、前記予約情報の利用者識別情報又は参加者識別情報のいずれか一つが一致した場合に、前記予約情報を変更する
ことを特徴とする、請求項5〜17のいずれかに記載の会議室予約システム。
【請求項19】
前記部屋前端末はWEBクライアントであり、
前記管理サーバは、前記部屋前端末から受信したHTTPリクエストにもとづいて所定のHTMLプログラムをHTTPレスポンスとして返信する、WEBサーバである
ことを特徴とする、請求項5〜18のいずれかに記載の会議室予約システム。
【請求項20】
コンピュータを請求項19の管理サーバとして動作させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は会議室予約システムに関し、具体的には、簡便なインタフェースで利用可能な会議室予約システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、会議室等の施設を予約するための会議室予約システムとして、例えば特許文献1の会議室管理システムが知られている。この会議室管理システムは、予約管理用のコンピュータ1にネットワークを介して接続された予約端末から、会議室の予約を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−81285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
会議室の予約を行う際には、当該予約の変更や、実際の会議室の利用を行う者の認証をするために、暗証番号等を入力させる場合がある。また、従来の会議室予約システムは、利用者が各自使用するパーソナル・コンピュータ等から所定の管理サーバ装置と通信することにより予約の登録、変更、削除等を行うものが一般的であるが、予約の際には上記暗証番号等に加えて利用者や会議室を識別する情報等を入力しなければならず、利用者にとって使い勝手が悪い原因となっていた。
【0005】
本発明は前述の課題を鑑み、利用者が会議室を予約、利用する際の入力の手間を省き、簡便なインタフェースで利用しやすい会議室予約システムを提供することを、その目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の課題を解決するためになされた本発明に係る会議室予約システムの構成は、
一又は二以上の会議室における予約及び/又は利用に関する情報を予約情報として管理する管理サーバと、前記会議室のそれぞれに設けられた部屋前端末が通信ネットワークにより通信可能に接続された会議室予約システムであって、
前記予約情報は、
利用者を識別する利用者識別情報と、
利用する会議室を識別する会議室識別情報と、
利用開始予定日時及び利用終了予定日時を示す利用予定情報と、
利用の状態及び/又は実際に利用した日時を示す利用情報と、
を少なくとも有し、
前記管理サーバは、
前記予約情報を記録する記録手段と、
記管理サーバの操作を行う操作端末、前記部屋前端末のいずれかの端末からの要求を受信して、前記予約情報の取得、登録、変更、又は削除を行う予約情報管理手段と、
を備え、
前記部屋前端末は、
ICカードリーダ装置と、
該ICカードリーダ装置を用いて利用者が所持するICカードを読取ることにより利用者を特定する利用者特定手段と、
該部屋前端末が設けられた会議室についての前記予約情報にもとづいて、前記会議室の状況を表示する部屋前状況表示手段と、
前記部屋前端末が設けられた会議室について、前記特定した利用者を識別する前記利用者識別情報を有する前記予約情報を登録することにより、前記部屋前端末が設けられた会議室のみの利用を予約する部屋前予約手段と、
前記部屋前端末が設けられた会議室について、現在時刻における利用を予定する前記予約情報を、前記特定した利用者と前記予約情報が有する前記利用者識別情報により識別される利用者が一致した場合に、利用が開始されたことを示す情報を前記利用情報として有するように変更する利用開始手段と、
前記部屋前端末が設けられた会議室について、現在時刻における利用を予定する前記予約情報を、前記特定した利用者と前記予約情報が有する前記利用者識別情報により識別される利用者が一致した場合に、利用が終了したことを示す情報を前記利用情報として有するように変更する利用終了手段と、
を備えたことを特徴とする、ことを特徴としている。
【0007】
本発明に係る会議室予約システムは、前記管理サーバが、現在時刻における利用を予定する前記予約情報であって、前記利用開始予定日時から所定時間経過した予約情報に対して、前記利用が開始されたことを示す情報を前記利用情報として有しない場合に予約をキャンセルする処理を行う、予約キャンセル手段をさらに備えていてもよい。
【0008】
本発明に係る会議室予約システムは、前記管理サーバが、所定のグループウェアシステムが保有する会議室の予約に関する情報と前記記録手段により記録される予約情報を同期する、グループウェア連携手段をさらに備えていてもよい。
【0009】
本発明に係る会議室予約システムは、前記管理サーバが、前記記録手段が記録する所定の前記予約情報を所定のファイル形式で出力する、ログ出力手段をさらに備えていてもよい。
【0010】
本発明に係る会議室予約システムは、前記予約情報が、前記会議室の利用内容を示す利用内容情報、及び、前記利用内容を示す情報の少なくとも一部について前記部屋前端末における表示の有無を制御する表示制御情報をさらに有するようにしてもよく、また、前記部屋前端末が、利用者が操作を行う際の使用言語を切り替える言語選択手段を備えていてもよい。
【0011】
本発明に係る会議室予約システムは、前記部屋前端末がタブレット型コンピュータであると好適である。また、前記部屋前端末は、該部屋前端末が設けられた前記会議室についての任意の前記予約情報における前記利用終了予定日時を、該利用終了予定日時以降の日時であって他の予約情報により利用の開始が予定されていない日時までの任意の日時に変更する、利用延長手段をさらに備えていることが望ましい。
【0012】
本発明に係る会議室予約システムは、前記部屋前状況表示手段が、前記部屋前端末が設けられた会議室における現在の予約又は利用の状況に応じた所定の操作を行うためのアイコンを、前記部屋前端末が備える表示装置の中央に表示することが望ましい。また、前記部屋前端末は、前記会議室に備えられたスピーカ装置と接続され、前記予約情報が有する前記利用終了予定日時の所定時間前に、前記会議室の利用時間が終了する旨のアナウンスを前記スピーカ装置により出力する利用終了通知手段をさらに備えていてもよい。
【0013】
本発明に係る会議室予約システムは、前記部屋前端末が、前記会議室に備えられた装置を制御する制御装置と接続され、前記利用開始手段は、前記制御装置により前記装置の電源をONにするようにしてもよく、また、前記予約情報が有する前記利用者識別情報から、該利用者識別情報によって識別される利用者に関する所定の区分情報を取得する利用者区分取得手段と、前記取得した区分にもとづいて、前記制御装置により前記装置を所定の調整値に調整するようにしてもよい。
【0014】
本発明に係る会議室予約システムは、前記予約情報の一覧を表示する案内表示手段を備えた総合案内端末をさらに備え、前記総合案内端末は、前記管理サーバと前記通信ネットワークを介して通信可能に接続され、前記案内表示手段は、現在利用中の前記会議室の一覧と、現在利用されていない前記会議室の一覧と、現在以降であって当日中に利用が予定される前記予約情報の一覧と、を所定時間ごとに切り替えて表示するようにすると好適である。
【0015】
本発明に係る会議室予約システムは、前記会議室のそれぞれに設けられ、前記管理サーバと前記通信ネットワークを介して通信可能な部屋内端末をさらに備え、前記部屋内端末は、前記利用開始手段と、前記利用終了手段と、を備えていてもよい。また、前記部屋内端末は、前記利用者が所持するスマートフォンであってもよい。
【0016】
本発明に係る会議室予約システムは、前記予約情報が、さらに、予約情報を登録した利用者以外の利用者を参加者として識別する参加者識別情報として有し、前記利用開始手段を、前記特定した利用者が、前記予約情報の利用者識別情報又は参加者識別情報のいずれか一つが一致した場合に、前記予約情報を変更するようにしてもよい。
【0017】
本発明に係る会議室予約システムは、前記部屋前端末がWEBクライアントであり、前記管理サーバは、前記部屋前端末から受信したHTTPリクエストにもとづいて所定のHTMLプログラムをHTTPレスポンスとして返信する、WEBサーバとしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る会議室予約システムは、部屋前端末が備える部屋前予約手段と、利用開始手段と、利用終了手段が、利用者特定手段によって利用者を特定した上で行われる。このとき、利用者の特定は当該利用者が所持するICカードを部屋前端末が備えるICカードリーダ装置で読み取ることで行われるので、利用者は暗証番号の入力等煩雑な操作をする必要がなく、簡便なインタフェースで会議室予約システムを利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態の一例における、全体の構成を示した図。
図2】同実施形態におけるデータベースの構成を示したER図。
図3】同実施形態における部屋前端末の表示画面の遷移を示した図。
図4】同実施形態における会議室状況画面の構成を示した図。
図5】同実施形態における予約画面の構成を示した図。
図6】同実施形態における予約確認画面の構成を示した図。
図7】同実施形態における会議室状況画面の構成を示した図であって、予約済み状態の構成を示した図。
図8】同実施形態における会議室状況画面の構成を示した図であって、利用中状態の構成を示した図。
図9】同実施形態における利用延長画面の構成を示した図。
図10】同実施形態における総合案内表示画面の構成を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例について説明する。
図1は、本実施形態に係る会議室予約システムの構成を示す概要図である。図1で示すように、会議室予約システム1は、操作端末3と、総合案内端末4と、部屋前端末5が通信ネットワーク7を介して管理サーバ2と通信可能に接続されている。
【0021】
本実施形態の会議室予約システム1は、管理サーバ2をWEBサーバ、操作端末3、総合案内端末4、部屋前端末5をWEBクライアントとするWEBアプリケーションシステムである。すなわち、操作端末3、総合案内端末4、部屋前端末5はそれぞれWEBクライアントとして機能するWEBブラウザを備えており、利用者によるWEBブラウザの操作等のタイミングで管理サーバ2に所定のHTTPリクエストを送信する。管理サーバ2は、上記HTTPリクエストを受信すると所定の処理を行い、処理の結果をHTTPレスポンスとして返信する。HTTPレスポンスを受信したWEBブラウザは、当該受信した内容に応じてWEBブラウザの表示等処理を行う。
【0022】
したがって、本実施形態において、操作端末3、総合案内端末4、部屋前端末5は管理サーバ2とのみ通信可能に接続されていればよいが、各端末同士、例えば操作端末3と総合案内端末4、あるいは総合案内端末4と部屋前端末5を互いに通信可能なように構成してもよい。
【0023】
また、会議室予約システム1において、管理サーバ2は通信ネットワーク7を介してグループウェアシステム6と通信可能に接続されている。
【0024】
管理サーバ2は、操作端末3、総合案内端末4、部屋前端末5からのHTTPリクエストを受信して所定の処理を行うとともに、会議室の予約・利用に関する情報を予約情報として管理、すなわち、登録、変更、削除等する機能を有する装置である。
【0025】
管理サーバ2は、ハードウェアとしては周知のサーバ装置であり、CPUとメモリ、記憶装置、入出力装置等がバスによって接続されたコンピュータである。記憶装置に格納されたプログラムがメモリにロードされ、該ロードされたプログラムの命令をCPUが実行することにより、所定の処理を行うものである。また、管理サーバ2は通信ネットワーク7を介して他の構成と通信を行うため、ネットワーク通信装置を備えている。
【0026】
管理サーバ2は、他の装置と通信を行うための通信部21と、予約情報に関する所定の処理を行う情報管理部22と、予約情報を管理サーバ2に記録するデータベース23と、を備えている。
【0027】
通信部21は、前述の操作端末3、総合案内端末4、部屋前端末5と通信を行う。本実施形態の会議室予約システム1はWEBアプリケーションシステムであり、通信部21は具体的にはHTTPリクエストを受信して所定の処理を行い、HTTPレスポンスを返信するHTTPサーバである。
【0028】
通信部21は、例えば画像等の静的なコンテンツをHTTPリクエストにより要求された場合には通信部21自身により記録装置等から取得し、HTTPレスポンスとして返信する。また、予約情報の取得等、動的なコンテンツを要求された場合には情報管理部22に処理を要求し、情報管理部22の処理結果をHTTPレスポンスとして返信する。
【0029】
情報管理部22は、通信部21から要求された処理を行う。具体的にはいわゆるWEBアプリケーション・サーバと、その他所定のプログラム群により構成される。WEBアプリケーション・サーバは、HTTPサーバから転送等されたHTTPリクエストを受信し、記録部23へのアクセス等所定の処理を行った後、処理結果をHTTPレスポンスとしてHTTPサーバに返信する。HTTPサーバは返却されたHTTPレスポンスを自身によるHTTPレスポンスとして返信する。
【0030】
なお、本実施形態ではHTTPサーバとWEBアプリケーション・サーバを別個のものとして構成しているが、WEBサーバとして機能する構成としてはWEBアプリケーション・サーバの機能をHTTPサーバに内包するものであってもよい。また、通信部21が受信するすべてのHTTPリクエストを情報管理部22が処理しなければならないわけではなく、前述したように画像等の静的なコンテンツは情報管理部22を介さずに通信部21が管理サーバ2の記録装置から直接取得等してよい。
【0031】
データベース23は、予約情報等、予約管理システム1により扱われる所定の情報を記録する記録手段を提供する。データベース23としては周知のデータベースを用いることができるが、本実施形態におけるデータベース23はリレーショナル・データベース・マネージメント・システム(以下、RDBMSという)であり、情報管理部22からの要求により、予約情報等を記録装置に登録、変更、削除するものである。
【0032】
なお、本実施形態における管理サーバ2は単一のサーバ装置であるが、複数のサーバ装置群によってこれを構成してもよい。例えば、通信部21、情報管理部22、データベース23をそれぞれ別個のサーバ装置に設け、該サーバ装置群が通信して管理サーバ2を構成するようにしてもよい。
【0033】
操作端末3は、施設における受付担当者等、所定の従業員等が使用する端末である。
操作端末3のハードウェア構成としてはCPUとメモリ、記憶装置、入出力装置等がバスにより接続された周知のコンピュータである。
【0034】
総合案内端末4は、施設の受付やロビー等に設置される、大型のディスプレイ装置を備えた端末である。
総合案内端末4は後述するように、当日の予約状況及び利用状況を一覧表示するものであり、大型のディスプレイ装置を備えている他は一般的なコンピュータの構成である。
【0035】
部屋前端末5は、会議室予約システム1により利用を予約する会議室ごとに、当該会議室の入口付近に設置される端末である。
【0036】
部屋前端末5は具体的にはタブレット型コンピュータ、すなわち、ディスプレイ装置と、CPUや記録装置等が一の筐体に収められ、タッチパネルにより操作可能なコンピュータである。
【0037】
また、部屋前端末5はカードリーダ装置51を備えており、利用者が所有するICカードを読み取って、後述する認証処理に用いることができる。カードリーダ装置51は前述のタブレット型コンピュータと接続可能であればよく、接触式や非接触式等の周知のカードリーダ装置から任意のものを用いることができる。また、タブレット型コンピュータ自体がカードリーダ機能を備えている場合には、当該カードリーダ機能をもってカードリーダ装置51の代わりとしてもよい。
【0038】
また、本実施形態では、部屋前端末5が設置された会議室には該会議室の開錠・施錠、音響、映像その他装置を制御、操作等するための制御装置が設置されており、当該制御装置と部屋前端末5が通信可能に接続されることで、部屋前端末5から当該装置を制御、操作することができる。
【0039】
グループウェアシステム6は、会議室予約システム1が連携する他の情報システムであり、会議室の予約をはじめ、利用者の管理やスケジュールの共有等を行うものである。本実施形態において、管理サーバ2は所定のタイミングでグループウェアシステム6と通信し、会議室予約システム1が管理する予約情報と、グループウェアシステム6が管理する予約情報を同期する。
【0040】
通信ネットワーク7は、前述の管理サーバ2と、操作端末3、総合案内端末4、部屋前端末5、グループウェアシステム6を通信可能に接続するためのネットワークである。通信経路は有線であっても無線であってもよく、これらを組み合わせたものであってもよい。また、通信ネットワーク7は単一のネットワークセグメントであってもよいし、複数のネットワークセグメントの集合体であってもよい。すなわち、会議室予約システム1を設ける施設内等におけるローカルなネットワークであってもよいし、インターネットのような広域ネットワークを用いてもよい。さらに、例えば管理サーバ2と操作端末3、総合案内端末4、部屋前端末5を通信可能に接続するネットワークと、管理サーバ2とグループウェアシステム6を通信可能に接続するネットワークを別のネットワークセグメントとしてもよい。通信ネットワーク7は上記の構成を通信可能に接続できれば、その具体的な構成は適宜周知のネットワーク技術を用いることができる。
【0041】
以上が本実施形態における会議室予約システム1、及び会議室予約システム1が連携するグループウェアシステムの構成である。
【0042】
図2は、データベース23におけるデータの論理的な構成を模式的に示したエンティティ―リレーションシップ図(ER図)である。図2で示すように、会議室予約システム1におけるデータの構成として、会議室エンティティE1と、利用者エンティティE2と、予約エンティティE3がデータベース23で管理される。
【0043】
会議室エンティティE1は、会議室に関する情報をデータベース23で管理するためのエンティティであり、属性として、会議室を一意に識別する会議室ID、及び会議室名を有している。
【0044】
利用者エンティティE2は、会議室を利用する利用者に関する情報をデータベース23で管理するためのエンティティである。利用者エンティティE2は、属性として、利用者を一意に識別する利用者IDと、利用者名、利用者が所持するICカードの識別情報であるICカード識別コード、利用者の区分を示す利用者区分を有している。
【0045】
予約エンティティE3は、会議室の予約と利用に関する情報をデータベース23で管理するためのエンティティである。予約エンティティE3は、予約情報を一意に識別する予約IDと、予約する会議室を識別する会議室ID、予約した利用者を識別する利用者ID、会議室を利用する開始日時及び終了日時、予約情報の状態を示す予約ステータス、利用目的の概要を示す利用内容、予約した会議室を実際に利用した際の利用開始日時及び終了日時を属性として有している。また予約エンティティE3の属性である予約ステータスは、予約情報の状態として予約済み、利用中、利用済み、キャンセル済み、のいずれかを示す情報を保持する。
【0046】
本実施形態におけるデータベース23が管理するデータは上記のように構成されているが、これに他のエンティティや属性を付与してもよく、上記をさらに正規化又は非正規化した構成としてもよい。例えば、予約エンティティE3に予約内容表示/非表示を判別するフラグを設け、部屋前端末5や総合案内端末4における予約表示の内容を制限してもよい。
【0047】
次に、会議室予約システム1における、部屋前端末5を用いた会議室の予約の処理の流れを説明する。図3は、部屋前端末5における会議室予約時の画面遷移を示した図である。部屋前端末5は、当該部屋前端末5のディスプレイ装置に会議室状況画面W101を表示している。
【0048】
会議室状況画面W101には、図4で示すように、会議室名W101aと、現在日時W101bと、状況アイコンW101cと、操作アイコンW101dと、所定の操作をするためのメニューW101f〜jからなる操作メニューW101eと、利用可能時間W101kが表示されている。
【0049】
会議室名W101aは、部屋前端末5が設置された会議室を特定する名称であり、会議室ごとに、前述の会議室エンティティE1の属性である会議室名としてデータベース23に格納された名称である。
【0050】
状況アイコンW101cは、部屋前端末5が設置された会議室の現在日時における状態を示すアイコンであり、会議室状況画面W101の略中央に配置されている。現在日時において当該部屋前端末5が設置された会議室の予約が存在しない、すなわち、部屋前端末5が設置された会議室の会議室IDを有し、現在日時が開始予定日時から終了予定日時の間に属する予約エンティティE3がデータベース23に存在しない場合には、図4で示すように空室を示す表示がされる。
【0051】
利用可能時間W101kは、現在日時において、部屋前端末5が設置された会議室をいつまで利用することができるかを示す表示であり、現在日時から直近の予約における利用開始時間まで、すなわち、部屋前端末5が設置された会議室の会議室IDが設定され、現在日時以降を開始予定日時とする予約エンティティE3のうち、最も早い開始予定日時までの時間を表示する。
【0052】
操作アイコンW101dは、会議室の現在の状況、すなわち、状況アイコンW101cの種類に対応した一の操作を行うアイコンであり、操作メニューW101f〜jに表示されたメニューの一をアイコンで表示したものである。
【0053】
状況アイコンW101cが空室を表示する状態では、操作アイコンW101dは認証画面W201を介して予約画面W301に遷移する予約メニューW101gがアイコンとして表示されている。
【0054】
状況アイコンW101cが空室状態の場合に、操作アイコンW101d又は予約メニューW101gを選択すると、部屋前端末5はディスプレイ装置に所定の認証画面W201(図示しない)を表示する。
【0055】
認証画面W201には、部屋前端末5のカードリーダ装置51で利用者が所持するICカードを読み取らせるよう促すメッセージが表示されており、当該メッセージにしたがって利用者がICカードをカードリーダ装置51で読み取ると、部屋前端末5は当該読み取った情報に含まれるICカード識別コードをもとに認証処理を管理サーバ2に要求する。
【0056】
認証処理の要求は部屋前端末5から管理サーバ2に前述のICカード識別情報を含んだHTTPリクエストが送信されることで行われる。
管理サーバ2は上記HTTPリクエストを受信すると、当該受信したHTTPリクエストに含まれるICカード識別コードが設定された利用者エンティティE2をデータベース23から検索する。
【0057】
検索の結果、該当する利用者エンティティE2が存在すれば認証に成功したものとして、管理サーバ2は予約画面W301を表示するためのHTMLコードをHTTPレスポンスとして部屋前端末5に返信する。一方で、該当する利用者エンティティE2がデータベース23に存在しない場合は認証に失敗したものとして、所定のエラー画面(図示しない)を表示するHTMLコードをHTTPレスポンスとして返信する。なお、認証処理には利用者エンティティE2のICカード識別コードに加えて、他の属性を用いてもよい。例えば、所定の区分の利用者のみが利用できる会議室を予約する際には、当該会議室を予約可能な利用者を利用者エンティティE2の利用者区分によって判別してもよい。また、利用者エンティティE2に使用可能な操作の権限に関する情報を属性として設定等することにより、認証画面以降に表示される画面において利用可能な機能を制限等してもよい。
【0058】
予約画面W301は、図5で示すように、会議室名W301aと、当日の日付W301bと、利用開始・終了時刻W301cと、件名W301dと、予約者W301eと、会議室状況W301fと、予約ボタンW301gと、が表示されている。
【0059】
予約画面W301において、利用開始・終了時刻W301c及び件名W301dはプルダウンメニュー形式で選択した値が入力される入力フォームであり、当該入力フォームに値を入力して予約ボタンW301gを選択すると、予約確認画面W302に遷移する。また、予約者W301eは、利用者エンティティE2の属性である利用者名の値が、データベース23から取得されて表示される。
【0060】
予約確認画面W302は、予約処理の確認作業を行うための画面であり、図6で示すように、予約に関する情報である会議室名W302aと、予約日W302bと、利用開始・終了時刻W302cと、件名W302dと、予約者名W302eが表示され、当該表示項目を確認した利用者が予約処理を行う場合に選択する予約実行ボタンW302fと、遷移元画面である予約画面W301に遷移し、入力フォームへの入力を再度行うための戻るボタンW302gが表示されている。
【0061】
会議室名W302a、予約日W302b、利用開始・終了時刻W302c、件名W302d、予約者名W302eは、遷移元画面である予約画面W301の各表示に対応している。
利用者は当該表示を目視により確認し、表示された内容で予約を行いたい場合は予約実行ボタンW302fを選択する。
【0062】
予約内容を確認した利用者が予約実行ボタンW302fを選択すると、部屋前端末5はHTTPリクエストを生成し、管理サーバ2に送信する。このHTTPリクエストにはデータベース23に予約エンティティE3を登録するためのパラメータとして会議室ID、利用者ID、開始予定日時、終了予定日時、件名が含まれている。
【0063】
管理サーバ2が前述のHTTPリクエストを受信すると、当該HTTPリクエストに含まれるパラメータの妥当性を検証したうえで、当該パラメータにもとづいて予約エンティティE3をデータベース23に登録する。このとき、予約エンティティE3を一意に識別する予約IDが生成されるとともに、予約ステータスとして予約済みが設定される。
【0064】
データベース23への登録が完了すると、管理サーバ2は登録後の遷移先画面として会議室状況画面W101を表示するHTMLコードをHTTPレスポンスとして返信する。部屋前端末5はこれを受信し、ディスプレイ装置に表示する。
【0065】
以上が、会議室予約システム1における会議室の予約の処理の流れである。本実施形態では、予約エンティティE3が利用者IDを備えることにより当該予約エンティティE3がどの利用者により登録されたかを判別することができるが、さらに、登録をおこなった利用者以外の利用者を参加者として予約エンティティE3から判別できるようにしてもよい。この場合には、データベース23において、予約エンティティE3に参加者となる利用者を特定するための参加者IDを属性として設ける、或は、予約IDと利用者IDからなるいわゆる交差用のエンティティを新たに設けるとともに、予約画面W301において参加者を追加するための入力フォームを設けることで、前述の管理サーバ2による予約エンティティE2の登録処理において上記参加者に関する情報をデータベース23に登録することができる。
【0066】
次に、予約した会議室の利用に関する処理の流れについて説明する。
現在日時が開始予定日時と終了予定日時の間にある予約済み状態の予約エンティティE3が存在する場合には、部屋前端末5の会議室状況画面W101は図7で示すように表示される。
【0067】
会議室状況画面W101において、状況アイコン101cは予約済みを示す表示がされ、利用可能時間W101kに変わって開始予定時刻W101lが表示される。また、操作アイコンW101dはチェックインメニューW101hをアイコン化したものが表示される。なお、本実施形態では現在日時が予約エンティティE3の開始予定日時以降である場合に会議室状況画面W101の状況アイコン101cを予約済みにするものとしたが、例えば開始予定日時の所定時間前から予約済みとするようにしてもよい。
【0068】
この状態において操作アイコンW101d又はチェックインメニューW101hを選択すると、会議室状況画面W101は認証画面W201による認証処理を経て、管理サーバ2に会議室の利用を開始する旨のHTTPリクエストを送信する。
利用開始時における認証処理は、前述の予約登録時の処理に加えて、カードリーダ装置51で読み取ったICカード識別コードが設定された利用者エンティティE2の利用者IDが、利用を開始する予約エンティティE3の利用者IDとして設定されているか否かを判断する。
【0069】
管理サーバは、HTTPリクエストを受信すると該当する予約エンティティE3を更新し、開始日時を設定するとともに予約ステータスを利用中に変更する。データの更新が終了すると管理サーバはHTTPレスポンスを返信し、当該HTTPレスポンスを受信した部屋前端末5は、当該HTTPレスポンスに含まれるHTMLコードにもとづいて会議室状況画面W101を再表示し、利用開始の処理が終了する。
【0070】
また、本実施形態では前述の利用処理において、部屋前端末5が管理サーバ2からHTTPレスポンスを受信した際、前述の制御装置を用いて会議室の開錠を行う。また、照明や音響、空調等、会議室に設けられた所定の装置の電源をON状態にしてもよい。このとき、利用者エンティティE2の利用者区分にもとづいて、あらかじめ設定された値に当該装置の調整を行ってもよい。なお、上記利用者区分は、一般社員やゲスト等を判別するものであってもよいし、性別や年齢等の区分であってもよく、利用者エンティティE2に複数の属性を設けて、当該複数の属性を用いて判断してもよい。なお、本実施形態のデータベース23は予約エンティティE3が一の利用者エンティティE2と紐づいているが、前述したように、予約エンティティE3と参加者、すなわち登録処理をした利用者以外の利用者エンティティE2を紐づけるようにしてもよく、この場合の利用開始時における認証処理は、登録処理を行った利用者のみではなく、参加者として登録された利用者でも認証に成功するようにしてよい。また、前述の利用者区分による装置の調整は、予約を登録した利用者の利用者区分以外に、参加者となる利用者の利用者区分にもとづいて行うようにしてもよい。例えば、一般社員、役員等の役職やゲストか否かにより、登録した利用者及び参加者の中からどの利用者或は参加者の利用者区分に基づいて装置の調整を行うかを決定した上で、当該利用者区分に基づいて装置を調整するようにしてもよい。
【0071】
利用が開始された状況における会議室状況画面W101は、図8で示すように、状況アイコンW101cが利用中を示す表示となり、開始予定時刻W101lに変わって、利用終了までの予定時間を示す利用時間W101mが表示される。また、操作アイコンW101dには利用延長メニューW101jがアイコン表示される。
【0072】
この状態における操作アイコンW101d、又は利用延長メニューW101jを選択すると、認証画面W201を介して認証処理を行ったうえで利用延長画面W401に遷移する。利用延長における認証処理は利用開始における認証処理と同一のものでよい。
【0073】
利用延長画面W401は、図9で示すように、利用を延長する時間を選択する延長時間選択アイコンW401aと、利用延長確定ボタンW401bと、利用可能時間W401cが表示されている。
【0074】
延長時間選択アイコンW401aは、15分ごとに希望する延長時間をアイコン表示したものである。また、選択可能な延長時間は、直近の他の予約となる予約エンティティE3の開始予定日時を超えないものに限られる。また、利用可能時間W401cには、次の予約、すなわち、現在利用中の予約エンティティE3の終了予定時刻日時に同一の会議室を使用する直近の予約エンティティE3の開始予定日時が表示される。
【0075】
利用者が希望する延長時間を選択して利用延長確定ボタンW401bを選択すると、部屋前端末5は予約エンティティE3の予約IDと延長時間をパラメータに含むHTTPリクエストを管理サーバ2に送信し、これを受信した管理サーバ2が予約エンティティE3を更新することで、利用延長処理が行われる。
【0076】
また、チェックアウトメニューW101iを選択した場合には、認証画面W201を介して認証処理を行ったうえで、会議室の利用を終了する処理が行われる。利用終了処理は、他の処理と同様に部屋前端末5から送られたHTTPリクエストを管理サーバ2が受信し、当該受信したHTTPリクエストにもとづいて予約エンティティE3を更新することで行われる。このとき、管理サーバ2は予約エンティティE3の終了日時を設定するとともに、予約ステータスを利用済みに変更する。データベース23の更新が終了すると、管理サーバ2はHTTPレスポンスを返信し、部屋前端末5が当該HTTPレスポンスを受信して会議室状況画面W101を更新する。このとき、部屋前端末5は会議室の施錠をおこなうとともに、前述の制御装置を介して会議室内の装置の電源をOFFにする。
【0077】
以上が部屋前端末5を用いた会議室の利用に関する処理の流れである。
本実施形態では、部屋前端末5がタブレット型コンピュータにより構成されることでタッチパネルによる操作を可能とするとともにカードリーダ装置51を備え、該カードリーダ装置51で利用者のICカードを読み取ることにより所定の認証処理が行われる。タブレット型コンピュータを用いてタッチパネル操作を行う場合、ディスプレイ装置にキーボードを模したいわゆるソフトウェアキーボードを表示し、当該ソフトウェアキーボードにより所定の入力作業を利用者に行わせることが通常である。しかし、ソフトウェアキーボードは一般のキーボード装置よりも入力操作が難しく、また、ソフトウェアキーボードを表示することにより画面の表示領域が実質的に減ってしまう。認証処理を要する情報システムの場合は、予約時にソフトウェアキーボードを用いて暗証番号等のパスワードを入力させ、利用時に当該パスワードを用いて認証することが考えられるが、本実施形態ではカードリーダ装置51により利用者のICカードを読み取るのみで認証処理を行うことができる。
【0078】
さらに、本実施形態では管理対象となる会議室ごとに部屋前端末5を設置しており、各部屋前端末5は当該部屋前端末5を設置した会議室に関する予約、利用等のみを行うことができる。これにより予約や利用の際に対象となる会議室を特定する必要がなく、各操作のインタフェースをシンプルでわかりやすいものとすることができる。
【0079】
また、部屋前端末5は、当該部屋前端末5が設置された会議室が利用中の場合に、終了予定日時の所定時間前のタイミングで会議室の利用終了を利用者に通知する。
部屋前端末5は前述の通り、会議室に設置された制御装置を介して会議室が備える音響装置、具体的にはスピーカ装置と接続されており、上記タイミングでスピーカ装置から予定終了時間が迫っている旨の音声アナウンスを行う。なお、上記音声アナウンスに用いられる音声情報は、利用者エンティティE2の利用者区分にもとづいて決定されるようにしてもよい。また、前述したように、利用者以外の利用者を参加者として予約エンティティE3に紐づけている場合には、参加者の利用者区分にもとづいて上記決定してもよい。例えば、社員のみで会議が行われる場合には会議室利用の注意点についての通知を含めた音声アナウンスを行う一方で、ゲストが参加する会議では当該注意点についての通知を省いた音声アナウンスを行うようにしてもよい。
【0080】
図10は、総合案内端末4のディスプレイ装置に表示される画面の構成を示したものである。図10で示すように、総合案内端末4には時刻表示W601a、利用中会議室一覧W601b、会議室予約一覧W601c、空室一覧W601dを備えた総合案内画面W601が表示される。
【0081】
時刻表示W601aは現在時刻を表示するものであり、デジタル表示の時刻を囲う中央の円状模様と、当該円状模様の周囲に、アナログ時計の長針及び短針を模した円状模様が配されている。
【0082】
利用中会議室一覧W601bは、現在日時において利用中の会議室を一覧表示するものである。本実施形態では、総合案内端末4が定期的に管理サーバ2にHTTPによる問い合わせを行い、予約ステータスが利用中である予約エンティティE3を取得して、一覧形式で表示を行う。
【0083】
会議室予約一覧W601cは、利用が開始されていない当日の予約を一覧表示するものである。本実施形態では、総合案内端末4が定期的に管理サーバ2にHTTPによる問い合わせを行い、開始予定日時が当日中であって予約ステータスが予約済みの予約エンティティE3を取得し、一覧形式で表示する。
【0084】
空室一覧W601dは、各会議室において予約も利用もされていない時間を一覧表示するものである。本実施形態では、総合案内端末4が定期的に管理サーバ2にHTTPによる問い合わせを行い、予約エンティティE3の内容にもとづいて、会議室ごとに空室時間を取得し、一覧表示する。
【0085】
本実施形態では、総合案内端末4の総合案内画面W601は表示専用の画面構成となっており、入力フォームや選択可能なメニュー等は存在していない。会議室の予約や利用に関する操作は部屋前端末5又は操作端末3を用いることとし、総合案内端末4は案内表示のみを行うものとする構成により、総合案内端末4はディスプレイ装置の描画領域すべてを案内表示の目的に使用することができ、シンプルでわかりやすい案内表示画面を構成することができる。
【0086】
また、本実施形態における総合案内画面W601は、図10で示すように利用中会議室一覧W601b、会議室予約一覧W601c、空室一覧W601dの三種類の一覧表示を一の画面に表示する構成としているが、各一覧表示を一の画面に表示する構成とした上で所定時間ごとに画面を切り替えるようにしてもよい。
【0087】
本実施形態では、管理サーバ2は定期的にデータベース23の予約エンティティE3を検索し、所定の条件に合致する予約を自動的にキャンセルする処理を行う。
【0088】
キャンセル処理は、具体的にはデータベース23の所定の予約エンティティE3を更新し、予約ステータスをキャンセル済みに変更する処理である。本実施形態では、所定の時間ごとに、予約済み状態の予約エンティティE3であって開始予定日時を所定時間以上経過しているものについて当該キャンセル処理を行う。
【0089】
また、管理サーバ2の情報管理部22は、前述のグループウェアシステム6と会議室予約システム1の情報を同期する機能を備えている。情報管理部22は所定の時間ごとにグループウェアシステム6と通信し、データベース23に登録された予約エンティティE3の内容にもとづいて、グループウェアシステム6に予約登録を行う。更新又は削除等された予約エンティティE3についても同様にグループウェアシステム6に対して、データベース23の予約エンティティE3とグループウェアシステム6の予約情報が一致するよう、グループウェアシステム6に所定の要求を行う。また、グループウェアシステム6において予約が登録、更新、削除されている場合には、グループウェアシステム6から該当する情報を取得し、データベース23に反映する。これにより、すでにグループウェアシステムを導入済みの組織等においては、既存のグループウェアシステムを変更等することなく、会議室予約システム1を追加的に導入することができるので、導入時のコストを低減することができる。また、新規のシステム導入には利用者の不慣れ等による障害が発生することがあるが、既存のグループウェアシステムをそのまま利用できる本実施形態では、上記障害の発生を効果的に抑制することができる。
【0090】
データベース23で管理される予約エンティティE3は、予約段階における利用の開始予定日時及び終了予定日時の他に、実際に会議室を利用した際の開始日時及び終了日時を有している。これにより、会議室予約システム1は利用者の予約と実際の利用を別個の情報として保持することができるので、予約及び利用の実態を収集することができる。例えば予約のみを行って実際の利用を行わない傾向のある利用者に警告を行ったり、実際の利用時間に基づいて利用者に課金を行う等をすることができる。管理サーバ2は、予約エンティティE3の内容を所定の形式でログとして出力する機能を情報管理部22に有していてもよい。当該機能はいわゆるバッチ処理として定期的に所定の場所にファイルとして予約情報を出力してもよいし、WEBアプリケーションの一部として、オペレータ等の操作に応じてファイルをダウンロード可能としてもよい。
【0091】
本実施形態における部屋前端末5が、当該部屋前端末5が設置された会議室に関する予約、利用の各操作を行う端末であるのに対して、操作端末3は会議室予約システム1が管理するすべての会議室に対する予約等を行う端末である。操作端末3は施設の受付等に設置され、オペレータ等所定のスタッフが操作することにより、会議室の予約を行う。会議室の予約は、部屋前端末5と同様に管理サーバ2と通信するWEBアプリケーションによって機能を提供してもよいが、本実施形態では前述したようにグループウェアシステム6との連携手段を備えているため、当該グループウェアシステム6のクライアント端末をもって操作端末3としてもよい。また、操作端末3が、利用人数や会議室内に設置された装置による会議室の検索機能を提供するようにしてもよいし、週ごとや月ごとの所定期間による複数回の利用を一括して予約する機能を提供するようにしてもよい。
【0092】
本実施形態では、各会議室に設置された部屋前端末5は当該部屋前端末5が設置された会議室に関する予約、利用を行う機能を提供し、総合案内端末4はすべての会議室についての予約、利用、及び空室に関する情報を一括して表示する機能を提供し、操作端末3はすべての会議室についての予約、利用を行う機能を提供する。このように、部屋前端末5と、総合案内端末4と、操作端末3で提供する機能を分担することにより、各端末のインタフェースは当該端末が提供する機能に特化した、シンプルなものとすることができる。
【0093】
前述の通り、本実施形態では会議室の所定の装置を制御する制御装置が会議室に設けられている。これを会議室内から制御するために、スマートフォンやタブレットPC等の端末を部屋内端末として会議室に設け、上記装置の制御を行ってもよい。このとき、利用者が自身の所有するスマートフォン等端末をあらかじめ登録することにより、利用者が所有する上記端末を部屋内端末として使用できるようにしてもよい。
【0094】
本実施形態の説明は以上であるが、本発明の構成は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、本実施形態において会議室予約システム1はWEBアプリケーションシステムとして構成したが、HTTPではない他の通信プロトコルを用いたアプリケーションシステムとしてもよい。
また、WEBアプリケーションシステムのようなサーバ・クライアントモデルでなくてもよい。例えば、各部屋前端末5自体が、当該端末が設置された部屋の予約情報を管理するように構成したうえで、他の部屋に設置された部屋前端末5や操作端末3、総合案内端末4、或はグループウェアシステム6と通信するようにしてもよい。この場合には、管理サーバ2の機能を各部屋の部屋前端末5が分散して有する、すなわち、部屋前端末5が管理サーバ2を兼ねることになるので、独立した構成としての管理サーバ2は不要としてもよい。
また、会議室予約システム1がグループウェアシステム6の機能を有するように構成し、他のシステムと連携せずに単独で稼働可能な構成としてもよい。
さらに、会議室予約システム1が表示する画面における言語を、日本語、英語等複数の言語から利用者又は管理者が所望する一の言語から選択できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0095】
1 会議室予約システム
2 管理サーバ
3 操作端末
4 総合案内端末
5 部屋前端末
6 グループウェアシステム
7 通信ネットワーク

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10