【実施例】
【0191】
以下の非制限的実施例は、本発明を例証するために提供され、決してその範囲を制限するものではない。
【0192】
本発明の代表的な選択された化合物の構造及び物理化学的特性を表1に示す。
【0193】
親油性(clogP)は、ChemBioDraw v12.02(CambridgeSoft,UK)を用いて計算された。pKaは、ACD/PhysChem Suite v12(ACD/Labs、Toronto、Canada)を用いて計算された。
【0194】
表1.代表的な化合物の詳細
【0195】
【化12】
【0196】
【表1】
【0197】
a逆相HPLCによる純度;
bChemBioDraw Ultra v12.02を用いて計算されたbClogP;
cACD/PhysChem Suite v12を用いて計算されたpKa。
【0198】
ケタミンは、測定された(Volgyi,G.et al.Anal.Chim.Acta 2007,583,418−428)含水pKaが7.49であり、計算されたclogPが2.22である。これに最も近い合致するものは酢酸塩(rac−C3OAc及び(S)−C3OAc)であった。次に物理化学的特性において最も近いものはC4メチルエステル(rac−C4Me及び(S)−C4Me)であった。エステル全体は、pKa値(4.35〜6.29)と親油性(2.77〜3.92)の範囲を示した。
【0199】
一般的な詳細
すべての試薬及び溶媒は、商業的供給業者から得られ、特に明記しない限り、さらに精製することなく使用された。無水条件を必要とする反応は、窒素雰囲気下で行った。反応は、UVインジケーター付きプレロードシリカゲルF254プレート(Sigma−Aldrich)上の薄層クロマトグラフィー(TLC)によってモニターされた。カラムクロマトグラフィーは、Merck 230−400メッシュのシリカゲルを用いて行われた。
1H及び
13C NMRスペクトルは、
1Hスペクトルについて400MHz及び
13Cスペクトルについて100MHzにて、Bruker Avance 400分光計を用いて得られた。スペクトルをCDCl
3又は(CD
3)
2SOにおいて得た。化学シフトは、内部標準としてテトラメチルシラン(SiMe
4)を使用して、100万分の1(δ)のダウンフィールドにおいて報告される。スピン多重度は、s(一重項)、d(二重項)、dd(二重二重項)、br(ブロード)、m(多重項)、及びq(四重項)として与えられる。カップリング定数(J値)はヘルツ(Hz)で測定された。すべてのLC/MSデータは、50Vのコロナ電圧と400℃の供給温度を有する大気圧化学イオン化(APCI)を使用して、Surveror MSQ質量分析計へのメタノール性溶液を直接注入することによって回収された。ダイオードアレイ検出器を備えたAgilent HP1100を用いて、最終生成物を、逆相HPLC(Alltima C185μmカラム、150mm×3.2mm;Alltech Associated,Inc.,Deerfield,IL)によって分析された。移動相は、45mM HCO
2NH
4中の80%CH
3CN/20%H
2O(v/v)であり、pHは3.5であり、0.5mL/分であった。純度は、272nmでモニターすることによって決定され、最終製造物について特に明記しない限り95%以上であった。エナンチオマー純度は、キラルHPLC(Chiralcel OJ−Hカラム、0.46cm×45cm)によって分析された。移動相は、0.6mL/分の流速で、85%ヘキサン/15%EtOHであった。純度は、254及び280nmでモニターすることによって決定され、特に断りのない限り95%以上であった。最終製造物の純度は、Campbell Micro analytical Laboratory,University of Otago(Dunedin,New Zealand)において実施された燃焼分析によって評価された。融点は、電熱2300融点装置で決定され、補正されなかった。DCMはジクロロメタンを意味し、DMFはN,N−ジメチルホルムアミドを意味し、EtOAcは酢酸エチルを意味し、EtOHはエタノールを意味する。
【0200】
実施例1
rac−3−((1−(2−クロロフェニル)−2−オキソシクロヘキシル)アミノ)プロピルアセテート塩酸塩(rac−C3OAc)(スキーム2)
(2−クロロフェニル)(シクロペンチル)メタノン[US20080268071(21)(10g、48.0mmol)を酢酸エチル(100mL)に溶解し、続いて、Cu(II)のBr
2(27g、120.9mmol)を添加した。溶液を2.5時間還流し、25℃に冷却した。固体を濾過し、濾液を減圧下で蒸発させた。いくらかの固体が減圧下で溶媒の蒸発中に形成し始めた。DCM(100mL)を形成した固定に添加し、溶液を氷浴で0℃に冷却した。10分間放置した後、溶液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、黄色油状物として(1−ブロモシクロフェニル)(2−クロロフェニル)メタノン(22)(12.3g、89%)を得た。
【0201】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.70 (dd, J = 7.4, 1.8 Hz, 1H), 7.43 (dd, J = 7.9, 1.3 Hz), 7.37 (td, J = 7.4, 1.8 Hz, 1H), 7.30 (td, J = 7.4, 1.3 Hz, 1H), 2.45−2.27 (m, 4H), 2.09−2.01 (m, 2H), 1.89−1.82 (m, 2H);
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 199.47, 138.87, 130.83, 130.55, 130.16, 128.33, 126.49, 74.29, 40.42, 23.26. MS m/z 289.3 (M2H
+, 24 %) 207.4 (M−Br
-, 100 %)。
【0202】
水酸化アンモニウム(200mL)を氷浴で0℃に冷却し、5分間、NH
3ガスで飽和した。該溶液を、22(12.74g、44.5mmol)を含むフラスコに添加し、5日間25℃で激しく撹拌した。形成された褐色の塊を溶媒から分離し、ヘキサン(150mL)に再懸濁した。4時間撹拌した後、形成した沈殿物を濾過し、乾燥させて、淡黄色固体として23(8.15g、81%)を得た。これを8mLの2−プロパノールに懸濁し、氷浴中で0℃に冷却した。HClガスを2分間、該溶液を通過させてバブリングし、ジエチルエーテル(16mL)を添加した。0℃で3時間放置し、形成した淡黄色沈殿物を濾過し、真空下で乾燥させた、1−((2−クロロフェニル)(イミノ)メチル)シクロペンタノール塩酸塩(23−塩酸)[Parcell,R.F.& Sanchez,J.P.J.Org.Chem.1981,46,5055](7.21g)を得た。
【0203】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 14.05 (br, 1H), 12.28 (br, 1H), 7.61 - 7.32 (m, 4H), 2.23 (br, 2H), 1.98 (m, 4H), 1.69 (br, 2H);
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 195.76, 132.74, 131.42, 130.57, 128.99, 128.85, 126.82, 85.56, 39.47, 38.78, 24.46, 23.85. MS m/z 224.4 (MH
+)。
【0204】
200℃に加熱したダウサームA(142mL)に23(18g、69.2mmol)を分けて添加した。加熱を12分間続け、氷浴中で0℃に冷却した。形成した沈殿物と一緒に反応混合物をジエチルエーテル(500mL)に注ぎ、一晩放置した。形成した白色沈殿物を濾過し、ジエチルエーテル(100mL)で洗浄した。沈殿物を水(200mL)に溶解し、2N NaOHで中和した。水層をDCM(3×100mL)で抽出し、Na
2SO
4上で乾燥し、溶媒を蒸発させた。得られた残渣物をDCM(100%)から10%MeOH/DCMで溶出する短いシリカゲルカラムを通過させて生成し、ラセミ体2−アミノ−2−(2−クロロフェニル)シクロヘキサノン(ノルケタミン)(rac−24)[Parcell,R.F.& Sanchez,J.P.J.Org.Chem.1981,46,5055](9.2g、59%)を得た。
【0205】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.69 (dd, J = 7.8, 1.7 Hz 1H), 7.39−7.33 (m, 2H), 7.26 (td, J = 7.6, 1.6 Hz, 1H), 2.79−2.72 (m, 1H), 2.63−2.56 (m, 1H), 2.51−2.43 (m, 1H), 2.08−2.0 (m, 1H), 1.88 (br, 1H), 1.81−1.75 (m, 2H), 1.72−1.63 (m, 1H)。
【0206】
rac−24(200mg、0.89mmol)、3−ブロモプロピルアセテート[Demko,Z.P.& Sharpless K.B.Org.Lett.2001,3,4091](194mg、1.07mmol)、KI(45mg、0.27mmol)、K
2CO
3(371mg、2.7mmol)の溶液をCH
3CN(5mL)に溶解した。反応混合物を24時間加熱還流した。反応完了後、反応混合物を室温に冷却し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をヘキサン(100%)、EtOAc/ヘキサン(40%)を用いて溶出するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製した。溶媒を減圧下で蒸発させ、黄色油状物(173mg、59%)として所望の製造物を得た。黄色油状物をジエチルエーテル(5mL)に溶解し、氷浴中で0℃に冷却した。乾燥HClガスを2分間0℃で溶液を通過させバブリングした。溶媒を減圧下で蒸発させ、黄色固体を得た。黄色固体をEtOAc(1mL)に溶解し、2分間25℃で超音波処理した。形成された白色沈殿物をEtOAc(5mL)で希釈し、濾過し、EtOAcで洗浄し、真空下で乾燥させて、rac−C3OAc.HCl(107mg、33%)、mp180−183℃を得た。
【0207】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 11.71 (br, 1H), 8.19 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.09 (br, 1H), 7.58 (m, 1H), 7.46 (d, J = 4.0 Hz, 2H), 4.15 (m, 1H), 4.08 (m, 1H), 3.81 (dm, J = 12.0 Hz, 1H), 3.19 (br, 1H), 2.74 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 2.68−2.60 (m, 2H), 2.47 (br, 1H), 2.28 (t, J = 14 Hz, 1H), 2.12 (br, 2H), 2.09 (s, 3H), 1.84 (br, 2H), 1.54 (br, 1H);
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 206.20, 171.04, 135.14, 132.56, 132.34, 131.79, 129.16, 128.92, 77.49, 62.22, 41.87, 40.63, 40.01, 29.91, 25.84, 21.82, 21.02. MS m/z 324.2 (MH
+). MS m/z 324.2 (MH
+). 分析、計算値C
17H
23Cl
2NO
3: C, 56.67; H, 6.43; N, 3.89; Cl, 19.68. 実測値: C, 56.49; H, 6.61; N, 3.69。
【0208】
実施例2:
(S)−3−((1−(2−クロロフェニル)−2−オキソシクロヘキシル)アミノ)プロピルアセテート塩酸塩[(S)−C3OAc](スキーム2)
ノルケタミンの分割は、以下の公開されている手法[Hong & Davisson.J.Pharm.Sci.,1982,71,912]によって達成された。MeOH(33mL)中のrac−24(13.2g、59.1mmol)の溶液を、MeOH(118mL)中のL−(R,R)−(+)−酒石酸(8.9g、59.1mmol)で処理した。反応混合物を25℃で一晩撹拌し、いずれもの固体不純物を除去するために濾過した。濾液を蒸発させ、得られた白色固体を2−ブタノン(264mL)で洗浄した。白色固体をアセトン(1750mL)に懸濁させ、大部分の固体が溶解するまで加熱還流した。溶液を室温に冷却し、2日間放置した。形成した結晶を濾過し、アセトン中でさらに2回再結晶させ(それぞれ、1750mL及び800mL)、酒石酸塩として、(S)−2−アミノ−2−(2−クロロフェニル)シクロヘキサン、(S)−ノルケタミン[(S)−24]を得た。
【0209】
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6) δ 7.85 (d, J = 7.8 Hz), 7.39 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 7.34 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 4.21 (s, 2H), 2.78−2.70 (m, 1H), 2.32 (dt, J = 15.1, 4.4 Hz, 1H), 1.96−1.81 (m, 3H), 1.73−1.60 (m, 2H), DMSO−d
6ピークとともに沈んだ1プロトン;
13C NMR (101 MHz, DMSO−d
6) δ 208.6, 173.320, 131.96, 130.28, 129.1 (2), 128.93, 127.09, 71.93, 64.84, 38.31, 37.5, 25.79, 20.84. MS m/z 224.2 (MH
+). Mp: 190−191
oC。
【0210】
(S)−ノルケタミン酒石酸塩を水(200mL)に溶解し、2N NaOHで中和した。水層をDCM(3×100mL)で抽出した。合わせたDCM層をブライン(100mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させて、淡黄色粘性油状物として(S)−ノルケタミン遊離塩基[(S)−24](4.96g)を得た。
【0211】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.70 (dd, J = 7.8, 1.7 Hz), 7.38−7.31 (m, 2H), 7.28−7.23 (m, 1H), 2.79−2.71 (m, 1H), 2.63−2.56 (m, 1H), 2.51−2.43 (m, 1H), 2.08−2.02 (m, 1H), 1.89−1.74 (m, 3H), 1.71−1.63 (m, 1H);
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 212.75, 140.49, 133.02, 131.0, 128.97, 128.32, 127.20, 66.42, 41.25, 38.98, 28.32, 22.16. MS m/z 224.2 (MH
+)。
【0212】
(S)−24(1g、4.47mmol)、3−ブロモプロピルアセテート[Demko,Z.P.& Sharpless K.B.Org.Lett.2001,3,4091](971mg、5.36mmol)、KI(223mg、1.34mmol)、K
2CO
3(1.85g、13.4mmol)の溶液をCH
3CN(12mL)に溶解した。反応混合物を24時間加熱還流した。反応完了後、反応混合物を室温に冷却し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣を、ヘキサン(100%)、EtOAc/ヘキサン(40%)で溶出するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより精製した。溶媒を減圧下で蒸発させ、黄色油状物として所望の製造物(695mg、48%)を得た。黄色油状物をジエチルエーテル(20mL)に溶解し、氷浴中で0℃に冷却した。乾燥HClガスを2分間0℃で溶液に通過させてバブリングした。形成した白色沈殿物を濾過し、EtOAc(20mL)中に再懸濁し、室温で10分間撹拌した。白色沈殿物を濾過して、(S)−C3OAc塩酸塩(512mg、29%)、mp169−172℃を得た。
【0213】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 11.87 (br, 1H), 8.20 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.62−7.54 (m, 1H), 7.48 (d, J = 3.8 Hz, 2H), 7.39 (br, 1H), 4.12 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.83 (dm, J = 14.4 Hz, 1H), 3.11−3.02 (m, 1H), 2.75 (d, J = 12.5 Hz, 1H), 2.70−2.61 (m, 1H), 2.51 (br, 1H), 2.32 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 2.24 (t, J = 11.1 Hz, 1H), 2.05 (br, 1H), 1.99−1.88 (m, 2H), 1.83 (d, J = 14.5 Hz, 2H), 1.76−1.61 (m, 3H), 1.24 (t, J = 7.1 Hz, 3H);
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 205.41, 173.07, 135.21, 132.58, 132.06, 131.67, 129.34, 128.99, 73.20, 60.57, 43.59, 40.82, 39.62, 33.65, 29.68, 26.07, 22.27, 21.77, 14.31. MS m/z 352.2 (MH
+). 分析、計算値C
19H
27Cl
2NO
3: C, 58.77; H, 7.01; N, 3.61; Cl, 18.26. 実測値: C, 58.81; H, 7.1, N, 3.51; Cl, 18.31。
【0214】
N−アルキル化されたノルケタミンエステルを合成するための一般的手法(スキーム3)
rac−24又は(S)−24(1当量)、適切なハロゲン化アルキル(1.2当量又はエチル3−ブロモプロピオネートの場合は6当量)、KI(0.3当量)及びK
2CO
3(3当量)の溶液をCH
3CN(4.5mL/mmol)中に溶解した。溶液を24時間(エチル−3−ブロモプロピオネートの場合は72時間)、密閉管中で80℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、溶媒を蒸発させた。残渣を、ヘキサン(100%)、EtOAc/ヘキサン(20−35%)で溶出するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより精製した。溶媒を減圧下で蒸発させ、黄色油状物として所望の製造物を得た。これをジエチルエーテル(5mL)に溶解し、氷浴中で0℃に冷却した。乾燥HClガスを2分間0℃で溶液に通過させてバブリングした。溶媒を減圧下で蒸発させ、黄色固体を得た。黄色固体をEtOAc(2mL)に溶解し、2分間25℃で超音波処理した。形成した白色沈殿物をEtOAc(10mL)で希釈し、濾過し、EtOAcで洗浄し、真空下で乾燥させ、塩酸塩として製造物を得た。
【0215】
この一般的な手法に従って、以下の化合物を調製した。
【0216】
実施例3
エチル 3−((1−(2−シクロフェニル)−2−オキソシクロヘキシル)アミノ)プロパノエート塩酸塩(rac−C2Et)
rac−24及びエチル 3−ブロモプロピオネート(収率33%)、mp199−202℃から得た。
【0217】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 12.24 (br, 1H, NH
2), 8.13 (d, J = 8.0 Hz, 2H, ArH, NH
2), 7.61−7.54 (m, 1H, ArH), 7.49 (d, J = 3.8 Hz, 2H,), 4.23 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.78 (dm, J = 14.3 Hz, 1H), 3.59−3.45 (m, 1H), 3.25 (q, J = 5.4 Hz, 1H), 2.73 (br, 2H), 2.68−2.54 (m, 2H), 2.23 (td, J = 13.7, 2.5 Hz, 1H), 2.14−2.02 (m, 1H), 1.89−1.82 (m, 2H), 1.65−1.59 (m, 1H), 1.28 (t, J = 7.2 Hz, 3H,CH
2CH
3);
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 206.10, 171.94, 135.27, 132.57, 132.40, 131.85, 129.05, 128. 57, 73.42, 61.67, 40.30, 39.71, 39.63, 30.38, 29.93, 21.86, 14.18; MS m/z 324.2 (MH
+)。分析、計算値C
17H
23Cl
2NO
3: C, 56.67; H, 6.43; N, 3.89; Cl, 19.68、実測値: C, 56.65; H, 6.57; N, 3.89; Cl, 19.90。
【0218】
実施例3A
(S)−エチル 3−((1−(2−クロロフェニル)−2−オキソシクロヘキシル)アミノ)プロパノエート塩酸塩[(S)−C2Et]
(S)−24及びエチル 3−ブロモプロパノエート(54%)、mp208−210℃を得た。
【0219】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 12.08 (br, 1H), 8.25 (br, 1H), 8.13 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.61−7.56 (m, 1H), 7.49 (br, 2H), 4.21 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.76 (dm, J = 14.3, 3.2 Hz, 1H), 3.55−3.46 (m, 1H), 3.28 (q, J = 9.97 Hz, 1H), 2.75−2.56 (m, 4H), 2.26 (td, J = 14.14 Hz, 1H), 2.08 (br, 1H), 1.90−1.78 (m, 2H), 1.61 (br, 1H), 1.28 (t, J = 7.2 Hz, 3H);
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 206.35, 172.38, 135.08, 132.39, 132.33, 131.71, 128.91, 128.27, 73.32, 61.75, 40.08, 39.57, 29.91, 29.89, 21.69, 14.02 (1C overlapping). MS m/z 324.2 (MH
+). HRMS、計算値C
17H
23ClNO
3 (MH
+) 324.1361、実測値324.1370。
【0220】
実施例4
イソ−プロピル 3−((1−(2−クロロフェニル)−2−オキソシクロヘキシル)アミノ)プロパノエート塩酸塩(rac−C2iPr)
rac−24及びイソプロピル 3−ブロモプロパノエート(48%)、mp203−205℃を得た。
【0221】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 12.0 (br, 1H), 8.27 (br, 1H), 8.14 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.61−7.55 (m, 1H), 7.49 (br, 2H), 5.13−5.04 (m, 1H), 3.79 (dm, J = 14.3 Hz, 1H), 3.52−3.44 (m, 1H), 3.28 (br, 1H), 2.74 (br, 2H), 2.65−2.56 (m, 2H), 2.24 (td, J = 13.8 Hz, 3.2Hz, 1H), 2.07 (br, 1H), 1.89−1.78 (m, 2H), 1.65−1.62 (m, 1H), 1.26 (d, J = 5.01 Hz, 6H);
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 206.57, 172.2, 135.23, 132.63, 132.49, 131.84, 129.07, 129.03, 73.51, 69.86, 40.23, 39.85, 30.27, 30.08, 21.93, 21.84. MS m/z 338.2 (MH
+). HRMS、計算値338.1517、実測値338.1529。
【0222】
実施例4A
(S)−イソプロピル 3−((1−(2−クロロフェニル)−2−オキソシクロヘキシル)アミノ)プロパノエート塩酸塩[(S)−C2iPr]
(S)−24及びイソプロピル 3−ブロモプロパノエート(29%)、mp208−211℃を得た。
【0223】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 12.22 (br, 1H), 8.14 (dbr, J = 8.1 Hz, 2H), 7.61−7.55 (m, 1H), 7.49 (br, 2H), 5.12−5.06 (m, 1H), 3.79 (dm, J = 14.4 Hz, 1H), 3.52−3.43 (m, 1 H), 3.26 (q, J = 11.9 Hz, 1H), 2.71 (br, 2H), 2.67−2.55 (m, 2H), 2.21 (td, J = 14.1, 3.3 Hz, 1H), 2.07 (br, 1H), 1.89−1.78 (m, 2H), 1.63 (br, 1H), 1.27 (app. dd, J = 4.93, 1.25 Hz, 6H);
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 206.62, 172.23, 135.24, 132.62, 132.48, 131.84, 129.08, 128.42, 73.48, 69.86, 40.24, 39.87, 30.28, 30.09, 21.93, 21.87, 21.84. MS m/z 338.2 (MH
+). HRMS、計算値C
18H
25ClNO
3 (MH
+) 338.1517、実測値338.1524。
【0224】
実施例4B
(R)−イソプロピル 3−((1−(2−クロロフェニル)−2−オキソシクロヘキシル)アミノ)プロパノエート塩酸塩[(R)−C2iPr]
(R)−24及びイソプロピル 3−ブロモプロパノエート(29%)、mp216−219℃から得た。
【0225】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 12.20 (br, 1H), 8.14 (dbr, J = 8.1 Hz, 2H), 7.60−7.56 (m, 1H), 7.49 (br, 2H), 5.14−5.04 (m, 1H), 3.80 (dm, J = 13.6 Hz, 1H), 3.51−3.44 (m, 1H), 3.26 (br, 1H), 2.73 (br, 2H), 2.64−2.56 (m, 2H), 2.21 (t, J = 13.2 Hz, 1H), 2.06 (br, 1H), 1.89−1.79 (m, 2H), 1.64 (br, 1H), 1.26 (app. dd, J = 4.81, 1.40 Hz, 6H);
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 206.71, 172.36, 135.23, 132.67, 132.51, 131.85, 129.11, 128.39, 73.5, 69.94, 40.24, 39.95, 30.26, 30.13, 21.95, 21.89, 21.85. MS m/z (MH
+). HRMS、計算値C
18H
25ClNO
3 (MH
+) 338.1517、実測値338.1521。
【0226】
(R)−24は、L−(R,R)−(+)−酒石酸というよりはむしろD−(S,S)−(−)−酒石酸を用いて、(S)−24の調製のための上記の手法に類似した手法によって調製された。
【0227】
実施例5
n−プロピル 3−((1−(2−クロロフェニル)−2−オキソシクロヘキシル)アミノ)プロパノエート塩酸塩(rac−C2nPr)。
rac−24及びプロピル 3−ブロモプロパノエート(44%)mp163−165℃から得た。
【0228】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 11.68 (br, 1H), 8.69 (br, 1H), 8.14 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.61−7.54 (m, 1H), 7.49 (br, 2H), 4.07 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.74 (dm, J = 14.3 Hz, 1H), 3.53−3.43 (m, 1H), 3.38 (br, 1H), 2.81−2.71 (m, 3H), 2.64−2.57 (m, 1H), 2.35 (td, J = 13.8, 3.2 Hz, 1H), 2.07 (br, 1H), 1.92−1.80 (m, 2H), 1.68−1.54 (m, 3H), 0.92 (t, J = 7.4 Hz, 3H);
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 206.03, 172.0, 135.28, 132.48, 132.37, 131.84, 128.99, 128.6, 73.4, 67.22, 40.31, 39.57, 30.28, 29.9, 21.9, 21.81, 10.42. MS m/z 338.2 (MH
+). HRMS、計算値338.1517, 実測値338.1526。
【0229】
実施例6
エチル 4−((1−(2−クロロフェニル)−2−オキソシクロヘキシル)アミノ)ブタノエート塩酸塩(rac−C3Et)
rac−24及びエチル 4−ブロモブタノエート(収率37%)、mp186−189℃。
【0230】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 11.14 (br, 1H, NH
2), 9.14 (br, 1H, NH
2), 8.26 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.62−7.49 (m, 1H), 7.45 (d, J = 3.8 Hz, 2H), 4.11 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.75 (dm, J = 14.4 Hz, 1H), 3.38−3.26 (m, 1H), 2.75−2.64 (m, 2H), 2.64−2.58 (m, 1H), 2.43−2.26 (m, 2H), 2.45−2.28 (m, 2H), 2.14−2.07 (m, 1H), 1.98(br, 2H), 1−91−1.79 (m, 1H), 1.58−1.44 (m, 1H), 1.23 (t, J = 7.1 Hz, 3H);
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 206.03, 173.16, 135.11, 132.76, 132.08, 131.61, 129.19, 129.02, 73.17, 61.04, 43.54, 40.86, 40.00, 32.24, 29.72, 21.64, 14.27. MS m/z 338.2 (MH
+). 分析、計算値C
18H
25Cl
2NO
3: C, 57.76; H, 6.73; N, 3.74; Cl, 18.94. 実測値: C, 57.55; H, 6.92; N, 3.64; Cl, 18.73.
【0231】
実施例7
イソプロピル 4−((1−(2−クロロフェニル)−2−オキソシクロヘキシル)アミノ)ブタノエート塩酸塩(rac−C3iPr)
rac−24及びイソプロピル 4−ブロモブタノエート[Fox,M.E.,et al.J.Org.Chem.2005,70,1227](収率24%)、mp167−169℃。
【0232】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 11.41 (br, 1H), 8.94 (br, 1H), 8.26 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.68−7.50 (m, 1H), 7.45 (d, J = 3.9 Hz, 2H), 4.99 (m, 1H), 3.79 (dm, J = 14.4 Hz, 1H), 3.31−3.21 (m, 1H), 2.75−2.68 (m, 1H), 2.66−2.59 (m, 2H), 2.58−2.49 (m, 1H), 2.42−2.48 (m, 1H), 2.34 (t, J = 10.8 Hz, 2H), 2.11−1.98 (m, 2H), 1.84 (d, J = 10.2 Hz, 2H), 1.58−1.46 (m, 1H), 1.22 (dd, J = 6.28, 2.2 Hz, 6H) ;
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 206.29, 173.46, 135.04, 132.84, 132.13, 131.62, 129.08, 129.06, 73.11, 68.81, 43.70, 40.84, 40.21, 32.79, 29.90, 21.91, 21.68. MS m/z 352.2 (MH
+). 分析、計算値C
19H
27Cl
2NO
3: C, 58.77; H, 7.01; N, 3.61. 実測値: C, 58.57; H, 7.2; N, 3.54。
【0233】
実施例8
n−プロピル 4−((1−(2−クロロフェニル)−2−オキソシクロヘキシル)アミノ)ブタノエート塩酸塩(rac−C3nPr)
rac−24及びn−プロピル 4−ブロモブタノエート(19%)、mp160−161℃。
【0234】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 11.10 (br, 1H), 9.23 (br, 1H), 8.27 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.59−7.52 (m, 1H), 7.44 (d, J = 5.1 Hz, 2H), 4.01 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.76 (dm, J = 14.4 Hz,1H), 3.39−3.28 (m, 1H), 2.70 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 2.66 (t, J = 6.9 Hz, 1H), 2.62−2.54 (m, 1H), 2.51 (td, J = 7.0, 2.8 Hz, 2H), 2.47−2.41 (m, 1H), 2.39−2.30 (m, 1H), 2.15−2.06 (m, 1H), 2.0 (br, 1H), 1.85 (td, J = 8.0, 3.9 Hz, 2H), 1.57−1.66 (m, 2H), 1.50 (q, J = 14.4Hz, 1H), 0.91 (t, J = 7.4 Hz, 3H);
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 205.92, 173.47, 135.12, 132.78, 132.05, 131.59, 129.23, 129.0, 73.16, 66.62, 43.54, 40.86, 39.99, 32.19, 29.77, 22.0, 21.78, 21.70, 10.48. MS m/z 352.2 (MH
+).
【0235】
実施例9
rac−メチル
5−((1−(2−クロロフェニル)−2−オキソシクロヘキシル)アミノ)ペンタノエート塩酸塩(rac−C4Me)
rac−24及びエチル 5−ブロモブタノエートから得て、続いて、調製用HPLCによって精製した(41%)。
【0236】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.53 (dd, J = 7.8, 1.6 Hz, 1 H), 7.36 (dd, J = 7.8, 1.4 Hz, 1 H), 7.31 (dt, J = 7.8, 7.6, 1.5 Hz, 1 H), 7.25−7.21 (m, 1 H), 3.64 (s, 3 H), 2.77−2.69 (m, 1 H), 2.55−2.42 (m, 2 H), 2.36−2.30 (m. 1 H), 2.26 (t, J = 7.4 H, 2 H), 2.09−1.73 (m, 7 H), 1.66−1.58 (m, 2 H), 1.55−1.40 (m, 2 H). HPLC 99%。
【0237】
実施例10
(S)−メチル
5−((1−(2−クロロフェニル)−2−オキソシクロヘキシル)アミノ)ペンタノエート塩酸塩[(S)−C4Me]
(S)−24及びエチル 5−ブロモペンタノエートから得た(42%)。
【0238】
mp (MeOH/EtOAc) 188−191 °C,
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.52 (dd, J = 7.82, 1.68 Hz, 1 H), 7.36 (dd, J = 7.8, 1.4 Hz, 1 H), 7.31 (dt, J = 7.8, 7.60, 1.45 Hz, 1 H), 7.23 (dt, J = 8.0; 1.7 Hz, 1 H), 3.65 (s, 3 H), 2.76−2.68 (m, 1 H), 2.55−2.42 (m, 2 H), 2.36−2.30 (m, 1 H), 2.26 (t, J = 7.4 Hz, 2 H), 2.08−1.74 (m, 7 H), 1.66−1.58 (M, 2 H), 1.57−1.37 (m, 3 H), 分析、計算値C
18H
25Cl
2NO
3: C, 57.8; H, 6.7, Cl, 18.9, N, 3.7; 実測値, 57.7, H, 6.8 Cl, 18.9 N, 3.7。
【0239】
実施例11
rac−エチル 5−((1−(2−シクロフェニル)−2−オキソシクロヘキシル)アミノ)ペンタノエート塩酸塩(rac−C4Et)
rac−24及びエチル 5−ブロモペンタノエートから得た(29%)。
【0240】
mp 169−172
oC.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 11.87 (br, 1H), 8.20 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.62−7.54 (m, 1H), 7.48 (d, J = 3.8 Hz, 2H), 7.39 (br, 1H), 4.12 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.83 (dm, J = 14.4 Hz, 1H), 3.11−3.02 (m, 1H), 2.75 (d, J = 12.5 Hz, 1H), 2.70−2.61 (m, 1H), 2.51 (br, 1H), 2.32 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 2.24 (t, J = 11.1 Hz, 1H), 2.05 (br, 1H), 1.99−1.88 (m, 2H), 1.83 (d, J = 14.5 Hz, 2H), 1.76−1.61 (m, 3H), 1.24 (t, J = 7.1 Hz, 3H);
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 205.41, 173.07, 135.21, 132.58, 132.06, 131.67, 129.34, 128.99, 73.20, 60.57, 43.59, 40.82, 39.62, 33.65, 29.68, 26.07, 22.27, 21.77, 14.31. MS m/z 352.2 (MH
+). 分析、計算値C
19H
27Cl
2NO
3: C, 58.77; H, 7.01; N, 3.61; Cl, 18.26. 実測値C, 58.81; H, 7.1, N, 3.51; Cl, 18.31。
【0241】
実施例12
イソプロピル 5−((1−(2−クロロフェニル)−2−オキソシクロヘキシル)アミノ)ペンタノエート塩酸塩(rac−C4iPr)
rac−24及びイソプロピル 5−ブロモバレレートから得た(40%)。
【0242】
mp 161−163
oC.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 11.04 (br, 1H), 8.78 (br, 1H), 8.24 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.59−7.53 (m, 1H), 7.47 (br, 2H), 5.01−4.92 (m, 1H), 3.74 (dm, J = 14.4 Hz, 1H), 3.29−3.21 (m, 1H), 2.73 (d, J = 12.2 Hz, 1H), 2.64 (td, J = 13.3 Hz, 6.3, 1H), 2.54−2.42 (m, 2H), 2.26−2.21 (m, 2H), 2.10−1.99 (m, 2H), 1.94−1.83 (m, 2H), 1.78 (d, J = 17.6 Hz, 1H), 1.71−1.47 (m, 3H), 1.20 (dd, J = 6.3, 1.2 Hz, 6H);
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 205.7, 172.68, 135.18, 132.61, 132.13, 131.72, 129.26, 129.04, 73.25, 67.95, 43.66, 40.80, 39.76, 33.95, 29.78, 26.12, 22.25, 21.97, 21.8. MS m/z 366.2 (MH
+). HRMS、計算値366.1830, 実測値366.1842。
【0243】
実施例13
n−プロピル 5−((1−(2−クロロフェニル)−2−オキソシクロヘキシル)アミノ)ペンタノエート塩酸塩(rac−C4nPr)
rac−24及びプロピル 5−ブロモペンタノエート(45%)。
【0244】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 11.23 (br, 1H), 8.49 (br, 1H), 8.23 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.59 −7.52 (m, 1H), 7.46 (br, 2H), 4.0 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.76 (dm, J = 14.3 Hz, 1H), 3.24−3.18 (m, 1H), 2.74 (br, 1H), 2.69−2.61 (m, 1H), 2.46 (t, J = 14.0 Hz, 2H), 2.29 (td, J = 7.5, 2.9 Hz, 2H), 2.04−1.95 (m, 1H), 1.92−1.89 (m, 1H), 1.87−1.83 (m, 1H), 1.79 (dbr, J = 15.3 Hz, 1H), 1.73−1.57 (m, 5H), 1.54−1.47 (m, 1H), 0.91 (t, J = 7.4 Hz, 3H);
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 205.98, 173. 29, 135.14, 132. 6, 132.19, 131.74, 129.17, 129.08, 73.28, 66.31, 43.68, 40.77, 39.88, 33.58, 29.85, 26.16, 22.16, 22.06, 21.81, 10.5. MS m/z 366.2 (MH
+). HRMS、計算値366.1830, 実測値366.1839。
【0245】
N−アルキル化されたノルケタミンエステルの還元的メチル化するための一般的手法(スキーム4)
ノルケタミンエステル(0.9mmol)をMeOH(20mL)に溶解し、氷浴中で0℃に冷却した。酢酸(0.2mL、3.6mmol)及びNaCNBH
3(112mg、1.8mmol)を上記の溶液に添加し、5分間0℃で撹拌した。ホルムアルデヒド(H
2O中37%、2.2mmol)を0℃で添加し、反応混合物を24時間25℃で撹拌した。反応混合物をNaHCO
3でクエンチし、水で希釈した。水層をCH
2Cl
2(3×20mL)で抽出し、ブラインで洗浄し、Na
2SO4上で乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、黄色油状物として製造物を得た。黄色油状物をEt
2O(5mL)に溶解し、氷浴中で0℃に冷却し、1分間、HClガスで処理した。溶媒を蒸発させ、残渣をEtOAc(2mL)中に再懸濁し、超音波処理した。形成した沈殿物をEtOAc(10mL)で希釈し、濾過し、乾燥させて、HCl塩として製造物を得た。
【0246】
実施例14
エチル 3−((1−(2−クロロフェニル)−2−オキソシクロヘキシル)(メチル)アミノ)プロパノエート(19)
rac−C2Etの還元的メチル化から得た(97%)。
【0247】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.38 (dd, J = 7.8, 1.4 Hz, 1H), 7.36−7.33 (m, 1H), 7.30 (td, J = 7.9, 1.4 Hz, 1H), 7.25−7.21 (m, 1H), 4.10 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.11−3.04 (m, 1H), 2.97−2.90 (m, 1H), 2.80−2.73 (m, 1H), 2.58 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 2.49−2.45 (m, 2H), 2.43 (s, 3H), 2.05−1.91 (m, 2H), 1.89− 1.72 (m, 2H), 1.65−1.56 (m, 1H), 1.24 (t, J = 7.2 Hz, 3H);
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 208.1, 172.7, 138.0, 134.07, 131.68, 129.86, 18.64, 126.65, 74.58, 60.37, 47.76, 41.19, 36.97, 36.14, 34.73, 27.28, 22.33, 14.27. MS m/z 338.5 (MH
+). HRMS、計算値C
18H
25ClNO
3 (MH
+) 338.1517, 実測値338.1514。
【0248】
実施例15
エチル 4−((1−(2−シクロフェニル)−2−オキソシクロヘキシル)(メチルm)アミノ)ブタノエート塩酸塩(20)
rac−C3Etの還元的メチル化から得た(97%)。回転異性体の混合物。
【0249】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 11.97 (br, 1H), 11.79 (br, 1H), 8.46 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.93 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.64− 7.46 (m, 6H), 4.12−4.04 (m, 4H), 3.96 (t, J = 9.3 Hz, 1H), 3.69 (d, J = 14.8 Hz, 1H), 3.47 (1H), 3.25 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 3.16 (s, 3H), 2.78 (br, 6H), 2.69−2.55 (m, 5H), 2.48−2.34 (m, 3H), 2.14 (br, 3H), 1.97 (br, 3H), 1.84 (br, 5), 1.48−1.39 (m, 2 H), 1.31−1.19 (m, 6H);
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 205.26, 204.28, 172, 136.05, 135.91, 133.57, 132.87, 132. 77, 132.65, 132.55, 132.11, 129.2, 128.53, 127.69, 60.85, 53.32, 52.16, 42.65, 41.99, 37.37, 37.17, 36.59, 35.39, 31.49, 29.16, 22.22, 22.13, 20.64, 20.55, 14.3 (いくつかのCは両方の回転異性体について観察されなかった). MS m/z 352.2 (MH
+). HRMS、計算値 C
19H
27ClNO
3 (MH
+) 352.1674, 実測値352.1687。
【0250】
実測値16
メチル 5−((1−(2−シクロフェニル)−2−オキソシクロヘキシル)(メチル)アミノ)ペンタノエート(21)
rac−C4Meの還元的メチル化から得た(97%)。
【0251】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.41 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.38−7.29 (m, 2H), 3.66 (s, 3H), 2.83 (br, 2H), 2.61−2.57 (m, 3H), 2.49 (br, 3H), 2.30 (t, J = 7.1Hz, 2H), 2.10−1.94 (m, 3H), 1.88−1.77 (m, 3H), 1.62−1.59 (m, 3H);
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 206.75, 173.94, 134.77, 133.19, 132.01, 131.14, 130.12, 127.44, 52.02, 51.62, 41. 63, 37.0, 35.86, 33.66, 28.04, 27.07, 22.58, 22.27 (1C overlapping). MS m/z 352.2 (MH
+). HRMS、計算値C
19H
27ClNO
3 (MH
+) 352.1674, 実測値352.1683。
【0252】
生物学的活性
全ての動物実験は、Ruakura動物倫理委員会によって審査され、承認された実験プロトコルを使用して、Ruakura Research Centre、Hamilton、New Zealandで行われた(倫理参照番号12604)。
【0253】
ベースライン生理学的パラメータ(心拍数、呼吸数、PWR、及び立ち直り反射(RR))の獲得後、約350〜450gの成体雌性Sprague−Dawleyラットを非外傷性拘束下に置き、尾の辺縁静脈にカニューレした。ケタミン又は本発明の化合物(10mg/ml)は、適切に尾に固定されたミニボア(minibore)延長管を介して投与された。注入は、一定速度(調整された重量)で開始され、初期には20mg/kg/分で送達され(足引っ込み反射スコアPWR=1になるまで)、次に、6.7mg/kg/分の速度に低下させた。その後、注入速度は、上下させて滴定され、背臥位に維持され、停止前にPWR=1〜10分を維持した。3匹のラットをそれぞれの研究に使用し、また、ラットの各グループは、独自のケタミン対照としての機能を果たした。治験薬投与の順序は、従前の奇数/偶数ランダム化によって決定され、少なくとも1時間の回復間隔が実験間に設けられた。PWR及びRRは、全体で1分の間隔で記録された。注入の停止からの立ち直り反射(RRR)の戻りまでの時間、及び注入からの独立した運動(歩き)を示す動物までの時間を記録した。
【0254】
結果を以下の表2及び3に示す。
【0255】
足引っ込み反射(PWR)得点:動物における侵害受容性試験は、動物の前足の上に一定の圧力(強い指圧)の1秒の適用を介して行われた。足引っ込み反射テストは、主に鎮痛効果を評価するために使用され、応答がそれに応じて段階的なされる:0、なし;1、ピクピク;2、中程度の引っ込み;3、速い引っ込み;4、鳴き声/先行する無呼吸を伴う速い引っ込み(Buitrago,S.et al.J.Amer.Assoc.Lab.Animal.Sci.2008,47,11−17空の改変)。
【0256】
立ち直り反射(LRR)の損失:これは、主に、麻酔催眠効果を評価するために使用される。立ち直り反射は、ラットが、迅速に連続して行われる3つの試みについて、背側横臥位から胸骨横臥位の位置に正せない場合に無しと判断される。LRRへの投与量は、効果的な効力と呼ばれる。
【0257】
【表2】
【0258】
aLRR(立ち直り反射の消失)は、麻酔効果を評価する。立ち直り反射は、動物が、迅速に連続して行われる3つの試みについて、背側横臥位から胸骨横臥位の位置に正せない場合に無しと考えられる。
bPWR(足引っ込み反射)は、剤鎮痛効果を評価し、動物の前足の上に強い一定の圧力(ラットについては、強い指圧)の1秒の適用によって行われる。PWR=1(応答のピクピクの動き)は、鎮痛(痛覚)の満足できるレベルを示す。
cRRR(立ち直り反射の回復;背側横臥位から正す能力)。
dWalk(独立運動を維持する能力)。
eTIME:LRR若しくはPWR=1を達成するための薬物注入の開始からの時間、又はRRR若しくはWalkを達成するための薬物注入の開始からの時間。
fDose:LRR又はPWR=1を達成するために投与される全薬剤。エラーが与えられていない場合は、結果は、1匹の動物からのものである。
【0259】
【表3】
【0260】
a-f表2の通り。
gNA:活性でない。
hNC:計算できない。
【0261】
表2及び表3の結果は、本発明の化合物が、同様に迅速な開始及び効力を有するケタミン様麻酔効果を示すが、注入の中止後に非常に迅速(ケタミンと比較して最大10倍速い)な回復を有することを明確に示す。
【0262】
様々な実験全体でケタミンの標準について測定されたパラメータの平均値を以下の表4に示す。実験プロトコルの複雑さを考慮すると、鎮静前データ(LRRに関する時間と全投薬量;表2)は非常に一貫していて、わずか1.5倍の範囲にある。鎮静後回復時間の一貫性は、予測通りに低く、約2.5倍の範囲内である。
【0263】
ケタミンと比較した本発明の2つの代表的な化合物の性能の代表的なプロットを
図1及び2に示す。rac−C2nPr及びrac−C4Meについての立ち直りの喪失(麻酔)をそれぞれ
図1A及び
図1Bに示し、足引っ込みスコアを
図2A及び
図2Bに示す。
【0264】
図3は、ケタミンと本発明の代表的な化合物についての効果的な効力(立ち直り反射の喪失に対する投薬量[mg/kg])対期間(立ち直り反射の回復時間)のスキャッタープロットを示す。
【0265】
【表4】
【0266】
検討
酢酸塩(S)−C3OAcは、化合物のうちも最も高い効力(ケタミンとほぼ同程度の効力)であったが、ケタミン自体よりもほんの適度に速い回復(1.5〜2倍)を示した。理論に拘束されることを望まないが、本出願人は、これは、ゆっくりとした酢酸塩の加水分解に起因しているのではないが、対応するアルコール製造物自体が強力な催眠薬/鎮痛剤であるという事実に起因している可能性が大部分であると考えている。
【0267】
残りのノルケタミンエステルのうち、より強力な化合物(ケタミン自体と比較して最大2倍少ない投薬量の効力である)rac−C2Et、rac−C2iPr、rac−C3Et、rac−C3iPr、rac−C4Me、rac−C4Et及びrac−C4iPrは、鎖(即ち、pKaの範囲)長の混合物と様々なMe、Et及びiPrエステルを構成した。
【0268】
少ない投薬量の強力な化合物(ケタミンと比較して2〜6倍少ない)rac−C2nPr、rac−C3nPr及びrac−C4nPrはまた鎖長の混合物であるが、すべてn−Prエステルであり、親油性範囲の最高点であった。LRRとPWRの両方からの回復の投薬量の効力及び迅速性が広く逆数であるため、これらの少ない強力な化合物は、最速の回復(ケタミンと比較して20〜25倍速い)をもたしたことは驚くべきことではない。
【0269】
ノルケタミンエステルの大部分はラセミであるが、(S)−ケタミンがそのラセミ体と同様の活性を有するが、効力がほぼ2倍であることが知られているため、いくつかの鏡像異性体が評価された。S−鏡像異性体のうちの2つ((S)−C2Et、(S)−C2iPr)は、活性であるが、効力はたった半分であり、S−鏡像異性体エステルのより迅速な加水分解を示唆し、対応するラセミ体よりも速い回復を示した。(R)−C2iPr鏡像異性体は、(S)−C2iPrと同様の効力と回復の反応速度論を有した。rac−C4Me及び鏡像異性体(S)−C4Meは広く同等の特性を有した。
【0270】
探索的研究では、ケタミンエステル19〜21を用いて行われた(主に単一の動物の評価)。ラセミ体C2エチルエステル19は、n−Prノルケタミンエステルとほぼ同程度に強力であるが、非常に弱い鎮静効果を有し、非常に迅速な回復をもたらした。より長い鎖長のC3エチルとC4メチルエステル20及び21は、少ない効力を有し、弱い鎮静活性であった。
【0271】
麻酔活性におけるpKaの明確な効果はないが、最も弱い塩基は、効力が最小であるエステル中にあった。
【0272】
要約すると、上記の結果は、ケタミンの短鎖脂肪族エステル類似体は、その所望の麻酔活性及び鎮痛活性を広く保持するが、この能力におけるケタミン自体の欠点を最小限にするのに十分に迅速に、強力かつ不活性な酸に代謝される。
【0273】
本発明は、例として、かつ特定の実施形態を参照して説明されたが、本発明の範囲から逸脱せずに、修飾及び/又は改変がなされてもよいことは理解されるべきである。
【0274】
本明細書において引用されている全ての刊行物は、それらが全体として本明細書に援用される。