(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
Wi−Fiホットスポットから信号を受信し、前記Wi−Fiホットスポットからの信号の検出又は検出失敗に応じて、該Wi−Fiホットスポットのステータスの変更を示すロケーション変更情報を、測位受信機のロケーション決定のためにGPSライクな信号を送信する複数のビーコンを有する非セルラ型ビーコンネットワークを通じて送信する第1のリスニングデバイスであって、前記Wi−Fiホットスポットは前記非セルラ型ビーコンネットワークに属していないものである、第1のリスニングデバイスと、
前記Wi−Fiホットスポットから前記信号を受信し、該Wi−Fiホットスポットからの該信号の検出又は検出失敗に応じて前記ロケーション変更情報を送信する第2のリスニングデバイスと
を備えており、
前記第1のリスニングデバイス及び前記第2のリスニングデバイスの一方は、前記複数のビーコンのうちの1つに設けられている、Wi−Fiベースのロケーション決定のためのシステム。
【背景技術】
【0003】
グローバル・ポジショニング・システム(Global Positioning System, GPS)技術は、携帯電話又は移動電話のロケーションを決定するために、携帯電話において広く用いられるようになっている。しかし、GPS技術は、建物の内部及び都市部における密集した建物の谷間では効果が弱まる場合がある。したがって、カバーすることが困難なエリアにおいてGPS技術を支援するために様々な技術が用いられている。Bluetooth(登録商標)及び近距離無線通信(Near-Field Communication, NFC)等の幾つかのシステムを、限られた(例えば短距離の)エリアにおいて用いることができる。Wi−Fiホットスポット等の他のシステムは、Bluetooth又はNFCよりも長い距離を提供することができ、ロケーション決定においてGPSを支援するために広く用いられている。
【0004】
Wi−Fiを用いてGPSを支援する際、Wi−Fiホットスポットの事前のマッピングは、(a)ドライブテスト、又は(b)クラウドソーシングにより行うことができる。(a)のドライブテストの場合、テスト車が道路を走行し、所与のWi−Fiホットスポットのロケーション及び識別子の情報を収集することができる。(b)のクラウドソーシングの場合、これらの処理は、クラウドを形成する移動電話又は携帯電話のユーザによって行うことができる。例えば、移動電話又は携帯電話は、Wi−Fiホットスポットのロケーション及び識別子の情報を収集し、このロケーション及び識別子の情報を、セルラネットワークを通して中央データベース(central database)に送ることができる。その後、中央データベースにおいてこの情報を用いることができる。しかし、(a)ドライブテスト手法及び(b)クラウドソーシング手法の両者には、不都合な点が生じる場合がある。
【0005】
このような不都合な点の例として以下のものが挙げられる。
1.移動電話又は携帯電話のロケーションを決定しようとする当該移動電話又は携帯電話は、Wi−Fiホットスポットの識別子(又は近傍にある複数のホットスポットの識別子)を収集し、次にその(複数の)識別子を、セルラネットワークを通して中央データベースに送信しなければならない場合がある。続いて、中央データベースはロケーションを計算し、それを、セルラネットワークを通して移動電話又は携帯電話に送信する。このプロセスは、セルラネットワークのリソース(例えば、ネットワークの信号通信リソース)を減らしてしまう場合がある。このような利用が増えるにつれて、これはセルラネットワークリソースにとって大きな負荷となる可能性がある。
2.Wi−Fiホットスポットのデータベース(例えば、中央データベース)は、時間とともにメンテナンスをする必要がある場合がある。データベースのメンテナンスがドライブテストを用いて行われる場合、これは手作業であり、煩雑で、コストのかかるプロセスとなる場合がある。メンテナンスがクラウドソーシングを用いて実行される場合は、セルラネットワークリソースが減ってしまう場合がある。
3.クラウドソーシング手法によってプライバシへの懸念が生じる場合がある。このような懸念は、データベース管理者によってある程度は対処することができるが、依然としてプライバシ侵害が起こる可能性がある。
4.これらの手法はいずれも、Wi−Fiホットスポットのロケーションの突然の変更に対処できるものではない。このような変更は、ユーザが通知せずに任意の時点でWi−Fiホットスポットを動かす場合に自然に生じる可能性がある。この問題は、Wi−Fiホットスポットの可搬性が上がるとともに、極めて深刻となる場合がある。これはあまり一般的でないかもしれないが、移動電話又は携帯電話により提供される範囲は送信電力に起因して限定される場合があるため、追加の範囲が得られるようにWi−Fiホットスポットが移動可能であることが想定される。
【発明の概要】
【0006】
幾つかの実施形態によれば、Wi−Fiベースのロケーション決定方法は、データベースが、Wi−Fiホットスポットのロケーションの変更を示すロケーション変更情報を受信するステップを含むことができる。本方法は、ロケーション変更情報をデータベースから測位受信機に送信するステップを含むことができる。本方法を実行するシステムも提供することができる。
【0007】
幾つかの実施形態において、ロケーション変更情報は、非セルラ型ビーコンネットワークを通じてデータベースにより受信及び送信のいずれか又は両方を行うことができる。さらに、ロケーション変更情報は、データベースが測位受信機とは別個のリスニングデバイスから受信することができる。ロケーション変更情報を用いてデータベースを更新した後、このロケーション変更情報をデータベースから送信することができる。付加的に又は代替的に、ロケーション変更情報はデータベースから第1の測位受信機及び第2の測位受信機に送信することができる。
【0008】
幾つかの実施形態によれば、測位受信機を動作させる方法は、測位受信機において、Wi−Fiホットスポットのロケーションの変更を示すロケーション変更情報を受信するステップを含むことができる。本方法は、測位受信機の位置を、ロケーション変更情報と、非セルラ型ビーコンネットワークを用いて測位受信機が受信する測位信号とのうちの一方を用いて計算するステップを含むことができる。本方法を実行する測位受信機も提供することができる。
【0009】
幾つかの実施形態において、本方法は、測位受信機が、より高い信頼度を、ロケーション変更情報において有するか、又は非セルラ型ビーコンネットワークを用いてこの測位受信機が受信する測位信号において有するかを判断するステップを含むことができる。このため、測位受信機の位置を計算するステップは、ロケーション変更情報と、非セルラ型ビーコンネットワークを用いて測位受信機が受信する測位信号とのうちの、測位受信機がより高い信頼度を有する一方を用いて、測位受信機の位置を計算するステップを含むことができる。さらに、ロケーション変更情報を受信するステップは、測位受信機において、非セルラ型ビーコンネットワークを通じてロケーション変更情報を受信するステップを含むことができる。
【0010】
幾つかの実施形態によれば、Wi−Fiベースのロケーション決定方法は、データベースにおいて、非セルラ型ビーコンネットワークを通じてWi−Fiホットスポットに関するロケーション情報及び識別子情報のいずれか又は両方を受信するステップを含むことができる。本方法は、データベースから測位受信機へ、Wi−Fiホットスポットに関するロケーション情報及び識別子情報のいずれか又は両方を送信するステップを含むことができる。本方法を実行するシステムも提供することができる。
【0011】
幾つかの実施形態において、ロケーション情報及び識別子情報のいずれか又は両方を送信するステップは、データベースから測位受信機へ、非セルラ型ビーコンネットワークを通じて、Wi−Fiホットスポットに関するロケーション情報及び識別子情報のいずれか又は両方を送信するステップを含むことができる。Wi−Fiホットスポットに関するロケーション情報及び識別子情報のいずれか又は両方を用いてデータベースを更新した後、ロケーション情報及び識別子情報のいずれか又は両方を送信することができる。付加的に又は代替的に、Wi−Fiホットスポットに関するロケーション情報及び識別子情報のいずれか又は両方をデータベースから第1の測位受信機及び第2の測位受信機に送信することができる。さらに、ロケーション情報及び識別子情報のいずれか又は両方を受信するステップは、データベースにおいて、測位受信機とは別個のリスニングデバイスからWi−Fiホットスポットに関するロケーション情報及び識別子情報のいずれか又は両方を受信するステップを含むことができる。ロケーション情報及び識別子情報のいずれか又は両方は、Wi−Fiホットスポットのロケーションの変更を示すものとすることができる。
【0012】
幾つかの実施形態によれば、Wi−Fiベースのロケーション決定のためのシステムは、Wi−Fiホットスポットから信号を受信するリスニングデバイスを含むことができる。リスニングデバイスは、Wi−Fiホットスポットからの信号を検出するか又は検出失敗に応じて、Wi−Fiホットスポットのステータスの変更を示すロケーション変更情報を、非セルラ型ビーコンネットワークを通じて送信するように更に構成することができる。
【0013】
幾つかの実施形態において、リスニングデバイスは、Wi−Fiホットスポットからの信号の強度を検出し、Wi−Fiホットスポットからの信号の強度に応じてWi−Fiホットスポットのステータスの変更を判断するように構成することができる。さらに、システムは、リスニングデバイスから非セルラ型ビーコンネットワークを通じてロケーション変更情報を受信するデータベースを備えることができる。データベースは、Wi−Fiホットスポットのステータスの変更を示すロケーション情報及び識別子情報のいずれか又は両方を測位受信機に送信するように構成することもできる。測位受信機は、データベースから非セルラ型ビーコンネットワークを通じてロケーション変更情報を受信するように構成することができる。
【0014】
幾つかの実施形態において、ロケーション変更情報は、Wi−Fiホットスポットのロケーションの変更を示すことができる。測位受信機は、ロケーション変更情報と、非セルラ型ビーコンネットワークを用いて測位受信機が受信する測位信号とのうちの一方を用いて、測位受信機の位置を計算するように構成することができる。測位受信機は、より高い信頼度を、ロケーション変更情報において有するか、又は非セルラ型ビーコンネットワークを用いてこの測位受信機が受信する測位信号において有するかを判断するように構成することができる。測位受信機は、ロケーション変更情報と、非セルラ型ビーコンネットワークを用いて測位受信機が受信する測位信号とのうちの、測位受信機がより高い信頼度を有する一方を用いて測位受信機の位置を計算するように構成することができる。
【0015】
幾つかの実施形態において、システムは、Wi−Fiホットスポットから信号を受信し、Wi−Fiホットスポットからの信号を検出するか又は検出失敗に応じて、ロケーション変更情報を送信する第1のリスニングデバイス及び第2のリスニングデバイスを備えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の具体的で例示的な実施形態を、添付の図面を参照して説明する。しかし、本発明は様々な異なる形式で実施することができ、本明細書において示す実施形態に限定されるものと解釈されるべきでない。むしろ、これらの実施形態は、本開示内容が徹底した完全なものとなり、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるものとなるように提供される。図面において、同様の符号は同様の要素を指す。ある要素が別の要素に「接続されている」、「結合されている」又は「応じる」と言う場合、前記ある要素は前記別の要素に直接的に接続、結合又は応答することもできるし、介在する要素が存在していてもよいことが理解されよう。さらに、「接続されている」、「結合されている」又は「応じる」とは、本明細書において、無線による接続、結合又は応答を含む。
【0018】
本明細書において用いられる用語は、特定の実施形態を説明することだけを目的としており、本発明の限定を意図するものではない。本明細書において、単数形「a」、「an」、「the」は、特に明示のない限り、複数形をも含むことが意図されている。本明細書において用いられる場合、用語「含む(include)」「備える、含む(comprise)」、「含んでいる(including)」及び/又は「備えている、含んでいる(comprising)」は、述べられている特徴、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するが、1以上の他の特徴、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を除外するものではないことが更に理解されよう。本明細書において用いられるとき、「及び/又は」という用語は、関連する列挙された1以上の項目のうちの任意のもの及びそれらの全ての組み合わせを含む。また、「/」というシンボルは、「及び/又は」の略記として用いられる。
【0019】
他に定めのない限り、本明細書において用いられる全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者により一般に理解される意味と同じ意味を有する。一般に用いられる辞書において定義される用語等の用語が、関連する技術分野及び本開示での意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書において、理想化された、又は過度に形式張った意味で明確に定義される場合を除き、そのような意味で解釈されることにはならないことが更に理解されよう。
【0020】
「第1の(first)」及び「第2の(second)」という用語は、種々の要素を述べるために本明細書で使用される場合があるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきでないことが理解されるであろう。これらの用語は、ある1つの要素と別の要素を区別するために使用されるだけである。このため、本発明の教示から逸脱することなく、以下で第1の要素は第2の要素と呼ぶことができ、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。
【0021】
本発明は、本発明の実施形態による方法及びシステムのブロック図及びフローチャートを参照しながら以下に部分的に説明する。ブロック図及び/又はフローチャートの1以上の所与のブロックは、方法及び/又はシステムのサポートを与える。
【0022】
幾つかの代替の実施態様では、フローチャートにおいて言及される機能/動作が、フローチャートにおいて言及された順序に反して行われる場合があることにも留意されたい。例えば、連続して示される2つのブロックは実際には実質的に同時に実行される場合もあるし、関与する機能/動作によっては、それらのブロックは逆の順序で実行される場合もある。最後に、1以上のブロックの機能は、他のブロックの機能から切り離すこともできるし、及び/又は他のブロックの機能と組み合わせることもできる。
【0023】
本明細書に記載のシステム及び方法は、ローカルエリアネットワークを利用したロケーション決定(例えば、Wi−Fiを利用したロケーション決定)に関連する様々な問題をどのように緩和するかに対処するものである。例えば、本明細書に記載の処理は以下の3つの要素を含むことができる。
(1)Wi−Fiホットスポット(例えば、個人、法人、公衆及び/又はプライベートのWi−Fiホットスポット)に関するデータ収集
(2)Wi−Fiホットスポットに関するデータベースから、1以上の測位受信機(positioning device)(例えば、データベースと通信することが可能な移動電話、携帯電話又は任意の他のポータブル電子デバイス)に対する情報の送信
(3)(複数の)各測位受信機におけるロケーション決定の実行又は処理
【0024】
さらに、広域測位システム(Wide Area Positioning System)(又は広域位置特定サービス(Wide Area Position-location Service))(WAPS)等の他の技術が登場している。WAPSネットワーク又はシステムにおいて、ビーコンが地理的エリアに置かれ、GPSのような信号を送信する。これらの信号は、様々なポータブル電子ユーザデバイス(携帯電話を含む)のロケーション決定のために用いることができる。本明細書に記載の動作は、WAPSネットワーク又はシステムの有無に関わらず用いることができる。
【0025】
続いて
図1を参照すると、地上ベース(terrestrial-based)の測位受信機101(例えば、「地上受信機」又は「測位受信機(positioning device)」)が地理的エリア102内に示されている。測位受信機101は、様々なタイプのポータブル電子ユーザデバイス(移動電話又は携帯電話、及び電話機能を有しないユーザデバイスを含む)のうちの1つ(又はその一部)とすることができる。測位受信機101は、地理的エリア102内の任意の場所に位置することができ、特に、建物内又は他の影になったロケーション等の、衛星受信がうまくできないエリアに位置する場合がある。
図1は単一の測位受信機101を示しているが、複数の測位受信機101が地理的エリア102内に位置することができる。幾つかの実施形態では、地理的エリア102内に数百、数千、又はそれより多くの測位受信機101が位置することができる。
【0026】
さらに、(複数の)測位受信機101は、地理的エリア102内の1以上のWi−Fiホットスポット121〜123と通信することができる。
図1は3つのWi−Fiホットスポット121〜123を示しているが、当業者であれば、より多くの又はより少ないWi−Fiホットスポットを含む地理的エリアを理解するであろう。さらに、Wi−Fiホットスポット121〜123から送信される信号を検出/報告する1以上のリスニングデバイス(Listening Device, LD)104を地理的カバーエリア102内の様々なロケーションに配置することができる。
【0027】
さらに
図1には、ビーコン111〜115を含む地上ベースのビーコンネットワーク(Terrestrial-based Beacon Network, TBN)も示している。さらに、コントローラ103は、ビーコン111〜115のうちの1以上からの送信を制御することができる。コントローラ103は、ビーコン111〜115のうちの1以上の外部/内部に設けることができる。
図1は5つのビーコン111〜115を示しているが、当業者であれば、より多くの又はより少ないビーコンを含むTBNを理解するであろう。さらに、幾つかの実施形態では、ビーコン111〜115を含むTBNは、WAPSネットワークの一部とすることができる。
【0028】
複数のビーコン111〜115は、地理的エリア102をカバーし、地理的エリア102内の測位受信機101に測位信号(positioning signal)を提供することができる。幾つかの実施形態では、測位受信機101はGPS受信機を含むことができ、ビーコン111〜115はGPS受信機にGPSロケーション特定の支援を提供することができる。ビーコン111〜114等のビーコンのうちの多くは、地理的エリア102の境界又は境界近くに位置することができる。さらに、ビーコン115等の幾つかのビーコンは地理的エリア102の十分内部に位置することができる。
【0029】
[1.Wi−Fiホットスポットに関するデータ収集]
地理的エリア102内のWi−Fiホットスポットに関するデータ収集は、ドライブテスト、クラウドソーシング及びリスニングデバイス(例えばLD104)の組合せを用いて行うことができる。LD104は、地理的エリア102内の様々なロケーションに設置することができる。LD104のロケーションは、Wi−Fiホットスポットが移動したかどうかを判断するためのリアルタイム情報を提供できるようにするために分散させることができる。例えば、
図1は、ビーコン111の一部であるLD104と、ビーコン111〜115から切り離された別のLD104とを示している。LD104は、全方向アンテナを用いることができるか、又は指向性/スマートアンテナを用いて、リスニング可能な距離を増加させることができる。また、リスニング可能な距離が大きい場合は、地理的エリア102内に展開されるLD104の数を減らすことができる。
【0030】
Wi−Fiホットスポットの状態の変更を検出する1つの例は、Wi−Fiホットスポット(例えば
図1に示したWi−Fiホットスポット123)が動いたことを、該Wi−Fiホットスポット123から検出される信号強度の変化に基づいて判断することである。検出される信号強度の変化は、Wi−Fiホットスポット123からの信号を過去に検出したLD104において、Wi−Fiホットスポット123から検出された信号が一切存在しないということなどにより示すことができる。あるいは、検出される信号強度の変化は、LD104において検出されるWi−Fiホットスポット123からの信号強度の低減(ただし全く存在しないわけではない)によって示すことができる。さらに、検出される信号強度の変化は、LD104においてWi−Fiホットスポット121から検出される信号強度に対する、Wi−Fiホットスポット123から検出される信号強度の変化によって示すことができる。他の例では、Wi−Fiホットスポット123が別のLD104(すなわち、Wi−Fiホットスポット123を過去に検出していなかったLD104)によって検出された場合に、Wi−Fiホットスポット123が移動したと判断することができる。Wi−Fiホットスポット123の状態のこのような変更は、中央のロケーション(例えばWi−Fiホットスポット121〜123のための中央データベース(central database)105)に報告される。
【0031】
様々な実施形態によれば、変更のみが中央データベース105に報告される。つまり、Wi−Fiホットスポット123が動いたか否かに関わらずステータスを繰り返し送信するのではなく、Wi−Fiホットスポット123のステータスの変更のみを送信することによって、(例えば、変更の報告に用いられるWAPS/セルラ/他のネットワークの)ネットワーク信号通信の容量を節約することができる。
【0032】
さらに、Wi−Fiホットスポットの情報を収集及び報告/送信するこれらの動作は、ドライブテスト及び/又はクラウドソーシングと合わせて用いることができる。さらに、これらの動作は、地理的エリア全体(例えば、地理的エリア102の全体)にわたって、又は重大な問題が予期されるエリア(すなわち、Wi−Fiホットスポット123の経時的なロケーション変更が予期されるエリア)のみにわたって用いることができる。
【0033】
さらに、クラウドソーシングは、WAPSシステム(例えばビーコン111〜115等のビーコンを用いるWAPSシステム)と組み合わせて用いることができる。WAPSシステムは、GPSが建物内又は建物の谷間にある測位受信機101のロケーションを提供できない場合であっても、それを行うことができる場合がある。クラウドソーシングを用いて、WAPS機能を備えた携帯電話(又は他の可搬型電子ユーザデバイス)は、Wi−Fiホットスポット(例えばWi−Fiホットスポット123)のロケーションが変わったかどうかを判断/検出し、そのような変更を、WAPSシステムを通じて中央データベース105に報告することができ得る。携帯電話は、Wi−Fiホットスポット123の信号強度/識別子を、自己のロケーションとともに、WAPSシステムから中央データベース105に送信することもでき得る。したがって、クラウドソーシングのために用いられる携帯電話は、Wi−Fiホットスポットに関する情報を、セルラシステムのネットワークリソースを用いて送信するのではなく、WAPSシステムを通じて該情報を送信することができる。
【0034】
WAPSを備えたデバイス(例えば携帯電話及び他の可搬型電子デバイス)は、自己のロケーションを(例えば、WAPSネットワーク/システムによって送信される測位信号を用いて)求めることができる。しかし、ロケーション決定にあたりWi−Fiホットスポットが依然として有用である場合がある。その理由は、WAPSビーコンのロケーション及びトポロジによっては、ロケーション決定のためのWi−Fiホットスポットベースの方法がWAPS方法単独よりも正確である場合があるからである。したがって、位置及びロケーションの決定に関し最良の結果を得るために両方法を用いることが有用な場合がある。
【0035】
[2.Wi−Fiホットスポットに関するデータベースから測位受信機に向けた情報の送信]
中央データベース105、LD104、及び/又は遠隔の携帯電話(又は他の可搬型電子ユーザデバイス)が、Wi−Fiホットスポットのロケーションのステータスが変わったと判断した場合は、このステータス変更を、自己の位置の計算(position location calculation)を行う全ての測位受信機101に伝える必要がある。つまり、測位受信機101自体が、中央データベース105から送信されたステータス変更の情報を用いて自己の位置の計算をすることができる。Wi−Fiホットスポットのロケーションのステータス変更の通信は、(測位受信機101ではなく)中央データベース105が位置の計算をする場合に必須ではない場合があるが、ステータス変更のこのような通信は、本明細書に記載の動作を最大限に活用するのに役立つ場合がある。同じことが、クラウドソーシングがWAPSとともに用いられ、ネットワーク信号通信の容量を節約するために携帯電話(又は他の可搬型電子ユーザデバイス)から中央データベース105に変更のみが送信される場合にもいえる。
【0036】
[3.位置の計算]
携帯電話(又は別の可搬型電子ユーザデバイス)は、Wi−Fiホットスポットのロケーション及び識別子をそのメモリ内に記憶することができる。例えば、測位受信機101は、Wi−Fiホットスポット121〜123のロケーション及び識別子をメモリ内に記憶することができる。この情報は最新であるとみなされる。その理由は、Wi−Fiホットスポット121〜123のロケーションの任意の変更が、ブロードキャストチャネルを通じてか、携帯電話ネットワークを通じてか、又はインターネット等の何らかの他の方法により、リアルタイムで全ての測位受信機101に送信されるからである。
【0037】
Wi−Fiホットスポットのロケーション及び識別子の情報とともに、「良好度(goodness)」(例えば、正確度、信頼度)の行列(又はマトリックス)を測位受信機101に記憶することができる。この良好度行列は、ドライブテストを用いて、又はWAPS技術における信頼度がより大きい場合にはWAPS技術を用いて求めることができる。「良好度」はロケーションの正確度の観点で定義することができる。換言すれば、その目的は、測位受信機101のロケーションのための最も正確な位置決定(fix)を得ることである。測位受信機101は、あるWi−Fiホットスポット(例えばWi−Fiホットスポット123)に関連するロケーション情報の「良好度」を、WAPS等の別の方法に関連する「良好度」と比較することができる。測位受信機101は、最大の信頼度を有する方法を選択する。選択される方法は、測位受信機101が中央データベース105に情報を送信することを必ずしも必要とするわけではなく、中央データベース105がロケーションを計算して、そのロケーションを、セルラネットワークを通じて測位受信機101に返送することを必ずしも必要とするわけでもない。
【0038】
続いて
図2A〜
図2Dを参照する。本明細書に記載の様々な実施形態による、Wi−Fiベースのロケーション決定の性能を改善する処理を示すフローチャートが提供される。
図2Aに示しているように、本処理は、Wi−Fiホットスポットに関するロケーション情報及び/又は識別子(例えば、モデル番号、製造者名、モデル/デバイス名、所有者名等)の情報を収集するステップ(ブロック205)を含む。例えば、リスニングデバイス104、クラウドソーシング、及び/又はドライブテストに関して本明細書に記載の手法を用いて、Wi−Fiホットスポット121〜123のうちの1以上に関するロケーション及び/又は識別子の情報を収集することができる。
次に、この情報は、(例えばビーコン111〜115のうちの1以上を介して、又は別のネットワークを介して)中央データベース105へと送信することができる(ブロック215)。
この情報を用いて中央データベース105を更新した後、この情報を、中央データベース105から測位受信機101のうちの1以上へと送信することができる(ブロック225)。
【0039】
図2Aに示したブロック205と、
図2Aのブロック215及び225のそれぞれの変更形態であるブロック215’及び225’とを
図2Bに示している。特に、
図2Bのブロック215’は、様々な実施形態によれば、中央データベース105に対する情報の送信を、その情報に関する変更(おそらく変更のみ)を送信することによって行うことができることを示している。例えば、変更は、Wi−Fiホットスポット123に関する情報を、該Wi−Fiホットスポット123に関する、(例えば、LD104のうちの1以上において)過去に記憶された情報と比較することによって検出することができる。また、ブロック215’は、Wi−Fiホットスポット123のステータスの変更を、非セルラ型ビーコンネットワークを通じて(例えばビーコン111〜115のうちの1以上を通じて)送信することができることを更に示している。そのため、セルラネットワーク信号通信の容量は、他の使用(例えば、通話及び/又はインターネットデータ)のために確保することができる。
さらに、
図2Bのブロック225’は、中央データベース105から測位受信機101に変更を送信することを示している。さらに、
図2Bは「複数の変更(changes)」を示しているが、Wi−Fiホットスポット123のロケーションについて検出された単一の変更を中央データベース105に報告し(ブロック215’)、中央データベース105から測位受信機101に送信する(ブロック225’)ことができることも理解されよう。
【0040】
図2Cには、
図2Bに示したブロック205及び215’を示している。さらに、ブロック225’’を示しており、これは
図2Bのブロック225’の変更形態である。特に、
図2Cのブロック225’’は、セルラネットワークではなくビーコンネットワークを通じて(例えばWAPSビーコンとすることができるビーコン111〜115のうちの1以上を用いて)中央データベース105から測位受信機101に変更を送信することができることを示している。あるいは、様々な実施形態によれば、中央データベース105からセルラネットワークを通じて測位受信機101に変更を送信することができる。
【0041】
図2Dには、
図2Cに示したブロック205〜225’’とブロック235とを示している。特に、
図2Dにおけるブロック235は、中央データベース105から提供される、(例えばWi−Fiホットスポット123に関する)更新されたロケーションステータスを用いた測位受信機101の位置の計算を示している。様々な実施形態によれば、測位受信機101自体が、この更新されたロケーションステータス情報を用いて自己の位置を計算することができる。付加的に又は代替的には、測位受信機101は、Wi−Fiホットスポット123のロケーションに関わらず、(WAPSネットワークの一部とすることができる)ビーコン111〜115のうちの1以上から該測位受信機101に対して直接的に提供される測位信号(例えば、GPSライクな測位信号)においてより高い信頼度を有していることを、(例えば本明細書に記載の良好度行列を用いて)判断することができる。
【0042】
したがって、本明細書に記載の様々な処理によれば、以下を含む幾つかの利点が提供されうる。
1.セルラネットワークにおける信号通信容量の確保
2.より高速なロケーション決定
3.より少ない送信と、より短い位置計算時間(time to find fix, TTFF)とによる、測位受信機101のバッテリ電力の確保
4.測位受信機101におけるWAPS方式との組み合わせ可能性
5.WAPSネットワーク自体を用いてWi−Fiホットスポットのステータス(すなわちロケーション)の変更を報告することができ、これによりステータス変更を報告するにあたり携帯電話ネットワークを用いる必要がなくなる。これは、Wi−Fi接続及び/又はインターネット接続を有するものの、セルラネットワーク機能のない測位受信機101の場合に有用な可能性がある。
6.あるいは携帯電話機能を有する測位受信機101が、Wi−Fiホットスポットのカバーエリア内又はWAPSネットワークのカバーエリア内にあるものの、セルラネットワークのカバーエリア内にないときに、これは有用な可能性がある。
【0043】
本明細書において、上記の説明及び図面に関連して種々の異なった実施形態を開示した。これらの実施形態の全ての組合せ及び部分的な組合せをそのまま説明して図示することは、過度に繰返しが多くわかりにくいものとなることが理解されよう。したがって、図面を含む本明細書は、本明細書に記載の実施形態並びにそれらを作り、用いる方式及びプロセスの全ての組合せ及び部分的な組合せに関する完全な明細書を構成するものとして解釈され、任意のそのような組合せ又は部分的組合せに対する特許請求の範囲をサポートするものである。
【0044】
図面及び明細書に、本発明の例示的な実施形態が開示されている。特定の用語を使用しているものの、それらの用語は、一般的かつ説明的な意味でのみ用いており、限定を目的として用いているわけではない。本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲により定められる。