特許第6309452号(P6309452)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6309452
(24)【登録日】2018年3月23日
(45)【発行日】2018年4月11日
(54)【発明の名称】布地ケア組成物
(51)【国際特許分類】
   D06M 13/463 20060101AFI20180402BHJP
   D06M 23/08 20060101ALI20180402BHJP
【FI】
   D06M13/463
   D06M23/08
【請求項の数】3
【全頁数】41
(21)【出願番号】特願2014-538966(P2014-538966)
(86)(22)【出願日】2012年10月25日
(65)【公表番号】特表2014-535012(P2014-535012A)
(43)【公表日】2014年12月25日
(86)【国際出願番号】US2012061761
(87)【国際公開番号】WO2013063171
(87)【国際公開日】20130502
【審査請求日】2014年4月24日
【審判番号】不服2016-262(P2016-262/J1)
【審判請求日】2016年1月7日
(31)【優先権主張番号】61/552,793
(32)【優先日】2011年10月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100187207
【弁理士】
【氏名又は名称】末盛 崇明
(72)【発明者】
【氏名】アレッサンドロ、コロナ、ザ、サード
(72)【発明者】
【氏名】トラニール、ケイ.クラーク
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー、スコット、デュポン
(72)【発明者】
【氏名】ネイサン、リー、ホール
【合議体】
【審判長】 久保 克彦
【審判官】 渡邊 豊英
【審判官】 小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/087974(WO,A1)
【文献】 特表2012−516952(JP,A)
【文献】 特表2011−528278(JP,A)
【文献】 特表2000−500810(JP,A)
【文献】 特開平11−57437(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06M13/463,D06M23/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
布地増強組成物を製造するための液体組成物の製造プロセスであって:
装置の中で複数の流体を混合する工程であって、
前記装置が、
1つ以上の好適な液体輸送装置と流体連通する1つ以上の入口(1A)及び1つ以上の入口(1B)と、
上流端(3)と下流端(4)とを有する予混合チャンバ(2)であって、該予混合チャンバ(2)の上流端(3)が前記1つ以上の入口(1A)及び前記1つ以上の入口(1B)と流体連通する、予混合チャンバ(2)と、
上流端(6)と下流端(7)とを有するオリフィス構成要素(5)であって、該オリフィス構成要素の上流端(6)が前記予混合チャンバ(2)の下流端(4)と流体連通するものであり、液体を噴射スプレーし、液体中に剪断力、乱流、又はキャビテーションを生成するように構成される、オリフィス構成要素(5)と、
前記オリフィス構成要素(5)の下流端(7)と流体連通する二次混合チャンバ(8)と、
液体中に剪断力、乱流、又はキャビテーションを生成した後で液体を排出するために前記二次混合チャンバ(8)と流体連通する少なくとも1つの出口(9)であって、前記二次混合チャンバ(8)の下流端に位置する少なくとも1つの出口(9)と、
互いに直列に配置された少なくとも2つのオリフィスユニット(10)及び(11)を含む前記オリフィス構成要素(5)であって、各オリフィスユニットは、少なくとも1つのオリフィス(13)を含むオリフィスプレート(12)を備え、オリフィスチャンバ(14)が前記オリフィスプレート(12)の上流に位置しかつ前記オリフィスプレート(12)と流体連通し、隣接するオリフィスプレートは相互に異なっている、オリフィス構成要素(5)と、
を備え、
前記混合は、前記輸送装置によって加えられる0.01MPa〜5MPa(0.1バール〜50バール)の力を、前記複数の流体に加えることによって達成される、混合する工程と、
前記複数の液体を、第2の装置に移動し、前記第2の装置を介して、0.1秒〜10分の滞留時間の間、10g/cm s〜1,000,000g/cm sの剪断エネルギーを、前記混合された複数の流体に加える工程と、
−前記剪断工程の前、間又は後に、入り口1A及び/又は1Bからの流体を個々又は組み合わせて15℃〜95℃の温度に加熱する工程と、
−前記剪断工程の間、又は後に、前記混合された複数の流体を5℃〜45℃の温度まで冷却する工程と、
−電解質を加える工程と、
−1つ以上の補助成分を前記複数の流体又は混合された複数の流体に加える工程と、
−前記混合した複数の液体を、前記した工程の1以上を通じて再循環させる工程と、を含む、プロセス。
【請求項2】
各オリフィスプレートの中央が、前記パイプ直径の25%未満で中心線からオフセットされている状態で、前記オリフィスプレートが軸方向に配置されている、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
布地コンディショニングに有用な1つ以上の補助成分を加える工程を含む、請求項1または2に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体布地増強組成物、並びにその製造方法及び使用法を目的とする。
【背景技術】
【0002】
既存の流体布地増強組成物は、望ましい布地増強活性効率を示さない。出願者らは、有効性の不足は、流体布地増強組成物に含まれる増強活性成分の粒径が原因であり、これが重要な鍵となると認識した。理論に束縛されるものではないが、出願者らは、既存の流体布地増強組成物は、本質的に球形の布地増強活性粒子を含むものと考えている。球は、単位質量あたりの表面積が少ない幾何学的形状を有することから、布地増強剤のほんの一部分だけが衣類などの所望の表面と接触可能であることになる。残念なことに、他の幾何学的形状は、熱力学的には好まれるものではなく、又は粘度が過剰になるなどの問題が生じる。出願者らは、布地増強活性効率の問題は、布地増強剤の活性粒子の単位質量あたりの表面積を増大させることで、ある程度解決できると認識している。したがって、出願者らは、布地増強剤粒子のほぼ球形の形状は保持させたまま、布地増強剤の活性剤の粒径を減少させた。最後に、出願者らは、原材料費、加工費、及び布地増強活性効率を全体的に見た場合に、本明細書で開示される布地増強活性粒子は望ましいと認識した。特に、特定の化学加工法、例えば、非イオン性界面活性剤及び脂肪アルコールなどの添加剤を使用する化学加工法、並びに高エネルギーによる物理的な加工法、例えば、加圧キャビテーション法は、出願者らの液体布地増強組成物の製造に必要とされないため、本明細書で開示の布地増強剤活性粒子が望ましいと言える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、流体布地増強組成物、並びにその製造及び使用を目的とする。この流体布地増強組成物は、望ましい布地増強活性効率を有する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】本発明の方法で使用される装置Aを詳述する。
図2】本発明の方法で使用される装置のオリフィス構成要素5を詳述する。
図3】本発明の方法で使用される装置Bを詳述する。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明の状況において、用語「a」及び「an」は、「少なくとも1つ」を意味する。
【0006】
本発明の「2つのオリフィス」又は「2つのオリフィスユニット」と言うとき、本明細書では、「少なくとも2つのオリフィス」又は「少なくとも2つのオリフィスユニット」を意味する。
【0007】
「剪断力」とは、本明細書では、ある物質の構造において、その層が互いに対して横に変位したときに圧力によって生成されるひずみを意味する。
【0008】
「乱流」とは、本明細書では、流体の不規則かつ無秩序な流れを意味する。
【0009】
本明細書において、我々は「動作圧」により、予混合チャンバ2内の液体(類)の圧力を意味する。
【0010】
「キャビテーション」とは、本明細書では、液体の流体力学によって液体中に気泡が形成されること、及び更なる下流にてそれらの気泡が崩壊することを意味する。
【0011】
本明細書で使用するとき、用語「包含する(include)」、「包含する(includes)」及び「包含している(including)」は、非限定的であるように意味される。
【0012】
本明細書で使用するとき、用語「流体」は、液体、ゲル、及びペーストの形態を含む。
【0013】
本明細書で用いるとき、用語「部位(situs)」には、紙製品、繊維、衣服、硬質表面、毛髪、及び皮膚が含まれる。
【0014】
別途記載のない限り、成分又は組成物の濃度は全て、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、このような成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0015】
割合(%)及び比率は全て、別途記載のない限り重量で計算される。全ての割合(%)及び比率は、別途記載のない限り組成物全体を基準にして計算される。
【0016】
本明細書の全体を通じて与えられる全ての最大の数値限定は、それよりも小さい数値限定を、そうしたより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているものと同様にして包含するものと理解すべきである。本明細書の全体を通じて与えられる全ての最小数値限定は、それよりも大きい全ての数値限定を、あたかもそれらの大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているものと同様にして含むものである。本明細書の全体を通じて与えられる全ての数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に含まれるそれよりも狭い全ての数値範囲を、あたかもそれらのより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているものと同様にして含むものである。
【0017】
流体布地増強剤
一態様では、1つ以上の布地増強活性成分を含む液体布地増強組成物であって、1つ以上の布地増強活性成分が粒子を含み、粒子は、液体布地増強組成物に含まれる布地増強活性成分の合計に基づき、75mW〜532nm出力のレーザーを使用してNanosights NS500で測定した場合に、約750〜約3000、約800〜約2500、約810〜約2000の粒子インデックスを有し:
a.アミン基を含む布地増強活性粒子を4%〜約30%、約5%〜約25%、約6%〜約20%、又は更には約8%〜約18%;
b.電解質を約1ppm〜5000ppm、約10ppm〜約5000ppm、約50ppm〜約4000ppm、約100ppm〜約3000ppm、又は約100ppm〜約2000ppm;
c.水を含む基材を約60〜約96%、約60%〜約90%、約70%〜約90%;並びに
d.所望により、1つ以上の補助成分;を含む、液体布地増強組成物である。
【0018】
一態様では、液体布地増強組成物は、pH約2〜約12、約2〜約10、約2〜約9、約2〜約8を有する。
【0019】
一態様では、液体布地増強組成物は、pH約2〜約8、約2.5〜約5、約2.5〜約3.5を有し、かつ第四級アンモニウムエステル化合物を含む布地増強活性成分を含む。
【0020】
一態様では、第四級アンモニウムエステル化合物は、アシル−オキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリドのモノエステル、アシル−オキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリドのジエステル、並びにこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0021】
一態様では、アシル−オキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリドのモノエステル、及びアシル−オキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリドのジエステルは、約0〜60、約0〜40、約10〜30、約15〜25のヨウ素価を有し得る。
【0022】
一態様では、前記液体布地増強組成物は、1つ以上の補助成分を含み、前記1つ以上の補助成分は、追加の布地柔軟活性剤、シリコーン、オルガノシリコーン、構造化剤、付着助剤、香料、カプセル化香料、分散剤、安定剤、pH調整剤、着色剤、増白剤、染料、臭気抑制剤、プロ香料、シクロデキストリン、溶媒、汚れ放出ポリマー、防腐剤、抗微生物剤、塩素スカベンジャー、収縮防止剤、布地クリスピング剤、染み抜き剤、酸化防止剤、腐食防止剤、増稠剤、ドレープ及びフォーム調整剤、平滑剤、静電気抑制剤、しわ抑制剤、殺菌剤、消毒剤、細菌抑制剤、白カビ抑制剤、カビ抑制剤、抗ウイルス剤、抗微生物剤、乾燥剤、耐汚染剤、汚れ放出剤、悪臭抑制剤、布地リフレッシュ剤、塩素漂白臭気抑制剤、染料固定材、染料移染阻害剤、色保持剤、色復元/再生剤、抗退色剤、白色増強剤、抗磨耗剤、耐磨耗剤、布地一体化剤、摩耗防止剤、抑泡剤及び消泡剤、すすぎ助剤、UV保護剤、日褪せ阻害剤、防虫剤、抗アレルギー剤、酵素、難燃剤、防水剤、布地快適剤、活水剤、耐収縮剤、耐伸剤、増粘剤、キレート剤及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0023】
使用方法
部位を処理及び/又は洗浄する方法であって、前記方法が、
a.)所望により、前記部位を洗浄及び/又はすすぐ工程と、
b.)前記部位を液体布地向上組成物と接触させる工程と、
c.)所望により、前記部位を洗浄及び/又はすすぐ工程と、
d.)任意に、自動乾燥機及び/又は自然乾燥によって前記部位を乾燥する工程と、を含む方法。
【0024】
方法及び装置
本発明は、剪断力、乱流、及び/又はキャビテーションを生成することで布地増強液体組成物構成成分を混合するための装置を使用して、布地増強組成物を製造するための方法を目的とする。特定の実施形態では、剪断力を誘起するための方法の能力は、混合に有用であり得るだけでなく、液体中の固体粒子の分散のため、液体中の液体の分散のため、及び固体粒子を離散させるためにも有用であり得ることを理解すべきである。特定の実施形態では、剪断力を誘起する及び/又はキャビテーションを生成するための方法の能力は、液滴及び/又は小胞の形成にも有用であり得る。
【0025】
一態様では、流体組成物の製造方法であって、
装置の中で複数の流体を混合する工程であって、装置が、装置A及び装置Bとして定義される複数の部位を含み、装置Aは、1つ以上の好適な液体輸送装置と流体連通する1つ以上の入口(1A)及び1つ以上の入口(1B)と、上流端(3)と下流端(4)とを有する予混合チャンバ(2)であって、該予混合チャンバ(2)の上流端(3)が前記1つ以上の入口(1A)及び前記1つ以上の入口(1B)と流体連通する、予混合チャンバ(2)と、上流端(6)と下流端(7)とを有するオリフィス構成要素(5)であって、オリフィス構成要素(6)の上流端が予混合チャンバ(2)の下流端(4)と流体連通するものであり、液体を噴射スプレーし、液体中に剪断力、乱流、及び/又はキャビテーションを生成するように構成される、オリフィス構成要素(5)と、オリフィス構成要素(5)の下流端(7)と流体連通する二次混合チャンバ(8)と、液体中に剪断力、乱流、及び/又はキャビテーションを生成した後で液体を排出するために二次混合チャンバ(8)と流体連通する少なくとも1つの出口(9)であって、二次混合チャンバ(8)の下流端に位置する少なくとも1つの出口(9)と、互いに直列に配置された少なくとも2つのオリフィスユニット(10)及び(11)を含むオリフィス構成要素(5)であって、各オリフィスユニットは、少なくとも1つのオリフィス(13)を含むオリフィスプレート(12)を備え、オリフィスチャンバ(14)がオリフィスプレート(12)の上流に位置しかつオリフィスプレート(12)と流体連通し、隣接するオリフィスプレートは相互に異なっている、オリフィス構成要素(5)と、を備え、
前記輸送装置によって加えられる約0.01MPa〜約5MPa(約0.1バール〜約50バール)、約0.05MPa〜約1MPa(約0.5バール〜約10バール)、約0.1MPa〜約0.6MPa(約1バール〜約6バール)の力を、前記複数の流体に加えることによって達成される、混合する工程と、
次に、装置Bにおいて、約0.1秒〜約10分、約1秒〜約1分、約2秒〜約30秒の滞留時間の間、約10g/cm s〜約1,000,000g/cm s、約50g/cm s〜約500,000g/cm s、約100g/cm s〜約100,000g/cm sの剪断エネルギーを、前記混合された複数の流体に加える工程と、
任意に、前記剪断工程の前、間又は後に、入り口1A及び/又は1Bからの流体を個々及び/又は組み合わせて約15℃〜約95℃、約20℃〜約80℃又は、約40℃〜約80℃の温度に加熱する工程と、
任意に、前記剪断工程の間、及び/又は後に、前記混合された複数の流体を約5℃〜約45℃、約10℃〜約35℃、約15℃〜約30℃、約20℃〜約25℃の温度まで冷却する工程と、
前記混合工程及び/又は剪断工程の間に、電解質、一態様では、電解質を含んでいる流体を、前記混合された複数の流体に加える工程と、通常、製品中の流体布地増強剤の濃度を約6%超にする場合には電解質を加え、所望により、前記複数の流体及び/又は組み合わせられた複数の流体に1つ以上の追加成分を加える、
任意に、前記混合された複数の流体を、前記開示されたプロセスの1つ以上を通して再循環させる工程と、を含む。
【0026】
前記プロセスの一態様において、布地増強活性成分は、布地増強活性組成物の50重量%〜100重量%で存在する。
【0027】
前記方法の一態様では、方法は、キャビテーションを行わずに実施され、その代わりに、方法には剪断及び/又は乱流が用いられる。要するに、このような工程などの前述の工程及び装置のいずれかは、剪断及び/又は乱流のみを用いて実施される。
【0028】
装置A
図1は、剪断力、乱流、及び/又はキャビテーションの生成によって液体を混合するための装置Aの一実施形態を示し、前記装置は、少なくとも1つの入口1Aと予混合チャンバ2と、を備える。理論に束縛されるものではないが、出願者らは、予混合チャンバにおける混合の度合いは、分散体の粒度分布に作用を及ぼすものと考えている。一態様では、供給配置により、第1オリフィスプレート前の予混合及び伝熱を最小限に抑えるような様式で活性成分が添加される。この添加は2つの方法により実施される:第1には、予混合チャンバにおける滞留時間は、約1ミリ秒〜1秒、約2ミリ秒〜500ミリ秒、約3ミリ秒〜250ミリ秒である。第2には、活性成分を溶媒流によりインラインに導入し、下流の軸中心線に向けて配向させ、オリフィス開口部の中央に向かわせる。これにより、活性成分は非常に長期間にわたり歪み速度にさらされることになり、小型の分散体を生成しつつ、有害になり得る予混合を最小限に抑えることが可能になる。予混合チャンバは上流端3及び下流端4を有し、上流端4は少なくとも1つの入口1Aと流体連通される。装置Aはまた、オリフィス構成要素5を備え、このオリフィス構成要素5は上流端6と下流端7とを有する。オリフィス構成要素の上流端6は、予混合チャンバ2の下流端4と流体連通しており、オリフィス構成要素5は、ジェットの形態で液体を噴霧し、かつ液体中に剪断力又はキャビテーションを生成するように構成される。二次混合チャンバ8は、オリフィス構成要素5の下流端7と流体連通している。少なくとも1つの出口9は、剪断力、乱流、及び/又はキャビテーションを液体に生成した後に液体を排出するために二次混合チャンバ8と連通しており、二次混合チャンバ8の下流端に位置づけられる。
【0029】
液体は、所望の動作圧で入口1Aに導入することができる。液体は、所望の動作圧で、標準的な液体ポンプ装置を使用して導入することができる。液体は入口から予混合チャンバ2に流入し、次いで、オリフィス構成要素5に流入する。次いで、液体は、オリフィス構成要素5から出て二次混合チャンバ8に流入し、その後出口9を通って装置Aを出る。
【0030】
図2に示されているように、オリフィス構成要素は、互いに直列に配列された少なくとも2つのオリフィスユニット10及び11を備える。各オリフィスユニットは、少なくとも1つのオリフィス13を備えるオリフィスプレート12と、オリフィスプレートより上流に位置づけられ、オリフィスプレートと流体連通しているオリフィスチャンバ14と、を備える。一実施形態では、オリフィスユニット10は、オリフィスプレート12に隣接してその上流に位置づけられたオリフィスブラケット15を更に備え、オリフィスブラケット15の壁は、オリフィスチャンバ14を通る通路を画定する。
【0031】
別の実施形態では、装置Aは、直列に配置された少なくとも5つのオリフィスユニットを備える。更に別の実施形態では、装置Aは、直列に配置された少なくとも10のオリフィスユニットを備える。
【0032】
装置A内の剪断中、流体の温度は、変換要件(transformation requirements)に応じて制御又は変更され得る。一実施形態では、装置A内の流体温度を変更するのが有用であり得る。前記流体温度の変更は、流体処理業界で周知の方法によって達成され得、熱交換器、パイプジャケット、及び前記流体中への1種以上のより熱い又はより冷たい任意の追加補助流体の注入を非限定的に含み得る。
【0033】
オリフィスの配置
小型の活性成分、例えば、柔軟仕上げ剤を溶媒中、例えば、水に均一に分散させる目的に際し、オリフィスプレートは、軸方向に配置させ、かつ活性成分濃度が高い領域付近を中心とさせた場合に特に有効である。理論に束縛されるものではないが、出願者らは、これにより、活性材料はまず、引張歪み(extensional strain)の大きい領域を通過し、かつ小粒径の分散体の作製に有害な作用を及ぼし得る分散前のバルク混合は最小限に抑えられるものと考える。加えて、オリフィスは、理想的にはパイプの中央部に配置される。出願者らは、これにより装置中に均一に乱流が生成され、全ての粒子が均一なエネルギー供給を受けるものと考える。
【0034】
一態様では、オリフィスの配置は、各プレートの中央が、パイプ直径の0%、1%未満、5%未満、10%未満、又は25%未満で中心線からオフセットされている状態で、オリフィスプレートが軸方向に配置されるというものである。
【0035】
一態様では、プレートはパイプ直径の5%未満でオフセットされ、更にバルク混合は最小限に抑えつつ、活性成分に、小型の分散体に必要とされる非常に長期間にわたる歪み速度を経験させることが可能になる。適切なプレートの配置により、圧力の損失は最小限に抑えられ、分散体の受けるエネルギー供給を少なくすることができる。
【0036】
装置Aは、オリフィス構成要素5に対向する二次混合チャンバ8内に配置されたナイフ様のブレードのようなブレード16を少なくとも1つ更に備えてもよいが、必要ではない。
【0037】
本発明の装置Aの構成要素は、噴射器構成要素、入口ハウジング24、予混合チャンバハウジング25、オリフィス構成要素ハウジング19、オリフィス構成要素5、二次混合チャンバハウジング26、ブレードホルダー17、及びブレード16の先端とオリフィス構成要素5の排出口との間の距離を調整するための調整構成要素31を含むことができる。また、二次混合チャンバ8内の圧力を変化させるために、二次混合チャンバ8の下流に位置づけられる絞り弁(装置Aの外部にあってよい)があることが望ましい場合もある。入口ハウジング24、予混合チャンバハウジング25、及び二次混合チャンバハウジング26は、任意の好適な構成であってよい。好適な形状には、円筒形、楕円形又は他の好適な形の断面を有する形状を挙げることができるが、これらに限定されない。これらの構成要素それぞれの形状は、同一でなくてもよい。一実施形態では、これらの構成要素は、概して、実質的に円筒形の内面とほぼ円筒形の外面とを有する円筒形要素を備える。
【0038】
これらの構成要素は、任意の好適な材料で作製することができ、ステンレススチール、AL6XN、Hastalloy、及びチタンが挙げられるが、これらに限定されない。ブレード16及びオリフィス構成要素5の少なくとも一部が、より高い表面硬度又はより高い硬度の材料で作製されることが好ましい場合がある。装置100の構成要素は、上述の材料の固形ブロックからそれを機械加工することによって(ただしこれに限定されない)、任意の適切なやり方で作製することができる。構成要素は、任意の好適な方法で接合又は結合することができる。
【0039】
本明細書に記載したような装置Aの様々な要素は、共に接合される。本明細書で使用される場合、本明細書で使用される用語「接合された」は、要素を他の要素に直接取付けることによって一方の要素が他方の要素に直接固定される構成、要素を中間体部材(単数又は複数)に取付け、次にそれを他の要素に取付けることによって、一方の要素が他方の要素に間接的に固定される構成、一方の要素が他方の要素によって保持される構成、及び一方の要素が他方の要素と一体である、すなわち、一方の要素が他方の要素の一部である構成を含む。所定の実施形態において、本明細書に記載する構成要素の少なくともいくつかに、構成要素を一緒に接合するためのねじ、クランプ、又は押圧接続部が設けられることが望ましい場合がある。本明細書に記載する構成要素の1つ以上は、例えば、締結されること、ピンによって共に保持されること、又は別の構成要素内に嵌るように構成されることが可能である。
【0040】
装置Aは少なくとも1つの入口1Aを備え、典型的には、1種類を超える材料を装置Aに送り込むことができるように、入口1A及び1Bなどの2つ以上の入口を備える。入り口1A及び1Bは、多様な形状及び当業者に既知の型、例えば、t字型、y字型、注射器型などの、1つの入口が予混合チャンバの中央に位置する形状に構成することができ、装置Aには、任意の好適な数の入り口を含ませて、かかる任意の数の異なる材料を装置Aに供給することができる。別の実施形態において、2種類の液体の予混合物を、装置Aの入口の1つのみに導入することができる。次に、この予混合物は、装置Aに送り込まれる際に剪断力、乱流、及び/又はキャビテーションに供される。
【0041】
装置Aはまた、少なくとも1つのドレイン、又は入口及びドレインの両方の役割を果たす少なくとも1つの二重目的の双方向流れ導管を備えることができる。入口及び任意のドレインは、装置Aの残りの部分に対して任意の好適な向きで配置され得る。入口及び任意のドレインは、例えば、装置Aの残りの部分に対して軸方向、半径方向、又は接線方向に向けられてもよい。入口及び任意のドレインは、装置Aの長手方向軸に対して任意の好適な角度を形成することができる。入口及び任意のドレインは、装置の両側に配置されてもよい。注入口と任意の排液管が装置の側部上に配置される場合、それらは装置の残りの部分に対して、任意の好適な配向にあってもよい。
【0042】
一実施形態において、装置Aは、装置の残りの部分に対して軸方向に配向された射出器構成要素の形態の入口1Aを1つ備える。射出器構成要素は第1の材料のための入口を備える。
【0043】
予混合チャンバ2は、上流端3、下流端4、及び内壁を有する。特定の実施形態では、予混合チャンバ2の少なくとも一部分に、初期は軸方向に対称である先細の収縮ゾーン18が(射出器の下流端の位置より前に)設けられることによって、上流混合チャンバ2のサイズ(例えば、直径)が、予混合チャンバ2の下流端4に向かってオリフィス構成要素5に近づくにつれて小さくなることが更に望ましい場合がある。
【0044】
オリフィス構成要素5は、任意の好適な構成であってよい。いくつかの実施形態では、オリフィス構成要素5は単一の構成要素を備えることができる。他の実施形態では、オリフィス構成要素5は、オリフィス構成要素システムの1つ以上の構成要素を備えてよい。オリフィス構成要素5システムの一実施形態を、図2により詳細に示す。
【0045】
この装置はオリフィス構成要素5を備え、このオリフィス構成要素は、少なくとも1つの第1のオリフィスユニット10及び1つの第2のオリフィスユニット11を備える。
【0046】
図2に示される実施形態では、オリフィス構成要素5はオリフィス構成要素ハウジング19を備える。第1のオリフィスユニット10は、第1のオリフィス13と第1のオリフィスチャンバ14とを備える第1のオリフィスプレート12を備える。一実施形態では、第1のオリフィスユニット10は、第1のオリフィスブラケット15を更に備える。第2のオリフィスユニット11もまた、第2のオリフィス21と、第2のオリフィスチャンバ23と、所望により第2のオリフィスブラケット22と、を備える、第2のオリフィスプレート20を備える。これらの構成要素をより詳細に見ると、オリフィス構成要素ハウジング19は、側壁と、開かれた上流端6と、(第2のオリフィス21のための開口部を除き)実質的に閉じた下流端7と、を有する、ほぼ円筒形の構成要素である。
【0047】
ここで第1のオリフィスユニット10を参照すると、オリフィスチャンバ14は、オリフィスプレート12より上流に位置づけられて、それと流体連通している。第1のオリフィスブラケット15は、第1のオリフィスプレート12に隣接しその上流にあるオリフィス構成要素ハウジング9の中に嵌るサイズ及び構成にされて、第1のオリフィスプレート12をオリフィス構成要素ハウジング9内の定位置に保持する。第1のオリフィスブラケット15は、第1のオリフィスチャンバ14を通る通路を画定する内壁を有する。
【0048】
第2のオリフィスユニット11は、第1のオリフィスユニット10と実質的に同じ構造である。
【0049】
オリフィスユニット10及び11は、オリフィス構成要素5内に直列に配列される。任意の数のオリフィスユニットをオリフィス構成要素5内に直列に配列することができる。各オリフィスプレートは、少なくとも1つのオリフィスを備えることができる。オリフィスは、装置Aを通って液体が流れるのを可能にするという条件のもとで、オリフィスプレート上のあらゆる場所に配置され得る。各オリフィスプレートは、隣接するオリフィスプレートと異なる配向で配置される少なくとも1つのオリフィスを備えることができる。一実施形態では、各オリフィスプレートは、近隣のオリフィスプレートのオリフィスと比較すると中央から外れるように配列された少なくとも1つのオリフィスを備える。一実施形態では、オリフィスプレート内のオリフィスのサイズは、その場で大きく又は小さくして、すなわち、オリフィスプレートを変更又は取り外しすることなく、調整することができる。
【0050】
第1のオリフィスブラケット15及び第2のオリフィスブラケット22は、装置Aの作動中に第1のオリフィスプレートを固定するという条件のもとで、任意の好適な形状又は寸法のものとすることができる。図1及び2は、オリフィスブラケット22の向き及び寸法の例を示す。別の実施形態では、オリフィスブラケット22は、第2のオリフィスプレート20と第1のオリフィスプレート12との間の距離の半分のみ延在してもよい。更に別の実施形態では、第2のオリフィスブラケット22は、第2のオリフィスプレート20と第1のオリフィスプレート12との間の距離の4分の1のみ延在してもよい。
【0051】
一実施形態において、オリフィスプレート12は、それ自体の中心線の周りを90°回転することができるように蝶着される。中心軸は、装置Aの長さに沿って延びる中心線27と垂直であるという条件のもとで、任意の中心軸であり得る。一実施形態では、中心軸は軸線28に沿っていることができる。オリフィス12に自身の中心線の周りを90°移動させることにより、第1のオリフィスチャンバ14及び/又は第2のオリフィスチャンバ23内に蓄積した過剰な材料をより容易に除去することができる。一実施形態では、第1オリフィスブラケット15の寸法及び/又は配向は、第1オリフィスプレート12を回転させるように調節することができる。例えば一実施形態では、第1オリフィスブラケット15は、固定を外し、オリフィスプレート12から予混合チャンバ2へと向かう上流方向に移動させることができる。次いでオリフィスプレート12の固定を外して90°回転させることができる。一旦装置Aを洗浄したら、第1のオリフィスプレート12をその元の動作構成に戻し、次いで、第1のオリフィスブラケット15がある場合は、それをその元の動作位置に戻すことができる。第2のオリフィスプレート20及び存在する任意の追加のオリフィスプレートも枢着されていてよい。第2のオリフィスブラケット22及び存在する任意の他のオリフィスブラケットもまた、第1のオリフィスブラケット15で説明されたやり方で調整可能であってよい。
【0052】
どの2つのオリフィスプレートも、互いに分離されていなければならない。すなわち、近隣のオリフィスプレート同士が接触してはならない。「近隣の」とは、本明細書では、直列している隣のオリフィスプレートを意味する。近隣の2つのプレートが接触していると、オリフィス間での液体の混合が達成できない。一実施形態では、第1のオリフィスプレート12と第2のオリフィスプレート20との間の距離は1mm以上である。
【0053】
オリフィス構成要素5の要素は、実質的に連続した内面を有する壁によって画定されたチャネルを形成する。結果として、オリフィス構成要素5は、要素間に隙間があるとしてもほとんどなく、先行技術の装置より洗浄しやすくなることが可能である。隣接する要素間のどの接合部も、電気研磨法又はラッピングのような機械的な継ぎ目技法によって高度に機械加工されるので、液体はたとえ高圧下でもそのような要素間の継ぎ目に入ることができない。
【0054】
オリフィス要素5及びその構成要素は、任意の好適な材料(単数又は複数)から作製されることができる。好適な材料としては、ステンレス鋼、工具鋼、チタン、焼結炭化タングステン、ダイヤモンド(例えば、バルクダイヤモンド)(天然及び人工)、及びダイヤモンドコーティングされた材料(ただしこれに限定されない)を含む上記材料のいずれかによるコーティングが挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
オリフィス構成要素5及びその要素は、任意の好適なやり方で形成することができる。オリフィス構成要素システム5の要素のいずれも、バルク形態で入手可能である上記の材料の固体片から形成され得る。要素はまた、上記指定の材料のうちの1つの固体片から形成されてもよく、これは、上記指定の1つ以上の異なる材料によってその表面の少なくとも一部分にわたってコーティングされてもされなくてもよい。装置Aは、他の剪断力、乱流、及び/又はキャビテーション装置より低い動作圧を必要とするので、高圧での機械的な及び/又は化学的な磨耗によるその内部要素の浸食は起こりにくくなる。これは、その内部要素にダイヤモンドコーティングのような高価なコーティングが必要ではなくなる可能性を意味する。
【0056】
他の実施形態では、中に第1のオリフィス13及び第2のオリフィス21を有するオリフィス構成要素5は、図2に示されるオリフィス構成要素の構成のような任意の好適な構成を有する単一の構成要素を備えることができる。そのような単一の構成要素は、ステンレス鋼を含むがこれに限定されない任意の好適な材料から作製されてもよい。他の実施形態では、上述のオリフィス構成要素5の2つ以上の要素を単一の構成要素として形成することができる。
【0057】
第1のオリフィス13及び第2のオリフィス21は、単独で、又は何らかの他の構成要素との組み合わせで構成されて、流体を混合する、並びに/あるいは流体中に又は流体の混合物中に剪断力、乱流、及び/又はキャビテーションを生成する。第1のオリフィス13及び第2のオリフィス21は、それぞれ、任意の好適な構成であってよい。好適な構成には、スロット形、眼形、猫目形、楕円形、三角形、正方形、矩形、いずれかの他の多角形の形状、又は円形が挙げられるが、これらに限定されない。
【0058】
ブレード16は、前縁部29を含む前方部分、及び後縁部30を含む後方部分を有する。ブレード16はまた、上面、下面、及び上面と下面との間で測定される厚さを有する。加えて、ブレード16は、一対の側縁部、及びこれらの側縁部間で測定される幅を有する。
【0059】
図1に示されるように、ブレード16が装置Aに挿入されると、ブレード16の後方部分の一部分は、その部分が固定されるように装置内部に締結されるか、ないしは別の方法で接合される。ブレード16は、それが装置内部に接合されることができるように、任意の好適な方式で構成され得る。
【0060】
図1に示されるように、いくつかの実施形態では、装置16は、ブレードホルダー17を備えてもよい。
【0061】
装置Aは、少なくとも1つの出口又は排出口9を備える。
【0062】
装置Aは、1つ以上の追加の入口を備えてもよい。これらの追加の入口は、装置Aのどこに位置づけられてもよく、更なる液体の追加を可能にすることができる。一実施形態では、第2のオリフィスユニットが追加の入口を備える。別の実施形態では、第2の混合チャンバが追加の入口を備える。これは、オリフィス構成要素5を出た液体に、追加される更なる液体を追加することを可能にする。
【0063】
使用と使用との合間に装置Aをより容易に洗浄可能にするように、装置Aの内部には隙間、引っ込んだ場所、及び割れ目が実質的に一切ないことも望ましい。本明細書に記載されている装置Aの一実施形態では、オリフィス構成要素5は、一体式構造物に形成されるいくつかの要素を備える。この一体式オリフィス構成要素5の構造物は、予混合チャンバハウジングにユニットとして嵌るものであり、それを定位置に保持するための支持体ブロックを必要とせず、そのような隙間を排除する。
【0064】
装置A及びそのための構成要素の様々な他の実施形態もまた可能である。ブレードホルダー17は、1つを超えるブレード16を保持するように構成することができる。例えば、ブレードホルダー17は、2つ以上のブレードを保持するように構成することができる。
【0065】
装置B
前記液体を所望の微細構造体に変換するための所定時間の間、装置Aの前記出口9からの流体を装置B内で更なる剪断力及び/又は乱流に供するのが望ましいことを、本出願人らは見出した。前記流体に与えられる剪断力又は乱流は、単位流体量当たりの全運動エネルギーを推定することによって定量化することができる。前記流体に加えられる全運動エネルギーは、単位流体量当たりの運動エネルギーに、流体が導管、ポンプ、及びインライン剪断装置又は乱流装置のそれぞれを流れる滞留時間を掛けた、流体が受ける合計である。)
【0066】
一態様では、装置Bは、補助成分を加えるための1つ以上の入口を備えてもよい。
【0067】
装置Bの一実施形態では、1つ以上の循環ループ系が、装置Aの前記出口9と流体連通する。前記循環ループ系は、直列に配置されてもよく、又は並行に配置されてもよい。装置Aの出口9からの前記流体は、1つ以上の循環ループ系に送り込まれ、該循環ループ系は、1つ以上の循環系ポンプに接続された1つ以上の流体入口、特定の断面積及び長さの1つ以上の循環ループ導管、循環ループ導管から1つ以上の循環ポンプの入口までの1つ以上の連結部、及び循環ループ系導管に接続された1つ以上の流体出口で構成される。所望の滞留時間を達成するためには、1つ以上の導管が必要な場合があることが認識される。据付面積を最小にするために、前記導管の1つ以上の湾曲部又はエルボが有用であり得る。
【0068】
前記循環ループ系の例を図3に示す。装置Aの出口9からの前記流体は、単一循環ループ系に送り込まれ、単一循環ループ系は、循環ループ系ポンプ51と流体連通し、特定の断面積及び長さの循環ループ系導管52と流体連通し、前記循環ループ導管52から前記循環ポンプ51の前記入り口までの連結部53と流体連通する流体入口50と、前記循環ループ導管52と流体連通する流体出口54と、を備える。前記実施形態では、前記流体入口における流量は、流体出口における流量と等しい。前記循環ループ系は、前記循環ループ系に入る又は前記循環ループ系から出ていく入口又は出口における前記流量以上の循環ループ流量を有する。循環ループ系は、循環流量を入口又は出口流量で割ったものと等しい循環流量比によって特徴付けられることができる。
【0069】
前記循環ループ系の実施例は、1つ以上の導管長及び導管径と、流体に剪断力又は乱流を付与するように配置されたポンプと、を有する。循環ループ導管は、前記流体に剪断力又は乱流を付与するための1つ以上の装置と流体連通していてもよく、該装置としては、静的ミキサ、オリフィス、流量制御弁、及び/又はIKA(Staufen)から供給されるもの及び当該技術分野において既知の装置のようなインライン電動ミリング装置が挙げられるが、これらに限定されない。前記導管の1つ以上の湾曲部又はエルボは、所望の運動エネルギー及び滞留時間を提供すると同時に据付面積を最小にするのに有用であることが認識される。前記流体が前記循環ループ系の実施例の中に留まる時間の長さは、前記循環ループ系の全容積を流体入口又は出口流量で割ったものと等しい滞留時間によって定量化され得る。
【0070】
別の実施形態において、装置Bは、直列又は並列のいずれかで配置された1つ以上の連続操作式タンクから形成され得る。装置Aの出口9からの流体は、好適な容量及び形状のタンクと流体連通し、タンクに連続的に送り込まれる。一実施例では、流体は同一流量でタンクから出入りする。前記タンク内における流体の滞留時間は、前記タンク内における流体の容量を入口又は出口の流量で割ったものと等しい。前記タンクは、1つ以上のモータによって駆動される1つ以上のシャフトに取り付けられた1つ以上のインペラからなるミキサなどの1つ以上の撹拌装置を装備していてもよい。撹拌装置はまた、バッチジェットミキサ及びローターステーターミルを含む、例えば、IKA(Staufen,Germany)から供給されるもののような1つ以上のタンク型ミリング装置であってもよい。タンクは、タンク内の混合剪断力又は乱流を強化するために、1つ以上のバッフルを装備していてもよい。タンクは、限定されるものではないが、内部コイル、又は循環冷却若しくは加熱流体を含む壁面噴流を用いて、タンク内の流体温度を制御するための手段で構成されてもよい。
【0071】
タンクはまた、単位流体量当たりの追加の運動エネルギー及び滞留時間を提供する外部循環系を有していてもよい。前記外部循環系は、限定されるものではないが、1つ以上のタンク出口管、1つ以上の電動流体ポンプ、1つ以上の静的剪断装置、1つ以上の電動剪断ミル、流体をタンクに戻す1つ以上の循環入口管(全て流体連通している)で構成されてもよく、直列又は並列に配置され得る。
【0072】
装置Bの別の実施形態では、前記タンクの1つ以上は、流体で充填され、単位流体量当たりの運動エネルギーを所望の滞留時間にわたって付与するための上記の混合及び/又は循環でタンク内に保持され、その後タンクの出口から除去されてもよい。
【0073】
装置Bの別の実施形態では、流体に剪断力又は乱流を所望の滞留時間にわたって付与するために、1つ以上の導管を使用することができる。導管は、限定されるものではないが、任意の順番で直列又は並列に配置される1つ以上の電動流体ポンプ、1つ以上の静的剪断装置、1つ以上の電動剪断ミルと流体連通し得る。所望の滞留時間を達成するためには、1つ以上の長い導管が必要であることが認識される。導管の1つ以上の湾曲部又はエルボは、据付面積を最小にするのに有用であり得る。
【0074】
装置B内の剪断及び乱流中、所望の流体微細構造体を形成するのを助けるために、前記流体に1種以上の任意の補助流体が加えられてもよい。前記流体に対する任意の補助流体の添加は、流体処理業界で周知の方法によって達成され、装置Bの中のあらゆる場所に添加され得る。理論に束縛されるものではないが、1種以上の任意の補助流体は、装置B内の、均一な分散及び該任意の補助流体と前記流体との混合を確実にするポイントにおいて加えられてもよい。上記連続ループ系の実施例における一実施形態では、任意の補助流体は、入口55においてポンプ56を用いて、連続ループポンプ51の入口と流体連通するインジェクタ57に導入され得る。更に、前記任意の補助流体はまた、限定されるものではないが、連続ループ入口50において、及び/若しくは循環ループ導管52の中に、並びに/又は添加ポイントの任意の組み合わせの中に加えられてもよい。
【0075】
装置B内の剪断中、流体の温度は、変換要件(transformation requirements)に応じて制御又は変更され得る。一実施形態では、装置B内の流体温度を変更するのが有用であり得る。前記流体温度の変更は、流体処理業界で周知の方法によって達成され得、熱交換器、パイプジャケット、及び前記流体中への1種以上のより熱い又はより冷たい任意の追加補助流体の注入を非限定的に含み得る。
【0076】
一態様において、装置Aの出口と装置Bの入口との間の流体連通は、必要な変換に応じて、約10分未満、約1分未満、約20秒未満、約10秒未満、約5秒未満、又は約3秒未満の前記流体滞留時間に限定され得る。別の態様では、装置Aの出口と装置Bの入口との間の流体連通は、約0.01秒〜約10分の流体滞留時間に限定され得る。
【0077】
前記装置Bの流体入口及び出口は、1つ以上の他の装置と流体連通状態にあってもよい。これら装置としては、限定されるものではないが、熱交換器などのであるがこれに限定されない前記流体の温度を制御する手段、圧力調整弁及びブースターポンプなどのであるがこれに限定されない装置Bの圧力を制御する手段、濾過装置などのであるがこれに限定されない前記流体から汚染物質を除去する手段、補助成分送達系などのであるがこれに限定されない前記流体に1種以上の補助成分を添加する手段、流量計、圧力計、及び温度計、並びに流量送信機、圧力送信機、及び温度送信機などのであるがこれに限定されないプロセス制御機能をモニタリングする手段、サンプリング弁、並びに洗浄及び衛生化手段が挙げられる。
【0078】
理論に束縛されるものではないが、本出願人らは、装置Bは、所望の流体微細構造体の特性の均一性を確実にするために、各流体体積要素に対して均一で一貫した運動エネルギーを一定時間にわたって付与するように設計されるべきであると考える。
【0079】
流体布地増強活性組成物
流体布地増強活性組成物は、第1の入口1Aを介して装置Aへと導入される。流体布地増強活性組成物は、布地増強活性成分及び溶媒を含む。
【0080】
一実施形態では、布地増強活性成分は、布地増強活性成分組成物の重量の約2重量%〜約100重量%、約10重量%〜約100重量%、約30重量%〜約100重量%、約50重量%〜約100重量%、約75重量%〜約100重量%の濃度で存在する。加えて、布地増強剤は、使用して、ひいては再加工して、改良された流体増強剤製品を形成させることができる。流体布地増強活性組成物は加熱されても加熱されなくてもよい。一実施形態では、流体布地増強組成物の温度は、約15℃〜約100℃、約40℃〜約90℃、又は約70℃〜約85℃である。
【0081】
他の実施形態では、布地増強活性成分は、第四級アンモニウム化合物を含み、一態様では、第四級アンモニウムジエステル化合物を含む。
【0082】
他の実施形態では、布地増強活性組成物は溶媒を含み、一態様では、溶媒は、エタノール及び/又はイソプロパノールを含む群から選択することもできる。
【0083】
他の実施形態では、布地増強活性組成物は油を含み、一態様では、油は、オリーブ油、ココナッツ油、菜種油、パーム油、菜種油を含む群から選択することができる。
【0084】
本発明での使用に好適な布地増強活性成分を以下に詳述する。
【0085】
一実施形態では、布地増強活性成分は、主な活性成分として、次式の化合物を含む:
{R4−m−N−[(CH−Y−R}X (1)
式中、各R置換基は水素、短鎖C〜Cのいずれかであり、一態様では、C〜Cアルキル又はヒドロキシアルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、及びこれに類するものなど、ポリ(C2〜3アルコキシ)であり、一態様では、ポリエトキシ、ベンジル、又はこれらの混合物であり;各mは2又は3であり;各nは1〜約4であり、一態様では、2であり;各Yは−O−(O)C−、−C(O)−O−、−NR−C(O)−、又は−C(O)−NR−であり;各R中の炭素の合計は、Yが−O−(O)C−又は−NR−C(O)−である場合には1を加えてC12〜C22であり、一態様C14〜C20では、各Rはヒドロカルビル、又は不法脇をまったく含まない又は一部含む置換ヒドロカルビル基であり、かつXは増強剤相溶性の任意のアニオンであり、一態様では、塩化物、臭化物、硫酸メチル、硫酸エチル、硫酸塩、及び硝酸塩であり、一態様では、塩化物又は硫酸メチルである;
【0086】
他の実施形態では、布地増強活性成分は次の一般式を有する:
[RCHCH(YR)(CHYR)]X
式中、Y、R、R及びXはそれぞれ、上記と同じ意味を有する。このような化合物には、次式を有するものが挙げられる:
[CH(+)[CHCH(CHO(O)CR)O(O)CR]C1(−) (2)
式中、各Rはメチル又はエチル基であり、一実施形態では、各Rは、C15〜C19の範囲である。本明細書で使用するとき、ジエステルが明記される場合、それは存在するモノエステルを包含することができる。
【0087】
これらの種類の剤及びこれらを製造する一般的方法は、米国特許番号第4,137,180号(Naikら、1979年1月30日発行)に開示され、該当案件は参照として本明細書に組み込まれる。DEQA(2)の一例は、式1,2−ジ(アシルオキシ)−3−トリメチルアンモニオプロパンクロリドを有する「プロピル」エステル第四級アンモニウム系布地増強活性成分である。
【0088】
他の実施形態では、布地増強活性成分は次の式を有する:
[R4−m−N−R]X (3)
(式中、R、R及びXはそれぞれ、上記と同じ意味を有する)。
【0089】
更に別の実施形態では、布地増強活性成分は次の式を有する:
【0090】
【化1】
式中、各R及びRは各々独立してC15〜C17であり、かつC15〜C17は不飽和又は飽和、分岐又は直鎖、置換又は非置換であり、かつXは上記の所定の定義を有する。
【0091】
更に別の実施形態では、布地増強活性成分は次の式を有する:
【0092】
【化2】
(式中、各R、R、及びAは上記で与えられた定義を有し、Rは、C1〜6アルキレン基、一態様では、エチレン基であり、及びGは酸素原子又は−NR−基である)。
【0093】
他の実施形態では、布地増強活性成分は次の式を有する:
【0094】
【化3】
(式中、R、R及びGは上記のように定義される)。
【0095】
他の実施形態では、布地増強活性成分は、脂肪酸とジアルキレントリアミンとの例えば分子量比約2:1の縮合反応生成物であり、この反応生成物は次式の化合物を含有する:
−C(O)−NH−R−NH−R−NH−C(O)−R (6)
式中、R、Rは上記のように定義され、各RはC1〜6アルキレン基であり、一態様ではエチレン基であり、反応生成物は所望により硫酸ジメチルなどのアルキル化剤の添加によって四級化されてもよい。そのような四級化反応生成物は、1994年3月22にUphuesらに発行され、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,296,622号に更に詳細に述べられている。
【0096】
他の実施形態では、布地増強活性成分は次の式を有する:
[R−C(O)−NR−R−N(R)−R−NR−C(O)−R (7)
(式中、R、R、R、R及びAは上記のように定義される)。
【0097】
更に他の実施形態では、布地増強活性成分は、脂肪酸とヒドロキシアルキルアルキレンジアミンとの分子量比約2:1の反応生成物であり、この反応生成物は次式の化合物を含有する:
−C(O)−NH−R−N(ROH)−C(O)−R (8)
式中、R、R及びRは、上記のように定義される。
【0098】
他の実施形態では、布地増強活性成分は次の式を有する:
【0099】
【化4】
式中、R、R、R、及びAは、上記のように定義される。
【0100】
化合物(1)の例は、N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(タローイル−オキシ−エチル)N,Nジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N−(2ヒドロキシエチル)N−メチルアンモニウムメチルスルフェートである。
【0101】
化合物(2)の例は、1,2ジ(ステアロイル−オキシ)3トリメチルアンモニウムプロパンクロリドである。
【0102】
化合物(3)の例は、ジカノーラジメチルアンモニウムクロリド、ジ(ハード)タロージメチルアンモニウムクロリドジカノーラジメチルアンモニウムメチルスルフェート等のジアルキレンジメチルアンモニウム塩である。本発明で使用可能な市販のジアルキレンジメチルアンモニウム塩の例は、Witco Corporationから商品名Adogen(登録商標)472として入手可能なジオレイルジメチルアンモニウムクロリド、及びAkzo Nobel Arquad 2HT75から入手可能なジハードタロージメチルアンモニウムクロリドである。
【0103】
化合物(4)の例は、1−メチル−1−ステアロイルアミドエチル−2−ステアロイルイミダゾリニウムメチルスルファート(式中、Rは非環式脂肪族C15〜C17炭化水素基であり、Rはエチレン基であり、GはNH基であり、Rはメチル基であり、Aはメチルスルファートアニオンである)であり、Witco Corporationより商標名Varisoft(登録商標)として市販されている。
【0104】
化合物(5)の例は、1−タローイルアミドエチル−2−タローイルイミダゾリン(式中、Rは、非環式脂肪族C15〜C17炭化水素基であり、Rはエチレン基であり、GはNH基である)である。
【0105】
化合物(6)の例は、脂肪酸とジエチレントリアミンとのモル比約2:1での反応生成物であり、この反応生成物の混合物は次式のN,N”−ジアルキルジエチレントリアミンを含有する。
−C(O)−NH−CHCH−NH−CHCH−NH−C(O)−R
(式中、R−C(O)は、Henkel Corporationから入手可能なEmersol(登録商標)223LL又はEmersol(登録商標)7021などの、植物又は動物を供給源として得られた市販の脂肪酸のアルキル基であり、R及びRは二価のエチレン基である)。
【0106】
化合物(7)の例は、次式を有するジ脂肪アミドアミン系増強剤である:
[R−C(O)−NH−CHCH−N(CH)(CHCHOH)−CHCH−NH−C(O)−RCHSO
式中、R−C(O)は、Witco Corporationから、例えば商品名Varisoft(登録商標)222LTとして市販されているアルキル基である。
【0107】
化合物(8)の例は、脂肪酸とN−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミンとのモル比約2:1での反応生成物であり、この反応生成物の混合物は次式の化合物を含有する:
−C(O)−NH−CHCH−N(CHCHOH)−C(O)−R
(式中、R−C(O)は、Henkel Corporationから入手可能なEmersol(登録商標)223LL又はEmersol(登録商標)7021などの、植物又は動物を供給源として得られた市販の脂肪酸のアルキル基である)。
【0108】
化合物(9)の例は次式を有するジ四級化合物である:
【0109】
【化5】
(式中、Rは脂肪酸から得られ、化合物はWitco Companyから入手可能である)。
【0110】
本明細書に開示される増強活性剤の組み合わせが、本明細書で使用するのに好適であることが理解されよう。
【0111】
本明細書のカチオン性窒素系塩において、アニオンAは、増強剤に相溶性のある任意のアニオンであり、電気的中性を与える。ほとんどの場合、これらの塩において電気的中性をもたらすために使用されるアニオンは、強酸由来のものであり、特に、塩化物、臭化物、又はヨウ化物のようなハロゲン化物由来のものである。しかし、硫酸メチル、硫酸エチル、酢酸、ギ酸、硫酸、炭酸等の他のアニオンを使用してもよい。塩化物及び硫酸メチルは、アニオンAとして、本明細書では好適であるまた前記アニオンは、Aが半基(half a group)を表す場合、二重電荷を有してもよいが、あまり好ましくない。
【0112】
一部の実施形態では、流体布地増強活性組成物が2つ以上の異なる相、又は多数の相を含むことが望ましい場合がある。異なる相は、1つ以上の流体相、気相、又は固相を含むことができる。流体の場合、流体がキャビテーションのために十分な溶解気体を含有することが望ましいことが多い。好適な流体としては、限定するものではないが、水、油、溶媒、液化ガス、スラリー、及び室温では通常固体である溶融材料が挙げられる。溶融固体材料には、ワックス、有機材料、無機材料、ポリマー、脂肪族アルコール、及び脂肪酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0113】
流体布地増強活性成分はまた、固体粒子を有することもできる。粒子は任意の好適な材料を含むことができる。粒子は、巨視的粒子及びナノ粒子を含む、いずれの好適なサイズであることもできる。これらの粒子は、流体布地増強活性成分中に任意の適切な量で存在させてよい。
【0114】
第2の流体組成物
装置Aは、第2の入口1Bも備える。第2の入口1Bは第2の流体組成物を導入するために使用される。第2の流体組成物は、当該技術分野において既知の流体布地増強組成物中に見出される、流体布地増強活性成分と共に記載される一般的な種類の材料のうちのいずれかを含み得る。それらを以下に例示する。第2の流体組成物は加熱しても加熱しなくてもよい。一実施形態では、第2の流体組成物の温度は、約15℃〜約95℃、約20℃〜約80℃、約40℃〜約80℃又は、約40℃〜約70℃である。
【0115】
第2の流体組成物は、追加の柔軟活性剤、シリコーン、オルガノシリコーン、構造化剤、付着助剤、香料、カプセル化香料、分散剤、安定剤、pH調整剤、着色剤、増白剤、染料、臭気抑制剤、プロ香料、シクロデキストリン、溶媒、汚れ放出ポリマー、防腐剤、抗微生物剤、塩素スカベンジャー、収縮防止剤、布地クリスピング剤、染み抜き剤、酸化防止剤、腐食防止剤、増稠剤、ドレープ及びフォーム調整剤、平滑剤、静電気抑制剤、しわ抑制剤、殺菌剤、消毒剤、細菌抑制剤、白カビ抑制剤、カビ抑制剤、抗ウイルス剤、抗微生物剤、乾燥剤、耐汚染剤、汚れ放出剤、悪臭抑制剤、布地リフレッシュ剤、塩素漂白臭気抑制剤、染料固定材、染料移染阻害剤、色保持剤、色復元/再生剤、抗退色剤、白色増強剤、抗磨耗剤、耐磨耗剤、布地一体化剤、摩耗防止剤、抑泡剤及び消泡剤、すすぎ助剤、UV保護剤、日褪せ阻害剤、防虫剤、抗アレルギー剤、酵素、難燃剤、防水剤、布地快適剤、活水剤、耐収縮剤、耐伸剤、増粘剤、キレート剤、電解質、及びこれらの混合物を含む群から選択される補助成分を含み得る。
【0116】
本発明に使用するのに好適な電解質としては、アルカリ金属及びアルカリ土類金属塩、例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウムから誘導されるものなどが挙げられる。
【0117】
各種供給元から補助成分を購入することができる。例としては、ダウ・コーニングのシリコーン及び消泡剤、BASFのRheovisなどのカチオン性ポリマー、Variquat 1215などのカチオン性界面活性剤、及びEvonikの構造1のファミリーに含まれるカチオン性活性剤、Arch Chemicalの1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン−プロキセルなどの抗菌剤、並びにAldrichなどの化学材料供給会社の各種微量成分が挙げられる。
【0118】
第2の流体組成物のpHは、最終的に得られる流体布地増強組成物のpHが、約1.8〜約5、約2〜約4、約2.5〜約3.5、又は約2.5〜約3.2のpHを有するよう調整されるべきである。このpH範囲は、布地増強活性成分の安定性を上昇させる。
【0119】
第3の流体組成物
装置Bも入口57を備える。入口57は、第3の流体組成物を導入するために使用される。第3の流体組成物は、当該技術分野において既知の流体布地増強組成物中に見出される、流体布地増強活性成分と共に記載される一般的な種類の材料のうちのいずれかを含み得る。それらを以下に例示する。第3の流体組成物は加熱しても加熱しなくてもよい。一実施形態では、第3の流体組成物の温度は、約10℃〜約90℃、約20℃〜約80℃、又は約20℃〜約40℃である。
【0120】
第3の流体組成物は、追加の柔軟活性剤、シリコーン、オルガノシリコーン、構造化剤、付着助剤、香料、カプセル化香料、分散剤、安定剤、pH調整剤、着色剤、増白剤、染料、臭気抑制剤、プロ香料、シクロデキストリン、溶媒、汚れ放出ポリマー、防腐剤、抗微生物剤、塩素スカベンジャー、収縮防止剤、布地クリスピング剤、染み抜き剤、酸化防止剤、腐食防止剤、増稠剤、ドレープ及びフォーム調整剤、平滑剤、静電気抑制剤、しわ抑制剤、殺菌剤、消毒剤、細菌抑制剤、白カビ抑制剤、カビ抑制剤、抗ウイルス剤、抗微生物剤、乾燥剤、耐汚染剤、汚れ放出剤、悪臭抑制剤、布地リフレッシュ剤、塩素漂白臭気抑制剤、染料固定材、染料移染阻害剤、色保持剤、色復元/再生剤、抗退色剤、白色増強剤、抗磨耗剤、耐磨耗剤、布地一体化剤、摩耗防止剤、抑泡剤及び消泡剤、すすぎ助剤、UV保護剤、日褪せ阻害剤、防虫剤、抗アレルギー剤、酵素、難燃剤、防水剤、布地快適剤、活水剤、耐収縮剤、耐伸剤、増粘剤、キレート剤、電解質、及びこれらの混合物を含む群から選択される補助成分を含む。
【0121】
本発明に使用するのに好適なシリコーンはSi−O部分を含み、(a)非官能化シロキサンポリマー、(b)官能化シロキサンポリマー、及びこれらの組み合わせから選択することができる。有機シリコーンの分子量は、通常、物質の粘度を参照することにより示される。一態様において、有機シリコーンは、25℃で約1E−5〜約2m/s(約10〜約2,000,000cSt)の粘度を有し得る。別の態様では、好適な有機シリコーンは、25℃で約1E−5〜約0.8m/s(約10〜約800,000cSt)の粘度を有し得る。
【0122】
本発明に使用するのに好適なオルガノシリコーンは直鎖、分岐鎖又は架橋型であってよい。一態様において、有機シリコーンはシリコーン樹脂を含むことができる。シリコーン樹脂は、高度に架橋したポリマーシロキサン系である。架橋は、シリコーン樹脂の製造中に三官能性及び四官能性シランを一官能性又は二官能性又はその両方のシランと共に組み込むことによって導入される。本明細書で使用するとき、用語SiO「n」/2は、酸素原子とケイ素原子との比を表す。例えば、SiO1/2は、1つの酸素が2つのSi原子間で共有されていることを意味する。同様に、SiO2/2は、2つの酸素原子が2つのSi原子間で共有されていることを意味し、SiO3/2は、3つの酸素原子が2つのSi原子間で共有されることを意味する。
【0123】
特にシリコーン物質及びシリコーン樹脂は、「MDTQ」命名法として当業者に既知の省略命名法のシステムによって便利に同定することができる。このシステム下では、シリコーンは、シリコーンを構成する種々のシロキサンモノマー単位の存在によって記載される。つまり、記号Mは一官能性単位(CHSiO0.5を示し、Dは二官能性単位(CHSiOを示し、Tは三官能性単位(CH)SiO1.5を示し、Qは四官能性単位SiOを示す。単位記号のプライム符号(例えばM’、D’、T’、及びQ’)は、メチル以外の置換基を表し、出てくる度に具体的に定義されなければならない。
【0124】
他の変性シリコーン又はシリコーンコポリマーも本明細書で有用である。これらの例としては、米国特許第6,607,717号及び同第6,482,969号に開示されているシリコーン系第四級アンモニウム化合物(ケナン第四級化合物(Kennan quats));末端第四級シロキサン;米国特許第5,807,956号及び同第5,981,681号に開示されているシリコーンアミノポリアルキレンオキシドブロックコポリマー;米国特許第6,207,782号に開示されている親水性シリコーンエマルション;米国特許第7,465,439号に開示されている1つ以上の架橋した熊手又は櫛型シリコーンコポリマーセグメントから構成されるポリマーが挙げられる。本明細書において有用な更なる変性シリコーン又はシリコーンコポリマーは、米国特許出願公開第2007/0286837(A1)号及び同第2005/0048549(A1)号に記載されている。
【0125】
本発明の代替実施形態において、上で述べられたシリコーン系第四級アンモニウム化合物は、米国特許第7,041,767号及び米国特許第7,217,777号並びに米国特許出願公開第2007/0041929(A1)号に記載されているシリコーンポリマーと組み合わされてもよい。
【0126】
一態様では、オルガノシリコーンは、以下の式(XXIV)を有し得る非官能化シロキサンポリマーを含んでもよく、ポリアルキル及び/又はフェニルシリコーン流体、樹脂並びに/あるいはゴムを含んでもよい。
[RSiO1/2[RSiO2/2[RSiO3/2
式(XXIV)
(式中、
i)各R、R、R及びRは、H、−OH、C〜C20アルキル、C〜C20置換アルキル、C〜C20アリール、C〜C20置換アリール、アルキルアリール、及び/又はC〜C20アルコキシ、部分からなる群から独立して選択されてもよく、
ii)nは、n=j+2となるように約2〜約10、若しくは約2〜約6の整数;又は2であってもよく、
iii)mは、約5〜約8,000、約7〜約8,000、又は約15〜約4,000の整数であってもよく、
iv)jは、約0〜約10、又は約0〜約4の整数、又は0であってもよい)。
【0127】
1つの態様では、R、R及びRは、メチル、エチル、プロピル、C〜C20アルキル、及び/又はC〜C20アリール部分を含んでもよい。1つの態様では、R、R及びRは、それぞれメチルであってもよい。シリコーン鎖の末端をブロックする各R部分は、水素、メチル、メトキシ、エトキシ、ヒドロキシ、プロポキシ、及び/又はアリールオキシからなる群から選択される部分を含んでもよい。
【0128】
1つの態様では、有機シリコーンは、ポリジメチルシロキサン、ジメチコン、ジメチコノール、ジメチコンクロスポリマー、フェニルトリメチコン、アルキルジメチコン、ラウリルジメチコン、ステアリルジメチコン、及びフェニルジメチコンであってもよい。例としては、Dow Corning(登録商標)Corporation(Midland,MI)から入手可能な、DC 200 Fluid、DC 1664、DC 349、DC 346Gという商品名で入手可能なもの、並びにMomentive Silicones(Waterford,NY)から入手可能な、SF1202、SF1204、SF96、及びViscasil(登録商標)という商品名で入手可能なものが挙げられる。
【0129】
1つの態様では、有機シリコーンは、環状シリコーンを含んでもよい。環状シリコーンは、式[(CHSiO](nは、約3〜約7、又は約5〜約6の範囲であってもよい整数である)のシクロメチコンを含んでもよい。
【0130】
1つの態様では、有機シリコーンは、官能化シロキサンポリマーを含んでもよい。官能化シロキサンポリマーは、アミノ、アミド、アルコキシ、ヒドロキシ、ポリエーテル、カルボキシ、ヒドリド、メルカプト、サルフェート、ホスフェート、及び/又は第四級アンモニウム部分からなる群から選択される1つ以上の官能化部分を含んでもよい。これらの部分は、二価アルキレンラジカルを通してシロキサン骨格鎖に直接結合してもよく(すなわち、「ペンダント」)、骨格鎖の一部であってもよい。好適な官能化シロキサンポリマーとしては、アミノシリコーン、アミドシリコーン、シリコーンポリエーテル、シリコーン−ウレタンポリマー、第四級ABnシリコーン、アミノABnシリコーン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質が挙げられる。
【0131】
1つの態様では、官能化シロキサンポリマーは、「ジメチコンコポリオール」とも呼ばれるシリコーンポリエーテルを含んでもよい。一般に、シリコーンポリエーテルは、1本以上のポリオキシアルキレン鎖を有するポリジメチルシロキサン骨格鎖を含む。ポリオキシアルキレン部分を、ペンダント鎖として、又は末端ブロックとしてポリマーに組み込んでもよい。かかるシリコーンは、米国特許出願公開第2005/0098759号、米国特許第4,818,421号、及び同第3,299,112号に記載されている。例示的な市販のシリコーンポリエーテルとしては、DC 190、DC 193、FF400が挙げられ、それらの全ては、Dow Corning(登録商標)Corporationから入手可能であり、様々なSilwet(登録商標)界面活性剤は、Momentive Siliconesから入手可能である。
【0132】
別の態様では、官能化シロキサンポリマーは、アミノシリコーンを含んでもよい。好適なアミノシリコーンは、米国特許第7,335,630 B2号、同第4,911,852号、及び米国特許出願公開第2005/0170994A1号に記載されている。1つの態様では、アミノシリコーンは、米国特許出願第61/221,632号に記載されているものであってもよい。別の態様では、アミノシリコーンは、式(XXV)の構造を含み得る:
[RSiO1/2[(RSi(X−Z)O2/2[RSiO2/2[RSiO3/2
式(XXV)
[式中、
i.それぞれのR、R、R及びRは、H、−OH、C〜C20アルキル、C〜C20置換アルキル、C〜C20アリール、C〜C20置換アリール、アルキルアリール、及び/又はC〜C20アルコキシから独立して選択されてもよく、
ii.各Xは、独立して、2〜12個の炭素原子を含む二価アルキレンラジカル、−(CH)s−(式中、sは約2〜約10の整数である);−CH−CH(OH)−CH−;及び/又は
【0133】
【化6】
から選択されてもよく、
iii.各Zは、−N(R;−
【0134】
【化7】
から独立して選択されてもよく
(式中、各Rは、H、C〜C20アルキルから独立して選択されてもよい;Aは適合性アニオンであってもよい。1つの態様では、Aはハロゲン化物であってもよい)、
iv.kは約3〜約20、又は約5〜約18超、又は更には約5〜約10の整数であってもよく、
v.mは、約100〜約2,000、又は約150〜約1,000の整数であってもよく、
vi.nは、n=j+2になるように、約2〜約10若しくは約2〜約6の整数、又は2であってもよく、
vii.jは、約0〜約10、若しくは約0〜約4の整数、又は0であってもよい。
1つの態様では、Rは−OHを含んでもよい。この態様では、オルガノシリコーンはアミドメチコーンである。例示的な市販のアミノシリコーンとしては、Dow Corning(登録商標)Corporationから入手可能なDC 8822、2−8177、及びDC−949、並びにShin−Etsu Silicones(Akron,OH)から入手可能なKF−873が挙げられる。]
【0135】
一態様では、シリコーンは、次の式を有するランダムである又は分布にむらがある(blocky)有機シリコーンポリマーから選択されてよく、次式を有する:
[RSiO1/2(j+2)[(RSi(X−Z)O2/2[RSiO2/2[RSiO3/2
(式中、
jは0〜約98の整数であり、一態様では、jは0〜約48の整数であり、一態様では、jは0であり、
kは0〜約200の整数であり、一態様では、kは0〜約50の整数であり、k=0の場合、R1、、又はRのうちの少なくとも1つは−X−Zであり、
mは4〜約5,000の整数であり、一態様では、mは約10〜約4,000の整数であり、別の態様では、mは約50〜約2,000の整数であり、
、R及びRは、それぞれ独立して、H、OH、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32又はC〜C32アリール、C〜C32又はC〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリール、C〜C32アルコキシ、C〜C32置換アルコキシ、及びX−Zからなる群から選択され、
各Rは、独立して、H、OH、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32又はC〜C32アリール、C〜C32又はC〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリール、C〜C32アルコキシ、及びC〜C32置換アルコキシからなる群から選択され、
前記アルキルシロキサンポリマーの各Xは、2〜12個の炭素原子を含む置換又は非置換二価アルキレンラジカルを含み、一態様では、各二価アルキレンラジカルは、独立して、−(CH)s−(式中、sは約2〜約8、約2〜約4の整数である)からなる群から選択され、一態様では、前記アルキルシロキサンポリマーの各Xは、−CH−CH(OH)−CH−、−CH−CH−CH(OH)−、及び
【0136】
【化8】
からなる群から選択される置換二価アルキレンラジカルを含み、
各Zは、
【0137】
【化9】
からなる群から独立して選択され、
ただし、Zが第四級アンモニウム化合物である場合、Qはアミド、イミン、又は尿素部分ではあり得ず、
Zに関し、An−は好適な電荷均衡アニオンである。一態様において、An−は、Cl、Br、I、メチルサルフェート、トルエンスルホネート、カルボキシレート、及びホスフェートからなる群から選択され、前記オルガノシリコーンの少なくとも1つのQは、独立して、
【0138】
【化10】
から選択され、
前記有機シリコーンの各追加のQは、H、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32又はC〜C32アリール、C〜C32又はC〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリール、−CH−CH(OH)−CH−R
【0139】
【化11】
からなる群から独立して選択され、
式中、各Rは、独立して、H、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32又はC〜C32アリール、C〜C32又はC〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリール、−(CHR−CHR−O−)−L、及びシロキシル残基からなる群から選択され、
各Rは、独立して、H、C〜C18アルキルから選択され、
各Lは、独立して、−C(O)−R又はRから選択され、
wは0〜約500の整数、一態様では、wは約1〜約200の整数、一態様では、wは約1〜約50の整数であり、
各Rは、独立して、H、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32又はC〜C32アリール、C〜C32又はC〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール;C〜C32置換アルキルアリール、及びシロキシル残基からなる群から選択され、
各Tは、独立して、H、及び
【0140】
【化12】
から選択され、
式中、オルガノシリコーンの各vは、1〜約10の整数であり、一態様では、vは1〜約5の整数であり、前記オルガノシリコーンの各Qの全てのv指数の合計は、1〜約30、又は1〜約20、又は更には1〜約10の整数である)。
【0141】
1つの態様では、有機シリコーンは、アミンABnシリコーン、及び第四級ABnシリコーンを含んでもよい。かかる有機シリコーンは、一般に、ジアミンとエポキシドとの反応によって生成される。これらは、例えば、米国特許第6,903,061 B2号、同第5,981,681号、同第5,807,956号、同第6,903,061号、及び同第7,273,837号に記載されている。これらは、商品名Magnasoft(登録商標)Prime、Magnasoft(登録商標)JSS、Silsoft(登録商標)A−858(全てMomentive Silicones製)として市販されている。
【0142】
別の態様では、官能化シロキサンポリマーは、米国特許出願第61/170,150号に記載されているようなシリコーン−ウレタンを含んでもよい。これらは、商品名SLM−21200(登録商標)としてWacker Siliconesから市販されている。
【0143】
オルガノシリコーンの試料が分析されるとき、かかる試料は、平均して、上記の式(XXIV)及び(XXV)で非整数の指数を有し得るが、かかる平均指数値は、上記の式(XXIV)及び(XXV)の指数の範囲内であることを当業者は理解する。
【0144】
本発明に使用するのに好適な追加の柔軟活性剤としては、非イオン性柔軟剤が挙げられる。非限定的な例としては、化合物、パラフィン、油、脂肪、及びこれらの混合物を含有するエーテル及びポリグリコールが挙げられる。
【0145】
本発明に使用するのに好適な追加の柔軟活性剤としては、アニオン性柔軟剤が挙げられる。非限定的な例としては、アニオン性界面活性剤、脂肪酸、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0146】
本発明に使用するのに好適な追加の柔軟活性剤としては、200℃超の融点を有する固体粉末が挙げられる。非限定的な例としては、スメクタイト、イライト、カオリナイト、緑泥石、及びこれらの混合物の種類に属するクレイが挙げられる。
【0147】
本発明に使用するのに好適な電解質としては、アルカリ金属及びアルカリ土類金属塩、例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニア、及びこれらの混合物から誘導されるものなどが挙げられる。
【0148】
第3の流体組成物のpHは、最終的に得られる流体布地増強組成物のpHが、約2〜約5、約2.5〜約4、又は約2.5〜約3.2のpHを有するよう調整されるべきである。このpH範囲は、布地増強活性成分の安定性を上昇させる。
【0149】
液体布地増強組成物の製造方法
本発明は、布地増強活性成分を含む液体布地増強組成物の製造プロセスであって、次の工程:
−装置Aを用いる工程であって、
該装置100は少なくとも第1入口1A及び第2入口1Bと、予混合チャンバ2であって、上流端3及び下流端4を有し、前記予混合チャンバ2の前記上流端3が前記第1入口1A及び前記第2入口1Bと流体連通している、予混合チャンバ2と、オリフィス構成要素5であって、上流端6及び下流端7を有し、前記オリフィス構成要素の前記上流端6が前記予混合チャンバ2の前記下流端4と流体連通しており、ジェットで液体を噴霧し、かつ液体中に剪断力、乱流、及び/又はキャビテーションを生成するように構成される、オリフィス構成要素5と、前記オリフィス構成要素5の前記下流端7と流体連通している、二次混合チャンバ8と、液体中に剪断力、乱流、及び/又はキャビテーションを生成した後に液体を排出するために前記二次混合チャンバ8と流体連通している少なくとも1つの出口9であって、前記二次混合チャンバ8の前記下流端に位置づけられた、少なくとも1つの出口9と、を備え、前記オリフィス構成要素5は、互いに直列に配置された少なくとも2つのオリフィスユニット10及び11を備え、各オリフィスユニットは、少なくとも1つのオリフィス13を備えるオリフィスプレート12と、前記オリフィスプレート12より上流に位置づけられ、かつ前記オリフィスプレート12と流体連通しているオリフィスチャンバ14と、を備え、近隣のオリフィスプレートは互いに分離されている、装置100を用いる工程と、
−1つ以上の好適な液体揚送装置を前記第1入口1A及び前記第2入口1Bに接続する工程と、
−液体布地増強活性組成物を第1入口1Aに揚送し、かつ第2液体組成物を第2入口1Bに揚送する工程であって、装置の操作圧は、約0.01MPa〜約5MPa(約0.1バール〜約50バール)、約0.1MPa〜約2MPa(約1バール〜約20)、又は約0.1MPa〜約1MPa(約1バール〜約10バール)バールであり、該操作圧は、予混合チャンバ2で測定される液体圧力である、揚送する工程と、
−液体布地増強活性成分及び第2の液体組成物に、所望の流速で装置Aを通過させる工程であって、装置Aを通過するにつれて、本明細書において液体布地増強剤中間体として定義される通りの分散体として一方から他方に分散する、通過させる工程と、
−前記液体布地増強剤中間体に、装置Aの出口から装置Bの入り口を通過させて、液体布地増強剤中間体に装置B内で更に一定時間剪断及び/又は乱流に曝露させる工程と、
−循環ループポンプにより、前記循環ループシステムにおける前記入口での液体布地増強剤中間体の流速と等しいかそれ以上の循環ループ流速で、前記液体布地増強剤中間体に、装置B内を循環させる工程と、(再循環ループを有する、又は有さないタンク、あるいは長導管を採用して、所望の時間にわたって所望の剪断及び/又は乱流を送達することもできる)、
−ポンプ、パイプ接続及びインライン式流体注入器を用い補助流体を添加する工程と(一態様では、限定するものではないが、希釈塩溶液を装置Bに入れて、液体布地増強剤中間体と混合する)、
−所望の微小構造を有する前記液体布地増強組成物を、装置Bへの入口流速と同じ流速で装置Bから排出させる工程と、
−必要に応じて、装置B出口に存在する前記液体布地増強組成物に熱変換器を通過させて、周囲温度へと冷却する工程と、
−プロセスの排出口より、得られる製造された液体布地増強組成物を排出させる工程と、
【0150】
を含む、プロセスである。方法は、別個の流れの形態で、液体形態の布地増強活性成分と、布地増強組成物の他の構成成分を含む第2の液体組成物とを、液体がオリフィス構成要素5を通過するように装置Aの予混合チャンバ2に導入する工程を含む。圧力下で液体形態の布地増強活性成分と第2の液体組成物とにオリフィス構成要素5を通過させる。液体形態の布地増強活性成分と第2の液体組成物とは同様の又は異なる動作圧であることができる。オリフィス構成要素5は、液体布地増強活性成分と第2の液体組成物とを混合するために、並びに/又は剪断力、乱流、及び/若しくはキャビテーションを各液体若しくは液体の混合物に生成するために単独で、あるいは何らかの他の構成要素と組み合わせて構成される。
【0151】
液体は、ポンプ及びポンプに電力を供給するモータの使用(ただしこれに限定されない)を含む、任意の好適な方式によって装置A及びBに供給することができる。ポンプは、所望の動作圧下で液体を装置Aに供給することができる。一実施形態では、「8枠ブロック式マニホールド(8 frame block-style manifold)」を781型Plunger pump(CAT pumpsから入手可能(1681 94th Lane NE,Minneapolis,MN 55449))と共に使用する。
【0152】
従来の剪断力、乱流、及び/又はキャビテーション装置の動作圧は、典型的には約0.69MPa〜69MPa(6.9バール〜690バール)である。動作圧は、予混合チャンバ2内の液体の圧力である。動作圧はポンプによりもたらされる。
【0153】
装置Aの動作圧は、RVS膜を装備したCerphant T PTP35圧力スイッチ(Endress Hauserにより製造(Endress+Hauser Instruments,International AG,Kaegenstrasse 2,CH−4153,Reinach))を用いて測定される。このスイッチを従来のねじ接続(雄ねじは予混合チャンバハウジング内、雌ねじはCerphant T PTP35圧力スイッチ上)を用いて予混合チャンバ2に接続する。
【0154】
装置Aの動作圧は、従来の剪断力、乱流、及び/又はキャビテーション方法よりも低いにも関わらず、従来の装置を用いる方法に見られるものと同程度の液体混合が得られ得る。同様に、同じ動作圧においては、本発明の方法は、従来の剪断力、乱流、及び/又はキャビテーション方法に見られるものよりも良好な混合性をもたらす。一実施形態では、装置Aは、約0.01MPa〜約5MPa(約0.1バール〜約50バール)の操作圧を有する。他の実施形態では、装置Aの操作圧は、約0.025〜約2MPa(約0.25バール〜約20バール)である。更に別の実施形態では、装置Aの操作圧は、約0.05MPa〜約1MPa(約0.5バール〜約10バール)である。装置Aが、所望により、従来の方法で見られるより高い圧力(最高69MPa(690バール))でも動作し得こるとに注目すべきである。
【0155】
布地増強活性成分と第2の液体組成物は、装置Aを通って流れるにつれて、オリフィス構成要素5のオリフィス13及び21を通過する。通過する際これらの液体はオリフィス13及び/又は21から噴出される。この噴出が、布地増強活性成分と第2の液体組成物に剪断力、乱流、及び/又はキャビテーションをもたらし、したがってこれらを他方の中へ分散して、均一な混合物を形成する。
【0156】
従来の剪断力、乱流、及び/又はキャビテーション方法では、液体に高圧力下でオリフィス13及び/又は21を通過させることによりこれらの液体は混合する。液体に直列に配置されたオリフィスを通過させた場合、これと同程度の混合を、高圧による方法と比較してより低い圧力で達成することができる。また等圧では、本発明の方法は、液体を、直列に配置されたオリフィスに通過させることにより、剪断力、乱流、及び/又はキャビテーション方法よりもより良好な液体混合を生じる。
【0157】
所与の体積の液体は、装置A内で任意の好適な滞留時間及び/又は滞留時間分布を有することができる。いくつかの好適な滞留時間には、約1μ秒〜約1秒、又はそれを超えるものが挙げられるが、これらに限定されない。液体は、任意の好適な流速で装置Aを流すことができる。好適な流動率は、約1〜約1,500L/分、若しくはそれを超える範囲であるか、又は約5〜約1,000L/分が挙げられるがこれに限定されない範囲内に入る流動率の任意のより狭い範囲である。
【0158】
装置Bの循環ループ系の例に関しては、循環流速を入口流速で除したものに相当する、循環ループ流速比により、流速を特徴付けるのが便利であることが分かるであろう。所望の布地増強組成物微小構造体を製造する際の循環ループ流速比は、約1〜約100、約1〜約50、及び更には約1〜約20であってよい。循環ループ中の流速により、剪断及び乱流が液体布地増強剤に付与され、液体布地増強剤中間体が所望の分散体微小構造物に変換される。
【0159】
装置Bにおいて前記液体布地増強剤中間体が費やす時間は、前記循環ループ系の総量を前記布地増強剤中間体入り口流量により除したものに相当する滞留時間として定量することもできる。所望の液体布地増強組成物微小構造体を製造する際の前記循環ループ滞留時間は、約0.1秒〜約10分、約1秒〜約1分、又は約2秒〜約30秒であってよい。滞留時間のばらつきは最小化させることが望ましい。
【0160】
前記液体布地増強剤中間体に付与される剪断及び/又は乱流は、単位流体量あたりの総運動エネルギーを見積もることによって定量化することができる。循環ループ系において、装置B中で布地増強剤中間体に付与される単位用量あたりの運動エネルギーは、約10〜1,000,000g/cm s、約50〜500,000g/cm s、又は約100〜約100,000g/cm sであり得る。装置Bを通して流す液体は、任意の好適な流速で流すことができる。好適な流動率は、約1〜約1,500L/分、若しくはそれを超える範囲であるか、又は約5〜約1,000L/分が挙げられるがこれに限定されない範囲内に入る流動率の任意のより狭い範囲である。装置Aは、理想的には装置Bと同時に動作させて連続プロセスを形成する。装置Aで作製された液体布地増強剤中間体は、好適な容器内で保管され、後に装置Bを通して加工される。
【0161】
本方法は、限定するものではないが液体、エマルション、分散液、ゲル及びブレンドが挙げられる多くの異なる種類の布地増強組成物製品を製造するために使用することができる。
【0162】
一実施形態では、得られる布地増強組成物は、室温において液体である。他の実施形態では、得られる布地増強組成物は非常に濃縮されている。本明細書において、出願者らは「非常に濃縮されている」により、布地増強活性成分が、布地増強組成物の50重量%〜90重量%で存在することを意味する。更に他の実施形態では、得られる布地増強組成物は非常に濃縮されており、かつ使用時温度において液体である。用語「液体」は非粘性の液体、粘性の液体、エマルション、分散液、ゲル又はブレンドを包含し得る。得られる布地増強組成物は構造化された液体を包含し得、ここで構造化は、分散液中に存在する粒子によりもたらされる。これらの粒子は任意の形状及び寸法であり得る。
【0163】
当業者は、どの程度の濃度の構成成分を加えれば所望の組成物が得られるかを認識するであろう。
【0164】
本発明の他の態様は、本発明の方法を用いて製造される布地増強剤液体組成物である。液体布地増強組成物は、従来の自動洗濯機に使用することができ、あるいは手洗い用布地増強組成物として使用することもできる。
【0165】
CatSO滴定による布地増強剤の活性評価
Reidら,「Tenside」,Vol.4(1967),pp.292〜304に定義される通り、CatSO滴定により布地増強剤活性を評価した。この方法は、カチオン性及びアニオン性界面活性剤の、染料との錯体形成特性に基づくものである。カチオン性物質による評価は、2相(水性/有機性)滴定法により実施する。既知の過剰なラウリル硫酸ナトリウムを、有機溶媒及び混合指示薬とともにカチオン性サンプルの水性アリコートに加える。過剰量のアニオン性界面活性剤のうちの相当する量と、カチオン性指示染料とが、ラウリル硫酸ナトリウム(アニオン性)及び四級(カチオン性)化合物複合体を形成すると、有機層に可溶性のピンク色の錯体が形成される。この2相系を標準化カチオン性界面活性剤(hyamine 1622)により滴定した場合、最初に、水相中の過剰なアニオン性界面活性剤と反応する。全ての(非錯体型)アニオン性界面活性剤が反応を終えると、hyamineは、予め色素と錯体形成していたアニオン性界面活性剤と反応し始める。遊離染料は水溶性のものである。有機相のピンク色が退色した終点で、すなわち有機層が灰色になった時点で、必要に応じてhyamineを更に滴下することで有機層は青色になり、サンプルは塩基性になり、Hyamineによる滴定が続けられる。この塩基pHで、全てのプロトン化アミンを遊離アミンに変換させ、次に、対応するラウリル硫酸ナトリウムを放出させる。このラウリル硫酸ナトリウムを、次に、前述の通りHyamineにより終点まで滴定する。
【0166】
計算:
【0167】
【数1】
(式中、
T1=カチオン性試薬(Hyamine)(mL)
N1=カチオン性試薬の規定度
B=NaLS標準溶液(mL)
N2=NaLS標準溶液の規定度
0.080=SO3のミリ当量(重量)
W=サンプル重量×アリコート(mL)/希釈容量(mL)
(アリコート中のサンプル重量))
【0168】
粘度
粘度は、ブルックフィールド粘度計のモデルLV−IIを使用して測定する。#2スピンドルを23℃にて60rpmで使用して処方を測定した。スピンドルサイズ及びrpmに基づき、+/−5cpsの誤差が存在する。
【0169】
粒子インデックス
質量あたりの布地増強活性粒子表面積を、粒子インデックス測定値により求める。
【0170】
【数2】
【0171】
流体懸濁物中の粒子のブラウン運動に基づき、レーザー光散乱法を使用し、粒径に対しデータを得る。粒子全体を測定する装置としてはソフトウェアのNanosight NTA 2.2(Nanoparticle Tracking and Analysis、リリース・バージョンbuild 0366)を用いNanosights NS500を使用した。所定の時間にわたって粒子の運動を捕捉し、捕捉された各粒子の平均二乗変位を算出することにより、粒径並びに粒子数を算出することができる。捕捉した各粒子の平均二乗変位の同時測定から、粒子拡散係数(D)及び流体力学半径(r)アインシュタイン・ストークスの式:
【0172】
【数3】
を使用して求めることができる。
はボルツマン定数であり、Tは温度であり、ηは溶媒粘度である。粒子濃度は、視野面積及びレーザービーム深度を元に算出される、推定散乱体積を元に算出する。任意の時点で、捕捉された粒子数を計数することにより、散乱体積あたりの平均濃度を算出することができる。次に、推定散乱体積からサンプル(mL)あたりの平均粒子数を外挿する。次に、サンプル中の布地増強活性成分の重量を元に、アミンに対しこの数を正規化する。布地増強活性成分含量が不明である場合、サンプルは更に解析する必要がある。アミン系布地増強活性成分の活性を得るにあたり、当業者に対する例としては、流体クロマトグラフィー、マススペクトロスコピー、及び核磁気共鳴分光法などの方法のうちの1つ又は組み合わせが挙げられる。低屈折率粒子(多くのアミン系布地増強活性成分など)用の、Nanosights NS500装置の限界近傍にあたるため、低粒径カットオフには50nmを選択する。粒径上限のカットオフの1000nmは、ブラウン運動を用い粒子を正確に補足する技術上の限界に近傍するものである。粒子インデックスサンプルの調製:Nanosights NS500に使用するのに理想的な使用濃度にするには、サンプルを希釈する必要がある。サンプルの希釈には段階希釈を用い、試験の際の粒子数は10/ml〜10/mlとした。希釈には、蒸留及び脱イオン水を使用する。他の装置設定には、カメラのゲイン:680、カメラのシャッター速度:1330、記録時間:90秒、検出限界:30、blur:7×7、最小トラック長:10、予想最小径:50nmを含む。解析を繰り返し、平均位を算出する。Nanosights NS500装置では、粒子数を測定するのにレーザーを使用する。レーザーの種類により、粒子インデックス算出値には影響が生じる場合がある。例えば、新しいレーザーにより測定した場合、粒子インデックス値は、古いレーザーを使用して測定した場合よりも大きく測定される可能性がある。実施例1〜6では、粒子インデックスの測定に古いレーザーを使用した。実施例7〜8に関しては、532nmにて出力75mWを有する新しいレーザーを使用して、粒子インデックス値を生成した。古いレーザーによる値と新しいレーザーによる値とを比較した場合に、平均粒子インデックスの差は50%低くなるものと評価された。本発明の目的に際し、粒子インデックスは、532nmにて75mWのレーザー出力を有するNanosights NS500を使用して測定する。
【0173】
装置Bに対するエネルギー入力値の測定
オプション1(KE/V):
【0174】
【数4】
式中、ρ=材料密度
【0175】
【数5】
式中、
【0176】
【数6】
式中、
【0177】
【数7】
【0178】
滞留時間の計算値
【0179】
【数8】
【実施例】
【0180】
以降の実施例では、向上した粒子インデックスを有する布地増強組成物を製造する際に、どのようにして本発明のプロセスを使用することができるかを例証する。
【0181】
装置Aを使用する全ての例は、連続式流体製造プロセスにおいて、10kg/分の総製造流速にて製造した。加熱した布地増強活性成分、及び補助成分を含有している加熱した脱イオン水を、往復ポンプ(Wakesha Cherry Burrell、Delavan(WI、USA))を使用して、装置A(3オリフィス)を通過させ、装置B(2.5%塩化カルシウム溶液をその中に揚送(Pulsa ECO Gearchem、Rochester、NY、USA)させた遠心ポンプを取り付けた循環ループ(Alpha Laval、Richmond VA、USA))を通過させて供給し、ループ中に注入した。プレート型熱交換器(Alpha Laval,Richmond VA,USA)により流体布地増強組成物を直ちに22℃に冷却した。ポンプを用い、流量計(Emerson MicroMotion or Rosemount,Boulder,CO,USA)からの持続的なフィードバックを受けて連続的にモータ速度を調整し、布地増強活性成分、補助成分を含む脱イオン水、及び2.5%塩化カルシウム溶液を、連続式流体製造プロセスに連続的に供給した。加工中、各入口流の流速、圧力及び温度は監視し、品質を保証した。
【0182】
比較実施例については、装置Aを、3回転子−固定子分散要素を備えたIKAミル(インライン式回転子−固定子ミルモデルDR3−6(IKA Works,Wilmington,NC,USA))に置き換えた。
【0183】
(実施例1)
【0184】
【表1】
【0185】
実施例1から見ることができる通り、本発明の装置A及び装置Bを使用し製造した処方Bは、IKAミルプロセスを使用した処方Aと比較して粒子インデックスが高く、かつ粘度が低い。粒子インデックスが高くなるほど、流体はより効率的に混合されて質量あたりに製造される布地増強剤粒子の表面積はより大きくなることから、これは良好な流体−流体分散体であることの指標となる。
【0186】
(実施例2)
【0187】
【表2】
【0188】
実施例2から見ることができる通り、本発明の装置A及び装置Bを使用し製造した処方Dは、IKAミルプロセスを使用した処方Cと比較して粒子インデックスが高く、かつ粘度が低い。粒子インデックスが高くなるほど、流体はより効率的に混合されて質量あたりに製造される布地増強剤粒子の表面積はより大きくなることから、これは良好な流体−流体分散体であることの指標となる。
【0189】
(実施例3)
【0190】
【表3】
【0191】
実施例3から見ることができる通り、本発明の装置A及び装置Bを使用し製造した処方Fは、装置Aのみを使用した処方Eと比較して粒子インデックスが高く、かつ粘度が非常に低い。低い粘土を有しつつ粒子インデックスが高くなるほど、流体はより効率的に混合されて質量あたりに製造される布地増強剤粒子の表面積はより大きくなることから、これは良好な流体−流体分散体であることの指標となる。
【0192】
(実施例4)
【0193】
【表4】
【0194】
実施例4に見ることができる通り、粒子インデックスは、各種補助成分を使用する処方間で比較することができる。処方G及びHには、同様のIKAミルプロセスを使用したものの、異なる種類の補助成分を添加した。いずれの処方でも、粒子インデックスは同様であった。処方I及びJでは同一の装置A+Bプロセスを使用したものの、異なる種類の補助成分を添加した。いずれの処方でも、粒子インデックスは同様であった。
【0195】
(実施例5)
【0196】
【表5】
【0197】
実施例5に見ることができる通り、粒子インデックスは、布地増強活性成分の濃度が異なるサンプルを比較するのに使用することができる。同様のプロセス条件を使用した場合に、粒子インデックスは、互いに11.3%布地増強活性成分から最大で16.4%活性な布地増強活性成分へと類似する。
【0198】
(実施例6)
【0199】
【表6】
【0200】
実施例6に見ることができる通り、本発明の装置A及び装置Bを使用して製造したサンプルの粒子インデックスは、市販の製品と比較して高かった。
【0201】
(実施例7)
以降の実施例には、Nanosights NS500装置において、古いレーザーの代わりに新しいレーザーを使用したことを除き、これまでの実施例と同様の手順を使用した。Nanosights NS500に使用した新しいレーザーの仕様は、532nmにて出力75mWというものである。
【0202】
【表7】
【0203】
実施例7に見ることができる通り、本発明の装置A及びBを使用して製造した処方Qは、処方Pと比較して粒子インデックスが高かった。
【0204】
(実施例8)
以降の実施例には、Nanosights NS500装置において、古いレーザーの代わりに新しいレーザーを使用したことを除き、これまでの実施例と同様の手順を使用した。Nanosights NS500に使用した新しいレーザーの仕様は、532nmにて出力75mWというものである。
【0205】
【表8】
【0206】
実施例8に見ることができる通り、装置Aにおいて高圧力で実施し、かつ装置Bにおいて高運動エネルギー条件で実施して、本発明の装置A及びBを使用して製造した処方Sは、処方Rと比較して粒子インデックスが高く、かつ粘度が低かった。低い粘土を有しつつ粒子インデックスが高くなるほど、流体はより効率的に混合されて質量あたりに製造される布地増強剤粒子の表面積はより大きくなることから、これは良好な流体−流体分散体であることの指標となる。
【0207】
(実施例9)
実施例1〜6の流体布地増強活性成分処方を使用して、布地を柔軟化する。処方を全自動洗濯機による洗濯物のすすぎ時に使用する。すすぎが完了し次第布地は機械乾燥させるか、又は物干し綱で乾燥させる。
【0208】
(実施例10)
同様に、実施例1〜6の流体布地増強活性成分処方のそれぞれを、各処方を取り囲むフィルムからなる単位用量包装中に入れる。このような投与単位は、洗浄液及び/又はすすぎ液に投与単位を加える事により使用される。すすぎが完了し次第布地は機械乾燥させるか、又は物干し綱で乾燥させる。
【0209】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0210】
本発明の「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に援用するが、いずれの文献の引用もそうした文献が本発明に対する先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。本書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文献における同一の用語の任意の意味又は定義と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0211】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
図1
図2
図3