特許第6310318号(P6310318)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6310318
(24)【登録日】2018年3月23日
(45)【発行日】2018年4月11日
(54)【発明の名称】提言提供システム及びサーバー装置
(51)【国際特許分類】
   G01W 1/10 20060101AFI20180402BHJP
   G06Q 50/26 20120101ALI20180402BHJP
   G01W 1/00 20060101ALI20180402BHJP
【FI】
   G01W1/10 R
   G06Q50/26 300
   G01W1/00ZJM
【請求項の数】16
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2014-95209(P2014-95209)
(22)【出願日】2014年5月2日
(65)【公開番号】特開2015-212657(P2015-212657A)
(43)【公開日】2015年11月26日
【審査請求日】2017年4月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】307042385
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(72)【発明者】
【氏名】相馬 康幸
(72)【発明者】
【氏名】森元 瑶子
(72)【発明者】
【氏名】富田 晃夫
【審査官】 伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−046918(JP,A)
【文献】 特開2003−050285(JP,A)
【文献】 特開2011−033400(JP,A)
【文献】 特開2005−013057(JP,A)
【文献】 特開2013−196037(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01W 1/00 − 1/18
G06Q 50/00 − 50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
提言提供システムにおいて、
記憶装置と、
前記記憶装置の読み書き可能なサーバー装置と、
気象データを計測して、その計測気象データとその計測時間を送信する気象観測装置と、を備え、
計測気象データに関する所定の条件と気象に基づく所定の提言とが対応付けられて前記記憶装置に格納され、
前記サーバー装置が、
前記気象観測装置によって送信された計測気象データと計測時間とを対応付けて前記記憶装置に蓄積することによって気象データベースを前記記憶装置に構築する蓄積手段と、
前記気象データベースの計測気象データが前記所定の条件を充足するか否かを判断し、前記気象データベースの計測気象データが前記所定の条件を充足する場合に前記所定の提言を読み込む判別手段と、
前記判別手段によって読み込まれた前記所定の提言を端末装置に送信する送信手段と、を有する
提言提供システムであって、
前記所定の条件は、前記判別手段による判断時における計測気象データが所定の閾値を超え、且つ、前記判別手段による判断時から遡った所定の期間の全ての計測気象データが前記所定の閾値以下であるという条件である
ことを特徴とする提言提供システム。
【請求項2】
提言提供システムにおいて、
記憶装置と、
前記記憶装置の読み書き可能なサーバー装置と、
気象データを計測して、その計測気象データとその計測時間を送信する気象観測装置と、を備え、
計測気象データに関する所定の条件と気象に基づく所定の提言とが対応付けられて前記記憶装置に格納され、
前記サーバー装置が、
前記気象観測装置によって送信された計測気象データと計測時間とを対応付けて前記記憶装置に蓄積することによって気象データベースを前記記憶装置に構築する蓄積手段と、
前記気象データベースの計測気象データが前記所定の条件を充足するか否かを判断し、前記気象データベースの計測気象データが前記所定の条件を充足する場合に前記所定の提言を読み込む判別手段と、
前記判別手段によって読み込まれた前記所定の提言を端末装置に送信する送信手段と、を有する
提言提供システムであって、
前記所定の条件は、前記判別手段による判断時から遡った所定の期間の全ての計測気象データが所定の閾値以上又は以下であるという条件である
ことを特徴とする提言提供システム。
【請求項3】
提言提供システムにおいて、
記憶装置と、
前記記憶装置の読み書き可能なサーバー装置と、
気象データを計測して、その計測気象データとその計測時間を送信する気象観測装置と、を備え、
計測気象データに関する所定の条件と気象に基づく所定の提言とが対応付けられて前記記憶装置に格納され、
前記サーバー装置が、
前記気象観測装置によって送信された計測気象データと計測時間とを対応付けて前記記憶装置に蓄積することによって気象データベースを前記記憶装置に構築する蓄積手段と、
前記気象データベースの計測気象データが前記所定の条件を充足するか否かを判断し、前記気象データベースの計測気象データが前記所定の条件を充足する場合に前記所定の提言を読み込む判別手段と、
前記判別手段によって読み込まれた前記所定の提言を端末装置に送信する送信手段と、を有する
提言提供システムであって、
前記所定の条件は、前記判別手段による判断時から遡った所定の期間における計測気象データが所定の閾値以上になる回数が所定回数以上であるという条件である
ことを特徴とする提言提供システム。
【請求項4】
提言提供システムにおいて、
記憶装置と、
前記記憶装置の読み書き可能なサーバー装置と、
気象データを計測して、その計測気象データとその計測時間を送信する気象観測装置と、を備え、
計測気象データに関する所定の条件と気象に基づく所定の提言とが対応付けられて前記記憶装置に格納され、
前記サーバー装置が、
前記気象観測装置によって送信された計測気象データと計測時間とを対応付けて前記記憶装置に蓄積することによって気象データベースを前記記憶装置に構築する蓄積手段と、
前記気象データベースの計測気象データが前記所定の条件を充足するか否かを判断し、前記気象データベースの計測気象データが前記所定の条件を充足する場合に前記所定の提言を読み込む判別手段と、
前記判別手段によって読み込まれた前記所定の提言を端末装置に送信する送信手段と、を有する
提言提供システムであって、
前記所定の条件は、前記判別手段による判断時から遡った所定の期間の計測気象データが所定の下閾値以上、且つ、それよりも高い所定の上閾値以下になった回数が所定の回数以上であるという条件である
ことを特徴とする提言提供システム。
【請求項5】
提言提供システムにおいて、
記憶装置と、
前記記憶装置の読み書き可能なサーバー装置と、
気象データを計測して、その計測気象データとその計測時間を送信する気象観測装置と、を備え、
計測気象データに関する所定の条件と気象に基づく所定の提言とが対応付けられて前記記憶装置に格納され、
前記サーバー装置が、
前記気象観測装置によって送信された計測気象データと計測時間とを対応付けて前記記憶装置に蓄積することによって気象データベースを前記記憶装置に構築する蓄積手段と、
前記気象データベースの計測気象データが前記所定の条件を充足するか否かを判断し、前記気象データベースの計測気象データが前記所定の条件を充足する場合に前記所定の提言を読み込む判別手段と、
前記判別手段によって読み込まれた前記所定の提言を端末装置に送信する送信手段と、を有する
提言提供システムであって、
前記気象観測装置が気象データとして風向及び風速を計測し、
前記所定の条件は、前記判別手段による判断時から遡った所定の期間における計測風向が所定方角である時と同時刻の計測風速が所定の下閾値以上、それよりも高い所定の上閾値以下になった回数が所定の回数以上であるという条件である
ことを特徴とする提言提供システム。
【請求項6】
提言提供システムにおいて、
記憶装置と、
前記記憶装置の読み書き可能なサーバー装置と、
気象データを計測して、その計測気象データとその計測時間を送信する気象観測装置と、を備え、
計測気象データに関する所定の条件と気象に基づく所定の提言とが対応付けられて前記記憶装置に格納され、
前記サーバー装置が、
前記気象観測装置によって送信された計測気象データと計測時間とを対応付けて前記記憶装置に蓄積することによって気象データベースを前記記憶装置に構築する蓄積手段と、
前記気象データベースの計測気象データが前記所定の条件を充足するか否かを判断し、前記気象データベースの計測気象データが前記所定の条件を充足する場合に前記所定の提言を読み込む判別手段と、
前記判別手段によって読み込まれた前記所定の提言を端末装置に送信する送信手段と、を有する
提言提供システムであって、
前記気象観測装置が気象データとして気温及び湿度を計測し、
前記所定の条件は、前記判別手段による判断時における計測気温及び計測湿度から求まる不快指数が所定の閾値以下であり、又は以上であるという条件である
ことを特徴とする提言提供システム。
【請求項7】
提言提供システムにおいて、
記憶装置と、
前記記憶装置の読み書き可能なサーバー装置と、
気象データを計測して、その計測気象データとその計測時間を送信する気象観測装置と、を備え、
計測気象データに関する所定の条件と気象に基づく所定の提言とが対応付けられて前記記憶装置に格納され、
前記サーバー装置が、
前記気象観測装置によって送信された計測気象データと計測時間とを対応付けて前記記憶装置に蓄積することによって気象データベースを前記記憶装置に構築する蓄積手段と、
前記気象データベースの計測気象データが前記所定の条件を充足するか否かを判断し、前記気象データベースの計測気象データが前記所定の条件を充足する場合に前記所定の提言を読み込む判別手段と、
前記判別手段によって読み込まれた前記所定の提言を端末装置に送信する送信手段と、を有する
提言提供システムであって、
前記所定の条件は、前記判別手段による判断時における計測気象データが所定の閾値以下であるという条件である
ことを特徴とする提言提供システム。
【請求項8】
提言提供システムにおいて、
記憶装置と、
前記記憶装置の読み書き可能なサーバー装置と、
気象データを計測して、その計測気象データとその計測時間を送信する気象観測装置と、を備え、
計測気象データに関する所定の条件と気象に基づく所定の提言とが対応付けられて前記記憶装置に格納され、
前記サーバー装置が、
前記気象観測装置によって送信された計測気象データと計測時間とを対応付けて前記記憶装置に蓄積することによって気象データベースを前記記憶装置に構築する蓄積手段と、
前記気象データベースの計測気象データが前記所定の条件を充足するか否かを判断し、前記気象データベースの計測気象データが前記所定の条件を充足する場合に前記所定の提言を読み込む判別手段と、
前記判別手段によって読み込まれた前記所定の提言を端末装置に送信する送信手段と、を有する
提言提供システムであって、
前記所定の条件は、前記判別手段による判断時から遡った所定期間の最小の計測気象データが所定の第一閾値以下であり、且つ、その所定期間の計測気象データの実効値が所定の第二閾値以下であるという条件である
ことを特徴とする提言提供システム。
【請求項9】
提言提供システムにおいて、
記憶装置と、
前記記憶装置の読み書き可能なサーバー装置と、
気象データを計測して、その計測気象データとその計測時間を送信する気象観測装置と、を備え、
計測気象データに関する所定の条件と気象に基づく所定の提言とが対応付けられて前記記憶装置に格納され、
前記サーバー装置が、
前記気象観測装置によって送信された計測気象データと計測時間とを対応付けて前記記憶装置に蓄積することによって気象データベースを前記記憶装置に構築する蓄積手段と、
前記気象データベースの計測気象データが前記所定の条件を充足するか否かを判断し、前記気象データベースの計測気象データが前記所定の条件を充足する場合に前記所定の提言を読み込む判別手段と、
前記判別手段によって読み込まれた前記所定の提言を端末装置に送信する送信手段と、を有する
提言提供システムであって、
前記所定の条件は、過去の所定の日から前記判別手段による判断時までの計測気象データから求められた日ごとの平均値が所定の閾値以上又は以下となる日数が所定数以上であるという条件である
ことを特徴とする提言提供システム。
【請求項10】
提言提供システムにおいて、
記憶装置と、
前記記憶装置の読み書き可能なサーバー装置と、
気象データを計測して、その計測気象データとその計測時間を送信する気象観測装置と、を備え、
計測気象データに関する所定の条件と気象に基づく所定の提言とが対応付けられて前記記憶装置に格納され、
前記サーバー装置が、
前記気象観測装置によって送信された計測気象データと計測時間とを対応付けて前記記憶装置に蓄積することによって気象データベースを前記記憶装置に構築する蓄積手段と、
前記気象データベースの計測気象データが前記所定の条件を充足するか否かを判断し、前記気象データベースの計測気象データが前記所定の条件を充足する場合に前記所定の提言を読み込む判別手段と、
前記判別手段によって読み込まれた前記所定の提言を端末装置に送信する送信手段と、を有する
提言提供システムであって、
前記気象観測装置が気象データとして気圧及び気温を計測し、
前記所定の条件は、前記判別手段による判断時における計測気圧及び計測気温から求まる絶対湿度が所定の下閾値を超え、それよりも高い所定の上閾値以下であるという条件である
ことを特徴とする提言提供システム。
【請求項11】
提言提供システムにおいて、
記憶装置と、
前記記憶装置の読み書き可能なサーバー装置と、
気象データを計測して、その計測気象データとその計測時間を送信する気象観測装置と、を備え、
計測気象データに関する所定の条件と気象に基づく所定の提言とが対応付けられて前記記憶装置に格納され、
前記サーバー装置が、
前記気象観測装置によって送信された計測気象データと計測時間とを対応付けて前記記憶装置に蓄積することによって気象データベースを前記記憶装置に構築する蓄積手段と、
前記気象データベースの計測気象データが前記所定の条件を充足するか否かを判断し、前記気象データベースの計測気象データが前記所定の条件を充足する場合に前記所定の提言を読み込む判別手段と、
前記判別手段によって読み込まれた前記所定の提言を端末装置に送信する送信手段と、を有する
提言提供システムであって、
前記気象観測装置が気象データとして気圧及び気温を計測し、
前記所定の条件は、前記判別手段による判断時における計測気圧及び計測気温から求まる絶対湿度が所定の閾値以下であるという条件である
ことを特徴とする提言提供システム。
【請求項12】
提言提供システムにおいて、
記憶装置と、
前記記憶装置の読み書き可能なサーバー装置と、
気象データを計測して、その計測気象データとその計測時間を送信する気象観測装置と、を備え、
計測気象データに関する所定の条件と気象に基づく所定の提言とが対応付けられて前記記憶装置に格納され、
前記サーバー装置が、
前記気象観測装置によって送信された計測気象データと計測時間とを対応付けて前記記憶装置に蓄積することによって気象データベースを前記記憶装置に構築する蓄積手段と、
前記気象データベースの計測気象データが前記所定の条件を充足するか否かを判断し、前記気象データベースの計測気象データが前記所定の条件を充足する場合に前記所定の提言を読み込む判別手段と、
前記判別手段によって読み込まれた前記所定の提言を端末装置に送信する送信手段と、を有する
提言提供システムであって、
前記気象観測装置が気象データとして気温及び湿度を計測し、
前記所定の条件は、前記判別手段による判断時における計測気温が所定の第一閾値以下であり、且つ、前記判別手段による判断時における計測湿度が所定の第二閾値以下であるという条件である
ことを特徴とする提言提供システム。
【請求項13】
請求項1から12の何れか一項に記載の提言提供システムにおいて、
前記サーバー装置が、ユーザーが建物に居ることを表す情報を読み込んだ場合に、前記判別手段を有効化して、ユーザーが建物に居ないことを表す情報を読み込んだ場合に、前記判別手段を無効化する手段を有する
ことを特徴とする提言提供システム。
【請求項14】
請求項1から13の何れか一項に記載の提言提供システムにおいて、
前記送信手段が、前記判別手段によって読み込まれた提言をポータルサイトに含めて前記端末装置に送信する
ことを特徴とする提言提供システム。
【請求項15】
請求項14に記載の提言提供システムにおいて、
前記送信手段は、前記判別手段によって読み込まれた提言に加えて投稿記事を前記ポータルサイトに含めて前記端末装置に送信する
ことを特徴とする提言提供システム。
【請求項16】
計測気象データに関する所定の条件と気象に基づく所定の提言とが対応付けられて格納された記憶装置の読み書き可能なサーバー装置であって、
気象データを計測して、その計測気象データとその計測時間を送信する気象観測装置によって送信された計測気象データと計測時間とを対応付けて前記記憶装置に蓄積することによって気象データベースを前記記憶装置に構築する蓄積手段と、
前記気象データベースの計測気象データが前記所定の条件を充足するか否かを判断し、前記気象データベースの計測気象データが前記所定の条件を充足する場合に前記所定の提言を読み込む判別手段と、
前記判別手段によって読み込まれた前記所定の提言を端末装置に送信する送信手段と、を備える
ことを特徴とするサーバー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気象に基づいた提言を提供する提言提供システム並びにそれに用いられるサーバー装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、造成地を斜めに区画割りして宅地を造成し、建物を敷地形状に合わせて隣地境界線に沿う方向に角度を付けて配置してなる街区の構成について記載されている。このような技術によれば、採光性や通風性等を考慮しつつ、起伏のある外観の街区を形成できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−220933号公報
【特許文献2】特開2002−148061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、地域によって自然環境には差があるため、単に敷地形状や建物の向きに一定の規則性を持たせるだけでは、地域ごとの自然環境に対応しにくい場合がある。そこで、ユーザーが地域の自然環境に対応した快適な生活を送ることができるように、地域の自然環境に応じた情報をユーザーに提供することが望まれる。
そこで、本発明の課題は、ユーザーの生活の快適性の向上に貢献できるような情報を提供できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための請求項1から12に係る発明は、図2及び図5等に示すように、提言提供システムにおいて、記憶装置52と、前記記憶装置52の読み書き可能なサーバー装置51と、気象データを計測して、その計測気象データとその計測時間を送信する気象観測装置30と、を備え、計測気象データに関する所定の条件と気象に基づく所定の提言とが対応付けられて前記記憶装置52に格納され、前記サーバー装置51が、前記気象観測装置30によって送信された計測気象データと計測時間とを対応付けて前記記憶装置52に蓄積することによって気象データベース91aを前記記憶装置52に構築する蓄積手段61と、前記気象データベース91aの計測気象データが前記所定の条件を充足するか否かを判断し、前記気象データベース91aの計測気象データが前記所定の条件を充足する場合に前記所定の提言を読み込む判別手段66A(又は66B)と、前記判別手段66A(又は66B)によって読み込まれた前記所定の提言を端末装置70(又は75)に送信する送信手段69A(又は69B)と、を有する提言提供システムに基づいたものである。
【0006】
請求項16に係る発明は、計測気象データに関する所定の条件と気象に基づく所定の提言とが対応付けられて格納された記憶装置52の読み書き可能なサーバー装置51であって、気象データを計測して、その計測気象データとその計測時間を送信する気象観測装置30によって送信された計測気象データと計測時間とを対応付けて前記記憶装置52に蓄積することによって気象データベース91aを前記記憶装置52に構築する蓄積手段61と、前記気象データベース91aの計測気象データが前記所定の条件を充足するか否かを判断し、前記気象データベース91aの計測気象データが前記所定の条件を充足する場合に前記所定の提言を読み込む判別手段66A(又は66B)と、前記判別手段66A(又は66B)によって読み込まれた前記所定の提言を端末装置70(又は75)に送信する送信手段69A(又は69B)と、を備えることを特徴とするサーバー装置51である。
【0008】
請求項16に係る発明によれば、気象観測装置30の設置箇所の気象データが所定の条件を充足すると、気象に基づく提言が端末装置70(又は75)に送信されて、その提言が端末装置70(又は75)によって出力されるから、その提言を取得したユーザー等がその提言に基づく行動をとることができる。よって、ユーザーの生活の快適性の向上に貢献できる。
【0009】
請求項に係る発明は、前記段落0005に記載の提言提供システムにおいて、前記所定の条件は、前記判別手段66A(又は66B)による判断時における計測気象データが所定の閾値を超え、且つ、前記判別手段66A(又は66B)による判断時から遡った所定の期間の全ての計測気象データが前記所定の閾値以下であるという条件であることを特徴とする提言提供システムである。
【0010】
請求項に係る発明によれば、気象観測装置30の設置された箇所の気象データが過去の所定期間の間継続して所定の閾値以下であり、気象が変化して現在の気象データが所定の閾値を超えれば、それに応じた提言が端末装置70(又は75)を持ったユーザーに提供される。
【0011】
請求項に係る発明は、前記段落0005に記載の提言提供システムにおいて、前記所定の条件は、前記判別手段66A(又は66B)による判断時から遡った所定の期間の全ての計測気象データが所定の閾値以上又は以下であるという条件であることを特徴とする提言提供システムである。
【0012】
請求項に係る発明によれば、気象観測装置30の設置された箇所の気象データが過去の所定期間の間継続して所定の閾値以上又は以下であれば、それに応じた提言が端末装置70(又は75)を持ったユーザーに提供される。
【0013】
請求項に係る発明は、前記段落0005に記載の提言提供システムにおいて、前記所定の条件は、前記判別手段66A(又は66B)による判断時から遡った所定の期間における計測気象データが所定の閾値以上になる回数が所定回数以上であるという条件であることを特徴とする提言提供システムである。
【0014】
請求項に係る発明によれば、気象観測装置30の設置された箇所の気象データが過去の所定期間の間において所定の閾値以上になることが所定回数あると、それに応じた提言が端末装置70(又は75)を持ったユーザーに提供される。
【0015】
請求項に係る発明は、前記段落0005に記載の提言提供システムにおいて、前記所定の条件は、前記判別手段66A(又は66B)による判断時から遡った所定の期間の計測気象データが所定の下閾値以上、且つ、それよりも高い所定の上閾値以下になった回数が所定の回数以上であるという条件であることを特徴とする提言提供システムである。
【0016】
請求項に係る発明によれば、気象観測装置30の設置された箇所の気象データが過去の所定期間の間において所定の下閾値以上且つ所定の上閾値以下になることが所定回数あると、それに応じた提言が端末装置70(又は75)を持ったユーザーに提供される。
【0017】
請求項に係る発明は、前記段落0005に記載の提言提供システムにおいて、前記気象観測装置30が気象データとして風向及び風速を計測し、前記所定の条件は、前記判別手段66A(又は66B)による判断時から遡った所定の期間における計測風向が所定方角である時と同時刻の計測風速が所定の下閾値以上、それよりも高い所定の上閾値以下になった回数が所定の回数以上であるという条件であることを特徴とする提言提供システムである。
【0018】
請求項に係る発明によれば、気象観測装置30の設置された箇所の例えば東風の風速が過去の所定期間の間において所定の下閾値以上且つ所定の上閾値以下になることが所定回数あると、それに応じた提言が端末装置70(又は75)を持ったユーザーに提供される。
【0019】
請求項に係る発明は、前記段落0005に記載の提言提供システムにおいて、前記気象観測装置30が気象データとして気温及び湿度を計測し、前記所定の条件は、前記判別手段66A(又は66B)による判断時における計測気温及び計測湿度から求まる不快指数が所定の閾値以下であり、又は以上であるという条件であることを特徴とする提言提供システムである。
【0020】
請求項に係る発明によれば、気象観測装置30の設置された箇所の不快指数が所定の閾値以上又は以下であると、それに応じた提言が端末装置70(又は75)を持ったユーザーに提供される。
【0021】
請求項に係る発明は、前記段落0005に記載の提言提供システムにおいて、前記所定の条件は、前記判別手段66A(又は66B)による判断時における計測気象データが所定の閾値以下であるという条件であることを特徴とする提言提供システムである。
【0022】
請求項に係る発明によれば、気象観測装置30の設置された箇所の気象データが所定の閾値以下であると、それに応じた提言が端末装置70(又は75)を持ったユーザーに提供される。
【0023】
請求項に係る発明は、前記段落0005に記載の提言提供システムにおいて、前記所定の条件は、前記判別手段66A(又は66B)による判断時から遡った所定期間の最小の計測気象データが所定の第一閾値以下であり、且つ、その所定期間の計測気象データの実効値が所定の第二閾値以下であるという条件であることを特徴とする提言提供システムである。
【0024】
請求項に係る発明によれば、気象観測装置30の設置された箇所の気象データの過去の所定期間の最小値が第一閾値以下であり、その期間の実効値が第二閾値以下であると、それに応じた提言が端末装置70(又は75)を持ったユーザーに提供される。
【0025】
請求項に係る発明は、前記段落0005に記載の提言提供システムにおいて、前記所定の条件は、過去の所定の日から前記判別手段66A(又は66B)による判断時までの計測気象データから求められた日ごとの平均値が所定の閾値以上又は以下となる日数が所定数以上であるという条件であることを特徴とする提言提供システムである。
【0026】
請求項に係る発明によれば、気象観測装置30の設置された箇所の気象データの日ごとの平均値が所定の閾値以上又は以下となる日数が所定数以上であると、それに応じた提言が端末装置70(又は75)を持ったユーザーに提供される。
【0027】
請求項10に係る発明は、前記段落0005に記載の提言提供システムにおいて、前記気象観測装置30が気象データとして気圧及び気温を計測し、前記所定の条件は、前記判別手段66A(又は66B)による判断時における計測気圧及び計測気温から求まる絶対湿度が所定の下閾値を超え、それよりも高い所定の上閾値以下であるという条件であることを特徴とする提言提供システムである。
【0028】
請求項10に係る発明によれば、気象観測装置30が設置された箇所の絶対湿度が所定の下閾値を超えて、且つ所定の上閾値以下であると、それに応じた提言が端末装置70(又は75)を持ったユーザーに提供される。
【0029】
請求項11に係る発明は、前記段落0005に記載の提言提供システムにおいて、前記気象観測装置30が気象データとして気圧及び気温を計測し、前記所定の条件は、前記判別手段66A(又は66B)による判断時における計測気圧及び計測気温から求まる絶対湿度が所定の閾値以下であるという条件であることを特徴とする提言提供システムである。
【0030】
請求項11に係る発明によれば、気象観測装置30が設置された箇所の絶対湿度が所定の閾値以下であると、それに応じた提言が端末装置70(又は75)を持ったユーザーに提供される。
【0031】
請求項12に係る発明は、前記段落0005に記載の提言提供システムにおいて、前記気象観測装置30が気象データとして気温及び湿度を計測し、前記所定の条件は、前記判別手段66A(又は66B)による判断時における計測気温が所定の第一閾値以下であり、且つ、前記判別手段66A(又は66B)による判断時における計測湿度が所定の第二閾値以下であるという条件であることを特徴とする提言提供システムである。
【0032】
請求項12に係る発明によれば、気象観測装置30が設置された箇所の気温が第一閾値以下であり、且つ、その箇所の湿度が第二閾値以下であると、それに応じた提言が端末装置70(又は75)を持ったユーザーに提供される。
【0033】
請求項13に係る発明は、請求項1から12の何れか一項に記載の提言提供システムにおいて、前記サーバー装置51が、ユーザーが建物に居ることを表す情報を読み込んだ場合に、前記判別手段66A(又は66B)を有効化して、ユーザーが建物に居ないことを表す情報を読み込んだ場合に、前記判別手段66A(又は66B)を無効化する手段を有することを特徴とする提言提供システムである。
【0034】
請求項13に係る発明によれば、ユーザーが建物に居なければ、外出していることであり、気象に応じた提言がユーザーにとって不要となるので、そのような場合にはユーザーに提言が提供されないので、ユーザーにとって煩わしさがなくなる。
【0035】
請求項14に係る発明は、請求項1から13の何れか一項に記載の提言提供システムにおいて、前記送信手段69Aが、前記判別手段66Aによって読み込まれた提言をポータルサイトに含めて前記端末装置70(又は75)に送信することを特徴とする提言提供システムである。
【0036】
請求項14に係る発明によれば、ユーザーが端末装置70(又は75)を用いてポータルサイトを閲覧すれば、提言がユーザーに提供される。つまり、ユーザーが意識してポータルサイトを閲覧しない限り、提言がユーザーに提供されない。
【0037】
請求項15に係る発明は、請求項14に記載の提言提供システムにおいて、前記送信手段69Aは、前記判別手段66Aによって読み込まれた提言に加えて投稿記事を前記ポータルサイトに含めて前記端末装置70(又は75)に送信することを特徴とする提言提供システムである。
【0038】
請求項15に係る発明によれば、ユーザーは提言と一緒に投稿記事も取得することができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、気象に応じた提言がユーザーになされるので、ユーザーの生活の快適性の向上に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】街並構造の平面図である。
図2】提言提供システムのブロック図である。
図3】気象観測装置のブロック図である。
図4】ポータルサイトを示した図面である。
図5】サーバーシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されている。そのため、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0042】
図1は街並構造の平面図である。住宅地1は造成された土地である。この住宅地1の周囲に複数の外部道路1aが敷設(造成)され、住宅地1がこれら外部道路1aによって囲まれている。住宅地1は略五角形状に形成されている。住宅地1の北東部には、緑地2が造成されている。この緑地2は、住宅地1の夏季の主風向に面して配置されている。緑地2の西側が境界道路2aに面し、その境界道路2aが南北に延びるように敷設されている。境界道路2aの北端が住宅地1の北側に敷設された外部道路1aに交差する。緑地2は吹込道路2bによって北側の緑地2cと南側の緑地2dに分断されている。吹込道路2bは、境界道路2aの北端と南端との間において境界道路2aに交差する。その吹込道路2bは、境界道路2aとの交差点から住宅地1の東側の外部道路1aの交差点まで東西に延びるように敷設されている。南側緑地2dの南部には集会所Fが建築されている。住宅地1のうち境界道路2aよりも西側の領域に複数の街路3〜9が敷設(造成)され、境界道路2aよりも西側の領域が街路3〜9によって複数の街区11〜15に区画されている。街区11,12,13,14,15には、複数の建物A、建物B、建物C、建物D及び建物Eがそれぞれ建設されている。建物A、建物B、建物C、建物D及び建物Eは例えば戸建て住宅である。建物A、建物B、建物C、建物D及び建物Eの屋根のそれぞれに、太陽電池アレイ16が設置されている。集会所Fの屋根にも太陽電池アレイ16が設置されている。また、街区12には、通風路20が形成されている。この通風路は、複数の建物Bのうち街路4に沿って配列された建物Bと、街路5に沿って配列された建物Bとの間に形成されている。街区13にも通風路20が形成されている。通風路20は、建物Cの間に形成されている。
【0043】
この住宅地1には、図2に示すような提言提供システムが採用されている。この提言提供システムは気象観測装置30、サーバーシステム50、複数の据付端末装置70、在・不在入力部71及び携帯端末装置75を備える。据付端末装置70、在・不在入力部71及び携帯端末装置75の数は単数であってもよい。
【0044】
気象観測装置30は緑地2に設置されている。この気象観測装置30は、気象データ(気象に関する物理量)を計測して、計測気象データとその計測時刻を対応付けて、計測気象データ及び計測時刻をサーバーシステム50に送信する。気象データとしては、気温、湿度、気圧、風速、風向、降雨量及び日射量がある。
【0045】
図3は、気象観測装置30のブロック図である。
図3に示すように、気象観測装置30は温度センサー31、湿度センサー32、気圧センサー33、風速センサー34、風向センサー35、降雨量センサー36、日射量センサー37及び制御回路40及び送信機41を備える。
【0046】
温度センサー31は、気温を電気信号に変換することによって気温を計測して、計測気温を制御回路40に出力する。
湿度センサー32は、湿度を電気信号に変換することによって湿度を計測して、計測湿度を電気信号として制御回路40に出力する。
気圧センサー33は、気圧を電気信号に変換することによって気圧を計測して、計測気圧を電気信号として制御回路40に出力する。
風速センサー34は、風速を電気信号に変換することによって風速を計測して、計測風速を電気信号として制御回路40に出力する。
風向センサー35は、風向を電気信号に変換することによって風向を計測して、計測風向を電気信号として制御回路40に出力する。なお、風向は4ビットのデータ(16段階のデータ)であることが好ましい、具体的には風向は「東風」、「西風」、「北風」、「南風」、「北東の風」、「南東の風」、「北西の風」、「南西の風」、「東北東の風」、「北北東の風」、「西北西の風」、「北北西の風」、「東南東の風」、「南南東の風」、「西南西の風」、「南南西の風」を取り得る。
降雨量センサー36は、降雨量を電気信号に変換することによって降雨量を計測して、計測降雨量を電気信号として制御回路40に出力する。
日射量センサー37は、日射量を電気信号に変換することによって日射量を計測して、計測日射量を電気信号として制御回路40に出力する。
制御回路40は、温度センサー31から入力した計測気温の信号処理(増幅・離散化・演算等)を行うことによって計測気温とその計測時刻を対応付け、対応付けされた計測気温と計測時刻を送信機41に出力する。湿度センサー32、気圧センサー33、風速センサー34、風向センサー35、降雨量センサー36及び日射量センサー37によって計測された気象データ(計測湿度、計測気圧、計測風速、計測風向、計測降雨量及び計測日射量)についても同様である。
送信機41は、有線又は無線によって計測気温及びその計測時刻をサーバーシステム50に送信する。湿度センサー32、気圧センサー33、風速センサー34、風向センサー35、降雨量センサー36及び日射量センサー37によって計測された気象データ(計測湿度、計測気圧、計測風速、計測風向、計測降雨量及び計測日射量)についても同様である。なお、送信機41とサーバーシステム50の通信規格は特に限定するものではない。
【0047】
図2に示すように、据付端末装置70は、ユーザーによって利用されるユーザー端末装置である。据付端末装置70は建物A、建物B、建物C、建物D及び建物Eにそれぞれ据え付けられている。据付端末装置70は表示装置、入力装置及びマイクロプロセッサー等を有するコンピューターである。例えば、据付端末装置70は専用コンピューター又は汎用コンピューター(例えばデスクトップ型パーソナルコンピューター)である。
【0048】
建物A〜Eにはそれぞれの建物A〜Eの電力等のエネルギーを管理するホームマネージメントシステムが設置されており、据付端末装置70がホームマネージメントシステムに利用される。据付端末装置70によって各建物A〜E内の各種電気機器等の制御を行えたり、各建物A〜E内の各種電気機器の総消費電力量を計測したり、各建物A〜E内の太陽電池アレイ16によって発電された発電電力量を計測したりする。
【0049】
在・不在入力部71は、建物A、建物B、建物C、建物D及び建物Eにそれぞれ据え付けられている。在・不在入力部71は据付端末装置70に接続されている。在・不在入力部71は、ユーザーがそれぞれの建物A、建物B、建物C、建物D及び建物Eに居るか否かを表す在・不在情報を入力するものである。例えば、在・不在入力部71はスイッチ、人感センサー等である。在・不在入力部71によって入力された在・不在情報は据付端末装置70に転送され、その情報が据付端末装置70によってサーバー装置51に送信される。
【0050】
携帯端末装置75は、ユーザーによって利用されるユーザー端末装置である。携帯端末装置75は表示装置、入力装置及びマイクロプロセッサー等を有するコンピューターである。例えば、携帯端末装置75は、携帯電話機(例えば、スマートフォン、フューチャーフォン)、PDA(Personal Digital Assistant)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、パームトップ型パーソナルコンピューター、タブレット型パーソナルコンピューター等である。
【0051】
据付端末装置70及び携帯端末装置75は、インターネットプロトコル等の通信規格によってインターネットを介してサーバーシステム50と相互接続して、通信を行える。据付端末装置70は、計測した消費電力量及び発電電力量をその計測時刻に対応付けて、消費電力量、発電電力量及び計測時刻をサーバーシステム50に送信する。また、据付端末装置70及び携帯端末装置75には、サーバーシステム50によって送信された情報を表示して、その情報の閲覧に供する閲覧ソフトウエア(例えば、ブラウザー)が内蔵されている。
【0052】
以下、据付端末装置70によってサーバーシステム50にアクセスした場合の説明を行うが、携帯端末装置75によってサーバーシステム50にアクセスした場合についても同様である。つまり、以下の全ての説明において「据付端末装置70」を「携帯端末装置75」に読み替えてもよい。
【0053】
サーバーシステム50は、据付端末装置70からアクセスされることで、据付端末装置70に各種コンテンツ(コンテンツは住宅地1に関連するものである)を配信するサーバーシステムである。例えば、サーバーシステム50は、HTTPに基づいて据付端末装置70に各種コンテンツを配信するウェブサーバーとしての機能を有する。一例を挙げると、サーバーシステム50は、住宅地1の気象情報、提言(気象データに基づくアドバイス)、天気予報、発電電力量情報、消費電力量情報及び掲示板(回覧板)の各種コンテンツを含むポータルサイトを据付端末装置70を配信する。ポータルサイトが据付端末装置70に配信されると、図4に示すようなポータルサイトが据付端末装置70に表示される。ここで、サーバーシステム50は、据付端末装置70によってアクセスされた場合に、アクセス権限を有するユーザーカウントにのみに図4に示すポータルサイトを提供する。具体的には、据付端末装置70に表示されたログイン画面においてユーザーID及びパスワードを入力し、入力されたユーザーID及びパスワードが据付端末装置70によってサーバーシステム50に送信され、そのユーザーID及びパスワードとユーザーデータベースがサーバーシステム50によって照合されることによってそのユーザーID及びパスワードの真偽が判断され、そのユーザーID及びパスワードが真正であれば、図4に示すようなポータルサイトがサーバーシステム50によって据付端末装置70に配信される。
【0054】
図4に示すようにコンテンツ91〜95がポータルサイトに含まれている。
コンテンツ91は、気象観測装置30によって計測された住宅地1の気象データである。特に、据付端末装置70によってサーバーシステム50にアクセスした時における最新の気象データがコンテンツ91としてポータルサイトに表示される。コンテンツ91の気象データは、気温、湿度、降雨量、風向及び風速である。なお、これらのうち少なくとも一つがコンテンツ91に含まれていればよい。勿論、他の気象データがコンテンツ91に含まれてもよい。
【0055】
コンテンツ92は、気象観測装置30によって計測された気象データに基づく提言(アドバイス)である。
コンテンツ93は、住宅地1の向こう24時間の天気予報である。具体的には、予想天気、予想最高気温、予想採点気温、予想湿度及び予想降水確率がコンテンツ93としてポータルサイトに表示される。
コンテンツ94は、住宅地1における過去24時間の発電電力量及び消費電力量と時刻との関係を表したグラフである。
コンテンツ95は、掲示板である。コンテンツ95の掲示板に投稿できるユーザーアカウントは管理者権限を有するアカウントである。
【0056】
図5に示すブロック図を参照して、サーバーシステム50について詳細に説明する。
サーバーシステム50はサーバー装置51、記憶装置52、受信機55及び通信機56等を備える。
【0057】
サーバー装置51は、一台又は複数台のコンピューター(コンピューターはシングルプロセッサータイプ、マルチプロセッサータイプ又はマルチコアプロセッサータイプのコンピューターである)によって演算処理を行うコンピューターシステムである。
記憶装置52は、一又は複数のハードディスクドライブ、不揮発性半導体メモリーその他の読み書き可能な記憶媒体からなる。記憶装置52は、サーバー装置51によって読み書き可能である。
受信機55は気象観測装置30の送信機41によって送信された計測気象データ及び計測時刻を受信して、計測気象データ及び計測時刻をサーバー装置51に転送する。
通信機56は、インターネットプロトコル等の通信規格によってインターネットを通じて据付端末装置70と相互接続して、通信を行う装置である。
【0058】
記憶装置52には、ユーザーデータベース54が格納されている。ユーザーデータベース54は、ユーザーアカウント毎に設定されたデータからなる。具体的には、ユーザーデータベース54は、複数の真正なユーザーIDと、これら真正ユーザーIDにそれぞれ対応付けられた真正なパスワードと、これら真正ユーザーIDにそれぞれ対応付けられた在・不在情報と、これら真正ユーザーIDにそれぞれ対応付けられたアクセス権限情報とからなる。ここで、在・不在情報は、据付端末装置70からサーバー装置51に送信されてそのサーバー装置51によって格納されたものである。
記憶装置52には、コンテンツ93の天気予報情報93aが格納されている。天気予報情報93aは、管理者権限を有するアカウントによって登録されたものであるか、サーバー装置51が自動取得プログラムに従ってインターネットから自動的に取得したものである。
記憶装置52には、プログラム53が格納されている。このプログラム53は次のような処理をサーバー装置51に行わせる。
【0059】
〔気象データのデータロガー(蓄積手段)61としての処理〕
サーバー装置51は、気象観測装置30から計測気象データ(計測気温、計測湿度、計測湿度、計測気圧、計測風速、計測風向、計測降雨量及び計測日射量)及び計測時刻を受信したら、その計測気象データと計測時刻を対応付けて記憶装置52に記録する。これにより、計測気象データ及び計測時刻のデータ列からなる計測気象データベース91aが構築される。
【0060】
〔電力量のデータロガー(蓄積手段)62としての処理〕
サーバー装置51は、各建物A〜Eの据付端末装置70から消費電力量、発電電力量及び計測時刻を受信したら、その消費電力量及び発煙電力量を計測時刻に対応付けて記憶装置52に記録する。これにより、記憶装置52には、消費電力量、発電電力量及び計測時刻のデータ列からなる電力量データベース94aが構築される。
【0061】
〔気象データのリーダー(読込手段)63としての処理〕
サーバー装置51は、記憶装置52に構築されていく計測気象データベース91aの中から現在(最新)の計測気象データ(具体的には、計測気温、計測湿度、計測降雨量、計測風向及び計測風速)を読み込む。
【0062】
〔電力量のリーダー(読込手段)64としての処理〕
サーバー装置51は、記憶装置52に構築されていく電力量データベース94aの中から過去24時間及び現在(最新)の消費電力量及び発電電力量を読み込む。読込のタイミングは、据付端末装置70によってアクセスされて、据付端末装置70によって入力されたユーザーID及びパスワードと記憶装置52に格納されたユーザーデータベース54とに基づいてユーザーアカウントの認証が行われた時である。
【0063】
〔天気予報のリーダー(読込手段)65としての処理〕
サーバー装置51は、記憶装置52に格納された天気予報情報93aを読み込む。読込のタイミングは、据付端末装置70によってアクセスされて、据付端末装置70によって入力されたユーザーID及びパスワードと記憶装置52に格納されたユーザーデータベース54とに基づいてユーザーアカウントの認証が行われた時である。
【0064】
〔計測気象データのアナライザー(判別手段)66Aとしての処理〕
サーバー装置51は、記憶装置52に構築されていく計測気象データベース91aの計測気象データが所定の条件を満たしている否かを判別し、その所定の条件が充足した場合にはその所定の条件に応じた提言を設定する。
【0065】
サーバー装置51がアナライザー66Aとしての判別を行うタイミングは、据付端末装置70によってアクセスされて、据付端末装置70によって入力されたユーザーID及びパスワードと記憶装置52に格納されたユーザーデータベース54とに基づいてユーザーアカウントの認証が行われた時である。但し、認証されたユーザーアカウントの在・不在情報がユーザーの不在(ユーザーが建物に居ないこと)を表すものである場合には、アナライザー66Aとしての判別が無効化されて行われず、認証されたユーザーアカウントの在・不在情報がユーザーの在(ユーザーが建物に居ること)を表すものである場合には、アナライザー66Aとしての判別が有効化されて行う。
以下、サーバー装置51がアナライザー66Aとしての判別を行うタイミングを現在時刻といい、最新の計測気象データとは現在時刻における最新の計測気象データのことをいう。
【0066】
条件の充足性の判別に利用する条件は複数あり、これら条件毎に提言が対応付けられて記憶装置52に格納されている。つまり、記憶装置52に格納された条件・提言データベース92aは、複数の所定の条件と、これら所定の条件にそれぞれ対応付けられた複数の所定の提言とを有する。サーバー装置51は、これら所定の条件毎の判別処理を並行して行う。なお、条件・提言データベース92aがプログラム53に組み込まれていてもよい。
【0067】
条件・提言データベース92aにおいては、有効・無効を表す複数のフラグがこれら所定の条件(上記具体例1〜具体例17参照)に対応付けられている。このフラグは、ユーザーが据付端末装置70によって設定されたものである。無効フラグに対応付けられた条件は無効化されて、サーバー装置51がその条件に基づく判断を行いが、有効フラグに対応付けられた条件は有効化されて、サーバー装置51がその条件に基づく判断を行う。従って、ユーザーは、据付端末装置70を用いてフラグを有効又は無効に設定することによって、必要な提言を有効化して、不要な提言を無効化することができる。
【0068】
条件・提言データベース92aに含まれる複数の所定の条件は第一のグループ及び第二のグループに分けられている。第一のグループが第二のグループよりも優先度が高い。つまり、まず、サーバー装置51は、第一のグループに属する条件に基づく判別を行う。そして、第一のグループに属する条件の何れもが充足しなかった場合には、サーバー装置51が第二のグループに属する条件に基づく判別を行う。
【0069】
所定の条件は計測気象データに関するものであり、所定の提言は気象に基づくものである。以下、具体例1〜具体例10を挙げて、第一のグループに含まれる条件及び提言について説明するとともに、条件に当て嵌める計測気象データについて説明する。
【0070】
・具体例1
条件に当て嵌める計測気象データ:計測降雨量
条件:現在時刻から遡って所定期間(例えば、1時間)の全ての計測降雨量が所定の閾値(例えば、0mm)以下であり、且つ、現在時刻における計測降雨量が所定の閾値(例えば、0mm)を超えるという条件
提言:洗濯物を取り込むべき旨
制限:上述の条件が1日の間に5回充足された場合には、この条件が無効化されて、サーバー装置51がこの条件に基づく判断を行わない。無効化の解除条件(有効化条件)は所定の時刻(例えば、24時0分)を超えることである。
【0071】
・具体例2
条件に当て嵌める計測気象データ:計測気温
条件:現在時刻から遡って所定期間(例えば、3時間)及び現在時刻の全ての計測気温が所定の閾値(例えば、3℃)以下であるという条件
提言:凍結を注意すべき旨
制限:上述の条件が1日(但し、深夜の時間帯を除く。)の間に1回充足された場合には、この条件が無効化されて、サーバー装置51がこの条件に基づく判断を行わない。無効化の解除条件(有効化条件)は所定の時刻(例えば、5時0分)を超えることである。
【0072】
・具体例3
条件に当て嵌める計測気象データ:計測風速
条件:現在時刻から遡って所定期間(例えば、30分間)及び現在時刻の計測風速が所定の閾値(例えば、3.5m/s)以上になる回数が所定の回数(例えば、1回)以上であるという条件
提言:強風に注意すべき旨若しくは洗濯物を室内で干すべき旨又はこれらの両方
制限1:上述の条件が6時から12時の間に1回充足された場合には、この条件が無効化されて、サーバー装置51がこの条件に基づく判断を行わず、その無効化の解除条件は12時0分を超えることである。
制限2:上述の条件が12時から18時の間に1回充足された場合には、この条件が無効化されて、サーバー装置51がこの条件に基づく判断を行わず、その無効化の解除条件は18時を超えることである。
【0073】
・具体例4
条件に当て嵌める計測気象データ:計測風速
条件:現在事項から遡って所定期間(例えば、30分間)及び現在時刻の計測風速が所定の下閾値(例えば、1.5m/s)以上であり、且つその下閾値よりも高い所定の上閾値(例えば、3.4m/s)以下になる回数が所定の回数(例えば、5回)以上であるという条件
提言:良い風が吹いている旨若しくは省エネ目的で外気を取り込む旨又はこれらの両方
制限1:現在時刻における計測気温が所定の上閾値(例えば、20℃)以上、且つそれよりも高い所定の上閾値(例えば、28℃)である場合であって、且つ、現在時刻における計測降雨量が所定の値(例えば、0mm)である場合には、上述の条件に基づく判断が行われ、それ以外の場合には、上述の条件に基づく判断が行われない。
制限2:上述の条件が6時から12時の間に1回充足された場合には、この条件が無効化されて、サーバー装置51がこの条件に基づく判断を行わず、その無効化の解除条件は12時を超えることである。
制限3:上述の条件が12時から18時の間に1回充足された場合には、この条件が無効化されて、サーバー装置51がこの条件に基づく判断を行わず、その無効化の解除条件は18時を超えることである。
【0074】
・具体例5
条件に当て嵌める計測気象データ:計測風速及び計測風向
条件:現在時刻から遡って所定期間(例えば、30分間)及び現在時刻における計測風速が「東風」である時と同時刻の計測風速が所定の下閾値(例えば、1.5m/s)以上であり、且つその下閾値よりも高い所定の上閾値(例えば、3.4m/s)以下になる回数が所定の回数(例えば、5回)以上であるという条件
提言:良い風が吹いている旨及び東側の窓を開くべき旨
制限1:現在時刻における計測気温が所定の上閾値(例えば、20℃)以上、且つそれよりも高い所定の上閾値(例えば、28℃)である場合であって、且つ、現在時刻における計測降雨量が所定の値(例えば、0mm)である場合には、上述の条件に基づく判断が行われ、それ以外の場合には、上述の条件に基づく判断が行われない。
制限2:上述の条件が6時から12時の間に1回充足された場合には、この条件が無効化されて、サーバー装置51がこの条件に基づく判断を行わず、その無効化の解除条件は12時を超えることである。
制限3:上述の条件が12時から18時の間に1回充足された場合には、この条件が無効化されて、サーバー装置51がこの条件に基づく判断を行わず、その無効化の解除条件は18時を超えることである。
【0075】
なお、現在時刻から遡って所定期間(例えば、30分間)及び現在時刻における計測風速が「西風」、「北風」、「南風」、「北東の風」、「南東の風」、「北西の風」、「南西の風」、「東北東の風」、「北北東の風」、「西北西の風」、「北北西の風」、「東南東の風」、「南南東の風」、「西南西の風」又は「南南西の風」である時と同時刻の計測風速についても同様である。その場合、提言において開くべき窓の方角は計測風速の方角である。
【0076】
・具体例6
条件に当て嵌める計測気象データ:計測気温及び計測湿度
条件:現在時刻における計測気温及び計測湿度から求まる不快指数が所定の閾値(例えば60)以下であるという条件
提言:寒い旨
制限1:上述の条件が6時から12時の間に1回充足された場合には、この条件が無効化されて、サーバー装置51がこの条件に基づく判断を行わず、その無効化の解除条件は12時を超えることである。
制限2:上述の条件が12時から18時の間に1回充足された場合には、この条件が無効化されて、サーバー装置51がこの条件に基づく判断を行わず、その無効化の解除条件は18時を超えることである。
備考:不快指数=0.81×計測気温+0.01×計測湿度×(0.99×計測気温−14.3)×46.3
【0077】
・具体例7
条件に当て嵌める計測気象データ:計測気温及び計測湿度
条件:現在時刻における計測気温及び計測湿度から求まる不快指数が所定の閾値(例えば80)以上であるという条件
提言:暑い旨
制限1:上述の条件が充足された場合にはこの条件が無効化されて、その後サーバー装置51がこの条件に基づく判断を行わず、その充足時から1時間経過後に無効化が解除される。
制限2:上述の条件が12時から18時の間に1回充足された場合には、この条件が無効化されて、サーバー装置51がこの条件に基づく判断を行わず、その無効化の解除条件は18時を超えることである。
備考:不快指数=0.81×計測気温+0.01×計測湿度×(0.99×計測気温−14.3)×46.3
【0078】
・具体例8
条件に当て嵌める計測気象データ:計測湿度
条件:現在時刻における計測湿度が所定の閾値(例えば、60%)以下であるという条件
提言:肌の乾燥を注意すべき旨
制限1:6月から8月の間は上述の条件が無効化されて、サーバー装置51がこの条件に基づく判断を行わない。9月から5月の間は上述の条件が有効化され、サーバー装置51がこの条件に基づく判断を行う。
制限2:上述の条件が9月から5月の間に1回充足された場合には、この条件が無効化されて、サーバー装置51がこの条件に基づく判断を行わず、その無効化の解除条件は9月1日0時0分を超えることである。
【0079】
・具体例9
条件に当て嵌める計測気象データ:計測湿度
条件:現在時刻から遡った所定期間(例えば、1日間)の最小の計測湿度が所定の第一閾値(例えば、25%)以下であり、且つ、その所定期間の計測湿度の実効値が所定の第二閾値(例えば、50%)以下であるという条件
提言:空気が乾燥している旨若しくは火の元を注意すべき旨又はこれらの両方
制限1:6月から8月の間は上述の条件が無効化されて、サーバー装置51がこの条件に基づく判断を行わない。9月から5月の間は上述の条件が有効化され、サーバー装置51がこの条件に基づく判断を行う。
制限2:上述の条件が9月から5月の間に1回充足された場合には、この条件が無効化されて、サーバー装置51がこの条件に基づく判断を行わず、その無効化の解除条件は9月1日0時0分を超えることである。
【0080】
続いて、具体例10〜具体例18を挙げて、第二のグループに含まれる条件と提言について説明する。
【0081】
・具体例10
条件に当て嵌める計測気象データ:計測気温
条件:過去の所定の日(例えば、9月1日)から現在時刻までの計測気温から求められる日ごとの平均値が所定の閾値(例えば、20℃)以下となる日数が所定数(例えば、3日)以上であるという条件
提言:衣替えをすべき旨
制限1:12月から8月の間は上述の条件が無効化されて、サーバー装置51がこの条件に基づく判断を行わない。9月から11月の間は上述の条件が有効化され、サーバー装置51がこの条件に基づく判断を行う。
制限2:上述の条件が9月から11月の間に1回充足された場合には、この条件が無効化されて、サーバー装置51がこの条件に基づく判断を行わず、その無効化の解除条件は9月1日0時0分を超えることである。
【0082】
・具体例11
条件に当て嵌める計測気象データ:計測気温
条件:過去の所定の日(例えば、3月1日)から現在時刻までの計測気温から求められる日ごとの平均値が所定の閾値(例えば、18℃)以上となる日数が所定数(例えば、3日)以上であるという条件
提言:衣替えをすべき旨
制限1:6月から2月の間は上述の条件が無効化されて、サーバー装置51がこの条件に基づく判断を行わない。3月から5月の間は上述の条件が有効化され、サーバー装置51がこの条件に基づく判断を行う。
制限2:上述の条件が3月から5月の間に1回充足された場合には、この条件が無効化されて、サーバー装置51がこの条件に基づく判断を行わず、その無効化の解除条件は3月1日0時0分を超えることである。
【0083】
・具体例12
条件に当て嵌める計測気象データ:計測気温
条件:過去の所定の日(例えば、9月1日)から現在時刻までの計測気温から求められる日ごとの平均値が所定の閾値(例えば、15℃)以下となる日数が所定数(例えば、7日)以上であるという条件
提言:暖房器具の準備をすべき旨
【0084】
・具体例13
条件に当て嵌める計測気象データ:計測気温
条件:過去の所定の日(例えば、3月1日)から現在時刻までの計測気温から求められる日ごとの平均値が所定の閾値(例えば、15℃)以上となる日数が所定数(例えば、7日)以上であるという条件
提言:暖房器具を収納すべき旨
【0085】
・具体例14
条件に当て嵌める計測気象データ:計測降雨量
条件:現在時刻から遡って所定期間(例えば、3日間)及び現在時刻の全ての計測降雨量が所定の閾値(例えば、0mm)以下であるという条件
提言:打ち水をすべきタイミングに適している旨
【0086】
・具体例15
条件に当て嵌める計測気象データ:計測気温及び計測湿度
条件:現在時刻の計測気温及び計測湿度から次の式a〜式cに基づいて算出された絶対湿度が所定の閾値以下(例えば、7g)である場合
式a:絶対湿度=飽和水蒸気量×計測湿度
式b:飽和水蒸気量=0.62198×気圧/(1013.25−気圧)
式c:気圧=6.11×10(7.5×気温/237.3+気温)
提言:インフルエンザに警戒すべき旨
制限:上述の条件が充足された場合には、それ時以降この条件が無効化されて、サーバー装置51がこの条件に基づく判断を行わず、その無効化の解除条件は条件充足時から所定期間(例えば、12時間)経過したことである。
【0087】
・具体例16
条件に当て嵌める計測気象データ:計測気温及び計測湿度
条件:現在時刻の計測気温及び計測湿度から上記式a〜式cに基づいて算出された絶対湿度が所定の下閾値(7g)を超え、且つ、それよりも高い所定の上閾値(11g)以下であるという条件
提言:インフルエンザに注意すべき旨
制限:上述の条件が充足された場合には、それ時以降この条件が無効化されて、サーバー装置51がこの条件に基づく判断を行わず、その無効化の解除条件は条件充足時から所定期間(例えば、12時間)経過したことである。
【0088】
・具体例17
条件に当て嵌める計測気象データ:計測気温
条件:現在時刻における計測気温が所定の第一閾値(例えば、18℃)以下であり、且つ、現在時刻における計測湿度が所定の第二閾値(例えば、40%)以下であるという条件
提言:風邪・感冒に注意すべき旨
制限:上述の条件が充足された場合には、それ時以降この条件が無効化されて、サーバー装置51がこの条件に基づく判断を行わず、その無効化の解除条件は条件充足時から所定期間(例えば、24時間)経過したことである。
【0089】
〔月間提言設定部67〕
記憶装置52に構築されていく計測気象データベース91aの計測気象データが第一のグループに属する条件及び第二のグループに属する条件の何れも充足しなかった場合、サーバー装置51は現在時刻が属する月に応じた提言を設定する。ここで、アナライザー66Aの処理が無効化された場合、この月間提言設定部67の処理も無効化され、アナライザー66Aの処理が有効化された場合、この月間提言設定部67の処理も有効化される。
【0090】
提言は、提言データベース92bとして記憶装置52に格納されている。提言データベース92bは、複数の月及び提言からなるとともに、これら月と提言が一対一で対応付けられている。サーバー装置51は、現在時刻が属する月に応じた提言を提言データベース92bから検索する。
【0091】
具体例18〜具体例22を挙げて、提言データベース92bに含まれる月と提言について説明する。
【0092】
・具体例18
月:3月
提言:風邪が強くなる時期である旨若しくは洗濯物をきちんと止めるべきか洗濯物を室内で干すべき旨又はこれらの両方
【0093】
・具体例19
月:3月
提言:室温が徐々に上昇する旨若しくは冷蔵庫の温度調整をすべき旨又はこれらの両方
【0094】
・具体例20
月:5月
提言:梅雨の前に雨具を点検すべき旨若しくは湿気対策をすべき旨又はこれらの両方
【0095】
・具体例21
月:6月
提言:晴れた日にまな板若しくは布巾又はこれらの両方を天日干しすべき旨
【0096】
・具体例22
月:6月
提言:洗濯物の湿気取りにアイロンを活用すべき旨
【0097】
〔掲示板の投稿記事のリーダー68としての読込処理〕
サーバー装置51は、記憶装置52に構築された投稿記事データベース95aから投稿記事を読み込む。ここで、投稿記事データベース95aは、複数の投稿記事と投稿日時と投稿者とを対応付けてなるデータベースである。管理者権限を有するアカウントによって構築されたものである。つまり、管理者権限を有するアカウントによって投稿された記事がその投稿日時とそのアカウントのユーザーIDに対応付けられて記憶装置52に記録されることによって、投稿記事データベース95aが構築される。
サーバー装置51が投稿記事を読み込むタイミングは、据付端末装置70によってアクセスされて、ユーザーアカウントの認証が行われた時である。
【0098】
〔統合的なサーバー(例えば、ウェブサーバー)69Aとしての処理〕
据付端末装置70によるアクセスがサーバー装置51によって検知されたら、サーバー装置51が気象データリーダー63、電力量リーダー64、天気予報リーダー65、アナライザー66A、月間提言設定部67及び投稿記事リーダー68としての処理を並行して行う。これにより、過去24時間及び現在(最新)の消費電力量及び発電電力量がサーバー装置51によって読み込まれ、現在(最新)の計測気象データがサーバー装置51によって読み込まれ、更に、天気予報情報93a、提言及び投稿記事もサーバー装置51によって読み込まれる。
【0099】
そして、サーバー装置51は、読み込んだ提言、投稿記事及び現在計測気象データ並びに過去24時間及び現在の消費電力量及び発電電力量を据付端末装置70に送信する。具体的には、サーバー装置51は、読み込んだ現在の気象データをコンテンツ91として、読み込んだ提言をコンテンツ92として、読み込んだ天気予報情報93aをコンテンツ93として、読み込んだ過去24時間及び現在の消費電力量及び発電電力量をコンテンツ94として、読み込んだ投稿記事をコンテンツ95としてポータルサイトに含めて、据付端末装置70に送信する。そのポータルサイトが据付端末装置70に受信されると、そのポータルサイトが据付端末装置70に表示される。なお、アナライザー66A及び月間提言設定部67の処理が無効化された場合、提言が設定されず、更に送信されないので、コンテンツ92における提言が空白となる。
【0100】
〔計測気象データの常時アナライザー(判別手段)66Bとしての処理〕
サーバー装置51がアナライザー66Aとしての判別を行うタイミングが据付端末装置70のアクセスの際のユーザーアカウントの認証時である。それに対して、サーバー装置51が常時アナライザー66Bとしての判別を行うタイミングは、気象観測装置30から計測気象データ及び計測時刻を受信する毎である。つまり、サーバー装置51は常時アナライザー66Bとしての判別を常時行う。
【0101】
サーバー装置51が常時アナライザー66Bとして行う判別処理は、サーバー装置51がアナライザー66Aとして行う判別処理と同じである。従って、サーバー装置51は、記憶装置52に構築されていく計測気象データベース91aの計測気象データが所定の条件を満たしている否かを判別し、その所定の条件が充足した場合にはその所定の条件に応じた提言を条件・提言データベース92aから読み込む。
【0102】
〔送信サーバー(送信手段)69Bとしての処理〕
サーバー装置51が常時アナライザー66Bとして提言を読み込んだら、その提言を据付端末装置70に送信する。そうすると、その提言が据付端末装置70に受信されると、その提言が据付端末装置70に表示される。つまり、据付端末装置70にクライアントアプリケーションソフトウェアが組み込まれており、そのクライアントアプリケーションソフトウェアによって送信サーバー69Bとの通信が確立されるとともに、提言がクライアントアプリケーションソフトウェアによって表示される。クライアントアプリケーションソフトウェアと送信サーバー69Bの通信プロトコルや通信形態は特に限定するものではない(例えば、電子メールでもよい)。
【0103】
以上に説明した実施の形態によれば、次のような効果が生じる。
(1) 気象観測装置30の設置箇所の気象データが所定の条件を充足すると、気象に基づく提言が据付端末装置70や携帯端末装置75によって出力されるから、その提言を取得したユーザー等がその提言に基づく行動をとることができる。よって、ユーザーの生活の快適性の向上に貢献できる。つまり、気象データは単なる数値だけでしかないため、ユーザーが気温等の気象データだけを知り得てもその気象データに応じた対策をとることができない虞があるが、気象に基づく提言がユーザーに提供されれば、ユーザーがその提言を受けて何らかの対策或いは行動をとることができる。
【0104】
(2) 具体例1では、雨が降り始めたら、その旨がユーザーに通知されるため、ユーザーが降雨に応じた行動をとることができる。
【0105】
(3) 具体例2では、冬場等において寒さが所定期間続けば、凍結の旨がユーザーに通知されるため、ユーザーが凍結防止の対策をとることができる。
【0106】
(4) 具体例3では、強い風が所定期間の間に断続的に続けば、強風注意の旨等がユーザーに通知されるため、ユーザーが強風に対する対策をとることができる。
【0107】
(5) 具体例4では、心地よい風が所定期間の間に断続的に続けば、その旨等がユーザーに通知されるため、ユーザーが心地よい風を有効に利用することができる。
【0108】
(6) 具体例5では、例えば心地よい東風が所定期間の間に断続的に続けば、その旨等がユーザーに通知されるため、ユーザーが心地よい東風を有効に利用することができる。例えば、東側の窓の開放をユーザーに催促することができる。
【0109】
(7) 具体例6では、ヒトが汗をかきにくい環境になれば、寒い旨がユーザーに通知されるため、ユーザーがそれを受けて厚着をする等の対策をとることができる。
【0110】
(8) 具体例7では、ヒトが汗をかきやすい環境になれば、暑い旨がユーザーに通知されるため、ユーザーがそれを受けて薄着をする等の対策をとることができる。
【0111】
(9) 夏から冬へ移り変わる季節では、ヒトの肌が冬の環境に慣れていないため、乾燥肌等のトラブルが発生しやすい。具体例8では、ヒトの肌が乾燥しやすくトラブルの発生しやすい環境になれば、肌の乾燥に注意すべき旨がユーザーに通知されるため、ユーザーがそれを受けて肌の保湿等の対策をとることができる。
【0112】
(10) 乾燥した日は火災等が発生しやすい。具体例9では、乾燥した環境になると、その旨がユーザーに通知されて、ユーザーが乾燥に対する対策をとることができるとともに、火の元に注意しやすくなる。
【0113】
(11) 具体例10では、夏から冬に移り変わる季節において寒い日が続けば、衣替えの旨がユーザーに通知されるため、ユーザーが衣類の冬支度を行うことができる。
【0114】
(12) 具体例11では、冬から夏に移り変わる季節において暖かい日が続けば、衣替えの旨がユーザーに通知されるため、ユーザーが衣類の春支度・夏支度を行うことができる。
【0115】
(13) 具体例12では、夏から冬に移り変わる季節において寒い日が続けば、暖房器具の準備の催促がユーザーにされるため、ユーザーが暖房器具の準備を行うことができる。
【0116】
(14) 具体例13では、冬から夏に移り変わる季節において暖かい日が続けば、暖房器具の収納の催促がユーザーにされるため、ユーザーが暖房器具の収納を行うことができる。
【0117】
(15) 雨の降らない日が続くと、乾燥によって塵等が舞いやすい。具体例13では、雨の降らない日が続くと、打ち水の催促がユーザーにされるため、ユーザーが打ち水を行って塵の舞い上がりに対する対策を行うことができる。
【0118】
(16) 具体例15,16,17では、風邪、感冒又はインフルエンザの発生しやすい環境になれば、風邪、感冒又はインフルエンザに注意すべき旨がユーザーに通知されるため、ユーザーが風邪、感冒又はインフルエンザ等に対する対策をとることができる。
【0119】
(17) 建物Aの住人が建物Aに居なければ、外出していることであり、気象に応じた提言が住人にとって不要となる。そのような場合には、建物Aに設置された据付端末装置70に提言が送信されないので、ユーザーにとって煩わしさがなくなる。
【0120】
(18) ユーザーがポータルサイトを閲覧すれば、ユーザーがそのコンテンツ91〜95の提供を受ける。逆を言えば、ユーザーが意識してポータルサイトを閲覧しない限り、コンテンツ92に係る提言がユーザーに提供されない。よって、ユーザーにとっては煩わしさがない。
【0121】
(19) ユーザーがポータルサイトを閲覧すれば、コンテンツ92に係る提言のみならず、投稿記事、天気予報及び電力量等の情報がユーザーに提供されるので、ポータルサイトがユーザーにとって興味深いものとなる。
【符号の説明】
【0122】
30 気象観測装置
51 サーバー装置
52 記憶装置
53 プログラム
61 データロガー(蓄積手段)
66A アナライザー(判別手段)
66B 常時アナライザー(判別手段)
69A サーバー(送信手段)
69B 送信サーバー(送信手段)
70 据付端末装置
75 携帯端末装置
91a 気象データベース
図1
図2
図3
図4
図5