(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6309619
(24)【登録日】2018年3月23日
(45)【発行日】2018年4月11日
(54)【発明の名称】コンパクトシールド車載用レーダモジュールおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01S 7/03 20060101AFI20180402BHJP
H05K 9/00 20060101ALI20180402BHJP
G01S 13/93 20060101ALI20180402BHJP
H01Q 1/32 20060101ALI20180402BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20180402BHJP
【FI】
G01S7/03 246
H05K9/00 C
G01S7/03 220
G01S13/93 220
H01Q1/32 Z
B60R16/02 610A
【請求項の数】20
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-517564(P2016-517564)
(86)(22)【出願日】2014年10月1日
(65)【公表番号】特表2017-501371(P2017-501371A)
(43)【公表日】2017年1月12日
(86)【国際出願番号】US2014058632
(87)【国際公開番号】WO2015050994
(87)【国際公開日】20150409
【審査請求日】2016年3月25日
(31)【優先権主張番号】61/885,364
(32)【優先日】2013年10月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598122843
【氏名又は名称】オートリブ エー・エス・ピー・インク
(74)【復代理人】
【識別番号】110000349
【氏名又は名称】特許業務法人 アクア特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】503175047
【氏名又は名称】オートリブ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ メルスマン バーナード
(72)【発明者】
【氏名】レオン リチャード
【審査官】
安井 英己
(56)【参考文献】
【文献】
特表2006−514809(JP,A)
【文献】
特開平11−312998(JP,A)
【文献】
特開2000−228608(JP,A)
【文献】
特開2004−325160(JP,A)
【文献】
特開平7−104052(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第1890526(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00− 7/42,
G01S 13/00−13/95,
H01Q 1/32,
H05K 5/00,9/00,
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載用レーダモジュールにおいて、
ハウジングと、
前記ハウジングに実装されたプリント回路基板(PCB)であって、高周波(RF)電子部品が実装された第1側とデジタル電子部品が実装された第2側とを有する前記PCBと、
前記PCBの第1側に実装された電磁干渉(EMI)シールドと、
前記EMIシールド上に実装されたレドームとを備え、
前記EMIシールドは、該EMIシールドの主表面に開けられた少なくとも1つの開口部であって、前記PCBの第1側の前記RF部品の少なくとも一部を露出させる開口部を備え、
前記レドームは、前記EMIシールドの前記少なくとも1つの開口部内に突出する少なくとも1つの突出部を備え、
前記レドームの前記少なくとも1つの突出部、および、前記EMIシールドの前記少なくとも1つの開口部の側壁は、前記PCBの第1側の前記RF部品の一部の上方にシールド領域を規定し、
前記少なくとも1つの開口部の側壁は、前記EMIシールドの主表面の平面に対して鋭角をなすように延びていて、該鋭角の値が前記レーダモジュールのEMIシールド用の目標放射線の周波数および/またはパワーレベルに基づいて選択されることで前記開口部の大きさが最大化され、EMIシールド性能が強化されることを特徴とする車載用レーダモジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の車載用レーダモジュールにおいて、前記PCBおよび前記EMIシールドは、前記ハウジングに形成された複数のヒートステークポストで前記ハウジングに実装されることを特徴とする車載用レーダモジュール。
【請求項3】
請求項1に記載の車載用レーダモジュールにおいて、前記ハウジングは、プラスチックで形成されていることを特徴とする車載用レーダモジュール。
【請求項4】
請求項3に記載の車載用レーダモジュールにおいて、前記プラスチックは、導電性であることを特徴とする車載用レーダモジュール。
【請求項5】
請求項3に記載の車載用レーダモジュールにおいて、導電性めっきが前記ハウジングに施されていることを特徴とする車載用レーダモジュール。
【請求項6】
請求項3に記載の車載用レーダモジュールにおいて、導電性塗料が前記ハウジングに塗布されていることを特徴とする車載用レーダモジュール。
【請求項7】
請求項1に記載の車載用レーダモジュールにおいて、前記EMIシールドは、プラスチックで形成されていることを特徴とする車載用レーダモジュール。
【請求項8】
請求項7に記載の車載用レーダモジュールにおいて、前記プラスチックは、導電性であることを特徴とする車載用レーダモジュール。
【請求項9】
請求項7に記載の車載用レーダモジュールにおいて、導電性めっきが前記EMIシールドに施されていることを特徴とする車載用レーダモジュール。
【請求項10】
請求項7に記載の車載用レーダモジュールにおいて、導電性塗料が前記EMIシールドに塗布されていることを特徴とする車載用レーダモジュール。
【請求項11】
車載用レーダモジュールのEMIシールド方法において、
プリント回路基板(PCB)であって、高周波(RF)電子部品が実装された第1側とデジタル電子部品が実装された第2側とを有するPCBをハウジングに実装し、
前記PCBの第1側にEMIシールドを実装し、
前記EMIシールド上にレドームを実装し、
前記EMIシールドの主表面に開けられた少なくとも1つの開口部であって、前記PCBの第1側のRF部品の少なくとも一部を露出させる開口部を形成し、
前記EMIシールドの前記少なくとも1つの開口部内に突出する少なくとも1つの突出部を前記レドームに形成し、これにより、前記少なくとも1つの突出部、および、前記EMIシールドの前記少なくとも1つの開口部の側壁によって、前記PCBの第1側の前記RF部品の一部の上方にシールド領域を規定し、
前記少なくとも1つの開口部の側壁を前記EMIシールドの主表面の平面に対して鋭角をなすように形成し、前記レーダモジュールのEMIシールド用の目標放射線の周波数および/またはパワーレベルに基づいて前記鋭角の値を選択することで前記開口部の大きさを最大化し、EMIシールド性能を強化することを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、前記PCBおよび前記EMIシールドは、前記ハウジングに形成された複数のヒートステークポストで前記ハウジングに実装することを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法において、前記ハウジングは、プラスチックで形成することを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、前記プラスチックは、導電性とすることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法において、導電性めっきを前記ハウジングに施すことをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項13に記載の方法において、導電性塗料を前記ハウジングに塗布することをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項11に記載の方法において、前記EMIシールドは、プラスチックで形成することを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、前記プラスチックは、導電性とすることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項17に記載の方法において、導電性めっきを前記EMIシールドに施すことをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項17に記載の方法において、導電性塗料を前記EMIシールドに塗布することをさらに含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本願は、2013年10月1日に出願された米国仮特許出願第61/885364号に基づき優先権の利益を主張するものである。同米国仮特許出願の内容全体が本願に援用される。
【0002】
(1.技術分野)
本発明は、車載用レーダ装置および方法に関し、より詳細には、改良されたEMIシールドを備えた車載用レーダ装置および方法に関する。
【0003】
(2.従来の技術)
既存のレーダセンサモジュールは、一般に、2つの分離したプリント回路基板(PCBs)を含む。PCBsのうち一方は、概して、高周波(RF)レーダ信号を処理する専用部品を含む。他方のPCBは、概して、デジタル信号処理(DSP)タスクを処理する専用部品を含む。2−PCB設計を用いたセンサモジュールは、一般的に、2つのPCBを接続するコネクタおよびケーブルを必要とし、そのために電磁干渉(EMI)から保護するシールドを提供することが困難となる。また、このような装置の能動部品間で十分なRF分離を維持することも困難である。いくつかの従来構成では、導電性ガスケット、RF吸収体および金属カバーが必要とされ、これによりRF機能およびEMIシールドの要件を満たす。しかしこのような装置は、扱いにくく、さらに製造することが高価となる。
【0004】
本発明の一態様によれば、車載用レーダモジュールを提供する。モジュールは、ハウジングと、ハウジングに実装されたプリント回路基板(PCB)とを含み、PCBは、高周波(RP)電子部品が実装された第1側と、デジタル電子部品が実装された第2側とを有する。電磁干渉(EMI)シールドは、PCBの第1側に実装されている。レドームは、EMIシールド上に実装されている。EMIシールドは、EMIシールドの主表面に開けられた少なくとも1つの開口部であって、PCB側のRF部品の少なくとも一部を露出させる開口部を備える。レドームは、EMIシールド内の少なくとも1つの開口部内に突出する少なくとも1つの突出部を備える。レドーム上の少なくとも1つの突出部、および、EMIシールド上の少なくとも1つの開口部の側壁は、PCBの第1側のRE部品の一部の上方にシールド領域を規定する。少なくとも1つの開口部の側壁は、EMIシールドの主表面の平面に対して鋭角をなすように延びている。鋭角の値はレーダモジュールの作動パラメータに基づいて選択されることで、所望のシールド性能が実現される。
【0005】
いくつかの例示的な実施形態では、PCBおよびEMIシールドは、ハウジングに形成された複数のヒートステークポストでハウジングに実装されている。
【0006】
いくつかの例示的な実施形態では、ハウジングは、プラスチックで形成されている。いくつかの実施形態では、このプラスチックは導電性である。いくつかの例示的な実施形態では、導電性めっきおよび/または塗料が、ハウジングに施されている。
【0007】
いくつかの例示的な実施形態では、EMIシールドは、プラスチックで形成されている。いくつかの実施形態では、このプラスチックは導電性である。いくつかの例示的な実施形態では、導電性めっきおよび/または塗料は、ハウジングに施されている。
【0008】
他の態様によれば、車載用レーダモジュールのEMIシールド方法が提供される。この方法によれば、プリント回路基板(PCB)であって、高周波(RF)の電子部品が実装される第1側とデジタル電子部品が実装される第2側とを有するPCBは、ハウジングに実装される。EMIシールドは、PCBの第1側に実装されている。レドームは、EMIシールドの上に実装されている。少なくとも1つの開口部は、EMIシールドの主表面に開けられていて、PCBの第1側にRF部品の少なくとも一部を露出させる。少なくとも1つの突出部がレドーム上に形成されていて、EMIシールドの少なくとも1つの開口部内に突出している。これにより、少なくとも1つの突出部、および、EMIシールドの少なくとも1つの開口部の側壁によって、PCBの第1側のRF部品の一部の上方にシールド領域を規定する。少なくとも1つの開口部の側壁は、EMIシールドの主表面の平面に対して鋭角をなすように形成されている。レーダモジュールの作動パラメータに基づいて鋭角の値を選択することで、所望のシールド性能を実現する。
【0009】
いくつかの例示的な実施形態では、PCBおよびEMIシールドは、ハウジングに形成された複数のヒートステークポストでハウジングに実装する。
【0010】
いくつかの例示的な実施形態では、ハウジングは、プラスチックで形成する。いくつかの実施形態では、このプラスチックは導電性である。いくつかの例示的な実施形態では、導電性めっきおよび/または塗料は、ハウジングに施されている。
【0011】
いくつかの例示的な実施形態では、EMIシールドは、プラスチックで形成されている。いくつかの実施形態では、このプラスチックは導電性とする。いくつかの例示的な実施形態では、導電性めっきおよび/または塗料は、
EMIシールドに施されている。
【0012】
本発明は、以下の詳細な説明でさらに開示される。詳細な説明では、本発明の実施形態の非限定的な例で示された複数の図面を参照し、同一の参照番号は、図面のいくつかの見方を通して同一の部分を示している。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】いくつかの例示的な実施形態による、モジュールを上方から見た車載用レーダモジュールの概略的な分解斜視図を含む。
【
図2】いくつかの例示的な実施形態による、モジュールを下方から見た車載用レーダモジュールの他の概略的な分解斜視図を含む。
【
図3】いくつかの例示的な実施形態による、
図1および
図2の車載用レーダモジュールのハウジングの概略的な上面図を含む。
【
図4】いくつかの例示的な実施形態による、
図1および
図2の車載用レーダモジュールのプリント回路基板(PCB)の概略的な上面図を含む。
【
図5】いくつかの例示的な実施形態による、
図1および
図2の車載用レーダモジュールのプリント回路基板(PCB)の概略的な底面図を含む。
【
図6A】いくつかの例示的な実施形態による、
図1および
図2の車載用レーダモジュールのEMIシールドの概略的な上面図を含む。
【
図7】いくつかの例示的な実施形態による、
図1および
図2の車載用レーダモジュールのレドームの概略的な上面図を含む。
【
図8】いくつかの例示的な実施形態による、
図1および
図2の車載用レーダモジュールのレドームの概略的な底面図を含む。
【
図9A】いくつかの例示的な実施形態による、組み立てられたモジュールとともに示す、
図1および
図2の車載用レーダモジュールの概略的な斜視図を含む。
【
図9B】
図9Aの9B−9B線に沿った
図9Aの車載用レーダモジュールの概略的な断面図を含む。
【
図9C】
図9Aの9C−9C線に沿った
図9Aの車載用レーダモジュールの概略的な断面図を含む。
【
図9D】
図9Aの9D−9D線に沿った
図9Aの車載用レーダモジュールの概略的な断面図を含む。
【0014】
図1および
図2は、様々な視点から見た車載用レーダモジュールの概略的な分解斜視図を含む。詳しくは、
図1は、いくつかの例示的な実施形態による、モジュールを上方から見た車載用レーダモジュールの概略分解斜視図を含む。
図2は、いくつかの例示的な実施形態による、モジュールを下方から見た車載用レーダモジュールの他の概略的な分解斜視図を含む。
【0015】
図1および
図2を参照すると、車載用レーダモジュール100は、モジュール100の部品が実装されたハウジングすなわちベース102を含む。また、モジュール100は、PCB104と、EMIシールド106と、レドームすなわちカバー108とを含み、これらが積み重ね構成で配置され、一体に組み立てられている。
図3は、いくつかの例示的な実施形態による、ハウジング102の概略的な上面図を含む。
図1〜
図3を参照すると、ハウジング102は、プラスチックで形成でき、射出成形によって成形できる。ハウジング102は、コネクタのシュラウド116と一体成形でき、これにより、シールドされたコネクタをモジュール100に形成できる。ハウジング102にプラスチック材料を使用することで、モジュールのレドームすなわちカバー108をハウジング102にレーザー溶接することが容易となり、気密性が確保できる。
【0016】
EMIシールドモジュール100の目的のために、ハウジング102の内面は、導電性である。そのために、ハウジング102のプラスチック材料は、導電性プラスチック材料とすることができる。代替的にまたは追加的に、導電性めっきまたは塗装をハウジング102の内側に適用できる。ハウジング102はまた、一体型のヒートステークポスト110を含んでよい。ヒートステークポスト110は、ホール122を通ってPCB104を位置合わせすること、ホール128を通ってEMIシールド106を位置合わせすること、さらに、ハウジング102、PCB104およびEMIシールド106をともに保持することに使用される。ヒートステークポスト110で行われるヒートステーク工程後、PCB104の底面119は、ハウジング102に一体成形されたシェルフ112が実装されたPCBの導電性の上面114に強固かつ恒久的に保持される。同様に、EMIシールド106は、PCB104の上面118に強固かつ恒久的に保持される。
【0017】
図4および
図5は、いくつかの例示的な実施形態による、PCB104のそれぞれ概略的な上面図および概略的な底面図を含む。
図1〜
図5を参照すると、PCB104は、部品、回路および装置が実装された第1側すなわち上面118を有する。部品、回路および装置は、全体として参照符号121で参照され、レーダモジュール100のRF動作に関連する。例えばRF回路121は、アンテナパッチパターン120aおよび120bを含む、1つ以上のアンテナ領域140aおよび140bをそれぞれ含むことができる。いくつかの例示的な実施形態によれば、アンテナ領域140aは、導電性トレース142aによって少なくとも部分的に規定されている。導電性トレース142aは、PCB104の上面118に形成されていて、アンテナ領域140aを少なくとも部分的に囲んでいる。同様に、アンテナ領域140bは、導電性トレース142bによって少なくとも部分的に規定されている。導電性トレース142bは、PCB104の上面118に形成されていて、アンテナ領域140bを少なくとも部分的に囲んでいる。
【0018】
PCB104は、部品、回路および装置が実装された第2側すなわち底面119を有する。部品、回路および装置は、全体として参照符号125で参照され、モジュール100のデジタル電子動作に関連する。例えば、1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSPs)のような装置、半導体メモリ、入出力インタフェース装置、および/または、その他のデジタル電子装置および個別部??品は、PCB104の第2側すなわち底面119に実装できる。いくつかの例示的な実施形態によれば、PCB104の底面119はまた、導電性トレース123を含む。導電性トレース123は、底面119に形成されていて、PCB104の周囲でデジタル電子回路125を少なくとも部分的に囲んでいる。PCB104がヒートステークポスト110を介してハウジング102に組み立てられると、ハウジング102に一体成形されたシェルフ112が実装されたPCBの導電性の上面114に導電性トレース123を強固に恒久的に接触させる。その結果、デジタル電子回路125は、PCB104の下方のハウジング102の底部の領域内に封入され、それがデジタル電子回路125用のEMIシールドを提供する。
【0019】
例示的な実施形態によれば、アンテナ領域140aおよび140bは、PCB104の上面118に形成されたアンテナパッチパターン120aおよび120bをそれぞれ含み、EMIシールドでもある。EMIシールド106がPCB104の上面118の上に組み立てられるとき、開口124aおよび124bは、アンテナ領域140aおよび140bを囲み、ひいては露出するようにそれぞれ配置される。
図6A〜
図6Cは、EMIシールド106を詳細に示している。特に、
図6Aは、いくつかの例示的な実施形態による、EMIシールド106の概略的な平面図を含む。
図6Bは、
図6Aの6B−6B線に沿ったEMIシールド106の概略的な断面図を含む。
図6Cは、
図6Aの6C−6C線に沿ったEMIシールド106の概略的な断面図を含む。いくつかの実施形態によれば、EMIシールド106は、プラスチックで形成されていて、射出成形によって成形できる。いくつかの実施形態によれば、プラスチックは、導電性プラスチックであり、EMIシールド特性を提供する。EMIシールドをさらに強めるために、EMIシールド106は、RF吸収性フィラー材料で形成することもできる。
図1〜
図5および
図6A〜
図6Cを参照すると、ヒートステークポスト110を介してモジュール100を組み立てるとき、EMIシールド106の底面は、PCB104の上面118に強固かつ恒久的に保持される。EMIシールド106の底面の部分は、開口部124aおよび124bの周囲に位置し、導電性トレース142aおよび142bにそれぞれ強固に保持され、これにより、開口部124aおよび124bがキャビティを規定する。キャビティは、アンテナ領域140aおよび140bの上方のPCB104をそれぞれ電気的にシールする
【0020】
図7および
図8は、いくつかの例示的な実施形態による、レドームすなわちカバー108のそれぞれ概略的な上面図および概略的な底面図を含む。
図1〜
図8を参照すると、レドーム108をハウジング102に固定的に取付けることによって、レドーム108は、EMIシールド106上に設置される。特に、いくつかの例示的な実施形態によれば、レドーム108は、その底部の周囲に形成された溝134を含む。溝は、ハウジング102の周囲で隆起したボス132に嵌合する。レドーム108は、ハウジング102にシール可能であり、これによってレーザー溶接のような工程によりモジュール100の組み立てが完了し、気密シールを提供する。
【0021】
レドーム108は、その底面に形成された突出部130aおよび130bを含む。レドーム108がモジュール100に設置されると、突出部130aおよび130bは、キャビティ内に突出する。キャビティは、PCB104の上面118にシールされるEMIシールド106の開口部124aおよび124bそれぞれの、側壁126aおよび126bによってそれぞれ形成される。例示的な実施形態によれば、これらのシールされたキャビティは、モジュール100の残りの電気回路からアンテナ領域140aおよび140bを分離する。モジュール100の残りの電気回路は、PCB104の底面119のデジタル回路だけでなく、PCBの上面118の他のRF回路121も含む。モジュール100の様々な回路、部品および要素間の干渉は、実質的に低減または除去される。モジュール100からEMI放射があるとしても、外部放射線源からのEMIは、実質的に低減または除去される。
【0022】
いくつかの例示的な実施形態によれば、EMIシールド性能は、EMIシールド106において、開口部124a、124bそれぞれの側壁126a、126bによって強化される。
図6A〜
図6Cを参照すると、側壁126aおよび126bは、EMIシールド106の上面に対して非垂直な傾斜に形成されている。すなわち側壁126a、126bは、EMIシールド106の上面の平面127に対してある所定の鋭角θに形成されている。参照番号126aが、開口部124aの側壁のいずれかを識別するために一般に使用されること、および、参照符号126bが、開口部124bの側壁のいずれかを識別するために一般に使用されることに留意されたい。側壁の各々は、平面127に対して異なる角度θに形成でき、または、それらは同じ角度θに形成できる。ここでの開口部124aおよび124bの側壁の図示は、異なる角度θの側壁を示していて、これによって角度θの選択の一般性を示す。
【0023】
例示的な実施形態によれば、角度θは、PCB104のアンテナ領域140aおよび140bの上方のシールドキャビティの形状を決定する。角度θが選択されることで、キャビティは、現状の所望のアプリケーションでのモジュール100の作動パラメータおよび特性に応じたシールド特性を提供する。このような作動パラメータおよび特性は、例えば、EMIシールド用の目標放射線の周波数および/またはパワーレベルを含むことができる。いくつかの例示的な実施形態では、角度θは選択可能であり、これによって開口部124a、124bの大きさを最大化する。
【0024】
図9Aは、いくつかの例示的な実施形態による、組み立てられたモジュール100とともに示す、
図1〜
図8の車載用レーダモジュール100の概略的な斜視図を含む。
図9Bは、
図9Aの9B−9B線に沿った
図9Aの車載用レーダモジュール100の概略的な断面図を含む。
図9Cは、
図9Aの9C−9C線に沿った
図9Aの車載用レーダモジュール100の概略的な断面図を含む。
図9Dは、
図9Aの9D−9D線に沿った
図9Aの車載用レーダモジュール100の概略的な断面図を含む。
【0025】
図9Aを参照すると、モジュール100は、ハウジング102をシールするレドームすなわちカバー108を含んで示されている。ハウジング102と一体成形されたコネクタシュラウド116も示されている。
図9B〜
図9Dを参照すると、PCB104は、ハウジング102に取り付けられて示されている。EMIシールド106は、PCB104上に取り付けられて示されている。レドーム108の溝134とハウジング102の隆起したボス132との嵌合によって、レドーム108は、ハウジング102に取り付けられている。EMIシールド106の開口部124aは、PCB104のアンテナパッチパターン120aを露出させる。開口124aの傾斜し角度のある側壁126aは、レドーム108の突出部130aとともに、アンテナパッチパターン120aのEMIシールド用のシールされたキャビティを形成する。同様に、EMIシールド106の開口部124bは、PCB104のアンテナパッチパターン120bを露出させる。開口部124bの傾斜し角度のある側壁126bは、レドーム108の突出部130bとともに、アンテナパッチパターン120bのEMIシールド用のシールされたキャビティを形成する。
【0026】
したがって、例示的な実施形態によれば、単一のPCB104は、RF機能およびDSP機能の両方を統合することで、基板対基板コネクタを除去する。PCB104は、ハウジング102の導電性表面上に直接実装されることで、EMI低減用のシールドされた区画を形成する。また本発明は、RF吸収材、導電性ガスケットおよびRFカバーのようないくつかの個別部品の機能を、射出成形された単一のEMIシールド106に結合する。統合された設計は、モジュールの大きさを小さくし、コストを削減し、製品の品質を向上させる。
【0027】
本願によって開示した事項を様々に変更したり修正したりすることは、上述の説明を理解した当業者とって明らかになることは疑いがない。その一方で、図面によって示され説明された特定の実施形態は、限定的にみなされることを意図していないことが理解されるべきである。さらに本発明は、特定の実施形態を参照して説明したが、当業者は、本願による開示の精神および範囲内での変形に想到する。上述の例は、単に説明の目的のために提供されているに過ぎず、本開示を限定するものと解釈されるべきでないことに留意されたい。
【0028】
本発明の概念は、典型的な実施形態を参照して特に示され説明されたが、形式および詳細の種々の変更は、以下の特許請求の範囲によって規定される本発明の概念の精神および範囲から逸脱することなく可能であることが、当業者によって理解される。