特許第6309807号(P6309807)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6309807
(24)【登録日】2018年3月23日
(45)【発行日】2018年4月11日
(54)【発明の名称】無線端末識別装置、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 8/00 20090101AFI20180402BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20180402BHJP
   H04W 88/02 20090101ALI20180402BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20180402BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20180402BHJP
【FI】
   H04W8/00 110
   H04W84/10 110
   H04W88/02 110
   H04M1/00 Q
   H04M11/00 302
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-75508(P2014-75508)
(22)【出願日】2014年4月1日
(65)【公開番号】特開2015-198347(P2015-198347A)
(43)【公開日】2015年11月9日
【審査請求日】2017年1月18日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成24年度、総務省、委託業務「モノのインターネット時代の通信規格の開発・実証」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】599108264
【氏名又は名称】株式会社KDDI総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】服部 雅晴
【審査官】 三枝 保裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−254310(JP,A)
【文献】 国際公開第2003/049326(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
H04M 1/00
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
近距離無線通信をする無線端末と通信を行う無線端末識別装置であって、
前記無線端末との通信の履歴情報を記憶する通信履歴記憶部と、
前記無線端末と近距離無線通信を行う近距離無線通信部と、
前記近距離無線通信部により前記無線端末を探索するための探索メッセージを定期的に送信し、前記探索メッセージを受信した前記無線端末から応答メッセージを受信することによって前記無線端末を検出する端末検出部と、
前記端末検出部によって検出された全ての前記無線端末から受信した前記応答メッセージを、前記履歴情報として前記通信履歴記憶部に記憶させる通信履歴記憶制御部と、
前記端末検出部によって一番最後に検出された全ての前記無線端末を識別するための情報を、前記通信履歴記憶部に記憶された前記履歴情報を閲覧し電波状況の履歴情報も同時に表示部に表示する表示制御部と、
を備える無線端末識別装置。
【請求項2】
前記通信履歴記憶制御部は、前記無線端末から受信した前記応答メッセージに含まれる前記無線端末の識別情報を、前記応答メッセージを受信した受信時刻に対応付けて前記通信履歴記憶部に記憶させ、
前記表示制御部は、前記端末検出部によって検出されている前記無線端末を表示する際に、前記通信履歴記憶部に記憶された前記履歴情報に基づいて、前記無線端末の識別情報と共に、前記無線端末を継続的に検出した履歴の内、一番最初に検出した時刻からの経過時間を表示部に表示する、
請求項1に記載の無線端末識別装置。
【請求項3】
請求項1に記載の無線端末識別装置である第1の無線端末識別装置と第2の無線端末識別装置とから構成される無線端末識別システムであって、
前記第1の無線端末識別装置及び前記第2の無線端末識別装置は、前記近距離無線通信とは別の無線通信を行う無線通信部をさらに備え、
前記第1の無線端末識別装置における前記端末検出部は、前記近距離無線通信部により前記無線端末を検出すると共に、前記無線通信部によって通信される前記第2の無線端末識別装置における前記端末検出部が検出した前記無線端末を検出する、
無線端末識別システム。
【請求項4】
通信履歴記憶部を有し、近距離無線通信をする無線端末と通信を行う無線端末識別装置が実行する方法であって、
前記無線端末識別装置により、
前記無線端末を探索するための探索メッセージを定期的に送信し、前記探索メッセージを受信した前記無線端末から応答メッセージを受信することによって前記無線端末を検出する端末検出ステップと、
前記端末検出ステップにおいて検出された全ての前記無線端末から受信した前記応答メッセージを、履歴情報として前記通信履歴記憶部に記憶させる通信履歴記憶制御ステップと、
前記端末検出ステップにおいて一番最後に検出された全ての前記無線端末を識別するための情報を、前記通信履歴記憶部に記憶された前記履歴情報を閲覧し電波状況の履歴情報も同時に表示部に表示する表示制御ステップと、
を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線端末識別装置、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線LANやBluetooth(登録商標)などが搭載された携帯端末が普及しており、その携帯端末と接続して利用する機器(ヘッドセット、体組成計や活動量などのヘルスケア機器)の種類が増大している。このため、MACアドレスを識別子とする近距離無線通信を利用する頻度が高くなっている。
【0003】
通信接続をする機器では、MACアドレスなどの識別情報は各機器に事前に割り当てられている。これらの機器と近距離無線通信を確立する際、利用者がこの識別情報を意識することはほとんどない。利用者は機器の種類などが割り当てられた機器名で識別している。したがって、無線通信範囲内に同一機種が存在した場合、機器を識別して通信を確立することが困難になる。このような課題を解決する技術を開示する特許文献1から3が知られている。
【0004】
特許文献1に開示される通信システムでは、複数台の通信機器で無線を行う場合に、送信可能な距離を短距離に制限した上で、無線通信の接続対象となる機器にメッセージを送信する。
【0005】
特許文献2に開示される通信システムは、複数台の通信機器で無線通信を行う場合に、周囲に存在する他の通信機器を発見するための問い合わせメッセージを、通信到達距離を複数段階に変化させながら無線送信する。応答メッセージの送信元となる各通信機器ごとに通信到達距離毎の方法を保持し、これに基づき無線通信の接続対象となる通信機器を選択するようにしている。
【0006】
特許文献3に開示される携帯端末は、異なる2つの通信方式(赤外線及び無線LAN)を前提とする場合、赤外線通信で無線LAN接続対象機器として指定し、無線LAN通信で接続要求を実施した際に赤外線通信により指定があったか否かを判断して通信を確立する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004―015558号公報
【特許文献2】特開2004―015654号公報
【特許文献3】特開2007―259385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1や2に開示されている技術では、通信距離を短くすることで接続対象を選択するようにしているが、通信距離を短くしても対象の機器だけ存在する状況になるとは限らない。特許文献3の技術では、指向性の高い赤外線を利用して接続対象を指定するようにしているが、片方の端末には近距離無線及び赤外線の2つの通信機能を搭載していることが前提となる。
【0009】
そこで、近距離無線通信において、通信範囲内に存在する複数の無線端末を容易に識別することができる装置が求められている。
【0010】
本発明は、近距離無線通信において、通信範囲内に存在する複数の無線端末を容易に識別することができる無線端末識別装置、システム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、接続対象機器を識別するときに、近距離無線の履歴情報を利用する。接続は一般的に、周辺の接続候補の機器を検出し、接続設定(ペアリング)を実施する。機器検出の際には、近距離無線範囲内の識別情報や電波状態のON/OFFを把握することができる。定期的に機器検出を実施し、履歴情報として保存しておく。機器検出後に、機器の一覧を表示する時に、履歴情報を閲覧し電波状況の履歴情報も同時に表示する。
具体的には、以下のような解決手段を提供する。
【0012】
(1) 近距離無線通信をする無線端末と通信を行う無線端末識別装置であって、前記無線端末との通信の履歴情報を記憶する通信履歴記憶部と、前記無線端末と近距離無線通信を行う近距離無線通信部と、前記近距離無線通信部により前記無線端末を探索するための探索メッセージを定期的に送信し、前記探索メッセージを受信した前記無線端末から応答メッセージを受信することによって前記無線端末を検出する端末検出部と、前記端末検出部によって検出された前記無線端末から受信した前記応答メッセージを、前記履歴情報として前記通信履歴記憶部に記憶させる通信履歴記憶制御部と、前記端末検出部によって検出された前記無線端末を識別するための情報を、前記通信履歴記憶部に記憶された前記履歴情報に基づいて表示部に表示する表示制御部と、を備える無線端末識別装置。
【0013】
(1)の構成によれば、(1)に係る無線端末識別装置は、近距離無線通信をする無線端末と近距離無線通信を行い、無線端末を探索するための探索メッセージを定期的に送信し、探索メッセージを受信した無線端末から応答メッセージを受信することによって無線端末を検出し、検出した無線端末から受信した応答メッセージを、履歴情報として通信履歴記憶部に記憶させ、検出した無線端末を識別するための情報を、通信履歴記憶部に記憶された履歴情報に基づいて表示部に表示する。
【0014】
すなわち、(1)に係る無線端末識別装置は、定期的に無線端末を探索し、探索した無線端末との通信の履歴情報を記憶し、記憶した履歴情報に基づいて、無線端末を識別するための情報を作成し表示する。
したがって、(1)に係る無線端末識別装置は、近距離無線通信において、通信範囲内に存在する複数の無線端末を容易に識別することができる。
【0015】
(2) 前記通信履歴記憶制御部は、前記無線端末から受信した前記応答メッセージに含まれる前記無線端末の識別情報を、前記応答メッセージを受信した受信時刻に対応付けて前記通信履歴記憶部に記憶させ、前記表示制御部は、前記端末検出部によって検出されている前記無線端末を表示する際に、前記通信履歴記憶部に記憶された前記履歴情報に基づいて、前記無線端末の識別情報と共に、検出した時刻からの経過時間を表示部に表示する、(1)に記載の無線端末識別装置。
【0016】
したがって、(2)に係る無線端末識別装置は、近距離無線通信において、通信範囲内に存在する複数の無線端末を、検出した経過時間によってさらに容易に識別することができる。
【0017】
(3) (1)に記載の無線端末識別装置である第1の無線端末識別装置と第2の無線端末識別装置とから構成される無線端末識別システムであって、前記第1の無線端末識別装置及び前記第2の無線端末識別装置は、前記近距離無線通信とは別の無線通信を行う無線通信部をさらに備え、前記第1の無線端末識別装置における前記端末検出部は、前記近距離無線通信部により前記無線端末を検出すると共に、前記無線通信部によって通信される前記第2の無線端末識別装置における前記端末検出部が検出した前記無線端末を検出する、無線端末識別システム。
【0018】
したがって、(3)に係る無線端末識別システムは、近距離無線通信の範囲内に存在する複数の無線端末を容易に識別し、近距離無線通信とは別の無線通信によって接続される装置における近距離無線通信の範囲内に存在する複数の無線端末を容易に識別することができる。
【0019】
(4) (1)に記載の無線端末識別装置が実行する方法であって、前記端末検出部が、前記近距離無線通信部により前記無線端末を探索するための探索メッセージを定期的に送信し、前記探索メッセージを受信した前記無線端末から応答メッセージを受信することによって前記無線端末を検出する端末検出ステップと、前記通信履歴記憶制御部が、前記端末検出ステップによって検出された前記無線端末から受信した前記応答メッセージを、前記履歴情報として前記通信履歴記憶部に記憶させる通信履歴記憶制御ステップと、前記表示制御部が、前記端末検出ステップによって検出された前記無線端末を識別するための情報を、前記通信履歴記憶部に記憶された前記履歴情報に基づいて表示部に表示する表示制御ステップと、を備える方法。
【0020】
したがって、(4)に係る方法は、近距離無線通信において、通信範囲内に存在する複数の無線端末を容易に識別することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、近距離無線通信において、通信範囲内に存在する複数の無線端末を容易に識別することができる。すなわち、本発明によれば、近距離無線通信を行う場合に、容易に接続対象の機器を判断できるようになる。その結果、本発明によれば、利用者の無線通信を確立する設定に関わる作業を省力化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態1に係る無線端末識別装置による無線端末の識別についての説明をするための図である。
図2】本発明の実施形態1に係る無線端末識別装置の構成を示す図である。
図3】本発明の実施形態1に係る無線端末識別装置による通信履歴記憶部の例を示す図である。
図4】本発明の実施形態1に係る無線端末識別装置による機器探索結果の表示の例を示す図である。
図5】本発明の実施形態1に係る無線端末識別装置の処理を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施形態2に係る無線端末識別システムによる無線端末の識別についての説明をするための図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について、図を参照しながら説明する。
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態1に係る無線端末識別装置10による無線端末50の識別についての説明をするための図である。無線端末識別装置10は、例えば、携帯端末によって構成されてもよい。無線端末識別装置10は、近距離無線通信(例えば、Bluetoothなど)機能を具備している。無線端末識別装置10は、通信履歴情報を記憶する記憶部を具備している。近距離無線の通信履歴情報とは、具体的には時刻情報と、その時点において検出された無線端末50を識別する識別子(例えば、Bluetoothの場合、BluetoothのMACアドレスなど)との情報である。
【0024】
図2は、本発明の実施形態1に係る無線端末識別装置10の構成を示す図である。無線端末識別装置10は、通信履歴記憶部21と、近距離無線通信部11と、端末検出部12と、通信履歴記憶制御部13と、表示制御部14とから構成される。以下、各部ごとに説明する。
【0025】
通信履歴記憶部21は、無線端末50との近距離無線通信の履歴情報を記憶する。近距離無線通信の履歴情報は、端末検出部12にて検出された無線端末50からの応答メッセージを受信した後に書き込まれる。具体的には、近距離無線通信の履歴情報は、無線端末50から受信したメッセージに含まれる無線端末50の識別情報と、メッセージを受信した受信時刻などとを対応付けた情報である(後述する図3参照)。
【0026】
近距離無線通信部11は、無線端末50と近距離無線通信を行う。近距離無線通信部11は、無線端末50と無線通信を実施するため、無線通信プロトコル(例えば、Bluetoothなど)を実装している。近距離無線通信部11は、無線端末50を探索するための探索メッセージを送信し、無線通信範囲内にある無線端末50からの応答メッセージを受信する。
【0027】
端末検出部12は、近距離無線通信部11により無線端末50を探索するための探索メッセージを定期的に送信し、探索メッセージを受信した無線端末50から応答メッセージを受信することによって無線端末50を検出する。具体的には、端末検出部12は、定期的(例えば、15秒)ごとに近距離無線通信部11によって探索メッセージを送信する。端末検出部12は、設定に基づいて定期的に、探索メッセージを送信する。
【0028】
通信履歴記憶制御部13は、端末検出部12によって検出された無線端末50から受信した応答メッセージを、履歴情報として通信履歴記憶部21に記憶させる。
【0029】
表示制御部14は、端末検出部12によって検出された無線端末50を識別するための情報を、通信履歴記憶部21に記憶された履歴情報に基づいて表示部40(例えば、ディスプレイ)に表示する。表示制御部14は、端末検出部12によって検出されている無線端末50を表示する際に、通信履歴記憶部21に記憶された履歴情報に基づいて、無線端末50の識別情報と共に、検出した時刻からの経過時間を表示部40(例えば、ディスプレイ)に表示する(後述する図4参照)。表示制御部14は、表示する際に、最適な形式によって表示部40に表示する。
【0030】
最適な形式として、例えば、表示制御部14は、経過時間の短い無線端末50(直前に電波を出力する設定を実施したと推定される無線端末50)、検出頻度が高い無線端末50、又は無線端末識別装置10と既に接続を実施した回数の多い無線端末50から順に、表示のリスト上部に表示してもよい。なお、通信履歴記憶制御部13は、通信履歴記憶部21に履歴情報を記憶させる際に、検出頻度を算出し、接続処理から接続した情報を受け取って接続回数を記憶させるとしてもよい。
さらに、表示制御部14は、最初の表示の際に、経過時間が所定の時間より短い、検出頻度が所定の頻度より高い、又は接続回数が所定の回数より多いなどにより、ユーザが接続を開始したいと推定できる無線端末50を表示し、一定時間後にその他の検出された全ての無線端末50を表示するとしてもよい。
【0031】
図3は、本発明の実施形態1に係る無線端末識別装置10による通信履歴記憶部21の例を示す図である。近距離無線通信の履歴情報とは、前述の通り、時刻情報とその時点において検出された無線端末50を識別する識別子(例えば、Bluetoothの場合、BluetoothのMACアドレスなど)との情報である。本発明の実施形態においては、無線端末識別装置10から無線端末50を探索するための探索メッセージを定期的に送信しており、通信履歴記憶部21には、検出された無線端末50の情報(データの単位としてのレコード)が、一定時間間隔ごとのレコードとして記憶されている。例えば、検出された無線端末50が全く無いレコード(例えば、図3において、時刻12:00:00におけるレコード)や、複数の無線端末50が検出されたレコード(例えば、図3において、時刻12:00:30におけるレコード)が存在する。
【0032】
図4は、本発明の実施形態1に係る無線端末識別装置10による機器探索結果の表示の例を示す図である。図4の例は、無線端末識別装置10が無線端末50を検出したときに表示部40に表示する画面表示の例である。例えば、近距離無線通信がBluetoothであった場合を例にして、図3の履歴情報を基にして、時刻12:01:00に端末検出をしたとして、画面表示を説明する。通常、Bluetoothの検出結果としては、Bluetooth名(図4においては、「端末1」の表記)が画面に表示される。場合により、無線端末50の識別子であるBluetoothのMACアドレス(図4においては、「00:00:00:01」の表記)が表示される。これに加えて、無線端末識別装置10で無線を受信した経過時間(図4においては、「受信時間:45秒」の表記)を表示する。
例えば、識別子が00:00:00:01である無線端末50は、12:00:15秒から検出されているので、時刻12:01:00においては、経過時間が45秒となる。
【0033】
図5は、本発明の実施形態1に係る無線端末識別装置10の処理を示すフローチャートである。無線端末識別装置10は、コンピュータ及びその周辺装置が備えるハードウェア並びに該ハードウェアを制御するソフトウェアによって構成され、以下の処理は、それぞれの制御部(例えば、CPU)が、OSの下で所定のソフトウェアに従い実行する処理である。
【0034】
ステップS101において、CPU(近距離無線通信部11、端末検出部12)は、無線端末50に近距離無線通信による機器探索メッセージを、定期的に送信する。CPUは、一定時間(例えば、15秒)ごとに近距離無線通信部11により探索メッセージを送信する。
【0035】
ステップS102において、CPU(端末検出部12、通信履歴記憶制御部13)は、応答メッセージを受信し、履歴情報を作成する。より具体的には、CPUは、無線通信範囲内に対象となる無線端末50が存在すると、近距離無線通信部11により応答メッセージを受信する。CPUは、応答メッセージ中に含まれる検出された無線端末50の機器名や識別子の情報を、通信履歴記憶部21に近距離無線通信の履歴情報として記憶させると共に、検出頻度を算出し記憶させ、接続処理から接続情報を受け取っている場合、接続回数をカウントし記憶させる。
【0036】
ステップS103において、CPU(表示制御部14)は、ユーザが機器探索操作を実行したか否かを判断する。より具体的には、CPUは、メニューの選択を受け付け、メニューから機器探索操作が行われたか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPUは、処理をステップS104に移し、この判断がNOの場合、CPUは、処理をステップS106に移す。
【0037】
ステップS104において、CPU(表示制御部14、近距離無線通信部11)は、探索メッセージを送信し、応答メッセージを受信する。より具体的には、CPUは、近距離無線通信部11によって探索メッセージを送信する。検出された無線端末50からの応答メッセージを近距離無線通信部11によって受信する。
【0038】
ステップS105において、CPU(表示制御部14)は、履歴情報に基づいて機器探索結果を表示する。より具体的には、CPUは、受信した検索結果を、通信履歴記憶部21に記憶されている履歴情報に基づいて、無線端末50の無線を受信した経過時間を算出し、算出した経過時間を含めて、機器探索結果を表示部40に最適な形式(例えば、接続回数が多い順)で表示する。
【0039】
ステップS106において、CPU(表示制御部14)は、定期送信終了か否かを判断する。この判断がYESの場合、CPUは、処理を終了し、この判断がNOの場合、CPUは、処理をステップS101に移す。
【0040】
[実施形態2]
図6は、本発明の実施形態2に係る無線端末識別システム1による無線端末50の識別についての説明をするための図である。
実施形態2では、無線端末識別システム1において、第1の無線端末識別装置10と、第2の無線端末識別装置20とは、近距離無線通信とは別の無線通信を行う無線通信部15をそれぞれさらに備え、無線通信機能(例えば、無線LAN80対応の通信機能)を備えている。無線端末識別装置10(例えば、携帯端末)は、端末検出部12により無線端末50を検出すると共に、無線通信部15によって通信される無線端末識別装置20(例えば、宅内機器)における端末検出部12が検出した無線端末50を検出し、表示部40に表示する。
【0041】
無線端末識別装置20(例えば、宅内機器)は、実施形態1のように、探索メッセージの定期送信の実行や、近距離無線通信の履歴情報の蓄積を担当する。宅内機器の例としては、セットトップボックスや、ホームゲートウェイ、タブレット端末などが挙げられる。無線端末識別装置20としての宅内機器は、家庭内でACアダプタなどで常時電源の供給を受けられることが想定される。したがって、電力を必要とする探索メッセージの定期的な送信を常時実施しても、電池切れとなる心配がない利点がある。
【0042】
定期的に無線端末50を探索する無線端末識別装置20(例えば、宅内機器)は、事前に無線端末識別装置10と紐付けられ、無線端末識別装置10に関連付けられている。無線端末識別装置10でユーザが無線端末50の探索を実施すると、無線端末識別装置20は、無線LAN80経由で近距離無線通信の履歴情報を無線端末識別装置10に送信し、無線端末識別装置10は、検出した無線端末50と共に、無線端末識別装置20から受信した履歴情報に基づいて検出した無線端末50を、探索結果として表示部40に表示する。
【0043】
本実施形態1によれば、無線端末識別装置10は、近距離無線通信をする無線端末50と近距離無線通信を行い、無線端末50を探索するための探索メッセージを定期的に送信し、探索メッセージを受信した無線端末50から応答メッセージを受信することによって無線端末50を検出し、検出した無線端末50から受信した応答メッセージを、履歴情報として通信履歴記憶部21に記憶させ、検出した無線端末50を識別するための情報を、通信履歴記憶部21に記憶された履歴情報に基づいて表示部40に表示する。さらに、無線端末識別装置10は、無線端末50から受信した応答メッセージに含まれる無線端末50の識別情報を、応答メッセージを受信した受信時刻に対応付けて通信履歴記憶部21に記憶させ、表示制御部14は、端末検出部12によって検出されている無線端末50を表示する際に、通信履歴記憶部21に記憶された履歴情報に基づいて、無線端末50の識別情報と共に、検出した時刻からの経過時間を表示部40に表示する。
【0044】
本実施形態2によれば、無線端末識別システム1において、無線端末識別装置10、20は、さらに無線通信部15を備え、無線端末識別装置10は、無線通信機能を介して、別の無線端末識別装置20(例えば、無線通信機能を有する宅内機器)と接続する。そして、無線端末識別装置10は、端末検出部12により無線端末50を検出すると共に、無線通信部15によって通信される無線端末識別装置20における端末検出部12が検出した無線端末50を検出し、表示部40に表示する。
【0045】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0046】
実施形態1と実施形態2とに分けて説明したが、必ずしもどちらか一方の実施形態で実施しなくてはいけないことはなく、場合により両方の実施形態を使い分けてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 無線端末識別システム
10、20 無線端末識別装置
11 近距離無線通信部
12 端末検出部
13 通信履歴記憶制御部
14 表示制御部
21 通信履歴記憶部
40 表示部
50 無線端末
80 無線LAN
図1
図2
図3
図4
図5
図6