(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電気モータ(15)と前記対応する番号印字ホイール(7)との間の減速率(R)が、前記番号印字ホイールの周縁部で測定された前記番号印字ホイールの位置分解能が約0.1mmから約0.15mm以下であるように選択される請求項4から10のいずれか1項に記載の番号印字装置。
前記校正手段(12、13)は、各々の番号印字ホイール(7)毎に、校正されるべき前記番号印字ユニット(7)上に配置されている少なくとも1つの対応する磁石(12)と協働するホール効果検出器(13)を備える請求項17に記載の番号印字装置。
番号印字動作中に前記番号印字ホイールの位置を機械的に位置合せしかつ維持するための釈放可能な割出機構(7a、50;7a′、50′;7a′、510、520)をさらに備える請求項1から18のいずれか1項に記載の番号印字装置。
前記割出機構は、前記回転軸線に対して平行に延びる可動割出部材(50;50′;510)を備え、および、前記可動割出部材(50;50′;510)は、前記番号印字ホイール(7)がその目標位置に回転させられ終わった後に、前記番号印字ホイール上に備えられている割出溝(7a,7a′)の中に押し込まれるようになっている請求項19に記載の番号印字装置。
【背景技術】
【0002】
紙幣、小切手、および、他の類似の物体のような証書のための印刷機械の分野では、上記証書上に印刷される重要な特徴要素が一連番号である。例えば、各々の印刷された紙幣が、典型的には、その紙幣の一連番号を形成する数字と文字の固有の組合せを受け取る。
【0003】
様々な番号印字方法が当業において開発されてきた。例えば、本明細書に内容が引例として組み入れられている米国特許第4,677,910号明細書が、巻取り紙またはシートの形態である保持体(carrier)の上に横列と縦列の形で配置されたセキュリティプリントを加工する方法および装置を開示している。この特定の具体例では、印刷された保持体が、標識によって識別された欠陥プリントの位置を検出してこの位置を記憶のためにコンピュータに送る読み取り装置と、このコンピュータによって制御されている、欠陥プリントに抹消印刷プリントを与える抹消印刷機と、番号印字機械とを連続的に通過する。この番号印字機械の番号印字機構が、任意の縦列の形に連続的に配置されている適切なプリントが常に一連番号付けされかつ欠陥プリントが無視されるように、コンピュータによって動作させられる。その次に、印刷された保持体が、別の読み取り装置を通過した後に、各々が1つのプリントを有する個別の証書の形に切断され、および、欠陥のある証書が分離装置内において分離され、かつ、一連番号が付けられた残りの証書が束を形成するように収集され、および、この束の各々が完全な番号順を有する。このようにして、欠陥のある証書の分離にも係わらず、その束の中の証書の適正で完全な番号順が確実なものにされる。
【0004】
しかし、上述のアプローチは、番号印字および収集の原理と、欠陥証書の分離とが非常に時間浪費的であるので、生産効率の観点からはあまり適切ではない。別のより便利な実施方法が、適切な印刷プリントだけを有するシートに番号印字することであり、欠陥プリントを有するシートは別個の経路を進む。欠陥シートすなわち適切なプリントを有しないシートはすべて破壊される。部分的には適切なシートも破壊されることが可能であり、または、より好都合には、個別の証書の形に切断されて、および、適切な証書だけが一連番号を番号印字されるシングルノート番号印字機械(single note numbering machine)上において別々に処理される。このアプローチは生産の最適化の観点から好ましく、かつ、連続した証書の組の全体にわたる中断のない番号順を依然として確実なものにする。
【0005】
通常は下地上に配列の形で印刷されている証書の場合には、連番の形で番号印字されている個別の証書の束および包みを形成することが必要とされる時には、幾つかの問題が生じる。第1の問題が、各々のシートセグメントまたは巻取り紙セグメントが個別の証書の形に切断されなければならないことにある。適正な生産速度と効率とを維持するために、一続きのシート(通常は100枚のシート)が積み重ねられ、および、その積み重ねを個別の証書束の形に加工するように適切な切断装置によって一括して切断される。したがって、全体のシートの番号印字が、各々の束の全体にわたって番号順が連続したままであるように行われなければならない。これは、シート上の各々の番号印字場所における一連番号が各々の一続きのシートの100番目の最後のシートまで第1のシートから1つの単位ずつ増分または減分されるように、各々の一続きの100枚の連続シートに番号印字することによって確実なものにされる。
【0006】
各々の包み全体にわたって番号順を維持しながら束の包みを形成することが必要とされる時には、別の問題が生じる。番号印字を行うために使用される番号印字装置のタイプと、使用される番号印字方法とに応じて、適切な順番で束を収集して積み重ねるために、ある程度は複雑な束順番照合システム(bundle collating system)が実現されなければならない。
【0007】
特に、上述したように1つの番号印字反復からその次へ連続的に作動させられることだけが可能である、番号印字を行うために機械的な番号印字装置が使用される時には、非常に複雑な束順番照合システムが、連続した一連番号を有する束の包みを形成するために適切な形で束を収集して貯蔵するように実現されなければならない。こうした束順番照合システムが、例えば、米国特許第3,939,621号明細書と、米国特許第4,045,944号明細書と、米国特許第4,558,557号明細書と、欧州特許出願第EP 0 656 309号明細書と、同第EP 1 607 355号明細書と、英国特許出願第GB 2 262 729号明細書と、国際出願第WO 01/49464号明細書とに説明されている。
【0008】
各シート上の証書の数とそのシートのレイアウトとに応じて、束順番照合がある程度は簡略化されることが可能である。これは、例えば、欧州特許出願第EP 0 598 679号明細書に開示されているように、シート1つ当たりの証書の数が10の倍数である時に可能である。この解決策では、連続した一連番号を有する複数の束が、例えば各々の縦列の形の同じ1つのシートスタックの中に配置され、このようにして縦列毎の束の順番照合を行うことを可能にする。しかし、この番号印字アプローチの場合に、加工された各々のシートスタックから別個の一連番号を有する幾つかのシート群が依然として得られ(すなわち、1つの縦列毎に1つの順番)、および、したがって順番照合システムが依然として必要とされる。いずれにしても、この番号印字アプローチは、シートが10の倍数ではない数の証書プリントを含む場合には適用不可能である。
【0009】
順番照合システムを必要としない非順番照合式の番号印字の解決策が当業で公知である。こうした非順番照合式のアプローチでは、シートの番号印字が、シートレイアウト、特にシート1枚毎の証書プリントの数に応じた特定の仕方で行われなければならない。この特定の番号印字の原理が国際特許出願第WO 2004/016433号明細書に開示されている。この番号印字の原理では、特定のシートスタックから得られたすべての束が、1つの完全な連続した一連番号に一致し、すなわち、M×N個の証書プリントを含むシートスタックが、連番で番号印字されたM×N個の束、すなわち、連番の形で番号印字されたM×N×100枚の証書用紙をもたらす。シートスタックの非順番照合式の加工を可能にする上述の番号印字方式は、一般的に従来の機械式の番号印字装置に比較してより高コストである特定の番号印字装置を必要とする。
【0010】
したがって、全シート番号印字プロセス(full−sheet numbering process)に含まれている重要な問題点が、シートの番号印字場所の各々に適正な連番を印刷するために使用される番号印字装置の設計とその結果として得られる番号印字の融通性とである。番号印字装置は、典型的には、周縁部上にレリーフの形で刻まれている英数字記号を有する幾つかの活版印刷番号印字ホイールまたはディスクを備え、この番号印字ホイールは、適切な番号印字位置にそのホイールを回転させるための関連した機械的作動手段によって作動させられる。
【0011】
これに加えて、番号印字ホイールが逐次的に駆動される通常の機械式の番号印字装置に加えて、番号印字ホイールが1つの番号印字反復から次の番号印字反復へ作動させられるか作動させられることが可能であるようにより高い融通性を実現する別のカテゴリーの番号印字装置が存在する。
【0012】
自由に調整可能な番号印字ホイールを有する番号印字装置が、例えば米国特許第5,660,106号明細書に開示されており、および、この明細書の内容が本出願に引例として組み入れられている。この特許は、すべての番号印字ホイールが共通の駆動軸の周りに回転可能でありかつこの駆動軸との滑り連結(slip coupling)によって駆動可能であり、および、電磁駆動される爪が任意の1つの番号印字ホイールを所望の位置に選択的に停止させるために備えられている、番号印字装置を開示している。この番号印字装置は、番号が任意の時点で選択的かつ恣意的にさらには非連番の形で形成されることが可能であり、したがって特に1つの番号印字反復から次の番号印字反復へ番号の非単位的スキップ(non−unitary skip)を可能にするという利点を有する。この番号印字装置は、特に、国際特許出願WO 第2004/016433号明細書に開示されている番号印字方式を具体化するために使用されることが可能である。この番号印字装置の働きの詳細な説明に関しては、米国特許第5,660,106号明細書の説明全体を参照されたい。しかし、この番号印字装置の欠点は、その比較的に複雑な作動機構とこれに関連したコストと、番号印字ホイールと共通駆動軸との間の摩擦を原因とした過剰な熱の発生とにある。
【0013】
米国特許第5,660,106号明細書に説明されている番号印字装置に幾分か類似しているが、これよりも複雑である番号印字装置が、ドイツ特許出願第DE 30 47 390号明細書に開示されている。この印字装置の1つの欠点が、この印字装置が低速であり、かつ、番号印字ホイールの一方向の回転だけしか可能にしないということである。
【0014】
ハイブリッド型番号印字装置が、米国特許第4,677,910号明細書、主にその
図6と
図6aとに開示されており、これに対応する説明が説明のために引例として本明細書に組み入れられている。この番号印字装置は、その他の番号印字ホイールから動作的に独立しておりかつ電気モータによって駆動される番号印字ホイールを1の位の数字(units digits)のための機械式の番号印字ホイールの代わりに使用することによって、純粋に逐次的な番号印字装置の限界を部分的に克服する。しかし、1つだけの番号印字ホイール(すなわち1の位の数字のホイール(units wheel)だけ)が任意の所望の位置に設定されるが、その他の番号印字ホイールは逐次的に作動させられる状態のままであるので、この番号印字装置の融通性は大きく制限されている。
【0015】
すでに上述されておりかつその内容が本明細書に引例として組み入れられている別のハイブリッド型番号印字装置が国際特許出願第WO 2004/016433号明細書に開示されている。この番号印字装置では、(純粋に機械的な作動手段によって)1の位の数字のためのホイールと10の位の数字のためのホイールとが逐次的な形で作動させられ、一方、少なくとも100の位の数字のためのホイールと1000の位の数字のためのホイールとが、番号印字中の番号の飛び越しを可能にするために互いに独立した形で作動させられる。この構造は、束の非順番照合式の加工を可能にする上述の特定の番号印字プロセスを行うことを可能にする。
【0016】
米国特許第4,843,959号明細書(欧州特許出願EP 第0 286 317 A1号明細書に相当する)が、その
図3から
図6を参照して、10個の番号印字ホイールの中の6個の番号印字ホイール(1の位、10の位、100の位、1000の位、10000の位、および、100000の位のための番号印字ホイールである)のすべてが歯車装置と軸とを介してそれぞれのステップモータによって駆動される、別のハイブリッド型の番号印字装置を開示している。各々のモータが、位置検出装置、例えば、モータの動作の適正な制御のための軸エンコーダを含み、および、検出装置からコンピュータへのフィードバックが、そのコンピュータが番号印字ホイールの設定を確認することを可能にする。残りの4個の番号印字ホイールが接頭文字または接尾文字のための個別の記号を有し、および、上記ホイールを駆動するために使用される手段に関しては説明は全く示されていない。
【0017】
この解決策の1つの主要な欠点が、ステップモータと歯車装置と軸との開示されている構成によっては、最多でも6個の番号印字ホイールだけしか回転駆動されないということにある。
【0018】
別の欠点が、モータが番号印字装置の側壁の外側に配置されておりおよび外側にだけしか配置できず、このことが複数の番号印字装置の近接使用を不可能にし、または、証書のフルシート番号印字(full sheet numbering)において特に重要である、コンパクトな形に複数の番号印字装置を逐次的に配置する可能性を少なくとも著しく制限するということにある。実際に、この6個のモータは、各1対のモータの軸が互いに対向する形で、各1対の形に配置されている。
【0019】
米国特許第4,843,959号明細書で説明されている解決策のさらに別の問題が、番号印字ホイールを回転駆動するために使用される歯車装置のすべてが同一の直径を有するということと、したがってモータ出力と番号印字ホイールとの間に減速率がないということにある。言い換えると、この番号印字装置の精度と回転速度とトルクとが、モータの特性に直接的に依存しているだろう。ステップモータが使用されるので、このことは、特に、モータの1回転毎の非常に多数のステップを意味し、このことは、言い換えれば、番号印字装置自体内に一体化されることが困難である非常に大きい寸法を有するモータを意味する。
【0020】
各シート上の証書プリントの数とシートのレイアウトとに応じて、逐次的な駆動を伴う機械式の番号印字装置が、国際特許出願WO 第2004/016433号明細書の番号印字方式によって番号印字を行うことが想定されることが可能である。これも、同様に、各シート上の証書プリントの数が10の倍数(または25の倍数)である時だけに、かつ、特定の形に番号印字装置を設計することによって可能である。こうした解決策の1つが国際特許出願WO 第2005/018945号明細書に開示されている。別の代替案の解決策が、本出願人の名称で出願されている標題「証書のための番号印字プロセスと、番号印字された証書を加工するための方法と、この番号印字プロセスを行うための番号印字装置(NUMBERING PROCESS FOR SECURITIES,METHOD FOR PROCESSING THE NUMBERED SECURITIES AND NUMBERING DEVICE TO CARRY OUT THE NUMBERING PROCESS)」の2005年6月8日付けで出願された欧州特許出願第1 731 324号明細書に説明されている。上述したように、こうした解決策は、10の倍数または25の倍数ではない数の証書プリントをシートが含む場合には適用不可能である。
【0021】
米国特許第5,660,106号明細書と、ドイツ特許出願DE 第30 47 390号明細書と、米国特許第4,677,910号明細書と、国際特許出願WO 第2004/016433号明細書と、国際特許出願WO 第2005/018945号明細書と、欧州特許EP 第1 731 324号明細書とに説明されている番号印字装置の欠点は、従来の機械式の番号印字装置の場合と同様に、番号印字装置が、その番号印字装置自体の一部分ではなくかつ番号印字装置が配置されている番号印字機械上に典型的には取り付けられている作動手段と機械的に相互作用するということにある。特に、各々の番号印字装置が、番号印字ホイールを駆動するかまたは少なくとも釈放するための駆動カム部材を必要とし、および、このカム部材は、番号印字印刷機内に配置されている対応するカム表面と協働する。提案されている解決策の幾つかでは、番号印字ホイールの回転駆動が、さらに、駆動歯車とこれに関連した歯状部分とを必要とする米国特許第5,660,106号明細書に説明されている解決策のような機械的継手を必要とする。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、本発明による番号印字装置1の実施形態の第1の概略的な斜視図を示す。この番号印字装置は、底部フレーム部品2と2ピース側方フレーム部品3、3′とを有するケーシングを備える。この2ピース側方フレーム部品は、ねじ25(
図2と
図4に見てとれる)によって底部フレーム部品2にその底部端部において固定されている2つの側部フレーム部品3、3′(側部フレーム部品3′は
図1では目に見えない)を備える。
図1の実施形態では、番号印字装置1の上部部品は、頂部ねじ5によって側部フレーム部品3、3′に固定されている頂部カバー部材4によって覆われている。このカバー部材4は、共通の回転軸線の周りを回転するように互いに隣接して配置されている幾つかの番号印字ホイールまたはディスク7を備える番号印字ユニット6の一部分が中を通って外に出る開口部4aを備えており、これに関してはさらに詳細に後述する。
【0039】
番号印字装置1は、さらに、その側部上において、側部ねじ9によって側部フレーム部品3、3′上に取り付けられている保護側部カバー部材8によって覆われている。2つの側部ねじ9だけしか
図1に見えないが、側部カバー部材8を所定の位置に同様に固定するために、2つの他の側部ねじが番号印字装置1の反対側の側部上に備えられているということが理解されるだろう。
【0040】
図2では、番号印字装置1の内側空間内に配置されている構成要素の構成をより適切に示すために、2つの側部カバー部材8と頂部カバー部材4とが省略されている。この
図2では、側部フレーム部品3′を底部フレーム部品2に固定するためのねじ25を見ることができ、および、
図1に示されているように類似のねじが側部フレーム部品3を固定するために他方の側部上に備えられている。番号印字装置1の下半分部分には、ねじ11によって番号印字装置1の側部フレーム部品3、3′上に各々が取り付けられている2つの板100(番号印字装置1の各側部上に1つずつ)が存在している。板100は、番号印字装置1の動作を制御するために使用される制御電子回路の一部分を有するプリント回路基板である。
【0041】
番号印字装置1の頂部側に示されているように、番号印字ユニット6は、共通の回転軸線の周りに互いに隣接して配置されている幾つかの回転可能な番号印字ホイール7を有する。この図示されている実施形態では、番号印字ユニット6は12個の番号印字ホイール7と1つの追加のダミーホイール7′とを備える。ダミーホイール7′の目的は、2つの側部フレーム部品3、3′の間での番号印字ユニット6の適正な位置決めのための決定された長さおよび対称性を番号印字ユニット6が有することを確実なものにすることである。各々の番号印字ホイール7は、一連の数字(典型的には0から9)および/または一連の文字(例えばA、B、C等)のような英数字記号を有する。このような記号は、(詳細に上述したように)プリントされた証書に番号を印字するために使用される。上述の記号に加えて、および、用途に応じて、番号印字ホイール7は、さらに、抹消マークをプリントするための抹消インデックス、および/または、記号を印刷しないためのかつ印刷中に空白を残すための空インデックスを備えるだろう。これに加えて、各々の番号印字ホイール7が、抹消のための少なくとも1つの磁石12を有し、および、各々の磁石12は、支持部材14、14′によって支持されている対応する検出器13(例えばホール効果検出器)と協働するように設計されている。
図2の具体例では、6個の検出器13が支持部材14′によって支持されており、および、6個の他の検出器(
図2には見えない)が支持部材14によって支持されている。磁石12と検出器13の目的が、回転軸線を中心とした各々の番号印字ホイール7の位置を校正することと、および、各々の番号印字ホイール7がいずれかの所望の番号印字位置に移動させられることが可能であることを確実なものにすることである。支持部材14、14′が側部フレーム部品3、3′の間に取り付けられ、および、頂部カバー部材4が取り外される時に番号印字ユニット6から離れるようにその図示された位置から後方に回転させられることが可能であり、これによって番号印字ユニット6の組立または解体を可能にする。当然のことながら、すべての必要な検出器13を同一の支持部材14(または14′)上に配置することが可能である。他の同等の手段が、番号印字ホイール7と共に一体化されているエンコーダホイール(またはその類似物)のような、番号印字ホイールの位置校正を行うために想定されることも可能である。
【0042】
以下でより詳細に説明するように、各々の番号印字ホイール7は、関連した駆動手段によって互いに独立的に駆動される。
図2では、電気モータ15を含む、これらの互いに独立した駆動手段の一部分がすでに目に見えている。
【0043】
図3は、番号印字ホイール7の回転軸線を通って水平方向に示されている番号印字装置1の部分断面斜視図を示し、この図は、番号印字ホイール7の位置を設定するために使用される電気機械式の作動手段をより詳細な形で示す。上述したように、番号印字装置の電気機械式作動手段が全体として番号印字装置の内側に配置されており、すなわち、番号印字装置のケーシングの内側空間内に配置されている。
図3に示されているように、番号印字ホイール7は、側部フレーム部品3、3′内に備えられている軸受の上にその両端部において支持されている共通軸17の周りに回転するように取り付けられている。この番号印字ホイール7は、(
図3には図示されていないが
図2と
図4と
図8cと
図9cとに見てとれる)1対の保持リング71、72によって、ダミーホイール7′と共に、共通軸17上に保持されており、この保持リング71、72は共通軸17のねじ山付き端部部分17a、17bに固定されている。番号印字ホイール7は、保持リング71、72の間で共通軸17の周りに自由回転可能であるように取り付けられている。この共通軸17が回転しないということが理解されるだろう。
【0044】
上記番号印字ホイール7の各々が歯車/ホイールアセンブリ19、20、21、22、23(
図7にも概略的に示されている)に連結されている電気モータ15によって回転駆動されることが好ましい。このために、各々の番号印字ホイール7は、番号印字ホイール7と共に回転するように設計されている歯付きホイール16を備えている。番号印字ホイール7と歯付きホイール16は、互いに固定されている2つの別々の部品として、または、単一の部品として形成されることが可能である。12個の歯付きホイール16が
図2および
図3において番号印字ホイール7の間に見てとれる。したがって、この図示されている実施形態では、番号印字ホイール7を駆動するための電気機械式作動手段が、12個のモータ15と、12個の歯車/ホイールアセンブリ19−23と、12個の歯付きホイール16(すなわち、各々の番号印字ホイール7毎に1つ)とを備える。各モータ15が減速歯車18に関連付けられることが好ましく、このことの目的については後述する。減速歯車18は、中間軸22上に取り付けられている歯車21と噛み合う第1のピニオン20を有する出力軸19を有し、および、上記の中間軸22は歯車21によって回転駆動させられる。中間軸22上には、さらに、対応する番号印字ホイール7の歯付きホイール16と噛み合う第2のピニオン23も取り付けられている。したがって、各々の番号印字ホイール7は、上述したそれ自体の独立した駆動機構によって回転駆動され、および、その他の番号印字ホイール7とは無関係に任意の所望の位置に設定されることが可能である。
【0045】
以下の説明において(および特許請求項においても)、モータ15と採用随意の減速歯車18と歯車/ホイールアセンブリ19−23とを備えるアセンブリが、関連した歯付きホイール16と番号印字ホイール7とを回転駆動するための「駆動手段」と呼称されるだろう。したがって、例示されている実施形態では、12個の互いに独立した駆動手段が存在する。
【0046】
歯車/ホイールアセンブリ19−23の各々とこれに関連した歯付きホイール16とが、
図7に概略的に示されている2段式の歯車装置を形成するということが理解されるだろう。この2段式歯車装置は、ピニオン20、23の歯数と、歯車21の歯数と、歯付きホイール16の歯数との間の比率に基づいている決められた減速率を有する。さらに厳密に述べると、この2段式歯車装置16、19−23の減速率R
Zは次式によって与えられ、
R
Z=(Z2
*Z4)/(Z1
*Z3) (1)
前中でZ1が第1のピニオン20の歯数であり、Z2が歯車21の歯数であり、Z3が第2のピニオン23の歯数であり、Z4が歯付きホイール16の歯数である。
【0047】
上述したように、各モータ15が減速歯車18を介して2段式歯車装置16、19−23に連結されていることが好ましい。この減速歯車18は、モータ15の出力速度の追加的な減少と、モータ15の出力トルクの追加的な増加とを実現する。減速歯車18は、さらに、R
Gと呼ばれる減速率も示す。したがって、モータ15の出力とこれに関連した番号印字ホイール7との間の総括減速率Rが次式によって与えられるだろう。
R=R
G*R
Z=R
G*(Z2
*Z4)/(Z1
*Z3) (2)
【0048】
減速歯車が省略される場合に、式(2)の減速率R
Gが1で置き換えられることが可能であるということが理解されるだろう。図面に示されている番号印字装置1の実施形態は、少なくとも次の3つの主要な目的を実現するという観点で設計された。
1.可能な限り高い、番号印字ホイール7の位置分解能または精度、
2.可能な限り短い、番号印字ホイール7が目標位置に移動するための移動時間、
3.可能な限り小さくかつコンパクトな、番号印字装置。
【0049】
図示されている実施形態では、これらの3つの主要な目的が、モータ15の適切な選択と、減速歯車18の適切な選択と、ピニオン20、23の適切な寸法決定と、歯車21の適切な寸法決定と、歯付きホイール16の適切な寸法決定とによって実現されている。モータ15と減速歯車18とが、スイスのMaxon Motors AG(www.maxonmotor.com)によって製造販売されている部品であることが好ましい。さらに明確に述べると、モータ15が、本出願に特に適切に適合している、(数千rpmの回転速度を有する)整理番号EC 6としてMaxon Motors AGによって製造されている、電子整流付きのブラシレス直流モータであることが好ましく、一方、減速歯車18が、両方が約6mmの直径を有する、整理番号GP 6としてMaxon Motors AGによって製造されている小型遊星歯車であることが好ましい。ステップモータのような他のタイプのモータに比較して、電子整流付きのブラシレス直流モータを使用することの利点は多数ある.まず第1に、こうしたモータのブラシレス構成のために、摩擦と摩耗の問題が大きく減少させられ、これによって長期の使用年数が実現される。これに加えて、こうしたモータは著しく小型化されることが可能であり、これと同時に、番号印字用途の要件に合致するのに十分なだけ高い速度と高いトルクを依然として提供する。
【0050】
電気モータ15の出力とこれに対応する番号印字ホイール7との間の全体的な減速率が、番号印字ホイール7の位置の十分な微調整を確実なものにするために、番号印字ホイールの周縁部で測定されるその番号印字ホイール7の位置分解能が約0.10−0.15mm以下であるように選択される。約20mmから約30mmの典型的な直径を有する番号印字ホイール7の場合には、このことが1回転当たり数百ステップの分解能(すなわち、1°未満の角度分解能)を意味する。例えば1回転当たり6つの異なる位置をとるようになっている特定のタイプのモータ(例えば、MaxonのEC 6モータ)の場合には、このことが100の範囲内の総括減速率をもたらし、この減速率は、上述の減速歯車18と歯車装置16、19−23との組合せによって容易に実現されることが可能である。
【0051】
図3の好ましい実施形態を再び参照すると、各々の中間軸22が2つの側部フレーム部品3、3′の間の長さ全体に沿って延びることがないということが理解されるだろう。むしろ、この
図3に示されているように、各々の中間軸22は、側部フレーム部品3、3′の一方と中間支持壁30との間に保持されている。後述するように、中間支持壁30は2つの別々の支持部品31、31′の端部部分31a、31a′によって形成されている(
図5と
図6も参照されたい)。各々の中間軸22は、側部フレーム部品3および支持部品31と側部フレーム部品3′および支持部品31′との中に設けられている1対の軸受の間に支持されている。
【0052】
図4は、番号印字装置1の別の図を示す。この図から容易に理解できるように、側部フレーム部品3′は、歯車/ホイールアセンブリのピニオン20と歯車21の幾つかを示すために省略されている。上述したように、側部フレーム部品3、3′は、
図4に見てとれる1対のねじ25によって底部フレーム部品2上に取り付けられている。
図4では、図解のために、番号印字ホイール7の周縁部上に英数字記号が示されている(記号「5」と記号「6」がこの図で見てとれる)。
【0053】
図4では、追加のプリント回路基板110が、番号印字ユニット6とこの関連の駆動手段15、18−23との下方の利用可能な空間の中に見てとれる。このプリント回路基板は、フレキシブルコネクタ(図示されていない)のような適切な電気コネクタによって、側部上に配置されている上述のプリント回路基板100に接続されるように設計されている。番号印字装置1の動作を制御するために必要とされているすべての制御電子回路がこれらのプリント回路基板100、110の上に一体化されていることが好ましい。制御電子回路に接続されている多極コネクタ(図示されていない)が側部フレーム部品3、3′の各々に備えられている開口部3a、3a′の1つの中に配置されることが可能であることが有利である(これらの開口部3a、3a′は
図1と
図2と
図5と
図6において見てとれる)。側部フレーム部品3、3′の1つに配置されているこのコネクタによって、番号印字装置1の制御電子回路が、外部の制御装置、特に番号印字印刷機の制御装置に接続されることが可能である。
【0054】
図4では、6個のピニオン20と6個の歯車21が見てとれる。残りの6個のピニオン20と歯車21とが番号印字装置1の反対側の側部に配置されている。実際に、図示されている実施形態では、駆動手段15、18−23は、互いに隣り合う駆動手段15、18−23を番号印字ホイール7の回転軸線の周りに互いに近接して配置することによって、(番号印字ホイールの下部部分の下方で)番号印字ホイールの回転軸線の周りに有利な形で分散配置されている。この図示されている実施形態では、このことが、番号印字装置1の一方の側部上に(すなわち、側部フレーム部品3上に)駆動手段15、18−23の第1の半分部分を支持することによって、かつ、番号印字装置1の他方の側部上に(すなわち、側部フレーム部品3′上に)駆動手段15、18−23の残りの半分部分を支持することによって実現される。さらに明確に述べると、駆動手段15、18−23は、その第1および第2の半分部分が、2つの互いに噛み合った櫛構造の形で互い入れ子式に嵌り込むように配置されている(さらに
図5と
図6を参照されたい)。
図4では、図に見てとれるピニオン20と歯車21とが、側部フレーム部品3′上に支持されている半分部分に属している。
【0055】
これに加えて、
図4に示されているように、6個の歯車21のすべてが利用可能空間内に配置されることが可能であるように、6個の歯車21が2つの別々の平面内に配置されていることが有利である。残りの6個の歯車21が、番号印字装置1の反対側の側部上に同様にかつ対称的に配置されている。
【0056】
上述の形状構成が、図示されている実施形態において12個までの個別の番号印字ホイール7の互いに独立した駆動を可能にする駆動手段の非常にコンパクトな構成を可能にし、このことは以前においては従来技術の番号印字装置によって達成されることが不可能だった。しかし、本発明による番号印字装置が12個未満の互いに独立的に駆動される番号印字ホイール7を備えることも可能であり、このことが必要な駆動手段を配置するためのより大きな空間を提供するということが理解されるだろう。互いに独立的に駆動される番号印字ホイールの数に応じて、番号印字装置の同じ側部上に駆動手段すべてを配置すること、または、より多くの駆動手段を他方の側部上よりも一方の側部上に配置することも可能だろう。
【0057】
図5と
図6は、番号印字装置1の両方の側部上における駆動手段の配置のより適切な理解を可能にする。これらの図では、番号印字ユニット6は、図面を明瞭にするために省略されている。
図5は、側部フレーム部品3と、駆動手段15、18−23の第1の半分部分を支持するための関連した支持部品31とを示す。
図5では、モータ15と、関連した減速歯車18と、出力軸19と、第1のピニオン20とが、支持部品31の形状と形状構成とをより適切に図解するためにすでに省略されている。
図6は、底部フレーム部品2に固定されたままでありかつプリント回路基板100の1つを備えている側部フレーム部品3′と、支持された駆動手段15、18−23と共に側部フレーム部品3′に固定されたままである第2の支持部品31′とを示す。
【0058】
2つの支持部品31、31′は互いに同一であり、および、互いに入れ子式に嵌り込むことが可能である2つの対称的な半円形の櫛形部品として設計されている。各々の支持部品31、31′は、中間軸22の一方の端部を支持するための軸受を各々に備えている6個の端部部分31a、31a′を有し、および、中間軸22の他方の端部は、上述したように、側部フレーム部品3、3′上に備えられている軸受の中に支持されており、これらの軸受は
図5に示されている。支持部品31、31′の端部部分31a、31a′は、一体にアセンブリされると、
図3を参照して上述した中間支持壁30を形成する。
【0059】
番号印字ユニット6の軸の通過のための開口部と、ピニオン20とこれに関連した軸19と中間軸22との通過のための開口スリットとを有する半月形プレート32、32′が、側部フレーム部品3および支持部品31と側部フレーム部品3′および支持部品31′との間に挿入されている。モータ15をその減速歯車18と共に受け入れるように寸法決定されている凹み31bが、さらに、支持部品31、31′上に備えられている。これらの凹み31bが
図5では見てとれるが、
図6ではモータ15と減速歯車18とによって隠されている。
【0060】
図5と
図6に示されているように、櫛形支持部品31、31′は、1対のねじ33によって側部フレーム部品3、3′上に取り付けられている。凹み3b(
図5だけに見てとれる)が、第1のピニオン20と歯車21とを収容するための空間を提供するために、側部フレーム部品3、3′の各々の中に備えられており、6個の軸受が、中間軸22の他方の端部を保持するためにこの凹み3b内に備えられている。
【0061】
図5と
図6とに示されているように、ピニオン23は中間軸22に沿って互い違いに配置されており、および、第2のピニオン23の位置は、その第2のピニオン23が番号印字ホイール7の対応する歯付きホイール16と噛み合うような位置である。中間軸23に沿ったピニオン23の位置が、共通軸17上の関連した番号印字ホイール7の幅および/または軸方向位置に応じて調整されることが可能である。したがって、異なる幅および/または軸方向位置を有する番号印字ホイールが装着された別の番号印字ユニット6によって番号印字ユニット6を置き換えることが非常に容易であり、および、中間軸22に沿ってピニオン23の位置を調整することだけしか必要ではない。
【0062】
各々の側部フレーム部品3、3′の上部部分上には、
図2および
図3に示されている番号印字ユニット6の軸17の一方の端部を受け入れるためのU字形の凹み3c、3c′がさらに備えられている。
【0063】
あるいは、この代わりに、適切な適合化が行われる場合に、支持部品31および側部フレーム部品3と、支持部品31′および側部フレーム部品3′とが、単一の部品として設計されることも可能である。同様に、別個の底部フレーム部品2を備えることでなく、底部フレーム部品2が、個別的な部品の数を減少させるために、かつ、番号印字装置1のアセンブリを容易化するために、側部フレーム部品3、3′の一方と一体化されることも可能であり、または、好ましくは、側部フレーム部品3、3′と共に一体化された2つの半分部分の形に細分されることも可能である。
【0064】
こうした代替案が
図10aと
図10bと
図11とに示されている。
図10aと
図10bは、照合番号303によって示されているフレーム部品の異なる2つの視点からの図面である。2つのこうしたフレーム部品が、番号印字装置のためのケーシングを形成するために、および、上述の番号印字ユニットと駆動手段とを支持するために、互いに1つに固定されるだろう。
図10aと
図10bとに示されているように、フレーム部品303は、駆動手段の一方の半分部分を支持するためのフレーム部品303の一体的部品を形成する支持部分331を備える。この支持部分331は、上述した支持部品31、31′と同一の機能を果たし、および、駆動手段の中間軸22の一方の端部を支持するための軸受を各々が備えている端部部分331aと、減速歯車18を有するモータ15を受け入れるように寸法決定されている凹み331bとを有する、半円形の櫛形の形状構成を有する。2つの同一のフレーム部品303が互いに噛み合わされる時に、端部部分331aが、
図3に関して上述した仕方に類似した仕方で中間の支持壁を形成する。
【0065】
フレーム部品303は、さらに、2つのフレーム部品が一体的にアセンブリされる時に上述の実施形態の底部フレーム部品2と同じ機能を果たす2つの延長部分304、305を備えている。このために、延長部分304はねじ山付き部分304aを備えており(
図10bだけに見てとれる)、および、延長部分305はねじ(図示されていない)の通過を可能にするための貫通穴305aを備えている。2つのフレーム部品303がアセンブリされる時に、一方のフレーム部品の延長部分304、305は他方のフレーム部品の延長部分304、305とそれぞれに協働し、すなわち、ねじが、他方のフレーム部品の延長部分304のねじ山付き部分304aとの協働のために、各々のフレーム部品の延長部分305の貫通穴305a内に配置されることが可能である。したがって、2つのねじが、2つのフレーム部品303を一体的に固定するために必要である。
【0066】
6個の貫通穴319と6個の貫通穴322とが、
図1から
図6の前述の実施形態と同様の仕方で、駆動手段(または、より正確に述べると、その一方の半分部分)の出力軸19と中間軸22との必要とされる通路に対応する場所において、フレーム部品303内に備えられている。
【0067】
前述の実施形態とは対照的に、凹み303bが、必要な駆動手段の歯車装置、すなわち、(
図11により明瞭に示されている)駆動手段の対応する出力軸19の上に取り付けられている第1のピニオン20と、駆動手段の対応する中間軸22の上に取り付けられている歯車21とを収容するための空間を提供するために、(番号印字ユニットが取り付けられなければならない場所から見て)フレーム部品303の外側の表面上に備えられており、および、軸受として働く6個の貫通穴322は、対応する中間軸22の他方の端部を保持するためにこの凹み303b内に備えられている軸受の役割を果たす。
図11に示されているように、カバープレート350(図解のためにこの図では半透明のものとして示されている)が、第1のピニオン20と歯車21とを覆って保護するように、フレーム部品303の外側表面に3個のねじ355によって固定されている。
【0068】
図10aと
図10bと
図11とに図示されているように、フレーム部品303の上部部分は、番号印字ユニット6の共通軸17の端部を受け入れるための凹み部分303cを備えている。開口部303aも、
図11に部分的に示されておりかつ照合番号150で示されている多極コネクタの配置を可能にするように、フレーム部品303の側部内に備えられており、および、このコネクタは番号印字装置の制御電子回路に接続されており(
図15aと
図15bも参照されたい)、および、外部の制御装置、特に番号印字印刷機の制御装置に上記制御電子回路を接続することを可能にする。
【0069】
次に
図12と
図13を参照されたい。
図12は、
図7の駆動連鎖(driving chain)の第2のピニオンの変形例の斜視図を示す。この変形例では、全体的に照合番号23
*で示されている第2のピニオンは、その関連した軸22上でのそのピニオン23
*の軸方向位置の調整のための釈放可能な締め付けリング235を備えている。この目的のために、ピニオン23
*はピニオンホイール部分231と共に一体的な部品を形成する管状部分232を備え、この管状部分232はその端部に4個の縦スリット232aを備えている。これらの縦スリット232aは、釈放可能な締め付けリング235の作用を受けて管状部分232の端部がわずかに変形することを可能にする。さらに明確に述べると、管状部分232は、縦スリット232aが配置されているその管状部分232の端部に向かってその管状部分232の直径が減少する、わずかに円錐形の外側表面を有する。締め付けリング235が管状部分232の端部上に配置される時には、この締め付けリング235は、管状部分232の内側貫通穴の直径の減少を生じさせ、すなわち、ピニオン23
*を所望の軸方向位置においてその軸22上に効果的に固定する。締め付けリング235が管状部分232の端部から(
図12に示されている形状構成では右方向に)取り外され、これによってピニオン23
*が上に取り付けられている対応する軸22上における管状部分232の締め付け作用を解除する時には、ピニオン23
*がその軸22上をスライドすることが可能にされ、および、このようにしてこのピニオン23
*の軸方向位置が調整されることが可能である。
【0070】
図13は、
図12に示されているタイプの6個のピニオン23
*と、番号印字装置内に取り付けられているその関連の軸22とを示す、部分平面図である。これに関連して、番号印字装置のケーシングは、上述の第1または第2の実施形態にしたがって、すなわち、側部フレーム部品3、3′および支持部品31、31′によって、または、支持部分331を有するフレーム部品303によって形成されることが可能である。
図12の変形例が、中間軸22に沿ったピニオン23
*の位置が共通軸17上の関連の番号印字ホイール7の幅および/または軸方向位置とに応じて容易に調整可能なので、有利であるということが理解されるだろう。したがって、異なる幅および/または軸方向位置を有する番号印字ホイールを備えている別の番号印字ユニット6によって番号印字ユニット6を置き換えることが非常に容易である。これは、例えば、一定不変ではない幅の番号印字ホイールを備えている番号印字ユニット6の使用を可能にし、番号印字装置によって印刷可能である英数字記号の形式および書体の新たな可能性を実現する。
【0071】
次に、番号印字動作中の番号印字ホイールの位置を機械的に位置合せおよび維持するための釈放可能な割出機構(すなわちロッキング機構)の2つの変形例を示す、
図8a−8cと
図9a−9cとを参照されたい。この割出機構自体は必ずしも必要というわけではないが、必要に応じて番号印字ホイール7をその目標位置に正確に位置決めすることを確実なものにすることを可能にする。この割出機構が、番号印字ホイールすべてがその目標位置に回転させられ終わった後に番号印字ホイールと共に動作し協働するということが理解されるだろう。
【0072】
釈放可能な割出し機構のこの2つの変形例が、基本的に同一の仕方で、すなわち、番号印字ホイール7の回転軸線に対して平行に延びる可動割出部材50、50′を、番号印字ホイール7′上に備えられている割出溝7a、7a′に対して押し当てることによって動作する。これら2つの変形例の間の唯一の相違点が、
図8a−8cの第1の変形例による割出部材50が番号印字ホイール7の外側の周縁部と協働し、かつ、外側の割出溝7aが番号印字記号の間に設けられており、一方、
図9a−9cの第2の変形例では、割出部材50′が、内側の割出溝7a′が設けられている番号印字ホイール7の内側の周縁部と協働するということである。
【0073】
図8a−8cの変形例では、割出機構は、校正検出器13を保持する1つの支持部材14、14′の場所に備えられるだろう(このことは、上記校正検出器すべてが、2つではなく1つの支持部材上に配置されていることを意味する)。
図8aと
図8cとに示されているように、すべての番号印字ホイール7がその目標位置に回転させられ終わると、割出部材50は外側割出溝7aに向かって前方に押される。番号が印刷され終わると、番号印字ホイール7がその次の目標位置に回転することを可能にするように、割出部材50が後方に動かされて外側割出溝7aの外に出される。
【0074】
この動作原理は、
図9a−9cに示されている第2の変形例に関しても基本的に同一である。この後者の場合には、割出部材50′は共通軸17の周縁部に沿って軸方向に延びる溝17cの中に配置されることが可能であり、この溝17cは、さらに、割出部材50′のためのガイドとして働く。第1の変形例の割出部材50は、番号印字ホイールの外側周縁部上に備えられている番号印字記号の経路内にその割出部材50が存在しないように一定の量だけ後退させられなければならないので、割出部材50′が内側の割出溝7a′に対して押し当てられてその外に引き出されるためにその割出部材50′に必要とされる移動は、第1の変形例の場合よりも小さいということが理解されるだろう。
【0075】
アクチュエータ(図示されていない)が割出部材50、50′を移動させるために使用されることが可能である。このアクチュエータはそれ自体としては当業で公知であり、再び説明する必要はない。これに加えて、割出部材50、50′が割出溝7a、7a′の中に適正に押し込まれ終わっていることを検査するために、制御手段を備えることが有利である。これは、割出部材50、50′の各々の端部の位置を検査するために、割出部材50、50′の両方の端部に1対の検出器を備えることによって検出されることが可能である。
【0076】
図14aから
図14eは、
図9aから
図9cを参照して上述した原理に従う釈放可能な割出機構の採用可能な実施形態を示す。
図14bに示されているように、この割出機構は、この具体例では、番号印字ホイール7の共通軸内に備えられている開口部の中にコイル520と共に配置されている割出部材510を備える(この軸と開口部は、この具体例においては、それぞれに照合番号17
*、17c
*によって示されている)。
図14bに示されているように、割出部材510は、番号印字ホイール7の内側割出溝7a′と協働するようになっている頭部部分510aと縦方向の延長部分510bとを有する、実質的に逆T字形の横断面を有し、および、割出部材510の垂直部分(照合番号が付けられていない)がコイル520の開口部520a内に配置されている。割出部材510は、上述した番号印字ホイール7の内側割出溝7a′と選択的に協働するように、共通軸17
*内を垂直方向に移動することが可能にされている。割出部材510の垂直方向の移動が、共通軸17
*内に同様に一体化されている電磁駆動コイル520によって制御される。
図15に単独で示されているこの電磁駆動コイル520は、割出部材510の対応する一部分の通過のための開口部520aを画定するフレーム520で基本的に形成されており、このフレーム525は導電性巻線526によって取り囲まれている。
図14eに示されているように、巻線526の対応する端子(図示されていない)に接続されている電気接点531、532は軸17
*の各端部に配置されている。これらの電気接点531、532は、番号印字装置の対応する制御電子回路に巻線526を電気的に接続することが意図されている。後述する
図16a、16bは、電気接点531または532との採用可能な接続を示す。アセンブリ状態では、電気接点531または532は、番号印字装置の一方の側部上に備えられているフレキシブルPCB要素126
*上に備えられている電気トラック(electric track)に向かって下向きに方向配置されている。
【0077】
図14eに示されているように、非磁性材料で作られている薄いライナ560が軸17
*の開口部17c
*の内側に配置されていることが好ましい。このライナ560は、コイル巻線526の磁気的および電気的な短絡を防止するシールドとして機能する。このライナ560は、さらに、移動する割出部材510と軸17
*との間に間隙が残ることを確実なものにし、これによって割出部材510が軸17
*に突き当たてられることを防止する。
【0078】
図14aから
図14eに示されているように、割出部材510と電磁駆動コイル520は、コイル520が割出部材510を取り囲むように設計されている。割出部材510は、電磁駆動場との相互作用に適している任意の材料で作られることが可能である。電磁駆動はそれ自体として当業で公知の原理であり、および、本書で説明する必要はない。電磁駆動コイル520によって発生される適切な電磁場の作用を受けて、割出部材510が、選択的に、番号印字ホイール7の割出溝7a′との協働のために下降させられるか、または、番号印字ホイール7の回転を可能にするために番号印字ホイール7を釈放するために上昇させられるということを理解するだけで十分である。
【0079】
可変的な磁気抵抗力を生じさせるコイル電流が、割出部材510を上昇させて番号印字ホイール7を釈放するために、コイル520の駆動コイル526に供給されることが好ましい。割出部材510が、割出部材510の頭部部分510aと軸17
*との間に配置されている(
図14eに見てとれる)板ばねのようなばね550によって、その初期位置(すなわち、
図14bに示されているように、割出部材50が割出溝7a′内に押し込まれている位置)に移動させられることが好ましい。
【0080】
番号印字ホイール7は非磁性材料で作られているか、または、非磁性材料で被覆されている。
【0081】
次に、番号印字装置のケーシング内に番号印字装置の制御電子回路を配置するための実施形態を示す
図15aと
図15bとを参照されたい。この好ましい実施形態では、制御電子回路は、必要とされる電気構成要素および電子構成要素(この一部分だけが
図15aと
図15bとに示されている)を配置するための様々な支持表面を有するフレキシブルプリント回路基板(PCB)120として設計されている。
【0082】
プリント回路基板120は、その可とう性によって、図に示されている箱形の形状構成を形成するように折り曲げられることが可能である。この箱形の形状構成の2つの互いに反対側の側部上には、番号印字装置のケーシングの中に取り付けられる時にその対応する開口部(すなわち、
図1から
図6の実施形態における開口部3a、3a′と、
図10a、
図10b、および、
図11の実施形態における開口部303a)の中に配置されるように設計されている2つの多極コネクタ150が見てとれる。上述したように、これら2つの多極コネクタ150は、番号印字装置内に埋め込まれている電子回路を、外部制御装置、特に番号印字印刷機の制御装置に接続することを可能にする。
【0083】
6個のマイクロ制御装置130がフレキシブル回路基板120の箱形の形状構成の各々の側部上に備えられており、すなわち、合計で12個のマイクロ制御装置がこの箱形の形状構成の側部上に備えられており(
図15aと
図15bではその半分だけしか見えない)、これらのマイクロ制御装置130は、駆動手段の対応するモータ15にコネクタ(図示されていない)によって電気的に接続されるように設計されている。
図15aと
図15bに照合番号125で示されている延長部分は、上述した(この実施形態では1つだけが想定されている)対応する支持部材14上に備えられている校正センサ13に接続するように設計されている。この延長部分125は、特に、対応する構成センサ13に対する接続のために、導電性トラック(図示されていない)を有するように意図されている。上述したように別の組の校正センサが2つの別々の支持部材14、14′上に配置されている場合には、第2の延長部分が、これらの別の組の校正センサに対する接続のためにフレキシブルプリント回路基板上に備えられるだろう。
【0084】
図16aと
図16bは、番号印字装置のケーシング内にその番号印字装置の制御電子回路を配置するための別の実施形態を示す。
図16aと
図16bには、校正センサ13を有する1つの支持部材14と共に、
図10aと
図10bと
図11とを参照して上述したフレーム部品303に実質的に相当する番号印字装置のケーシングのフレーム部品303
*が示されている。
図15aと
図15bのフレキシブルPCB 120に類似しているフレキシブルPCB 120
*が、フレーム部品303
*内に配置されている。
【0085】
図15aと
図15bとに示されている実施形態とは対照的に、フレキシブルPCB 120
*は、上述した形と同じ形でフレーム部品303
*の側方開口部の中に配置されている電気コネクタ(図示されていない)に対する接続のための単一の延長部分125c
*を備える。これに加えて、2つの延長部分125a
*、125b
*が、支持部材14上に備えられている対応する検出器13に対する接続のために、フレキシブルPCB 120
*の一方の側部の上に備えられている。
【0086】
これに加えて、
図16bに照合番号126
*で示されている追加のフレキシブルプPCB要素が、フレキシブルPCB 120
*上に配置されている電子回路を、
図14aから
図14eを参照して上述した電磁駆動式の割出機構510、520に接続するために備えられている。さらに明確に述べると、フレキシブルPCB要素126
*は、コイル巻線526の電気コネクタ(
図4eにおける531または532)をフレキシブルPCB 120
*上に備えられた制御電子回路に接続するための導電性トラックを備えている。したがって、フレキシブルPCB要素126
*の1つの端部126a
*(
図16aにも見てとれる)が、番号印字ユニット6の電気コネクタ351(または352)を有する軸17
*の対応する端部が配置されることになっている、フレーム部品303
*の頂部上の開口部まで延びる。フレキシブルPCB要素126
*の他方の端部126b
*は主フレキシブルPCB 120
*に接続されている。あるいは、この代わりに、フレキシブルPCB要素126
*は主フレキシブルPCB 120
*の一体的な一部分であることが可能である。
【0087】
当業者に明らかである様々な変更および/または改良が、添付されている特許請求項によって定義されている本発明の範囲から逸脱することなしに、上述した実施形態に対して加えられることが可能であるということが理解されるだろう。例えば、これらの例示されている実施形態では、すべての番号印字ホイールが互いに独立した駆動手段によって駆動される。しかし、本発明は、さらに、1対の上記番号印字ホイールだけが独立した駆動手段によって駆動されなければならず、かつ、その他の部品が手動で駆動される番号印字ホイールである場合に対しても適用可能である。これは、例えば、過剰に頻繁に駆動される必要がない接頭文字ホイール(prefix wheel)が使用される時に可能である。この場合には、この接頭文字ホイールは、その接頭文字が変更される毎に、単純にオペレータによって手動で作動させられることが可能である。
【0088】
これに加えて、番号印字ホイールを回転駆動するための好ましい駆動手段は、歯車装置を経由して対応する番号印字ホイールを駆動する電気モータを備える。あらゆる歯車装置が何らかの機械的遊びを有するので、この遊びは可能な限り制限されるべきである。特に歯車装置の少なくとも2つの互いに協働する歯車の間の遊びを補正するための手段を備えることによって、この遊びを補正するための手段が想定されることが可能である。これは、例えば、半径方向および/または軸方向の遊びを補正するための特定の弾性を有するように、歯車装置の歯車の少なくとも幾つかを設計することによって実現されることが可能である。
【0089】
すでに上述したように、12個未満の互いに独立的に駆動される番号印字ホイールを有する番号印字装置が、本発明の範囲内で想定されることが可能である。互いに独立的に駆動される番号印字ホイールの個数が12個未満である場合には、このことが、番号印字ホイールの回転軸線の周りに駆動手段を分散配置するためのより大きな空間を提供するだろうということが理解されるだろう。図面から明らかであるように、駆動手段を配置するための利用可能な空間は、番号印字ホイールの回転軸線を中心とした約180°の角度セクタを含む。この図示されている実施形態では、12個までの互いに独立した駆動手段が、その駆動手段の2つの半分部分を有利な形で噛み合わせることによって、利用可能な空間を伴って配置されている。このような噛み合いは、より少ない番号印字ホイールを有する番号印字装置の場合には必要ではないだろう。