特許第6309844号(P6309844)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6309844カード取扱装置、カード取扱方法及びカード取扱プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6309844
(24)【登録日】2018年3月23日
(45)【発行日】2018年4月11日
(54)【発明の名称】カード取扱装置、カード取扱方法及びカード取扱プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06K 13/067 20060101AFI20180402BHJP
   G06K 17/00 20060101ALI20180402BHJP
   G06K 7/015 20060101ALI20180402BHJP
【FI】
   G06K13/067 C
   G06K17/00 009
   G06K7/015
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-141949(P2014-141949)
(22)【出願日】2014年7月10日
(65)【公開番号】特開2016-18464(P2016-18464A)
(43)【公開日】2016年2月1日
【審査請求日】2017年6月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】木村 康則
【審査官】 福田 正悟
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−92511(JP,A)
【文献】 特開昭63−71794(JP,A)
【文献】 特開2000−322552(JP,A)
【文献】 特開2008−13348(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 13/067
G06K 7/015
G06K 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路の所定位置に位置するカードの端面が存在する範囲を通り、前記カードに平行又は略平行な方向に照射された光の、前記端面が存在する範囲を透過した後の強度を検出する強度検出手段と、
検出された前記強度が所定の基準より弱い場合、前記搬送路におけるカードの存在を検出するカード検出手段と、
を含むカード取扱装置。
【請求項2】
前記強度検出手段は、前記端面が存在する範囲を透過した後の前記光を受光する位置に取り付けられている、受光した光の強度に応じた信号を出力する受光手段が出力する前記信号の強度に基づいて、前記光の強度を検出する
請求項1に記載のカード取扱装置。
【請求項3】
前記光を照射する発光手段からの方向以外の方向から前記強度測定手段に届く光を制限する制限手段と、
をさらに備える請求項2に記載のカード取扱装置。
【請求項4】
動作指示を受信するのに応じて、前記所定位置に存在する前記カードを、前記搬送路内において搬送する搬送手段に対して、前記カードの存在が検出された場合に前記動作指示を送信する制御手段
をさらに備える請求項1乃至3のいずれかに記載のカード取扱装置。
【請求項5】
前記発光手段と、前記強度測定手段と、前記搬送手段と、をさらに備える請求項4に記載のカード取扱装置
【請求項6】
搬送路の所定位置に位置するカードの端面が存在する範囲を通り、前記カードに平行又は略平行な方向に照射された光の、前記端面が存在する範囲を透過した後の強度を検出し、
検出された前記強度が所定の基準より弱い場合、前記搬送路におけるカードの存在を検出する、
カード取扱方法。
【請求項7】
前記端面が存在する範囲を透過した後の前記光を受光する位置に取り付けられている、受光した光の強度に応じた信号を出力する受光手段が出力する前記信号の強度に基づいて、前記光の強度を検出する
請求項6に記載のカード取扱方法。
【請求項8】
前記光を照射する発光手段からの方向以外の方向から前記強度測定手段に届く光を制限する、
請求項7に記載のカード取扱方法。
【請求項9】
コンピュータを、
搬送路の所定位置に位置するカードの端面が存在する範囲を通り、前記カードに平行又は略平行な方向に照射された光の、前記端面が存在する範囲を透過した後の強度を検出する強度検出手段と、
検出された前記強度が所定の基準より弱い場合、前記搬送路におけるカードの存在を検出するカード検出手段と、
して動作させるカード取扱プログラム。
【請求項10】
コンピュータを、
前記端面が存在する範囲を透過した後の前記光を受光する位置に取り付けられている、受光した光の強度に応じた信号を出力する受光手段が出力する前記信号の強度に基づいて、前記光の強度を検出する前記強度検出手段と、
して動作させる請求項9に記載のカード取扱プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードを取り扱う技術に関し、特に、カードを検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
光を使用してカードを検出する場合、検出を行う装置は、一般に、カードの平坦な面の部分である平面部に照射した光が遮断されるか否かを判定することによって、カードを検出する。そのような装置の一例が、例えば、特許文献1に記載されている。
【0003】
図6は、光によってカードの検出を行う装置の構成の一例を模式的に表す図である。光を照射する発光部121が、カード30の平面部32に向けて照射した光を、受光部122が検出する。カード30が発光部121と受光部122との間に存在する場合、発光部121が照射した光は遮断される。カード30が発光部121と受光部122との間に存在しない場合、発光部121が照射した光は受光部122に届く。受光部122が光を検出した場合、制御部113は、カード30が存在すると判定する。その場合、制御部113は、例えば、カード30を搬送する搬送部124を駆動する。カード30は、搬送部124によって、例えば、太い矢印の方向に向かって搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2009/122715号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
装置によって取り扱われるカードには、例えば、会員カード、クレジットカード、又はキャッシュカードなどの、さまざま種類のカードが存在する。特に会員カードのデザインは、多様性に富んでいる。部分的に透明なカードも多い。大部分が透明なカードも存在する。カードの透明な部分に向けて、カードを検出する光が照射された場合、照射した光は透過する。その場合、カードの平面部に向けて照射された光によってカードを検出する装置は、カードを正確に検出することができない。
【0006】
特許文献1に記載されている装置も、カードに透明な部分がある場合、カードを正確に検出することができない。
【0007】
本発明の目的の一つは、一部又は全部が透明なカードの存在を検出する精度を向上させることができるカード取扱装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係るカード取扱装置は、搬送路の所定位置に位置するカードの端面が存在する範囲を通り、前記カードに平行又は略平行な方向に照射された光の、前記端面が存在する範囲を透過した後の強度を検出する強度検出手段と、検出された前記強度が所定の基準より弱い場合、前記搬送路におけるカードの存在を検出するカード検出手段と、を含む。
【0009】
本発明の一態様に係るカード取扱方法は、搬送路の所定位置に位置するカードの端面が存在する範囲を通り、前記カードに平行又は略平行な方向に照射された光の、前記端面が存在する範囲を透過した後の強度を検出し、検出された前記強度が所定の基準より弱い場合、前記搬送路におけるカードの存在を検出する。
【0010】
本発明の一態様に係るカード取扱プログラムは、コンピュータを、搬送路の所定位置に位置するカードの端面が存在する範囲を通り、前記カードに平行又は略平行な方向に照射された光の、前記端面が存在する範囲を透過した後の強度を検出する強度検出手段と、検出された前記強度が所定の基準より弱い場合、前記搬送路におけるカードの存在を検出するカード検出手段と、して動作させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明には、一部又は全部が透明なカードの存在を検出する精度を向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の第2の実施形態に係るカード取扱装置1Aの構成の例を表すブロック図である。
図2図2は、本発明の第1の実施形態に係るカード取扱装置1の構成を表すブロック図である。
図3図3は、第1の実施形態に係るカード取扱装置1の構成の例を模式的に表す第1の図である。
図4図4は、第1の実施形態に係るカード取扱装置1の構成の例を模式的に表す第2の図である。
図5図5は、第1の実施形態のカード取扱装置1の動作を表すフローチャートである。
図6図6は、光によってカードの検出を行う装置の構成の一例を模式的に表す図である。
図7図7は、本発明の各実施形態に係るカード取扱装置及びカード検出装置を実現することができる、コンピュータ1000のハードウェア構成の一例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1の実施形態>
次に、本発明の第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図2は、本実施形態のカード取扱装置1の構成を表すブロック図である。図2を参照すると、カード取扱装置1は、強度検出部11と、カード検出部12と、制御部13と、発光部21と、受光部22と、制限部23と、搬送部24とを含む。強度検出部11と、カード検出部12と、発光部21と、受光部22と、制限部23とは、図2に示すように、カード検出装置10として実装されていてもよい。
【0015】
図3は、本実施形態に係るカード取扱装置1の構成の例を模式的に表す第1の図である。カード取扱装置1には、カード30を配置することができる搬送路40がある。図3に示す例では、搬送路40にカード30が置かれている。図3に示す例では、搬送路40は、平行な破線で表されている。カード30は、搬送部24によって、例えば、搬送路40を、太い矢印の方向に向かって搬送される。
【0016】
図4は、本実施形態に係るカード取扱装置1の構成の例を模式的に表す第2の図である。図4は、カード30が存在しない場合における、カード取扱装置1の構成の例を模式的に表す。図4では、図3においてカードが存在していた場所が破線によって表されている。図4では、発光部21から照射される光は、受光部22に直接入射している。図4は、その他の点において、図3と同じである。
【0017】
図3では、カード30は、カード取扱装置1の搬送路40に存在する。カード30は、例えば、透明な部分を含むカードである。「透明」は、例えば、発光部21が照射する光の透過率が高いことを表す。カード30の透明な部分の位置は、カード30によらず一定でなくてよい。カード30の、最も広い、ほぼ平坦な2つの面が、平面部32である。カード30の、上述の平面部32でない面が、端面31である。カード30が、例えば、2つの平行な面を備えた平板を切断することによって製造される場合、切断面は端面31である。本実施形態では、端面31は、例えば、端面31の中で曲率が高い部分において、複数の端面31に区切られる。端面31の区切り方は、端面31のうち、同一な平面にほぼ含まれる部分が、同一の端面31であるように区切られていれば、特定の区切り方に限定されない。
【0018】
発光部21は、受光部22に向けて光を照射する。発光部21は、例えば、レーザーなどの発光素子である。発光部21が発する光は、指向性が高ければよい。受光部22は、例えば発光部21の方向から届く光の強度を測定する。受光部22は、光の強度を測定する光センサである。受光部22は、光の強度を表す信号を出力する。受光部22が出力する信号において、受光部22により測定された光の強度は、例えば、アナログ電圧によって表されていればよい。光の強度は、他の方法によって表されていてもよい。
【0019】
発光部21及び受光部22は、カード30が搬送路40の所定の位置に存在する場合、発光部21が照射する光がカード30の端面31に当たるように配置されていればよい。発光部21及び受光部22は、カード30が搬送路40の所定の位置に存在する場合、発光部21が照射する光がカード30の端面31に全て当たるように配置されていてもよい。
発光部21及び受光部22は、カード30が搬送路40の所定の位置に存在する場合、発光部21が照射する光がカード30の平面部32に平行又はほぼ並行になるように取り付けられていてもよい。すなわち、発光部21及び受光部22は、カード30が搬送路40の所定の位置に存在する場合、カード30が透明であれば、発光部21が照射する光が、さらに他の面を通るように取り付けられていればよい。
【0020】
制限部23は、発光部21からの方向以外の方向から、受光部22に届く光を制限する。制限部23は、例えば、受光部22のセンサ部分の近傍に取り付けられた、不透明な部材である。制限部23には、発光部21からの光がセンサ部分に届くように、発光部21の方向に向けて穴が開けられていればよい。制限部23は、発光部21の方向に向けて開けられているその穴から入射する光以外の光を遮蔽すればよい。穴の中空部分の形状は、例えば、筒形であっても、他の形であってもよい。制限部23は、例えば、搬送路40の隙間などで乱反射した、発光部21からの光及び外光が、受光部22に届くのを防ぐ。
【0021】
制限部23は、さらに、発光部21の発光素子部分の近傍にも取り付けられていてよい。発光部21に取り付けられる制限部23も、不透明な部材である。そして、発光部21に取り付けられる制限部23には、受光部22への方向に向けて穴が開けられていればよい。制限部23は、発光部21の方向に向けて開けられているその穴から照射される光以外の光を遮蔽すればよい。
【0022】
搬送部24は、制御部13から動作指示を受信するのに応じて、カード30を搬送する。動作指示は、あらかじめ定められた信号であればよい。搬送部24は、例えば、カード30を搬送するローラと、ローラを回転させるモータによって実現することができる。
【0023】
強度検出部11は、受光部22によって測定された光の強度を検出する。具体的には、強度検出部11は、受光部22が出力する信号に基づいて、受光部22が受光した光の強度を表す値を導出すればよい。強度検出部11は、例えば、A/D(Analog/Digital)コンバータによって実現できる。
【0024】
カード検出部12は、強度検出部11が検出した光の強度が、所定の基準より弱い場合、搬送路40の所定の位置におけるカード30の存在を検出する。具体的には、カード検出部12は、例えば、強度検出部11によって得られた、受光部22が受光した光の強度を表す値と、あらかじめ定められた閾値とを比較すればよい。そして、カード検出部12は、比較の結果、受光部22が受光した光の強度が、あらかじめ定められた閾値が表す強度より弱い場合、搬送路40の所定の位置にカード30が存在すると判定すればよい。その閾値は、あらかじめ実験的に求められていればよい。
【0025】
カード30に使用される材料は、たとえ透明であっても、光の減衰率がゼロではない。カード30の端面31から他の端面31に向けて透過した光の減衰は、カード30の2つの平面部32を透過した光の減衰と比較して、カード30内の光路長に応じて大きくなる。従って、カード30の2つの平面部32を透過した光の減衰が、検出が難しいほど小さい場合であっても、カード30の端面31から他の端面31に向けて透過した光の減衰は、比較的容易に検出できる。
【0026】
カード検出部12が、搬送路40の所定の位置におけるカード30の存在を検出した場合、制御部13は、搬送部24に対して、前述の動作指示を送信する。
【0027】
次に、本実施形態のカード取扱装置1の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
図5は、本実施形態のカード取扱装置1の動作を表すフローチャートである。
【0029】
カード取扱装置1が動作を開始するのに応じて、発光部21は、発光を開始する。発光部21は、例えば、所定の時間間隔で点灯と消灯を繰り返してもよい。発光部21によって光が照射された受光部22は、受光した光の強度を測定する。受光部22は、測定した光の強度を表す信号を出力する。
【0030】
強度検出部11は、受光部22が測定した光の強度を検出する(ステップS101)。前述のように、強度検出部11は、受光部22が送信する、光の強度を表す信号に基づき、例えばA/D変換によって、光の強度を数値化すればよい。以下の説明では、強度検出部11によって数値化された光の強度を、強度値と表記する。
【0031】
カード検出部12は、強度検出部11が検出した強度値と、あらかじめ定められている、強度値に対する閾値を比較することによって、検出された光の強度が、所定の基準より弱いか否かを判定する(ステップS102)。すなわち、カード検出部12は、受光部22が測定した光の強度が、所定の基準より弱いか否かを判定する。検出された光の強度が、所定の基準より弱くない場合(ステップS101においてNo)、カード検出部12は、搬送路40の所定の位置にカード30が存在しないと判定する。その場合、カード取扱装置1は、ステップS101以降の動作を繰り返す。
【0032】
検出された光の強度が、所定の基準より弱い場合(ステップS101においてYes)、カード検出部12は、搬送路40の所定の位置にカード30が存在すると判定する(ステップS103)。その場合、カード検出部12は、制御部13に、カード30が存在することを表す信号を送信すればよい。制御部13は、カード30が存在することを表す信号を受信するのに応じて、搬送部24に動作指示を送信する(ステップS104)。動作指示を受信した搬送部24は、前述のようにモータを駆動することによって、カード30の搬送を行う。
【0033】
本実施形態のカード取扱装置1に含まれるカード検出装置10は、例えば、搬送路40におけるカード30の挿入口に取り付けられていてもよい。そして、カード検出装置10は、その挿入口へのカード30の挿入を検出してもよい。複数のカード検出装置10は、例えば、搬送路40におけるそれぞれ異なる場所に取り付けられていてもよい。そして、カード検出装置10は、取り付けられている場所におけるカード30の存在の有無を検出することによって、カード30の位置を検出してもよい。カード検出装置10は、上の説明のように、カード30を搬送する搬送部24を駆動する制御部13に、カード30が存在することを表す信号を送信してもよい。
【0034】
カード検出装置10は、例えば、搬送路40及び搬送部24を有しないカード読み取り装置の、挿入されたカード30に記録されているデータを読み取る挿入口に取り付けられていてもよい。その場合、搬送路40は、その挿入口の入口からカード30が到達可能な最も奥の位置までの範囲である。カード検出装置10は、例えば、そのカード読み取り装置がカード30を読み取ることができる位置に、カード30が差し込まれた場合に、カード30が存在することを検出するように、取り付けられていればよい。そして、カード検出装置10は、カード30が存在することを検出した場合、そのカード読み取り装置が含む、挿入されたカード30に記録されているデータの読み取りを制御するコントローラに対して、カード30が存在することを表す信号を送信すればよい。そのコントローラは、カード30が存在することを表す信号を受信するのに応じて、カード30に記録されているデータを読み取ればよい。
【0035】
以上で説明した本実施形態には、一部又は全部が透明なカード30の存在を検出する精度を向上させることができるという効果がある。
【0036】
その理由は、強度検出部11が、搬送路40の所定位置に位置するカード30の端面31が存在する範囲を通り、カード30に平行又は略平行に照射された光の、その端面31が存在する範囲を透過した後の強度を検出するからである。そして、カード検出部12が、検出された強度が所定の基準より弱い場合、搬送路40におけるカード30の存在を検出するからである。
【0037】
例えば、透明なカード30の端面31を透過した、カード30に平行又は略平行に照射された光の、カード30内における光路長は、カード30の平面部32を平面部32にほぼ垂直に透過した光の、カード30内における光路長より長い。カード30の透明な平面部32を透過した光の減衰が、検出が難しいほど小さい場合であっても、カード30の端面31を、平面部32にほぼ垂直に透過した光の減衰は、比較的容易に検出できる。従って、本実施形態では、一部又は全部が透明なカード30の存在を検出する精度を向上させることができる。
【0038】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本実施形態は、本発明の基本的な概念を表す。
【0039】
図1は、本発明の第2の実施形態に係るカード取扱装置1Aの構成の例を表すブロック図である。
【0040】
図1を参照すると、本実施形態のカード取扱装置1Aは、搬送路の所定位置に位置するカードの端面が存在する範囲を通り、前記カードに平行又は略平行な方向に照射された光の、前記端面が存在する範囲を透過した後の強度を検出する強度検出部11と、検出された前記強度が所定の基準より弱い場合、前記搬送路におけるカードの存在を検出するカード検出部12と、を含む。
【0041】
本実施形態の強度検出部11及びカード検出部12は、カード取扱装置1Aとして実装されていてもよい。
【0042】
以上で説明した本実施形態には、第1の実施形態と同じ効果がある。その理由は、第1の実施形態の効果が生じる理由と同じである。
【0043】
<他の実施形態>
カード取扱装置1、カード取扱装置1A、カード検出装置10、及びカード検出装置10Aは、それぞれ、コンピュータ及びコンピュータを制御するプログラム、専用のハードウェア、又は、コンピュータ及びコンピュータを制御するプログラムと専用のハードウェアの組合せにより実現することができる。
【0044】
図7は、カード取扱装置1、カード取扱装置1A、カード検出装置10、及びカード検出装置10Aを実現することができる、コンピュータ1000のハードウェア構成の一例を表す図である。図7を参照すると、コンピュータ1000は、プロセッサ1001と、メモリ1002と、記憶装置1003と、I/O(Input/Output)インタフェース1004とを含む。また、コンピュータ1000は、記録媒体1005にアクセスすることができる。メモリ1002と記憶装置1003は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクなどの記憶装置である。記録媒体1005は、例えば、RAM、ハードディスクなどの記憶装置、ROM(Read Only Memory)、可搬記録媒体である。記憶装置1003が記録媒体1005であってもよい。プロセッサ1001は、メモリ1002と、記憶装置1003に対して、データやプログラムの読み出しと書き込みを行うことができる。プロセッサ1001は、I/Oインタフェース1004を介して、例えば、搬送部24、及び、カード30に記録されているデータを読み取る読み取り装置などにアクセスすることができる。プロセッサ1001は、記録媒体1005にアクセスすることができる。記録媒体1005には、コンピュータ1000を、カード取扱装置1、カード取扱装置1A、カード検出装置10、又はカード検出装置10Aとして動作させるプログラムが格納されている。
【0045】
プロセッサ1001は、記録媒体1005に格納されている、コンピュータ1000を、カード取扱装置1、カード取扱装置1A、カード検出装置10、又はカード検出装置10Aとして動作させるプログラムを、メモリ1002にロードする。そして、プロセッサ1001が、メモリ1002にロードされたプログラムを実行することにより、コンピュータ1000は、カード取扱装置1、カード取扱装置1A、カード検出装置10、又はカード検出装置10Aとして動作する。
【0046】
強度検出部11、カード検出部12、及び制御部13は、例えば、プログラムを記憶する記録媒体1005からメモリ1002に読み込まれた、各部の機能を実現することができる専用のプログラムと、そのプログラムを実行するプロセッサ1001により実現することができる。あるいは、強度検出部11、カード検出部12、及び制御部13の一部又は全部を、各部の機能を実現する専用の回路によって実現することもできる。
【0047】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0048】
1、1A カード取扱装置
10、10A カード検出装置
11 強度検出部
12 カード検出部
13、113 制御部
21、121 発光部
22、122 受光部
23 制限部
24、124 搬送部
30 カード
31 端面
32 平面部
40 搬送路
1000 コンピュータ
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 記憶装置
1004 I/Oインタフェース
1005 記録媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7