特許第6309770号(P6309770)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6309770合体型掘進機及びこれを用いた掘進方法並びにトンネル構築方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6309770
(24)【登録日】2018年3月23日
(45)【発行日】2018年4月11日
(54)【発明の名称】合体型掘進機及びこれを用いた掘進方法並びにトンネル構築方法
(51)【国際特許分類】
   E21D 9/06 20060101AFI20180402BHJP
   E21D 13/02 20060101ALI20180402BHJP
【FI】
   E21D9/06 311Z
   E21D13/02
【請求項の数】5
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-7030(P2014-7030)
(22)【出願日】2014年1月17日
(65)【公開番号】特開2015-135018(P2015-135018A)
(43)【公開日】2015年7月27日
【審査請求日】2016年11月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】516308364
【氏名又は名称】JIMテクノロジー株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068021
【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 信雄
(72)【発明者】
【氏名】小林 暁
(72)【発明者】
【氏名】大久保 俊明
(72)【発明者】
【氏名】立岩 真吾
(72)【発明者】
【氏名】吉田 譲
(72)【発明者】
【氏名】大坂 衛
(72)【発明者】
【氏名】河本 武士
(72)【発明者】
【氏名】門脇 直樹
【審査官】 荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−046061(JP,A)
【文献】 特開2000−017986(JP,A)
【文献】 特開平05−280297(JP,A)
【文献】 特開2007−231554(JP,A)
【文献】 特開平09−242471(JP,A)
【文献】 特開平11−247580(JP,A)
【文献】 特開平10−008876(JP,A)
【文献】 特開平08−218766(JP,A)
【文献】 特開2007−077677(JP,A)
【文献】 特開2001−336386(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第0507331(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 9/06
E21D 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘進機の断面形状が矩形である単体掘進機を、連結間隔調整自在な連結手段で複数連結させて新たな断面形状を形成させる合体型掘進機であって、
前記連結手段が、前記単体掘進機の両側面又は上下面に形成された凹面状の連結受け部材と、隣接する単体掘進機の連結受け部材間に配置されると共に両端をそれぞれの連結受け部材に嵌め込んで取り付けられる連結ピンと、を備え、
前記連結手段は、前記連結ピンの長さを選定されることで前記単体掘進機の連結間隔を調整自在にされたことを特徴とする合体型掘進機。
【請求項2】
前記単体掘進機は、後胴部と、その後胴部に対して屈曲可能な前胴部とを備え、隣接する単体掘進機は、隣接する後胴部が連結され、隣接する前胴部が前記連結手段で連結された請求項1に記載の合体型掘進機。
【請求項3】
前記前胴部の前縁には、前記連結手段で連結された前記単体掘進機同士の隙間を埋める前縁封止部材が設けられ、前記前縁封止部材より後方の前胴部の両側には、前記連結手段で連結された前記単体掘進機同士の隙間を覆う側部封止部材が設けられ、前記前胴部には、前記連結手段で連結された前記前胴部同士の隙間に封止材を注入するための封止材注入管が設けられた請求項2に記載の合体型掘進機。
【請求項4】
掘進機の断面形状が矩形である単体掘進機を複数連結させて新たな断面形状を形成させた合体型掘進機による掘進方法であって、
前記単体掘進機は、単体掘進機の矩形断面形状に対して余掘り掘削が可能なカッターを備え、
掘削すべき断面形状に合わせて複数の単体掘進機を、連結間隔調整自在な連結手段で連結して合体型掘進機とし、当該合体型掘進機の断面形状に一致した断面で、各単体掘進機の各カッターで、掘削しつつ余掘り掘削で方向制御しながら掘進することを特徴とする合体型掘進機による掘進方法。
【請求項5】
所定距離離れて形成した一方の立坑からの掘進機を発進させると共にその後方に連結した鋼殻を順次接続しつつこれを押し込んで他方の立坑まで掘進し、以後これを繰り返して隣接する鋼殻同士を連結して、立坑間の地中に断面矩形のトンネルを構築する掘進工法において、
構築するトンネルの外殻を、その縦横辺を複数に分割した分割函体で割り付ける工程と、
立坑内のいずれか一方或いは両立坑内で、前記分割函体の断面形状に合わせて、矩形単体掘進機を複数縦又は横方向に並べると共にこれらを連結間隔調整自在な連結手段で連結して合体型掘進機とする工程と、
前記合体型掘進機の後方に、その合体型掘進機と合致した分割函体と共に一方の立坑から他方の立坑或いは他方の立坑から一方の立坑まで掘進する工程と、
隣接する分割函体同士を連結してトンネルの外殻を構築する工程と
を備えたことを特徴とする合体型掘進機を用いたトンネル構築方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大断面のトンネルを構築するための合体型掘進機及びこれを用いた掘進方法並びにトンネル構築方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、大断面のトンネルを構築する際、構築するトンネル構造物の形状、寸法に合わせた掘進機を用いて小断面トンネルを複数回掘削し、小断面トンネルを連結して大断面のトンネルとする施工方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平07−68858号公報
【特許文献2】特許第3133662号公報
【特許文献3】特許第3425607号公報
【特許文献4】特許第4461274号公報
【特許文献5】特許第4556786号公報
【特許文献6】特開2005−330760号公報
【特許文献7】特開2006−46061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この施工方法は、工事毎に掘進機を製作するもので、工事が終われば解体する必要がある。また大断面のトンネルになるほど、小断面トンネルを多数構築する必要があり、小断面トンネルを連結して大断面トンネルとするには、各小断面トンネルの施工精度を保持する必要があり、これらトンネルを掘削する際の掘進機の方向制御が確保できる保証は期待できない問題がある。
【0005】
複数個のカッターを有する矩形掘進機が知られているが、矩形掘進機単体を連結して使用することはなされていない。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、任意の形状の大断面のトンネルを構築できる合体型掘進機及びこれを用いた掘進方法並びにトンネル構築方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、掘進機の断面形状が矩形である単体掘進機を、連結間隔調整自在な連結手段で複数連結させて新たな断面形状を形成させることを特徴とする合体型掘進機である。
【0008】
前記連結手段は、前記単体掘進機の両側面又は上下面に形成された連結受け部材と、隣接する単体掘進機の連結受け部材に係合して前記単体掘進機を連結する長さ調整可能に形成された連結ピンとからなるのが好ましい。
【0009】
前記単体掘進機は、後胴部と、その後胴部に対して屈曲可能な前胴部からなり、隣接する単体掘進機は、隣接する後胴部が連結され、隣接する前胴部が前記連結手段で連結されるのが好ましい。
【0010】
また本発明は、掘進機の断面形状が矩形である単体掘進機を複数連結させて新たな断面形状を形成させた合体型掘進機による掘進方法であって、前記単体掘進機は、単体掘進機の矩形断面形状に対して余掘り掘削が可能なカッターを備え、掘削すべき断面形状に合わせて複数の単体掘進機を連結手段で連結して合体型掘進機とし、当該合体型掘進機の断面形状に一致した断面で、各単体掘進機の各カッターで、掘削しつつ余掘り掘削で方向制御しながら掘進することを特徴とする合体型掘進機による掘進方法である。
【0011】
さらに本発明は、所定距離離れて形成した一方の立坑からの掘進機を発進させると共にその後方に連結した鋼殻を順次接続しつつこれを押し込んで他方の立坑まで掘進し、以後これを繰り返して隣接する鋼殻同士を連結して、立坑間の地中に断面矩形のトンネルを構築する方法において、構築するトンネルの外殻を、その縦横辺を複数に分割した分割函体で割り付ける工程と、立坑内のいずれか一方或いは両立坑内で、前記分割函体の断面形状に合わせて、矩形単体掘進機を複数縦又は横方向に並べると共にこれらを連結して合体型掘進機とする工程と、前記合体型掘進機の後方に、その合体型掘進機と合致した分割函体と共に一方の立坑から他方の立坑或いは他方の立坑から一方の立坑まで掘進する工程と、隣接する分割函体同士を連結してトンネルの外殻を構築する工程とを備えたことを特徴とする合体型掘進機を用いたトンネル構築方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、任意の大断面トンネルを構築する際に、矩形断面の単体掘進機を連結して合体型掘進機を構成し、その合体型形掘進機で掘進することで大断面トンネルを構築することができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に用いる単体掘進機の斜視図である。
図2図1の単体掘進機の側面図である。
図3図1の単体掘進機の側断面図である。
図4図1の単体掘進機を横に5連結して構成した本発明の合体型掘進機の正面図である。
図5図4の合体型掘進機の平面図である。
図6図1の単体掘進機を縦に3連結して構成した本発明の合体型掘進機の正面図である。
図7図6の合体型掘進機の右側面図である。
図8】本発明の合体型掘進機を構成する際に、単体掘進機同士を連結する状態の説明図である。
図9図8における連結手段の詳細を示す図である。
図10図4図6の合体型掘進機における単体掘進機間の組立の詳細を示す図である。
図11図4の合体型掘進機の掘進時における水平方向の方向制御を説明する図である。
図12図4の合体型掘進機の掘進時における上下方向の方向制御を説明する図である。
図13図4の合体型掘進機の掘進時における水平方向と上下方向の方向制御をする際の各単体掘進機の方向制御ジャッキの選択と制御を説明する図である。
図14】単体掘進機を4連結した合体型掘進機の掘進時における水平方向と上下方向の方向制御をする際の各単体掘進機の方向制御ジャッキの選択と制御を説明する図である。
図15図6の合体型掘進機の掘進時における水平方向と上下方向の方向制御をする際の各単体掘進機の方向制御ジャッキの選択と制御を説明する図である。
図16図4の合体型掘進機を立坑から発進して掘進していく状態を示す図である。
図17図16の合体型掘進機で掘進して行く際の掘進方向からみた状態を示す図である。
図18】本発明の合体型掘進機を用いて大断面トンネルを構築する際の頂版中央部を掘進して基準の中央上部分割函体(U1)を構築するステップ1における図である。
図19図18の中央上部分割函体(U1)を構築した後の頂版中央部の左右を掘進して左右上部分割函体(U3、U2)を構築するステップ2に対応した図である。
図20】頂版を構築した後に立坑を掘削するステップ3に対応した図である。
図21】左側壁と中央壁を掘進して左壁部分割函体(M2)と中央壁部分割函体(M1)を構築するステップ4に対応した図である。
図22】左側壁と底版中央部を掘進して右壁部分割函体(M3)と中央底部分割函体(B1)を構築するステップ5に対応した図である。
図23】中央底部分割函体(B1)を構築した後の中央底部分割函体の左右を掘進して左右底部分割函体(B2、B3)を構築するステップ6に対応した図である。
図24】中央底部分割函体(B1)と左右底部分割函体(B3、B2)で、底版を構築するステップ7に対応した図である。
図25】中央壁部分割函体(M1)、左壁部分割函体(M2)、右壁部分割函体(M3)の縦壁を構築するステップ8に対応した図である。
図26】中央上部分割函体(U1)と左右上部分割函体(U2、U3)で、頂版を構築するステップ9に対応した図である。
図27】頂版、縦壁、底版で区画された内部を掘削するステップ10に対応した図である。
図28】左壁部分割函体(M2)と右壁部分割函体(M3)の側壁鋼殻を切断するステップ11に対応した図である。
図29】トンネルの鋼殻が完了したステップ12に対応した図である。
図30】ステップ1における5連の合体型掘進機で、基準の中央上部分割函体(U1)を施工する前の施工ステップ1−1に対応した図である。
図31】基準の中央上部分割函体(U1)を施工した直後の施工ステップ1−2に対応した図である。
図32】施工ステップ1−2の後に、5連の合体型掘進機から1の単体掘進機を外して4連の合体型掘進機とする施工ステップ1−3に対応した図である。
図33】ステップ2における4連の合体型掘進機で、左右上部分割函体(U3、U2)を構築する前の施工ステップ2−1に対応した図である。
図34】4連の合体型掘進機で、左右上部分割函体(U3、U2)を構築した施工ステップ2−2に対応した図である。
図35】ステップ3で、立坑を掘削する施工ステップ3−1に対応した図である。
図36】ステップ4で、左壁部分割函体(M2)と中央壁部分割函体(M1)を構築する前の施工ステップ4−1に対応した図である。
図37】ステップ4で、左壁部分割函体(M2)と中央壁部分割函体(M1)を構築した後の施工ステップ4−2に対応した図である。
図38】ステップ5で、右壁部分割函体(M3)と中央底部分割函体(B1)を構築する前の施工ステップ5−1に対応した図である。
図39】ステップ5で、右壁部分割函体(M3)と中央底部分割函体(B1)を構築した後の施工ステップ5−2に対応した図である。
図40】ステップ5で、5連の合体型掘進機で中央底部分割函体(B1)を構築した後、次の4連の合体型掘進機に改造するための施工ステップ5−3に対応した図である。
図41】ステップ6で、左右底部分割函体(B3、B2)を構築する前の施工ステップ6−1に対応した図である。
図42】ステップ6で、左右底部分割函体(B3、B2)を構築した後の施工ステップ6−2に対応した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0015】
先ず、図1図3により本発明の合体型掘進機に用いられる単体掘進機10を説明する。
【0016】
単体掘進機10は、後述する元押しジャッキで推力を付与される後胴11と、その後胴11に対して上下左右に揺動可能な前胴12と、前胴12に設けられた余掘可能なカッター13と、後胴11と前胴12を連結すると共に、後胴11に対する前胴12の上下左右の角度を調節するための方向制御ジャッキ14とから構成される。
【0017】
前胴12の前部には隔壁15で区画されたカッター室16が形成され、そのカッター室16に臨んでカッター13が回転自在に設けられる。前胴12には、カッター13を駆動する駆動モータ17が設けられ、その駆動モータ17とカッター13とが回転機構18にて連結されて、カッター13が回転して地山を掘削するようになっている。
【0018】
このカッター13は、図示するように円周方向に120度間隔で放射状にされた3本のスポークカッター13sで構成され、各スポークカッター13sには、出没自在な余掘カッター19が設けられる。
【0019】
前胴11内にはカッター13で掘削された土砂をカッター室16から後方に搬送するスクリューコンベア20が設けられる。
【0020】
また前胴12は、例えば2m角の正方形に形成され、その前胴12の後部内周には、前部円筒体21が設けられる。
【0021】
後胴11は、後述するが元押しジャッキで推進される鋼殻(分割函体)に支持される台座22と、その台座22に設けられて前胴12の前部円筒体21内に挿入される後部円筒体23とからなる。前部円筒体21に対して後部円筒体23は、所定の隙間が形成されるような径に形成され、これにより、後胴11に対して前胴12が上下左右方向に揺動できるようにされる。また台座22は、単体掘進機10同士を連結する際に、隣接する台座22同士が直接或いは鋼殻(分割函体)を介して連結される。
【0022】
後部円筒体23には、前部円筒体21との隙間をシールするシール装置24が設けられ、また後胴11の台座22の四隅には、後部円筒体23の外周と前胴12内の四隅に封止材を充填して、前胴12内の四隅に土砂が浸入するのを防止する封止材注入管25が設けられる。
【0023】
方向制御ジャッキ14は、後端のシリンダ側が後胴11の台座22にピン結合され、前端のロッド側が前胴12の内周に設けたフランジ26にピン結合される。この方向制御ジャッキは、台座22とフランジ26の上下にそれぞれ2本、左右にそれぞれ1本で合計6本設けられ、上下の方向制御ジャッキ14を伸縮することで、後胴11に対して前胴12が上下に揺動でき、また左右の方向制御ジャッキ14を伸縮することで、後胴11に対して前胴12が左右に揺動できるようになっている。
【0024】
前胴12の上下左右面には、単体掘進機10同士を後述する連結間隔調整自在な連結手段30(図8図9参照)の連結ピン31を受ける凹面からなる連結受け部材32、32が前後に設けられる。
【0025】
前胴12の前縁の両側には、単体掘進機10同士が連結手段30で連結されたときに、前縁の隙間を埋める前縁封止部材33が設けられ、その後方の前胴12の上下の両側には、側部封止部材34が設けられる。また前胴12には、単体掘進機10同士が連結手段30で連結されたときに、その前胴12同士の隙間に封止材を注入するための封止材注入管35が設けられる。
【0026】
なお、図1図3には示していないが、前胴12と後胴11には、単体掘進機10をクレーンで吊り上げるためのワイヤにシャックルなどで固定するアイボルトを螺入するためのネジ孔が複数設けられている。
【0027】
図4図5は、図1図3に示した単体掘進機10を横方向に5連結した合体型掘進機40を示したものである。
【0028】
この合体型掘進機40は、単体掘進機10の前胴12の両側が連結手段30で連結され、その5連結した合体型掘進機40の上下幅(高さ)は、後述するトンネルの外殻の幅(厚さ)と同じに形成され、また連結方向の幅は、外殻を分割する分割函体の横幅と同じになるように、連結手段30の連結ピン31の長さを選定して連結される。
【0029】
合体型掘進機40の掘進中、各単体掘進機10の余掘カッター19は、カッター13の回転に伴って単体掘進機10の矩形断面形状を掘削するように出没し、また、連結された単体掘進機10間の隙間を掘削できるように、連結手段30の連結ピン31の長さに応じて、隙間を掘削するための伸縮量も制御される。
【0030】
この合体型掘進機40を構成する単体掘進機10の各カッター13は、図4に示すようにカッタ−13の回転掘削で、合体型掘進機40にローリングが生じないように左右に隣接するカッターの回転が逆方向になるよう回転制御される。また、合体型掘進機40でその掘削断面の四隅を掘削する際に、左右両側の単体掘進機10のカッター13に設けた余掘カッター19が適宜出没して合体型掘進機40が適正な方向に掘進できるように制御される。さらに、単体掘進機10の上下に位置した方向制御ジャッキ14の伸縮量を制御することで、掘削時のピッチング方向を制御し、左右両側の単体掘進機10の左右外側に位置した方向制御ジャッキ14の伸縮量を制御することで、掘削時のヨーイング方向を制御する。
【0031】
図6図7は、図1図4に示した単体掘進機10を縦方向に3連結した合体型掘進機50を示したものである。
【0032】
この合体型掘進機50は、単体掘進機10の前縁封止部材33が上下に位置するように、図1に示した単体掘進機10の前縁封止部材33を外して、前胴12の上下に位置するように付け替えた状態で、単体掘進機10の前胴12の上下が連結手段30で連結される。縦方向に3連結した合体型掘進機50の左右幅は、後述するトンネルの外殻の幅(厚さ)と同じに形成され、また連結方向の上下幅は、外殻を分割する分割函体の縦幅と同じになるように連結手段30の連結ピン31を選定して連結される。
【0033】
この合体型掘進機50においても、上下に隣接するカッター13の回転が逆方向になるよう回転制御される。また、合体型掘進機50でその掘削断面の四隅を掘削する際に、上下両側の単体掘進機10のカッター13に設けた余掘カッター19が適宜出没して合体型掘進機40が適正な方向に掘進できるように制御される。さらに、上下の単体掘進機10の上下側に位置した方向制御ジャッキ14の伸縮量を制御することで、掘削時のピッチング方向を制御し、左右両側の単体掘進機10の左右に位置した方向制御ジャッキ14の伸縮量を制御することで、掘削時のヨーイング方向を制御する。
【0034】
また、余掘カッター19は、単体掘進機10の矩形断面形状を掘削するよう、上下に連結した単体掘進機10の隙間を掘削するように出没制御される。
【0035】
この合体型掘進機40、50は、連結手段30で連結した際に、その間に土砂が浸入しないように前縁封止部材33と側部封止部材34でシールされると共に、その間に封止材注入管35から封止材が注入される。
【0036】
図8図9は、連結手段30による単体掘進機10同士の連結の詳細を示したものである。
【0037】
先ず、図8により、単体掘進機10同士の連結を説明する。
【0038】
図8(a)に示すように、立坑内の発進位置の高さに合わせて設置された機台45上に、単体掘進機10aをワイヤwを介してクレーン(図示せず)で吊り下げて、機台45に設けた位置決めストッパ46に当たって係合するようにセットする。この際、単体掘進機10aの連結受け部材32には、連結ピン31が予め取り付けられており、その単体掘進機10aの近くに連結する単体掘進機10bをクレーンで、機台45から僅かに浮くように吊り上げた状態に保持し、単体掘進機10aと単体掘進機10bの上面に取り付けたアイボルト49、49間にチェーン荷締機47のシャックル48を取り付け、図9(b)、図9(c)に示すように、チェーン荷締機47で、シャックル48間のチェーンを締め付けることで、単体掘進機10bが単体掘進機10aに引き寄せられ、連結ピン31が単体掘進機10bの連結受け部材32に嵌り込む。
【0039】
次に、図9より、連結手段30としての連結受け部材32と連結ピン31との連結を説明する。
【0040】
図9(a)、図9(b)に示すように、連結ピン31の両端面には、その円周方向に沿ってボルト孔51が形成され、そのボルト孔51に、六角穴付きのガイドボルト52が螺入され、そのガイドボルト52が連結ピン31の端面から突出するように設けられる。
【0041】
この状態で、図8で説明したように、連結する単体掘進機10bが引き寄せられると、連結ピン31が連結受け部材32に嵌め込まれると共にガイドボルト52が、連結受け部材32に形成した孔を通して単体掘進機10bの前胴12内に突出し、前胴12内からガイドボルト52にナット53を螺合することで、連結ピン31を介して単体掘進機10aと単体掘進機10bが連結される。
【0042】
この連結ピン31は、図4図6に示したように単体掘進機10を連結した際に、その左右端(上下端)の長さが後述する分割函体の左右(上下)長さと同じになるよう、各連結ピン31の長さを選定することで、単体掘進機10の連結間隔が調整自在な連結手段30とすることができる。
【0043】
なお、連結後は、単体掘進機10のアイボルト49と連結ピン31のアイボルト54は外しておく。
【0044】
図10は、単体掘進機10同士を連結手段30で連結した後の単体掘進機10間の隙間を塞ぐ側部封止部材34の詳細を示したもので、図10(a)は全体平面図、図10(b)は図10(a)中のA−A線断面図、図10(c)は、図10(a)中のB−B線断面図である。
【0045】
側部封止部材34を取り付ける前胴12の角部には、段部56が予め形成され、図10(b)に示すように単体掘進機10同士の隙間を覆うときには、両段部56に嵌ると共に連結手段30で調整された間隔を覆うような幅に形成された側部封止部材34が六角穴付きボルト57で固定される。
【0046】
また、図10(c)に示すように、非連結側の段部56には、その段部56を埋めるブロック部材58が六角穴付きボルト57で固定される。
【0047】
次に、図4図5に示した合体型掘進機40による掘削中の方向制御について、図11図12により説明する。
【0048】
図11は、ヨーイング方向制御を示したものである。
【0049】
先ず合体型掘進機40の各単体掘進機10の後胴11は、仮設の分割函体70Sにそれぞれ連結固定され、仮設の分割函体70Sの後方に順次分割函体70が接続され、後述する立坑に設けた元押しジャッキで掘進方向に押圧され、その押圧力で、合体型掘進機50が推進されつつカッター13で地山を掘削して掘進する。
【0050】
各単体掘進機10の前胴12は、図9図10で説明したように連結手段30で連結されて一体となるが、これら連結された前胴12は、その前部円筒体21と後胴11の後部円筒体23に対して隙間が形成されるため、全体に左右方向に±0.5°(最大±1°まで可能)に揺動できる。
【0051】
図11(b)〜図11(d)は、図11(a)に長円で囲んだ(b)〜(d)に対応する部分の拡大断面図を示したもので、合体型掘進機40の各前胴12が全体に±0.5°ヨーイング方向に傾斜しても、前部円筒体21と後胴円筒体23の隙間をシールするシール装置24は、その隙間の変化に追従して変形してシール性を維持する。
【0052】
図12は、ピッチング方向の方向制御を示したものである。
【0053】
図12においても、合体型掘進機40の各前胴12が全体に±0.5°ピッチング方向に傾斜してもシールの健全性は維持される。
【0054】
図13は、単体掘進機10を横方向に5連結した合体型掘進機40の各単体掘進機10に設けた方向制御ジャッキ14(6本)の選択を示すものであり、番号1〜6は、単体掘進機10内の取り付け位置に対応した方向制御ジャッキ14を示し、数字に丸で囲んだ方向制御ジャッキ14は、伸縮して方向制御を行う作動ジャッキ、丸で囲んでいない数字は、非作動ジャッキを示している。
【0055】
ヨーイングの方向制御の際には、合体型掘進機40の内、左右の単体掘進機10の左右の方向制御ジャッキ14(番号5と番号2)が作動し、その一方が伸長し、他方が縮退することで、例えば、全体に±0.5°水平方向に傾斜してヨーイング方向の掘削制御が可能となる。
【0056】
また、ピッチング方向制御の際には、各単体掘進機10の上下の方向制御ジャッキ14(番号1、6と番号3、4)が作動し、その一方が伸長し、他方が縮退することで、例えば、全体に±0.5°上下方向に傾斜してピッチング方向の掘削制御が可能となる。
【0057】
図14は、単体掘進機10を横方向に4連結した合体型掘進機40Sの各単体掘進機10に設けた方向制御ジャッキ14(6本)の選択を示すものであり、方向制御は、図13の5連結の合体型掘進機40と基本的に同じであり説明は省略する。
【0058】
図15は、図6図7に示した単体掘進機10を縦方向に3連結した合体型掘進機50の各単体掘進機10に設けた方向制御ジャッキ14(6本)の選択を示すものであり、番号1〜6は、単体掘進機10内の取り付け位置に対応した方向制御ジャッキ14を示し、数字に丸で囲んだ方向制御ジャッキ14は、伸縮して方向制御を行う作動ジャッキ、丸で囲んでいない数字は、非作動ジャッキを示している。
【0059】
ヨーイングの方向制御の際には、合体型掘進機50の内、上下三段の単体掘進機10の内、下二段の左右の方向制御ジャッキ14(番号5と番号2)が作動し、その一方が伸長し、他方が縮退することで、全体に±0.5°水平方向に傾斜してヨーイング方向の掘削制御が可能となる。
【0060】
また、ピッチング方向制御の際には、最上段の単体掘進機10の上部の方向制御ジャッキ14(番号1、6)と最下段の単体掘進機10の下部の方向制御ジャッキ14(番号3、4)が作動し、その上段と下段の内の一方が伸長し、他方が縮退することで、例えば、全体に±0.5°上下方向に傾斜してピッチング方向の掘削制御が可能となる。
【0061】
図16は、5連結の合体型掘進機40で掘進してその後方に分割函体70を構築する例を示し、図17は、図16に示した5連結の合体型掘進機40で掘進して行く際に、掘進方向前方からみた、5連結の合体型掘進機40の各単体掘進機10の各カッター13での余掘制御を行う例を示したものである。
【0062】
5連結の合体型掘進機40は、立坑60で組み立てられ、その後方に仮設分割函体70sが接続され、その仮設分割函体70sが元押しジャッキ80にて押圧され、同時に、5連結の合体型掘進機40の各単体掘進機10の各カッター13が回転しながら地山Gを掘削しながら掘進する。その後、掘進と共に仮設分割函体70sの後方に分割函体70を接続しながら他方の立坑まで掘進する。
【0063】
掘進中、合体型掘進機40の位置を測位し、掘進方向にズレがあるかどうかを判断し、掘進方向にズレがあるときには、図11図13で説明したように方向制御ジャッキ14にて、ヨーイング角やピッチング角を調整して掘進する。
【0064】
この際、図17に示すように合体型掘進機40を、例えば上向きに掘進方向を制御する場合には、カッター13に設けた余掘カッター19で、合体型掘進機40の上方の地山Gを掘削してその余掘量OBを制御することでピッチング角の調整が容易となり、また左右に並んだ各単体掘進機10の余掘カッター19での余掘量OBを制御することで、ローリング角の調整も可能となる。さらにヨーイング方向を制御する際には、合体型掘進機40の左右の単体掘進機10の余掘カッター19で、合体型掘進機40の左右の地山の余掘量OBを調整することで制御できる。
【0065】
次に図18図42により合体型掘進機40、40S、50でトンネルを構築する例を説明する。
【0066】
構築するトンネル100は、例えば東西方向に離れて形成された東側妻部の立坑60Eと西側妻部の立坑60Wとの間に構築される。
【0067】
トンネル100は、図29に示すように、頂版101、底版102、左右壁版103、104で四角形に形成され、また頂版101と底版102間の中央を中央壁版105で連結した形状に構成されるものとする。
【0068】
この際に、頂版101は、中央上部分割函体U1(図18図31)と左右上部分割函体U2、U3(図19図34)とで分割形成され、底版102は、中央底部分割函体B1(図22図39)と左右底部分割函体B2、B3(図23図42)とで分割形成され、中央壁版105は、中央壁部分割函体M1(図21図37)、左壁版103は、左壁部分割函体M2(図22図36)で形成され、右壁版104は、右壁部分割函体M3(図22図39)で形成されるものとする。
【0069】
この分割函体の割り付けは、図18図42においては、トンネル100の左右幅が約26m、高さが10mで、単体掘進機10が2m角とした場合、頂版101と底版102は、単体掘進機10がそれぞれ左右に13列、中央壁版105と左壁版103と右壁版104は、単体掘進機10がそれぞれ上下3列で、合計35機の単体掘進機10で掘削することとなる。
【0070】
そこで、推進掘削に用いる単体掘進機10の総個数を8機として、東側妻部の立坑60Eと西側妻部の立坑60Wから同時に掘進できるようにするために、5連結の合体型掘進機40による分割函体、4連結の合体型掘進機40Sによる分割函体で、割り付けて頂版101と底版102を構築するように、また3連結の合体型掘進機50による分割函体で中央壁版105と左壁版103と右壁版104を構築することで最も作業効率のよい掘削が行える。
【0071】
なお、分割函体の割り付けは、この他にもトンネルの施工工期やトンネルの断面の大きさに応じて適宜能率のよい割り付けに変更できる。
【0072】
この図18図42において、トンネルを構築する分割函体U1〜U3、B1〜B3、M1〜M3の断面は、図18図29では、東側妻部の立坑60Eからみた断面、図30図42(それぞれ各図の右上に示したトンネルの断面)は、西側妻部の立坑60Wからみた断面を示している。トンネル100の左右方向は、西側妻部の立坑60Wからみての左右である。
【0073】
図18は、中央上部分割函体U1を構築するSTEP1を示したものである。
【0074】
先ず東側妻部の立坑60Eを、中央上部分割函体U1を推進できる深さまで掘り下げ、図30に示すように、その立坑60E内に合体型掘進機40と推進機80をセットし(STEP1−1)、図31に示すように合体型掘進機40とその後方に順次中央上部分割函体U1を連結しながら、西側妻部の立坑60Wまで掘進して、中央上部分割函体U1を構築する(STEP1−2)。
【0075】
その後、図32に示すように、西側妻部の立坑60Wに到達した5連結の合体型掘進機40から1つの単体掘進機10を外して、4連結の合体掘進機40Sとし、その外した単体掘進機10を東側妻部の立坑60Eに搬送する(STEP1−3)。
【0076】
図19は、左右上部分割函体U2、U3を構築するSTEP2を示したものである。
【0077】
図33に示すように、西側妻部の立坑60Wで、4連結にした合体掘進機40Sを、構築した中央上部分割函体U1の左側にセットし、東側妻部の立坑60Eでは、搬送された単体掘進機10と他の3つの単体掘進機を連結して4連結の合体掘進機40Sとし、これを中央上部分割函体U1の左側(西側妻部の立坑60W側からみて右側)にセットし(STEP2−1)、図34に示すように、両立坑60W、60Eから4連結の合体掘進機40Sを発進させると共にその後方に左右上部分割函体U2、U3を順次接続しながら構築する(STEP2−2)。
【0078】
これにより、図20図35に示したように中央上部分割函体U1と左右上部分割函体U2、U3からなる頂版101が構築される(STEP3)。
【0079】
図21は、中央壁部分割函体M1と左壁部分割函体M2を構築するSTEP4を示したものである。
【0080】
図36に示すように、両立坑60W、60E内で、STEP3で用いた4連結の合体型掘進機40Sから1つの単体掘進機10を外すと共に単体掘進機10を上下三段になるように連結して3連結の合体型掘進機50を構築し、この3連結の合体型掘進機50を、東側妻部の立坑60Eでは、中央上部分割函体U1の下部中央に位置するよう、西側妻部の立坑60Wでは、左上部分割函体U2の下部左側に位置するようにセットする(STEP4−1)。
【0081】
図37に示すように、両立坑60W、60Eから3連結の合体掘進機50を発進させると共にその後方に左右上部分割函体M1、M2を順次接続しながら構築する(STEP4−2)。またこのSTEP4−2では、西側妻部の立坑60Wで外しておいた単体掘進機10を東側妻部の立坑60Eに搬送しておく。
【0082】
図22は、中央底部分割函体B1と右壁部分割函体M3を構築するSTEP5を示したものである。
【0083】
図38に示すように東側妻部の立坑60Eでは、5連結の合体型掘進機40に組み替えて、中央底部分割函体B1の下部に位置するようにセットし、西側妻部の立坑60Wでは、3連結の合体型掘進機50をそのまま用いて右上部分割函体U3の下部右側に位置するようにセットする(STEP5−1)。
【0084】
図39に示すように、東側妻部の立坑60Eから5連結の合体型掘進機40を、その後方に中央底部分割函体B1を接続しながら掘進し、西側妻部の立坑60Wから3連結の合体型掘進機50を、その後方に右壁部分割函体M3を接続しながら掘進して、中央底部分割函体B1と右壁部分割函体M3を構築する(STEP5−2)。
【0085】
図40に示すように、西側妻部の立坑60Wでは、5連結の合体型掘進機40から単体掘進機10を外して4連結の合体型掘進機40Sとし、その外した単体掘進機10を東側妻部の立坑60Eに搬送し、東側妻部の立坑60Eで4連結の合体型掘進機40Sとする(STEP5−3)。
【0086】
図23は、左右底部分割函体B2、B3を構築するSTEP6を示したものである。
【0087】
図41に示すように東側妻部の立坑60Eと西側妻部の立坑60Wで、それぞれ、4連結の合体型掘進機40Sを、中央底部分割函体B1の左右に位置するようにセットし(STEP6−1)、図42に示すように、各4連結の合体型掘進機40Sの後方にそれぞれ左右底部分割函体B2、B3を接続しながら掘進して、左右底部分割函体B2、B3を構築する(STEP6−2)。
【0088】
以上のSTEP1〜6で、各分割函体でトンネルの外殻が構築される。
【0089】
この後、図24図29に示すSTEP7〜12にてトンネル100が構築される。
【0090】
図24は、底版102を構築するSTEP7を示したものである。
【0091】
このSTEP7では、中央底部分割函体B1と左右底部分割函体B2、B3とは、互いに隣接する分割函体B1〜B3の接合部分の鋼殻を切断除去して一つの空間とすると共に、中央底部分割函体B1と左右底部分割函体B2、B3とを溶接等で接続し、その内部に鉄筋を組み立てる。
【0092】
図25は、底版102内へのコンクリート打設と、中央壁版105、左右壁版103、104を構築するSTEP8を示したものである。
【0093】
このSTEP8では、中央壁部分割函体M1は、中央上部分割函体U1と中央底部分割函体B1との接合のための鋼殻の除去と鉄筋の組み立てを行った後にコンクリート打設を行う。また、左右壁部分割函体M2、M3は、左右上部分割函体U2、U3と左右底部分割函体B2、B3との接合のための鋼殻の除去と鉄筋の組み立てとコンクリート打設を行うが、構築する左右壁版103、104の幅は、単体掘進機10の幅より薄く、左右壁部分割函体M2、M3のトンネル内周側がスキンプレートpにて単体掘進機10の幅に合わせて形成され、後述する図28のステップ11にて、スキンプレートpが除去されるようになっている。
【0094】
図26は、頂版101を構築するSTEP9を示したものである。
【0095】
このSTEP9では、中央上部分割函体U1と左右上部分割函体U2、U3の接合部分の鋼殻を切断除去した後、中央上部分割函体U1と左右上部分割函体U2、U3とを接続し、さらに中央壁部分割函体M1、左右壁部分割函体M2、M3と接続し、その内部に鉄筋を組み立てた後、コンクリートを打設して頂版101を構築する。
【0096】
図27は、頂版101、底版102、中央壁版105、左右壁版103、104で区画されたトンネル100の内部の土砂を除去するSTEP10を示したものである。
【0097】
図28は、土砂除去後に左右壁版103、104を構成する左右壁部分割函体M2、M3のスキンプレートpを除去するSTEP11を示したもので、スキンプレートpを除去することで、図29に示したトンネル100が構築される(STEP12)。
【0098】
以上説明してきたように、本発明は矩形の単体掘進機を複数連結する際に、連結手段で連結間隔を調整して新たな断面形状の合体型掘進機とすることで、単一の単体掘進でも任意の断面形状を掘削できると共に、任意の断面のトンネルを構築することが可能となる。また、他のトンネルを構築する際には、回収された単体掘進機を再利用することが可能となる。
【符号の説明】
【0099】
10 単体掘進機
11 後胴
12 前胴
30 連結手段
40、50 合体型掘進機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
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図22
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図24
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図26
図27
図28
図29
図30
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図32
図33
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図42